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2012年1月

2012年1月31日 (火)

ブログ初期の科学記事(2007年3月;終わり)

 目次記事シリーズの最終版:2007年3月です。

 

 3月初めから,心臓病で入院する前日の2007年3月23日の記事

明日朝緊急入院します。」と入院当日の真夜中に書いた,

 3月24日の恥ずかしい記事辞世」までの科学記事目録です。

 

 辞世というのは死ぬ直前に詠んだり書いたりするものです。

   

 大した病気でもないのに,舞い上がって,日ごろは別に恐くはないと言っていた死を本当は恐れていたことが露呈した記事です。

  

 1度,書いたものを今更消去も編集もしませんが,これのために事あるごとにある友人から,まだ生きてるのか。早よ死ね。」とせかされています。

 

 さて,31日のうち23日までなので当然,科学記事も少ないです。

   

 まずは,宇宙膨張の証拠とされる赤方偏移と,Doppler現象などについ

 て述べた,2007年3/3の記事「膨張宇宙における赤方偏移から始

 まります。

 

 そして続編である3/5の記事

膨張宇宙における赤方偏移2(視角半径)」です。

 

 以後は,Kaluza-Kleinの古典統一場理論の紹介記事で,

 

3/6の「カルツァ・クラインの5次元統一場理論(1)」,

3/7の「カルツァ・クラインの5次元統一場理論(2)」,

3/8の「カルツァ。クラインの5次元統一場理論(3)

 

です。

 そして,数学で一休みで,

 3/9の頭の体操(円周率:大学入試問題)」,

 3/10の記事「ベクトルと同値類」を書いています。

  

 および,19世紀の数学で,

  

3/13の「クレローの微分方程式1(解の存在定理の応用)」,

3/14の記事:

クレローの微分方程式2(常微分方程式の解の存在定理の応用)

 

 があります。

 

 3/17の記事「虚数(複素数)の起源」も古い数学トピックです。

  

 最後は,入院日の頃話題になっていたトピックから,

 入院前日に,当分書けないと思って丁寧に書いた3/23の

タミフルと異常行動の因果性(仮説検定)」です

  

 これで,ブログ開始の2006年3月20日から丁度1年です。

 

 その頃に心臓病で入院となり,初めはカテーテル治療と思って

 予想していなかった外科手術も受けて,1ヶ月後の4月22日には

 入院した帝京大病院の内科ではなくて順天堂大病院の心臓血管

 外科から退院しました。

 

 その夜に,滝野川4丁目の当時の自宅で書いた

 「無事生還しました。までブログは休止していました。

 

 これ以後はブログ初期と考えないので,この記事シリーズはこれで

 終わります。

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2012年1月30日 (月)

相対論的場の量子論(正準定式化)(4)

相対論的場の理論の続きです。

  

今日は,多体系の自由度を連続無限に拡張して場の解析力学を展開し,

正準量子化への道筋を付けます。

  

さて,N個のHermite演算子:qj^(t)(j=1,2..,N)

(Heisenberg表示)と,そのN個の共役運動量演算子:

j^(t)による記述をします。

 

まず,N個の1次元調和振動子の集まりとしては全系のHamiltonian

は,H^=(1/2)∑j=1N(pj^2+ω0j2j^2) です。

 

そして,正準交換関係は[pj^(t),qk^(t)]=-iδjk

(j,k=1,2..,N)で与えられます。

  

古典論の運動方程式は,dj /dt=-∂/∂j[,j]P.B,

 dqj /dt=∂/∂pj[,qj]P.B (j=1,2..,N)です。

  

 初期時刻t=0 における,qj(0),pj(0)の全ての値を与えたとき,

 古典論の運動方程式は系の運動を完全に決定します。

 

 一方,それを量子化した方程式は時間tを陽に書いて,

 dj^(t)/dt=-i[H^,j^(t)],

 dqj^(t)/dt=-i[H^,qj^(t)] (j=1,2..,N)

 です。

 

初期時刻t=0 における座標演算子:pj^,qj^の次の正準交換

関係を満た座標演算子:j^,qj^の行列要素を全て与えたと

き,それらはこの量子動力学の問題を完全に決定します。

 

ただし,それら演算子は任意時刻のそれらと同じ換関係

[pj^(0),qk^(0)]=--iδjk,

[pj^(0),pk^(0)]=[qj^(0),qk^(0)]=0

(j,k=1,2..,N) 

を満たす必要があるので,

 

与えるべき初期行列要素もこれらと無矛盾であるべきです。

   

§1.3 Canonical Formalism and Quantization(正準定式化と量子化 )

 

さらに系の自由度をNからN→∞にすると,謂わゆる場の理論に

なります。

 

すなわち,N個の添字jを持つ一般化座標qj^(t),N→∞で添字

が連続無限個の空間座標の場φ(,t)に変わります。

 

これが,空間の各点で与えられた系の互いに独立な一般化座標である

とするのが,場の理論の考え方です。

 

比較的単純な古典物理学での例としては,弾性運動する弦,膜,流体を

構成する各点での平衡位置からのずれの場などが,考えられます。

 

 この場合,場φ(,t)は(,t)における平衡位置からのずれを

 表わし,∂φ(,t)/∂tはその点での局所速度を示します。

 

 これのアナロジーで,φ^(,t)にqj^(t)の役目を,∂φ^/∂t

 にj^d=dqj^/dtの役目をさせます。

 

 離散ラベルiが連続座標変数に取って代わられるわけです。

 

Heisenberg表示なので,場は時空座標:xμ=(,t)の関数です。

 

そして,Heisenberg表示では,xμ=(,t) or,φ^(,t)の表

現はLorentz共変性という意味を陽に含んでいます。

 

 つまり,場は4元ベクトルxμ=(,t)の関数ですが,座標の

 xμ=(,t) → xμ(,t)=ΛμννなるLorentz変換:

 に伴って,場φ^が,φ → φ’と変換するとき,

 

 φ'(,t)=φ(,t)(Lorentz不変なスカラー)や,

 Lorents群のベクトル表現やスピノル表現の行列Sについて,

 φr(,t)=Srsφs(,t)を満たす4元ベクトルとか,

 スピノルの変換性を持たせて理論をLorentz不変にする上で,

 

 こうした場の演算子という表現方法は便利です。

 

 通常の量子力学では,特別視された時間座標の空間座標に対する唯

 一の優先的な役割の痕跡は,t=0 における初期条件と交換関係を

 与えるときに見られるだけです。

 

­ そして,t=0 という3次元超平面(surface)の選択は,理論における

 1つの非共変(non-covarint)な要素ではありますが,

 

 その上で初期条件と交換関係を特定できる空間的3次元超平面

 (space-like surface)という概念で置き換えることで,こうした

 非共変性も一掃されます。

 

(注4-1):

 空間的(space-like)とはx2≡xμμ=t22≦0 なる点:

 xμ=(,t),または4次元距離を意味します。

 

 ここで用いているc=1という自然単位ではなくて,光速cを陽に

 書いた表現では,この空間的とはt≦||/c,または||≧ct

 ということを意味しています。

 

これは,等号でない場合は,時刻t=0 に原点0 から出た

光でさえ時刻tにには到達不可能であるという事象(event)

を示しています。

 

そして,空間的というのは,どのような慣性座標系を採用しても

不変な性質なので,22≦0 を満たす事象xμ=(,t)は

慣性座標系の取り方:=Λx μ=Λμνν) 次第では,

 

0 となり,μ(,0)なる空間座標のみの点とする

ことが可能であることを意味しています。

 

一方,時間的(time-like)とは,x2=xμμ=t22≧0 なる

μ=(,t),または4次元距離を意味します。

 

光速cを陽に書いた表現では,||≦ct,またはt≧||/cです。

 

これは,時刻t=0 に原点0 から出た光が時刻tに

まで到達可能であること,を示しています。

 

時間的という性質も空間的と同様,Lorentz不変な性質です。

 

22≧0 なので,xμ=(,t)を満たす事象xμ=(,t)

から慣性座標系の取り方 (x=Λx)第第では,0 となり,

μ(0,t)なる時間座標のみの点とすることが可能です。

 

なお,x2=t22=0 と等号の場合は,空間的かつ時間的ですが,

特に光的(light-like)であるといいます。

 

これは,||=ctを意味するので光の軌道ですね。

 

 結局,空間的に離れた光的でない2点:xとx2,つまり

 (x1―x2)2=(t1―t2)2-(12)2<0 のケースでは,

 

 |12|>c(t1―t2)なので,一方が原因で他方が結果になる

 というような因果的意味では,2つの事象x,とx2は全く無関係で

 あるということになります。

 

 下図は,現在をt=0 として,今自分のいる場所を原点=0

 としたとき,過去と未来に自分が存在可能な時間的領域全体と,

 その外側の存在不可能な空間的領域を示す,ct=±||の光

 円錐(light-cone)です。

 

 (※他のホームページからの引用図です。)

    (注終わり※)

 

空間的な超平面は,Minkowski空間上での3次元平面として一意的

決まる平面(=6次元空間)です。

 

そこで,t=0 で初期条件を与えるの代わりに,任意に固定された

空間的平面の上で初期条件や交換条件を与えれば十分となります。

 

 (※共変性を明確に表現した理論形式としては,有名な朝永振一郎の

「超多時間理論]があります。

  

 結局は,特別な慣性系で時間軸に垂直な3次元空間を想定して

 論じるとしても,以上のことに留意すれば一般性を失うことなく,

 理論としては共変的であるということですね。(注4-1終わり※)

 

 空間的な3次元表面σの法線ημは至るところで,時間的:

 η2=ημημ0 であるような距離となります。

 

 さらに,η0>0 であるように向きを選びます。

 

空間的な3次元表面の4次元法線ベクトルが時間的であるということを

理解するには,座標原点におけるそれを想定すれば十分です。

 

すなわち,ηdx=ημdxμ=0,かつdx2=dxμdxμ<0 なら,

η2=ημημ>0 となります。

※(注4-2):以下,これを証明しておきます。

 

 (証明):ημは原点における任意の空間的表面上のベクトル:

 dxμに垂直ですから,dx2=dx3=0 ,つまりx2=x3=0 の

 平面内の空間的微小ベクトルとも垂直です。

  

 この場合μdxμ=η0dx0+η1dx1

 =η0dx0-η1dx1=0 です。

 

然るに,これは,  

0=(η0dx0+η1dx1)2

=(η0dx0)2+(η1dx1)2+2η0dx0η1dx1

 ={(η0)2-(η1)2}{(dx0)2-(dx1)2}+(η0dx1+η1dx0)2

 を意味します。

 

 故に,(η0η0+η1η1)(dx0dx0+dx1dx1)

 =-(η0dx1+η1dx0)2≦0 ですから, dxμが空間的:

 dxμdxμ=dx0dx0+dx1dx1≦0 なら,

 η0η0+η1η1≧0 です。

 

