« 訃報!大鵬幸喜親方 | トップページ | 63歳の誕生日直前で就職(転職?)決まりました。 »

2013年1月20日 (日)

強い相互作用(湯川相互作用)(11)

 「強い相互作用(湯川相互作用)」のπ-N散乱の続きです。

 

 余談ですが,この原稿も夢中で書いてると意外に長くなりました。

 

このところ,寒さのせいか有名人の訃報続きで,半分義務的に訃報

記事をアップする必要もあり,また,今日は日曜日ですが昼前には

出勤する必要があって,朝7時前の起床から今(午前11時過ぎ)ま

まだ,朝飯もトイレも保留中です。

  

まあ,個人の趣味なので自業自得で仕方ないのですが忙しい。。

 

さて,本文に入ります。

 

π-N散乱の最低次の散乱振幅は,

fi(2π)-6{M2/(4Ep1p2ωq1ωq2)}1/2

(2π)4δ4(q2+p2-q1-p1) :

 

(-ig0)2χ2u~(p2,s2)

[τφ25i{γ(p1+q1)-M}15τφ1

τφ15i{γ(p1-q2)-M}-15τφ2]u(p1,s11

であり,

 

これの|1|,|2|,|1|,|2|<<M, μ のときの

重心系での非相対論的近似がu(p,s)≡(u(),u())

とおいて,

 

(-ig02/M)[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)] 

{ig02/(4M2ω)}u(22(2)[(τφ2)(τφ1)

(σq2)(σq1)-(τφ1)(τφ2)(σq1)(σq2)]u(11 

と書けること,

 

そして,この近似式の右辺第1項:

(-ig02/M)[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)]

の,散乱振幅Sfiへの寄与が,

 

ポテンシャル:()≡{g02/(2μM)}δ3()

=6f2M{4π/(3μ3)}δ3();πNによるπ中間子の

ポテンシャル散乱の最低次の近似であるBorn近似に一致する

こと,を見ました。

 

前のN-N散乱の項目において,無次元化された結合定数の平方:

2{g02/(4π)}{μ/(2M)}2の値が0.08程度と評価されました。

 

今のπ-N散乱でも,この評価値が成立すると仮定すれば, 

このf2 0.08は,πのV()によるポテンシャル散乱

の摂動論においては,S波の散乱の長さとして, 

(4M2/μ)/μ ~ 2/μ ~ 2.8×10-13cm

という大きな値を与えます。

 

※(注11-1):π-N散乱をπ中間子が,

()=6f2M{4π/(3μ3)}δ3()=(8πf2M/μ33()

なる中心力ポテンシャルによって散乱される1粒子量子力学

のポテンシャル散乱現象と考えると,

 

散乱振幅:f(θ)は,Born近似で,

(θ)=-4π2μ<2|V()|1

と書けます。

 

すなわち,2007年8/21の記事「S行列とレッジェ理論(1)

で書いたように,

 

散乱状態の境界条件:

r→∞でΨ() ~ exp(ikr)+f(θ) exp(i')/r

(θは'のなす角)を満たす,

Helmholtzの方程式:(∇2+k2)Ψ()=U()Ψ()の解

波動関数Ψ()について,

散乱振幅:f(θ)をf(,')と表わすとき,

 

(∇2+k2)Ψ()=U()Ψ()の両辺に (∇2+k2)-1を掛けた

積分方程式から,iterationによって摂動級数を作った第1項

の最低次の近似であるBorn近似は,

 

4πf(,') ~ <'|U|

=∫d3exp(-i')U()exp(ikr)

 

で与えられます。

 

ところが,(∇2+k2)Ψ()=U()Ψ()は,

Schroedinder方程式:[2/(2μ)+k2/(2μ)]Ψ()

=V()Ψ()の両辺に2μを掛けて得られた方程式

であり,U()≡2μV() です。

 

それ故,f(θ)=f(,')

~ -(1/4π)<'|U|

=-(1/4π)∫d3exp(-i')U()exp(ikr)

=-(μ/2π)∫d3exp{i(')}V() です。

 

そこで,状態:|>の座標表示<|>を,上記の

4πf(,')~ <'|U|(μ/2π)∫'|V|

におけるexp(ikr)でなくて,通常の規格化である

(2π)-3/2exp(ikr)で表現すると,

 

