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2012年9月

2012年9月30日 (日)

相対論的場の量子論(正準定式化)(25)

 相対論的場の量子論の続きです。

  

 予定通り新セクションのDirac理論に入ります。

 

§3.3 Dirac理論(The Dirac Theory)

 

 さて,Fermi粒子の多体問題,第2量子化etc.の一般論ではなく,特殊

 ケース:Dirac方程式に従う粒子場の問題に戻ります。

 

 まず,Klein-Gordon理論の議論との密接な比較と類比を維持する

 ため,Dirac方程式をLagrangianから作用原理によって導出する形

 から始めます。

 

 変分問題(作用原理)に向かうに当たって,(今のところは古典場):

 ψ1234)の4成分ψαと,その共役:ψ~=ψγ0

 (ψ~1,ψ~2,ψ~3,ψ~4)の4成分ψ~βを8つの独立な変数として

 扱います。

 

※(注25-1):ψψ~の間にはψ~=ψγ0なる関係がありますが,

 変分問題としてはδψ~=(δψ)γ0とは考えず,δψとδψ~

 は全く無関係とします。

 

まあ,成分ψαは複素場ですから実場としての自由度は2です。

 

複素数と複素共役の2つで実数の自由度2に対応するので,

それらを互いに独立な2自由度と考えるのは妥当と思います。

 

(注25-1終わり)※

 

そして,ψが自由Dirac方程式:(iγμμ-m)ψ=0 従う

ようなLagrangianを作ることを考えます。

 

Lagrangian密度:は,ψα,ψ~β,および,その1階導関数:

μψα,∂μψ~βの汎関数(functional=関数の関数)である

とすると,

 

時刻t1とt2の間の4次元積分(=作用:action):

I=∫t1t24x=∫t1t2dt∫d3が8つの独立変分

δψα,δψ~βに対して不変:δI=0 停留値)となるための

必要条件として8つのEuler-Lagrange方程式が得られます。

 

すなわち,∂/∂ψα-∂μ{∂/∂(∂μψα)}=0 (α=1,2,3,4),

および,/∂ψ~β-∂μ{∂/∂(∂μψ~β)}=0 (β=1,2,3,4)

です。

 

これらのうちの4つは,Dirac方程式:(iγμμ-m)ψ=0:

(iγμ αβμ-mδαββ=0 に一致し,

残りの4つはそれらに同値な方程式となるべきと考えます。

 

δψα,δψ~β(α,β=1,2,3,4)は全て独立な任意の変分と考えて

いるので,特にδψα0 (α=1,2,3,4),δψ~β≠0(α,β=1,2,3,4)

の場合の変分に対して作用Iが不変となる条件を考えると,

 

0=δI=∫t1t24xδψ~α{∂/∂ψ~α-∂μ{∂/∂(∂μψ~α)}

です。

 

そこで,∂/∂ψ~α-∂μ{∂/∂(∂μψ~α)が無意味な係数因子

も含めてDirac方程式の左辺:(iγμαβμ-mδαββに一致す

とします。

 

すると,これはδψα=0 (α=1,2,3,4)の場合ですから,

0=δI=∫t1t24xδψ~α{(iγμ αβμ-mδαββ

=δ∫1t24xψ~α{(iγμαβμ-mδαββ

=δ∫1t24ψ~(iγμμ-m)ψ

を得ます。

 

そこで,(x)≡ψ~(x)(iγμμ-m)ψ(x)とおいてみます。

 

=ψ~α{(-iγμαβμ-mδαββと成分表示すれば,

δψ~α=0 (α=1,2,3,4),δψβ≠0 (α,β=1,2,3,4)の場合の

もう一方の4つの方程式:∂/∂ψβ-∂μ{∂/∂(∂μψβ)}=0

は,(-iγμαβ)∂μψ~α-mψ~α=0 となります。

 

これは,丁度,Dirac方程式の共役方程式:-i∂μψμ-mψ~=0

に一致します。

 

したがって,これは確かに,Dirac方程式に同値な方程式です。

 

そこで,(x)≡ψ~(x)(iγμμ-m)ψ(x)として正準量子化

の手続きを継続することにします。

 

まずαの共役運動量は,πα≡∂/∂ψα=∂/∂(∂0ψα)

=iψ~βγ0βα(iψ~γ0)α=iψα です。

 

ただしα≡ψαdot≡∂ψα/∂t=∂ψα/∂x0=∂0ψαです。

 

よって,π1234)=iψと書けます。

 

しかし,(x)≡ψ~(x)(iγμμ-m)ψ(x)はψ~αの導関数を

含んでいないので,ψ~αには共役運動量はありません。

 

ψ~αの代わりに,iψα=παを残る4つの独立変数に相応する

ものと考えることもできて,残りの4変数がそれ自身,別の4変数

ψαの共役運動量をなすことがわかります。

 

結果的に生じるHamiltonian密度は,πψ

iψψψ~(iγμμ-m)ψ

ψ(-iγ0γ∇+γ0m)ψ

ψ(-iα∇+βm)ψψi(∂ψ/∂t)

となります。

 

最後の等式は,Dirac方程式:(iγμμ-m)ψ=0 を

Schroedinger方程式の形:i(∂ψ/∂t)=H^ψ,

H^≡αp^+βm=-iα∇+βmで表現したものです。

 

^は座標表示の運動量演算子:^=-I∇であり,

α,βはDiracのγ行列と,β=γ0,α=βγなる関係にあり,

これらはspinor波動関数:ψにかかる4行4列の行列です。

 

※(参照):Dirac方程式のSchroedinger形等については,

2011年7/17の記事「水素様原子の微細構造(1)」に

始まるシリーズも参照してください。(参照終わり)※

  

さて,以下では ψ1234),π=(π1234)

=iψを量子化された場の演算子と考えて,

 

ψ^=1^,ψ2^,ψ3^,ψ4^),π^=(π1^,π2^,π3^,π4^)=iψ^

と演算子表記することにします。

 

Hamiltonian密度:ψ^(-iα∇+βm)ψ^は,

1粒子Hamiltonian:^=-iα∇+βmに左から場のHermite共役:

ψ^,右から場:ψ^を掛けて得られるものです。

 

これの空間積分:∫d3^=∫d3xψ^(-iα∇+βm)ψ^で

与えられるHamiltonian^の形は,

 

すぐ前の非相対論的Schroedinger理論の個数表示(多体問題)の項

導いた,^≡∫d3φ^(,t)HS^(,)φ^(,t)}

=Σα=1α^(∫d3α(,t)HS^(,)uα^(,t))

=Σα=1α^Eα と形が一致しています。

 

 さて,エネルギー,運動量,角運動量に対する保存則は,の平行移動

 不変性(時空の一様性:時間,空間の原点はどこに取っても同じ)

 と,Lorentz不変性(時空の等方性:空間軸,時間軸はどの向きに

 とっても同じ)から自動的に得られます。

 

 そして,エネルギー運動量応力テンソルは以前に与えた定義

 から同様に導かれます。

 

 すなわち,エネルギー運動量応力テンソルは,

 νμ^=iψ^~γνμψ^です。

 

※(注25-2):2012年2/20の本シリーズの過去記事:

相対論的場の量子論(正準定式化)(6)」によれば,

 

 平行移動不変に伴なうNoether保存量として,エネルギー運動量

 応力テンソル(密度)μν次の形に導かれています。

 

すなわち,μν≡∑r{∂/∂(∂μφr)}(∂φr/∂xν)-gμν

であることを見ました。

 

この式の右辺のφrをψα^に変更し,ψ^~(iγμμ-m)ψ^

を代入すれば,

 

νμ=∑α{∂/∂(∂νψα^)}(∂ψα^/∂xμ)-gνμ

iψ^~βγνβαμψα^-gνμψ^~β(iγμβαμ-mδβαα^

iψ^~γνμψ^-gνμψ^~(iγμμ-m)ψです。

 

したがって,ν≠μならνμ^=iψ^~γνμψ^です。

 

また,ν=μでも場の方程式:(iγμμ-m)ψ^=0 が成立する

ので,やはり,νμ^=iψ^~γνμψ^です。(注25-2終わり)※

 

エネルギー運動量応力テンソルから,μ^≡∫d3^

=∫d3[∑α{∂/∂(∂0ψα)}μψα-g]

∫d3ψ^~γ0μψ^によって,

 

場のエネルギーH^=0^,および,運動量^が導かれます。

 

^=∫(ψ^i∂0ψ^)3ですがi∂0ψ^=i(∂ψ/∂t)

=(-iα∇+βm)ψ^を用いて,

H^=∫{ψ^(-iα∇+βm)ψ^}3

と表現しておきます。

 

また,^={ψ^(-i∇)ψ^}3です。

 

次に,角運動量テンソル密度:μνλ^,および,保存量である角運動量:

νλ^は,μνλ^=iψ^~γμ(xνλ-xλν-Ξνλ)ψ^,

νλ^=∫30νλ^です。

 

ただし,微小回転角(または微小boost):ε=(εμν)

Lorentz変換:μ→x'μ=xμ+εμνν νμ=-εμν)

に対して,

  

対象とする場:φ(x)が,φ→ φ'r=Srs(ε

={δrs+(1/2)εμνΞμνrsなる変換性を持つ

と仮定しています。

 

※(注25-3):2012年2/27の本シリーズの過去記事

相対論的場の量子論(正準定式化)(7)」によれば,

 

 Lorentz変換不変性に伴なう Noether保存量として角運動量密

 テンソルが次の形に導かれています。

 

 すなわち,μνλ^≡(xννλ^-xλμν^)

+{∂/∂(∂μφr)}Ξνλrsφs です。

 

この式の右辺で,φrをψα^に変更し,=ψ^~(iγμμ-m)ψ^

を与えてμν^の陽な形を求めて代入します。

 

νλ^=α{∂/∂(∂νψα)}(∂ψα/∂xμ)-gνμ

=iψ^~γνλψ^ から,

  

μνλ^(xμνλ^-xλμν^)

 +{∂L/∂(∂μψα^)}Ξνλαβψβ

ψ^~(xμγνiλ-xλγμiν)ψ^-iψ^~γμΞνλψ

  

を得ます。(注25-3終わり)※

 

Diracの量子力学では,微小回転角:ε=(εμν)のLorentz変換:

μ→x'μ=xμ+εμνν νμ=-εμν)対して,

 

ψ^は,ψ^→ψ'^=S(ε)ψ^なる変換を受けます。

 

ここに,S(ε)=1-(i/4)εμνσμνεμν, or

αβ(ε)=δαβ(i/4)εμνσμναβ です。

  

ただし,σμν≡(i/2)[γμν] です。

 

そこで,Ξμν≡(-i/2)σμν=(1/4)[γμν]とおけば,

S(ε)=1-(i/4)εμνσμν=1+(1/2)εμνΞμν

と書けます

 

(↑※ ここら辺は,Dirac理論の伝播関数での必要にせまられて,

2010年5/30の記事「散乱の伝播関数の理論(8)」,および,

2010年6/7の記事「散乱の伝播関数の理論(9)」において,

自由Dirac方程式の解を求めた際に,詳細に論じた結果です。※)

 

結局,

μνλ^ψ^~(xμγνiλ-xλγμiν)ψ^

+iψ^~γμΞνλψ

ψ^~(xμγνiλ-xλγμiν)ψ^ψ^~γμνλ/2)ψ

となることがわかります。

 

特に,空間成分は,^=(M23^,M21^,M12^)

=∫ψ^{×(-i∇)+σ/2}ψ^3

です。

 