 ところで,時間軸を固定して空間回転のみを行なえば,ベクトル:

 ημの成分η23がゼロになるような座標系が存在するはずで,

 η2=ημημは,こうした空間回転で不変ですから,

 

 結局,任意の空間的dxμに垂直な方向ベクトルημに対して,

 ημημ≧0 (時間的)ということがわかりました。(証明終わり)

(注4-2終わり※)

 

 一般に,物理量を表わす関数が座標のLorentz変換に対し変化しても,

 その関数によって表わされる物理法則の方程式が変換で形を変えな

 いとき,

 

 あるいは,その示す量が4元スカラー,4元ベクトル成分,4元テンソ

 ル成分として変化するとき,共変的(covariant)であるといいます。

 

 一方,関数形と,その示す量も同一の時空点においてLorentz変換に

 よって変化しないとき,不変(invariant)であるといいます。

 

 さて,古典場の理論を量子化する方法は,まず,場の方程式を求める

 ことから始まり,それがわかるとHamiltonの原理からその方程式が

 再生されるLagrangian を求めます。

 

次に,Lagrangianから正準共役運動量が定義できます。

 

そして,"座標=場"と,その共役運動量に交換関係を設定することに

よって量子化の手続きを実行することができます。

 

 この手続くによって,場φj^(,t)とその正準運動量πj^(,t)

 はHilbert空間の状態ベクトルΦに作用する線型演算子

 (=operator:作用素)となります。

 

Φは,場の演算子がその上で定義されているような時空点全体で

時空点に無関係に状態を示すHilbert空間のベクトルです。

 

通常の1粒子量子力学のケースと同じように,Hilbert空間において

状態Φは完全系を形成することを仮定します。

 

すなわち,Diracのbracket記号で表わすと,∑nn><Φn|=1,

または,∫|Φ>dΦ<Φ|=1と仮定します。

 

 1粒子量子力学からのアナロジ-で,大抵の場合,Heisenberg表示

 の状態Φは,場φj^(x)と運動量πj^(x)から形成される,

 Hamiltonian H^の固有状態という形で遭遇します。

 

 つまり,H^(φj^,πj^)Φn=EnΦnという形です。

 

まず,古典質点系力学の運動方程式からLagrangian Lを構築したこと

思い出し,模倣して場の理論でのLagrangian Lを構築します。

 

Newton運動の法則:

i(d2i/dt2)=-(∂/∂qi)V(q1,..,qN) から,

i=1Ni(d2i/dt2)δqi=-∑i=1N(∂V/∂qi)δqi

=-δVです。

 

 次に,粒子軌道として固定した端点を持つ時間区間:[t1,2]

 わたって,これを積分します。

 

 固定端点ということは,δqi(t1)=δqi(t2)=0

 を意味します。

 

すると,∫tit2dt{-∑i=1N(mi(d2i/dt2)δqi-δV)=0  

(ただしδqi(t1)=δqi(t2)=0 ) です。

 

 これが,Hamiltonの原理:δ∫tit2dt{L(qi,dqi/dt)=0

 に一致するようなLを求めればいいわけです。

 

 ところで,

 ∫tit2dt{-∑i=1N(mi(d2i/dt2)δqi}

 =[-∑i=1N(mi(dqi/dt)δqi)] tit2

 tit2dt{∑i=1Ni(dqi/dt)(dδqi/dt)}」

 =∫tit2dt{∑i=1Ni(dqi/dt)δ(dqi/dt)}

 です。

 

 したがって,

 ∫tit2dt{-∑i=1N(mi(d2i/dt2)δqi-δV)

 =∫tit2dt{∑i=1Ni(dqi/dt)δ(dqi/dt)-δV}=0

 と書けますが,

 

 ∑i=1Ni(dqi/dt)δ(dqi/dt)

 =δ{∑i=1N(1/2)mi(dqi/dt)2} ですから,

 

 L=∑i=1N(1/2)mi(dqi/dt)2-Vとおけば,

 δ∫tit2dt{L(qi,dqi/dt)=0 となり,これが作用原理

 (Hamiltonの原理)に一致することがわかります。

 

次に,これと丁度同じ手続きに従う実例として,

 

自由 Klein-Gordon方程式:

(□+m2)φ=(∂2/∂t2-∇2+m2)φ=0 に従う古典場:φ(x)

のケースに.前と同じ手続きを実行します。

 

 (※自由 Klein-Gordon方程式は,E22+m2に,

 E=i(∂/∂t),=-i∇を代入すれば得られます。※)

 

 場φは自由度が無限大の空間座標を添字とするので,座標qi対する

 和:∑が3次元の積分:∫d3に置き換わります。

 まず,(∂2/∂t2-∇2+m2)φ=0 の両辺にxにおける場の

 無限小の変分:δφを掛けます。

 

 変分は,δφ=φ(x)-φ(x) です。

 

 そして,全てのと時間区間:[t1,t2]の上で積分すれば, 

 ∫tit2dt∫-∞3(∂2φ/∂t2-∇2φ+m2φ)δφ=0

 です。

 

 この変分原理でも,φの変分δφはt1,t2では消えるよう制限

 されるとしています。

 

 δφ(,t1)=δφ(,t2)=0  for ∀です。

 

また,実際には系は遠方=±∞からは何の寄与も受けないよう,

暗に局在化されていると想定します。

 

 こうした制限の下で,式:

 ∫tit2dt∫-∞3(∂2φ/∂t2-∇2φ+m2φ)δφ=0 は,

 ∫-∞3tit2dt(∂2φ/∂t2-∇2φ+m2φ)δφ=0

 と同じです。

 

 ∫-∞3tit2dt(∂2φ/∂t2-∇2φ+m2φ)δφ

 =∫-∞3[(∂φ/∂t)δφ]tit2

 -∫-∞3tit2dt(∂φ/∂t)δ(∂φ/∂t)

 -∫tit2dt∫-∞2(∇φ)δφ

 +∫tit2dt∫-∞3{∇φδ(∇φ)+m2φδφ}

 

 =-δ∫tit2dt∫-∞3{(1/2)(∂φ/∂t)2

 -(1/2) (∇φ)2-(1/2)m2φ2}=0

 です。

 

 したがって,

 (φ,∂μφ)≡(1/2)(∂φ/∂t)2-(1/2)(∇φ)2-(1/2)m2φ2

 (1/2){(∂φ/∂xμ)(∂φ/∂xμ)-m2φ2}

 とおけば,δ∫tit2-∞(φ,∂μφ)d4x=0

 を得ます。

 

 ただし,∂μφ≡∂φ/∂xμ,∂μφ≡∂φ/∂xμとします。

 

(※ Hamiltonの最小作用の原理における,このLagrangianの符号の

 選択は後の定式化に従って正当化されます。※)

  

(φ,∂μφ)は,φとその1次導関数のLorentz不変な関数形を

しています。

 

これを,Lagrangian密度(Lagrangian density)といいます。

 

系のLagrangianはL=∫-∞3(φ,∂μφ)で与えられます。

 

今日はここまでにします。

 

参考文献:J.D.Bjorken,& S.D.Drell "Relativistic Quantum Fields"(MacGrawHill)

 

PS:そうでなくても外出から帰ると同じくらいの時間は休まないと

部屋内で動くことも辛いのですが,

 

今は,寒いので風邪を引かぬように,腹筋などの筋肉を緊張させて耐

えている時間が長いいせいか?もっと疲れて,18時前後に帰宅しても

22時近くまで昏睡?してることが多いです。

  

屋明るいままで外出着のまま寝てしまったときには,電話がかかっ

てきたくらいでは起きないみたですね。

 

起きて携帯を見ると,いくつか着信が入ってたりします。

  

話は変わりますが,昨日,ふとドキュメンタリ-番組を見たら,過去の

ビキニ環礁での水爆実験で大漁被曝した福竜丸のせっかく獲った被曝

マグロがもったいないので,いくらか市場に出まわったそうな。, 

 

イヤ,チョット通りすがりで,どの程度の放射線被曝か知らないし,そ

の頃の放射能汚染に対する意識がどの程度かも知らない素人の素朴な

感想で「風評被害」の当てコスリかも知れないですが。。。

   

まあ,例え話ですが,いくら見かけは立派な食品で捨てるのがもったい

なくて,また,売ればお金になりそうだったにしても,毒入り?の食品

とわかっているモノなら,マサカそれを売ったりすることはないと思

います。

  

もちろん,加害者は米国の水爆実験を命令したり実施した当事者であ

って,日本のマグロ船は被害者には違いないですが。。

  

無責任な一過性の感想で,これ以上発展させる気はないです。

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2012年1月28日 (土)

春の選抜高校野球に倉敷商高決まる

 春の選抜高校野球の全国32代表が決まったようです。

 私の故郷の岡山県倉敷市からは,久しぶりに倉敷商業高校が出ることが決まったようです。

 秋の中国地区大会では,倉敷商業高校は決勝戦で鳥取城北高校に敗れましたが,中国・四国地区ではこれまでの前例では計5校が選ばれるので,準決勝に勝ったところで思わぬ大敗でもしなければ選抜は内定という状態でした。

 結局,中国地方から決勝の2校の他に,もう一校山口県の早鞆(はやとも)高校が選ばれたようです。

 近年四国のレベルは昔ほどでもなく,中国地区も甲子園では強かった広島県勢も出場さえ出来ないことが多くてパッとしません。

 倉敷商は,星野や松岡などプロ野球では有名選手出ているので,結構有名なようですが,,春の選抜ではまだ1勝もしてないらしいです。

 ずっと昔に良く出ていた倉敷工とか,1965年に平松を擁して優勝した亡父の母校岡山東商,そしてまた巨人でバントの職人だった川相が投手で初出場でベスト4までいrった岡山南,それに近年の関西高校と比べ戦績思わしくないですね。

 私の母校の金光学園高校も,私のいた頃は進学中心で野球部は大したことなかったのですが,昨年夏の岡山県予選では決勝で5-2から関西に逆転されて延長で惜しくも敗れて甲子園あと一歩でしたし,

 昨年秋の県大会は準決勝,3位決定戦で敗れ,て,惜しくも3校が出場できる中国r地区大会の土俵にも乗れませんでした。

 倉敷商は甲子園での活躍を,母校は今年以降に期待しています。

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2012年1月25日 (水)

ブログ初期の科学記事2007年2月

 また,手抜きの目次記事です。

 まず,最初は私の57歳の誕生日の2007年2/1に書いた,「常微分方程式の存在定理」シリーズの最終記事「常微分方程式の解の存在定理⑦(一般解の存在(4))からです。

 次は,,物理に戻って2007年2/8の「量子統計とグランドカノニカル分布」です。統計物理ですね。、

 また,存在定理に戻り2/11の「ベキ級数解の存在(コワレフスカヤの優級数)(1)」, 2/.12の記事「ベキ級数解の存在(コワレフスkクァタの優級数)(2)」,,2/13の記事「ベキ級数解の存在(コワレフスカヤの優級数)(3)」です。

 さらに,2/14の記事「結晶点群の性質」,それに量子論の局所性の論理という,やや哲学的命題の,2/16の記事「ベルの不等式(量子論と実在)」です。

 ,相対性,マッハ原理関連,の2/.18の「一般相対性理論の基礎と回転系」,2/19の記事「回転系の計量(metric)」,2/21の「遠心力,コリオリの力の相対性(マッハ原理)」があります、,

 そして,先月の「ガロア理論」シリーズの補完として2:24の記事「1のベキ乗根はベキ根で解けるか?(円分多項式の根」,2/25の「<>円分多項式のガロア群」,2/27の「5次以上の代数方程式の解法」です。

 2007年2月は以上です。目次も後は2007年3月を残すのみですが,既に,今の科学数式記事と同じくらいのワードのAの4標準ページ設定で6 ~7ページ程度と長くなってますね。

 イヤー,寒いですね。しかし昨日も昼から夜中まで外出でした。最後は酒飲んで帰って服を着たまま寝ていて今朝目覚めました。

 何か年齢相応に酒に弱くなったのかな?

