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2011年11月

2011年11月29日 (火)

今日の癒し(Y-tubeより)

 今日,送られてきたイツモのメールから転載です。1ヶ月に1回月末かな?

 美しい。。。

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Diracの空孔理論(1)

「水素様原子の微細構造」(補遺)」から続く話題として,反粒子の存在を予言した「Diracの空孔理論(Hole theory)」の概説に入ります。

 

§1.負エネルギー解の問題 (序文)

 

Dirac方程式の負エネルギー解については,初期の議論のいくつか

で触れてきました。

 

例えば,1つの局在化された波束の構成においても,その中には

必然的に負エネルギー解成分が存在することを計算で確かめ

ました。

 

しかし,これまではそれらを解釈したり,その含蓄する意味を理解

するという問題については何とか避けて通ってきました。

 

しかし,今から後はこうした疑問に直面していきます。

 

負エネルギー解の存在は,原子内の電子が輻射を伴なって

負エネルギー状態へと遷移し,これまで想像もしてなかった

"無間地獄"状態へとなだれ的に落ちてゆくことを可能にし

ます。

 

こうした現象を避けるためには,Dirac理論の再解釈が必要

されます。

 

もしも電子と光子(輻射場)の相互作用を完全に無視するなら,

こうしたことは何の問題もなく,以前の記事で書いたような定常解

が計算できて,実験と非常によく合致するエネルギー固有値や遷移

振幅をも見出すことができます。

 

しかし,もしも輻射相互作用(光子との相互作用)をも含むことが

要求される正確さまで原子内電子の微妙な性質による結果をも

計算したいなら,

 

実際的のみならず原理的に,"電子が負エネルギー状態に転げ落ちる

のを防ぐ"という問題が存在し,これを避けては通れません。

 

水素原子の基底状態にある電子が負エネルギー状態まで落ちる

遷移率は,半古典的輻射理論を適用すれば先に見出した波動関数

を用いて容易に計算することができます。

 

すなわち,電子が負エネルギーの準位:-mc2から-2mc2の間

に遷移する率(単位時間当りの遷移確率)は,

約(2α6/π)(mc2/hc) ~ 108sec-1です。

 

もしも,この準位区間だけでなく全ての負エネルギー状態への

遷移を含めれれば,こうした全遷移は大爆発を起こします。

 

しかしながら,これは,明らかにナンセンスです。

 

 こうした状況下でもなお,Dirac理論,Dirac方程式が生き残れる

 としたら,

 それは1粒子Schroedinger理論の単なる相対論的拡張として示唆

 されるのとは別の負エネルギー状態の取扱いを見つける必要に迫

 られます。

 

ところが,Diracはこうした見解を見出すことを既に1930年には

成し遂げました。彼は「空孔理論(Hole theory)」という新理論

を定式化してこれに臨んだのです。

 

その理論は,負エネルギー解によって提示されたジレンマを単に

「Pauliの排他原理」に従って負エネルギー状態を満たし尽くす

ということによって解決するものです。

 

この解釈によれば,真空状態(vacuum;基底状態)は

全ての負エネルギー電子状態は電子で満たされていて

正エネルギー電子は全く空の状態です。

 

Pauliの原理」によれば,もはやこれ以上の電子はこうした

"負エネルギー電子の海"に収容することが不可能です。

 

それ故,水素原子の基底状態の安定性は保証されることになります。

 

この"負エネルギー電子の海'(Dirac sea)"という新しい仮説から,

多くの帰結が従います。

 

まず,負エネルギー電子が輻射(光子)を吸収して正エネルギー状態

に励起されることが可能となります。

 

これは下の図5.1に図式的に示されています。

 

  

        図5-1  

 

この現象が生じると,新たに電荷がe<0 でエネルギーが+E>0

の1電子の存在が観測され,かつ負エネルギー電子の海に1つの

負エネルギー電子の抜けた抜け殻の空孔(hole)が観測されること

になります。

 

この空孔は,電荷がe<0 でエネルギーが-E<0 の

"1電子の非存在=負エネルギー状態の占拠電子の欠如(absence)"

を示しています。

 

これは観測者にとっては,真空状態に相対的に電荷が-e>0 で

エネルギーが+E>0 の1つの粒子状態が存在すると見えるはず

です。

 

そこで,この電荷が-e>0 でエネルギーが+E>0 の粒子を

電子の反粒子(anti-particle)である陽電子(positron)と解釈

するわけです。

 

 これが,電子-陽電子の対創生(生成)(pair-production)に対する

 空孔理論的解釈の基礎です。

 

これと対照的に,負エネルギーの海における空孔,or 陽電子は

正エネルギー電子が落ちる落とし穴(trap:罠)となり,輻射(光子)

の放出を伴なって電子-陽電子の対消滅(pair-annihilation)

へと導くことがいえます。

 

これは下図5.2に図示されています。

 

 

        図5-2

 

空孔理論によって,Dirac理論は正負両符号の電荷を持つ粒子たち

を記述する多粒子理論へと移行することが認識されます。

 

そして,解の波動関数(spinor)は単に1粒子理論の確率解釈を

有するという性格のモノだけではなくなります。

 

何故なら,それらはまた電子-陽電子対の生成や消滅をも記述する

役割を有するからです。

 

 歴史的には,Klein-Gordon方程式が廃棄されてDirac方程式が

 発見され,その理論の発展が1粒子理論を確立するということが

 望まれるように動機付けられたという経緯が思い起こされます。

 

 それ故,何故,Klein-Gordon方程式のケースと同様,解釈の困難

 が生じたDirac方程式もまた捨てるという選択が取られないのか?

 という疑問が生じるのも当然なことです。

 

 しかしながら,Dirac方程式については,次の簡明な理由からその

 廃棄を渋ってきたという経緯があります。

 

 つまり,これまでのところDirac方程式における"真理"の印象的な

 実体物がどんどん明らかになってきており,

 

 それは水素原子の超微細構造と呼ばれる正確なエネルギースペクトル

 を予言したり,電子の"g因子=磁気回転比"も非常に正確に予測して

 きているからです。

 

 そして,この空孔理論において予言される陽電子についても実際に

 観測にかかっています。

 

 元は,Diracによって合理的に写し出された推論の歴史的経緯に

 従って,電子に対する望ましい方程式へと導かれてきたわけです。

 

 もっとも,今となっては理論を再解釈することにより元々の発展

 への出発点となった動機は捨てられる結果になっていますが。。

 

 物理学の歴史では,こうした理論の進歩の試行錯誤的プロセス

 パターンは他にも山ほどの例があります。

 

 したがって,Dirac方程式の空孔理論解釈を支持して,最初遂行して

 完成しかかっていた"素朴な"1粒子の確率解釈は排斥することに

 します。

 

 ここで,また2階線形のKlein-Gordon方程式に帰ることも可能です。

 

 そこでもまた波動関数の適切な再解釈によってこの方程式を救済

 することも可能であることに着目しておきます。

 

 Klein-Gordon方程式を超えたDirac方程式の利点は,それがspinが

 1/2で,g=2 の電子を正確に記述できることにあります。

 

 後述する予定ですが,一方のKlein-Gordon方程式はπ中間子(pion)

 のようなspinがゼロの粒子を記述できます。

 

 これら両方の相対論的波動方程式について共通なことは,不変な

 2次のエネルギー・運動量の関係:pμμ=m2を記述している

 ことです。

 

 両方のケースで安定な基底状態を保証するためには,

 負エネルギー解の再解釈をする必要があります。

 

 そして,これはFermi粒子とBose粒子の双方について粒子(particle)

 だけでなく反粒子(antiparticle)が存在することを不可避にします。

 

 (※↑もっとも,Bose粒子では「Pauliの排他原理」は成立しない

 ので,Bosonにより占拠された負エネルギーの海という同じ解釈

 では破綻します。

 

 Dirac spinorやKlein-Gordon scalarが単純な確率振幅を意味

 する波動関数でなくFock空間の状態ベクトルに作用する第二量子化

 された場であると再々解釈すれば,Dirac seaのようなものを仮想

 する必要性からも解放されて新たな地平を築くこともできます。

 

 例えば,正エネルギー解の部分は正エネルギー粒子の生成,

 負エネルギ-解の部分は正エネルギー粒子(実は反粒子)の消滅

 に関わる振幅の部分と考えれば,負エネルギー粒子の存在を仮想

 する必要はなくなります。

 

 しかし,今は歴史的経緯に従って空孔理論を概説しています。

 個人的には,これを理解することも必要なプロセスであると思って

 います。※)

 

 結局,粒子は正エネルギー解によって記述されますが,反粒子は

 負エネルギー解の非存在(空孔)によって記述されます。

 

 今の例では,Dirac方程式に従う粒子は質量がmで電荷がe<0 の

 電子であり,他方,反粒子は質量は同じmなのですが電荷が反対符号

 :-e>0 の陽電子です。

 

 今日は.序文(introduction)として短いですがここまでにします。

 

 (※関連過去記事として,2006年12/21の

 「電子の自己エネルギーとDiracの海」があります。※)

 

参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell "Relativistic Quantum Mechanics" (McGrawHill)

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2011年11月27日 (日)

ブログ初期の科学記事(2006年11月+α)

 またまた,手抜きの目次記事です。

 2006年11月になると,もはや,"数式より文章の方が多い"という科学記事は皆無で,数式ばかり羅列の傾向が強くなっています。

 しかし,,まだまだ1記事当たりのページ数は今よりかなり少ないですね。

 まずは,2006年11/2の統計物理学の基礎に関わる記事「ボルツマン方程式とH定理」からです。

 次は,平成4年(1992年)の11月,42歳まで15年半の技術計算屋としての正社員時代の仕事関連で,2006年11/4の記事「大気中の移流拡散方程式 」,11/6の記事「移流拡散方程式を解く」です。

 それから,11/1の記事「ボルツマン方程式」の続きで,11/8の「量子的ボルツマン方程式」です。  

 そして,無節操ゆえに,かなりたくさんある私の不健康な?(インドアの)趣味のうちの1つ,特にオーディオに関連して学んだ知見を書いた,11/10の「シャノンのサンプリング定理」とその続きの11/11の「折り返しノイズ」があります。

 次は,科学関連ではありますが,科学記事とはいえないかも知れない11/12の記事「松田卓也先生のこと」があります。

 そして,ちょっとだけ応用物理?の11/14の,「結晶内での弾性波(地震波)」があります。,

 また,松田先生関連の話題で11/16の「非慣性座標系で現われる慣性力」を書きました。

 そして,11月の前半記事と後半記事をつなぐような11/18の「遮蔽ポテンシャルとブラソフ方程式(クーロン系)」,11/19の「ブラソフ方程式の解とプラズマ乱流の渦」があります。