ただし,σ=(σ232112)です。

今の表示でのガンマ行列は,σkを次の2行2列のPauli行列として

,

ですから,

 

σ=(σ232112);σμν≡(i/2)[γμν] を,

特に4行4列であることを強調してσ=(σ(4)1(4)2(4)3)

と書けば,次のようになります。

 

   

これは,対角細胞が2行2列のPauli行列という形をしています。

 

特に,正エネルギー粒子に対する上2成分のみの非相対論的spinor

対しては,Pauliの表現に一致しています。

   

そこで,^については軌道角運動量^とspin角運動量^の和

という馴染み深い形が再現されている,と見ることができます。 

 

すなわち,^=^+^;^≡∫ψ^{×(-i∇)ψ^3

ψ^(×^)ψ^3,

^≡∫ψ^{×(σ/2)}ψ^3ψ^^ψ^3

です。

 

ただし,座標表示での演算子:^≡-i∇,^≡σ/2

を用いました。

 

さらに.Dirac方程式の解ψ^は,∂(ψ^~γμψ^)/∂xμ=0

なる保存方程式を満足することがわかります。

 

この∂(ψ^~γμψ^)/∂xμ=0 は,

∂(ψ^~γ0ψ^)/∂t+∇(ψ^~γψ^)=0

なる連続の方程式の形です。

 

すなわち,ρ^=j0^≡ψ^ψ^,^≡ψ^~γψ^とおけば,

∂ρ^/∂t+∇^=0 となります。

 

自由Dirac理論に対するこの保存則から,Q^≡∫ρ^3

=∫ψ^ψ^3と定義すれば,Q^は保存量:dQ^/dt=0

です。

 

^は,ある保存するChage,ρはそのCharge密度と解釈できます。

 

これは非Hermite場(複素場)のKlein-Gordon場における保存電荷

に酷似した量です。

 

※(注25-4):

 保存方程式∂μ(ψ^~γμψ^)=∂(ψ^~γμψ^)/∂xμ=0 は,

 Dirac方程式(iγμμ-m)ψ^=0 ⇔ -i∂μψ^~γμ-mψ^~=0

から直接導くことも,簡単にできます。

 

しかし,この保存則も のある対称性(変換不変性)に対応している

はずです。

 

以下,ψ^→ψ^+δψ, ψ^~→ψ^~+δψ^~に対して

ψ^~(iγμμ-m)ψ^が不変となるケースを考えます。

 

δψψ^~の2次以上の項を無視すると,

δψ^~(iγμμ-m)δψ+δψ^~(iγμμ-m)ψ^

ですが,

 

方程式;-i∂μψ^~γμ-mψ^~=0 ,(iγμμ-m)ψ^=0 より,

mδψ^~ψ=iδψ^~γμμψ^,mψ^~δψ=-i∂μψ^~γμδψ^

ですから,

 

δiψ^~γμμδψ+i∂μψ^~γμδψ+iδψ^~γμμψ^

=-ψ^~γμμψ^

=iψ^~γμμδψ+i∂μψ^~γμδψ

となります。

 

そこで,∂μδψ=δ∂μψとすると,

δiψ^~γμμδψ+i∂μψ^~γμδψ

=∂μ(iψ^~γμδψ)を得ます。

 

そこで微小変分ψψ^~に対して,が不変:

δ=0となるようにδψψ^~を選べば常に,

μ(iψ^~γμδψ)=0 が成立して,保存current:

iψ^~γμδψが得られることになります。

 

ところが,εを任意の定数としてδψ≡-iεψとおけば,

変換:ψ^→ψ^-iεψ, ψ^~→ψ^~+iεψ^~に対して

は不変です。

 

つまりψ^~(iγμμ-m)δψ+δψ^~(iγμμ-m)ψ

=-ψ^~(iγμμ-m)ψ+iεψ^~(iγμμ-m)ψ=0

となります。

 

したがって=∂μ(iψ^~γμδψ)=ε∂μ(ψ^~γμδψ)=0

ですが,εは任意ですからjμψ^~γμδψとおけば,

 

μはある保存current密度,0は保存するcharge密度と考えること

ができます。

 

(注25-4終わり)※

 

こうして正準量子化の道筋に沿って続け,正準交換関係を課すことにより場の量子論を形成することができます。

 

しかし,その手順では明らかに,Bose-Einstein統計に従う量子系に到ってしまいます。

 

こうした手続きに従って多粒子系の場の量子論を創る上で,Dirac

粒子がFermi-Dirac統計に従うよう,Pauliの排他原理を満たすよう

調和させるには,交換子を反交換子に置き換える必要があります。

  

今日はこれで終わります。

 

(参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell "Relativistic Quantum Fields" (McGrawHill)

 

PS:本日は,場合によっては浜松町(竹芝)の将棋の「社団戦」に行くかもというつもりで,前からの予定で久しぶりに日曜に休日を取りましたが,

 

 月末は先立つものがないこともあって,行くのをやめ,外出せず一日中自室でまったりしてました。

 今月は団体成績には同率の場合以外関係のない個人戦ですし,まだ来月にもあるのでね。

 

 しかし夜半からの風の音が激しく地震と間違うほど安普請の窓などがガタガするのには驚いています。

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2012年9月29日 (土)

江戸・東京博物館に行ってきました。

 記事が前後しますが去る9月27日(木)には朝10時頃から職場の遠足で都営大江戸線両国駅のそばにある江戸・東京博物館に行ってきました。

 ここは去年の7月9日に来たことがあると思っていたら,,実は9月9日の記憶間違いでした。

 そのときは1階?で「東京の交通100年博」という特別展をやっていて,それを見るのが目的でした。当時,大江戸博物館と思っていましたが正式名称は江戸・東京博物館でしょうか?

 それを見終わってからついでに6階と5階の常設展示の一部も見てきたのですが今回は特別展はやっていない期間で常設展示物を見てきました。。

(※2011年9/12の記事「大江戸博物館に行ってきました。」を参照※)

 以下,撮った写真の羅列です。(人物以外)

 

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

    

    

    

    

    

    

 ここまでが江戸ゾーンで次から東京ゾーン:明治からb現代に至る展示物に移動しました。しかし,昼までに日本橋馬喰町の会社に帰って食堂で食事を取る予定だったので余り時間がなくて足早に通過しました。

 次の明治初期の東京の街のミニ模型の写真は,上方の壁に心霊写真か?と見えるものが見えていましたが,前方のガラスが鏡となって私より後にいた人物の像が写っていただけでした。

   

    

    

    

 以上です。

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訃報!!アンディ・ウィリアムス(Andy Williams)さん

 少し出遅れましたが,去る9月25日米歌手のAndy Williamsさんが亡くなられました。昨年から膀胱ガンの治療を受けていたそうです。享年84歳でした。

 ニュース → 朝日新聞デジタル記事:

  「米歌手のアンディ・ウィリアムスさん死去

    

 昨夜,巣鴨のスナックで死去されたのを知り,ムーンリバ-(「ティファニーで朝食を」主題歌?)を歌って,自分なりに追悼の意を表しました。

 酒とバラの日々やモア(「世界残酷物語」主題歌?)など映画ポップスに有名なもの多々あります。甘い美声でした。

     ご冥福を祈ります。合掌!!

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2012年9月23日 (日)

相対論的場の量子論(正準定式化)(24)

 相対論的場の量子論の続きです。

 

 前回の最後では,n粒子状態Φとn粒子波動関数Ψの対応が,

 Ψ(1,2,..,n;t)

 =(n!)-1/2< 0|φ^(1,t)..φ^(n,t)|Φ>

 で与えられることを記述したところで終わりました。

 

 今回は,この理由を説明する(注)から入ります。

  

※(注24-1):まず,φ^(,t)≡Σα=1α(,t)bα^より,

 φ^(1,t)..φ^(n,t)

β1=1β1(1,t)}bβ1^}..{Σβn=1βn(n,t)}bβn^}

です。

 

右辺のN個の和のn個の積を展開して得られる消滅演算子:βj^の

n個のから成るのうちで,< 0|と|Φ>で挟んだときの行列要素

寄与がゼロでないものとしては,

 

n個の演算子の積bβ1^..bβn^においてβj^の順序交換による移

動の結果,同一のβについての重複積β^bβ^の因子が現われる項

は全て除かれます。

 

すると,最終的に< 0|φ^(1,t)..φ^(n,t)|Φ>において残る

ものは,

 

1,..,βn)を全て異なるn個の添字(状態)の順列とした総和:

0|Σβ1,..βn=1{uβ1(1,t)..uβn(n,t)bβ1^..bβn^}|Φ>

のみです。

 

ところが, 0|bβ1^..bβn^|Φ(1,..,N)>;

Φ(1,..,N)=(bN^)nN..(b1^)n1|0 >,なる行列要素

ゼロにならない個数状態:Φ(1,n2,..,N)は,

 

異なるn個の添字(状態)の集合としては等しい:

{α1,..,αn}={β1,..,βn}であって,かつα1<..<αn

満たすn個の添字(状態):α1,..,αnに対して,

Φ(1,n2,..,N)=bαn^..bα1^|0 >と書ける状態

のみです。

 

この特定のΦ(1,n2,..,N)に対しては,明らかに,

< 0|bα1^..bαn^|Φ(1,..,N)>=1 であり,

"添字αiとαji≠αj)の単純交換=互換"に対しては,

行列要素の符号が変わって-1となるのみです。

 

したがって,任意の順列の置換(Permutation):

P=(1,..,n)→(p1,..,pn)1,..,αn)→(αp1,..,αpn)

に対して,Pの関数δを,Pが遇置換ならδ=+1,

奇置換ならδ=-1となる置換の符号と定義すると,

 

0|bαp1^..bαpn^|Φ(1,..,N)>=δと書けます。

 

故に,< 0|φ^(1,t)..φ^(n,t)|Φ(1,..,N)>

=Σβ1,..βn=1{uβ1(1,t)..uβn(n,t)}

×< 0|bβ1^..bβn^|Φ(1,..,N)

の右辺において,

 

Σβ1,..βn=1の各添字1,..,βnを,集合としてそれに等しい,

1,..,αn}={β1,..,βn}でα1<..<αnを満たすα1,..,αn

置き換え,順列として(β1,..,βn)=(αp1,..,αpn)を満たす置換

P=(1,..,n)→(p1,..,pn)とすれば,

 

 {α1,..,αn}={β1,..,βn}(α1<..<αn)を満たす固定した順列

 (α1,..,αn)に対して,総和:Σβ1,..βn=1を全ての置換Pにわたる

 総和ΣPで置き換えることができます。

 

 さらに,< 0|bβ1^..bβn^|Φ(1,..,N)>

 =< 0|bαp1^..bαpn^|Φ(1,..,N)>=δを代入する

 ことによって,

 

  0|φ^(1,t)..φ^(n,t)|Φ(1,..,N)>

=ΣPδαp1(1,t)..uαpn(n,t)

=ΣPδα1(p1,t)..uαn(pn,t)となり,

 

これは,行列式:Ψ(1,..,n;1,..,N;t)に一致することが

わかります。

 

そこで,Φ(1,n2,..,N)=bαn^..bα1^|0 >の重

ね合わせ(1次結合)で与えられる一般の状態: 

Φ=Σn1,n2,..,nN=01C(1,n2,..,N)Φ(1,n2,..,N)

=Σn1,n2,..,nN=01(1,n2,..,N)(bN^)nN..(b1^)n1|0 >

に対し,

 

0|φ^(1,t)..φ^(n,t)|Φ>

=Σn1,n2,..,nN=01(1,n2,..,N)

 ×Ψ(1,..,n;1,..,N;t)

 

となります。

 