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2012年1月23日 (月)

キミちゃんとニシコリくん。。素晴らしいね

 表題のとおり。。

 これだったらTwitterのほうがよかったかな。。

 まあブログと連動はしてはいるけど。。

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2012年1月22日 (日)

本日の癒し

 本日の癒し動画です。

 いとしきものたちへ 愛をこめて。。。

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2012年1月21日 (土)

相対論的場の量子論(正準定式化)(3)

 場の量子論の正準定式化の紹介記事の続きです。

 まだまだ準備段階です。

 前回の最後に例として挙げた1次元調和振動子の量子論を,改めて最初から記述し直します。

 単なる量子化の例と書きましたが,実はこれが波動場の理論の基礎となるので,今日は1次元調和振動子に集中して次回からは自由度を多次元に拡張する予定です。

Hamiltonianの中に運動エネルギー項だけでポテンシャル項がない自由粒のHamiltonianでなく,何故,線型振動するバネに束縛された粒子のようなポテンシャルを持つ振動子を考えるのか?ということの理由は次の通りです。

 

後に進むに従ってわかるように,謂わゆる光波(電磁波)のような波動方程式に従う場の波動の数学的記述は多くの調和振動子の集まりのそれに等価だからです。

 

こうした,Heisenberg表示での扱い故,Heisenbergの行列力学(matrix mechanics)によろ1次元調和振動子の記述は,Landauの教科書を初めとして多くの標準的なテキストに載っている事柄ですが,

 

その離散的固有値を持つ可算個の固有状態を基底として張られるnormを持つ線形空間が完備であり,さらベクトル(元)のスカラー積(ユニタリ内積)が定義され付与されたHilbert空間であること,

 

そして,この状態の空間は線型空間なので,必然的に物理的状態としては意味不明なnorm(確率)がゼロの零元:0 を持つことetc.が,

 

後に生成・消滅演算子に対応するエネルギ-準位の昇降演算子による基底状態(場理論では真空)の定義に関わるなど,調和振動子の模型には場の量子論で重要な理論の基礎が含まれています。

 

私自身も,初学の頃には色々と解釈に悩んだ時期もあったので,躓きやすい項目には特に注を入れて明確な記述をしたいと思います。

 

さて,本題ですが,1次元調和振動子のHamiltonianH^のHeisenberg表示の座標p(t),q(t)による表現はH^=(1/2)(p^2+ω02q^2)です。

  

これに,正準量子条件:[p(t),q(t)]=-i が課せられます。

  

 運動方程式は,dp^(t)/dt=p^d(t)=i[H^,p^]=-ω02q^(t),

dq^(t)/dt=q^d(t)=i[H^,q^]=p^(t) です。

 

それ故,d2q(t)/dt2=q^2d(t)=-ω02q^(t),

かつ,p^(t)=q^d(t)=dq^(t)/dt=q^d(t)です。

 

これらの式は,古典論の1次元調和振動子の方程式と同じ形です。

 

微分方程式を座標:p^(t),q^(t)について解くために,

a^(t) ≡(2ω0)-1/20q^+ip^),かつ

^(t)≡(2ω0)-1/20q^-ip^)  とおきます。

  

すると,da^(t)/dt=a^d(t)=(2ω0)-1/20q^d+lp^d)

(2ω0)-1/20p^-iω02q^)=-iω0(2ω0)-1/20q^+ip^)

=-0a^(t)です。

 

同様にして,da^(t)/dt=a^+d(t)=iω0a^(t)です。

 

それ故,a^(t)=a0^exp(-iω0t),a^(t)=a0^exp(iω0t)

と書けます。0^,a0^は時間tに依らない演算子です。

 

そして,交換関係は[a^(t),a^(t)]

=(2ω0)-10q^+ip^,ω0q^-ip^]

 =(2ω0)-1[(-iω0[q^,p^]+iω0[p^,q^]),

 

つまり,[a^(t),a^(t)]]=1 です。

 

したがって,[a^(t),a^(t)]=[a0^,a0^]=1,

  

[a^(t),a^(t)]=[a0^,a0^]=0,

[a^(t),a^(t)]=[a0,a0^]=0

 

です。

 

 そして,a^(t)=a0^exp(-iω0t),a^(t)=a0^exp(iω0t)より,

 

 p^(t)=i(ω0/2)1/2{a^(t)-a^(t)}

 =(ω0/2)1/2{a0^exp(iω0t)-a0^exp(-iω0t)},

 

 q^(t)=(2ω0)-1/2{a^(t)+a^(t)}

 =(2ω0)-1/2{a0^exp(iω0t)+a0^exp(-iω0t)}

 

 です。

 

 Hamiltonia:H^は,H^=(1/2)(p^2+ω02q^2)

(1/4){(ω0q^-ip^)(ω0q^+ip^)+(ω0q^-ip^)(ω0q^+ip^)

と表現されます。

 

 故に,H^=(ω0/2){a^(t)a^(t)+a^(t)a^(t)}

 0/2)(a0^0^+a0^a0^)です。

 

そして,{Ψn}をHamiltonian:H^の全ての固有状態の系として,

これが完全系(complete set)をなすなら,任意の状態ベクトルΨは,

Ψ=∑nnΨnと展開されます。

 

(※注3-1):取り合えず,調和振動子の状態全体から成る状態空間の可分性(separable)を仮定し,H^の固有ベクトル系:{Ψn}の個数(濃度)が高々

可算無限個(Almost countable)とした表記をしています。

  

 後の計算で実際に,そうであることがわかります。

 

そして,Ψ=∑nnΨnというのは,実際には{Ψn}が状態空間において

稠密(dense)であり,n→ ∞とするとき,強収束(norm収束)の意味で

nnΨnが,いくらでもΨに近づくよう近似することが可能

 

ということです。(注3-1終わり※)

 

 こうして状態の展開可能性が述べられ,座標演算子の時間依存性も明らかとなったので,後は固有状態Ψnの性質を決める必要性を残すのみです。

 

 まず,[H^,a0^]=(ω0/2)[a0^0^+a0^a0^,a0^]

 0/2)[a0^0^,a0^]+(ω0/2)[a0^a0^,a0^]ですが,

  

 [AB,C]=ABC-CAB=A[B,C]+[A,C]Bなる公式

 を用いると,

 

[H^,a0^]=-(ω0/2)(a0^+a0^)=-ω00^を得ます。

同様にして[H^,a0^]=a0^)=ω00^です。

 

そこで,H^Ψn=ωnΨnなら,

 

H^a0^Ψn=a0^H^Ψn +[H^,a0^n

 =ωn0^Ψn+ω00^Ψn=(ωn+ω0)a0^Ψn

 となります。

   

故に,a0^ΨnはH^のエネルギー固有値:(ωn+ω0)に属する(規格化されていない)固有状態です。

 

 同様に,H^a0n=(ωn-ω0)a0nです。

 a0nはH^の固有値:(ωn-ω0)に属する固有状態ですね。

 

 そこで,固有値ωnを持つ状態Ψnを基準にして,これにa0^を連続的に作用させます。

 

0^ΨnがH^の固有値:ωn+1=ωn+ω0に属する固有関数Ψn+1の定数倍になると考えられて,状態にa0^を作用させる演算を繰り返すと,H^の固有状態の無限個の列を構成できます。

 

他方,a0nがH^の固有値:ωn-1=ωn-ω0に属する固有関数Ψn-1の定数倍になると考えられて,状態にa0^を作用させる演算を繰り返すと,やはりH^の固有状態の無限個の列を構成できるように見えます。

 

しかしながら,この後者の演算は無限に続くわけではありません。

 

何故なら,H^=(1/2)(p^2+ω02q^2)は,Hermite演算子の平方和の形をしていて,負の固有値を持つことができないからです。

 

(※つまり,H^は正値(非負値)の演算子です。※)

 

(注3-2):A^を任意のHermite演算子とすると,A^2もHermite演算子です。

 

そこでλをA^2の任意の固有状態としてその固有値をλとすると,

A^2φλ=λφλであって,λは実数値です。

 

一方,A^の固有状態の系:{Ψn}があってA^Ψn=anΨnとすると,

nは実数でA^2Ψn=anA^Ψn=an2Ψnですから,

Ψnは固有値an2に属するA^2の固有状態でもあります。

 

そして,{Ψn}が完全系を作るという前提から,φλ=∑nnΨn

展開可能です。

 

故に,λ<φλλ>=<φλ|A^2λ|>

=<∑mmΨm|A^2|∑nnΨn=∑m,nm*nn2Ψm|Ψn

ですが,am≠anなら<Ψn|Ψm>=0 です。

 

例えば,Schmidtの直交化法等により,縮退も含めてm≠nなら

<Ψnm>=0 となるように直交化することが可能です。

 

こうすると,λ<φλλ>=∑n|cn|2n2Ψn|Ψm>≧0 となりますが,

λ<φλλ>≧0 で,かつ<φλλ>>0 により,

λ≧0 が得られます。

 

"Hermite演算子の平方の固有値は必ず非負である"と結論されます。

(注2-2終わり※)

 

しかし,H^の固有状態の列:Ψn,a0^Ψn,(a0^)2Ψn,..,に対する

H^の固有値列:ωn-ω0n-2ω0,...,が非負値を保つためには,

固有値に下限が存在する必要があります。

 

そのH^の最低固有値に属する固有状態を基底状態(groundstate)

と呼び,それをΨ0とします。

 

これは,a0^Ψ0=0 を満たす状態ベクトルであるということで一意的に定義されます。

 

このような状態:Ψ0が存在することは,1次元調和振動子にとって

必要条件なのです。

 