 ずっと後に,,地球温暖化を考察するための素地となる11/21の記事「地球の平均気温とステファン・ボルツマンの法則」を書いています。

 以後,宇宙物理(天体物理)における星の内部構造に関連して,原子内の電子,原子核の統計力学的考察についての記事が続きます。

 11/25の記事「高密度状態での陽子の中性子化(1)」,11/26の「高密度状態での陽子の中性子化(2)」,11/27の「電離平衡のサハの式」,同じく,11/27の「高温状態での電子対発生」です。

 さらに,実際の星の構造や進化について書いたのが,11/29の「星の重力平衡とエネルギーの流れ」,11/30の「星の構造(ポリトロープガス球とエムデン解)」です。

 2006年11月の記事はこれで,終わりなのですが,区切りが悪いのでちょっとだけ12月に入りますが,続きで,12/1の記事「星の進化とチャンドラセカール質量」,および12/2の「惑星と構成」,も紹介します。

(以上)

PS:昨日夕飯のおかずに,昔神楽坂のスナック「バロン」のメニューで,当時よく食していた「大和イモのステーキ」を,思い出しながら作ってみました。

 西友で2本パック219円で買ってきていた大和芋の1本の皮を取ってすり下ろし,卵2個と混ぜ合わせて,後は玉子焼きを作るのと同じ要領で焼きました。

 味付けは,私好みで塩しょう油にコショウ少々です。

 粘りが出た玉子焼きという感じで,大和芋特有の味もあってそれなりに美味でしたが昔食べたのとはちょっと違いました。

 ちょっとした食べ物屋を含むお店でもやって売り物にしたい考えもあり,豆腐を入れた方がいいのか迷っています。

 まあ時間があれば試作して食べるだけですが。。。

PS2:2011年11/3の記事「あおいちゃん。拡張型心筋症で海外で心臓移植(募金支援)」の続編ですが。。

 心臓移植の「あおいちゃんを救う会」 

では,募金目標額に達したということです。

 ご協力頂いた方,おられましたら,どうもありがとうございました。一両日中にはこのブログの対象募金バナーははずします。

 今後は,実際にドナーが確定して手術を受ける日程・経過等を見守って,手術が成功して病状が回復することを,かげながら祈るのみです。

PS:28日早朝に上記バナーは削除しました。

 しかし,このホームページは生きているので,その後の経過等を知りたい方は直接アクセスしてください。

 

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2011年11月26日 (土)

訃報・西本幸雄さん。。。

 訃報続きですが,プロ野球パ・リーグの大毎,阪急,近鉄の名監督だった西本幸雄さんが11月25日朝,心不全で亡くなられました。

 91歳(私の母と同い年)でした。まあ91歳だと大往生でしょう。

 →ニュース(asahi.comから): http://www.asahi.com/obituaries/update/1125/OSK201111250166.html

      写真

  ご冥福を祈ります。合掌!!

 奇しくも私の自宅前には菊の花が咲いてました。

  

 きれいですね。

 昨年12月3日にも同じ花が咲いていました。11月に急に右目の眼底出血した後に,この記事「眼科に行きました」を書きましたが,もう一年経ったのですね。

 「磯菊でしょうか?」と書いてあります。

 右目の方は,その後今年5月31日に手術2週間入院後回復しています。

 ところで今日26日は三の酉です。

 歩いて4~5分のところにある巣鴨大鳥神社でも,並べばおチョコ一杯のふるまい酒がもらえます。

 酉の市といえばまだ30代前半で新高円寺に住んでいた頃,

 行きつけの中野のスナック「蜜蜂」のママ,「赤いハンカチ」のマスターと一緒に店がはねてから,新宿「花園神社」に行って,商売繁盛の古い熊手を納めて新しい熊手を買っていた頃を思い出しました。なつかしい。

 昔から,イヤ今も東京で家族同然の付き合いがあるのは飲み屋だけだという感がありますね。ヒトハダ恋しい季節だなあ。。。

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2011年11月23日 (水)

談志が死んだ!!

 とうとう立川談志も亡くなったらしい。23日に死去がわかったらしいのですが,いつどこで亡くなったのかはまだ詳しくはわからないらしいです。75歳でした。

 http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/111123/ent11112315560008-n1.htm

   

 まあ,昔から口の悪いやつは実は優しいんだけど,照れ臭くて素直に歯の浮くようなことは云えず,逆の態度を取るような,朴訥でいいやつなんだが。。。。

        やすらかに眠れ。。。合掌!!

PS:手前味噌ですが,

 私は,見かけ風貌ではなく,中身が「フーテンの寅さん(渥美清ではない)」や「黒柳徹子」と,この「立川談志」に似てると言われたことがありました。

 単に素面でもペラペラと好きなことをしゃべるところが似てるだけで彼らの天才には及ぶべくもありませんが。。。イヤ,失礼しました。。。

 しゃべっていないと不安というのは同感です。

 破天荒というなら,時代はちょっと違うけど,私ならむしろ「古今亭志ん生(五代目:1890~1973)」を連想しますが。。。

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水素様原子の微細構造(補遺5-2)

 ※いやあ。驚きました。

 

 下の科学記事を書いた後の真夜中,なにげにこのブログのアクセス履歴を見てみたら,何と11月21日のアクセス数が1日だけで6672です。

 

 訪問人数も半分の3120です。(大体1人平均2回アクセスですね。)

  

 イツモは平日なら大体300アクセスで訪問者200人くらいですから,アクセス数で約20倍の大爆発。。何が起きたのでしょうか??

 

 23日休日だからいいのですが,目が覚めてしまいました。

 

 カウンターも数日前に56万を超えたばかりだったのに,たちまち57万

を超えています。 

(※300/日×365日で約10万アクセス/年で5年半経ってます。)

 

 前も1000アクセス/日を超えたことはありました。

 

 そのときは,X-JAPANのTOSHI関連の比較的大きいニュースがあったときでしたから,TOSHI違いの勘違いでした。またそうなのかな?

  

 22日も前日の余韻なのか?1537アクセスの736人。

 

 普通,休日祝日は半減しますから,

 今日23日はもっと減るでしょうが。。。。

 

(※記事別アクセスだと11/21は不明ですが,11/22なら2006年3~4月の過去記事「サルにもわかる相対性理論①~⑥」が56%と半分以上で,

 

 特に2006年3/24の本論に入る「サルにもわかる相対性理論②」が最大で40%ですね。ふーむ?)

   

 アクセス増えるのはうれしいけれど???

  

(PS:11月21日は私の母の91回目の誕生日。何事も無ければいいが。)※※ 

   

 さて,水素様原子の微細構造)(補遺5-1)の続き,後半です。

  

 波束を正エネルギー,負エネルギーの両方の重ね合わせに一般化

 します。

 

 Ψ(,t)=∫d3p(2π)-3/2(m/E)1/2±s{b(p,s)u(p,s)

 exp(-ipμμ)+d*(p,s)v(p,s)exp(ipμμ)} です。

 

 これによる全確率を計算すれば,

 ∫Ψ(x)Ψ(x)d3x=∫d3p∑±s{|b(p,s)|2+|d(p,s)|2}

 ですから,

 

 係数,dは,∫d3p∑±s{|b(p,s)|2+|d(p,s)|2}=1

 と規格化されます。

 

(注3):∫Ψ(+)+(x)Ψ(+)(x)d3

=∫d3pd3p'{m2/EE')}1/2±s,±s'[b*(p',s')b(p,s)

(p',s')u(p,s)δ3('-)exp{i(E'-E)t}

 

+b*(p',s')d*(p,s)u(p',s')v(p,s)δ3('+)

exp{i(E'+E)t}+d(p',s')b(p,s)v(p',s')u(p,s)

δ3(p')exp{-i(E'+E)t}

 

+d(p',s')d*(p,s)(p',s')v(p,s)δ3(')exp{i(E-E')t}] です。

 

 右辺のd3p'積分の被積分関数の各項には因子δ3()がある

 ため,'=±よりE'=Eなので,{m2/(EE')}1/2=m/Eで,

  

 exp{i(E'-E)t}=exp{i(E-E')t}=1,かつ

 exp{i(E'+E)t}=exp(2iEt),exp{-i(E+E')t}

 =exp(-2iEt)です。

 

 さらに,u(p,s')u(p,s)=v(p,s')v(p,s)

 =(E/m)δss',

 u(-p,s')v(p,s)=v(p,s')u(-p,s)=0

 ですから,

 

 結局,∫Ψ(x)Ψ(x)d3

 =∫d3p(m/E)∑±s,±s'[b*(p,s')b(p,s)

 u(p,s')u(p,s)+d(p,s')d*(p,s)v(p,s')v(p,s)]

 =∫d3p∑±s{|b(p,s)|2+|d(p,s)|2}

 を得ます。

 

(注3終わり)※

 

 一方,そうした波束Ψのcurrentについては,同様な計算から

 

 k=∫Ψ~(x)γkΨ(x)d3

 =∫d3p(pk/E)∑±s{|b(p,s)|2+|d(p,s)|2}

 +i∑±s,±s'{b*(-p,s')d*(p,s)u~(-p,s')

 σk0v(p,s)exp(2iEt)

 +d(-p,s')b(p,s)v~(p,s')

 σk0u(-p,s)exp(2iEt)}

 

 を得ます。

 

 ただし,E=(2+m)1/2であり,u(-p,s)=u(E,-,s),

 v(-p,s)=v(E,-,s)です。

 

 やや矛盾したnotationですが。。

 

 この表現では,時間に依存する群速度に加えて,振動数:2Eで急速に

 振動する正エネルギーと負エネルギーの交叉する項が出現してい

 ます。

 

振動数は非常に高く2E=2cE/hc>2cm/hc~2×1021sec-1です。

 

こうした形で現われる急速振動は,ドイツ語でZitterbewegung

(ツィッターベベーグング)と呼ばれています。

 

この振動の大きさは,波束中の負エネルギー解の振幅に比例して

います。

 

解のこの現象については,これまでの議論からすぐに何らかの解釈

をすることはできませんが,次のような考察は可能です。

 

自由粒子解の一般形:Ψ(,t)=∫d3p(2π)-3/2(m/E)1/2

 ±s{b(p,s)u(p,s)exp(-ipx)+d*(p,s)v(p,s)

exp(ipx)}は,

 

係数b(p,s),d*(p,s)の時間独立性によって,波束が初期に特に

正エネルギー解のみから形成されていれば,外力のないところでは

負エネルギー成分を持つような発展をしないことは明らかです。

 

しかし,初期において有限な大きさの領域に局在化され,1つの電子

表わすように形成される波束は,必ず負エネルギー解の成分を含み

ます。

 

(※↑ 実は,既に2006年8/8の記事

負エネルギー解と相対論的因果律」で,こうした事情を詳述

しています。)

  

 例えば,Ψ(,0,)=(πd2)-3/4exp{-r2/(2d2)}w(1)(0),

 (r≡||)とします。

 

 これは初期時刻t=0 において,原点r=0の周りの半値幅~dの

 Gauss分布に相当する局在化された波束です。

 

 そこで,t=0 では(πd2)-3/4exp{-r2/(2d2)}w(1)(0)