ところで前々記事で,n-粒子状態の波動関数:

Ψ(1,2,..,n;t)がこれらの,

 

Ψ(1,2,..,n;t)

(n!)-1/2Σn1,n2,..,nN=01C'(1,n2,..,N)

×Ψ(1,..,n;1,..,N;t)

  

と表わされることを見ました。

 

したがって,係数C(1,n2,..,N)とC'(1,n2,..,N)

が一致する場合には,

  

Ψ(1,2,..,n;t)

=(n!)-1/2< 0|φ^(1,t)..φ^(n,t)|Φ>

 

となります。(注24-1終わり)※

  

さて,先に仮定した消滅・生成演算子:bα^,bα^の反交換関係:

{bα^,bβ^}={bα^,bβ^}=0,{bα^,bβ^}=δαβ

は,φ^,φ^の同時刻反交換関係:

{φ^(,t),φ^(,t)}={φ^(,t),φ^(,t)}=0,

{φ^(,t),φ^(,t)}=δ3()

から再現できます。

  

※(注24-2):何故なら,φ^(,t)=Σα=1α(,t)bα^,

 φ^(,t)=Σα=1α(,t)bα^

 および,uα(,t)の直交性:∫d3α(,t)uβ(,t)

 =δαβから,

  

 α^=∫d3α(,t)φ^(,t),

 bα^=∫d3α(,t)φ^(,t)です。

 それ故,{bα^,bβ^}

={∫d3α(,t)φ^(,t),∫d3β(,t)φ^(,t)}

=∫d33α(,t)uβ(,t)

 ×{φ^(,t),φ^(,t)}=0 です。

 

同様に,{bα^,bβ^}

=∫d33α(,t)uβ(,t)

×{φ^(,t),φ^(,t)}=0 です。

 

最後に,{bα^,bβ^}

=∫d33α(,t)uβ(,t)

×{φ^(,t),φ^(,t)}

=∫d33α(,t)uβ(,t)δ3()

=∫d3α(,t)uβ(,t)=δαβ

です。

 

(注24-2終わり)※

 

この段階で,

今まで構成してきた状態とか演算子により,波動関数的言辞に留まる

ことから解放されて,その動力学:i(∂Ψ/∂t)=H^Ψを場の量子論

的定式化によって展開できる準備が整いました。

 

まず,動力学(時間発展)の方程式:i(∂Ψ/∂t)=H^Ψを満たす

n-粒子波動関数:Ψ(1,2,..,n;t)は,

 

H^=Σi=1nS^(i,i)としたときの,単一粒子の方程式:

S^uα(,t)=i{∂uα(,t)/∂t}の解α(,t)の

n個の(直積)の重ね合わせで与えられることを以前に見ました。

 

一方,φ^(,t)=Σα=1α(,t)bα^,

φ^(,t)=Σα=1α(,t)bα^で定義される量子場の

演算子φ^によって,

 

1粒子の波動方程式:S^uα(,t)=i{∂uα(,t)/∂t}

は,場の演算子φ^に対する方程式:

S^φ^(,t)=i{∂φ^(,t)/∂t}

に書き直すことができます。

 

ここで,以前のKlein-Gordon粒子の理論で適用された手法のアナロ

ジーから,場の方程式HS^φ^(,t)=i{∂φ^(,t)/∂t}は,

ある適切なLagrangian(密度)から変分原理によって導かれる古典場

φに対する方程式に一致すると考えられます。

 

そして,そのφに対する方程式を, 

{φ^(,t),φ^(,t)}={φ^(,t),φ^(,t)}=0,

{φ^(,t),φ^(,t)}=δ3()なる条件が課された 

演算子φ^の方程式と再解釈することによって,場の量子化が実行

されるわけです。

 

前のKlein-Gordon粒子の理論との主な違いは,ここでは粒子が

Bose-Einstein統計でなくFermi-Dirac統計に従うように,

交換関係でなく反交換関係を用いていることです。

 

※(参照1):スピンと統計の関係については,既にKlei-Gordon場での

Bose粒子の理論における同様な論議で,2012年5/17の本シリーズの

過去記事:相対論的場の量子論(正準定式化)(16)」において詳述し

います。

 

その中で中心的役割を果たす不変デルタ関数や,微視的因果律

(microscopic-causality)等については,1つ前の5/12の記事

相対論的場の量子論「正準定式化)(15)」に説明しています。

,

 

そして,そうした過去記事の中でも紹介していますが,

 

 詳細な事情については,もっと前の2007年5/6の過去記事

スピンと統計の関係(微視的因果律)」および,5/7の記事

量子化された場と調和振動子(パラ統計)にもあります。

 

(参照1終わり)※

  

こうしたKlein-Gordon粒子の理論におけるのと同様な量子化手法は

第2量子化(Second-Quantization)として知られているものです。

 

(※第2量子化には,Feynmanの経路積分を用いる方法もありますが,

今,紹介している手法は正準量子化手法と呼ばれるものです。)

 

第1量子化というのは,基本的には,古典的には粒子の位置座標で

たものが,波動関数に作用する量子力学的演算子に置き換わる

いうものでした。

 

一方,今の第2量子化は,1粒子のSchroedinger方程式を1つの

方程式と考え,場の振幅が正準交換関係,または上述の(正準)

反交換関係を満たす演算子である,という量子化条件を課すもの

です。

 

しかし,これまでの前段階的論議で,実はそうした定式化の内実は,

多体Schroedinger方程式の定式化(多体問題)と全く同じであるこ

を示してきました。

(※つまり,第2量子化は,表示を個数表示にして,係数C(1,..,N)

を個数(1,..,N)に対する確率振幅=波動関数と見なすという,

単に量子論の表示の変換に過ぎない,ということを示してきました。)

 

n体-波動関数:Ψ(1,2,..,n;t)

(n!)-1/2Σn1,n2,..,nN=01C(1,..,N)

Ψ(1,..,n;1,..,N;t)の展開係数:

 

または状態:Φ=Σn1,n2,..,nN=01C(1,.,N)Φ(1,.,N)

=Σn1,..,nN=01(1,..,N)(bN^)nN..(b1^)n1|0 >

の展開係数であるC(1,..,N)は,それぞれの言葉で粒子の

状態を記述しているわけです。

 

波動関数:Ψの言葉では,系の総エネルギーは,

∫d31..d3n(1,..,n;t){Σi=1nS^(i,i)}

Ψ(1,..,n;t)]

=Σn1,..,nN=01|C(1,..,N)|2i=1nii)

で与えられます。

 

ただし,EiはHS^(i,i)uαi (i,t)=Eiαi(i,t)を

満たすHS^の固有値(=1粒子のエネルギー固有値)の1つです。

(↑※これの証明は簡単なので省略します。)

 

一方,演算子の言葉に戻れば,同じ総エネルギーは

場のHamiltonian演算子として定義される次の^の期待値

と解釈されます。

 

つまり, 

^≡∫d3φ^(,t)HS^(,)φ^(,t)}

=Σα=1α^{∫d3α(,t)HS^(,)uα^(,t))}

=Σα=1α^Eα  (ただし,Nα^=bα^α^), 

のn粒子状態:Φにおける期待値<Φ||Φ>と認識されます。

 

※(注24-3):

 <Φ||Φ>=<Φ|Σα=1α^Eα|Φ>

 =Σα=1α<Φ|Nα^|Φ>

 

=Σ1,..,mN=01Σn1,..,nN=01(m1,..,N)C(1,..,N)

×Σα=1<Φ(m1,..,mN)|Nα^|Φ(1,.,N)>

=Σn1,..,nN=01|C(1,..,N)|2i=1ii)ですから,

 

<Φ||Φ>

=∫d31..d3n(1,..,n;t){Σi=1nS^(i,i)}

Ψ(1,..,n;t)]が確かに成立します。(注24-3終わり)※

 

この定式化での論議を完結するために,時空点(,t)から,

(',t')(t'>t)に伝播する粒子に対するGreen関数を

作ってみます。

  

(↑※2010年5/12の記事「(散乱の伝播関数の理論(4)(Schiff-1),」,

2010年5/18の記事「(散乱の伝播関数(5)(Schiff-2,他)」,古くは

2006年10/3の記事「ホイヘンスの原理の正当性」などを参照)

  

このためには,1つの粒子が真空:|0 >から(,t)で生成され,

その後に(',t')で消滅される振幅が必要となります。

 

時刻tに点0に局在化された単一粒子は,

ψ0(,t)≡δ3(0)=Σα=1α(0,t)uα(,t)

に比例する振幅を有します。

(※波動関数:ψは確率ではなく確率密度の振幅に比例する量です

から,これは無限大でもいいです。)

 

一方,第2量子化された状態空間において,この"振幅=波動関数"に

対応する1粒子状態は,

Ψ1(0,t)=Σα=1α(0,t)bα^|0 >

=φ^(0,t)|0 >で与えられます。

 

※(注24-4):何故なら,Ψ(1,2,..,n;t)

(n!)-1/2Σn1,n2,..,nN=01C(1,..,N)

×Ψ(1,..,n;1,..,N;t)

(n!)-1/2Σn1,n2,..,nN=01C(1,..,N)

×ΣPδα1(p1,t)..uαn(pn,t) と,

 

Φ=Σn1,n2,..,nN=01C(1,.,N)Φ(1,.,N)

=Σn1,..,nN=01(1,..,N)(bN^)nN..(b1^)n1|0 >

の対応から,α(,t)にはbα^|0 >が対応することが

わかるからです。(注24-4終わり)※

 

そして,Green関数:Gは,(,t)で生成された粒子に対する

Ψ1(,t)を時刻:t'>tにおける1粒子状態Ψ1(',t')

の上に射影する振幅で与えられます。

 

下は2010年5/24の過去記事:

(散乱の伝播関数の理論(7)(Bjorken-Drell-2)において

用いた,Bjorken & Drell著"Relativistic Quantum Mechanics"

第6章の粒子伝播の模式図:図6.4です。)

   

 

すなわち,(',t';,t)

=-i<Ψ1(',t’)|Ψ1(,t)>θ(t'-t)

=-iθ(t'-t)<0|φ^(',t')φ^(,t)|0 >

です。

 

そこで,φ^(,t)=Σα=1α(,t)bα^, 

φ^(,t)=Σα=1α(,t)bα^,および,

α^,bα^の反交換関係から,

  

G('t';,t)

=-iθ(t'-t)Σα=1α(',t')uα(,t)

と書けることがわかります。

 

※(注24-5):

 <0|φ^(',t')φ^(,t)|0 >

=< 0|Σβ=1β(',t')bβ^|Σα=1α(,t)bα^|0 >

=Σα,β=1{uβ(',t')uα(,t)< 0|bα^bα^|0 >}

です。

 

ところが,{bα^,bβ^}=δαβによって,

< 0|bα^bα^|0 >=δβα ですから,

 

G(',t';,t)

=-iθ(t'-t)<0|φ^(',t')φ^(,t)|0 >

=-iθ(t'-t)Σα=1α(',t')uα(,t)

が得られます。(注24-5終わり)※

 

最後に得られた表現:G(',t';,t)

=-iθ(t'-t)Σα=1α(',t')uα(,t)は,

 

以前の伝播関数の理論における遅延Green関数の議論において導入

された式:F(x',x)=-iθ(t'-t)Σn ψ(x')ψ(x)

に一致しています。(注24-5終わり)※

 

多体問題と,Schroedingerの理論を第2量子化した場の理論との対応

の議論を完結するに当たり,場の理論定式化が優れていると考えられ

る2つの利点を指摘しておきます。

  