何故なら0 はH^の固有状態ですから,もしもa0がゼロでないなら,これもまたnullではない調和振動が存在すべき1つの固有状態です。

 

ところが,このゼロでないa00は,Ψ0よりさらに小さいH^の固有値に属しますから,Ψ0 がH^の最低固有値に属する固有状態であるということに矛盾するからです。

 

Ψ0 がa0^Ψ0=0 を満たすH^の基底状態であれば,

H^Ψ0=(ω0/2)(a0^0^+a0^a0^)Ψ0

=(ω0/2)a0^a0^Ψ0=(ω0/2)[a0^,a0^]Ψ0=(ω0/2)Ψ0

です。

 

Ψ0を基準にしたH^のn番目の固有状態を,改めてΨnと書き,

H^の固有状態を定義し直します。

 

すなわち,Ψn≡(a0^)nΨ0 と定義します。

この定義では,Ψn=a0^Ψn-1ですが,Ψn-1=a0nではなく

cをある定数として,a0n=cΨn-1 です。

 

そして,

 

n=H^a0^Ψn-1=(ωn-1+ω0)a0^Ψn-1,

n-1=H^a0^Ψn-2=(ωn-2+ω0)a0^Ψn-2,

....,

1=(ω0/2+ω0)a0^Ψ0

0=(ω0/2)Ψ0

 

ですから,

 

これをまとめると,H^Ψn=ωnΨn:ωn=(n+1/2)ω0

(n=0,1,2,..)です。

 

(※ここでは,Planck定数を1とする自然単位を用いています)

 

 もしも,Ψn(a0^)nΨ0(n=0,1,2,..)と係数も含めて全く別の,

 H^の固有状態が存在すると仮定して,それをΨとし,それが

 H^Ψ=ω'Ψを満たすと仮定します。

 

 このとき,H^(a0^)mΨ=(ω'-mω0)(a0^)mΨですから,

 mが十分大きいなら,0≦(ω'-mω0)≦ω0 となるはずです。

 

 つまり,mω0 がω'以下で,(m+1)ω0 はω'以上であるような

 自然数:mが存在します。

 

このmに対する(a0^)mΨの固有値(ω'-mω0)が(ω0/2)より小なら,

Ψ0がH^の最低エネルギーの固有状態であるという仮定に反するし,

 

この固有値が0/2)とω0の間にあるなら(a0^)m+1Ψ=0 となる必要が

あるのでa0^(a0^)mΨ=0 です。

 

そこで,実際にH^を作用させるとH^(a0^)mΨ=(ω0/2)(a0^)mΨです。

  

よって0と(a0^)mΨは1次元調和振動子の状態を記述する唯一の物理量であるH^の同一の固有状態を示しているので,これらは複素係数を除いて一致します。

 

 以上から,(複素係数を除いて)Ψn=(a0^)nΨ0 (n=0,1,2,..)よりも

 他にエネルギ-H^の固有状態は存在し得ないことがわかりました。

 

Ψ0が縮退していないことからΨn(a0^)nΨ0 もまた非縮退

(non-degenerate)です。

 

そこで,<Ψn|H^{Ψm>=ωm<Ψnm>=<H^Ψnm

=ωn<Ψnm>ですから,(ωm―ωn)<Ψnm>=0 です。

  

それ]故,m≠nならωm≠ωnなので<Ψnm>=0 です。

 

 一方,<Ψn+1n+1>=<a0^Ψn|a0^Ψn

 =<Ψn{a0^a0^n=<Ψn{H^/ω0+1/2|Ψn

 ={(n+1/2)+1/2}<Ψnn>=(n+1)<Ψnn>です。

 n

(注3-3):H^=(ω0/2)(a0^0^+a0^a0^)

 =(ω0/2)(2a0^a0^+[a0^,a0^])

 =ω0(a0^a0^-1/2)です。

  

 故に,0^a0^=H^/ω0+1/2です。(注3終わり)※

 

 したがって,<Ψnn>=n<Ψn-1n-1

 =n(n-1)<Ψn-2n-2>=..=n! <Ψ00>ですから,

 

 結局,<Ψnm>=δnmn!<Ψ00>を得ます。

 δnmはKroneckerのデルタ記号です。

 

これから,以下では,<Ψ00>=1,Ψn=(1/n!)1/2(a0^)nΨ0

固有状態ベクトルを再規格化して定義し直して,

<Ψnm>=δnmなるようにします。

 

この定義では,もはやΨn+1=a0^Ψnではなく,

Ψn+1=(n+1)-1/20^Ψnであることに注意する必要があります。

 

 すると,n+1=<Ψn|H^/ω0+1/2|Ψn

 =<Ψn|a0^a0^n=∑m<Ψn|a0^|Ψm><Ψm|a0^n

 =<Ψn|a0^|Ψn+1><Ψn+1|a0^n>より

 

 n+1=|<Ψn+1|a0^n>|2です。

 

 先の<Ψ00>=1,Ψn=(1/n!)1/2(a0^)nΨ0の定義では,

 <Ψn+1|a0^m>=(n+1)1/2=<Ψn|a0^|Ψn+1>で行列要素

 は実数です。

 

 調和振動子の昇降演算子:a0^,a0^の行列要素としてゼロでないのは

 <Ψn+1|a0^n>,<Ψn|a0^|Ψn+1>以外にはありません。

 

 一般に,全ての行列要素は,<Ψm|a0^n>=(n+1)1/2δm,n+1,

  <Ψm|a0^|Ψn>=n1/2δm,n-1と書けます。

 

任意時刻tにおけるHeisenberg演算子の行列要素としては,例えば

 

<Ψn+1|a^(t)|Ψn>=exp(iω0t)<Ψn+1|a0^n

 =<exp(-iωn+1t)<Ψn+1|a0^n exp(-iω0t)>

 =<Ψn+1(t)a0^n(t)|>となります。

 

 自由度が1の論議は,自由度Nの方程式にそのまま拡張できます。

 

n個のHermite演算子:qi^(t)(i=12..,N)(Heisenberg表示)と,

そのn個の共役運動量演算子:pi^(t)(i=1,2..,N)による記述

ですが,それは次回にして,

 

 今日はここで終わります。

 

※(参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell 「Relativistic Quantum Fields」(McGrawHill)

 

PS:昨日(1/19?),別の区では雪が降ったらしい日に,どうも今度は視力がいい方の左眼から眼底出血したらしく,モヤがかかって虫が飛んだりしています。(白が少し赤いし。。。)

 

 右眼は,視力 0.5くらいで,去年の手術で,既に硝子体がレンズに変わっていて,めったに出血しないようですが,片目が出血すると両眼を開けてるとかえって見にくいですね。

 

 ここ十年以上もインシュリンは拒否してきましたが,歳も食って私自身のインシュリンに対する偏見?も薄れてきたので完全失明しないうちにインスリン注射を始めようかなあ。

 

 私,低血糖を起こしやすいので,数日以上入院して量を調整する必要あるでしょうが,帝京病院ではずっと拒否してたので順天病院にいくかな。。

  

PS2:しかし,ここのココログの最近のHTMLへの翻訳では,ワードで普通の大きさの上下の添字を単にコピーすると添字だけが必ず3/4に縮小されて見えにくいので1つ1つ直すしていますがめも悪いので閉口してます。

  

 文字全部の大きさなら簡単ですが添字だけなのでね。。

  

 元々オンラインで編集修正してブログHPに反映させると,文字化け起きるのは日常茶飯事ですが「。。

  

 数式じゃなく文章なら正常なので,今更ながら,ブログで数式を書くというのが無理なんでしょうね。

  

(このPSも行間隔開けて書いても反映すると詰まるとか色々。。)

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2012年1月17日 (火)

コンピュータ将棋米長に勝つ

 一昨年(2010年)の10月,ヒマだったのでバスですぐ近くの本郷の東大工学部で入場料1000円払って午後から19時頃まで,,清水市代女流が「あから」という4ソフトの合議多数決の将棋ソフトと対戦して惜しくも敗れたのを見ました。

(※YSSの山下さんもプログラムに参加してたらしい。)

 そのとき敗着など指摘して講評を述べながらあいさつしていた米長邦雄将棋連盟会長も,この14日に伊藤さん作成のコンピュータソフト「ボンクラーズ」に負けてしまったらしいです。

 初期のソフトは,コア・CPUの性能にかなり限界があって,持ち時間の制限の中では全ての手のうち有効な手と評価される手のみに限定して,先を読む(検索する)ようなソフトでしたが,

 今は,ますます高速になって,いつの頃からか(ボナンザかな?)手を絞らなくても,持ち時間の中でほぼ全通りの手を選択し,それから派生する順列・組み合わせを網羅するに近い読みになってきているようです。

 いずれ,人間が太刀打ちできなくなるのは時間の問題でしょう。

(※「柿木将棋」の柿木さんに会ったら少し聞いてみたいと思います。)

 前に木村永世竜王が辛勝した棋譜も去年入院中に見ましたが危ないです。

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2012年1月13日 (金)

相対論的場の量子論(正準定式化)(2)

  正月なのでちょっと間があきましたが「相対論的場の量子論」の続きです。

  

今日は,序文ではなく本題に入ります。

 

ただし,ときどきオリジナルで書くブログ記事の原稿とは違って,昔のノートは,どこが種本の内容でどこが自分の理解のために追加した注釈文なのかがはっきりしていません。

 

そこで元本を出して該当する部分を眺めてみましたが,今日の記事の内容は,ほんどが本文理解のための注釈文のようです。 

 

§1.2 The Canonical Formalism and Quantization Procedure for Particles (粒子の正準定式化と量子化の手法)

 

 まず,粒子力学の古典論の動力学系として保存力場の中の粒子の1次元運動を中心に復習します。

 

 qを1次元運動をする粒子の一般化座標(例えば落下運動の高さz,振り子運動の角度θ)とし,qd≡dq/dtを一般化速度とします。

 

 また,L(q,qd)を系のLagrangian,Jを作用とすると,運動(軌道)q(t)はHamiltonの原理:δJ=δ∫t1t2L(q,qd)dt=0 から決まります。

 

 ただし,座標の微小変分:q(t)→q(t)+δq(t)に対して,

 δq(t1)=δq(t2)=0 という拘束を与えています。(両端固定)

  

 (↓※下はどなたかのホームページからの転載図です。  

  

 始点A(時刻t1)と終点B(時刻t2)を固定して,作用:

 =∫t1t2L(q,qd)dtが最小になる軌道を決める変分問題。

  

 L(q,qd)=T=(1/2)m(qd)2の自由粒子の場合,解は直線軌道です。

 これは光の行路のFermat(フェルマー)の定理と同じですね。)

  

 

 δJ=δ∫t1t2L(q,qd)dt

 =∫t1t2[L(q+δq,(q+δq))d-L(q,qd)]dt

 =∫t1t2{(∂L/∂q)δq+(∂L/∂qd)δqd}dt

 

