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2012年11月

2012年11月26日 (月)

相対論的場の量子論(正準定式化)(34)

相対論的場の量子論,電磁場の量子化の続きです。

 

まず,前回の最後の部分を補足しながら再掲します。

 

μ^(x)が4元ベクトルの変換性を持つと仮定したとき,

相対的に運動している2つのLorentz座標系間の変換の生成子:

0k^=-Mk0^は,

 

0k^=∫d3:πr(x0k-xk0)Ar+Ξ0krsπr^As^+xk^:

∫d3:πr^(x0k-xk0)Ar^

0δsk-δrkδs0r^s^+xk^:

 

で与えられます。 

 

※(注34-1):何故なら,μ^(x)が4元ベクトルの場合,

 

場:φr^に対するLorentz変換の生成子の表式:

μν^∫d3[∑rr^(xμν-xνμr^}

(xμη-xνη)^ r,sΞμνrsπr^φs^}]

において,φr^をλ^に変更して,電磁場に適用すると,

 

μν^∫d3λ^(xμν-xνμ)Aλ^

+Ξμνλσπλ^Aσ^](xμη-xνη)^]

と書けます。

 

ベクトル場に対しては,Ξμνλσ=δλμδσν-δλνδσμ

なので,μν^∫d3λ^(xμν-xνμ)Aλ^

r0δsk-δrkδs0r^s^(xμη-xνη)^]

です。 

 

これに,今の輻射ゲージ:∇A=0,0^=π0^0

成立する仮定して正規順序を取れば,上記の表現:

0k^∫d3:πr^(x0k-xk0)Ar^

r0δsk-δrkδs0r^s^+xk^:

が確かに得られます。

 

添字の上下が変に見えるかもしれませんが,これでいいです。

 

相対論では時空座標をμ(x0,x1,x2,x3)=(t,)とする

とき,共変(covariant)ベクトルとは,座標系の変換に対して,

 

その成分が,時空座標による微分係数:μ(∂0,∂1,∂2,∂3)

≡(∂/∂x0,∂/∂x1,∂/∂x2,∂/∂x3)

(∂/∂t,∇)の成分と同じように変換されるベクトルの

ことをいいます。

 

これに対して,元の時空座標と同じ変換姓のベクトルを反変

ベクトルと呼びます。

 

そこでλ^≡∂^/∂(∂Aλ^/∂t)のように,スカラーを

反変ベクトルで微分したものは共変ベクトルとなって,添字

が反転します。

 

今の場合は,単にπr^=-πr^ なので,

 

0k^=-∫d3:πr^(x0k-xk0)Ar^

r0δsk-δrkδs0r^s^-xk^:と書けば違和感は

なくなるでしょう。

 

さらに余談続けると.

同じ量Aの反変ベクトルとしての成分μと共変ベクトル

としての成分Aμ,Riemannのmetric tensor(計量テンソル):

(μν)により,Aμ=gμννなる関係式で結び付いています。

 

 そして,"座標変換の不変量=スカラー"を与えるベクトルの内積

 は見掛けの上で,反変ベクトルと共変ベクトルの積の形:

 (A,B)≡Aμμ=gμνμνで定義されます。 

 

 そして,特に行列(gμν)の逆行列(gμν)-1の成分をgμν

 書きます。 

 

 すると,Aμ=gμννで,(A,B)=Aμμ

 =gμνμν とも書けます。

 

 しかし,特殊相対論の慣性系の間の座標変換であるLorentz変換

 では計量は平坦なMinkowski-metricでありgμν=ημνなので,

 反変,共変の区別や添字の上下は煩雑なだけで,それほど重要で

 はありません。

 

 事実,Landauや西島などは,謂わゆるPauliのmetric:

 つまり,反変と共変を区別せず,時空座標xを,

 μ=(x1,x2,x3,x4)=(,it)(光速:c=1の自然単位)

 として,時間変数を純虚数としており,

 

 一般の4元ベクトルでも第4変数は純虚数として内積も普通に,

 (A,B)≡Aμμと定義してユークリッド空間扱いをしています。

 

 しかし,基礎物理学や光速が効くようなスケールの理論,あるいは,

 時空の性質がオ-ダー的に影響し得る分野の多くのテキストでは,

 

 理論が,いずれは特殊相対論から一般相対論の定式化へと発展する

 であろう,という認識から,共変と反変を区別し添字の上下が用い

 られているようです。

 

 (もっとも,一般座標変換ではスカラーの微分は確かに共変でも,

 ベクトルやテンソルの単純な微分はそれだけでは共変ではなく,

 共変微分なる概念が導入されますが。。。)

 

(注34-1終わり)※

 

さて,自由電磁場のLagrangian密度の陽な形は.

^=-(1/4):Fμν^Fμν^:=(1/2):2^2

ですが,π^=^=-∂^/∂t=-d^ or πr^=-πr^

r d^,^=∇×^を代入すれば,

 

これは,^=(1/2){d^2+(∇×^)2}

(1/2){π^2+(∇×^)2} と表現されます。

 

したがって,生成子:0k^=-k0^は ,

 

0k^∫d3:x0r d^∂kr^-xkd^2

+(1/2)xk{d^2-(∇×^)2}:

∫d3:x0r d^∂kr^-(1/2)xk{d^2+(∇×^)2}:

=-∫d3:x0πr ^∂kr^+(1/2)xk{π^2+(∇×^)2}:

とも表現されます。

 

しかし,現実には,Lorentz変換の下で,μ^は4元ベクトルとして

変換せず,追加のゲージ変換を受け,輻射ゲージが保持されるよう

補償されます。

 

実際,0^(,t)は輻射ゲージでは,恒等的にゼロなので,

明らかに,i[M0k^,A0^(,t)]≡0 ですが,

 

 上記の4元ベクトルを仮定した定義から,Mμν^生成子なら,

i[Mμν^,Aλ^(x)]=(xμν-xνμ)Aλ^(x)

+Ξμνλσσ^(x) となるべきですから,

 

i[M0k^,A0^(,t)](x0k-xk0)0^(,t)

(δ00δs-δ0δs0)s^(,t)=k^(,t)

となるべきです。

 

同時に,i[M0k^,A0^(,t)]≡0 かつ,

[M0k^,A0^(,t)=Ak^(,t) ≠0

となることは不可能なので,これは既に矛盾です。

 

前回の記事の最後はここまででした。

 

既に上記再掲で,前回の補足のため,(注)を1つ挿入しました

が,今日の記事は,さらに,上記の最後の式を裏付けるための次

(注)から入ります。

 

※(注34-2):0^(,t)≡0ですから,明らかに,

 i[M0k^,A0^(,t)]=0 です。

 

一方,場φr^(x)に対するLorentz変換の生成子Mμν^が

満たすべき式は,

 

i[Mμν^,φr^(x)]=xμ(∂φr^/∂xν)-xν(∂φ^/∂xμ)

+Ξμνrsφs^(x) です。

 

よって,仮にAμ^(,t)が4元ベクトルとして変換される

なら,それから構成される生成子 Mμν^のBoost部分:M0k^と,

0^(,t)の交換関係は,

 

i[M0k^,A0^(,t)]=(x0k-xk0)A0^(,t)

(δ00δr-δ0δr0)r^(,t) 

を満たすはずです。

 

(δ00δr-δ0δr0)^(,t)=^(,t)ですから,

上記の満たすべき交換関係の等式の右辺に,0^(,t)≡0 

代入すると,これは,i[M0k^,A0^(,t)]=Ak^(,t)

となります。

 

(注34-2終わり)※

 

また,同じく,0k^∫d3:x0r d^∂kr^-xkd^2

+(1/2)xk{d^2-(∇×^)2}:

=-∫d3:x0πr^∂kr^+(1/2)xk{π^2+(∇×^)2}:

を実際に,Aj^(,t)との交換関係:i[M0k^,Aj^(,t)]に

代入すれば,

 

r^(,t),j^(,t)]=iδtrrj()により,

 

i[M0k^,Aj^(,t)](x0k-xk0)j^(,t)

+∫d3∫d3(2π)-3{d^(,t)qqr/2}

k exp{i()}] となります。

 

※(注34-3):交換関係:i[M0k^,Aj^(,t)]に,

 

0k^∫d3:y0r d^(,t)∂ykr^(,t)

(1/2)xk{d^2(,t)+(∇y×^(,t))2}

=-∫d3:y0πr^(,t)ykr^(,t)

(1/2)yk[π^2(,t){∇y×^(,t)}2]:

 

を代入します。

 

これに,唯一ゼロでない修正された正準交換関係:

r ^(,t),j^(,t)]=iδtrrj() 

を考慮します。

 

ただし,

δtrrj()

≡∫d3^(2π)-3rj-(qrj/2)}exp{i()}

=δ3()

∫d3^(2π)-3(qrj/2) exp{i()}

です。

 

故に,同時刻:y0=x0=tを想定して,

i[M0k^,Aj^(,t)]

=∫d3[y0δtrrj()∂ykr^(,t)

kδtrrj(r^(,t)

 

=x0kj^(,t)+xkπj^(,t)

-t∫d3∫d3(2π)-3{∂yk^(,t)j/2}}

exp{i()}-∫d3∫d3^(2π)-3

{ykπ^(,t)j/2}exp{i()}

となります。

 

ところが,前に見たように^(,t)が∇^(,t)=0

を満たすなら,∫d3∫d3(2π)-3{∂y,k^(,t)j}/2}

exp{i()}=0 ですから,さらに,π^=-0^

-∂^/∂t=-d^を考慮すると,

 

i[M0k^,Aj^(,t)]=(0k-xk0)Aj^(,t)

+∫d3∫d3^(2π)-3{ykd^(,t)j/2}

exp{i()} が得られます。 

 

(注34-3終わり)※

 

さて,2012年3/23の記事:

相対論的場の量子論(正準定式化)(9)」で見たように,

 

座標変換:x~=ax+b or x~μ=aμνν+bμ  に対して,

古典的には場,または波動関数がφ~r(x~)=Srs(a)φs(x)

と変換される場合,

 

量子論では,ユニタリ(unitary)演算子:U^(a,b)が存在して,

^(a,b)φr^(x)U^(a,b)-1=S-1rs(a)φs^(x~)となります。

 

無限小Lorents変換:x~μ=xμ+εμνννμ=-εμνでは,

^(1+ε,0)を,U^(ε)=U^(εμν)=1-(i/2)εμνμν^

(ただしMμν^Hermite)と書き,Mμν^Lie代数とか,変換の生成子

と呼びます。

 

するとr^(x)がベクトル:Aλ^(x)のときには,

μ^(x~)=Sμν(1+ε)μ^(x)

μ^(x)+εμνν^(x)なので,

 

-1rs(1+ε)φs^(x~)に相当するものは,

μ^(x~)-εμνν^(x), or

μ^(x~)-εμνν^(x~)となります。

 

故に, φr^(x)→ Aλ^(x),

U^(1+ε,0)→ U^(εμν)1-(i/2)εμνμν^について,

^(1+ε,0)φr^(x)U^(1+ε,0)-1

=S-1rs(1+ε)φs^(x~) は,

 

^(ε)Aμ^(x)U^-1(ε)

=Aμ^(x)-(i/2)εμν[Mμν^,Aλ^(x)]

=Aμ^(x~)-εμρρ^(x~) 

を意味します。

 

特に,ε0k=-εk0のみがゼロでない回転を伴わない慣性系間

Boost変換でのA0^(x)の変換では,

U^(ε)A0^(x)U^-1(ε)

=A0^(x)-(i/2)ε0k[M0k^,A0^(x)]-(i/2)ε0k[Mk0^,A0^(x)]

=A0^(x)-iε0k[M0k^,A0^(x)]=A0^(x~)-ε0kk^(x~)

のはずです。

 

しかし,A0^(x)≡0 の輻射ゲージを変換後も保持するには,

^(ε)A0^(x~)U^-1(ε)=A0^(x)≡0 であるべきなので,

 

実際の変換性は,

U^(ε)A0^(x~)U^-1(ε)=A0^(x)

{A0^(x~)-ε0kk^(x~)}+ε0kk^(x~)

となります。

 

ここで,εは無限小なので,その2次の量はゼロですから,

ε0kk^(x~)=ε0kk^(x)であることに留意しておきます。

 