こうした点が優れた所であるかどうか?は物理的に興味深い行列要素

を計算することの容易さによって判断されます。

 

それらの利点が存在することが,近年の主として非相対論的な

多体問題へ場の理論の方法が広範に適用される理由となっているわ

けです。

 

具体的には,そうした利点の第1は演算子bα^,bβ^が,その代数

的関係により波動関数の反対称性を保持する他,要な全ての性質

を自動的に満たすように形成されていることです。

 

また,第2の利点は場の理論の方法は粒子の個数を変化させる物理系

を自然で簡潔に記述するという望ましい柔軟性を与える,ことです。

 

※(参照2):"伝播関数(propagator)=Green関数"については,

以下の20個の過去シリーズ記事を参照してください。

 

2010年4/28の記事:

散乱の伝播関数の理論(1)(Lippman-Schwinger-1)

に始まる「散乱の伝播関数」というシリーズ記事です。

 

(2)(Lippman-Schwinger-2),(3)(Lippman-Schwinger-3),

(4)(Schiff-1),(5)(Schiff-2,他),(6)(Bjorken-Drell-1),

(7)(Bjorken-Drell-2),(8),(9),(10),

 

(11)(応用1-1) ,(12)(応用1-2) ,(13)(応用2-1),

(14)(応用2-2),(15)(応用(2-3),

 

(16)(応用3-1),(17)(応用3-2),(18)(応用4),18-2)(応用4:補遺),

(19)(応用5),(20)(応用6) があります。

 

これらの記事アップの時系列は,2010年の

4/28,4/30,5/2,5/12,5/18,522,5/24,5/30,

6/7,6/13,6/14,6/15,6/18,6/20,6/24,

7/24,7/26,7/30,8/17,8/27 です。

 

(参照2終わり)※

 

今日もちょっと長くなりましたが,ここで終わります。

 

次回は,いよいよ反粒子の生成・消滅をも含む,Dirac理論に入る

予定です。

  

参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell "Relativistic Quantum Fields" (McGrawHill)

  

PS:インスリン打った後に食べた昼飯の煮込みハンバーグ定食の

カロリーが低かったのか,就業終わりの頃,軽い低血糖症状でフラ

フラしました。

  

何とか帰り着き,思いっきり砂糖を入れたコーヒー飲もうと思った

ら,コーヒーはインスタントも含めて切れていました。

 

そこで,コーヒーに加えるブライトに砂糖とお湯を入れて熱いミルク

だと思って飲むと結構いけました。

 

その後,知らぬ間に寝てしまったらしく気がつくと20時半です。

  

夕飯は,残りのごはんで具のないチキンライス=ケチャップライス

を1.5人前くらい作って食べました。

  

その後,ネット将棋で遊んだりブログの編集をしたりしてるうち,

日付が9月25日に変わりました。

 

何かないか?と探してると,コーヒーはなくなったけど職場のM.H

さんに,以前何かプレゼントしたお返しに貰ってそのままだった

紅茶(ダージリン)があったのを発見して飲みました。

 

  いやー,マイウ。これだけでしあわせ。。

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2012年9月21日 (金)

横浜市立金沢動物園(続き)

 本日は,病院にいく必要もないタダの休日で,少し気分が落ち着いているので,

 先日(16日)の金沢動物園で撮影した人物が確認できるもの以外の,主な写真をアップしておきたいと思います。

 当日は交通費がJR巣鴨から待ち合わせのJR赤羽までの往復320円の他に,

 JR赤羽から品川駅まで片道290円ですが,障がい者と付添いの計2名まで半額(子供運賃)の140円で往復280円でした。「

 そして,京浜急行が品川駅から金沢文庫駅まで片道470円のところ,これも半額の240円で往復480円,さらに金沢文庫から動物園入口までの京急バスが210円の半額110円で往復220円がかかりました。

 結局,赤羽駅から現地までは980円×2=1960円のところ,半額の980円でした。

 本当はJRの巣鴨と品川間は片道250円なので,もしも赤羽駅でJR改札を出なければ,余分な320円とかも倹約できたと思いましたが,,障がい者割引は1名だけだとダメで2名1組の適用なので仕方ないですね。

 動物園入園料は1名でもム無料でしたが

 また今までの施設では内部の食堂でとる昼食が最安のモノでも1000円程度かかったのですが,ここは公的施設でカレーライスが580円と比較的良心的で助かりました。

 それでも自動販売機でカフェオーレなど飲んだりで,ケチを通したにも関わらず,,帰りには朝の持ち金は4000円程度が1000円程度に減ってしまい,,翌17日夜の大山での飲み会の金がないので。。。色々やってなんとかしました。。。(汗)

 さて,写真ですが,イツモのように,デジカメ自動設定で,適当にパシャパシャと何も考えずに写真を撮りました。(45枚撮ってました。)

 写真には我々と我々以外の客も偶然入っていますが,いずれも人物がはっきりわかるようなモノと無意味な風景などは割愛しました。

 まずhは入園して出発です。(午前10時半頃)

   

   さて,最初はサイです。アフリカクロサイ?。

   

 

 次はキリンだったはず。

 今所有のカメラは,スナックのマスターにもらったGE社製のカメラで裏の画面上でタッチパネルで操作するかなり新しいモノらしいのですが誰かが海外旅行中に買ったものらしく,図と フランス語?の説明しか無くていまだにズームさえよくわかりませんから見たままの遠いさしです。

 (もっとも,撮った写真(JPG)を編集して,ピックアップズームはできるはずですが,そこまでやろうという心の余裕,気力がありません。)

 本当にキリンかな?

  

 下はただの通過風景。。何かいる・・・これがキリン??

  

 次はオカピです。

 これは今回の私的に目玉のヒトツです。(去年のクリスマスの横浜緑区のズーラシアでは時間が無くて見逃がしたヤツです。)

 足の部分だけがシマウマ模様ですが,人間がかけあわせのではないようです。

  

   

  これも,ただの通過風景。。トイレとベンチ。。

     

  また,ただの通過風景。。何かいる。。

  

  それからカンガルーです。。。

 南半球は今冬だし暑さでバテてるのかな?

    

   

  そして次,これがオリックスだったっけ??  

   

   

  

    

  昼も近づき目玉のコアラに向かって急ぎます。

   

   

  

 入り口近くのアイスクリーム売店に着いた頃,突然ニワカ雨。(111時15分頃)

  

 雨宿り15分間。。

     

 雨が上がってjから約1時間,レストランで食事をしました。

 それからコアラを見に行きました。

 3匹しかいないし想像していたのよりはるかに小さい。木のマタで寝てる後ろ向きだしよく見えない。13時半から飼育係(職員)がユーカリの木を持って入りお食事タイム,ゆっくり降りてきます。

 フラッシュ撮影禁止の札があるけど人集りの4中でフラッシュ光しきり。。

 私も2枚だけ撮影,もう1枚は誰かの顔がアップで写っていたので割愛。。

 下の写真も含め肝心のコアラがいるかどうかも定かではありません。。

  14時44分の帰りのバスを待っている動物園入口バス停からの風景

  この後,ここで記念写を真数枚撮って終わりです。

  

 以上です。

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2012年9月20日 (木)

活力の源(リビドー)=性的衝動?はまだ健在。。

 人間の心理・精神行動は,肉体(脳)における性的なモノ(性ホルモン・性欲)に起因する,というのは,精神分析学の祖?のフロイトの「汎性説」でしたか?

 そして,フロイトが性的衝動のことをリビドーと呼んだのに対し,ユングはそれを受けて全ての心的エネルギーのことをリビドーと呼んだと記憶しています。

 まあ,彼らの謂わゆる初期の分析学は,あくまで仮説でしょうが

 ,どちらに行っても大差のない何気ない岐路で,右に進むか左に進むかを判断した行動にも,必ず何らかの心理的原因があるという発想:

 人の個々の理由が不確かな心理的行動にも恐らく意識の下(無意識)の中にその理由があるのではないか7?という唯物論的発想が近代心理学の源になったと認識しています。

 まあ,話はそんな高尚な話でなくスケベオヤジと化している私の話です。

 若い頃なら性欲が生じても,「ノベツマクナシ」というほど強くもなかったし,お金があった頃なら,偶にその種のお店でプロの世話にもなりましたが,

 普通はヒトリエッチ(せんずり,自慰,オナニー,マスタベーション),まあ,誰に迷惑かけるでもなく,ほんの1時間足らずでエロ本など適当なオカズで抜けば(コスって射精すれば)当分は性欲は消えてしまって忘れています。

 (精嚢(キンタマ)で精子が作られて回復するには約72時間と聞いてますから,全部出すと生理的には3日間は排泄の必要は無いでしょう。)

 ところが,長い糖尿病(24年くらい),心臓病,低血圧と共生しているううちに,ほぼED状態に陥ってきています。

 何とか抜くことは可能なのですが,ヘタをすると数日かかります。

 つまりその間疲れて休息はしても,ズーットスケベ心が持続しますから,普通は他にやるべきことがあるので,とても煩わしいのですね。

 昔,年を取ると性的能力は弱くなっても,性欲は関係なくて減退しないし

 むしろ先が長くないと「種族保存の本能=神の摂理}から,子供を作れる可能性の機能・衝動が活発になるので(疲れマラとか。。),逆に性的に弱い年寄りほどエロジジイになるのだ。。と聞いたことあります。

 女は十月十日必要なので,そうはいかないでしょうが,男は死ぬ直前の一瞬まで子孫を残せる可能性がありますからね。

(※土左衛門やガス中毒なんかの男の死体の多くは,ムスコが立っているとも聞きました。理由が神の摂理かどうかは知りませんが。。)

 また,男のオーガズムは女と違って?抜けば休息状態になり,普通は性欲が消えるので,それから当分は煩わされずに仕事に集中できるようになるので,仕事は男の役割なのだ。。と聞いたこともあります。

 まあ,生きていこうとするエネルギー(=リビド-)の源が性にあるかどうかはわかりませんが,

 何もかも悟った仙人や,男でも女でもない菩薩様,観音様になることを目指すよりも,私は「男が終わりになれば,人としての生も終わりだ。」と考えるタグイの俗物です。

 では,今日は休日を取って予約していた帝京大病院眼科に行ってきます。

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2012年9月18日 (火)

相対論的場の量子論(正準定式化)(23)

相対論的場の量子論の続きです。

 

前回の最後ではαi^≡Πα=1αi-1(1-2Nα^),bα^=aα^ηα^

と書けば量子数αを持つ望ましいFermi粒子の生成演算子bα^

得られることを見ました。

 

ηαi=Πα=1αi-1(1-2Nα^)なので,

ηαi^Ψ(n1,n2,..,nN)

={Πα=1αi-1(1-2Nα^)}Ψ(n1,n2,..,nN)

α=1αi-1(-1)nα}Ψ(1,n2,..,N) です。

 

何故なら,(1-2Nα^)Ψ(1,n2,..,N)

=(1-2nα)Ψ(1,n2,..,nN)ですが,

排他原理によりnαはゼロか1のどちらかしか取ることが

できません。 

 

そして,nα=0 なら,右辺=Ψ(1,n2,..,nN),

α=1 なら,右辺=-Ψ(1,n2,..,nN)

となるからです。

 

また,bα^=aα^ηα^のHermite共役を取って

α^=(bα^)と書けば,ηα^=ηα^なので

α^=ηα^aα^=aαα^を得ます。

  

このbα^=aαα^は,消滅演算子と解釈できます。

 

生成演算子bαi^=aαi^ηαi^は,非占有状態:{0,1}αiから

占有状態:{1,0}αiを生成します。

 