(θ) ~ -(μ/2π)(2π)3'|V()|

=4π2μ<'|V()|> となります。

 

そこで,今の場合はf(θ)=-4π2μ<2|V()|1

=-(μ/2π)∫d3exp{i(12)}V()

=-(μ/2π)∫d3exp{i(12)}(8πf2M/μ23()

=-4f2M/μ2 と書けます。

 

一般に,f(θ)=Σl=0(2l+1)al(q)Pl(cosθ)

(1/q)Σl=0(2l+1)exp(iδl)sinδll(cosθ)

と展開して,al(q)≡exp(iδl)sinδl/qを部分波振幅

と呼びます。

 

こうした部分波展開や位相のずれ(Phase-shift):δl等については,

2007年8/23の過去記事「S行列とレッジェ理論(2)」を参照して

ください。

 

上記のBorn近似のf(θ) ~ -4f2M/μ2は角度θに無関係なので,

l=0 のS波のみに寄与するものと考えられます。

 

したがって,-4f2M/μ2=(1/q)exp(iδ0)sinδ0=a0(q)

を得ます。

 

S波の散乱の長さ:aは,qがゼロの低エネルギーの極限での

位相のずれ0がqaなること:

a≡-lim q→0 (sinδ0/q)で定義されるので,

今のπ-N散乱での散乱の長さは,

a­­=a0(k)=4f2M/μ です。

 , 

これは,低エネルギーの極限:波数がq ~1/λ ~ 0 では,

exp(ikr)+f(θ)exp(i')/r~ exp(ikr)+(a/r)

となって,

 

散乱の有効レンジがaであること:

つまり,ポテンシャルVが示す力の及ぶ範囲がr≦aである

こと:力の到達距離がa程度であることを示唆するものです。

 

そして,このaの値を次元解析によって,自然単位から実際の

長さの単位に戻すと,a=4f2Mchc/μ です。

 

そこで,M ~ 940 MeV,μ ~ 140 MeV,f2 ~ 0.08,

c≡h/(2π)=6.6×10-22 MeV・sec,c=3.0×1010cm/ sec

を代入して試算すると,a ~ 2.9×10-13cm を得ます。

 

テキストの a ~ 2.8×10-13cmとは,ほんの僅かだけ値が違い

ますが,これは力の到達距離の大体のオーダーの計算であり,

気にする程のことはないでしょう。

(注11-1終わり)※

 

ポテンシャル:V()=6f2M{4π/(3μ3)}δ3()

=(8πf2M/μ33() によれば,

 

相互作用は斥力でありDiracのデルタ関数から非相対論近似

では,そのレンジ(到達距離)がゼロという短距離斥力ですから,

現実には,これは非常に小さい効果を示すのみです。 

 

これを図10.9に示しますが,これに描かれている強い短距離

の斥力ポテンシャルは,オーダーがδ ~ qa の位相のずれ

を生ぜしめます。

 

  

 先に記述したように,aは散乱長でポテンシャルのレンジ

(到達距離)を表わすものです。

 

核子Nの反跳補正から,a~ 1/Mであり,低エネルギーのS波

π-N散乱の寄与は小さいことが予想されます。

 

※(追加補足):↑ここは,後で説明不足と感じたので補足します。

 

最も簡単な評価法として,先のN-N散乱では,核子間に働く核力の

レンジは仲介するπ中間子の質量μによって,~ 1/μ(=hc/(μc))

と評価されることを見ました。

 

今の場合のπN散乱では仲介するのは,πでなく核子なので,レンジ

(or 最も効くS波の散乱長)は ~ 1/M(=hc/(Mc))と評価される

わけです。

 

これは核子の質量が∞で原点に静止していると見るポテンシャル

散乱近似では,実際には質量がMの核子がπの衝突を受けて反動

を受ける反跳効果という描像で理解されます。

 

(補足終わり)※

 

これは不当なBorn近似を適用して得られた大きな振幅 ~1/μ

に相反するもので,実際にはa~ 1/Mなることが実験事実から

見出されています。

 