また,同じBoost変換に対してAj^(x)の変換は,

^(ε)Aj^(x~)U^-1(ε)

=Aj^(x)-(i/2)ε0k[M0k^,Aj^(x)]-(i/2)εk0[Mk0^,Aj^(x)]

=Aj^(x)-iε0k[M0k^,Aj^(x)]=Aj^(x~)-εj00^(x~)

=Aj^(x~) のはずです。 

 

しかし,実際は,

i[M0k^,Aj^(,t)]=-i[Mk0^,Aj^(,t)]

(0k-xk0)Aj^(,t)

+∫d3∫d3^(2π)-3{ykd^(,t)j/2}

exp{i()} なので,

 

^(ε)Aj^(x~)U^-1(ε)

=Aj^(x)-iε0k[M0k^,Aj^(x)]

=Aj^(x)+ε0k(0k-xk0)Aj^(,t)

-ε0k∫d3∫d3^(2π)-3{ykd^(,t)j/2}

exp{i()}

 

=Aj^(x~)-ε0k∫d3∫d3^(2π)-3{ykd^(,t)j/2}

exp{i()} です。

 

ここで,唐突ですが,

1/(4π||)=∫3^(2π)-3(1/2)exp{i()}

なる公式から,

 

kd^(,t)/(4π||)

∫d3(2π)-3{ykd^(,t)/2}exp{i()}

です。

 

そして,0=∫d3y{ykd^(,t)/(4π||)}

∫d3∫d3(2π)-3{iykd^(,t)/2}exp{i()}

∫d3∫d3(2π)-3{Ak d^(,t)/2}exp{i()}

∫d3∫d3{∇yd^(,t)/2}exp{i()}

 

i∫d3∫d3(2π)-3{ykd^(,t)/2}exp{i()}

∫d3∫d3(2π)-3{k d^(,t)/2}exp{i()}

です。

 

故に,

∫d3∫d3(2π)-3{ykd^(,t)j/2}exp{i()}

=-i(∂/∂xj)∫d3∫d3(2π)-3{ykd^(,t)j/2}

exp{i()}

 

(∂/∂xj)∫d3∫d3(2π)-3{k d^(,t)/2}

exp{i()}

=-(∂/∂xj)∫d3{Ak d^(,t)/(4π||)}

です。

 

よって,U^(ε)Aj^(x~)U^-1(ε)

=Aj^(x~)-εj00^(x~)}

-εk0j[∫d3{Ak d^(,t)/(4π||)}]

と書けます。 

 

一方,Gaussの定理から,

k^(,t)=-∫d3{2k^(,t) }/(4π||)

であり,□Ak^=(∇2-∂2/∂t2)k^=0 より,

2k^=∂2k^/∂t2 なので,

 

k^(,t)

=-(∂/∂t)∫d3{y2k d^(,t)}/(4π||)

です。

 

よって,U^(ε)A0^(x~)U^-1(ε)

{A0^(x~)-ε0kk^(x~)}+ε0kk^(x~)

{A0^(x~)-ε0kk^(x~)}

-ε0k0[∫d3{2k d^(,t)}/(4π||)}]

 を得ます。

 

 以上から,

 Λ^(x,ε)≡∫d3{y2k d^(,t)}/(4π||))

 とおけば,

 

 U^(ε)Aλ^(x)U^-1(ε)

 =Aλ^(x)-(i/2)εμν[Mμν^,Aλ^(,t)] 

 =Aλ^(x~)-ελσσ^(x~)-ελσσΛ^(x~,ε)

 が得られます、

 

 ただしλσが空間回転を示すεijのみの場合は,Λ(x,ε)は,

 ゼロ,または定数となる関数です。

 

したがって,このΛ^(x,ε)が,このLorenyz変換に伴なう電磁場

のゲージ変換のゲージ関数を与えることがわかります。

 

 入院のための準備もあるので,ここで終わります。

 

(参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell "Relativistic Quantum Fields" (McGrawHill)

 

PS:今11月26日(月)の朝6時50分です。

 

 昨夜というより,今日の零時50分頃は何としても,入院前にこの

 記事をアップしようとアセっていて,アップしたとたん力尽きて

 校正もせず,今朝5時まで寝ていました。

 

 一応,10時頃に病院で手続きを済ませることになってますが,

 病院の昼食を食べられれば,後はヒマでイヤでも夜9時には

 消灯で夜更かしも出来ませんから,

 

 これから朝シャワーして,パジャマとかスリッパ,カップ,箸

 など,リュックに詰めてボチボチ準備します。

 ではでは,ブログは当分(数日?)休みます。

 

 明男さん。like-mjさん,前記事へのお見舞いコメントありがとう

 ございます。

 

 明男さん,釈迦に説法というより,同じことを繰り返すバカに説法

 でしょう。

 自業自得ですが早ければ白内障手術と同じく3日で退院です。

 

 like-mjさん,同病?相哀れむって感じですね。

 

 私のこと,理論的頭の部分の中身以外はよくわかっておられる

 共感者と思っています。今,folomyはほとんど行ってませんが,

 ヒマを見て見てみます。

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2012年11月23日 (金)

また,来週入院して手術

 11月22日帝京大病院眼科で診察受けて糖尿病による左眼の眼底出血の血が自然に引く代わりに,逆に濃くなっていて眼圧も上がっていたため,

 急遽,,来週27日火曜日に混濁した硝子体を除去し,さらに網膜の出血しやすい部分をレーザーで焼くという手術をするということになって,手術前日の26日月曜日の朝から病院7Fの眼科病棟に入院することが決まりました。

 前回4月の手術は23日入院,24日手術,28日退院でしたが,今回は硝子体はもとのゼリー状から既に水に変わってるので余後経過にもよるでしょうが入院期間は一週間前後と思います。

( ※ 2012年4/29の過去記事:「退院しました。」を参照)

 取り合えず報告まで。。

 帰宅して疲れて寝ていて夜中に目覚めてコレを書いてます。

 明日(イヤもう今日?)は,出勤です。,23,,24,,25日と出勤して26日入院です。

 今月は26日から30日まで残り5日間は入院中のため無給となり,月末締めなので12月15日支給の11月分給料が減ります。

 まあ,同じ日に年金も入りますが,年末に入るし休んでては,おマンマの食い上げです。

PS:12月7日夜出席予定にしている新宿歌舞伎町近くのモツ焼き屋での久しぶりの旧パソコン通信:ニフティサーブFSHOGI(将棋フォーラム)の忘年会に出られるかどうか心配です。

 4月の入院時も,丁度,豊島区の手話講習入門コースの同窓会に出席予定にしていたのに,急遽,眼科での手術の前に血糖値が高過ぎて,一週間前の4月17日から内科の方に入院して眼科に移ったので出席できませんでしたから。。

 '※ 2012年4/12の記事:「入院一週間早まることになりました。」を参照)

 って,飲み会どころじゃないだろ?>自分 

 最悪,左眼失明して右眼しか見えなくなるリスクも皆無じゃないんだよ。。

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2012年11月20日 (火)

相対論的場の量子論(正準定式化)(33)

 相対論的場の量子論,電磁場の量子化の続きです。

  

 前回から一週間以上も間が空きました。

 

 何故か,こういうときには有名人の訃報が集中するようで,結局,

 今回も,それらがつなぎ記事になる形となりました。

 

 今回のテーマでは,相対論が主役なので,短い式であっても添字の

 上げ下げなどに神経質になる他なく,これがかなり面倒でした。

 

 私の過去の種ノートにも,ここかしこにミスがあり,訂正しても

 またミスをするという具合でした。

 

§4.3 量子化手法の共変性

 (Covariance of the Quantization Procedure)

  

ここまでの修正された量子化手続きを満足できるものとして

受容する前に,

 

同時刻交換関係:[μ^(,t),ν^(,t)]=0,

k^(,t)j^(,t)]=0,k^(,t),0^(,t)]=0, 

および,i^(,t),j^(,t)]=iδtrij()

により,

 

理論が時空間の平行移動や,空間回転に対して不変であること

を証明する必要があります。

 

そして,Lorentz変換によって生じる変化で許されるのは,唯一

ゲージの変化でなければなりません。

 

本シリ-ズの2012年2/27,3/11,3/23の記事:

相対論的場の量子論(正準定式化)(7),(8),(9)

で記述したように,

 

Noetherの定理によって与えられるエネルギー・運動量を量子化

した演算子:μ^に関して,対象とする粒子の場:φr^(x)が,

i[Pμ^,φr^(x)]=∂φr^/∂xμ

を満たすことが示されれば,

 

この場について理論の平行移動不変性が保証されます。

  

この関係式: i[Pμ^,φr^(x)]=∂φr^/∂xμ は,

今のケースの,φ^r(x)が,電磁場Aν^(x)の場合には,

i[Pμ^,Aν^(x)]=∂Aν^/∂xμ です。

  

そこで,まず,場のエネルギー・運動量:Pμ^の形を具体的

に求めると,0^=H^=(1/2)∫d3^2^2

=(1/2)∫d3:(∂^/∂t)2+(∇×^)2:,

 

および,^=∫d3^:

=∫d3:(∂Aj^/∂t)(∇Aj^):となります。

 

※(注33-1): 2012年3/11の過去記事:

 「相対論的場の量子論(正準定式化)(8)」によれば,

  

 μν^を次式で与えられるエネルギー・運動量密度テンソル

 として,ν^=∫d3^と表わすことができます。

   

μν^は,

μν^=Σr{∂^/∂(∂μφr^)}(∂νφr^)}-ημν

で与えられます。

 

したがって,場:φr^の共役運動量を

πr^≡∂^/∂(∂0φr^)で定義し,これを用いると,

^=Σrπr^(∂νφr^)}-η^

と書けます。

 

今の場合,場:φr^は,電磁場:Aμ^ですが,0^≡0 で,

かつ,π0^≡0 なので,

^=πj^(∂νj^)}-η^ です。

 

故に,特に00^=π^(∂Aj^/∂t)-^=^ です。

 

Lagrangian密度^は^=-(1/4)Fμν^Fμν^

=-(1/4)(F0k^F0k^+Fk0^Fk0^+Fij^Fij^)

であることがわかっており,

 

k=F0k^=-Fk0^=-∂k0^-∂0k^=-F0k=Fk0^,

かつ,^=(F23^,F31^,F12^),Fij^=Fij^ですから

^=-(1/4)Fμν^Fμν^は,^=(1/2)(^2^2)

とも表現できること,

 

そして,共役運動量は,π0^=∂^/∂(∂A0^/∂t)=0,

πk^≡∂^/∂(∂Ak^/∂t)=F0k^=∂k0^-∂0k^

=-∂k0^-∂0k^=Ek^となることを既に見ました。

 

特に,今の輻射ゲージでは,A0^≡0 なので,

πk^=F0k^=-∂0k^=Ek^,または,π^==-∂^/∂t

です。

そして,B=∇×^ですから,^は,

^=(1/2)(^2^2)

=(1/2)z[(∂^/∂t)2-(∇×^)2]

とも書けます。

 

したがって, 正規順序を取ればHamiltonian密度:^

は,次の形に書けます。

 

すなわち,^=:πj^(∂Aj^/∂t)-^:

=:π^(-∂^/∂t)-(1/2){(∂^/∂t)2-(∇×^)2}:

(1/2):(∂^/∂t)2+(∇×^)2

=(1/2):^2^2です

 

よって,P0^=H^

=(1/2)∫d3:(∂^/∂t)2+(∇×^)2

(1/2)∫d3^2^2:と書けます。

 

一方,0k^=πj^(∂kj^)=-πj^(∂kj^)

(∂Aj^/∂t)(∂kj^)=-(∂Aj^/∂t)(∂kj^)

ですが,

 

これは,また,

0k^=(∂Aj^/∂t)(∂kj^-∂jk^)+(∂Aj^/∂t)∂jk^

=-Ej^Fjk^+Ej^∂jk^

=-Ejjkii^+∂j(Ej^Ak^)-(∂jj^)Ak^

=εkjij^Bi^+∂j(Ej^Ak^)-(∂jj^)Ak^

と変形されます。

 

すなわち,0k^=(∂Aj^/∂t)(∇Aj^)