そして,そのときの振幅は,α<αiなる状態αを偶数個の粒子が

占めるか,奇数個の粒子が占めるかによって,それぞれ+1か-1を

取ります。

 

※(注23-1):何故なら,

αi^Ψ(1,n2,..,N)=aαi^ηαi^Ψ(1,n2,..,N)

 =α=1αi-1(-1)nα}aαi^Ψ(1,n2,..,nN)ですから,

  

 nαi=0 (状態αiが非占有)なら,bαi^Ψ(1,n2,..,nN)

 =(-1)ΣnαΨ(1,n2,..,nN)であり,αi1

 (状態αiが占有)なら,bαi^Ψ(1,n2,..,nN)=0 です。

 

ただし,係数(-1)Σnαの肩のΣnαはΣα=1αi-1αを意味しますが,

これはα<αiなる状態αを占有する粒子の総数

(=α<αiの占有状態αの数)です。(nα=1 or 0です。)

  

このことは,bαi^についても,bαi^=aαiαi^なので

同様です。(注23-1終わり)※

 

 そこでiとαjが共に占有されているような状態は,αiとαj

 交換の下で反対称です。

   

※(注23-2):何故なら,αi<αjのとき,

 αi^αj^|0 >=bαi^Ψ(0,..,0,1,0,..,0)

(-1)Σnααi^Ψ(0,..,0,1,0,..,0) ですが,

 

Ψ(0,..,0,1,0,..,0)においては,α=αi以外のnαは全てゼロ

ですから,ΣnαΣα=1αi-1α0 なので(-1)Σnα=+1

です。

 

そして,a^αi^Ψ(0,..,0,1,0,..,0)

=Ψ(0,..,0,1,0,.,,0,1,0,..,0) なので,結局,

b^αi^b^αj^|0 >=Ψ(0,..,0,1,0,.,,0,1,0,..,0)

を得ます。

 

一方,αj^αi^|0 >αj^Ψ(0,..,0,1,0,..,0)

(-1)Σnααj^Ψ(0,..,1,.,0,0,0,..,0)

 

におけるΣnαはΣα=1αi-1αであり,1つのα=αj<αjのみ

α1なので,Σα=1αi-1α=1より(-1)Σnα=-1ですから,

 

αj^αi^|0 >=-Ψ(0,..,0,1,0,.,,0,1,0,..,0)

を得ます。

 

それ故,bαi^αj^|0 >=-bαj^αi^|0 >

が得られました。

 

αi≠αjのときには,一般性を失うことなくαi<αjと仮定する

ことができるし,

 

αi^αj^Ψ(1,n2,..,N)におけるΨとしても,状態:

α=αi,α=αj以外の状態αには粒子がない(α0)とし,

 

さらに,αi^αj^を作用させてもゼロにならないΨとして.

真空:|0 >=Ψ(0,..,0)を選択しても一般性を失うことない

はずです。

 

以上から,bα^≡aα^ηα^なるbα^の定義に対して,

αi≠αjのときにはαi^αj^=-bαj^αi^が成立すること

が示されました。(注23-2終わり)※

   

 消滅演算子:bα^≡aαα^についても,bα^=(bα^)

 成立することが既に示されているので,

 

 αi≠αjのとき,αi^αj^=-bαj^αi^より,

 bαi^bαj^=-bαj^bαi^を得ます。

 

また,α=αi=αjのときは,bα^=aα^ηα^,

α^=aαα^であって,ηαα^=(ηα^)2=1 なので,

 

α^α^=aα^α^=0,かつ,α^bα^=aα^aα^=0

です。

 

そして,bα^bα^=aα^aα^,bα^α^=aα^α^です。

 

したがって,bα^,bα^はaα^,aα^と同一の反交換関係を

満たします。

 

{α^,α^}={bα^,bα^}=0,{α^,α^}=1です。

 

さらに,計算によって一般的な反交換代数:

 {α^,α’'^}={bα^,bα'^}=0,

 {α^,α’^}=δαα’が導かれます。

 

例えば,α>α'のとき,

α^bα'^+bα'^bα^

=aαα^aα'α'^+ aα'α'^aαα^ 

=-aα^aα'αα'^+ aα'αα'α^

=0 です。 

  

※(注23-3):まず,{aα^,1-2Nα^}=2α^-2aα^=0であり,

 ηαi=πα=1αi-1(1-2Nα^)です。

 

 故に,α'<αなら,aαα'^=ηα'^aα^,

 aα'α^=-ηα^aα'^であり,またαα'^=ηα'α^

 ですから,

 

αα^a'α'α'=-aα^aα'αα'^,かつ,

α'α'αα^=aα'^aααα'^より,

{bα^,bα'^}=-[aα^,aα'^]ηαα'^が成立します。

 

ところが,α≠α'ならaα^とaα'^は互いに異なる空間の演算子

ですから,[aα^,aα'^]=0 なので,{bα^,bα'^}=0 が従います。

 

また,{bα^,bα'^}=0 は既に証明しました。

 

次に,{bα^,bα^}=2bα^α^

=2aα^ηα^aα^ηα2aα^α^ηαα=0 ,

{bα^,bα^}=2bα^bα^=2aαα^aαα

2aα^aααα=0 です。

  

最後に,まずα'<αなら,

{bα^,bα'^}=bα^bα'^+bα'α^

=aαα^aα'^ηα'^+aα'^ηα'^aαα^

=-aα^aα'^ηαα'^+aα'^αα'α^=0

です。

 

そして,{bα^,bα^}=bα^bα^+bαα^

=aαα^aα^ηα^+aα^ηα^aαα^

=ηα^aα^aα^ηα^+ηα^aα^αα^

=ηα^{aα^,aα^}ηα^=ηαα^ですが,

 

ηαα^=1ですから,{bα^,bα^}=1を得ます。

 

(注23-3終わり)※

  

α^,bα^による個数演算子は単にNα^=aα^α^

=bα^α^で与えられます。

  

(※Nα^=aα^α^=aα^αα^ηα^

=aα^ηα^aα^ηα^=bα^α^ ※)

 

Φ(1,n2,..,N)≡(bN^)nN..(b1^)n1Φ0,あるいは,

Φ0を|0 >とket表記した,

Φ(1,n2,..,N)≡(bN^)nN..(b1^)n1|0 >で定義される状態は,

各状態α(α=1,2,..,N)の個数演算子Nα^の固有状態であり,

これは完全正規直交系を形成しています。

  

すなわち,<Φ(m1,m2,..,mN)|Φ(1,n2,..,N)>

=Πα=1δmα,nα です。

 

※(注23-5):何故なら,α≠α'のとき,

 Nα^bα'^=(bα^α^)bα'^=-bα^α'^α^

 =bα'^α^α'^=bα'^α^:

 

 つまり,α≠α'ならNα^bα'^=bα'^α^,

or [Nα^,bα'^]=0 ですから,

α^(bα'^)nα'=(bα'^)nα'α^ です。

 

一方,Nα^bα^=(bα^α^)bα^

=bα^(1-bα^α^)=bα^-bα^α^α

=bα^-(1/2){bα^α^}α^=bα^です。

 

したがって,Nα^bα^|0 >=bα^|0 >,Nα^|0 >=0 です。

 

以上から,Nα^Φ(1,n2,..,N)=nαΦ(1,n2,..,N)

が成立することがわかりますから,

 

Φ(1,n2,..,N)がNα^の固有値nα(=0,1)に属する固有状態

であることが証明されました。

 

また,<Φ(m1,..,mN)|Φ(1,..,N)>

=< 0|(b1^)m1..(bN^)mN|(bN^)nN..(b1^)n1|0 >ですから,

各αについて,演算子の順序交換による(+),(-)の符号を除いて,

< 0|(bα^)nmα(bα^)|0 >を考察すると,

 

α1,nα=0なら,(α^)mα(α^)nα|0 >

α^|0 >=0,であり,α0,nα=1なら,

<0|(bα^)mα(bα^)nα=<0|bα^=0 ですから,

 

1つでもmααを満たすαが存在すれば,

<Φ(m1,..,mN)|Φ(1,..,N)>=0 です。

 

一方,全てのα(α=1,2,..,N)について,mααなら

<Φ(m1,..,mN)|Φ(1,..,N)>

=<Φ(n1,..,nN)|Φ(1,..,N)>

=< 0|(b1^)n1..(bN^)nN(bN^)nN..(b1^)n1|0 >ですが,

 

N^bN^N-1^=-bN^bN-1^N^=bN-1^N^bN^より,

(bN^)nN(bN^)nN(bN-1^)nN-1=(bN^bN^)nN(bN-1^)nN-1

=(bN-1^)nN-1(bN^bN^)nN です。

 

この操作を繰り返せば,(bα^)(bα^)(=(bα^bα^)

順序に依らない演算子であることがわかって,

  

<Φ(n1,..,nN)|Φ(1,..,N)>

=< 0|Πα=1(bα^bα^+)|0 >を得ます。

 

 ところが,< 0|0 >=<Φ00>=1,

 < 0|bα^bα^+|0 >=<bα^Φ0|bα^Φ0>=1ですから,

 結局,<Φ(n1,..,nN)|Φ(1,..,N)>=1 です。

 

以上から,<Φ(m1,m2,..,mN)|Φ(1,n2,..,N)>

=Πα=1δmα,nαを得ます。(注23^4終わり)※

 

個数の固有状態の重ね合わせによって,一般の状態Φを作ると,

Φ=Σn1,n2,..,nN=01(1,n2,..,N)Φ(1,n2,..,N)

=Σn1,n2,..,nN=01(1,n2,..,N)(bN^)nN..(b1^)n1|0 >

と表現されます。

 

このとき,明らかに,<Φ|Φ>=Σn1,n2,..,nN=01|C(1,n2,..,N)|2

です。

 

Φの展開係数:C(1,n2,..,N)は,与えられた粒子の占有分布

に対する確率振幅を意味するとも考えられます。

 

※(注23-5):何故なら,

 規格化条件:<Φ|Φ>=Σn1,n2,..,nN=01|C(1,n2,..,N)|2=1

の下で,状態Φにおける任意の物理量(observable)A^の期待値:

<A^>が<Φ|A^|Φ>で与えられる,という量子論の基本仮説

を適用すれば,

 

α^の期待値が<Nα^>=<Φ|Nα^|Φ>

=Σn1,n2,..,nN=01(nα|C(1,n2,..,N)|2)

となるからです。(注23-5終わり)※

 

この状態Φの展開係数:C(1,n2,..,N)は,

以前に与えた波動関数の展開:Ψ(1,2,..,n;t)

(n!)-1/2Σn1,.nN=01C'(n1,n2,..,nN)Ψ(1,..,n;1,..,N;t)

 における係数C'(n1,n2,..,nN)と同一視できます。

 

※(注23-6):実際,これは等式

 <Φ|Φ>=Σn1,n2,..,nN=01|C(1,n2,..,N)|2=1を,以前に得た

 同様な等式:<Ψ(1,2,..,n;t)|Ψ(1,2,..,n;t)>

Σn1,..,nN=01|C'(1,n2,..,N)|2=1 と比較すれば明らかです。

 

(注23-6終わり)※

 

 次に,α^,α^のゼロでない行列要素を考察します。

 

 m≡Σα=1α,n≡Σα=1αとおき,βl1,.,βm}のl番目の元,

 αkを{α1,.,αn}のk番目の元とするとき,

 