※(注11-2):S行列の理論によれば,

運動量以外の量子数をζ,ζ'とすれば,遷移不変性から,

 

,ζ> → |',ζ'>のS行列要素は

',ζ'|S^|,ζ>

=<',ζ'|1+iδ4(P'-P)R^|,ζ>

なる形に書けることがわかっています。 

 

それ故,運動量1,2を持つ2粒子が衝突して,

それぞれ,運動量1',2'を持つ状態に散乱されるときの

微分断面積:dσ/dΩに対応する散乱の総断面積σをσsc

と書けば,

 

σsc=V/(vT)Σζ'∫d31'd32'

δ4(P'-P)|<1',2',ζ'|R^|1,2,ζ>|2 

となります。

 

ただし,Pμ=p1μ+p2μ,Pμ'=p1μ'+p2μ'であり,

vは衝突する2粒子の相対速度の大きさです。

 

ここで,衝突の前後で,1/2+,2/2-,

および,1'='/2+',2'='/2-'とおけば,

31'd32'=d3'd3'です。

 

こう書けば,,'は総運動量,,'は重心系での相対運動量

を表わします。

 

計算の慣例により,V=(2π)3,T=2πとすれば,

 

σsc{(2π)2/v}Σζ'∫d3'δ(W'-W)

|<,',ζ'|R^|,,ζ>|2 

{(2π)2/v}Σζ'∫p'2dp'(dp'/dW')dΩ'

|<,',ζ'|R^|,,ζ>|2W=-W' 

と書けます。

 

故に,v'≡dW/dpと定義すれば,

dσsc/dΩ={(2π)2/v}(p2/v')

|<,',ζ'|R^|,,ζ>|2W=-W'

(p/p')

|2π(p'/v')1/2,',ζ'|R^|,,ζ>(p/v)1/2|2W=-W'

となります。 

 

そこで,<,',ζ'|f^|,,ζ>

2π(p'/v')1/2,',ζ'|R^|,,ζ>(p/v)1/2

とおけば.

 

dσsc/dΩ=(p/p')|<,',ζ'|f^|,,ζ>|2

となります。

 

ところで, 今のπ-N散乱のケースでは,重心系:'=0

であり.1,'=2でζ=(1,φ1),ζ'=(2,φ2)

ですから,

 

,',ζ'|R^|,,ζ>

=<0,2,2,φ2|R^|0,1,1,φ1> です。

 

そして,上で見たように,散乱振幅は,

fi(2π)-6{M/(2μ)}(2π)4δ4(q2+p2-q1-p1)

で与えられ,

 

不変振幅:は,低エネルギーでは、

 

(-ig02/M)[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)]

{ig02/(4M2ω)}u(22(2)

×[(τφ2)(τφ1)(σq2)(σq1)

-(τφ1)(τφ2)(σq1)(σq2)]u(11

 

と書けます。

 

右辺の第1項のS波のみの散乱振幅は,ポテンシャル:

()={g02/(2μM)}δ3()による散乱のBorn近似に

一致して,

 

(2π)4δ4(q2+p2-q1-p1)(2π)-6{-ig02/(2μM)

[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)]

(2π)4δ4(q2+p2-q1-p1)(2π)-6

{-ig02/(2μM)}<2,φ2|1,φ1 

 

で与えられることを見ました。

 

これを,同じS行列要素の表現:

',ζ'|S^|,ζ>

=<',ζ'|1+iδ4(P'-P)R^|,ζ>

における,<',ζ'|iδ4(P'-P)R^|,ζ>

4(q2+p2-q1-p1)<0,2,2,φ2|0,1,1,φ1

と比較して,両者を等置すると,

 

0,2,2,φ2|R^|0,1,1,φ1

(2π)-2{-g02/(2μM)}<2,φ2|1,φ1を得ます。

 

それ故,W'= W=P0 ~ p10=E ~ M,かつ,

10=q20=ω ~ μの低エネルギーの場合のS波のみ

散乱振幅は,

 

0,2,2,φ2|f^|0,1,1,φ1

2π(p/v)1/2(p'/v')1/20,2,2,φ2|R^|0,1,1,φ1

2π(p/v)1/2(2π)-2(p'/v')1/2

{-g02/(2μM)}<2,φ2|s1,φ1

 