(^)k+∇(^Ak^)-(∇^)Ak^

(^)k+∇(^Ak^) です。

 

よって, 正規順序を取れば,

^=-∫d3:(∂Aj^/∂t)(∇Aj^)

=∫d3^:が得られます。

(注33-1終わり)※

 

μ^の陽な積分形が得られたので,これから,

i[Pμ^,Aν^(x)]=∂Aν^/∂xμ

が満足されて,平行移動不変性が保証されるか否かを,直接,

計算で確かめることができます。

 

まず,ν=0 のときは.A0^(x)=A0^(,t)≡0 なので,

明らかに,i[Pμ^,A0^(x)] = 0 =∂A0^/∂xμ

が成立します。

 

次に,ν=jでμ=0 の場合は,

[P0^,Aj^(,t)]

(1/2)∫d3[{∂^(,t)/∂t}2,Aj^(,t)]

+[{∇y×^(,t)}2,Aj^(,t)]

です。

 

ところが,{∂^(,t)/∂t}2π^(,t) 2

=πk^(,t)πk^(,t) であり,

k^(,t),Aj^(,t)]=iδtrkj()

ですから,

 

[{∂^(,t)/∂t}2,Aj^(,t)]

=2iπk^(,t)δtrkj() となります。

 

また,{∇y×^(,t)}2={εijky,jk^(,t)}2

ですが,[Ak^(,t),Aj^(,t)]=0 ですから,

 

{∂y,jk^(,t),Aj^(,t)}

=∂y,j[Ak^(,t),j^(,t)]=0 です。

 

故に,{∇y×^(,t)}2,Aj^(,t)]=0 です。

 

したがって,[P0^,Aj^(,t)]

=i∫d3πk^(,t)δtrkj()

j^(,t)i∫d3∫d3(2π)-3

[π^(,t)j exp{i()}/2]

を得ます。

 

ところが,π^(,t)=^(,t)であり,∇^=0

なので,^^(,t)=∫d3(2π)-3ε(,t)exp(iky);

ε(,t)=0 と展開できます。

 

すると,

∫d3∫d3(2π)-3[π^(,t)(j /2)exp{i()}]

∫d3∫d3(2π)-3(ε(,t)j /2)exp(-i)

×∫d3(2π)-3exp{i()}

 

=∫d3∫d3(2π)-3{ε(,t)j /2}

exp(-i)δ3()

=∫d3(2π)-3{ε(,t)j /2}}exp(i)=0

となります。

  

よって,[P0^,Aj^(,t)]=iπj^(,t)

=-i∂Aj^(,t)/∂tです。

 

すなわち,i[P0^,Aj^(x)]=∂Aj^(x)/∂x0

が得られました。

 

また,[Pk^,Aj^(,t)]

=-∫d3[{∂Ai^(,t)/∂t}[∂y,ki^(,t)],Aj^(,t)]

=∫d3[{πi^(,t)∂y,ki^(,t),Aj^(,t)}

=i∫d3δtrij()∂y,ki^(,t) です。

 

さらに,i∫d3δtrij()∂y,ki^(,t)

i∂ki^(,t)i∫d3∫d3(2π)-3

 [∂y,k^(,t)j exp{i()}/2]

となります。

 

ところが,すぐ前で,∇^=0 なので,

^(,t)=∫d3(2π)-3ε(,t)exp(iky);

ε(,t)=0 と展開すれば,

 

∫d3∫d3(2π)-3{^(,t)j exp{i()}/2} 

=∫d3∫d3(2π)-3(ε(,t)j /2)

exp(-i)δ3()

=∫d3(2π)-3(ε(,t)j /2)}exp(i)=0 

となることを証明しました。

  

これと同様,今のCoulombゲージでは∇^=0 なので,

^(,t)=∫d3(2π)-3(,t)exp(iky);

(,t)=0 と展開すれば,

 

y,k^(,t) =i∫d3(2π)-3k(,t)exp(iky)

と展開されるので,やはり

 

∫d3∫d3(2π)-3[∂y,k^(,t)(j /2)exp{i() 

i∫d3∫d3(2π)-3(kk(,t)j /2)

exp(-i)δ3()

=∫d3(2π)-3(ε(,t)kj /2)}exp(i)=0

 

となります。

  

故に,[Pk^,Aj^(x)]=-i∂kj^,

すなわち.i[Pk^,Aj^(x)]=∂Aj^/∂xk

を得ます。

   

以上から,i[Pμ^,Aν^(x)]=∂Aν/∂xμ が成立し,

μ^が,平行移動の生成子(generator)となることがわか

ります。

 

同様に,空間回転の下での理論の不変性をチェックするため,

 

以前の記事で一般的な場φ^r(x)に対して定義された 

次の角運動量演算子を電磁場に適用することを考えます。

  

μν^≡∫d30μν^

∫d3{(xμ-xν)+∑rπr^Ξμνrsφs^}

∫d3[∑rπr^(xμν-xνμr^+Ξμνrsφs^]

-(xμη-xνη)^] です。

 

これの右辺において,φ^r(x)を電磁場Aλ^(x)に置き換えます。

 

このとき,これの空間成分:ij^(i,j=1,2,3)が次式を満たす

ことを証明します。

 

すなわち, 

i[Mij^,Ak^(x)]=xi(∂Ak^/∂xj)-x(∂Ak^/∂xi)

+Ξij kss^(x)

が成立することを示します。

 

電磁場Aμ^(x)は相対論的に共変でないCoulombゲージ∇^0

を伴なう場合,これを4元ベクトルと見ることはできませんが,

 

3次元空間の回転に対しては,^0 が保存されるため,

μ^^,^)の空間成分:^(,t)は3次元空間の

ベクトルと見ることができます。

 

μ^が4元ベクトルであれば,これはAμ^^,^)の空間成分

^が自動的に3次元ベクトルであることをも意味しますが,

 

ここでは座標系が変わっても,その都度,特殊Coulombゲージ

^0 も保持されるようにする必要があるため,μ^(x)は

通常の相対論的4元ベクトルの変換性を持ちません。

 

しかし,仮にAμ^(x)が4元ベクトルであるとして,上記の

Lorentz変換(4次元回転)の生成子:Mμν^を求めたとき,

そのうちの空間成分Mij^のみを取れば,

 

^(,t)も3次元ベクトルなので,このMij^^に対する

3次元回転の生成子を与えます。

 

そこで,i[Mμν^,φ^r(x)]

=xμ(∂φr^/∂xν)-xν(∂φr^/∂xμ)+Ξμν rsφs^(x)

において,μ=i,ν=j,φr^(x)=Ak^(x)とした式が

満たされるはずです。

 

ただし,電磁場の変換に対するΞμνrsの具体的形を求める

必要あります。

 

そのため,取り合えず,Aμ(x)を古典場とみてNoetherの定理

を調べるため,Lorentz変換に対する変換性を調べます。

 

無限小4次元回転:x~μ=xμ+εμνν; ενμ=-εμν

に対して,~λ(x~)=Sλσ(ε)Aσ(x)

≡{δλσ+(1/2)Ξμνλσεμν}Aσ(x)

によってμνλσが定義されます。

 

μ(x)が4元ベクトルであれば,時空座標ベクトルの成分の

Lorentz変換:~μ=xμ+εμννと同様,これは,

A~μ(x~)=Aμ(x)+εμνν(x),

または,A~λ(x~)=Aλ(x)+ελσσ(x)なる変換を

受けます。

 

それ故,(1/2)Ξμνλσεμνσ(x)=ελσσ(x)

が成立します。

 

そして,Aσ(x)は任意なので,これは(1/2)Ξμνλσεμν=ελσ

を意味します。

 

ελσ=δλμδσνεμν=ηλμησνεμν

(1/2)ηλμησνμν-ενμ)

(1/2)(ηλμησν-ηλνησμμν ですが,さらにμν

が任意なので,

  

(1/2)Ξμνλσ=(1/2)(ηλμησν-ηλνησμ)より,

Ξμνλσ=ηλμησν-ηλνησμ=δλμδσν-δλνδσμ

とおくことができます。

 

ここで,Mij∫d30ij

∫d3(xij-xji)Ar+Ξijrsπrs}

を第二量子化して,

 

ij∫d30ij → Mij^∫d30ij^,Ar → Ar^,

πr → πr^とします。

 

π^=-^/∂t=-d^, or πr^=-∂r^/∂t

=-r d ^ =-πr^,および,Ξijrs=δriδsj-δrjδsi

を代入して,さらに正規順序を取れば,

 

ij^∫d3:Ar^ d(xij-xji)Ar^

riδsj-δrjδsi)Ar d^s^

∫d3:Ar d^(xij-xji)Ar^

(Ai d^j^-j d^i^): と書けます。

 

ここで,交換関係を見るために再び書き直して,

ij^-∫d3:πr^(,t)(iyj-yjyi)r^(,t):

-∫d3:πi^(,t)l^(,t)-πj^(,t)i^(,t):

と書けば,

 

右辺の被積分関数において場:Ak^(,t)との同時刻交換関係

がゼロとなって消えることがないのは,π^の成分と^の成分

のそれのみ:i^(,t),k^(,t)]=iδtrik() です。

 

したがって,i[Mij^,Ak^(,t)]

(xij-xji)k^(,t)+(δriδsj-δrjδli)l^(,t)

=xi{∂k^(,t)/∂xj}-xj{∂k^(,t)/∂xi}

Ξijrss^(,t) が得られます。

 

これで,ij^は,確かに3次元空間回転の生成子となることが

確認されました。 

 

※(注33-2):(証明)

交換関係にMij^の場の演算子による陽な表現を代入すると,

i[Mij^,Ak^(,t)]

=-i∫d3r^(,t),Ak^(,t)]

(iyj-yjyi)r^(,t)

 

i∫d3i^(,t),k^(,t)}Al^(,t)

i∫d3[πj^(,t)k^(,t)]Ai^(,t) 

 

です。

 

そこで, i[Mij^,Ak^(,t)]

∫d3δtrrk()(iyj-yjyi)r^(,t)

∫d3{δtrik()j^(,t)-δtrjk()i^(,t)}

 

(xij-xji)r^(,t)+(δkiδlj-δkjδli)l^(,t)

∫d3(2π)-3

[(qk/2)exp{i()}(iyj-yjyi)^(,t)

ij^(,t)+qji^(,t)]

 

となります。

 

ところが,

∫d3(2π)-3(qk/2)exp{i()}

[(qk/2)exp{i()}(iyj-yjyi)^(,t)

ij^(,t)+qji^(,t)]

 

=-i∫d3(2π)-3(qk/2)

[{∇yexp{i()}(iyj-yjyi)^(,t)

{∂y,iexp{i()}j^(,t)}

+{y,jexp{i()}i^(,t)}

 

=-i∫d3(2π)-3(qk/2)

y{exp{i()}(iyj-yjyi)^(,t)}

exp{i()}(iyj-yjyi)y^(,t)

ですが,

 

今のゲージでは∇y^(,t)=0 なので,結局,

与式 =-i(2π)-3(qk/2)

∫d3y[exp{i()}(iyj-yjyi)^(,t)]

となります。

 

そして,Gaussの定理から,

∫d3y[exp{i()}(iyj-yjyi)^(,t)]

=∫d2y[exp{i()}(iyj-yjyi)^(,t)]

であり,

 

この右辺の表面積分の積分領域を,例えば半径=||=∞の

球面に取れば,被積分関数が無限遠方で急減衰してゼロになる

という,場に仮定された性質から,

 

この項の寄与はゼロと結論されます。(証明終わり)

(注33-2終わり)※

  

 次に,μ^(x)が4元ベクトルの変換を受けると仮定したとき,

 相対的に運動している2つのLorentz座標系の間の変換に対する

 生成子は,

 

0k^∫d300k^

∫d3:πr^(x0k-xk0)A^+Ξ0krsπr^s^+k^:

∫d3:πr^(x0k-xk0)A^

0δsk-δrkδs0r^s^+xk^:となるため,

 

0k^∫d3:x0r d^∂kr^-xkd^2

+(1/2)xk{d^2-(∇×^)2}:

∫d3:x0r d^∂kr^-(1/2)xk{d^2+(∇×^)2}:

=-∫d3:x0πr^∂kr^+(1/2)xk{π^2+(∇×^)2}:

と書けます。

 

しかし,現実には,Lorentz変換の下で,μ^は4元ベクトルとして

変換せず,追加のゲージ変換を受けて補償されます。

 

実際,0^(,t)は恒等的にゼロなので,

i[M0k^,A0^(,t)]≡0 ですが,

 

i[M0k^,A0^(,t)]

(x0k-xk0)0^(,t)

+(δ00δsk-δ0kδs0)s^(,t)

k^(,t)≠0 となります。(← この計算の詳細は次回)

 

よって,4元ベクトル変換性を仮定すると既に矛盾が明らかです。

  

夢中になって突き進んでいくと,すぐに原稿が長くなり,丁度切り

のいいところまでいけません。

 

取り合えず,節の途中でもアップして続きは次回とします。

 

(参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell “Relativistic Quantum Fields” (McGrawHill)

   

PS:今日(11/20(火))は,順天大医院で朝10時に糖尿内科,

1に0時半に循環器内科の外来受診の予約(イヤ,逆かな?)