 =∫d3p(2π)-3/2(m/E)1/2±s{b(p,s)u(p,s)exp(ipx)

 +d*(p,s)v(p,s)exp(-ipx)}です。

 

 そこで,Fourier変換を実行し,

 ∫-∞3xexp{-r2/(2d2)}exp(ilx)

 =(2πd2)3/2exp(-22/2)を用いると,

 

b(p,s)=(m/E)1/2(π/d2)3/4exp(-22/2)u(p,s)w(1)(0),

*(p,s)=(m/E)1/2(π/d2)3/4exp(-22/2)v(p,s)w(1)(0)

 

 です。

 

 故に,Gaussの波束:

Ψ(,0,)=(πd2)-3/4exp{-r2/(2d2)}w(1)(0)の中の

負エネルギー成分の係数d*はゼロではありません。

 

 *はbに相対的に,uの大成分(上成分)に対するvの小成分(上成分)

の比率:~p/(E+m)だけ小さい値になっています。

 

 このことは,運動量がm程度の粒子に対しては負エネルギーの振幅

を評価できることを示しています。

 

 しかし,さらに,今求めた表現から波束は主として||≦1/dを満たす

運動量から形成されると見られます。

 

こうした困難のうちで,有名なパラドックスの1つは,Kleinのparadox

と呼ばれるものです。

 

電子を局所化するためには,望ましい領域に閉じ込める強い外力を

導入する必要があります。

 

例えばエネルギーがEの自由電子をz=0 の左側の領域Iに閉じ込め

たい場合を考えます。

 

電子がz=0 の右側の領域Ⅱの距離dより先には見出されない

ようにしたいなら,領域Ⅱにおける特性幅:πdで振幅が急減少

するように,0≦z≦dの微小区間の中でVが高さV0(>E)まで

非常に鋭く上昇するような形になるはずです。

 

これは,幽閉長さdが~1/mまで縮み,(V0-E)がmより大きくなる

までは,普通の非相対論的Schroedinger理論におけるのと同様です。

 

 相対論で何が生じるかを見るため,下図に見られるような絶壁境界

を持つ静電ポテンシャルを想定して,z方向に沿って左から入射する

運動量(波数),spin-upの1電子の反射currentと透過currentを

計算してみます。

   

 

 領域Ⅰにおける入射波:Ψincと反射波:Ψrefに対する正エネルギー解

は次のように書けます。

 

 Ψinc=aexp(ipzz)t[1,0,pz/(E+m),0],

 Ψref=bexp(-ipzz)t[1,0,-pz/(E+m),0]

 +b'exp(-ikzz)t[0,1,0,pz/(E+m)]です。

 

 何故なら,入射波:Ψincは,w(1)()

t[1,0,pz/(E+m),p/(E+m)]に対応しており,

z方向に沿った解なのでp±=0 ですから,exp(ipx)

=exp(ipzz)です。

 

 また,反射波も自由Dirac方程式の正エネルギー解です。 

 反射波なので,が(0,0,pz)→-=(0,0,-pz)と変わります。

 

 そして,w(2)(-)=t[0,1,-p/(E+m),pz/(E+m)]です。

 

 透過波については,Dirac方程式の一定の外場ポテンシャル

eΦ=V0の存在の下での解ですが,これは単に自由Dirac方程式の解

でのEを(E-V0)におき換えたものです。

 

そこで,領域Ⅱでは'2=(E-V0)2-m2

=(E-m-V0)(E+m-V0)であり,

Ψtrans=dexp(ip'zz)t[1,0,p'z/(E-V0+m),0]

+d'exp(ip'zz)t[0,1,0,-p'z/(E-V0+m)]です。

 

そして,振幅dとd'はcurrent保存によって要求されるポテンシャル

障壁境界における解の連続性条件により,

 

a+b=d,および(a-b)pz/(E+m)=p'z/(E-V0+m)

or,(a-b)=(p'z/pz)(E+m)/(E-V0+m)≡rd,

そして,b'=d',b'pz/(E+m)=-d'p'/(E-V0+m)]より,

b'=d'=0 を満足します。

 

00 で|E-V0|<mなら,波数(運動量)は虚数でp=i||です。

 

これは,領域Ⅱにおける解が距離d>1/mにおいて急減衰する描像

に対応しています。

 

 しかし,電子を閉じ込めるために障壁の高さV0をE+mを超えて

増大させると透過波の方が振動的になります。

 

 透過カレントと反射カレントの比率,透過率と反射率を計算すると,

 

 jtrans/jinc=4r/(1+r)2,

 jref/jinc=(1-r)2/(1+r)2=1-jtrans/jinc

 

 となります。ただし,r=(a-b)/dです。

  

こうした形の結果は,Schroedinger理論での類似した予測

(トンネル効果)を想起させます。

  

 しかし,今は連続性条件が成立し,かつV0>E+m,r<0 のケース

が存在することを観る必要があります。

 

 何故なら,rd=a-b=(p'z/pz)(E+m)/(E-V0+m)

なので,0>E+mならr<0 となるのです。

  

 この場合には,透過率:jtrans/jinc=4r/(1+r)2,反射率:

ref/jinc=(1-r)2/(1+r)2=1-jtrans/jincの式から,

負の透過current,

 

 および,入射currentを超過する反射currentが示され通常の理論の

常識に反する結果が見出されます。

   

では,V0>E+mのケースに領域Ⅰへ,つまり左の方へと動く

領域Ⅱでのcurrentの源(source)は一体何なのでしょうか?

   

また,Compton波長~1/mの中に解を局在化させようとして

障壁ポテンシャルの高さV0を(E+m)より大きく増加させ

ましたが,

 

結局は,目的に反して減衰しない振動解を伴なう結果に終わり

ました。

 

このことも,どのように解釈され得るのでしょうか?

  

これらの疑問への回答は,ただ新たに加わった負エネルギー解を

理解し解釈することのみにより得られると考えられます。

 

それは,1/mに局在化させた波束(例えばGauss分布解)の中には

必然的に負エネルギー解成分を含む必要があるという議論からも

明らかです。

   

前記のcurrentの計算から,こうした短距離では進むという描像は

うまくいかないこともまた等しく明らかです。(Zitterbewegung)

   

こうした疑問は,前期量子電磁気学ともいうべきDiracの空孔理論

(Hole theory)に頼れば,一応は出発点に戻って解決されます。 

   

しかし,その前にエネルギーの単位がmのオーダーで距離の単位が

1/m規模であるような,ポテンシャルがV=V0<E+mで弱い滑らかに

変動する領域での正エネルギー電子に対しても,相対論方程式の意味

を問う必要があります。

  

Dirac方程式,そしてDirac理論の適用により,非相対論的エネルギーの

領域にも新たな展開が期待できる豊富な分野があることにも着目します。

 

そして,ここで初めてFoldy-Wouthuysen変換や水素様原子の束縛状態

におけるエネルギー準位の相対論効果による超微細構造,Lamb-shift

などを論じた,

  

2011年7/17の記事「水素様原子の微細構造(1)」に始まるシリーズへと

回帰することになるわけです。

 

忘却のかなたですが,そもそも補遺を書くようになった動機は,2011年8/11

の「水素様原子の微細構造(4)」の(注13)で書いたZitterbewegungと

Darwin項:-{-e/(8m2)}divの関連を明らかにすることでした。

 

(※(再掲:注13):相対論的Dirac方程式のFoldy-Wouthuysen変換におけるDarwin項は,-{e/(8m2)}divですが,これはZitterbewegung(負エネルギー部分との相互作用運動)の効果です。※)

  

 Darwin項は,-{e/(8m2)}div={1/(8m2)}∇2Vです。

  

 これは,∇~1/(1/m)のCompton波長付近で∇2~m2,V>E+m

 によって強く効く項という意味で,Zitterbewegung効果ということ

 でしょうね,

  

これで「水素様原子の微細構造(補遺)」シリーズは完全に

終了です。

   

残されているのは後はDiracの空孔理論(Hole theory)だけです。

 

一応,乗りかかった船なので,この過渡期的理論についても続く記事

で題名を改め詳しく述べる予定です。 

  

参考文献: J.D.Bjorken & S.D.Drell“Relativistic Quantum Mechanics”(McGraw-Hill)

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2011年11月22日 (火)

水素様原子の微細構造(補遺5-1)

 またまた,かなり間が空きましたが.「水素様原子の微細構造」(補遺4)」の続きです。

 

 別に考え込んでいたわけではなく,最近は頚椎捻挫もあって単に自分のノートからの転記でPCに向かってキーボードを叩くだけでも,ひどく疲れしょっちゅう中断していたせいです。

 

 今回も,記事全体では長すぎるので2つに分けました。

 

 まずは,前半です。

 

 前回までの自由粒子Dirac方程式の平面波の基本解に関する知見と道具を前提として,さらに先へと進みます。

 

 さて,自由粒子の平面波解の重ね合わせによって局所化された波束(wave-packet)を作ることができます。

 

 重ね合わせの原理(方程式の線形性)により,これらの波束もなお自由粒子Dirac方程式の解です。

 

 まず,正エネルギー解のみを重ね合わせたものは,Ψ(+)(,t)

=∫d3p(2π)-3/2(m/E)1/2±s{b(p,s)u(p,s)exp(-ipμμ)

と表現できます。

 

 展開係数:b(p,s)を単位確率に規格化するため,先述したスピノールの直交関係:w(r)+r)w(r')r')=(E/m)δrr’に訴えます。

 

 これから,u(p,s')u(p,s)=(E/m)δss'ですから,

  

∫Ψ(+)+(,t)Ψ(+)(,t)d3=∫d3pd3p'

{m2/(EE')1/2}∑±s,±s'*(p',s')b(p,s)u(p',s')u(p,s)

∫d3x(2π)-3 exp{i(p'μ-pμ)xμ}

=∫d3(m/E)∑±s,±s'*(p,s')b(p,s)u(p,s')u(p,s)

  

です。

 

 すなわち,規格化は.∫Ψ(+)+(,t)Ψ(+)(,t)d3

 =∫d3p)∑±s,|b(p,s)|2=1 です。

 

 

 次に波束に対する平均currentは速度演算子の期待値で与えられ,

 J(+)=∫(+)+αΨ(+)3xです。

 

 これを評価するに当たって,自由粒子解から形成される4元ベクトルの重要な次の関係式を用います。 

 

 Dirac方程式:(^-m)Ψ=0 の任意の解:Ψ1(x),Ψ2(x)に対し,次の 恒等式が成立します。

 

Ψ2μΨ1={1/(2m)}{Ψ2~p^μΨ1 -(p^μΨ2~)Ψ1}-{i/(2m)}p^ν2μνΨ1) です。

 

※(注1):ab=aμγμνγν=aμν[(γμγν+γνγμ)/2+[γμν]/2]=aμμ-iaμνσμνですから,

 

 (^-m)Ψ1=0,Ψ2~(-^-m)=0 より,

  