 まず,<Φ(m1,..,mN)|bαk^|Φ(1,..,N)>

 =<0|bβ1^..bβm^|bαk^|bαn^..bα1^|0>

 については,

 

m=n+1でα≠αkについてはmα=nαであり,

α=αk=βl (bαk^=bβl ^)についてはmα=1,nα=0

が成立する場合のみゼロでなく,

<Φ(m1,..,mN)|bαk^|Φ(1,..,N)>=(-1)m-l

=(-1)n+1-lです。

  

さもなければ,<Φ(m1,..,mN)|bαk^|Φ(1,..,N)>=0

です。

 

一方,<Φ(m1,..,mN)|bαk^|Φ(1,..,N)>

=<0|bβ1^..bβm^|bαk^|bαn^..bα1^|0>

については,

 

m=n-1でα≠αkについてはmα=nαであり,

α=αk=βl(bαk^=bβl ^)については,mα=0,nα=1

が成立する場合のみゼロでなくて,

<Φ(m1,..,mN)|bαk^|Φ(1,..,N)>=(-1)n-k

です。

 

さもなければ,<Φ(m1,..,mN)|bαk^|Φ(1,..,N)>=0

です。

 

※これの証明は省略します。粛々とやればできます。

 

これで,以前に1粒子の場の演算子χ^(,t)|から,

α(,t)=<Φ0|χ^(,t)|Φα,

or α(,t)=<0|χ^(,t)|Φαi 

 によって1粒子波動関数を作ったのと同じ方法で,

 

 反対称なn粒子波動関数を作ることが可能な段階に到達しました。

 

このため,χ^(,t)≡Σαα(,t)aα^,

χ^(,t)≡Σαα(,t)aα^と同様な,

 

しかし,aα^,aα^を.それぞれ互いに反交換するbα^,bα^

に置き換えた場の演算子を導入します。

  

すなわち,φ^(,t)≡Σα=1α(,t)bα^,

φ^(,t)≡Σα=1α(,t)bα^です。 

 

共通時刻tにおけるこのn体の場の振幅φ(,t)の積の,

真空状態:|0 >と先に与えた真空:|0 >とbα^によって

構成される一般状態Φの間の行列要素を作れば,

 

α^,bα^の行列要素の具体的な表現の繰り返しによって

次式が得られます。

 

Ψ(1,2,..,n;t)

=(n!)-1/2< 0|φ^(1,t)..φ^(n,t)|Φ>を得ます。

 

またまた,長くなり過ぎたので,ここで一旦終わります。

 

(参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell "Relativistic Quantum Fields" (McGrawHill)

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2012年9月16日 (日)

横浜市立金沢動物園

 今日はお休みを取り,T.Iさんのお供で朝8時半に赤羽駅で待ち合わせて,品川乗換え京急「金沢文庫駅」からバスというコースで「金沢動物園」に行ってきます。

 我々は皆入場料は無料,交通費も子供切符で半額のはずです。

 メンバーは他にY.IさんT.Kさんの4人で,恐らくいつものように私同様ヘルパー2級の資格を持っていて私と異なり肉体的には障がいのない?Y.Iさんが車椅子を押すと思います。雨天中止ですが今のところ(午前7時)大丈夫なようです。

 では行ってきます。

PS:無事帰宅しました。(17時15分)

 コアラ見物を最後に14時44分動物園発のバスで帰途についてからまっすぐに帰ってきました。

 一昨日西友で買い物中にカートに置いたリュックから落ちて紛失していた愛用のデジカメも昨日還ってきて今日も色々撮影しましたが,横浜の元ハイキングコースの動物園は坂道が多く,私も少しは車椅子を押したりもして疲れたので,今から夜まで寝ます。

 食事と続きは後で。。。取り合えず報告まで。。(← 誰にじゃ??)

PS2:翌9月17日よるは毎月恒例の大山での飲み会とか色々あってまだバタバタ「しています。

 取り合えず車椅子押しながらの動物園内散策風景1枚アップします。

      

 ,続きはまたいずれ。。。

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2012年9月11日 (火)

簸川神社祭礼(白山御殿町)

 去る9月9日(日)は,白山御殿町の町内会会員で,そこで製本屋をやっている巣鴨一丁目での飲み友達に誘われてたので,職場帰りの夕方16時半頃頃に,

 昨年まで職場のあった小石川植物園近くの白山二丁目バス停(凸版印刷そば)から,バス停で1つの大塚駅寄りの白山三丁目バス停の付近の簸川神社の秋祭りに行ってきました。

 下は昨年2011年3月10日の記事「日記(3月10日のPS)」でアップした友達の製本所と簸川神社(氷川神社)の写真です。

 このときは翌日に大地震が起きるとは全く知らず,のどかな春の夕方でした。

      

     

 さて,下は9月9日のお祭りのとき撮った写真の一部です。

 神輿しは神田三社祭のそれに遜色のない立派なものでしたね。

   

     

   

 町内会の弁当や酒もあるからという言葉に釣られてノコノコい行ってみましたが,彼以外はほとんど面識ない人々ばかりなので,ずうずうしくタダメシを食べるほど鉄面皮ではないので,はぐれて見失った後,すぐバスで帰宅しました。

 イヤー,座る場所もなくて結局,疲れました。

 今日11日は,朝からほぼ2ヶ月ぶりの順天堂大での診察です。

 循環器内科は5日の超音波検査をスッポカシたので診察あるかどうか?ですが糖尿・内分泌内科の方は診察はさておき,

 もうなくなりかかっているインスリンや注射針,アルコール綿など次回診察までの分を貰ってこないとダメですから1日仕事覚悟で休日取りました。

 今晩は18時半からワールドカップ予選の放送もあるし,,いい休日になりそうですが,明日12日は出勤する予定です。では行ってきます。

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2012年9月 7日 (金)

相対論的場の量子論(正準定式化)(22)

相対論的場の量子論の続きです。

 

前回の予告通り,Fermionの個数表示(Number Representation)から

入ります。

 

§3.2 Fermi粒子の個数表示

(The Number-Representation for Fermions)

 

-体波動関数:Ψ(1,2,..,n;t)

=(n!)-1/2Σα1,..αn=1C(α12,..,αn)

×uα1(1,t)uα2(2,t)..uαn(n,t),

 

 または,Ψ(1,2,..,n;t)

 =(n!)-1/2Σα1,..αn=1C~(α12,..,αn)

×ΣpδPα1(p1,t)..uαn(pn,t)

 

から得られる情報は,どの粒子がどの量子数を持っているか?という

ことではなく,n個の区別できない粒子の何個がどの量子レベルにあ

るか?ということです。

 

このことにおいて,Klein-Gordon場の量子論的記述との類似が見ら

ます。

 

(注22-1):すなわち,n個のうちのi番目の粒子がどの量子レベル

 α波動関数:uα(i,t)に対応するか?ということではなく,各

 量子レベルαに何個の粒子があるか?ということです。

 

いい換えると,位置座標1,2,..,nの粒子が,それぞれ,

α12,..,αnにあるということは,ある順列(置換):

P=(p1,p2,,..,pn)について,p1,p2,..,pnが,

 

δP倍の重みで,それぞれ,α12,..,αnにあることに相当し,

正確な波動関数は,各々のPに対する項には関係なく,それらの

総和であるSlater行列式であるということです。

 

行列式の各項を与える各々の順列Pに対応するn体系の状態は,

全く区別不可能なので,それ自身としては意味を持たないといえ

ます。(注22-1終わり)※ 

 

Klein-Gordon場の理論においてn粒子系の状態は,各々の単一粒子

状態にある粒子(量子)の個数によって記述されることを見ました。

 

(注22-2):2012年5/3の相対論的場の量子論(正準定式化)(13)

 および,5/8の記事「相対論的場の量子論(正準定式化)(14)

 においては,

 

 実スカラー場:φでのエネルギーH^と運動量^の共通の固有状態:

 Φが,離散表示で,エネルギー・運動量がkμ=(k0,)=(ωk,);

 ωk=(2+m2)1/2の単一の調和振動子の準位,

 

 またはkμを持つ粒子の個数:k (nk=0,1,2..,)に対応する単一

 粒子の波動関数:Φk(nk)≡|nk >=(nk!)-1/2(ak^)nk|0>の

 直積として,個数表示:Φ(nk1,nk2,..,nkr,1,,)≡ΠkrΦkr(nkr)

 

 で与えられる,と記述しました。(注22-2終わり)※

 

ここでの粒子場の,Klein-Gordon場との違いは,粒子の交換について

反対称であるために,各量子状態を占める粒子数が,0 か1 のいずれ

かに限られることです。

 

(注22-3):何故なら,

 Ψ(1,2,..,n;t)=(n!)-1/2Σα1,..αn=1C(α12,..,αn)

×uα1(1,t)uα2(2,t)..un(n,t)では,

  

 係数の反対称性から,

 1,..,αj..,αi,..,αn)=-C(α1,..,αi,..,αj,..,αn)

 より,i≠jに対してαi=αjなら,C(α1,..,αn)=0 となる

 からです。

 

 あるいは,Ψ(1,2,..,n;t)

 =(n!)-1/2Σα1,..αn=1C~(α12,..,αn)

 ×ΣPδPα1(p1,t)..uαn(pn,t)

 において,

 

i≠jに対してijなら,Slater行列式がゼロとなり,同じ

状態に2つ以上粒子が存在する確率はゼロとなって禁止される

からです。(注22-3終わり)※

 

このKlein-Gordon場との類似性の方を認識して,n個のFermi粒子系

の動力学:i(∂Ψ/∂t)=H^Ψを場の量子論の言葉で表現すること

を試みます。

 

初めに,Ψ(1,2,..,n;t)の右辺におけるΣが1,..,αn

各粒子準位:αjについて1からNまで総和を取るという記法,

個々の準位:αの占有数nαによる総和を取るという記法に書き

直します。

 

ただし,今の場合は粒子がFermi粒子なので,占有数nαの値は準位α

が占有されている場合のnα=1か,準位αが空席の場合のnα=0 か

のいずれかに限られます。

 

ここで,n個の粒子の各々が準位αiにあるという単一粒子

波動関数:αiから作られるSlater行列式に対して,

Ψ(1,..,n;1,..,N;t)というnotationを導入します。

 

行列式のn個の列は,αiが上昇する列,つまりα1<α2<,..<αn

従ってuαiが並ぶように並べ替えられ,α(α=12,..,N)は,

 

位置座標が1,2,..,nをとることでラベル付けされたn個の

うち,少なくとも1つのiについてα=αiならα1で,さもな

ければα0 で与えられるとします。

 

 例えば3個の粒子があって,それらが7個の準位のうちの2,4,5

 を占めているなら,α12,α2=4.α3=5であり,

  Ψ(1,2,3;0,1,0,1,1,0,0;t)

 

 です。

 

そうすれば,Ψ(1,2,..,n;t)

=(n!)-1/2Σn1,.,nN=01C'(n1,n2,..,nN)

×Ψ(1,..,n;1,..,N;t)

と簡単になります。

 

ここで,C'(n1,n2,..,nN)=C~(α12,..,αn)です。

 

すぐ前のn=3,N=7の例では,

C'(0,1,0,1,1,0,0)=C~(2,4,5)です。

 

このとき,規格化条件は,

Σn1,.nN=01{C'(n1,n2,..,nN)|2=1

と読めます。

 

(注22-4):何故なら, 

 <Ψ(1,2,..,n;t)|Ψ(1,2,..,n;t)>

 =(n!)-1Σm1,.,mN=01Σn1,.,nN=01C'(m1,..,mN)C'(n1,..,nN)

 <Ψ(1,..,n;1,..,mN;t)|Ψ(1,..,n;1,..,N;t)>

ですが,

 