 =[(∂L/∂qd)δq]t1t2

  ∫t1t2{(∂L/∂q)-d/dt(∂L/∂qd)}δqdt

 =∫t1t2{(∂L/∂q)-d/dt(∂L/∂qd)}δqdt

 です。

 

 そこで,δq(t1)= δq(t2)=0を満たす任意の変分δq(t)に対して, δJ=0 になるという変分法の問題:(※どの方向への仮想変位:δqであろうと両端が固定している限り,実際の軌道ではJは最小値または停留値をとるという「最小作用の原理」)から,

 

 Euler-Lagrangeの方程式:(∂L/∂q)-d/dt(∂L/∂qd)=0

 が得られます。

 

 共役運動量(conjugate momentum)pはp≡∂L/∂qdで定義されます。

  

ここで,運動量pの定義式:∂L/∂qd=pをqdを未知数とする対する方程式と見なします。

  

そして,この方程式が解けて,qdをpとqの関数としてd=qd(p,q)と表わすことができたとします。

 

これは,系の独立変数を(q,qd)から(p,q)へ変更する手順です。

 

結局,Lagrangian関数L(q,qd)がL(p,q)と表わされます。

 

 これによって,p,qの関数としてのHamiltonian:HをL(p,q)と

 qd(p,q)を用いて,H(p,q)≡pqd-Lと定義します。

 

ここまでは,系のLagrangianLをL(q,qd)なる関数形で書きましたが,一般には,Lはq(t)とqd(t)によって間接的にtに依存するだけでなく,陽にtに依存する場合もあるのでL(q,qd,t)と書くのが普通です。

 

これは,以下のような理由からです。

 

LagrangianLはその定式化から,Tを運動エネルギーとして,L=T-Vと書けます。

 

ここで,Tは運動エネルギーで,qdの2次形式です。これは,2次形式の係数も含めて(q,qd)のみの関数ですから,T=T(q,qd)という形です。

  

しかし,Vの方は一般化ポテンシャルと呼ばれ,必ずしも通常のポテンシャルV=V(q)を意味するわけではなく,

 

V=V(q,qd,t)のように,速度qdや時間tを陽に含む場合もあるというのが,L=T-VがL(q,qd,t)なる形になる理由です。

 

逆に,何らかの方法でLの方が既知であれば,V≡T-LによってVを定義したと見ることもできます。

 

(※例えば,電磁場のポテンシャルやLagrangianはそうした例です。)

 

上述のように,一般化ポテンシャルVについて,LagrangianはL=T-Vと表現されますが,今,問題としている系では,拘束が時間tに依存せず,

 

粒子の受ける力をF=-∇Vで与えるポテンシャルVもtにも速度qdにも依存しない通常の保存力場:V=V(q)であると仮定します。

 

dL/dt=(∂L/∂q)(dq/dt)+(∂L/∂qd)(dqd/dt)なる微分式に,Euler-Lagrangeの方程式:(∂L/∂q)=d/dt(∂L/∂qd)を代入します。

  

dL/dt={d/dt(∂L/∂qd)}qd+(∂L/∂qd)(dqd/dt)

=d/dt{(∂L/∂qd)qd}なので,

  

(d/dt){(∂L/∂qd)qd-L}=0 ですからp=∂L/∂qd,

H(p,q)=pqd-Lよって,これはdH/dt=0 を意味します。

 

すなわち,こうした系ではHamiltonian:H(p,q)=pqd-Lは時間に依らない保存量です。(保存力場ではHは系のエネルギーに一致します。)

 

※(注2-1):Legendre変換(変数の変更)

 

 独立変数x,yの関数f(x,y)の全微分は,df=udx+vdy;

 u≡∂f/∂x.v≡∂f/∂yと書けます。

 

独立変数をx,yからu,yに変更し,g≡f-uxなる関数を考えると,

dg=df-udx-xduですが,df=udx+vdyなので,

dg=vdy-xduを得ます。

 

 故に,x=-∂g/∂u,v=∂f/∂y=∂g/∂yです。

 

 こうした,変換をLegendre変換といいます。

 

 (Legendre変換は熱力学ではよく使われています。)(注2-1終わり※)

 

 今の解析力学の問題の場合も,-H(p,q,t)=L-pqdなる変換が,t以外の独立変数をL(q,qdt)のq,qdから,p=∂L/∂qd,qに変更するLegendre変換です。

 

※かつて19世紀に,Lagrangeが創始した解析力学でのLagrangian:LからHamiltonian:Hへの書き換えは,Legendre変換だったのですね。

 

そこで,この場合,qd=∂H/∂p,∂L/∂q=-∂H/∂qです。

 

さて,一般には系の自由度は1(1粒子の1次元運動)ではなく,自由度はN>1の多粒子系です。

 

そこで,Lagrangianは,一般化座標:=(q1,q2,..,qN)と一般化速度:d=(q1d,q2d,..,qNd)の関数として,L=L(,d,t)と表わされ,

共役運動量は=(p1,p2,..,pN);pi≡∂L/∂qidで定義されます。

 

そして,LのLegendre変換であるHamiltonianHは,

H(,,t)=∑iiid-L(,d,t),

or -H=L-pqdと書けます。

 

 Hの全微分は,dH=∑i(∂H/∂pi)dpi+∑i(∂H/∂qi)dqi

 +(∂H/∂t)dt です。

 

一方,H=∑iiid-Lから,dH=∑iiddpi+∑iidqid

-∑i(∂L/∂qi)dqi-∑i(∂L/∂qid)dqid-(∂L/∂t)dt

なる式を得ます。

  

ここで,pidqid=(∂L/∂qid)dqidですから,

dH=∑iiddpi-∑i(∂L/∂qi)dqi-(∂L/∂t)dt

です。

 

 ところが,Euler-Lagrangeの運動方程式:

 ∂L/∂qi-(d/dt)(∂L/∂qid)=0 によって,

 ∂L/∂qi=dpi/dt=pidなので,

  

 結局,dH=∑iiddp1i-∑iiddqi-(∂L/∂t)dtと書けます。

 

 それ故,i(∂H/∂pi)dpi+∑i(∂H/∂qi)dqi+(∂H/∂t)dt

 =∑iiddpi-∑iiddqi-(∂L/∂t)dtです。

 

 よって,運動方程式としてdqi/dt=qid=∂H/∂pi,

 dpi/dt=pid=-∂H/∂qiとを得ます。

 

 これが,Euler-Lagrange運動方程式の,Hamiltonian形式による運動方程式へのLegendre変換に基づいた書き直しです。

  

この最後の形の運動方程式を,Hamiltonの正準方程式といいます。

 

※(注2^2):Poisson括弧式:

 

 =(p1,p2,..,pN),=(q1,q2,..,qN)の関数u,vに対して,

 {u,v}P.B≡∑k{(∂u/∂pk)(∂v/∂qk)-(∂u/∂qk)(∂v/∂pk)}

 をu,vのPoisson括弧式(Poisson Bracket),

  or Poisson括1弧といいます。

 

すると,明らかに{pi,qj}P.B=δij,{pi,pj}P.B={qi,qj}P.B=0

(i,j=1,2,..,N)なる恒等式が成立します。

 

これを基本括弧式といいます。(注2終わり※)

 

 u(,,t)を任意の微分可能な関数とすると,

du/dt=∑i{(∂u/∂pi)pid+(∂u/∂qi)qid}+(∂u/∂t)

=∑i {(∂u/∂qi)(∂H/∂pi)-(∂u/∂pi)(∂H/∂qi)}

+(∂u/∂t)です。

 

すなわち,du/dt=ud={H,u}P.B+(∂u/∂t)を得ます。

  

u=pkならpkd{H,pk}P.B,u=qkならqkd={H,qk}P.Bです。

 

実際,Poisson括弧式の定義から{H,pk}P.B=-∂H/∂qk,および,

{H,qk}P.B=∂H/∂pkなので,

 

kd={H,pk}P.B,qKd={H,qk}P.Bは,Hamiltonの正準方程式:

kd=∂H/∂pk,pkd=-∂H/∂qkと同値です。

 

(※余談ですが,電磁場の場合などゲージ(gauge)不変性を持つ場では,pi=∂L/∂qidを陰関数表示として解くための係数行列:(∂2L/∂qid∂qjd)のJacobian:det:(∂2L/∂qid∂qjd)がゼロの特異行列となるので,

 

方程式:∂L/∂qid=piから,ddd(,)なる形に解くことができません。

 

そのため,Poisson括弧式を修正したDirac括弧式を用いた対応原理で以下の量子化が実行されます。※)

 

(※なお,解析力学については,2006年10/8の記事「WKB近似,ハミルトン・ヤコービ方程式,経路積分」や2007年11/2の記事「解析力学の初歩」, 

2008年5/19の記事「電磁気学と相対論(4)(真空中の電磁気学3)」,

5/30の記事「電磁気学と相対論(6)(真空中の電磁気学5)」,

  

そして,2008年6/22の「ネーターの定理と電磁エネルギー運動量テンソル」と6/27の「ネーターの定理と電磁エネルギー運動量テンソル(補遺)」および,2010年2/6の記事「電磁力学と解析力学

 

などを参照してください。

 

そしてちょっとマニアックな話題ですが2008年2/21,2/25の「非ネーター保存量」,および「非ネーター保存量(続き) 」 もあります。

 

また,飛躍しますが量子化した後にも関連したトピックとしては,

 

2007年5/7の量子化された場と調和振動子(パラ統計)」,

2007年8/7の場の演算子とリー群(Lie群)の生成子」,

2008年2/29のネーターの定理と場理論

 

などあります。※)

   

 さて、本文に戻って量子化(quantization)の手順です。

 

 量子論ではq^はHilbert空間に作用するHermite演算子で,共役運動量は

 p^=-i∂/∂q^(※Schroedinger表現)ですが,これも演算子です。

 

[A,B]≡AB-BAで交換子(commutator)を定義すると,

q-表示の任意の状態関数ψ=Ψ(q)に対して,

 

[p^,q^]ψ=p^(q^ψ)-q^(p^ψ)=-iψですから,

[p^,q^]=-iです。

 

 一方,古典変数のPoisson 括弧式では,{p,q}P.B=1ですね。

 これが量子化のヒントになります。

 (※この対応原理による量子化は,Diracの発見です。)

 

 演算子p^は,もちろんHermite(Hermitian operator)です。

 何故なら,q表示で∫-∞χp^ψdq=-i∫-∞χ(∂ψ/∂q)dq

 =-i[χψ]-∞+i∫-∞∞∞(∂χ/∂q)ψdq=∫-∞(p^χ)ψdq

 だからです。

  

つまり,<χ|p^|ψ>=<p^χ|ψ>=<ψ|p^χ>ですから,

p^はHermitianなのです。

 

 粒子の動力学はH^(p,q)をHamiltonian演算子として,

 H^(p,q)Ψ(t)=i∂Ψ(t)/∂t(Schroedinger方程式)