 0=Ψ2~(-^-m)Ψ1+Ψ2~(^-m)Ψ1

    =-2mΨ2~Ψ1+Ψ2~ap1-Ψ2~^Ψ

 が成立します。

 

 -2mΨ2~Ψ1

 Ψ2~(aμp^μ-iaμp^νσμν-p^μμ+ip^μνσμ1=0

 です。

 

 故に,aμ(2mΨ2μΨ1)=aμ2~p^μΨ1 -(p^μΨ2~)Ψ1}

 -iaμ2~p^νσμνμΨ1+(p^νΨ2~)σμνΨ1} となります。

 

 これが,任意のaμに対して成立するので,

 2mΨ2μΨ1=Ψ2~p^μΨ1 -(p^μΨ2~)Ψ1}-ip^ν2μνΨ1)

 が成立するわけです。(注1終わり)※

 

 この恒等式は,Gordon-decompositionとして知られています。

  

 これは,Dirac currentを非相対論currentとspin-currentに似た相応currentとの和として表現しています。

 

 特に,Ψ1=Ψ2=Ψの場合には,ΨμΨ={1/(2m)}{Ψ~p^μΨ-

 (p^μΨ~)Ψ}-{i/(2m)}p^ν(Ψ~σμνΨ)が成立するため,

 

 k(+)=∫Ψ(+)~(x)γkΨ(+)(x)d3=∫d3x∫d3pd3p'(2π)-3

 {m2/(EE')1/2}∑±s,±s'[b*(p',s')b(p,s) exp{i(p'-p)x}

 {1/(2m)}u~(p',s'){(p'k+pk)-(p'ν+pν}u(p,s)]

 =∫d3p(pk/E)∑±s,±s’{b(p,s)|2

 

 と書けます。

 

 つまり,(+)=∫Ψ(+)~(x)γΨ(+)(x)d3

 =∫Ψ(+)+(x)αΨ(+)(x)d3x=<α

 =∫d3/E)∑±s,±s’{b(p,s){2=</E>です。

 

 前に与えた規格化によれば,currentは,(+)=<α=</E>

 =<gpと書けるわけです。

 

 gpは波束の群速度(group velocity)です。

 

 ただし,記号:< >は正エネルギー波束のみに関する期待値です。

 

 そこで,正エネルギー解から形成される任意の波束に対するcurrentは,丁度古典論の群速度に一致します。

 

 相応する説明は,非相対論的Schroedinger理論ではよく知られています。

 

 (※:αgp,=m/(1-β2)1/2,E=m/(1-β2)1/2 であり,

 α/Eです。)

 

 こうして,Diracの相対論的理論における重要な違いに到達しました。

 

 非相対論的Schroedinger理論においてcurrentの中に常に出現する速度演算子は/mです。これは定数ベクトルです。

 

 一方,Diracの相対論的理論ではcurrentは運動量に比例しません。

 

 =ΨαΨであり,この場合,速度演算子はopα=γ0γです。

 

(注2):Dirac方程式:(^-m)Ψ=(iγμμ-m)Ψ=0 の行列α,βによる表現は,i(∂Ψ/∂t)=H^Ψ=(-iα∇+βm)Ψ

or i(∂Ψ/∂t)=(αp^+βm)Ψです。

 

 そこで,∂(ΨΨ)/∂t+∇(ΨαΨ)=0 が成立するので,

 確率密度をρ≡ΨΨとし,≡ΨαΨとおけば,

 ∂ρ/∂t+∇=0 という連続の方程式の形になります。

 

 これは,確率P=∫ρd3x∫ΨΨd3xの保存を保証するcurrent密度が

 J=ΨαΨで与えられることを示しています。

 

 連続方程式∂ρ/∂t+∇=0 は,相対論的4次元形式では∂μμ=0 と書けます。Jμは4元電流密度で,Jμ=Ψ~γμΨ=(ρ,)です。

 

 また,自由粒子ではなくて,電磁場Aμ(Φ,)があれば,波動方程式は,

 i(∂Ψ/∂t)=H^Ψ={α(^-e)+βm+eΦ}Ψです。

 

 ^=α(^-e)+βm+eΦなので,

 d/dt=i[H^,]=i[αp^,]=α です。

 

  さらに,π^≡^-eとおけば,H^=απ^+βm+eΦで,

 dπ^/dt=i[H^,π^]+∂π^/∂t=i[H^,π^]-e∂/∂tより,

 

 dπ^/dt=e[α×]を得ます。ただし=-∇Φ-∂/∂t,

 =∇×です。

 

 何故なら,^=-I∇より簡単な計算によって,

 

 [H^,π^]=[H^,^-e]=[α(^-e)+βm+eΦ,^-e]

 =e[Φ,]-e[αp^,]-e[,αp^]

 =-ie[∇Φ+α×(∇×)

 

 となるからです。

 

 そこで,d/dt=α,およびdπ^/dt=e[α×]であり,

 π^=-eは∂L/∂で定義される正準運動量ですから,

 

 αが古典論での粒子速度,または波束の群速度を示す量子演算子opに対応することがわかります。opα=γ0γです。(注2終わり)※

 

 dπ^/dt=e[op×](π^≡^-e)のEhrenfest関係から,自由粒子の運動ではd/dt=0 ですが,速度演算子αは[H^,α]≠0 なので定数ベクトルではありません。

  

(※何故なら,^=α(^-e)+βm+eΦなので

^/dt=i[H^,]=i[αp^,^]=0 ですが,

 

 [α,H^]=i{pjij]+m[αi,β]=2i{pjαiαj-mβαi}

=2i{pi-iσijj-mγi}≠0 です。※)

 

 実際,<α=∫d3p(/E)∑±s,±s’{b(p,s){2=</E>ですから,opα=γ0γの固有関数を作る際,行列αkの固有値は1,つまり光速cに等しいにも関わらず,

  

 </E><1より,その正エネルギー期待値は|<αk|<1を満たしています。

  

 そこで,波束は正エネルギーだけではなくて,一般に負エネルギー解をも含む解である必要があると考えられます。(つづく)

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2011年11月18日 (金)

久しぶりの癒しのYou-tube

 表題の通りです。

 2009年9/17「パクリごめん。。天才ドラマーか?」,

 2011年5/6「You-tube動画の貼り付けテスト」,

 5/13の「Happy Birthday To You Stevie Wonder」,.

 5/20の「新緑の季節になりました。」,6/21の「ひとときのやすらぎ。。。?」,

 6/28の「今日の癒し」8/5の「.うさぎドロップ(映画紹介)」etc.の続きです。

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ブログ初期の科学記事(2006年10月)

 ここのところ記事が滞ってます。

 15日が給料日でしたが,奇数月には年金支給も無いし,ほんの小金収入です。

 ほとんどは滞納しがちな光熱費,ネット代等にスグに飛んで逃げてゆき,残りもエンゲル係数100%の米などの食費に消えますが,

 (↑自慢ですが,停められない程度に滞納で食いつないでます。)

 僅かであっても後先考えず外での飲み代と化してしまうという悪い癖で,残り少ない命の洗濯の方にいそしんでいたせいも多々あります。

 それに,微妙な神経が集中している頚椎の軽いヘルニアのようですから,階段や坂を歩いたり,椅子や寝床から起きたりする際に,足だけでなく右や左の腕の助けが必要な私には,その度に痛みが走って不快です。

 急に寒くなったり,異常な気象の変化なども影響しているかもしれません。

 ブログ書きのような眼や指を使う作業でも,結構左腕,左肩の負担で前よりも疲れるのでスピードが遅いのも特に数式入力などの記事停滞の一因です。

 というわけで,手抜き記事の続きで2006年10月の科学記事を紹介します。

 こうした記事は一応,2007年3月末に緊急入院して1ヶ月ブログを休止するところまでは,1ヶ月ごとに紹介するつもりです。

 これら紹介記事を書く際には単に目次作りではなく,,対象の過去記事を改めて読み返して反芻,修正して足りない図など追加したりしていますから,ある意味私自身にも温故知新の楽しい作業でもあります。

 さて,2006年10月は9割くらいのが科学記事でした。

 まだ,ブログに大いに燃えていた頃でしょうか?

 まずは,10/3の記事「ホイヘンスの原理の正当性」です。次は10/4の「原子核のα崩壊の理論(Ⅰ)」,10/5の「原子核のα崩壊の理論(Ⅱ)」です。

 そして,その次が,古典論から量子論への橋渡しから観測理論までも言及した10/8の「WKB近似,ハミルトン・ヤコービ方程式,経路積分」です。

 この記事は長さではなく他の記事5個分くらいの価値があるのでは?,と自負している自信作です。

 そして,10/9の「非共変ゲージの非局所性(電磁場)」や,10/11の「ボーズ・アインシュタイン凝縮とゼータ関数」,10/12の「算術幾何平均と楕円積分」,10/13の「超弦理論テキストにおける計算ミス」があります。

 さらに,10/14の「零点エネルギーとファン・デル・ワールス力」,10/15のガンマ関数の1公式の証明」,10/16の「量子力学の交換関係の問題」,10/19の「ファン・デル・ワールスの力と状態方程式

 同じく10/19の「同時刻の相対性」,,10/21の「ポアンカレの補題」,10/23の「観測の問題(デコヒーレンス)」です。

 それから,数論ですが10/24の「素数を分母とする循環小数とその周辺」,10/25の「素数定理への入り口」です・

 10/27の「量子力学の交換関係の問題(その2)」,の後は,全て後のリーマン予想の論議への入門となる数論のベルヌーイ数とゼータ関数の話です。

 すなわち,10/29の数列の和とベルヌーイ数」,10/30の「ベルヌーイ数とゼータ関数」,および10/31の記事「ベルヌーイ数とゼータ関数(その2)」,「数列の和とベルヌーイ多項式」,「です。(以上)

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2011年11月13日 (日)

43~44年ぶりの高校同級生との邂逅

 私が高校を卒業したのは1968年(昭和43年)のことですから,もう43年半くらいになります。

 私の母校は私立金光学園という中高一貫6年の学校です。

 幕末?の新興宗教の1つ金光教の総本山のある岡山県浅口郡(現浅口市)金光町にあります。

(※隣の鴨方町は,Klein-Nishinaの公式でも有名な仁科芳雄先生出身地ですね。)

 .元々金光教を母胎とする学校ですが,天理高校やPL学園などと同じく?宗教を押し付けられるなどということはないです。

 まあ,金光教の大祭の前には広ーい本堂の清掃奉仕をするとか,1週間に1回でしたか?宗教の時間があって,キリスト教,仏教の話とか一般的宗教や哲学のような授業もありましたが,まあ社会科の倫理・道徳のようなものと記憶しています。

 本当の宗教関係の学校としては別に金光学院という金光教教師(牧師のようなモノ)を養成する文部省管轄の各種学校でもない?学校があるようでした。

 高校の同窓生というと今は私と同じ年の61歳か62歳ですから,コンピュータ業界とか,理系や経済学等計算が要求されるコンサル会社社員や大学,研究所の研究者であった人でもない限り,年代的に昨近のPCのネットやIT関連には疎いのが普通でしょう。

 しかし,今は携帯も含めてまあ猫も杓子もインターネットくらいは簡単にできる敷居の低い時代になっていますから,mixiでも「同級生つながり」ということで1,,2年前から2名の私のマイミク(友達)がいます。

 たまたま,2人とも陸上部にいたミハッチ(M畑)さんとふっくん(F原)です。

 ところが,最近Twitterから2年くらい遅れて,中東の「ジャスミン革命」に託けて登録だけはしていた,Facebook(本名登録が義務)が日本でも市民権を得たらしく,やはり同級生つながりで,E藤さんとM澤さんと立て続けに2名の懐かしいFacebook友達ができました。

(※Twitterは友達というより,フォロワーです。)

 まだまだ,友達申請していませんが,O本,E村,など結構いるみたいですね。(1968年卒業の高20回同窓生は,55名×6クラスの330名くらいです。)

 E藤君とO本君は現役で大学受験のとき一緒に関西の国立一期の大学を受けに行ったとき以来でしょうか?