と表現されます。 

 

そして,p=p'=|1|,v=|1/μ-1/M| ~ |1|/μ,

であり,また,W=p10+q10=(M212)1/2+(μ212)1/2より,

v'=dW/d|1| ~|1|/M+|1|/μ なので,さらに,

 

0,2,2,φ2|f^|0,1,1,φ1

(2π)-1μ{-g02/(2μM)}<2,φ2|s1,φ1

となり,

 

結局, 

0,2|f^|0,1> ~ -g02/(4πM)=(1/q)exp(iδ0)sinδ0

を得ます。

 

したがって,a=g02/(4πM)=4Mf22となって,a~ 1/μ

という,前のN-N散乱と全く同じ結果を得ます。

 

これは,非相対論やポテンシャル散乱近似の限界でしょう。。

  

(注11-2終わり)※

 

さて,不変振幅の第1項はS波の散乱項でしたが,

 

第2項の,{ig02/(4M2ω)}u(22(2)

×[(τφ2)(τφ1)(σq2)(σq1)

-(τφ1)(τφ2)(σq1)(σq2)]u(11

  

は,12のなす角θの余弦cosθに比例しますから,

明らかにl=1 のP波の散乱項です。

 

この形は,2次の非相対論的摂動論を適用して得られるものとして

認識できます。

 

 

 すなわち,入射する始状態π中間子の吸収と終状態π中間子の放出

 の間には,正エネルギー状態のみで伝播する非相対論的なspin 1/2

 粒子が存在するとして扱うなら,

 

=-ig02χ2u~(p2,s2)[(τφ2)(τφ1)(γq1)

(2p11+μ2)-1(τφ1)(τφ2)(-γq2)(-2p12+μ2)-1]

u(p1,s11 において,

 

u~(p',s')γ5u(p,s)

~ u(s')σ(')u(s)/(2M)

なる近似が有効となって,相互作用頂点を

0(σ∇)(τφ)/2M)という形の因子の効果

に帰着させることができます。

 

 さらに,因子(1/ω)は,この近似での分母のエネルギーに由来

 しており,(+)符号は10.8(a)図に,(-)符号は10.8(b)図に

 対応して出現します。

 

 それに反して,第1項のS波散乱項は,中間状態において,

 負エネルギーの海の内外への遷移に由来しています。

 

このケースではv5u ~ -1 です。

 

つまり,低い核子運動量に対しては,

(p,s)=(u(),u())

(u(),(σp)u()/(2M)),

 

(p,s)=(v(),v())

(v(),(σp)v()/(2M))

であって,

 

(p,s) ~ (v(),(σp)v()/(2M))

ですから,

 

~(p2,s25u(p1,s1)=v(p2,s20γ5u(p1,s1)

 ~ (v(2),(σp)v(2)/(2M))γ0γ5

    t(u(1),(σp)u(1)/(2M))

 ~ -v(s2)u(s1) ~ -1 であるからです。

 

 したがって,分母のエネルギーによる因子は-1/(2M)となります。

 

※(注11-3):H^=g0(σ∇)(τφ)/2M)とおけば,これには

 場の量子論はπ中間子を消滅させる演算子の役割をするφ因子

 があるの,最低次のπN散乱でのT行列要素2次のそれです。

 ただし,T行列とはS^=1+iT^のTを意味します。

 

反応時間が-∞から∞まであると考えると,

非相対論的摂動論から,散乱振幅への寄与は,

(-i)2πδ(Ef-Eim{Hfmmi/(Ei-Em)}ですが,

 

さらに空間積分を実行すると,(2π)-6(-i)(2π)4δ(Pf-Pi)

なる因子をくくり出すことができます。

 

そして,π-N散乱の中間状態:mとしては,図10.8の(a)と(b)

の2つのケースがあります。

 

 (a)のグラフでの(σ∇)の寄与は,

 Hfmにおいては,-iσ(1m)=-iσq2,

 miにおいては,-iσ(mi)=-iσq1

 です。

  

 また,

 Ei=ω+(M2i2)1/2,Em={M2+(i1)2}1/2=M(重心系)

 なので,今の静的近似では,Ei-Em ~ ωです。

 