 Ψ(1,..,n;1,..,N;t)が行列式となる行列を,

 Φ(1,..,n;1,..,N;t)で定義して,

 Ψ(1,..,n;1,..,N;t)=det{Φ(1,..,n;1,..,N;t}}

 と書けば,

   

 Ψ(1,..,n;m1,..,mN;t)|Ψ(1,..,n;1,..,N;t)>

 =∫d1n..dn

 (1,..,n;1,..,N;t)Ψ(1,..,n;1,..,N;t}

 =∫d1n..dn

 det{Φ(1,..,n;1,..,N;t)Φ(1,..,n;1,..,N;t)}

  

 =∫d1n..dn

 det[{Σk=1nαi(k,t)αk(j,t)}i,j=1,..n]

 =(中略)・・・

 =(n!)δm1n1..δmN,nN なので,

  

 <Ψ(1,2,..,n;t)|Ψ(1,2,..,n;t)>

 =Σn1,.,nN=01|C'(n1,..,nN)|2

  

 が得られるからです。(注22-4終わり)※

  

 こうしたn-Fermi粒子系の量子場の理論への翻訳を続けるために,

 真空状態からn粒子波動関数を作り上げる便利な方法を求めます。

 

 粒子の生成と消滅が動力学において中心的役割を果たすことは,

 Diracの空孔理論の伝播関数(Propagators)によるアプローチに

 おいて既に明らかです。

 

 i(∂Ψ/∂t)=H^Ψにおいて,今の議論でのH^が同種の単一(Fermi)

 粒子の総和の形で与えられる相互作用無しの自由粒子系ではなく,

 粒子を交換する相互作用をも含めて,異なる量子数を持つ状態間の

 遷移へと導かれて,1つの状態αで1粒子が消滅されて他の状態βで

 1つが生成される振幅にこれからの関心が持たれます。

 

 この目的のため,すぐ前に論じたKlein-Gordon理論での手本に従って,

 そうした状態を組み立てて結び付けるよう目論まれた生成,および

 消滅演算子を導入します。

 

 まず,真空状態(Vacuum-state):Φ0を定義します。

 

 真空は粒子を全く含まず,それ故,エネルギー・運動量も無く,

 

 しかも,i(∂Ψ/∂t)=H^Ψの解:Ψの1つ,

 

 または,H^=Σj=1nS^(j,j)と和に分解して.

 HS^uα(,t)=i{∂uα(,t)/∂t},

 Ψ(1,2,..,n;t)=Πi=1nαi(i,t)の解:

 Ψの1つに対応 しています。

 

 Φ0に生成演算子を作用させると,ある量子数αを持った1粒子状態

 Φαを生じるよう生成演算子aα^を定義します。

 

 すなわち,状態を全ての量子数((の固有値)でラベル付けされた

 Diracのket-vectorで表現すると,

 

 Φ0|0,0,..,0>に対し,aα^Φ0|0,0,..,1,0,.,0>です。

 

 さて,こうした状態と演算子を波動関数Ψに関連付ける前に,まず,

 簡単で便利な表示を導入します。

 

 排他原理のため,状態は空か?満たされているか?のいずれか

 ですから,これら2つの可能性を,それぞれ,列ベクトル:

 [0,1]αと,[1,0]αで表示するわけです

  

(※上添字tは,"transport(転置):行と列の入れ換え"を意味する

 添字です。行ベクトルの転置はもちろん列ベクトルです。

 

 ただし,本ブログ別記事では,これを便宜上,[0,1]ではなく

 [0,1]と記述ている場合もあります。※)

 

 さて,こうすれば,真空状態のこのFermi粒子対応部分は

 状態が空(empty)であるような列ベクトルの直積で

表現されます。

 

すなわち,Φ0=Πα=1[0,1]α です。

 

そこで,生成演算子:aα^は,α番目の状態の空間において,

[0,1]αから[1,0]αを作る2行2列の行列で表現できます。

 

α^+t[0,1]α[1,0]αなる1つの条件だけなら,

α^の2×2行列表現には,まだ任意性があって,

一意には決まりません。

 

そこで,排他原理によってαに粒子が1個あって満杯状態の

[1,0]αに,さらに生成演算子aα^を作用させると状態が破壊

されて,ゼロ(null-vector)になること:

α^+t[1,0]α[0,0]α を要請します。

 

すると,aα^の行列表現は完全に決まって,

  

となることがわかります。

 

同様に,aα^[1,0]αt[0,1]α,α^ [0,1]α[0,0]α

から,消滅演算子aα^の2×2行列表現も得られます。    

これらの行列表現では,aα^,aα^は行列としても,

確かに,互いにHermite共役になっています。

 

こうした行列表現で反交換関係の式:{A^,B^}≡A^B^+B^A^

が具体的に計算されて,{aα^,aα^}=0,{aα^,aα^}=0,

{aα^,aα^}=1を得ます。

 

以前の議論で,Bose粒子に対する正準量子化手続きで与えられた

換関係:[a^(),a^(')]=[a^(),a^('),]=0,

[a^(),a^(')]=δ3(')(ただし,連続表示)

の代わりに,

 

今は,排他原理のために類似した生成演算子,消滅演算子の間について

上記の反交換関係が得られました。

 

この{aα^,aα^}=0,{aα^,aα^}=0 は,同じ状態から2つ

のFermi粒子を除いたり,2つのFermi粒子を同一状態に導入したり

することが不可能なことを示しています。

 

演算子の積aα^α^の行列の固有値は,占有状態:[1,0]αに対し

は1で,空の状態:[0,1]αに対してはゼロです。

 

 このことは,Nα^≡aα^α^が,個数演算子と解釈されることを

 意味します。

 

 この個数演算子は固有値として,0 と1 しか取り得ないことが,

 以前のBose粒子の個数演算子と異なっています。

 

 簡単な方法で,演算子表現を1粒子波動関数uα(x)に結合させる

 ことができます。

 

 これを実行するために次のような定義で,場の演算子χ^を導入

 します。

 

 すなわち,χ^(,t)≡Σαα(,t)aα^,

 χ^(,t)≡Σαα(,t)aα^です。

 

 こうすれば,1粒子波動関数:uα(,t)は,丁度,場の演算子:

 χ^(,t)の真空:Φ0と1粒子状態:Φαの間の行列要素です。

 

 つまり,α(,t)=<Φ0|χ^(,t)|Φα, or

α(,t)=<0|χ^(,t)|Φα>です。

  

 この精神を続けていけば,場の演算子からn粒子波動関数:

 Ψ(1,..,n;1,..,N;t)を作ることができます。

 

 また,同じ場の演算子からi(∂Ψ/∂t)=H^ΨにおけるH^と同じ

 固有値スペクトルを持つHermite演算子をも作ることができます。

 

 そのためには,いくつかの粒子を含む状態を考える必要があります。

 

 演算子 aαi^,aαj^はj≠iに対するaαi^,aαj^と交換します。

 

 何故なら,それらは異なる状態部分空間の状態に作用するからです。

 

例えばi≠jに対して,αi^αj^Φ0=Φαi,αj

[1,0]αi[1,0]αj×{Πα≠αi,αj[0,1]α}=Φαi,αj

です。

 

もしも直接aαj^を作用させていくと,状態αのある特別な順序を

連結された表示を得るでしょう。

 

ところが,上記のΦαi,αjがi≠jの交換に対して対称であるのに

対し,波動関数:Ψ(1,..,n;1,..,N;t)は,i≠jの交換に

対して反対称です。

 

そこで,数学的な観点から,演算子aα^,aα^を,

 

同一のαに対する反交換関係:

{aα^,aα^}=0,{aα^,aα^}=0,{aα^,aα^}=1

におけるものと同様,

 

異なる状態:α≠α'に対して,

{aα^,aα'^}=0,{aα^,aα'^}=0,{aα^,aα'^}=0

と,反交換関係を満足するように修正することを試みます。

 

 このことは,特に異なる状態:α≠α'に対して,

 修正された生成演算子:α^,bα'^が,

 α^α'^|0>=-bα'^α^|0>

 を満足すべきことを意味します。

 

 これは,i≠jのaαi^αj^|0>=aαj^αi^|0>に

 相対するものです。

 

 ただし,ここでは真空状態を,Φ0の代わりに|0>と表現しました。

 

 こうした望ましい符号の変化を得るためと,bα^の生成演算子と

 しての解釈を維持するために,ある演算子ηα^によって,

 bα^=aα^ηα^ と書くことにします。

 

ただしα^は個数表示において対角的な演算子です。

 

(注22-5):つまり,ηα^の2次元のα空間での行列表現は,

 ηα^[1,0]α=λ1[1,0]αα^[0,1]α'=λ2[0,1]αとなる

 ような対角要素がλ12の2×2対角行列です。(下図)

   

 一方,α^ [1,0]α[0,0]α,α^ [0,1]α[1,0]α

 なので,α^+t[1,0]α=aα^ηα^[1,0]α=λ1[0,0]α,

α^+t[0,1]α=aα^ηα^[0,1]α=λ2[1,0]α です。

 

ηα^は対角行列ですから,これは同じ状態αの2次元空間では如何

なる行列とも交換します。

 

特に,bα^=aα^ηα^=ηα^aα^です。

 

(注22-5終わり)※

  

α^=aα^ηα^を,bα^α'^=-bα'^α^の両辺

代入してみると,この反交換関係式は,次の条件が満足されるなら,

矛盾なく成立することがわかります。

 

すなわちi<αjならaαi^ηαj^=-ηαj^aαi^,

かつaαj^ηαi^=ηαj^aαj^ が成立するという条件です。

 

(注22-6):何故なら, 

 bα^=aα^ηα^なので,α^α'^=-bα'^α^

 は,α^ηα^aα'^ηα'^=-aα’^ηα'^aα^ηα^

 を意味します。

 

 上の条件:αi<αjのとき,aαi^ηαj^=-ηαj^aαi^,

 かつ,aαj^ηαi^=ηαi^aαj^が満たされると仮定します。

 

 するとi<αjのときには,

 まず,aαi^ηαi^aαj^ηαj^=aαi^αj^ηαiαj^

 です。

 

ここで,[aαi^,aαj^]=0 ですが,ηα^についても異なる状態

αについては交換する:[ηαi^,ηαj^]=0 と仮定すれば,

 

右辺=aαj^αi^ηαjαi^=-aαj^ηαj^aαi^ηαi^

ですから,

 

結局,aαi^ηαi^aαj^ηαj^=-aαj^ηαj^aαi^ηαi^

です。

 

よって,bαi^αj^=-bαj^αi^を得ます。

 

他方i>αjのときも,

αi^ηαi^aαj^ηαj^=-aαi^αj^ηαiαj^

=-aαj^αi^ηαjαi^=-aαj^ηαj^aαi^ηαi^

ですから,

 

やはり,bαi^αj^=-bαj^αi^を得ます。

 

(注22-6終わり)※

 

ところで演算子:(1-2Nα^)=(1-aα^α^)は,

(1-2Nα^)[1,0]α=-[1,0]α,(1-2Nα^)[0,1]α=[0,1]α

を満たす対角的な演算子であり,

です。

  

しかも,これはaα^と反交換します。

 

(注22-7):何故なら,{aα^,1}=2aα^,かつ,

 

 {aα^,Nα^}={aα^,aα^α^}

 =aα^α^α^+aα^α^aα^=aα^{aα^,aα^}

 =aα^ですから,

 

 {aα^,1-2Nα^}=2aα^-2aα^=0 です。

 または,実際に,先に与えた下の行列表示のaα^

   

 上記の行列表示:(1-2Nα^)との行列としての積を計算して,

 aα^(1-2Nα^)=aα^=-(1-2Nα^)aα^となること

 が確かめられます。(注22-7終わり)※

 