 この2名はそのとき合格,私は落ちて一浪して,1969年また落ちました。

 E藤さんは関西の某国立大教授で副学部長?になっていて64歳で定年とかいうことで,理系ではいわゆる出世頭の一人でしょうか。。

 私がスッポンなら,彼は月の方ですね。。

 M澤さんとは高校の卓球部で1年間一緒だったこともあってメールで共通の昔話をしています。

(※2006年5/25の回顧記事:「小,中,高校時代(その2)」参照)

 当時の私のニックネームが「カヨちゃん」だったことを思い出させてくれました。

 これは虚弱体質寸前の"か弱い"身体だったために,当時ニックネームを付けるのが1つの趣味だった美術教師の息子で同級生に付けられたものです。まあ,ニックネームはないよりあるほうがマシと思ってました。

 イヤー,ネットは便利というか?思い出したくないことまで思い出したというか,卒業後同窓会にも県人会にも出たことのない私が出会うとは不思議なモノですね。

 下は1994年(創立100周年)に創られたらしい金光学園応援歌です。

 

 姉妹校には金光八尾高校や金光大阪高校などがあります。

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2011年11月11日 (金)

2011年11月11日。。ポッキーの日??

 本日.西暦2011年11月11日は平成11年11月11日以来のわが国で1が6つ並んだ珍しい日付の日です。

 それとは別に関係ない単なる日記です。

 今日は,冷たい雨が降り12月下旬かと思えるくらい寒い日でした。

 17時頃,さっさと帰宅すると,自宅の部屋の中も寒いしスグ食べられるモノもないので,冷蔵庫の残り物からハムを肉代わりにして久しぶりにカレーを作りました。

    

 玉ネギ大1個,ジャガイモ小3個を入れて5人前(5皿分)を作りましたが,ちょっとイモが多すぎたようです。(この季節は寒いので作り置きしても2日は持ちます。)

 しかし,元々イモカレーは好きですし味はやはり自分で作ったのが最高でした。

 サッカーを見ながら1皿半食べました。サッカー日本代表勝ちましたね。

 ところで,一昨日巣鴨駅前を通ったら,「福々饅頭(駿河屋)」が駅前店舗の工事が終わったらしく,自宅近くの仮店舗から,巣鴨駅北口の元の位置に復活してました。

 2010年11/3の記事「秋めいてきました。」を参照)

    

 たまには買って食べようかな。

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水素様原子の微細構造(補遺4)

 「水素様原子の微細構造(補遺3-1,3-2)」の続きです。

 今のところ,水素様原子とは直接関わりのない自由粒子のDirac方程式の解の話を続けています。

 これらの自由粒子解 をできるだけ詳細に観察して,Diracの空孔理論(hole theory)(反粒子の存在理論)へと至る過程での負エネルギー粒子解の解釈等のさらなる深化を目指します。

 さて,座標系のLorents変換に呼応してスピノール(spinor)を変換させる線形演算子は,S=exp{-(i/4)ω(σμνμν)}= exp{(1/8)ω[γμν]Iμν}で与えられることを見ました。

 変換が慣性系間にゼロでない相対速度があるブースト(boost)を伴わない単なる3次元空間の角度φの回転という特別な場合なら,

 S=SR=exp{-(i/4)φ(σijij)}=exp{(1/8)φ[γij]Iij}です。

(※ここでは,ギリシャ文字の添字μ,νについては0から3まで,ラテン文字i,jについては1から3の和を取る規約を採用しています。)

 それ故k=-γkが2行2列のPauli行列σ(2)kと-σ(2)kを反対角要素とする反対称行列で与えられる表示では,σij=i/2[γij]=σijはσ(2)kを対角成分とする4行4列細胞対角行列です。

 何故なら,Pauli行列の交換関係は,[σ(2)i(2)j]=[σ(2)i(2)j]=2iεijkσ(2)kだからです。

 そこで,改めてσ(2)kを対角成分とする4行4列細胞対角行列をσkと定義します。

 そうして,4行4列に拡張されたPauli行列のベクトルをσ=(σ123)とします。

 また,この表示ではChiral行列とも呼ばれる行列:γ50γ1γ2γ3≡γ5は,次の表現を有することになります。

   

 特に,z軸(x3軸)の周りの角度φの回転では,I12=-I21=-1以外はゼロなので,SR==exp{-(i/4)φ(σ1212+σ2121)=exp{(-i/2)φσ21}=exp{(i/2)φσ3}です。

 静止系でのスピン方向単位ベクトル(s1,s2,s3)に対して,の向きをz軸に取れば,スピノールに対する変換をS=SR=exp{(i/2)φ(σs)}と書くことができます。

(注):t(x,y,z)→’=t(x',y',z')がz軸の回りのxy平面上の角度φの回転なら,x'=xcosφ-ysinφ,y'=xsinφ+ycosφ,z'=zです。(座標系の方が回転します。)

 これはφが無限小回転角のΔφなら,x'=x-yΔφ,y'=xΔφ+y,z'=zと書けます。

 これを行列形で,t(x',y',z')=t(x,y,z)+Δφt(-y,x,0)={1+Δφ(Tz)}t(x,y,z)と書きます。

 これが3×3(直交)行列Tzの定義であるとします。

 すると,これは行列要素が12=-T21=-1以外はゼロの行列です。

 これに,それぞれ成分がゼロの行,および列を上,および左に付け加えて4行4列にすると,上記の4行4列の回転行列Iが得られます。

 (注終わり)※

そこで,静止してz方向に分極した電子に対する基本解:(r)(0);

(1)(0)=t(1,0,0,0),w(2)(0)=t(0,1,0,0),

(3)(0)=t(0,0,1,0),(4)(0)=t(0,0,1,0) に対して,

回転演算子:SR=exp{(i/2)φ(σs)}を適用することにより,任意方向分極した1粒子状態の解を作ることができます。

 

特に,スピノールwが単位ベクトル:方向に分極した粒子に対応するとき,wがそうした状態にあることを関係:(σs)w≡wで定義します。

 

つまり,これはwの分極(polarization)がであることの定義です。

 

この記述により,これまでとは異なる基本解のnotationを導入します。

 

まず,4元運動量pμとスピン(spin)sμを持つ自由Dirac方程式の正エネルギー解を示す運動量表示スピノールをu(p,s)で記述します。

 

こう定義すれば,これは(-m)u(p,s)=0を満足します。

ただし,≡γp=γμμです。

 

スピンベクトル:sμ=(s0,)は,sμ=aμνs^ν;s^μ=(0,^)によって静止系での分極ベクトル^から定義されます。

 

ただし,aμνは静止系に対するLorentz変換の係数です。

 

これに対応して4元運動量はpμ=aμν^ν;p^μ=(m,0)です。

 

そこで,sμμ=s^μs^μ=-^^=-1,かつpμμ=p^μs^μ=0 なる性質が常に成立します。

 

定義により,u(p,s)は

  

静止系で(σs^)u(p^,s^)=u(p^,s^)を満たします。

 

(注):静止系では,Dirac方程式は,i(∂ψ/∂t)=βmψです。

 

[βm,σs^]=ms^k0k]=0 より,[H,σs^]=0 ですから,

 

静止系では,σs^は保存量です。

 

よってHとの同時固有状態を取ることができます。

 

これがu(p^,s^)が存在すること,故にu(p,s)が常に存在して,これが定義できることの根拠です。(注終わり)※

 

同様に,4元運動量pμとスピン:-sμを持つ自由Dirac方程式の負エネルギー解を示す運動量表示のスピノールをv(p,s)で記述します。

 

つまり,v(p,s)は(+m)v(p,s)=0を満足し,静止系で分極:-^を持つとします。

 

すなわち,σs^v(p^,s^)=-v(p^,s^)とします。

 

このように定義すると,u(p,s)とv(p,s)はw(r)()と次式で関係付けられます。

 

(1)()=u(p,uz),w(2)()=u(p,-uz),

(3)()=v(p,-uz),w(4)()=v(p,uz) 

 

です。

 

ここで,uzμは静止系ではuz^μ(0,z^)=(0,0,0,1)なる形を取る4元ベクトルです。

 

かくして,任意のスピノールは運動量pμとエネルギーの符号,および静止系の分極s^μによって完全に指定されます。

 

さて,実際計算においては.エネルギーの符号と分極を持つスピノールの射影演算子(projection operator)が便利です。

 

非相対論の2成分の射影演算子:P±=(1±σ3)/2の4成分のアナロジーを考えます。

 

上記のP±は非相対論で任意の状態(2成分spinor)から,spin-up,またはspin-down部分を取り出して投影します。

 

同様に,Dirac方程式の解に対しては,与えられた運動量がの平面波解(4成分spinor)から,正,負エネルギー,および与えられた方向に対しspin-^up,spin-downに対応する4つの独立な解へと射影する4つの演算子を捜します。

 

こうした演算子を,実際計算に有用な異なるLorentz系の間で容易に変換できるような共変形で求めたいと考えます。

 

この4つの射影演算子:Pr()≡P(p,uzr)(r=1,2,3,4)は,

 

r()w(r')()=δr'(r)(),または,同じことですが,

r()Pr'()=δrr'r()を満たす演算子と定義されます。

 

(注):Pr()w(r')()=δrr'(r)()が成立すれば,運動量を持つ任意のスピノ―ル:Σrc(r)w(r)()に対して,Pr(){Σqc(q)w(q)()}=c(r)w(r)()が成立します。

 

そして,Pr()Pr'(){Σqc(q)w(q)()}

=Pr()c(r')w(r')()=δrr'c(r)w(r)()

=δrr'r(){Σqc(q)w(q)()}ですから,

 

r()Pr'()=δrr'r()を得ます。

 

逆に,Pr()Pr'()=δrr'r()なら,

式の等号は全て同値変形なので上記等式を逆にたどることで,

r()w(r')()=δrr'(r)()を得ます。

 

r()が射影演算子であるという意味は,上記のように,運動量

持つ任意のスピノ―ル:Σrc(r)w(r)()が,唯一のエネルギー

の符号とスピンを持つc(r)w(r)()に射影されることです。

 