 一方,(b)のグラフでの(σ∇)の寄与は,Hfmで-iσq1,

 Hmiで-iσq2であり,i=ω+(M2i2)1/2は同じですが,

 

 中間状態には,2つのπ中間子の雲(仮想π中間子)が存在

 するので,Em={M2+(i2)2}1/2+2ω となるので,

 i-Em ~ -ωです。

 

 それ故,

 (2π)-3(2π)-3(-i)(2π)4δ(Pf-Pi)(-ig0)2){1/(4Mω)}

 [(τφ2)( τφ1)(σq2)(σq1)-(τφ1)(τφ2)(σq1)(σq2)]

 の因子が得られるわけです。 

 

 他方,中間状態が核子の負エネルギーの海の中にあるケース

 は,次の図の2つのグラフのようになります。

 

    

 

 中間状態には2個の正エネルギーの核子と1個の時間に

 逆行する負エネルギー核子:時間に順行する1個

 正エネルギー反核子N~があるため,

 

 Ei ~ M,Em ~ 3Mにより,1/(Ei-Em) ~ -1/(2M)

  なる因子を得ます。

 

 ただし,中間状態は摂動論でのみ許される仮想過程なので,

 近似的で物理的なこうした考察が可能かどうか,個人的には

 疑問を感じるところもあります。。

 

 と当時のノートには書いてありましたが,今は妥当と思います。

  

 (注11-3終わり)※

 

 さて,ΔEΔt ~ 1なる不確定性関係から,こうしたグラフの

 P波の相互作用時間の方が ~ 1/ωで,これはS波の ~ 1/M

 より長時間にわたってP波が生じることを意味します。

 

 したがって,低エネルギーでは,S波よりもP波の散乱振幅の方

 がより強く効いて,強いエネルギー依存性を与えると予想する

 のは当然のことです。

 

 実際,もしも,この強いP波の引力ポテンシャルが存在すれば,

 共鳴状態(共鳴粒子)も存在すると予想されます。

  

 (※実際,Δ粒子というπ-N共鳴の実在が観測されています。)

 

 Chewによって初めて強調された重要な疑問は,P波のポテンシャル

 の符号は何か?ということでした。

 

 非相対論的不変散乱振幅として得られた, 

(-ig02/M)[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)]

{ig02/(4M2ω2)}u(22(2)

×[(τφ2)(τφ1)(σq2)(σq1)

-(τφ1)(τφ2)(σq1)(σq2)]u(11

 

なる式においての摂動近似の定量的な評価の不十分さとは別,

これの符号は,散乱に大きな影響を与え,P波のポテンシャルを

理解する上で,正しい定性的な指針を与えると予期されます。

 

このChewによる問いに答えるには,総角運動量や,

総アイソスピンの各々の値に対応する様々なチャネル

(channnel)に振幅を射影するのが便利です。

 

何故なら,異なるの間の遷移は角運動量の保存則によって

禁止され,同様にアイソスピン保存則から異なるIの間の遷移

禁止されるからです。

 

ただし,アイソスピンの保存則は強い相互作用に限られた保存則

であることには注意する必要があります。

 

今日はここまでにします。

  

(参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell "Relativistic Quantum Mechanics" (McGrawHill)

|

« 訃報!大鵬幸喜親方 | トップページ | 63歳の誕生日直前で就職(転職?)決まりました。 »

115. 素粒子論」カテゴリの記事

111. 量子論」カテゴリの記事

コメント

 どもhirotaさん。。TOSHIです。

 今年も相変わらず,こまかいチェックありがとうございます。

          TOSHI

投稿: TOSHI | 2013年1月27日 (日) 22時05分

<r{k> → <r|k>
先に記述っしたように → 先に記述したように
=(M2+q12)/2+ → =(M2+q12)1/2+
=4Mf2/μz → =4Mf2/μ2
海の中にあるケースには, → 海の中にあるケースは,
PP波が生じる → P波が生じる
強いいエネルギー → 強いエネルギー

投稿: hirota | 2013年1月26日 (土) 22時09分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 強い相互作用(湯川相互作用)(11):

« 訃報!大鵬幸喜親方 | トップページ | 63歳の誕生日直前で就職(転職?)決まりました。 »