そこでαiをηαi^≡Πα=1αi-1(1-2Nα^)と定義すればいいことが

わかります。

 

(注22-8):何故なら,この定義でηαi^が与えられたと仮定すると,

 

 αi<αjなら,aαj^ηαi^=aαj^Πα=1αi-1(1-2Nα^)

 =Πα=1αi-1(1-2Nα^)aαj^=ηαi^aαj^,および,

  

 aαi^ηαj^=aαi^Πα=1αj-1(1-2Nα^)

 =Πα=1αi-1(1-2Nα^)aαi^Πα=αiαj-1(1-2Nα^)

 =-Πα=1αj-1(1-2Nα^)aαi^=-ηαj^aαi^

 が得られます。

 

 さらに,ηαi^≡Πα=1αi-1(1-2Nα^)から,

 αi=αjなら,aαi^ηαi^=ηαi^aαi^と書けます。

 

 そこで,αi^αj^=aαi^ηαi^aαi^ηαi^

 =aαi^αi^ηαiαi^=0 です。

 

 それ故,{bαi^αi^}=0 を得ます。

 

 なお,αi>αjの場合は,αi<αjの場合でiとjを入れ換える

 だけ添字の付け方の問題に過ぎないので,考察の必要のない

 のはもちろんです。

  

(注22-8終わり)※

  

 長くなり過ぎたので,ここで一旦終わります。

 

(参考文献):J.D.Bjorken S.D.Drell "Relativistic Quantum Fields"   (McGrawHill)

 

PS:また,食べ物を買うために自分の身体の一部を売った,。

 (↑イヤ,譬え話でんがな。。) 無意味だなあ。。。

 底の抜けたバケツで水を汲んでもねえ。。

  

 何かをしようとしても自分の体が自分の行動の邪魔をする。。

 こんな不自由な体なんか要らないよ。。

   

 たけしの番組で,日本の殺虫剤入りの蚊帳がアフリカの子供たちを

 マラリヤから救うのに役立っているというニュースをやっていた。

   

 温故知新,儲かる話じゃないし心温まる話だなあ。。

  

 でもヒネクレているから,マラリアを仲介する蚊を撲滅したら

 生態系がくずれて云々と想像したりもした。

 

 それから飛躍して人間にとっての害虫を撲滅し,何らかのウィルスを

 退治撲滅しても生態系は歪むか破壊されるだろうなあ,とか,

 

 医療(文明,科学)の進歩は人間の寿命を延ばし人口が増えて挙句に

 食糧危機などを招いて自分の首を絞める云々,余計なことを考える。 

  

 一応,仏教的,東洋的思想で自分も人間の一人であることを差し措い

 て,人間が最大のガイチュウであり戦争は必要悪とまで言うつもりは

 ないが,

  

 西欧宗教的に羊を犠牲にしても人間の幸福を求めるような人間中心の

 思想に全面的に同調できない頭デッカチで薄情な思いが湧いてくるの

 は守るべきモノを持たず天涯孤独なためか。。

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近況(日常雑事)

 9月5日は久しぶりに順天堂大に行って,9月11日外来診察予定の循環器内科の診察のためにご午前10時20分から心臓の超音波検査を受ける予定で休みを取ったのですが。。。

(※昨年10月に順天堂大で同じ検査で心臓収縮率が常人の32%で,2007年4月にバイパス手術を受ける前の41%よりも小さいと言われました。

 手術前の検査は帝京大内科でのカテーテルによるもので,超音波とは機械が違うから比較はできない,と下手な反論をした記憶ありますが.,受けていれば,それからほぼ1年ぶりでした。

 7月には危篤だったけど持ち直した岡山の91歳の母親よりは生きていないと親不孝と非難されますね。(笑))

 前日4日夜のサッカー女子アンダー20ワールドカップ準決勝(日本は3-0でドイツに負け)をTV観戦した後,巣鴨駅前のスナック「若大将」のマスター(元高校サッカーFWでサッカー狂)から「今日のサッカーの結果どうだった?」という内容を含めた長電話があり,「金は無いし明日病院なので飲みにはいけない。」と電話を切った後,

 空腹でしたがお米しかないので,23時頃に電気釜にお米3合を50分炊きにセットして遅い晩飯を取ろうとしていたら,丁度炊けた頃にまた「若大将」のマスターから電話で,お店のカラオケ用のアナログモニターで地デジのTVを見たり録画をしたりできないか?という話になりました。

 そりゃそうです。お店でサッカーを見ることが出来れば,客がいないか,いてもカラオケをやらないときなら,お店でサッカーやホカの番組も見られます。

 古いアナログTVでもで見られる地デジチューナーなど西友でも5900円くらいで売ってたし(秋葉ならもっと安いのがある),アンテナが付いて無くても,昔のアナログの室内アンテナと違い,地デジの場合は,室内アンテナでもワンセグよりましな映像を見られるはずなので,チューナーとアンテナあわせて1万円もあれば店でTV見られる云々,録画する方は。。。

 と話していたら,電気や機械はオンチ?なので電話じゃわからないからどうせ病院も朝遅くて酒の検査じゃないからスグ来い,とか言われ暗くてまだ暑い中,出かけて10分近くかけて着き,結局,帰宅したのは朝5時半でした。

 翌日,目覚めたら10時過ぎでいて,予約の10時20分には「どこでもドア」でもない限り間にあわないので,また昼まで寝直してしまいました。

 おきてベッドでまったり,した後,昼飯にしようと思いました。

 ごはんは,東芝の40時間まで真空保温できる「真空かまど炊き」の電気釜なので,昨日炊いたものでもまだ炊き立て同様ですが,冷蔵庫を開けても何もないので具のないミソだけのミソ汁と味付け海苔が少しでそれで貧しい朝昼兼用飯を取ってインスリン注射もしました。

 夕食が心配になり冷蔵庫にはジャガイモが2個(小)と玉ネギ,大1個と2段熟カレー(4皿分:100均で買ったの甘口しかなかった?らしい)しかなかったので疲れのない休日にしかやらない料理をすることにして,夕方5時頃から肉無しカレーを作りました。

 下は,上から取った汚い台所と煮込んでる最中のカレーです。

   

  出来上がりました。

 甘口はやや苦手なので食塩とコショーを加えました。

    

     

 ↑空腹なのでまだ十分トロ味がでるほど煮込まないうちに食べました。

     まいう!!

 これで土日の代わりに取った寝ているだけの,5日,6日の連休くらいは真夏のような気候でも,何とか一晩寝かせた程度で痛むこともなくオカズ確保できました。

 私は年中3食カレーでもいいくらいカレーは大好物なのでカレーであれば同じメニューでも全く無問題(モーマンテイ)です。

 後は,オデンの中にあるような特別固く茹でたニヌキ(関西弁)=ゆで卵があれば極楽なんですが。。

 本日は朝4時半にさわやかに目覚めました。

 今日は,出勤して職場の食堂で貧しくない昼飯が食べられます。

 しかし,15日まで10日間100円生活。。トホホ。。。

 何故か行き着けの飲み屋では,客がいないときのマスターやママの話相手(人生相談?)も含め,こちらが料金を貰わず払う方の便利屋のような存在,人畜無害でおバカな存在なので酒だけは金無しでも後払いでトキドキ有りつけるみたいです が,そこで食事を得るとか借金はできないですね。。

 酒は特別好きなわけじゃyないが,カロリー(エネルギー)の足しにはなる。。

PS:,私は普段,結構ナニゲに神という言葉を使っているらしく,例えば「あなたも私も決して神様じゃないんだから欠点があるのは当たり前だ。」とか,

 「文明国でホモとかレズが増えてるのは人間は決定的な天敵がなく最近は戦争も少なく医学で寿命延びているので,神の摂理の一種だ。。」とか

 平気で神を連呼していると「あなたはクリスチャンか?」とか「何の宗教を信じてるのか」とか予期してない唐突な質問が来て,一瞬,「何z?,関係の無い質問をどうして?」と思うことがあります。

 別に,「あなたも私も全知全能ではない。」とか生態系:弱肉強食の原理のことを言ってるだけで具体的な神を想定していたりしてないし,

 「神が存在するかどうか?」などを論議できるほど神というモノの概念規定(定義)さえしたこともありません。

 いずれにしろ,説明するのも面倒だし,大体その場では何故無関係な?質問が来たのかその場では私自身気付いてないことが多いですね。

 自分が理論物理学を勉強してるせいもありますが,「例えば地球には重力(引力)があってその重力のせいでモノは下に落ちると言ってるけど,何故,モノとモノの間に重力が働くの?」とかの素朴な疑問にはどんなに偉大で博学の学者先生でも本当に真摯に解答を与えるのは不可能だと思っています。

 ギリシャ時代の昔は,哲学者,数学者,物理学者というのがほぼ同義であったこともあるでしょう。

 ガリレイ,ニュートンの頃には重力は距離の2乗に反比例した大きさで働くという法則を得ました。

 今も重力の微細なメカニズムは解明されていませんが重力子などの粒子を交換することで生じるらしい,というところまで煮詰まってきてるようです。

 ニュートンが微分積分学を創って,プリンキピアを書いた頃,既に物理学は哲学とは決別して,「何故,モノとモノの間に重力が働くの?」といったタグイの哲学的疑問について物理学で考えることは諦めていたはずです。

 いくら難しい方程式を発見して,その意味をもっと基礎的原理から理論的に解釈,説明することが可能であって,自然界の現象は,その方程式の予測するモノと正確にマッチして完璧であろうと,「何故,自然がその方程式に従うのか?」というのを突き詰めていくと結局は不明のママでしょう。

 生命とは何か?,どうしていつ生命ができたのか?.何故,「弱肉強食の原理」があってレミングのように増え過ぎると大量自殺したりするのか?etc. 

 宇宙原理とか人間原理とか予定調和的に説明しても,予定調和的であるのは何故か?それらは「創造者」または神が創った調和だといっても否定できないから人々は子供に対するときとは違ってゴマカシ抜きで説明できず,「神の摂理」と,お茶を濁すのだと思います。

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2012年9月 3日 (月)

9月最初の癒し動画

 9月2日の未明に届いたYou-Tubeメールから,今日の癒し動画です。

 

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2012年9月 2日 (日)

訃報!!内藤武敏さん。

日 俳優の内藤武敏さんが8月21日(火)に亡くなられていたことがわかりました。

 享年86歳,直接の死因は悪性のリンパ腫ということです。

 産経・MSNニュース → 俳優の内藤武敏さん死去

       

 この方は映画でもテレビドラマでも数々出演しておられ,私の日常の映像の中にも当然のように,,しょっちゅう観られ,て,とても重要ですが普段は意識されない空気のような存在でした。

 ご冥福をお祈りします。合掌!!

PS:訃報のついでというのは何ですが,私の全く知らない方なので。。。

 春日野八千代さんが8月29日(水)肺炎で亡くなられたそうです。

 96歳,最年長の元宝塚俳優(男役)でした。

 産経・MSNニュース→h塚男役大スrター春日野八千代さん死去

 ご冥福をお祈りします。合掌!!

 余談ですが,私が数年間関西にいた当時,阪急の芦屋川で宝塚希望の甲南女子中の女子中学生2名や逆瀬川で報徳学園高校生の家庭教師をしたり,,ときどきは仁川の阪神競馬場に行ったりはしたけど,

 阪急宝塚線で駅がその隣か2つ隣の宝塚には行った記憶がありません。

 その付近の出身らしい女優の宝生舞さんは好きですが。。。

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