(注終わり)※

 

与えられたに対して正,負エネルギーとspin-up,spin-downの状態に

投影するこうした演算子:Pr()は,

(-εrm)w(r)()=0,および,(r)~()(-εrm)=0 から

見出すことができます。

 

これらの関係式は既に共変形です。

 

そして,まずΛr()≡(εr+m)/(2m)と定義します。

 

特に,これらを選択的にΛ±(p)≡(±+m)/(2m)とも

記述します。

 

Λ(p)≡Λ1()=Λ2(),Λ(p)≡Λ3()=Λ4()です。

 

このときr()w(r)()=(εr+m)w(r)()/(2m)

={εr(-εrm)/(2m)+1}w(r)()=w(r)()です。

 

また,r=1,2,r'=3,4;またはr=3,4,r'=1,2なら,

Λr()w(r')()=(εr+m)w(r')()/(2m)

=εr(-εr'm)w(r')()/(2m)=0 です。

 

pp=p2=m2を用いると,

Λr(r'()=(εr+m)(εr'+m)/(4m2)

={(1+εrεr')m2+(εr+εr')m}/(4m2)

={(1+εrεr')/2}(εr+m)/(2m) です。

 

つまりr(r'()={(1+εrεr')/2}Λr()を得ます。

 

したがって()2=Λ(),Λ()2=Λ(),

かつΛ(()=0 です。

 

次に,スピンsに対する同様な演算子を表現するため,スピンが最も

容易に記述できる粒子の静止系において,共変形にすることが可能な

射影演算子を見つけます。

  

Spin-up粒子に対するこれの自然な候補は,(1+σ3)/2です。

 

非相対論でのスピン射影演算子:(1+σ(2)3)/2 が,3次元空間の

スカラーとして(1+σ(2)z^)/2と書き直されることによって,

陽なz軸(3-軸)への依存性から解放されるのと同様な方法で,

 

Diracスピン射影演算子を4元ベクトルuz^μを用いてLorents

スカラー形に書くことを試みます。

 

これは,(1+σ3)/2=(1+iγ1γ2)/2=(1+iγ0γ1γ2γ0)/2

=(1-iγ0γ1γ2γ3γ3γ0)/2=(1+γ5γ3z^3γ0)/2

=(1+γ5z0)/2 なる変形によって実行されます。

 

ただし,γ50γ1γ2γ3≡γ5を用いました。

 

演算子:(1+σ3)/2=(1+γ5z0)/2 から最後の行列因子γ0

削除すれば共変な形になります。

 

何故なら,静止系においてγ0をDirac基本スピノールに作用させると

±1の固有値を与えるからです。

 

それ故,σs^u(p^,s^)=u(p^,s^),および,

σs^v(p^,s^)=-v(p^,s^)なる規約に従って,

 

求める共変なDiracスピン射影演算子は,

∑(uz^)≡(1+γ5z^)/2,または,一般のsμμ=0を満たす

スピンベクトルsμについて(s)≡(1+γ5)/2 であると

考えます。

 

 すると,静止系では,(uz^)(1)(0)

 =(1+γ5z^)w(1)(0)/2=(1+σ3)w(1)(0)/2=w(1)(0)

 となります。

 

同様に,(-uz^)(2)(0)=(1-γ5z^)w(2)(0)/2

=(1-σ3)w(2)(0)/2=w(2)(0)です。

 

 他方,(-uz^)(3)(0)=(1-γ5z^)w(3)(0)/2

 =(1+σ3)w(3)(0)/2=w(3)(0),かつ

 (uz^)(4)(0)=(1+γ5z^)w(4)(0)/2

 =(1-σ3)w(4)(0)/2=w(4)(0)です。

 

 そこで,先の基本スピノールの別のnotation:u,vとの関連付け

 w(1)()=u(p,uz),w(2)()=u(p,-uz),

(3)()=v(p,-uz),w(4)()=v(p,uz)から,

 

 ∑(uz^)u(p^,uz^)=u(p^,uz^),

 (uz^)v(p^,uz^)=v(p^,uz^)

  

 を得ます。

  

 一方,(-uz^)u(p^,uz^)=(-uz^)v(p^,uz^)=0

 です。

  

 これは,(-uz^)(1)(0)=(1-σ3)w(1)(0)/2=0

 (-uz^)(4)(0)=(1-σ3)w(4)(0)/2=0 etc.から

 得られます。

 

 ところが,(-uz^)は共変形の演算子:(s)=(1+γ5)/2

 の静止系での特別な場合の表現です。

 

 よって,sμμ=0を満たす任意の分極ベクトルsμに対して,

 (s)u(p,s)=u(p,s),(s)v(p,s)=v(p,s),

 および, (-s)u(p,s)=(-s)v(p,s)=0 を得ます。

 

 以上から,4元スピノールに対する求める射影演算子が,

 

 P1()≡Λ()∑(s),P2()≡Λ()∑(-s),

 P3()≡=Λ()∑(-s),P4()=Λ()∑(s)

 

 で定義される4行4列の行列表示の演算子:r()(r=1,2,3,4)

 で与えられるという結論となります。

  

 何故なら, 

 [∑(s),Λ±()]=[(1+γ5)/2,(±+m)/(2m)]

={±1/(4m)}[γ5,]={±1/(4m)}sμν5γμν]

=-{±1/(4m)}sμνμν}=-{±1/(2m)}sμμ

 より,

  

 sμμ=0を満たす任意のsμ,pμに対して,

 [∑(s),Λ±()]=0 が満たされるため,

  

 これらの表現が射影演算子の条件:r()w(r')()

=δr'(r)() or r()Pr'()=δrr'r()を

確かに満足するからです。

  

 さて,共変的な定式化を遂行するため,運動量演算子:^の固有値が

での固有状態であるような負エネルギー解を導入してきました。

 

 同様に,(s)=(1+γ5)/2,および,

  

 ∑(uz^)(1)(0)=(1)(0),(-uz^)(2)(0)=(2)(0),

 ∑(-uz^)(3)(0)=(3)(0),(uz^)(4)(0)=(4)(0)

  によって,

 

 負エネルギーのspin-up,およびspin-down状態は,静止系において,

 それぞれ固有値-1,および+1のσ3の固有関数になります。

  

 負エネルギー解に対する固有関数の見かけ上の関連付けについての

 物理的に合理的な動機付けは空孔理論で明らかになります。

  

 今日はここで終わりますが,まだ続きます。

 

参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell「Relativistic Quantum Mechanics」(McGrawHill)

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2011年11月 8日 (火)

算数の問題(再々掲の再掲)

 ここ数日,看板の理系記事が途絶えているので,つなぎとして,目の手術で2週間入院した直後の2011年6/13の記事「算数の問題(再々掲)」から,そのメイン部分をまたまた,再掲しておきます。

 この問題は面白いので,折にふれてアップするつもりです。

 ※以下,再掲記事です。

 これは2006年3月にブログ開始してまもなく書いた問題です。

 (2006年3/30の記事「算数の問題」)

 その後2006年12月にはヒントも出しました。

 ところが,その後出題した私自身どのように解いたかを失念してしまいました。

 「どうしてもわからないので解答を示してくれ」との要望があったため,再度トライしてみましたが,面目ないことにどうしても解けなくて,大きなことを言った手前,謝まってPendingにしていました。← これはYahooのミラー「TOSHIの宇宙4」での話?

 しかし病院生活が余りに暇なので,6/5(日)には朝食後から,BSで延長戦になって5時間以上も続いたアスレチックスとヤンキースのゲームを見るとはなしに見ながら,何の邪魔も入らずゆっくりじっくり考えていると,昼食後の14時頃にあっさりと解けました。

 取り合えず,まず問題とヒントまでを再掲します。

 解答部分は今日夕方帰宅してから書きます。

 ※(問題) でたらめな形の四角形が1つあるとします。

 その4つの各辺を,それぞれ3等分してその向かい合う点同士を直線で結ぶと,やはりでたらめな形の9個の小さい四角形に分割されます。

 このとき真ん中にできた小四角形の面積は元の四角形の面積のちょうど,1/9 になることを証明しなさい。※

 という問題です。

 そして,2006年12/20には問題再掲してヒントを与えました。。「算数の問題(再掲)

※これに対して今回はヒントとして対辺の分点同士を結んでできる3つの四角形のうちの真ん中のそれは全体の1/3になることを示すことができるという指摘を追加しておきます。

(追伸):今2007年1月9日~10日の深夜ですが,kaさんから補助線を明示した図を見たいとの希望がありました。

 そこで□ABCDと,そのADの3等分点M,NおよびBCの3等分点P,Qを書いた図を書いてみました。

要するに⊿MPQ=(1/2)⊿MBQ,⊿MQN=(1/2)⊿MQDなので,□MPQN=(1/2)□MBQDとなります。

 

別の補助線を引いて⊿MBD=(2/3)⊿ABD,⊿DBQ=(2/3)⊿DBCなので,□MBQD=(2/3)□ABCDが成立します。

 

故に,□MPQN=(1/3)□ABCDになります。

 

もちろん,□ABCDが台形でないなら,面積が1/3になるのは真ん中の四角形だけで両側の四角形は1/3にはなりません。

 

これがヒントです。※

 

PS:さて,帰宅したので,約束の解答です。

 

まず,9個の小四角形に下図のようにa,b,c,d,e,f,g,h,iとラベルを付けます。

 

同時にこれらは各四角形の面積をも表わす記号とします。

 ここで□ABCDの面積をSとすると,証明すべき結論はe=S/9です。

 

まず,明らかにa+b+c+d+e+f+g+i=S です。

 

そして,ヒントから, ,b+e+h=S/3,かつd+e+f=S/3 です。

このことから,a+c+g+i=S/3+eと書けることもわかります。

 

これ以上,これらの式をいくら変形しても何も新しいことは出てきません。

 

そこで,新しい補助線を引いて考察します。

まず,⊿EAM=(1/2)⊿EMD,かつ⊿EAK=(1/2)⊿EKBです。

 

故に,a=⊿EAM+⊿EAK=(1/2)(⊿EMD+⊿EKB)です。言い換えると⊿EMD+⊿EKB=2aです。そこで,□EBCD=S-3aです

 

他方,⊿EDR=(1/3)⊿DEC,かつ⊿EBP=(1/3)⊿EBCですから,⊿EDR+⊿EBP=(1/3)(⊿DEC+⊿EBC)=(1/3)□EBCDです。

 

以上から,(b+c+d+g)-2a=(1/3)(S-3a)ですから,b+c+d+g=a+S/3が成立します。

   

対称性から,同様に,f+i+b+a=c+S/3,h+g+f+c=i+S/3,d+a+h+i=g+S/3も成り立つはずです。

  

これら4つの等式の両辺を全てそれぞれ加えると,2(a+b+c+d+f+g+h+i)=(a+c+g+i)+4S/3となります。

 