あるので,今(朝9時過ぎ)からスグで出かけます。。

 

11月7日の心臓の超音波検査の結果も知りたいし。

 

1年前の心臓超音波検査では心臓の収縮率が健康人平均の32%で

2007年4月の(心臓バイパス+僧帽弁形成)手術前の41%より悪い

ということでした。

  

(※手術前はカテーテルなので検査方法が違いますが)

 

PS2:病院からは,インスリン2か月分の大きな袋(中身のほとんど

はアルコール脱脂綿と注射針)を持って,意外と4時間後くらいの

14時頃には帰宅することができました。

 

11/7の検査結果では,心臓の状態は前と同じで,良くも悪くも

ならず現状維持で,何か心筋梗塞アトもあると言われましたが.

これは恐らく言葉のアヤで,通常の急性心筋梗塞発作があった

という意味でなく,慢性の虚血性心不全の症状の1つでしょう。

   

例によって外出から帰宅すると,夜まで寝て休まないと疲労で

何もできません。

  

疲れやすく老化した身体には困ったものです。

    

その上,掃除や洗濯etc.いや調理に食事など,必要な日常茶飯事も

ヒマだけあっても,お金がないと,心に余裕ないせいか何もやる気

が起きず,つい寝たフリ老人になってしまいます。

  

台所においてある扇風機を押入れに片付けて,代わりに電気ストー

ブを出してくるのも,メシやトイレさえ面倒くさい。

   

(※ウツ病か?,イヤ金欠病です。外を歩いてても缶ジュースや

コーヒー1本さえ買えないと思うと,チョット近くの公園まで

散歩に行く気も起きない。。)

  

糖尿だからと医者に大好きなみかんなど,食事時だけで間食は一切

ダメと言われましたが,そういうストイックな生活をしてると,頭に

栄養まわらず,逆に病気になってしまうので,私はイツモ,テキトー

に解釈しています。

 

ヒトはパンのみで生きるにあらず。。

      

ところで,私,この歳になって大病で大いに他人の世話になったせい

もあり,若い頃の昔より,はるかに丸くなったつもりですが,頭で

うしようと考えている通りには,体や眼がイウコト聞いてくれず,

  

健康であれば何でもない簡単なことができないと,かなりイライラ

して,仮にそこを指摘されると,思わず切れそうになることあるよ

うです。

   

自分では自虐ネタにして笑いゴトにしたりしてるくらいなのに,

他人に指摘されると。。タダのガンコオヤジと化してしまう

  

本当は自分の身体に,怒って切れてるのでしょうが。。

  

相手のことより自分のエゴを優先するようでは,マダマダ修行が

足りないですね。

   

全ては,モノゴト出来ないのは自分のせいであり,

病気も自業自得です。

  

11/20に続いて11/22も帝京大病院でも左目の眼科受診の予約が

あり,こちらもも,恐らく診察のため両眼の瞳孔を開く目薬を指

れ,それから6,7時間はスグ近くしか見えないので,休みを取

りました。

 

(※左眼眼底出血するたび,2,3週間は血が瞳孔部を覆って左は

ボンヤリとしか見えず,しかも長期間両目で見てると次第に視野

が見えない方の眼に合ってくるみたいです。

   

かえって眼帯でもして,7右だけ見えてる方がイイカモ,

それだと,他人がよけてもくれるだろうし。。

    

今回は11/2(日)の夜に出血し始めて,朝起きたら瞳孔を覆って

見えなくなりました。

  

そろそろ見えてくる時期だと思いますが。※)

 

こうした用があるための休みだけでは,精神が休めないので,

間の21日も寝ネテヨー日として,ずいぶん久しぶりですが,

3連休にしました。

   

固定給でない日給や自給の身には,休日が多いのは余り嬉しく

ないコトなのですが。。。

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訃報!!宮史郎さん。、

 表題の通りです。

 「ぴんからトリオ」から「ぴんから兄弟」として演歌の世界で一世を風靡した歌手の宮史郎さんが,19日に多臓器不全で亡くなられました。 69歳でした。

  → 日刊スポーツ [女のみち」宮史郎さん,死去

        

 「殿様キングス」(宮路おさむ..など)と同じく,元はお笑いグループでしたが歌の方がよりヒットして,そのまま,歌手グループに転身され「ました。

 「ぴんから兄弟」は,兄弟の片方が先に亡くなられて,最後は宮史郎はソロ歌手でした。

 特に,,1972年の代表作かつデビュー策の「女のみち」を出した当時は,これが前代未聞の大ヒットでした。

 これを機会に全面的に歌手に転身された,と推察します。

 後に,子門真人の「およげたいやきくん」に抜かれるまでは売り上げ第1位,で現在でも歴代2位だそうです。

 今はレコードやCDの時代から,ネット配信など多様なメディアへと移りつつある時代ですから,当時と,まだまだこれからのAKBなどの歌との単純な売り上げの比較など,できなくなってるでしょうが。。。

   ご冥福をお祈りします。合掌!!

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2012年11月18日 (日)

訃報!三宅久之さん。

 芸能人というわけじゃなく政治評論家ですが,「たけしのTVタックル」などでよくお見かけしていた三宅久之さんが15日に自宅で倒れ,亡くなられました。

 82歳でした。

 ちょっと右っぽいけど,誰に対しても物怖じせず説得力のあるしゃべり方が魅力的で,,話せばわかる好々爺という印象でした。

 ちょっと前まで,まだまだお元気そうでしたが。。

 MSN産経ニュス → 

 政治評論家の三宅久之さん。急死。退院したばかり,自宅で倒れ。。    

      

      

      ご冥福を祈ります。合掌

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2012年11月15日 (木)

訃報!!森光子さん。。

 大女優の森光子さんが,11月10日の土曜日に亡くなられていたそうです。

 92歳。。最後は肺炎でした。

 最近,テレビでお見かけしないので,どうされたのかな?とは思ってました。

 → 読売オンライン 森光子さん死去,92歳・・・,放浪記,時間ですよ。

     

 森光子さんについては語る必要もないでしょう。。お疲れ様でした。

 放浪記を見たことはありませんが,私の20歳前後の青春時代TVドラマ,「時間ですよ」で船越英二,樹木希林(悠木千帆),堺正章,天地真理,浅田美代子etc。などとの共演をよく見ていました。 

 

 思い着くところでは,その他,川口晶,松山英太郎,菅井きん,左とん平,大空真弓,紀比呂子。。何度もリバイバルで,ゲストも大勢です。,地井さんや谷啓,桜井センリも出ていたことありましたね。

    ご冥福を祈ります。合掌!!

 PS:岡山にいる私の母も,大正9年(1920年)生まれで,この11月下旬で92回目の誕生日を迎えます。

 昨年秋に自宅庭で転んで大腿を骨折して入院,退院直前の今年7月初めに肺炎になって危篤でしたが,持ち直しました。

 父が私が15歳のとき(1965年:昭和40年)4月に46歳で亡くなってるので,92歳は丁度,ダブルスコアです。

 西宮在住の私の姉によれば,認知症も入ってるらしいのですが,できたら近いうちに会いたいです。

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2012年11月12日 (月)

訃報!!桜井センリさん。

 元クレイジーキャッツの桜井センリさんが自宅で亡くなっていたことが11月12日にわかりました。86歳,いわゆる孤独死だそうです。死因は不明。。

 → 産経ニュース 元クレイジーキャッツの桜井センリさん死去 全盛期支える

         

 孤独死といえば有名芸能人では3月の山口美江さん以来でしょうか。。

 山城新吾さんや大原麗子さんもまだ思い浮かびます。。ある時期には華やかな芸能人であったが故に,なおさら侘しい思いがします。。

 誰にも気付かれず突然死することは私にも十分有り得ることで,身につまされる話ですね。

 クレイジーキャッツは昨年谷啓さんも事故で亡くなったし,後は犬塚弘さんだけですか。。。

 クレイジーキャッツはドリフターズやドンキーカルテットへと受け継がれた,コミックバンドの輝かしい先駆けでした。。

 ザ・ピーナッツと競演のシャボン玉ホリデーもなつかしい。

 ご冥福を祈ります。。合掌!!

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2012年11月11日 (日)

相対論的場の量子論(正準定式化)(32)

相対論的場の量子論シリーズの電磁場の量子化の続きです。

 

前回の記事では,

  

Maxwellの電磁場の量子化は,Aμ(x)を演算子Aμ^(x)として扱い,

共役運動量の演算子k^(x)との交換関係を与えることによって

成されます。 

 

と書いたところで終わりましたが,今日はその続きからです。

 

 既に,共役運動量うちで,A0 の共役に対応するπ0が消えること

 から,4元ベクトルの 第 0-成分のみ特別扱いなので,相対論的

 共変性について困難に遭うことが予期されますが,

 

 取り合えず,こうした思惑は無視して,このまま,これまで通りの

 手順に沿った正準定式化を試みます。

 

まず,ゼロとなって消える同時刻交換関係からスタートします。

 

[μ^(,t),ν^(,t)]=0, [πk^(,t),πj^(,t)]=0,

k^(,t),0^(,t)]=0 です。

 

上述した通り,この量子化の手続きは明白な共変性を犠牲にして

スカラー場0^特別視する扱いになっています。

 

 A0^(x)=A0^(x)については,その共役運動量π0^(x)が消える

 ので,それは自由電磁場に関連するあらゆる演算子と交換します。

 

そこで,A0^(x)は演算子ではなく,ただのc-数と考えてもよい

ことになります。

 

そこで,これは場の演算子である空間部分;

^(x)=(A1^(x),A2^(x)3^(x))の成分Ak^(x)とは

相反する存在であることがわかります。

 

,実施しようとしている量子化の方法"明白な"共変性を捨

正準な形式を維持しようとするという意味は正にこの点に

あります。

 

この選択においては,少なくとも出発点のMaxwell理論はLorentz

共変であるという事実から,この手法も本質的には共変的である

という確信に基づいて量子化が成されます。

 

すなわち,今の道筋に沿って進んでいくと,Lorentz不変でもゲージ

不変でもない多くの表現に遭遇することが予想されますが,

 

最終的な物理的な結果の遷移振幅,S行列(散乱行列)要素etc.