 で与えられます。

 

 ここでのΨは状態を表わすHilbert空間のベクトル(元)です。

 

 初期状態:Ψ|t=0を任意に与えると,上記のSchroedinger方程式は将来の全ての時刻tの状態における物理量の期待値を決定します。

 

※(注2-3):H^Ψ=i(∂Ψ/∂t)の解;Ψ(t)は,Ψn(t)=unexp(-iEnt)

 で展開され,Ψ(t)=∑nnnexp(-iEnt)=∑nn(t)un(q)

 となります。

 

ここで,H^un=EnnでありΨ(0)を与えると全てのan(0)=cnが定まるのでΨ(t)が完全に定まります。

 

Ψ(0)=∑nnnなのでunが規格化されていれば<un|Ψ>=cnとなるからです。(注2-3終わり)※

 

 粒子の運動は今の時間変化の定式化では,時間に依存しない演算子p,qに対してΨの中に全ての時間依存性が含まれています。

 

 これはSchroedinger表示と呼ばれる表示です。

 

一方,Heisenberg表示では,状態ベクトルΨではなく演算子p^(t),q^(t)の方が時間依存性を有します。

 

Schroedinger表示の状態ベクトル:Ψ(t)を改めてΨ(t)と記し,

Ψ(t)=exp(-iH^t)Ψ(0)≡exp(-iH^t)Ψとします。

 

そして,時間tに依存しないΨ≡Ψ(0)をHeisenberg表示の状態ベクトルと呼びます。

 

ただし,exp(-iH^t)の意味は,exp(-iH^t)

≡∑n=0{(i/n!)(-itH^)n}です。

 

 逆に,時間tには依存しないΨに対して,Ψ(t)=exp(-iH^t)Ψと定義すれば,明らかに i(∂Ψ/∂t)=H^Ψとなって,

 

 Ψ(t)=exp(-iH^t)ΨがSchroedinger方程式に従う

 Schroedinger表示の状態ベクトルとなります。

 

そして,Schroedinger表示の演算子O^はユニタリ変換によって,時間に依存するHeisenberg表示の演算子O^(t)に変換されます。

 

^(t)≡exp(iH^t)O^exp(-iH^t)です。

 

こう変換すれば,

 

Hmn(t)=<ΨHm|O^(t)|ΨHn

=<ΨHm|exp(iH^t)O^exp(-iH^t)|ΨHn

=<exp(-iH^t)ΨHm|O^|exp(-iH^t)ΨHn

=<ΨSm(t)|O^(t)|ΨSn(t)>=OSmn(t)

 

となって,行列要素が変換の前後で不変です。

 

 Heisenberg表示では,時刻t=0 の状態ベクトルΨ=Ψ(0)が既知のときHeisenberg表示の演算子O^(t)の時間発展の方程式を解くことが主題となります。

 

 この演算子に対する方程式は,dO^(t)/dt=i[H^,O^(t)]です。が,これをHeisenbergの運動方程式といいます。

 

 ただし,Schroedinger表示のO^が時間に依存する場合は,

 dO^/dt=i[H^,O^]+∂O^/∂tです。

 

 特に,Hamiltonian演算子:H^については,H^が陽に時間に依らない限り,

 ^(t)≡exp(iH^t)H^exp(-iH^t)=H=Hであり,

 dH^/dt=i[H^,H^]=0 です。

 

※(注2-4):Schroedinger方程式:H^Ψ(t)=i{∂Ψ(t)/∂t}の内容は,

 実際,全てΨ=exp(iH^t)Ψ(t)の中に含まれています。

 

時刻tにおける確率を含む期待値が表示によって変わらない条件:

<Ψ(t)|O^|Ψ(t)>=<Ψ|O^(t)|Ψ>を満たすよう

 

Schoedinger表示の演算子からユニタリ変換:

^(t)≡exp(iH^t)O^exp(-iH^t)で定義される

Heisenberg表示の演算子は,実際O^がtに独立なら

 

dO^/dt=iH^O^-iO^H^=i[H^,O^]

を満たします。

  

逆に,dO^/dt=i[H^,O^]=iH^O^-iO^H^を記号的に積分すれば,O^(t)=exp(iH^t)O^(0)exp(-iH^t)が得られます。

 

 これらの式は同じ演算子O^の時間依存性を示す方程式の解です。

 (注2-4終わり)※

 

 波動関数については,Schroedinger表示の波動関数:

 ψn(q,t)=exp(-iEnt)un(q)に対して,

 Heisenberg表示のそれはψn(q,0)=un(q)です。

 

相対論的場の量子論では,Heisenberg表示の方が便利です。

何故ならLorentz不変性をより容易に見ることができるからです。

 

つまり場の演算子は時間tだけに依存するだけでなく,時空座標に依存する演算子として一般化されたと見ることができます。

 

さて,p^,q^をHeisenberg表示で見ると[p^(t),q^(t)]=-iです。

 

そこで,1つの表示としてp^(t)=-i{∂/∂q^(t)},または

q^(t)=i{∂/∂p^(t)}と定義することができます。

 

 故に,dp^(t)/dt=i[H^,p^(t)],dq^(t)/dt=i[H^,q^(t)]を[p^(t),q^(t)]=-iの正準交換関係の原理と一緒にすると,

 

 これは古典論の方程式dp(t)/dt=-∂H/∂q(t)={H,p(t)}P.B,dq(t)/dt=∂H/∂p(t)={H,q(t)}P.B,および

{p(t),q(t)}P.B=1の焼き直しに見えます。

 

 Heisenberg表示による量子力学の定式化は,古典力学の定式化に方程式の形だけはそっくりです。

 

 古典力学のPoisson括弧:{ , }P.Bを交換関係:[ , ]に変えて,iを掛ければ量子化した方程式が得られます。

 

 {H,p(t)}P.B ~ i[H^,p^(t)],{H,q(t)}P.B ~ i[H^,q^(t)],

 {p(t),q(t)}P.B ~ i[p^(t),q^(t)] or

 

 [H^,p^(t)] ~ (-i){H,p(t)}P.B,

 [H^,q^(t)] ~ (-i){H,q(t)}P.B,

 [p^(t),q^(t)] ~ (-i){p(t),q(t)}P.Bです。

 

そして,この動力学を完全に決定するためには,演算子p^,q^の初期時刻における全ての行列要素を具体的に与える必要があります。

 

古典論において,初期値p(0),q(0)に課せられる初期条件は量子論では,

t=0 で如何なる物理的状態においても満足さるべき正準交換関係:

[p^(t),q^(t)]=-i によって補足されます。

 

※(例):Heisenberg表示で1次元の単純な調和振動子を量子化します。

 

まず,H^=(1/2)(p^2+ω02q^2)です。

 

これから,dp^(t)/dt=p^(t)=i[H^,p^]

=(iω02/2)[q^2,p^}=-ω02q^(t)です。

 

同様に,dq^(t)/dt=q^(t)=i[H^,q^]

=(i/2)[p^2,q^}=p^(t)です。

 

以上から,d2q^(t)/dt2=q^2d(t)-ω02q^(t)=0,

p^(t)=q^d(t)=dq^(t)/dtです。

 ,

この式は古典論の調和振動子の方程式と同じ形です。

 

方程式を座標:p^(t),q^(t)について解くため,慣例に従って

a^≡(2ω0)-1/20q^+ip^),a^≡(2ω0)-1/20q^-ip^)

とおきます。

 

 こうおけば,da^(t)/dt=a^d(t)=(2ω0)-1/20q^d+ip^d)

=(2ω0)-1/20p^-iω02q)=(-iω0)(2ω0)-1/20q^+ip^)

=-iω0a^(t)となります。

 

同様にして,da^(t)/dt=iω0a^(t)です。

 

これらを解けば,a^(t)=a^0exp(-iω0t),

a^(t)=a^0exp(iω0t)となります。

 

ただし,a^0 ,a^0は時間 tには依存しない演算子です。

 

そして,,交換関係は,[a^(t),a^(t)]

=(2ω0)-10q^+ip^,ω0q^-ip^]

=(2ω0)-1(-iω0[q^,p^]+iω0([p^,q^])=1 です。(つづく)

   

※なお,余談の続きですが,物質中の電磁エネルギー運動量テンソルの正しい形はどうなるのか?"という関連記事の問題については,

 2009年1/7の記事「運動物質内の相対論(13)(物質中の電磁エネルギー運動量:前編)」,および1/12の記事「h運動物質内の相対論(14)(物質中の電磁エネルギー運動量:中編)」,1/15の記事「運動物質内の相対論(15)(物質中の電磁エネルギー運動量]後編)」において既に解決済みです。

 

※(参考文献):J.D.Bjorken & S.D.Drell "Relativistic Quantum Fields"(MacGrawHill)

 

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2012年1月 9日 (月)

ろうきんチャリティコンサート

 昨日1月8日は,休みを取り職場同僚の女性R.Sさん(職場クリスマスイベントで共演)と待ち合わせて,昨年末のクリスマス前から約束していた,有楽町の読売ホールでの労働金庫主催のチャリティコンサートに行ってきました。

             

 一部では弱視で失明寸前のピアニスト前田さんのピアノと歌.,二部では声優13名による朗読劇「ハッピー・バースデイ」を楽しみました。

 会場は盲目の人がかなり招待されていたし私も目をつぶっていても全てわかる内容でした。

 朗読劇は効果音もあって,私の家に11歳のとき初めてテレビが入る前には毎日聞いていたラジオのドラマを聞いているようでした。

 ある意味でバックにアニメがあったり,外国映画の吹き替えのように映像があったりしないので,声優の素晴らしさが実感できました。

 ただし,内容の一部のイジメの解決などについては,そういう純真なケースもあるでしょうが,最近の子供はそこまで単純ではなく,大人がそうした事実の存在を確認することすら,困難なケースの方が多いのでは?という感想を持ちました。

 ハッピーエンドで泣けたのは,とても良かったですが。。

 その昔,わは私が小学校低学年の頃の夕食時には,「一丁目一番地」というラジオの連続」ドラマを聞いていて,名古屋章や黒柳徹子なは,どの声だけから,「どんな美男美女だろうか?」と想像めぐらしたものでしたね。

 ところで,買って数ヶ月の中古のデジカメが壊れて写真を撮ることができなかったのは残念でした。

 とても寒い日でしたし,2人とも障がい者ですが無事帰途につけました。

 R.Sさん,チケットが2枚だったのでお誘いいただきありがとうございました。

 昨年の9/28には,有楽町マリオンにある朝日ホールで映画「アントキノイノチ」の試写会,昨日1/8は読売ホールでコンサートとこのところ,めったに行けないイベントを無料で観覧できてシアワセです。

(※↑ 2011年9/29の記事「上野動物園・映画試写会」を参照)

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訃報! 二谷英明さん。

 元日活映画二枚目スターの俳優,二谷英明さんが1月7日に亡くなられました。直接の死因は肺炎だそうです。81歳でした。

 → http://www.sanspo.com/geino/news/120109/gnj1201090506015-n1.htm

    

 本ブログでは訃報として取り上げていませんが,先日大晦日に」亡くなられたミュンヘン・オリンピックで金メダルを取ったときの男子バレーボール監督:松平康隆さんも81歳でしたね。

 ご冥福をお祈りします。   合掌!!