したがって,2(S-e)=(S/3+e)+4S/3より3e=S/3ですからe=S/9です。

 

解答は以上で終わりです。お疲れさま。。

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訃報!隆の里(鳴戸親方),および西岡武夫氏

 稀勢の里などを育てた鳴戸親方(隆の里)が7日朝,急性呼吸不全で,亡くなられました。まだ59歳でした。最近の暴行疑惑での心労もあったのでしょうか?

http://mainichi.jp/enta/sports/general/sumo/news/20111108k0000m050048000c.html

     下は現役時代の写真です。

   

  政治家の訃報は必ずしも書かないのですが,必要な地震対策を実行していないとして当時の菅直人首相に退陣を求めた気骨の人:参院議長の西岡武夫氏 も残念ながら11月5日に亡くなられました。75歳,肺炎でした。

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111107/stt11110707540000-n1.htm

  

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2011年11月 6日 (日)

アルプスの少女ハイジ。。ほか日常

 今日は完全に寝てヨウビなので,スナックママに貰ったラーメン2人前食べながら駅伝を見た後,CATVで懐かしいアニメ「アルプスの少女ハイジ」をまとめてやってたのを見ました。

  

 たまたま,先週日曜日(10/30)もやっていて夜まで見たのですがその続きで,今日はフランクフルトからクララがアルムの山にやってくるところまででした。

 その続きでクララが歩けるようになるのは,たまたま昨年12/30にやはりまとめて何時間もやったのを見ました。

 昔,初めて見たときの記憶では,クララが歩けるようになったところを見た印象しか残っていませんが,

 そのとき(12/30)も改めて続けて全部を仔細に見ると,歩けるまでにかなり紆余曲折があって容易ではなかったこととかがわかって新鮮でした。

 今回も,ハイジがクララと出会い山に帰った経緯もわかってよかったです。

 クララというと,またまた連想ですが,修道士の祖であるアッシジのフランチェスコ(聖フランシス)と共に歩んだ修道女の祖:キアラ(クララ)を思い出しました。

 これも好きな映画「ブラザー・サン,シスター・ムーン」からの記憶です。

(※2007年11/9の記事「日々の雑感」,2007年12/22の記事「醜態」,および2010年7/11の記事「教会に行ってきました。」を参照)

  

 昨日は,その後夜にフィギアスケートの放送を見た後,そのまま宮部みゆき原作の「火車」を見ているうち,つい寝てしまいました。

 目覚めると最後の場面で,中盤や結末の意味とか全くわかりません。。

 そこで,2009年春に西宮の実姉と姪のところに行った際に,その近くの古書店で,この小説「火車」を105円で買ったけれど最初だけ見て放り出してたのを思い出して,引っ張り出して読み始めました。ちょっと読んで休憩。。

        

 今日のこの後のスケジュールは,巣鴨駅前スナックで21時から25時までイツモのように半分仕事のサクラで飲んで歌でも歌うというだけなので,

 チョット仮眠します。 (←うーん,何とおキラクな。。)

PS:そういえば,過去のブログの整理をしてる最中,「エホバの証人(ものみの塔)」の伝道者?が2人来て,ヒマなので10分ほど相手してあげました。

 彼らの言うことを聞いて受け入れてると今頃は私既に死んでますヨ。

 4年半前,手術しないと死ぬからと言われて心臓バイパス手術をしましたが,その手術で思いっ切り他人の血を貰って輸血してますからネ。。。

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高校野球速報(秋季中国大会)

 来年春の選抜高校野球の代表を決める秋季地方大会,我が母校の金光学園は残念ながら岡山県大会準決勝で玉野光南に破れ3位決定戦でも共生高校に敗れて惜しくも初の秋季中国大会への出場(県3位まで出場)を逃がしました。

 しかし,県代表の倉敷商業高校(倉商)が本日中国地区大会準決勝で早鞆(ハヤトモ)高校(山口県)を6対3で破りベスト2に入りました。 

 中国・四国地区の出場枠は例年通りなら5校ですから,中国地方から最低2校は出られるはずです。

 来年の大会前まで何か不祥事でもない限り,来年1月末か2月初めに実施される代表選抜で倉敷商の春の甲子園出場が決まるでしょう。

 後は鳥取城北と大社(島根)の勝者との決勝です。

 倉敷商が昨年に続いて優勝すれば,各地区の優勝校が出場する神宮大会にも出場できます。

(↑※:訂正です。昨年は決勝が関西と創志学園で関西優勝でした。岡山県勢には違いないけれど倉敷商ではないです。倉敷商は勝てば秋季大会初優勝です。)

 神宮大会で全国優勝すれば中国地区の選抜出場枠が1つ増えるのですが。。

 神宮大会は,数年前に決勝では田中(現楽天)がいた当時常勝の駒大苫小牧に5対0で完敗した関西(カンゼイ)高校の準優勝が最高ですかね。。

PS:今日は休日なので,今はテレビで全国大学駅伝を見ながらこれを書いてます。

 現在2位の東洋大の箱根登りのスペシャリスト柏原が,1位の駒澤大の窪田を追いかける展開になっていて,かなり面白くなっています。

 私は,自宅に近い白山の東洋大関係には知り合いが多いこともあり,東洋大が全国大会初優勝で,3冠を取るよう応援しています。

 しかし,後わずかでしたが逆転ならず,駒澤大が優勝しました。

 駒大,そして窪田忍君。。オメデトウ。。。

PS2:男子テニスの大会準決勝で錦織(ニシコリ)圭が日本人で初めて世界ランク1位(ジョコヴィッチ)を破ったらしいです。(決勝はフェデラーと。。今夜?)

 全くの連想で余談ですが,ジョコヴィッチといえば,チョット色っぽい女優のミラ・ジョヴォヴィッチ(Мілла Йовович:ウクライナ)を思い出しました。

 DVDの「ジャンヌ・ダルク」と昔のレンタル・ビデオでの「フィフス・エレメント(Fifth Element)」でしか見ていませんが。。。

  

 錦織は,かつてウィンブルドンでベスト8に入った松岡修造の日本人最高ランクを既に超えたみたいですが,4大大会でも松岡以上の活躍を期待してます。

 キミちゃん(クルム・伊達公子)共々,世界を舞台に頑張ってね。。

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2011年11月 5日 (土)

2011年度末には国の借金1千兆円超え

 今回は,経済に詳しくないことを自認している素人に毛のはえた程度の意見なのでつぶやき程度です。

 「国の借金,初の大台超えへ。2011年度末1024兆円に。。

 だからぁ。。前から言っとるだろうが。。

 早く日銀というよりも政府がお札をせっせと刷って,それで国債も返し予算も組んじゃえばいいとネ。。。

 (※現在,国債の返済利子だけでも20兆円前後(利子2%?)で,国家予算の中には債務返済だけに充てる金もあるらしいです。

 それが無くなるだけでも消費税5%上げるよりはるかに多額の20兆円以上が浮くのじゃ?でも毎年50兆円以上借りてるようじゃ穴の開いたバケツかぁ※)

 お札を大量に刷ると一時的に海外への日本の信用は失墜して,デフレからインフレに転化するかも。。しかも,円安になるでしょうが。。 

 震災復興や内需には??

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2011年11月 3日 (木)

あおいちゃん。拡張型心筋症で海外で心臓移植(募金支援)

 

 またまた,頼まれもしないのに勝手に募金支援です。

 渡航費用ほか1億円くらい必要らしいです。

※海外では日本人の子供の移植に批判があります。(日本人の移植のために,その国の子供が移植されない。)

 しかし,国内では10歳以下のドナーがいないため,やむを得ません。)

 あおいちゃん。助かる道は心臓移植だけ。。。余命半年。カナダでの移植支援

 http://sankei.jp.msn.com/life/news/111102/trd11110218240021-n2.htm

    

 募金の振り込みは,

 三菱東京UFJ銀行中野駅前支店・普通口座0136299など。  

 口座名義は「アオイチヤンヲスクウカイ」。

 問い合わせは「あおいちゃんを救う会」事務局((電)03・5318・9710)まで

    

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2011年11月 2日 (水)

忌野清志郎。カバーズ再び。イマジン

 かつて持っていたけどブックオフに行ってしまったCD,忌野清志郎:RC-successionの「カバーズ」。。。。ちょっと思い出したので。。。

         カバーズ

 これは,1988年当時反原発ソングの「サマータイム・ブル-ス」や「ラブミーテンダー(何言ってんだ^ー)]等が入ってるためか原発関連企業もある東芝グループの東芝EMIから発売予定でしたが中止されキティレコードから発売されたという話題性でつい買ってしまったアルバムでした。

 演歌の坂本冬実,そして泉谷しげるや三浦友和が友情出演しています。それに金賢姫(キム・ヒョンヒ)の声が入っていて大韓航空機爆破を思わせる「シークレット・エージェントマン」など色々あって興味深く聞いたものです。

 最後の曲,「イマジン」は直訳でしょうが訳詞はスバラシイ出来です。

 もっとも,元のジョン・レノンの歌詞がすばらしいのですが。。。

天国は無い。ただ空があるだけ。

 

国境は無い。ただ地球があるだけ

 

みんながそう思えば簡単なことさ。

  

社会主義も資本主義も,偉い人も貧しい人も,

 

みんなが同じならば簡単なこと。さぁー

  

夢かも知れない。でもその夢を見てるのは,

 

一人だけじゃない世界中にいるのさ。

  

誰かを憎んでも, 派閥を作っても

 

頭の上には, ただ空があるだけ。

 

みんながそう思うさ。 簡単なこと。

  

夢かも知れない。でもその夢を見てるのは

  

君一人じゃない。仲間がいるのさ。

  

 そして,久しぶりに手前味噌ですが私自身のアメージンググレース(Amazing Grace)の訳詞を再掲します。

(※2006年5/14の記事「アメイジンググレイス(我は主を識りぬ)(作詞)」から)

(PS:ただし,wretchとは元は黒人奴隷商人であった自分(作詞者)のことらしい。)

 1.   Amazing Grace, how sweet the sound

      素晴らしきー主のめぐみー甘きーしらべ

      That saved a wretch like me

      落ちぶれしー我をー救いー

       I once was lost but now I'm found

      迷いしときにー我をー導きー

      Was blind but now I see

       盲(めし)いし我にー光明(ひかり)を与えぬー

 2.   'Twas Grace that taught my heart to fear

       主はー我が心にー恐れを教えー

      And Grace my fears relieved

       恐れしーこの身をー救いぬー

      How precious did that Grace appear

      なんとー尊きー主のめぐみー

      The hour I first believed

      我はー主をー識(し)りぬー

3.    Through many dangers,toils and snares

      艱難(かんなん),辛苦,誘惑ーあまたー

      I have already come

       我はー乗り越えー識(し)りぬー

      'Tis Grace have brought me safe thus far

      安らけきー道をー示しし主はー

      And Grace will lead me home

      永遠(とわ)にー我をー導かんー )