は,Lorentz共変,かつ,如何なるゲ―ジ選択にも依存しないこと

を見出せると確信しています。

 

さて,ベクトルポテンシャルAj^(,t)と共役運動量:πi^(,t)

の間の同時刻交換関係:[πi^(,t),j^(,t)]については,

正準量子化の手続きに従えば,次のように書けます。

 

i^(,t),j^(,t)]=-iδijδ3()

=-[Ei^(,t),j^(,t)] です。 

 

しかし,ここで直線的正準定式化の経路から一時それる必要があり

ます。

 

何故なら,この交換関係:

[Ei^(,t),j^(,t)] =iδijδ3()のままでは,

Maxwellの方程式と無矛盾ではないからです。

 

真空中でのGaussの法則:∇E^0 は,時間tによる微分を含んで

おらず,電磁場に課せられた1つの拘束(束縛)条件(constraint)と

見なすことができます。

 

(1,2,3)を3次元空間の基底ベクトルとすると,交換関係:

[Ei^(,t),j^(,t)]=iδijδ3() (i,j=1,2,3)

は,[^(,t),j^(,t)] =iδijδ3()i

=iδ3()j (j=1,2,3)と書けます。

 

この両辺のによる発散(divergence)を取ると,

左辺の発散は,∇^(,t)0 により,

[^(,t),j^(,t)]=0 となりますが,

 

右辺のによる発散は,

i∇δ3()j=i=iiiδ3()j

=∂jδ3()=-∫d3 exp{i()}kj 

となって消えません。

 

ここで最初の矛盾点に遭遇しました。

 

そこで場当たり的ですが,右辺のによる発散をゼロとして

辻褄を合わせるため,

[^(,t),j^(,t)]=iδ3()j (j=1,2,3)

右辺の 3()j を運動量空間で展開した,

i∫d3 exp{i(x-y)}jに,

 

波動ベクトル(波の運動方向を持ち,大きさが||∝ 1/λ;

(λは波長)の空間ベクトル)に比例する項を付け加えて修正を

試みます。 

  

この修正項は,δijを除いて,ここで唯一利用できる2階tensor成分

ijに比例する成分を持つベクトル:kjに比例する必要があり

ます。

 

 i∇∫d3 exp{i()}(kj)

=-∫d3 exp{i()}2j となるため,

 

付加項発散が,i∇δ3()j

=-∫d3 exp{i()}kj 相殺(cancel)すべき,

という要請から,この項は一意的に決まります。

 

結局,

3()j=i∫d3 exp{i(x-y)}jを,

i∫d3 exp{i(x-y)}{j-(kj)/2}

i∫d3 exp{i(x-y)}{δij-(kij)/2}i

に修正すべきである,という結論が得られます。

 

これは,[Ei^(,t),j^(,t)]=iδijδ3()を,

[Ei^(,t),j^(,t)]

=i∫d3 exp{i()}{δij-(kij)/k2}

に修正することに相当します。

  

ここで,ベクトルの平方は2=||2であって.ベクトル量

ではないことを強調するため,k≡||と定義して太字表記

をやめ,分母の2を単にk2とする表記に変えました。 

 

※(注32-1):Remark:このk2||2のk≡||と波動ベクトル

4元ベクトル表現:k=kμ(k0,)のkを混同し,k2=||2

2=kμμ=(k0)22 と混同する危険性が常にあるような

煩雑な記号kの重複定義となりますが,

 

文脈に留意して注意すれば,使い分けははっきりわかると思うので,

これ以後も,敢えて参考テキストの通りのこの表記を通します。

(注32-1終わり)※

 

∫d3 exp{i()}{δij-(kij)/k2}を発散無し

(divergenceless),または,横波(trnsverse)のデルタ関数

(δ-function)と呼び,δtrij()なる表記をすれば,

 

[Ei^(,t),j^(,t)]=iδtrij() (i,j=1,2,3)

と簡単表記になります。

 

i^(,t),j^(,t)]=-[Ei^(,t),j^(,t)]でした

から,これは,i^(,t),j^(,t)]=iδtrij()

(i,j=1,2,3)を意味します。

 

この交換関係から,明らかに,∇^(,t)=0 も要求されることが

わかります。

 

何故なら,i^(,t),j^(,t)]=iδtrij()の右辺の

による発散:y,j trij()がゼロなので,

y,jj^(,t)=0 ないと再び矛盾するからです。

 

(↑※こうした正準交換関係の修正が妥当であるかどうか?は,この

先の理論展開で得られる計算結果が現実の物理現象の観測と矛盾す

るか否かによってわかるはずです。)

 

^が演算子でなく,ただのc-数であることは,^とΦ^=A0^

よる^の定義とGaussの法則からも容易に示されます。

 

すなわち,∇^=-∇Φ^-∂(^)/∂t=0 ですが,Φ^=A0^

はc-数であることが既にわかっているので,^も,

∂(^)/∂t=0 を満たすゼロ振動数成分を除いてc-数です。

 

こうして^の縦部分(longitudinal-part):つまりFourier展開

-空間(運動量空間)において波動ベクトルに平行な部分と,

スカラーポテンシャル:Φ^は,実際の系の運動に関わる力学変数

ではないことがわかりました。

 

※(注32-2):一般にベクトル^は横部分^縦部分//^

 一意的に分解できます。

 

すなわち,^^//^;∇^=0,∇×//^=0

と一意的に分解できます。

 

これは,関数χ=χ(,t)を

χ≡{1/(4π)}∫{∇y^(,t)/||}3 と定義し,

^≡^+∇χ,//^≡-∇χとおけば常に可能であり,

 

さらに,恒等的に∇=0,∇×=0 であるような謂わゆる

全空間で正則な0 に等しいことから,上記分解が一意的

であることもわかるからです。

(注32-2終わり)※

 

そして,∇^とΦ^=A0^はc-数ですが,ゲージを適当に選択

することによって,^もΦ^=A0^も共にゼロであるように

できます。

 

 まず,最初に,

 Aμ'^(,t)=Aμ^(,t)-∂μ0tΦ(,τ)dτなる変換

 を行なうと,スカラーポテンシャル:Φ^=A0^=0^

 が除去されます。

 

すなわち,0'^(,t)=Φ^(,t)-∂00tΦ(,τ)dτ

=Φ^(,t)-Φ(,τ)=0 です。

 

このとき,ゲージ不変なGaussの法則:

'^=-∇Φ'^-∂('^)/∂t=0 は,Φ'^=0 なので,

-∂('^)/∂t=0 を意味します。

 

さらに,縦部分を]除くために,∇~^=∇'+∇2Λとなる

ようなΛ(x)を求めます。

 

このとき,0~^=0'^+∂Λ/∂tです。

 

結局,

Λ(,t)≡{1/(4π)}∫d3(1/||)∇y'^(,t)

なる選択が~^=0 なる結果を与えて,'^の縦部分を

除くことがわかります。

 

これは∇2Λ=-∇'^というPoisson方程式の無数にある解

のうちの1つ:球対称解を1つのゲージとして与えただけです。

 

そして,∂('^)/∂t=0 でしたから, 

∂Λ/∂t={1/(4π)}∫d3(1/||){∂(∇y'^)/∂t}

0 を得ます。

 

したがって,Φ~^=0~^=0'^+∂Λ/∂t

0'=Φ'^=0 となるため,Φ~^はゼロのままです。

 

こうして,Φ^=0^および,^から,2度続けてゲージ変換した

Φ~^=A0~^および,~^を,改めて,それぞれ,Φ^=A0^および,

^に読みかえることにします。

 

Φ^=0, ∇^=0 となるこのゲージは,輻射ゲージ

(radiation gauge),またはCoulombゲ-ジという呼称でよく

知られています。

 

これから後はこのゲージで話を進めていきます。

 

もっとも,このゲージ固定のために当面は明白なLorentz共変性

とゲージ共変性を失なうことになります。

 

しかし,この定式化では,輻射場には,本当の独立な2つの自由度

のみが出現するという利点があります。

 

切りもいいので,今日はここで終わります。

 

(参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell "Relativistic Quantum

Fields" (McGrawHill)

 

PS:貧乏,ヒマありだと,誘惑が少ないので金が不要な作業は,

 はかどりますネ。

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2012年11月 8日 (木)

相対論的場の量子論(正準定式化)(31)

 相対論的場の量子論の続きです。

 

 自由場についての論議は,第2章スカラー場(Bose場;中間子場),

 第3章Dirac場(Fermi場;特に電子場)と続けてきましたが,

 最後に,第4章の電磁場(光子(Photon)の場)に入ります。

 

 その後の第5章からは,自由場でなくこれらの相互作用の項目

 ですが,それはまだ先のことです。

 

 第4章 電磁場の量子化

 (Quantization of the Electromagnetic Field)   

 §4.1 序 (Introduction)

  

 電磁場は古典的にも観測可能な場ですから,それは他の場より

 取り分け,正準化手法で量子化されるのが望ましいと考えます。

 

ところが,以下で見るように,この場を量子化するのは,これまでの

他の場の量子化と比較して最も困難を伴うのは皮肉なことです。

 

実際,こうした電磁場の量子化で最も一般的叙述の1つは,

GuptaとBleuler(グプタとブロイラー)によって展開されました

が,これは,これまで懐かれてきた正で有限の確率という当然の

観念を一部棄てています。

  

しかし,量子化に対する正準的な手続きは可能です。

  

GuptaとBleulerの方法は,1929年Maxwellの電磁場に適用された

最初方法でしたが,それは明らかに共変的ではないという欠点

を有しいました。

  

それから20年後には,現代的な共変的な計算法によって強化され,

このGupta-Bleulerの方法が量子化の共変的手法を与えています。

 

※(参照1):"強化された"Gupta-Bleulerの方法の原論文 

 S.N..Gupta, Proc. Phys. Soc.(London) A63,(1950) pp681–691,

および, K. Bleuler, Helv.Phys.Acta,vol.23(1950) p.567–586 

(参照1終わり※)

 

もっとも,この手法も明確で説得力のある物理的解釈のいくつかを

犠牲にしていますが。。。

 

※(参照2):

補助スカラー場(B場)を導入し,不定計量の理論でdipole-ghost

導入することによって,明確な電磁場の共変的量子化に成功し

た近代的理論については,中西襄著「場の量子論(培風館)」に

基づいて書いた拙ブログの,

  

2009年6/5,6/14,6/18の過去記事: 

電磁場の共変的量子化(1)(中西-Lautrap理論)」,

電磁場の共変的量子化(2)(中西理論:不変デルタ関数),

電磁場の共変的量子化(3)(中西-Lautrap理論)」,

 

および,2009年7/8の記事電磁場の共変的量子化(補遺)

を参照してください。

  

中西先生の上記の書「場の量子論(培風館)」によれば,

最初に補助場Bを導入して正準形式を拡張したのは,

 

親愛なる内山龍雄先生の

R.Utiyama:Prog.Theor.Phys.Supplement.9(1959) pp19-44

である,ということです。

 

そして,その補助場を導入した方程式の形式的取り扱いをした

のは,J.Schwinger:Phys.Rev.vol.139(1963) pp402-405,

  

不定計量の理論としてdipole-ghostの必要性をはじめて論じた

のは,上記の中西襄(のぼる)先生の,

N.Nakanishi:Prog.Theor.Phys.vol.35(1966) pp1111-1116,

  

正準形式の場の量子論として定式化したのは,

B.Lautrap:Mat.Phys.Medd.Dan.Vid.Selek.vol.35(11)(1967) 29pp

である,ということです。

 

後に,非可換ゲージ理論において不定計量のFaddeev-Popov-ghost

や,BRS(T)変換を導入した九後・小嶋(Kugo-Ojima)etc.理論も,

この可換ゲージの共変定式化を引き継いだものと考えられます。

   

(↑九後汰一郎著「ゲージ場の量子論(培風館)」より)

  

(参照2終わり)※

  

さて,以下では本文に入りますが,ここでは,共変的量子化を求め

きた初期からの歴史的経過に従って,論議を進めることにします。

    

Gupta-Bleulerの方法は,多くのテキストで論じられていますが,

中でもSchweber,Jauch-Rohlich,そしてBogoliubov-Shirokovの

書物で論じられています。

 

※(参照3) 上記の,Schweber,Jauch-Rohlich,

そしてBogoliubov-Shirokovの書物とは,

  

Silvin.S.Schweber::

"An Introduction to Relativistic Quantum Field Theory", 

I.M.Jauch F.Rohlich:"The Theory of Photons and Electrons" 

N.N.Bogoliubov and D.V.Shirokov: 

"Introduction to the Theory of Quantized Field"

 

のことです。(参照3終わり※)

   

電磁場の量子化の困難は存在する独立な自由度より多くの変数

を用いることから始まっています。

  

近年では,誰でも電磁場を4元ベクトルの電磁ポテンシャル:

μ=(φ,)で記述しています。

 

しかし,実際に物理的意味を持ち,我々が観測できる量は,

この電磁ポテンシャルAμにより,

μν≡∂Aμ/∂xν-∂Aν/∂xμ=∂νμ-∂μν

で与えられる場の強さ(電場,磁場)です。

 

既に相対論的量子力学における具体的計算の中でも見たように,

場のポテンシャル:μは,相互作用項や遷移振幅の計算式の中に

自然に見られるものです。

 

