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2011年9月24日 (土)

光速より速いニュートリノ発見か?

 9月23日の毎日新聞ニュースによると,光より速いニュートリノ? 相対性理論覆す発見か? とありました。

 CERNでの名古屋大,神戸大,他ヨーロッパの国際研究実験グループが光速よりほんの僅かだけ速いニュートリノ(中性微子)があることを発見したらしいです。

 ちょっと驚きですね。

 でも光速より速いだけなら,かつて一度だけ発見されたけれどその後の追実験では確認されないため,恐らく間違いだろうとされた幻の超光速粒子タキオン(tachyon)に代わる存在というだけです。

 超光速というだけでは,その粒子の存在は相対性理論と矛盾するものではありません。ただし,素朴な古典的因果律は破れますが。

(↑2006年6/29のこのブログ記事「タキオンと因果律」参照)

 ただし,超光速粒子は意味が定かでない虚数の質量を持つはずですから,以前ニュートリノ振動の存在からニュートリノに質量があるとされたことが真実で,この質量が実数なら,従来の光速を限界速度とする相対性理論は僅かに破れていることになります。

 しかし,ニュートリノ振動からニュートリノに実数質量があることが確認されたとしても,それは光速を限界速度とする相対性理論に基づく推論です。

 相対性理論自身が破れてるなら,その推論も正しいかどうかわかりません。

 逆に,ニュートリノの質量が正確にゼロであるという方が真実なら,

 これまでの相対性理論での限界速度である光速cを観測された超光速のニュートリノの速さに置き換えるだけの数値の微修正だけです。

 「光速度不変の原理」に代わって,「ニュ-トリノ速度不変の原理」に基づく相対性理論が成立するだけだと思われます。

 しかし,それだと"光=光子"の方が僅かな質量(実数)を持つ必要あるため,やはり数値の微修正よりはるかに大きな意味がありますね。

 とにかく,実験結果が真であると追確認されない限り,今のところ私に言えることはこの程度です。

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105. 相対性理論」カテゴリの記事

コメント

 ども,TOSHIです。

 みなさん。コメントありがとうございます。まとレスですみませんが。。。前のニュートリノ質量同様,この種のニュートリノの実験結果というのはなかなか進展を見ないようですね。

 これからの事態を静観するのみです。

>kafukaさん。。
>何故「微修正」にとどまるのか、お教え頂ければ幸いです。

 私の主観では"微"なのですが,"大"とおっしゃるなら"大"でしょうか。。。

              TOSHI

投稿: TOSHI | 2011年9月25日 (日) 19時24分

>光速cを観測された超光速のニュートリノの速さに置き換えるだけの数値の微修正だけです
とのことですが、
QEDの計算は、たしか10桁くらいの精度があるので、今回の10万分の2という差異の影響は、
(2乗で効くのだったら10万分の4。3乗なら10万分の6)
という大きな影響になると思うのですが、
何故「微修正」にとどまるのか、お教え頂ければ幸いです。

投稿: kafuka | 2011年9月25日 (日) 00時53分

TOSHIさん

こんにちは。僕も今回の実験についての記事を書き、その中でTOSHIさんの記事を紹介させていただきました。もし、不都合であれば(コメント欄かメールで)お知らせいただきますようお願いします。

投稿: とね | 2011年9月24日 (土) 16時15分

とりあえず、今回の実験に使ったニュートリノ発生器ニュートリノ検出器間の距離を変えて再テストするべきでしょうね。

距離を変えても、ニュートリノと光との到達時刻の差が同じ60ナノ秒であれば、使用した発生器か検出器かのどちらかに超光速効果をもたらす原因があることになるでしょう。

投稿: TimeComm | 2011年9月24日 (土) 13時53分

私としては、ニュートリノが超光速で移動しいるのは、
http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-b442.html
>そして、この調和が存在する為には、必ず何らかの作用が必要となるのですが、私はこの宇宙全体の素粒子の協調の作用がある種のタキオン場が中心的な役割を担って成立していると予想しているのです。
と予想していますが、この宇宙のタキオン場が何らかの形で、ニュートリノの超光速を実現しているのではないかと予想します。
また、光子は速度に関してはタキオン場の影響を受けない為に超光速にならないと予想します。

投稿: 凡人 | 2011年9月24日 (土) 11時54分

まさに、ミステリーですね。

以前に、別の信頼できる実験でニュートリノの速度と光速との一致が確認されていることを考えると、どうして、今回の実験だけが超光速になったのかをよく考えてみる必要がありそうです。

ひょっとすると、ニュートリノは適当な条件の下で瞬間移動するのかもしれませんね。
その瞬間移動が相対論的因果律に反しないなら、相対論を修正する必要はないと思われます。

例えば、陽子同士が衝突し、ニュートリノが発生することが確定した原因事象の時空点を頂点とする未来光円錐の内側では、発生したニュートリノがその超円錐面までスペースライクに瞬間移動しても相対論的因果律に反することはありません。そこで、そのような効果が実際に存在し、実験装置の設定によってその光円錐の範囲が変化するとすれば、今回の超光速という結果を説明できるかもしれません。

投稿: TimeComm | 2011年9月24日 (土) 10時07分

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