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ありがとうカタール

 ありがとう。ありがとう。カタール。世界は一つだ。。。

 そして.ありがとう。夕張

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2012年1月 6日 (金)

ブログ初期の科学記事(2007年1月)

 久しぶりの手抜きの目次記事です。2007年1月の科学記事です。

 2006年12月24日に北区滝野川4丁目に半分引っ越してネット環境が一部復活したのが1月5日ですから,2007年1月7日が最初の科学記事です。

 まず,1/7の記事は「ローレンツ多様体上の固有時間」です。

 続いて,宇宙や星関連のトピックの続きで1/9の記事「中性子星の物理」,さらに,1/11の記事「結合エネルギーが最大の元素(鉄)」です。

 それから以後は数学で代数学で19世紀のガロアの方程式論シリーズです。

 まずは,導入部で1/14の記事「ガロア理論(1)」です。

 続いて116の記事「ガロア理論(2)」です。

 ここで,「 入院のため一週間お休みします。」という]記事にあるように,心不全で肺にたまった胸水を出すために,帝京大病院の心臓内科に1/17に入院し,1/23に退院しました。

 そのため,ブログの記事を投稿するのもその間はお休みでした。

 引越しがあまり長引くのも困るので,入院直前の1/16夜までに,あわてて引越しの残りの荷物搬入を終え,荷物が部屋に山積みのまま,翌日入院したのでした。

 退院後は,1/24の記事「ガロア理論(3)」,1/26の記事「ガロア理論(4)」,1/27の記事「ガロア理論(5)」,1/28の記事ガロパ理論(5)補遺」,1/29の記事「ガロア理論'6)」と書き続けてガロア理論については終わりにしました。

 そして,引越しの荷物を片付けているうちに紛失していた微分方程式関連の過去ノ^-トを見つけたので,1/31の記事「常微分方程式の解の存在定理⑥(一般解の存在(3)」を書きました。

 この,「一般解の存在定理」の証明の続きは,私の57歳の誕生日である翌2007年2月1日の記事で完了していますが,それは2007年2月の記事です。

 この対象月の2007年1月は前月からの引越し,前月発症した心臓病による一週間の入院があったため,投稿した記事がかなり少ないです。

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2012年1月 5日 (木)

相対論的場の量子論(正準定式化)(1)

そろそろ,今年も科学記事の掲載を始めなければ,このブログでそうした科学テーマの記事も書くということを忘れられそうです。

 

まだ,昨年の「空孔理論(Hole Theory)」シリーズの続きとして真空偏極を電子-空孔,あるいは電子-陽電子対による効果として述べることなどが残っていますが,

 

昨年の初めも1月2日から「線型代数のエッセンス」という新しいテーマの記事から開始してるようなので,今年も新しい?テーマとして院生の頃,勉強した場の量子論のノートを参照した記事から始めることにします。

 

 そして,今日は当時の種本であったBjorken-DrellのFieldのテキストの導入部の紹介を書きます。

 

 実は,37年前(1974年4月の24歳)の学生当時は,この数式がほとんどなく日本語でない専門用語を含む序文は,実際の本文よりもさらに理解困難でしたので,スキップして直接本題に入ったのでした。

 

 したがって,今日書いた文章は40歳くらいで最初の会社を退職して比較的暇になってから勉強を再開したときに追加したものを,今読み返んで少し訂正し手を加えたものです。

  

 学生時代のノートには,時間がなくてところどころスキップしたところがありましたが,40歳からの数年で全てを埋めています。

 

 さて,以下,本題である序文(Introduction)です。

 

ここまでの相対論的量子力学の考察では,伝播関数アプローチを展開して相対論的粒子の相互作用を摂動法で計算する実際的なルール(Feyman-rule9を与える際,もっぱら直感や対応原理に頼ってきました。

 

 しかし,以下では,量子化された場を定式化することから,直感的に得られたルールを系統的に導出するという作業に移ります。

 

場の理論を求める動機は,まず第一には量子論への伝播関数アプローチにおける論理の穴を埋めること,

 

そして中間子と核子の強結合プロセスのような摂動論が適切ではないと思われる問題にも適用さるべき定式化を獲得したいということです。

 

 こうしたアプローチは,電磁場を見ることで最も良く描写されます。

  

電磁ポテンシャル:Aμ(x)は,Maxwellの波動方程式を満足し,無限自由度を持つ動力学系を記述すると考えられます。

 

すなわち,空間の各点でのAμ(x)=Aμ(,t)は系の独立な連続無限個の一般化座標を意味すると考えます。

  

※(注1):電磁場を力学系と考えたときの場:Aμ(x)=Aμ(,t)は,多体粒子系の解析力学において与えられる,一般化座標:{qn(t)}={q1(t),q2(t),..}の離散添字nを連続的な空間座標添字に置き換えた,{qx(t)}の座標成分qx(t)であると考えます。

  

電磁場の場合,一般化座標が4元ベクトル:{qxμ(t)}で与えられ,qxμ(t)=Aμ(,t)である考えるのです。(注終わり)※

  

古典論から量子論へ乗り移るためには,量子力学における一般原理に従って,一般化座標とその共役運動量を物理状態を示すHilbert空間のベクトルに作用する演算子(operator;作用素)へと昇華させる必要があります。

 

 さらに,それらの演算子には,量子条件が課される必要があります。

 

こうした手続きは正準量子化(canonical quantization)の手法であって,場を表わす関数の直線的な拡張です。

 

この手法は,非相対論的な力学の通常の量子化でもなされた手続きです。

 

こうして量子化が実行されると,Bohrの相補性原理の意味で電磁場の粒子解釈が出現します。

 

 もしもMaxwellの電磁場μ(x)の量子化がなされて,それから自然に光子(photon)という粒子の描像が出現するなら,自然界で存在を確認されている他の粒子もまた,同じ量子化の方法で力場と関連付けできるのでは?という疑問が生じます。

 

 こうした発想に基づいて,湯川(Yukawa)は核力という相互作用の存在の知見から,π-meson(パイ中間子)が存在すると推測しました。

 

逆に,この観点からは自然界で観測される各種の粒子は,それぞれある仮定された波動方程式を満たす場(力場)φ(x)に関連付けられるのが当然という発想になります。

 

ともあれ,場φの1粒子解釈は,こうした正準量子化プログラムを最後までやり通したときに得られます。

 

 そうした量子化手法のプログラムでは,まず場の座標φ(x)の共役運動量π(x)を定義する必要があります。

 

 これは系のLagrangianを与えることによって実行されます。

 

このLagrangianからは,φ(x)の共役運動量π(x)が導かれるだけでなく,変分原理からφ(x)の従うべき波動方程式を導き出すことができます。

 

そして,φ(x)とπ(x)に正準交換関係(canonical commutation-relation)を与えることで正準量子化法を適用すれば,光子のようなBose統計に従う場の量子の描像が得られます。

 

 同様な量子場形式で,電子のようにPauliの排他原理に従うFermi粒子をも記述できますが,ただ量子交換関係を反交換関係(anticommutation-relation)に置き換えることが必要となります。

 

 こうした場の量子化の手法で,同種粒子の記述の基盤となる統一した定式化を構成できます。

 

以下で見るLagrangianによるアプローチにおいて,さらに魅力的な特徴はそれが直接にさまざまな保存則を導き出すことです。(※Noetherの定理)

 

§1.1 Implication of a Description in Terms of Local Field

   (局所場の記述の意味するもの)

 

波動方程式を満たす古典場の量子化手続きの実行にトライする前に,そうしたプログラムの意味を論じることには幾莫かの価値があるはずです。

 

 まず,第一には,波動という意味で微分的な波動伝播を有する理論に誘導されるということがあります。

 

粒子に付随する波動場を示す関数:φ(x)=φ(,t)は連続パラメータと時刻tの連続関数ですから,ある1点における場の変動はその点に無限に近い隣の点での場の性質によって決定されます。

 

 しかし,大部分の古典的波動(例えば音波や弦,膜の振動etc.)の場では,そうした記述は媒質の粒子性が現われる特性長さよりも大きい距離でのみ正しく,原子や分子の集まりを連続体に理想化したものです。

 

より小さい距離では,こうした弾性(流体)理論は,より微視的な方法に修正される必要があります。

 

 ところが,電磁場の波(光波)はこれらと異なる注目すべき例外です。 

 

事実,特殊相対性理論が,光波については力学的解釈の必要性が除外されることを示すまでは,輻射場=光波"であろうと例外なくその力学的記述を見出そうとするために物理学者たちが多大な努力を重ねていました。

 

しかし,結局,"光波を伝播させる媒質=エーテル"の必要性が捨てられた後では,逆に電子の波動性が観測されたときには,これに伴なう新しい場ψ(x)の導入が示唆された際に同様なアイディアを受け入れるときの困難は,はるかに小さいものでした。

 

実際,電子波:ψ(x)=ψ(,t)の基になる"力学的波動を与える媒質=エーテル"が存在するという根拠はありません。

 

 そうして,大きい距離(原子の大きさ~10-8cm)で成功している波動の記述が,より小さい距離(原子核の大きさ~10-12cm)まで拡張できると仮定するのが現在の実験による知見に対してなされる推定です。

 

 しかし,相対論的な場の記述が任意に小さい時空間距離において正しいという仮定が,摂動論による計算での電子の自己エネルギーや"裸の電荷(bare chare)"の発散表現をもたらす原因であることが既にわかっています。

 

くりこみ理論(Renormalization theory)は,こうした発散の困難を一応回避することに成功しましたが,こうした発散の存在は摂動展開法の失敗を示すものと考えられます。

 

 しかしながら,発散は摂動論という方法論に留まらず,理論の微小距離の挙動における本質的で慢性的な特異性の反映であることは,既に広範な研究者に実感されていることです。。

 

 にも関わらす,何故,局所場,つまり波動伝播の微分法則によって記述される場の理論が現在も広範に用いられ,受容されているのか?を問うてみる必要があります。

 

それが受容されているのには幾つかの理由があります。

 

 その理由の重要な1つは,それの助けで計算値と観測値の重要で精確な一致が見られる領域が多々見られることです。

 

しかし,最も重要な理由はこの理論がとても単純明快なことです。

 

つまり,こうした場の微分方程式を避けるほどの納得できる他の理論形式が,今のところ存在しないことが受容されている大きな理由です。

 