しかし,Aμの4成分を全てを独立変数として扱うことはできず,

それが理由となって,正準量子化手法は幾つかの困難に遭遇する

わけです。

 

 これらは.正に,Maxwell場の古典的な正準定式化を形成する際に

 直面しなければならなかったのと同じ困難です。

 

こうしたことを述べるもう一つの道は,自由電磁場を平面波で

展開したとき,それら電磁波のベクトルが空間的(space-like)

で横波(transverse wave)のみから成ること:つまり場の分極

(=偏光:polarization)が,波動ベクトル(;波の進行方向)に

垂直な波のみから成ることです。

 

この横波性の条件は,ベクトルポテンシャルAμの方向に対して

制限を与えます。

 

※(注31-1):実際には,真空中で要求される横波性はAμ=(φ,)

 のに対してはなく,場の強さである電場,磁場に対するも

 のです。

 

これは,Maxwellの方程式では,∇=0,かつ,=ρ/ε0です

が,空間の電荷密度ρや電流がゼロの真空中の自由電磁波では,

=0 であることを意味します。

 

のAμ=(Φ,)による一般的表現の=∇×では,

関係なく∇=0 は自動的に満たされています。

 

また,=-∇Φ-∂/∂tでは, 

自由場では∇=0 であることも,必ずしも以下で課す予定の,

"が横波:∇=0 で,かつ,Φ=0 であるべき"という条件:

のRadiation gauge"を必要とせず,

 

2Φ=-∂(∇)/∂t であれば成立します。

 

つまり,電場,磁場が横波であるということは,本質的なこと

ですが,が横波というのは単なる仮定です。

 

(注31-1終わり)※

 

横波性の条件は,ベクトルポテンシャルの2つの横波成分のみを

必要な力学変数と考えて,この2つだけが量子化に値するものと

します。

 

いかえると,与えられた波動ベクトルに対し,それに垂直な2つ

独立な分極ベクトルを選択する不変な方法はなく,これが電磁場

自由度を与えるということです。

 

これが可能なのは,各分極4元ベクトルの時間成分が消えるような

Lorentz系の集合が常に存在するからです。

 

明白なLorentz共変性に関する困難が生じるのは,こうしたことの

ためであると考えられます。

 

しかし,この量子化の詳細が与えられた後には,Lorent共変性は明白

過ぎるくらい明白になるでしょう。

 

以下,具体的に定式化を開始するに当たっては,光子(=自由電磁波)

分極を特別に選択することにより,"明白な"Lorentz共変性は捨て

ることにします。

 

しかし,最初はLorentz共変なMaxwell方程式から話を始めます。

 

そして,様々な困難の煙幕が晴れた後,最終的には,

 

より以前の相対論的量子力学で,電子-電子散乱,電子-陽子散乱,

電子―陽電子の対生成,対消滅eyc.の散乱確率振幅(S行列)の

計算の項で直観的議論に基づいて導出された計算の規則の場の

理論的解釈等に帰ることにします。

 

※(参照4):

上記の計算規則:Feynman-ruleについては,以下の2010年の夏に,

丁度,今の職場に就職した頃の過去記事:散乱の伝播関数の理論

シリーズの(11)~(20)の応用に詳述しています。

 

2010年6/14の (11)(応用1-1)(Coulomb散乱:電子),

6/15の (12)(応用1-2)(Coulomb散乱;陽電子),

6/18の (13)(応用2-1)(電子-陽子散).

6/20の (14)(応用2-2),6/24の (15)(応用2-3),

  

7/24の (16)(応用3-1)(制動輻射:Bremsstrahlung),

7/27の (17)(応用3-2),

7/30の (18)応用4(Compton散乱),/17の (18-2)(応用4-補遺),

 

/27の (19)(応用5)(電子・陽電子対消滅),

9/6の (20)(応用6)(電子-電子散乱,電子-陽電子散乱)

 

を参照してください。

 

これらの,参考テキストは,今,記事末に参考文献として記している

Bjorken-DrellのField(相対論的場の理論)に先立って,読むべき

されている,Mechanics(相対論的量子力学)です。

 

(参照4終わり)※

 

本章の最終場面において,明確に定式化する予定のこうした計算

規則,あらゆるLorentz系において,同一の計算結果に導くこと

がわかります。

    

§4.2 量子化 (Quantization)

 電磁場の強さ:,の成分は以下のような成分を持つ2階の反対称

 テンソルFμν成分で与えられます。

 μν(x)のAμ(x)=(Φ(x),(x))との関係は

 μν=∂νμ-∂μνで与えられます。

 

 すなわち,-∇Φ-∂/∂t,=∇×です。

 

※(注31-2):Fμν=∂νμ-∂μνより,μ=νならFμν=0 です。

 

そして,k≡F0k=∂k0-∂0k=-(∇Φ)k-∂Ak/∂t

です。

 

また,Fij=∂Ai/∂xj-∂Aj/∂xi (i≠j)より,  

k≡(1/2)εijkij=εijkji=εkjiji(∇×)k 

です。

 

(注31-2終わり)※

 

このFμν≡∂νμ-∂μνの定義と,,の関係から,

自動的に,Maxwell方程式の一部:

 ∇×=-∂/∂t,∇=0

 が満足されます。

 

 (↑※むしろ,この2式が自動的に成立するようにΦとを与えて,

 方程式系からこの2式を除き,場を表わす変数を,の6個から,

 Φ,の4個に減らすことを意図して導入されたのです。)

  

(注31-3):∇×=-∇×∇Φ-∇×(∂/∂t)

 =-∂(∇×)/∂t=-∂/∂t,=∇(∇×)=0

 です。

(注31-3終わり)※

 

残る2つのMaxwell方程式:∇=0 ,∇×=∂/∂tは,

∂Fμν/∂xν=∂νμν=0 で与えられます。

 

※(注31-4):∂νμν=0 から,μ=0 のときはk0k=0 を得ます。 

これは∇=∂kk0 を意味します。

 

μ=kのときは,∂0k0+∂ikj=0 より,

ikj=-∂0k0:-∂i(∂ik-∂kj)=∂Ek/∂t

です。

 

ところが,(∇×)k=εklmεmijlij

=(δkiδlj-δkjδli)∂lij

=∂jkj-∂iik=左辺ですから,

(∇×)k=∂Ek/∂t を得ます。

 

こうして,∂νμν=0 から∇=0 ,∇×=∂/∂t

を得ましたが,これらは全て同値変形ですから,

 

逆に,=0 ,∇×=∂/∂tを前提にしても,

νμν0 が得られます。

(注31-4終わり)※

 

 これらは,電磁波源としての電荷(chage)や電流(current)のない

 自由なケースに対応するものです。

 

さらに.あらゆる場の強さの成分は次の方程式を満足します。

 

すなわち,□Fμν(x)=0.または,□(x)=0,□(x)=0

なる方程式です。

 

ただし,□は□≡∂μμ=∂2/∂t2-∇2で定義される

D'Alemdert演算子(D'Alemdertian)です。

 

※(注31-5):{∇×(∇×)}k=εklmεmijlij

 =(δkiδlj-δkjδli)∂lij

 =∂jkj-∂iik=∂k(∇)-∇2k ですが,

 ∇=0 なので,∇×(∇×)=∇(∇)-∇2

  =-∇2 です。

 

そこで.∇×=∂/∂tより,-∇2=∇×(∂/∂t)

=∂(∇×)/∂t が得られます。

 

ところが,∇×=-∂/∂tですから,右辺に代入すると,

∂(∇×)/∂t=-∂2/∂t2 です。

 

故に,□=∂2/∂t2-∇2=0 が得られました。

 

同様に,∇×(∇×)=-∇×(∂/∂t)

=-∂(∇×)/∂t=-∂2/∂t2 であり,

=0 ですから,

 

=∂2/∂t2-∇2=0 が得られます。

 

後述するように,∂2μ/∂t2=∇2μ or □Aμ=0

なる波動方程式は,μに対する特別なゲージを仮定しない限り

成立しませんが,

 

電場,磁場,については こうしたゲージの如何に関係なく

常に,□0,かつ,□=0  or 2/∂t2=∇2E,

かつ,∂2/∂t2=∇2が成立します。

 

つまり,場の電磁ポテンシャル:Aμ(Φ,)はともかく,

場の強さ:,位相速度が1(=光速)の波を示す方程式

を常に満たしているわけです。

 

(注31^5終わり)※

   

さて,Aμに謂わゆるゲージ変換(gauge transformation):

μ → A~μ=Aμ+∂μΛ を実行しても,

 

μν → F~μν=∂νA~μ-∂μA~ν

=∂νμ+∂νμΛ-∂μν-∂μνΛ

=∂νμ-∂μν=Fμν となって,

 

場の強さのAμによる表現:Fμν=∂νμ-∂μνは,

全く不変のままです。

 

ただしΛ(x)はxμで微分可能な任意のxの関数です。

 

ゲージ変換:Aμ → A~μ=Aμ+∂μΛは,電場,磁場を示すFμν,

or ,を,μν=∂νμ-∂μνによって与える4元ベクトル

ポテンシャル:μ(Φ,)の選択におけるゲージ(gauge)の自由

を表現しています。

  

そこで,任意に与えられたFμν(x)に対して,ゲージだけ

異なる無数の電磁ポテンシャルAμ(x)が存在します。

 

次に,場の方程式:∂Fμν/∂xν=∂νμν=0

(∇=0 ,∇×=∂/∂t)を与えるLagrangian密度

導くために,

 

基本的な作用原理:δI=δ∫4x=0 を考察します。

 

そのため,方程式:∂Fμν/∂xν=0 の左辺にt=t1 および,

t=t2で消えるμ(x)の無限小変分:δAμを掛けて,

区間[t1,t2]内部の全時空にわたって積分したものをゼロと

おきます。

 

つまり,∫t1t2dt∫d3{(∂Fμν/∂xν)δAμ}

=∫t1t2dt∫d3[{∂(FμνδAμ)/∂xν}

-Fμνδ(∂Aμ/∂xν)]

=-∫t1t24{Fμνδ(∂Aμ/∂xν)}=0 

とします。

 

ここで,Fμνのμ,νに関する反対称性により,

μν(1/2)(μννμ)ですから,

 

-∫t1t24{Fμνδ(∂Aμ/∂xν)}

=-(1/2)t1t24{Fμνδ(∂Aμ/∂xν)

-Fνμδ(∂Aμ/∂xν)}

 

=-(1/2)t1 t24{Fμνδ(∂νμ-∂μν)}

=-(1/2)t1t24(FμνδFμν)

です。

 

さらに,-(1/2)t1t24(FμνδFμν)

=-(1/4)t1t24x{FμνδFμν+(δFμν)Fμν}

=-(1/4)δ∫t1 t24(Fμνμν)

ですから,

 

結局,-(1/4)δ∫t1 t24(Fμνμν)=0 という

方程式:∂Fμν/∂xν=0 と等価な変分原理を得ます。

 

そこで,これを作用原理:δI=δ∫4x=0 と比較して,

自由Maxwell電磁場に対し合理的なLagrangian密度を,

=-(1/4)μνμνと選択します。

 

=-(1/4)μνμν=-(1/4)μν(∂νμ-∂μν)

=-(1/4)(Fμν-Fνμ)(∂νμ)

=-(1/2)(∂νμ-∂μν)(∂νμ)

(1/2)(22)です。

 

※(注31-6):Fμν=∂νμ-∂μν)は反対称共変テンソルであり,

 反変テンソル:μν=∂νμ-∂μνに対して ,

 Fμν=ημρηνλρλ なる関係にあります。

  

 ただし,ημνはMinkowski時空のmetric(計量テンソル)

 です。

 

 ここではη00=1,η11=η22η33=-1,

  ημν=0 (μ≠ν)なる値を設定しています。

 

 したがって,例えばμ=(Φ,),Aμ=(Φ,-)です。

  

よって,F0k=-F0k=Fk0=-Fk0=-Ek,かつ,

ij=Fij,=(F23,F31,F12)ですから,

 

(1/4)μνμν=-(1/4)(F0k0k+Fk0k0+Fijij)

=-(1/2)(-Ekk+Bkk)=(1/2)(22)

を得ます。

 

(注31-6終わり)※

 

