宮部みゆき「火車」読了
11月6日にふとした動機で読み始めたちょっと昔の宮部みゆきの小説「火車」を昨日ほぼ1ヶ月で読み終えました。
(※2011年11/6の記事「アルプスの少女ハイジ。。ほか日常」参照)
何しろ,1日約10分平均の行きの通勤電車の中で,ゆっくり座れるときだけしか読まなかったので,1ヶ月もかかったのでした。
病院に入院でもしてて他にやることもなく諸々の誘惑もなければ恐らく数時間で読了したでしょうし,昔のように老眼鏡に頼ることもなく読書に対してすぐ疲れたり飽きたりしない頃ならのめりこんでスグ読み終えたでしょうね。
逆に途中で投げ出さず1ヶ月も根気よく読み続けたのは内容が興味深かったからです。
少しネタバラシですが,内容はまさに「火の車」で,借金で一家離散とかの末に債務取立てから逃げ回るために事件を起こすという身につまされる話でした。
少し前に読んだ「理由(わけ)」(直木賞受賞作)と同じく,宮部みゆきのこの1980年代から1990年代の頃を舞台にした小説はローンや債務による悲劇がテーマとなっています。
Amazonでの読者クチコミにもあるように個人情報保護法以前でインターネットや携帯文化もまだ今ほどではなく悪質な金融業者の取り締まりや債務超過に対する過剰な取立てに対抗する自己破産等の法的な対抗手段などの情報も今ほど周知されてない時代特有の悲劇かな?と思いました。
しかし近年のリーマンショックなどもローン被害ですし,米国,欧州も含めた構造的不況を見るに付け,私のように被害が及ぶ直接の係累も無く,ある意味では「別に殺されてもいいや」というくらいの覚悟があると自負していてケツまくって開き直るような"したたかな人間"でないなら,
表面化はせずとも,姿を変えて隠然とした形でこうした悲劇は未だ連綿と続いているという気がします。
PS:昨日は職場の帰りに,ある女性から「相談事があるから」ということで誘われて,岩本町で2件お茶をした後,最後は巣鴨の居酒屋[魚民」で21時半頃まで食事兼お酒をご一緒しました。
相談事には大してお役に立てたとも思えないのに居酒屋の代金はオゴってもらいました。イヤ,自分の分くらい支払えるお金はあったのですが。。。
(※昔は女性と1対1で飲食して相手に払わせたことなどは皆無でしたが。。)
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