 奇しくも11月6日は,これを愛唱していた本田美奈子さんの命日です。

'2009年11/6の記事「本田美奈子さんの命日です。」も参照してください。)

 

 (※そういえば,11月中旬には私の母の91回目の誕生日もありますね。)

PS:残りの99匹の子羊を差し置いても1匹の迷える子羊を探す。

 これはイエスが如何なる状況の際に述べたのか?が聖書には,こまかに書かれていません。「イエスという男」の著者でクリスチャンの田川氏も述べられているように,いつ,如何なるときに述べたかが重要であると私も思います。

 そういう場合もあるでしょうが,1匹をスケープゴートに99匹が救われるということも多々あるでしょうネ。

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2011年11月 1日 (火)

水素様原子の微細構造(補遺3-2)

「水素様原子の微細構造(補遺3)」は10/4にアップして以来,Pendingのまま少しずつ追加しながらほぼ1ヶ月が経ちます。

  

どうもサイズが大きくなり過ぎたのが原因らしく,書き加えるたびにフリーズするようになったので二つに分割しました。

 

以下↓は,「補遺3」を分割した前半の「補遺3-1」の続きです。

 

さて,ここまでは粒子の速度v=βがx軸(x1軸)に平行で,μ=(E,)=(E,p,0,0)の特別な場合でした。

   

これを,速度の方向が任意で,μ=(E,)=(E,p1,p2,p3)の場合に一般化することを考えます。

 

時空座標:xμ(x0,)に対するLorentz変換x'μ=aμννは,

粒子の速度v=βがx1軸に平行な場合には,

x'0=γ(x0-βx1),x'1=γ(x1-βx0),

x'2=x2,x'3=x3 ですが,

 

粒子の速度v=βの方向が任意の場合には,

x'0=γ{x0-(βx)},'-γβ0(γ-1)(βx)β2

と書けます。

 

ただし,γ≡1/(1-β2)1/2です。

 

それ故,速度が無限小速度Δβで与えられる無限小Lorentz変換:

μνμν+Δωμν;Δωνμ=-Δωμνでは,

 

Δβがx1軸に平行な場合には,

x'0=x0-Δβx1,x'1=x1-Δβx0,x'2=x2,x'3=x3

より,Δω01=Δω10=-Δβで,それ以外のΔωμνはゼロですが,

  

Δβの方向が任意の場合は,速度Δβの方向余弦を

/v=Δβ/Δβ(cosA,cosB,cosC)とすると,

 

x'0=x0-ΔβcosAx1-ΔβcosBx2-ΔβcosCx3,

x'1=x1-ΔβcosAx0,x'2=x2-ΔβcosBx0,

x'3=x3-ΔβcosCx0

 

です。

 

したがって,   

そこで,変換行列:S=exp{-(i/4)ω(σμνμν)}

= exp{-(1/8)ω[γμν]Iμν}において,σμνμνは,

 

σμνμν=-σ0101-σ0202-σ0303+σ1010+σ2020+σ3030

     =2(σ01cosA+σ02cosB+σ03cosC) と書けます。

 

ここで,σ0k=-σk0=iγ0γk=-iγ0γk=-iαkですから,

σμνμν=-2i(αv)/||=-2i(αβ)/|β|であることがわかります。

 

ω=tanh(-β)=-tanhβ,つまり速度として-=-βをとることにすると,

 

S=exp{-(i/4)ω(σμνμν)}=exp{-(ω/2)(αβ)/|β|} 

=Σn=0{-{(ω/2)(α1β1+α2β2+α3β3)/|β|}nです。

 

ところが,(α1β1+α2β2+α3β3)2=|α|2|β|2+{α121β2+{α232β3+{α313β1=|β|2です。

 

故に,{-{(α1β1+α2β2+α3β3)/|β|}2k=1,かつ

{-{(α1β1+α2β2+α3β3)/|β|}2k+1=-(αβ)/|β|です。

 

そこで,S=cosh(ω/2)-{(αβ)/|β|}sinh(ω/2)

     =cosh(ω/2)[1-{(αβ)/|β|}tanh(ω/2)]

を得ます。

 

 

なので,特にβ±≡β1±iβ2とおけば,

です。

 

このとき,cosh(ω/2)={(E+m)/(2m)}1/2,-tanh(ω/2)=p/(E+m)であり,

-sinh(ω/2)={(E+m)/(2m)}1/2{p/(E+m)}です。

 

粒子の運動量は,=(p1,p2,p3)=mγ=mβγ;γ≡1/(1-β2)1/2ですが,

 

特に,p±≡p1±ip2とおけば,

 

一般のLorentz変換の行列:S=S(a)の陽な表現として,

を得ます。

 

したがって,これに伴う4つの独立な規格化された変数分離解:

Ψ(r)(x)=exp(-iεrpx)w(r)()

    =exp(-iεrpx)Sw(r)(0) (r=1,2,3,4)  

ただし,εr=+1(r=1,2),εr-=-1(r=3.4)

 

を陽に書けば,

 

Ψ(1)(x)={(E+m)/(2m)}1/2exp(-ipx)

     t(1,0,p3/(E+m),p-/(E+m)),

Ψ(2)(x)={(E+m)/(2m)}1/2exp(-ipx)

     t(0,1,p+/(E+m),-p3/(E+m)),

 

Ψ(3)(x)={(E+m)/(2m)}1/2exp(+ipx)

      t(p3/(E+m),p/(E+m),1,0),

Ψ(4)(x)={(E+m)/(2m)}1/2exp(+ipx)

     t(/(E+m),-p3/(E+m),0,1)

  

となります。

  

これらの解:Ψ(r)(x)=exp(-iεrpx)w(r)()の因子w(r)()は,

μμ-εrm)w(r)()=0 を満たします。

 

そこで,w(r)~()≡w(r)+(0とおけば,

(r)~()μμ-εrm)=0 が成立します。

 

さらに,これらは,性質:(r)~()(r')()=δrr'εr,

および,Σr=14εrα(r)()β(r)~()=δαβを持ちます。

 

さて,r=1,2についてはεr=1で,これらは正エネルギーの方程式:

μμ-m)w(r)()=0 の解です。

 

そして,今の表示では,

(1)()={(E+m)/(2m)}1/2 t(1,0,p3/(E+m),p-/(E+m)),

(2)()={(E+m)/(2m)}1/2 t(0,1,p+/(E+m),-p3/(E+m)),

です。

 

これらの第3,4成分は非相対論近似での小成分です。

 

E~mのとき,これら(1),(2)は,w=t[ψ,χ]なる2成分×2の表現に対して,外場のない自由場の非相対論的方程式:χ=(σp)ψ/(2m)

;ψ=t(1,0) or t(0,1)に帰着します。

 

※(注):以前書いたように,

 

電磁場のある場合のDirac方程式:{γμ(i∂μ-eAμ)-m}Ψ=0 or

i(∂Ψ/∂t)={α(-e)+βm-eΦ}Ψにおいて,

4成分スピノールΨをΨ≡t[ψ~,χ~]と書いて,

2つの2成分スピノール:ψ,χに分解すると,

 

i(∂/∂t)t[ψ~,χ~]=(σΠ)t[χ~,ψ~]+eΦt[ψ~,χ~]+mt[ψ~,χ~]となります。ただし,Π-eです。

 

それ故,正エネルギーの静止状態に近いE~mの場合には,

さらに,t[ψ~,χ~]≡exp(-imt)t[ψ,χ]と書けば,

i(∂/∂t)t[ψ,χ]=(σΠ)t[χ,ψ]+eΦt[ψ,χ]-2mt[0,χ]

となります。

 

このとき,小成分χは,i(∂χ/∂t)=(σΠ)ψ+eΦχ-2mχより,

2mχ=(σΠ)ψ+eΦχ-i(∂χ/∂t)を満たします。

ただし,eΦχ-i(∂χ/∂t)<<(σΠ)ψと考えられるので,

χ≡(σΠ)ψ/(2m)とおき,これを大成分の満たす方程式:

i(∂ψ/∂t)=(σΠ)χ+eΦψに代入します。

 

すると,i(∂ψ/∂t)={(σΠ)(σΠ)/(2m)+eΦ}ψとなります。

 

これは,結局,i(∂ψ/∂t)=[(-e)2-e(σB)/(2m)+eΦ]ψ

となって非相対論的な方程式に帰着するわけです。(注終わり※)

 

他方,r=3,4ではεr=^1で,これは負エネルギーの方程式:

μμ+m)w(r)()=0 の解です。

 

そして今の表示では,

(3)()={(E+m)/(2m)}1/2 t(p3/(E+m),p/(E+m),1,0),

(4)()={(E+m)/(2m)}1/2 t(/(E+m),-p3/(E+m),0,1)

です。

 

これは,r=1,2の正エネルギー解とは,大成分と小成分が交替しています。

   

さらに,性質:(r)~()(r')()=δrr'εr,および,Σr=14εrα(r)()β(r)~()=δαβから以下の考察が可能です。

  

すなわち,(r)~()(r')()は1つのLorentzスカラーですが,運動量空間での確率密度:(r)+()(r)()はLorentz不変ではなく,運動量空間でのLorentz収縮を補充する4元ベクトルの第0成分として変換します。

  

つまり,w(r)+r)(r')r')=(E/m)δrr'です。

 

(m/E)=(1-β2)1/2ですが,これはLorentz収縮の因子ですから,

β=0 での微小体積をΔV0とすると,この領域の確率は,

(r')r')(1-β2)1/2ΔV0=δrr'ΔV0となって,

 

密度でなく確率の方は確かに不変量(スカラー)です。

 

(r')r')=(E/m)δrr'ですから,これは同じ空間運動量を持ち,エネルギーだけが正負反対符号の平面波解が,r=1,2,かつr'=3,4,またはその逆なら直交すること:Ψ(r)+(x)Ψ(r')(x)=0 を意味します。

 

(※:何故なら,例えばΨ(1)(x)=w(1)()exp{-i(Et-px)},Ψ(3)(x)=w(3)(-)exp{-i(-Et-px)}は直交します。

 

次に,Σr=14εrα(r)()wβ(r)~()=δαβですが,これは静止系のw(r)(0)では明らかに真です。

 

(r)()=Sw(r)(0)なので,Σr=14εrα(r)()wβ(r)~()=εrαγγ(r)(0)wλ(r)~(0)S-1λβ=Sαγδγλ-1λβ=δαβが従います。

 

この完全性関係に,w~が現われてwが現われないのは,Lorentz変換S:がユニタリでなくS=γ0-1γ0であることの反映です。

 

(※具体的に計算すればわかりますが,空間回転:S=SRに対しては,SR=SR-1(unitary)ですが,運動座標系のブースト変換:S=SLに対しては,SL≠SL-1です。ただしS=γ0-1γ0は常に成立します。)

 

中途半端ですがここで終わります。まだまだ補遺4に続きます。

   

参考文献:J.D.Bjorken & S.D.Drell "Relativistic Quantum Mechanics" (McGrawHill)

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