δI=δ∫t1 t24x=∫t1 t24(∂Fμν/∂xν)δAμ}=0

では,ベクトルポテンシャルの4成分Aμ(x),またはAμ(x)

は各々独立な力学的自由度として扱われているため,

 

このからHaniltonの原理に基づいて場の方程式:

∂Fμν/∂xν=∂νμν=0 (∇=0 ,∇×=∂/∂t)

が得られるわけです。

 

実際,の導出手順から明らかなことですが,

 

=-(1/4)μνμνでは∂/∂Aμ=0 より, 

μに対するEuler-Lagrange方程式:

(∂/∂Aμ):-∂ν{∂/∂(∂νμ)}=0 は,

 

-∂ν{∂/∂(∂νμ)}=∂νμν=0 

となって,確かに場の方程式に一致します。

 

そこで,標準的なやり方で,このLagrangian密度から

μの共役運動量を求めます。

 

μ≡∂Aμ/∂t=∂0μと定義すると,

π0≡∂/∂A0=∂/∂(∂00)=0,

 

πk≡∂/∂Ak=∂/∂(∂0k)}

=-(1/4){(∂μν/∂Ak)Fμν+Fμν(∂μν/∂Ak)}

=-(1/2)(∂μν/∂Ak)Fμν

 

=-(1/2)[{∂0k/∂(∂0k)}F0k+{k0/∂(∂0k)}Fk0]

=F0k=∂k0-∂0k=-∂k0-∂0k=Ek

です。

 

後者はベクトル記号では,πです。

 

これから,Hamiltonian密度として,

=Σkπkk

=-Σkπk(∂0k )-

=Σkk(Ek+∂k0)-(1/2)(22)

(1/2)(22)+∇Φ 

を得ます。

 

そこで,場のHamiltonianHは,簡単に,

H=∫3(1/2)∫d3(22)

と表わされます。

 

ここで,の表現で現われる最後の項:∇Φは,Maxwell方程式

=0 より,∇Φ=∇)となるので,Gaussの積分公式,

および,無限遠では場が急激にゼロになるという境界条件から空間

積分への寄与はゼロということで削除しました。

 

Maxwellの電磁場の量子化は,Aμ(x)を演算子Aμ^(x)として

扱い,共役運動量の演算子k^(x)との交換関係を与えること

によって成されます。

 

丁度,問題の部分に差し掛かりましたが,長くなり過ぎたので,

今日のところはこれで終わります。

 

(参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell "Relativistic Quantum Fields" (McGrawHill)

 

PS:本文中に参考書として挙げられているSchweber,

 Jauch-Rohlich,Bogoliubov-Shirokovのうち,

 

 SchweberとJauch-Rohlichについては,Bjorken-Drellの2冊

 (Mechanics,Fields)と共に,今は所蔵しています。

 

 これらの本は,院生になってやっと中古の白黒テレビと中古冷蔵庫

 を手に入れたような,今よりもっと貧乏であった?時代には高値の

 花で,全て大学の図書館にあったものを読んでいました。。

 

 必要であれば,その部分だけをコピーしてもらって読んでました。

 コピーも珍しい時代で高いので研究室の事務官に頼んでました。

 

 Bjorken-Drellの2冊についてはテキストとして必要だったので

 当時は青焼きコピーをファイルして使っていましたが,東京で

 就職,もう学生じゃないのに給料でスグ実物を入手しました。

  

 Schweberは絶版本でしたが,10年ほど前にReprint版が再販されたの

 を入手しました。今は古典ですが。。

  

 1974~1977年:まだ,場の理論の関係の書物は今よりはるかに少なく

 これら以外にはランダウの「相対論的量子力学」くらいしかありま

 せんでした。

  

 イヤ,後,桜井さんやBetheのAdvanced やIntermediate

 のQuantum-Mechanics,そして西島さんの「相対論的量子力学」

 と「Field and particle」もありました。。

    

 何故か1年先輩の富山大出身のHさんが親切で,表紙に彼の署名も

 ある彼所蔵の専門書を何冊か無償で頂きました。

   

 今も「相対論的量子力学1」は頂いたモノしか持っていません。

  

 正社員を辞めてアルバイト生活を続けていた時期のううちの

 一時期には,昔欲しかった専門書類を後先考えず買い集めてい

 ましたが,今はまた貧乏なので,かなりの蔵書が私の胃袋に入

 りました。

     

 Kallen(チェレン)のQEDとかPeskinの場理論,訳本ではヘンリー-

 ティリングやマンドルの「場の量子論」,ボルン-ウォルフの光学

 3冊,最近ではt超弦理論とか。太田さん著のマクスウェル関係の

 書物とか。

 

 ワイルの7冊やアインシュタイン選集3冊も消えました。。

 今はどうしても必要なモノだけまだ数百冊は残っています

 

 切羽つまったときだけ泣く泣く手放していますが,どうしても

 欲しくなって,中には手放した額の10倍以上の値段で買ったり

 したこともあります。縮小再生産ですね。

  

 しかし,本であれば,たとえ絶版本でも今はどこかにあれば検索でき

 るし,お金さえあればまた入手できます。

  

 しかし,他人にとっては二束三文でも私には命の次くらいに大事な

 100冊前後の中には何年もかかって作成したノートは焼けたり紛失

 したりすると2度と復元できません。

  

 例えば先述の九後汰一郎さん著の「ゲージ場の量子論Ⅰ,Ⅱ」

 のノートは,一冊平均200ページで全6冊になっていて6冊目の

 最後の章の演習問題を全て解いた後の余白に,1999年7月12日

 早朝完了と記述してありました。

   

 このノートの1冊目はどこにあるか?探していますが,確か開始

 は1994年だったと記憶しています。

   

 昔から,一回精読主義で,少しでもわからないと次に進めないと

 いうバカな読み方をしているから,読んだコトは忘れないけれど,

 ある意味で他人の後塵ばかりを徘徊しています。

    

 もちろん勉強だけじゃなく研究もしたかったのですが,

 今となっては??? 。。です。

   

 完全には理解してないコトに基づいて次のコトがやれない性格

 (タチ)だったのが,災いしたのでしょうか?

   

 他人より遅くてもかまわない,試験のときのように,その場でスグ

 できなくてもいい,自分が優秀で,他人より先にわかる,できること

 も重要なことでしょう。。

  

 発見・発明は社会に貢献もでき,オマケに金も名誉も入ることが

 多々あるようですが,。。

    

 私は,好奇心を満たし理解することが第一なので,どうしてもわか

 らなけりゃ,我を張らず,もっとよく知ってる頭のいい人(書物,文献)

 がいれば彼に聞けばいいだけです。

 

 (↑※負け犬の遠吠え,負け惜しみ??。。)

  

 一円の得ににもならなくても,タダタダ自己満足のマスターベー

 ションですね。。

 ※人間高々100年。種族保存の世代と世代のツナギのヒマつぶし。

 (↑言い過ぎか?)

 

  いずれにしろ,もう歳も歳で後がないので,精読目的じゃなく

  ときどき参考書として開く程度の書物なら,本当はずっと持っ

  ていたくても,棺桶まで持っていけるわけじゃないし,

  私のお腹に収まった方がいいかも。。

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2012年11月 5日 (月)

久しぶりの独りよがりの雑感。。

 唐突ですが,「向こう三軒両隣り」,「渡る世間に鬼はない」という社会の存在は,かなり過去のことで,今や,「人を見たらドロボーと思え」,「敷居跨げば敵ばかり」という殺伐な時代が,もう,かなり前から身のまわりで進行し実現していると見えます。

 ISO(環境保護)や情報非公開(個人情報保護)の原則,,そして節約・倹約文化を目指し,都会で横行しがちな社会悪や行き過ぎた浪費などから個人を保護し,コントロールする。

 決して,悪くはないですが。。。そうしたものが必要であるほど,社会が殺伐で生活に常に危険が伴なっているわけです。

 まあ,仕方ないです。「衣食足りて礼節を知る」ですから。。

 自分も含め(←オコガマシイかな?),衣食が足りない人が他人の懐を当てにするのは,ある意味当然のことです。,

 バブル時代には,他国には飢えたる民がいても,日本では多くの人が中流意識を持ち,一応衣食が足りてると感じていたわけですから.。。

 そうして,悪く言えば,「ヨソの国の人々のことなど知らない。自分さえよければいい。。」と思っていたと取れるワケですから,

 そこに,ノスタルジー(郷愁)を感じるのが間違いなのかも知れませんが。。

 しかし,「物言えばクチビル寒し」って,諜報員,スパイの世界じゃあるまいし,本当は他人に聞かれて困るコトなどシャベっていないと自分では思っていても,そうした何でもない瑣末な情報さえ利用されて被害を蒙る,または関係者に被害を与える危険性があるのは否定できませんからネ。。

 私が,1977年から1990年の27歳から40歳までの最初の正社員時代には,毎年年末の12月頃には社員の新しい住所や氏名,電話番号入りの社員名簿が会社から,更新,配布されていました。

 もちろん,当時でもそれらは社内情報であって社外秘ではありましたが,,一応.まだ社員同士で年賀状を出す習慣があって,相手の住所がわからないと困るという事情からですが,今は社内であっても個人情報ですから,そうしたことはしてないでしょう。

 親しかるべき保育園や幼稚園,そして,小学校etc.の父母会でさえ,相手の住所も不明なのは行き過ぎのような気がします。

 まあ,ごく親しい間だけのクチコミでいいのかも知れないですが。。

 そうした緩い社会のシキタリはバブル時代などで生活にゆとりがあった社会のせいだと言いましたが,今ほど便利で裕福でもない江戸時代の長屋での「向こう三軒両隣り」でも,今よりもっと温かみのある人間関係あったような。。,

 その時代にいたわけでないので,伝聞や時代劇,古典落語などからの想像でしかないですが,,木と紙でできていて戸締りをしても壁の仕切りを壊せば簡単に隣りに進入できるような破れ長屋ですから。。

 どうも隣りに住む熊さんや八っつぁんの様子がオカシイと壁に聞き耳を立てて隣人の心配をするような人情的関係。。のあった?時代と比較して,

 昨今の日本のウサギ小屋では,隣人との騒音や子供,犬猫などのトラブルが原因で殺し合いが起こったり。。

(※そもそも隣人の騒音等に腹が立ったりするのは隣人との付き合いが全くないせいでしょう。

 もしも,親しければ,むしろ騒音にも愛しみを感じ,常に存在するバックグラウンドの当たり前の日常の生活騒音は,そのうち脳が存在しても存在しないのと同じように消してしまうものです。)

 現在の都会のギスギスした隙あらばという人間関係は.必ずしも飽食バブル文化が終焉して,明日は我が身が餓えて死を迎えるのでは?という危機感・不安感の満ちた社会のためばかりとはいえないような気もしますが。。

 実際,不景気で先行きの保障のない気分が,人の心を荒ませているのは事実でしょう。。

(※北欧などとは異なり日本では老後が保障されてないので貯蓄の必要があり,その結果,消費,内需が冷えています。

 もっとも北欧の消費税等税金の高い福祉文化は,いずれも国の人口が1千万人以下で東京都の人口にも満たない国のお話ですから1億2千万人もいる日本が単純にマネようとしても難しいでしょう。

 デンマーク,ベネルクス3国などを除けば国の広さも日本よりはるかに広いですし,こういうのは単純な相似でなく人口や国の面積の規模にも依存するのでは?と思っています。

 国全体が東京都とか大阪府だけで閉じているようなら,スグにでも模倣して実行可能な体制かも知れませんがネ。。

 まして人口が桁違いの中国やインドなどは,まあ,大きなお世話でしょうが,日本よりもなおさら北欧モデルは難しいと思ってしまいます。(←余談))

 他人を疑い,ちょっとした冗談もセクハラ,パワハラ,差別。。と非難されたり,会社での私用電話や社内の備品等のチョットした借用も業務上横領?とチェックされる等々。。

 イヤ,日本的終身雇用の時代,かつて女子社員がお茶を入れてくれた時代を懐かしんではイケナイのかも知れませんが。。。

 それほど,細かいことに殺伐としていなかった時代には,西岸良平の「三丁目の夕日」を思わせる暖かさを感じていました。。。

PS:上に思いつきをサッと書き殴り,イザ,文章の校正・編集をしようと思った矢先23時頃に携帯電話が鳴り,客がいないスナックの酔っ払いのマスターから30分以上もの長電話。。