 そうして,相対論的粒子の相互作用の理論は大きな数学的な優雅さを伴なっています。

 

 そして,生成,消滅のプロセスが存在するため,それは直ちに1つの多体問題の理論を与えます。

 

現時点では,多体問題としては,単純な近近解をどのようにして発展させるか?ということのみが知られています。

 

そこで,理論の任意の予測は,未だ幾分不完全で曖昧なものです。

 

 こうした状況に直面したとき,理論を構築する上で進むべき最も合理的なコースは,より制限された具体的問題の領域に入る前に,既知の一般原理を維持することを考えることです。

 

今の理論への入門を考えるケースでは,既知の原理として考えるのはHamiltonian:Hの存在を強く含む量子化の処方です。

 

 しかし,Hamiltonian:HはSchroedinger方程式に従って無限小時間のずれを生成させる作用なので,時間の微分的発展に関する記述へと誘導します。

 

ところが,系がLorentz不変なら,時間だけでなく空間においても同様な微分的発展が要求されます。

 

そこで,HamiltonianHによる記述は,相対論的非局所粒子の理論に対しては,必ずしもうまい具合に作用するとは限らないと考えられます。

 

 しかし,そうしたHのような存在がないと,非相対論的量子化法と連結したリンクは破綻してしまいます。

 

そして,もしも,単純に連続座標,tとLorentz不変な微視的記述の考え方を保持するなら,相互作用の影響は光速cよりも速い速度で時空を伝播することはないと予測されます。

 

この微視的因果律(microscopic causality)は,相対論的場の概念には強く課せられる条件です。

 

たとえ,微小距離の領域であっても微視的因果律が常に保持されるということにすれば,1つの粒子状物質が次の空間点へ影響するのは瞬時ではなく遅延する必要があります。

 

これを記述する最も自然な方法は,Hamiltonian:Hの代わりに付加場φでもって理論を構築することです。

 

このような理解に対応する明確な指標がなければ,系統的な量子論を創るという問題はより複雑になります。

 

(注2):時間発展を与えるSchroediger方程式:i(∂/∂t)|t>/∂t=H|t>は,時空座標":xμ=(,t)のうちで,時間パラメータtだけを特別扱いした表現です。

 

これを,相対論的共変な形にするには,i(∂/∂t)|t>/∂t=H|t>を

i(∂/∂xμ)|xμ>=Pμ|xμ>へと修正して,Hの代わりに4元運動量:

μを用いた形にすればいいだけです。

 

そして,Heisenberg表示に移ると,Schroedinger表示の状態|t>を時間依存でないベクトル:例えば,0>=exp(iHt)|t>とユニタリ変換し,それに伴なって演算子AをA(t)≡exp(iHt)Aexp(-iHt)と変換して,Aの期待値が<t|A|t>=<0|A(t)|0>と不変になるようにします。

 

(特に,H自身は普通はtに依らないので,H(t)=Hです。)

 

この結果,時間発展のSchroedingerの運動方程式は,状態の発展でなく演算子の発展を示すものとして,i(dA/dt)=[A(t).H]となります。

 

これは,Heisenbergの運動(波動)方程式です。

 

こうした表示をLorentz7不変な表示へ拡張するには,例えば|0,0>=exp(iHt-iPx)|,t>=exp(iPx)| xμ>で時空座標に依存しない|0,0>を状態ベクトルとし,

 

任意演算子はA(,t)=A(x)=exp(iPx)Aexp(-IPx)とします。

 

Heisenbergの方程式も i(∂A/∂xμ)=[A(x).Pμ] となります。

 

この演算子Aを電磁場の演算子:μ(x)と考えれば,

i(∂Aν/∂xμ)=[Aν(x).Pμ]ですね。

 

光子(電磁波)のようなベクトル粒子ではなく,他のスカラー粒子に付随する力場:φ(x)のケースなら,i(∂φ/∂xμ)=[φ(x),Pμ]です。

 

自由粒子の場合には,i(∂Aν/∂xμ)=[Aν(x).Pμ]が真空中のMaxwellの方程式になり,i(∂φ/∂xμ)=[φ(x),Pμ]が,Klein-Gordon方程式:(□+m2)φ=0 となるように,場のLagranjgianをφの関数で構成し,

 

演算子;Pμ=(H,)も,それから構成すればいいという指針が得られることになります。(注2終わり)※

 

 ところでこうした波動場が核子半径よりも小さいような微小距離でも粒子状であるという,具体的な実験的証拠はありません。

 

同様に,非常に高エネルギーの領域でも特殊相対論が正しいという積極的な証拠はありません。

  

さらに微視的因果律が正しい前提であるということの何か確実な証拠があるわけでもありません。

 

 しかしながら,これまでのところ,こうした理論にとって代わるような納得できる別の理論が存在しないという消極的理由から,

  

 これ以後では局所的,かつ因果的な場の理論の定式化に限定して考察することにします。

 

 このように修正された理論が,より大きい適切な距離での近似に対応するものとしての局所場の理論を持つ必要があることは疑いもない真実です。

 

 しかし,以下で展開する定式化は,かなり異なる微視的性質を持つ物理領域の大きい距離での極限(距離(>10-13cm)のみ記述をできるに過ぎない,という限界性があることを,ここで再び強調しておきます。

 

今日は導入部でしたが,次からは§1.2正準定式化に入ります。

 

参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell 「Relativistic Quantum Fields」(McGrawHill)

 

PS:今日は今年の初出勤です。

 

 2日の初詣以後は,食料の買物以外には外出せず,もちろん酒もタバコもやらず,コーヒー,お茶,甘酒にお餅を食べて一日中ベッドでゴロゴロ寝てばかりしていたので,

 

 もともと弱い身体がさらになまってると思いますが能天気なせいか鬼の霍乱もなく,とにかくもうすぐ一週間ぶりに会社の人々と再会できるのが何よりの楽しみです。

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2012年1月 3日 (火)

本年最初の癒し

 今年2日にもらったYou-tubeメールからです。

 

 ついでに,気紛れで私のYou-tubeお気に入りから,

 Billy.Holidayの有名な「Strange-fruit(奇妙な果実)」です。

「南部のポプラの木に奇妙なくだものが成っている。。。黒いボデイが木から下がって南部のそよ風になびいて揺れている。。。」。。。

 

 同じテーマの池上遼一の漫画「アイウエオボーイ(I・飢男)」(小池一夫原作)もチョット思い出しました

 I・餓男 アイウエオボーイ 1 (ホーム社漫画文庫)

 昨日の,正月2日は結局,15時半頃,赤羽東口から都バスで志茂2丁目バス停で降りて志モ4丁目の小さな熊野神社に総勢5名で初詣してきました。

 ちょっと寒かったです。

    

    

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2012年1月 1日 (日)

新年になりました。

 とにかく新年明けましておめでとうございます。本年もよろしく。。

 例年通り,昨日12/31夜からスナックで2年越しの酒飲んで夜中2時頃帰宅,3時間くらい睡眠して目覚めました。

 昨年は12/29で2011年の仕事も終わり,帰りに同僚5人くらいと,3件お別れの酒を飲み,最後は野暮用で一人で21時頃大山の店に行き,スグ帰る予定でしたが知り合いがいたのでつい24時閉店まで車で送られて巣鴨に帰りました。

 チョットだけ巣鴨の店に寄ると,将棋を指したい客などがいて,つい長引いて12/30の朝5時に帰宅しました。

 次の30日は,目覚めても,ウツラウツラ寝ていて1日じゅうゴロゴロしていると,日付けが変わった零時頃に電話で「今年最後だから」とお誘いがあって,また朝6時までタダ酒でした。

 さすがに,帰宅後疲れて寝ていると,また,大晦日の22時過ぎ丁度第九の第3楽章聞いていたときに友人から「大山の店に初めて行ったけど来ないか?」という電話がありました。

 閉店は23時だけど行くだけ行くと,店に着いたのは23時10分頃でした。

 特別に元旦の1時頃まではお店をやっていたので最後までいました。

 その後,友人とは別れましたが,横にいた29日にも会った知人が,「どこかでオゴるから」というのでタクシーで池袋まで行き2件行ってみました。

 結局,行きつけのお店はどちらも開いてなかったので,おとなしく終夜運転の電車で帰宅したのでした。

 帰宅途中,買い忘れを思い出して,大晦日から正月も24時間営業している巣鴨駅のそばの西友でミカンとお餅を買いました。

 後は,私は昔から自宅で飲酒をする習慣はないので,普通は正月3ヶ日は寝正月で,誰にも会わないなら例年通りアルコール抜きの予定です。

 ところで,横のテレビでは,何か,また自分の意見とマスコミが絶対で,頭がカタく絶対に常識の枠を抜けられない御用司会者の仕切りで,「朝までナメテレビ」をやってるようです。

 フクシマ(原発事故)がテーマのようです。

 原発事故自体は最初に天災があって全部が全部人間の責任ではないでしょうが,架空の安全神話を作って,人の力では制御できないだろう原発を作ったことまで考慮すると,今回の放射能被害は全て人災です。

 確かに自分が大切なのは当然なことですが,事故に対処した者の幾漠かは自分や自分の属する組織の責任を回避することを優先したことが人災部分の被害を助長してると感じています。

 「風評被害」と言うけれど,誰しも本当のところは真っ白であろうと他よりも放射能汚染の可能性の高い福島生産の農作物を他と同じ価格で買うワケありません。

 福島の農家のことより,自分や家族の命健康,安全の方が第一ですからね。

 しかし福島の農家には原発事故の責任はありませんから,その責任ある人々や,まあ恩恵を受けていた都民なんかが損害の補償すべきでしょうか。

 話は変わって消費税の是非は知りませんが,この国では「私の在任中には絶対にやらない」という首相が続出していました。

 東北地震,福島原発事故後の対応も含め,挫折体験のないだろう為政者やエリート公務員は間違っていても謝ることなどなく,

 事が起きると如何に責任を回避するか,分散させて自分の責任をボカし小さく見せるか,あるいはタライ回しするかが最優先されてるようです。

 一体,誰が責任取るんじゃい。国民全員に分散させるのか?

 イヤ,そりゃ私を含め被害者を除く国民にも責任の一端はあるでしょうが。。

 政策自体は公約破りはともかく,どんな政策をやろうが大抵は諸刃の剣のようなモノなら,それをやってもやらなくてもマスコミを中心に必ず反対されるでしょう。

 今年最初の外野評論家でした。。

PS:今年の飛躍を予感します。→ 勝手に応援,峯岸みなみちゃん.。。

 芸能人格付けチェックに出ていました。

 (2011年6/13の記事「入院生活」を参照)

           

 何故かテレ朝ばかり見てます。昼間はTBSで駅伝でしたが。。

PS2:今,1月2日朝です。今日午後は赤羽駅東口改札入口で障害者仲間5人前後が待ち合わせをして初詣に行く予定です。

 

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