 付き合う方も付き合う方ですが,お互いヒマ人ですからネ。。

 電話が切れても,ツイ校正編集作業をしていたのを忘れたほどでした。。

 イヤ誤字・脱字のオンパレードに,「て,に,を,は」のミスだらけ。。

PS2:ヒマに飽かせて,1992年の第2回日本数学オリンピック本選の問題を

 解いてみました。(※「日本数学オリンピック問題(1990~1999:PDF)」より)

 

 1 xとyは互いに素な正整数でxy≠1とし,nは正の偶数とする。

 このとき,,x+yは,xn+ynの約数ではないことを証明せよ。

  

 という問題です。

  

 (※私の解答):a≡x/yとおくと,,x+y=y(a+1)であり,

 xn+yn=yn(an+1)です。

   

 f(a)≡an1とおき,これをa+1で割り算したときの商をg(a),余りをb

 とすると,f(a)≡(a+1)g(a)+bです。

 

 もちろん,g(a)はa≡x/yの(n-1)次多項式です。

 すると,nが偶数なので,因数定理から,f(-1)=2=bです。

   

 そこで,f(a)≡(a+1)g(a)+2ですから,

 xn+yn=yn(an+1)=yn f(a)

 =(a+1)yn g(a)+2yn=(x+y)yn-1g(a)+2yn です。

  

  g(a)はa≡x/yの(n-1)次多項式なのでyn-1g(a)はx,yの多項式です。

 

 xとyは互いに素な正整数なので,x+yとyも互いに素ですから 

 2がx+yで割り切れない限り,2ynはX+yでは割り切れません。

  

 そして,2がx+yで割り切れるのはx+y=2のときだけ,つまり,x=y=1

 のときだけですが,仮定によりxy≠1なのでx=y=1は有り得ません。

 

 したがってxn+ynはx+yで割り切れないことが証明されました。  

 (以上です。)※

 PS2のPS:この問題について,Bさんが苦労してコメントしているよう

 ですが,基本的に整数で割り切れるかどうか?の問題ををワザワザ

 分数の問題にすることは,ほとんど無意味でメリットはないです。

 (分数×整数)という意味なら,,整数は必ず整数で割り切れますからネ。

  

 私が分数因子の形にしたのは,因数定理を使って,

 xn+yn=(x+y)g(x,,y)+2yn (g(x,,y)はx,yの多項式) という形に

 に表わせることを示すためであり,それ以後は分数因子を考えて

 はいません。

 ただし,答えは一通りではなく,いくつもあると思うので,この種の頭の体操

 問題についてのコメントにレスポンスを求められても,恐らく返しません。

   

 なお,記事題名の「独りよがり」の語源は「独りでヨガる」ことです。

 

 これは蛇足でしたね。

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2012年11月 1日 (木)

相対論的場の量子論(正準定式化)(30)

 相対論的場の量子論の続きです。 

 

§3.6 Feynman伝播関数(The Feynman Propagator)

 

Dirac場の論議を完結するに当たり,陽電子(Positron)の理論に相応

しい1粒子のGreen関数であるFeynman伝播関数(propagator)を構成

することを考えます。

 

時空点(事象)x=(,t)で1つの電子を生成する状態成分が,

Ψ(x)≡ψα^(x)|0 >(α=1,2,3,4)で与えられるとき,

 

この電子がt’>tの時空点x'=(',t')で消滅する振幅の

のspinor-βα成分は,

0|ψβ^(x')ψα^(x)|0 >θ(t'-t)

で与えられる,と考えられます。

 

もしもt'<tならθ(t'-t)=0 なので,この振幅は謂わゆる

遅延Green関数(retarded Green's function)であり,この電子が

過去に向かう先進波(advanced wave)の振幅はゼロです。

 

しかしながら,2010年5/24の過去記事

散乱の伝播関数の理論(7)(Bjorken-Drell-2)」の直観的議論

よれば,電子のFeynman伝播関数はt'<tの過去に対しても

ゼロに消えることなく,

 

 電子の先進波の振幅は点x'=(',t')で生成されて,そこ

から未来の時刻tに向かって点x=(,t)まで伝播し,そこで

消滅される陽電子の伝播を記述する,と解釈されました。

 

Klein-Gordon場の伝播関数のケースにおけるのと同様,これは,

< 0|ψβ^(x')ψα^(x)|0 >θ(t'-t)の演算子の順序を

交代させることで完遂されます。

 

すなわち,1つの正エネルギー陽電子が点x'=(',t')で生成され,

x=(,t)で消滅される振幅の成分は,

< 0|ψα^(x)ψβ^(x')|0 >θ(t-t')となります。

 

0|ψβ^(x')ψα^(x)|0 >θ(t'-t)と,

0|ψα^(x)ψβ^(x')|0 >θ(t-t')は共に,電荷(charge)

xで1単位(e<0)だけ増加させ,x'で1単位だけ減少させる振幅

です。

 

これらの差がGreen関数を形成します。

 

{iSF(x'-x)γ0}βα

≡< 0|ψβ^(x')ψα^(x)|0 >θ(t'-t)

-< 0|ψα^(x)ψβ^(x')|0 >θ(t-t'),あるいは,

 

{SF(x'-x)γ0}βα

≡-i< 0|ψβ^(x')ψα^(x)|0 >θ(t'-t)

i< 0|ψα^(x)ψβ^(x')|0 >θ(t-t') です。

 

煩わしさを避けるため,x → y,x' → xと変数を置換すると,

t → y0,t' → x0 となり,

 

{iSF(x-y)γ0}βα

≡< 0|ψβ^(x)ψα^(y)|0 >θ(x0-y0)

-< 0|ψα^(y)ψβ^(x)|0 >θ(y0-x0),あるいは,

 

{SF(x-y)γ0}βα

≡-i< 0|ψβ^(x)ψα^(y)|0 >θ(x0-y0)

i< 0 |ψα^(y)ψβ^(x)|0 >θ(y0-x0) です。

 

ところが,場ψ^(x)はDirac方程式:(iγμμ+m)ψ^(x)=0

を満たすので,(iγμμ+m)λβ 0|ψβ^(x)ψα^(y)0 >=0,

かつ,(iγμμ+m)λβ0|ψα^(y)ψβ^(x)|0 >0 です。

 

よって,(iγμμ+m)λβ{SF(x-y)γ0}βα

=γ0λβ 0|ψβ^(x)ψα^(y)|0 >δ(x0-y0)

+γ0λβ 0|ψα^(y)ψα^(x)|0 >δ(y0-x0)

=γ0λβ 0|{ψβ^(x)ψα^(y)}|0 >δ(x0-y0)

となります。

 

右辺の因子:δ(x0-y0)が消えないのはx0-y0=0,

つまりx0=y0の同時刻のときだけであり,このとき,

β^(x) ψα^(y)}=δ3()ですから,結局,

 

(iγμμ+m)λβ{SF(x-y)γ0}βα=γ0λαδ4(x-y)

なる式を得ます。

 

これは,(iγμμ+m)F(x-y)γ0=γ0δ4(x-y),あるいは,

これの両辺の右からγ0を掛けて0)2=1 により,

(iγμμ+m)F(x-y)=δ4(x-y)

を意味します。

 

(↑※つまり,Green関数の定義式に一致します。)

  

このSF(x-y)は,2010年5/24の記事

散乱の伝播関数の理論(7)(Bjorken-Drell-2)

で用いられた自由電子のFeynman伝播関数と同一のものです。

 

そして,この自由伝播関数は,以前の2010年6/7の記事

散乱の伝播関数の理論(9)」で与えられたのと同じく

 

F(x-y)

=-iθ(x0-y0)∫d3Σr=12ψp(r)(x)ψp(r)~(y)

+iθ(y0-x0)∫d3Σr=34ψp(r)(x)ψp(r)~(y)

 

なる形を取っています。

(注30-1):これの証明です。

0|ψβ^(x)ψλ^(y)|0 >γ0λα

=< 0|ψβ^(x)ψ~α^(y)|0 >

Σ±s±s'∫∫d3'd3(2π)-3{m2/(E')}1/2

β(p,s)u~α(p',s') exp{-i(px-p'y)}

0|^(p,s)b^(p',s')|0 >

 

Σ±s∫d3(2π)-3(m/E)uβ(p,s)u~α(p,s)

exp{-ip(x-y)}です。

 

同様に,< 0|ψλ^(y)|ψβ^(x)|0 >γ0βα

=< 0|ψ~α^(y)ψβ^(x))|0 >

Σ±s∫d3(2π)-3(m/E)v~α(p,s)vβ(p,s)

exp{-ip(y-x)} です。

 

これから,

F(x-y)βα

=-i< 0|ψβ^(x)ψ~α^(y)|0 >θ(x0-y0)

i< 0 |ψ~α^(y)ψβ^(x)|0 >θ(y0-x0)

=-iθ(x0-y0)∫d3Σ±s(2π)-3(m/E)

β(p,s)u~α(p,s) exp{-ip(x-y)}

 

iθ(y0-x0)∫d3Σ±s(2π)-3(m/E)

となり,これは確かに求める形に一致しています。

 

(注30-1終わり)※

 

場の理論の定式化においては,負エネルギー電子の空孔理論を用

いた直観的解釈に頼ることなく,正エネルギーの電子と正エネル

ギーの陽電子が常に時間の前方(=未来)にのみ伝播すると考えて

違和感なくFeynman伝播関数に到達します。

 

{SF(x-y)γ0}βα

≡-i< 0|ψβ^(x)ψα^(y)|0 >θ(x0-y0)

i< 0 |ψα^(y)ψβ^(x)|0 >θ(y0-x0) においては,

電子と陽電子は全く対称的に出現しています。

 

そして,2つの項の間の相対的なマイナス符号は,次の変形で

左から謂わゆるDirac作用素(微分演算子)を作用させたとき,

反交換関係が出現すべきという必要性に示唆されたものです。

 

散乱の伝播関数の理論(7)(Bjorken-Drell-2)」で展開された

 陽電子理論においては,時間的前方(=未来)には正エネルギー

 電子として動き,時間的後方(=過去)には負エネルギー電子と

 して動く電荷を持った粒子の経路をたどりました。

 

      図6.5:陽電子理論での時空diagramの例

 

 一方,時間的前方(=未来)に運動する正エネルギー陽電子と,

 時間的後方(=過去)に向かって運動する負エネルギー電子を

 同一視する解釈が既に,

 「Diracの空孔理論(1)(丁度去年の今頃:2011年11/29の記事)

 においてなされていました。

 

 {SF(x-y)γ0}βα

 ≡-i< 0|ψβ^(x)ψα^(y)|0 >θ(x0-y0)

 i< 0 |ψα^(y)ψβ^(x)|0 >θ(y0-x0)

 

 で定義される伝播関数:SF(x-y),これら以前の伝播関数の

 考察で見たように場の理論の具体的計算において中心的役割を

 果たします。

 

 これは,Klein-Gordon場の伝播関数の項目において導入した

 T積(時間順序積:Time-orderd product)を用いれば簡潔

 表現できます。

 

 今の場合,2つの項の間の相対的なマイナス符号と調和させるため,

 基本反交換関係で量子化される場の対の順序交換の各々に対しては

 T記号が(-)符号を伴うように定義を修正します。

 

2つのFermi-Dirac場:a^(x),b^(y)に対しては,T積を,

(a^(x)b^(y))

≡a^(x)b^(y)θ(x0-y0)-b^(y)a^(x)θ(y0-x0)

=-T(b^(y)a^(x)) で定義するわけです。

 

こうすれば,先の自由電子のFeynman伝播関数:SF(x-y)は,

F(x-y)βα=-i< 0|T(ψβ^(y)ψ~α^(y))|0 >,または,

iSF(x-y)βα=< 0|T(ψβ^(y)ψ~α^(y))|0 >

と表現できます。

 

少し短かいですが,自由Dirac場の量子化については一応これで

終わりで,次は次節の電磁場の量子化の項目に入るので,今日は

ここで終わります。 

 

(参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell "Relativistic Quantum Fields" (McGrawHill)

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