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2013年1月

2013年1月29日 (火)

強い相互作用(湯川相互作用)(12)

強い相互作用(湯川相互作用)」のπ-N散乱の続きです。

 

ブログを書くどころじゃなく身辺がバタバタしていることもあり

ますが,ブログ書きは余生のライフワークのうちの主要な1つです

から,毎日少しでも細々と原稿を書いています。

 

読書するのもそうですが,眼が悪くなって老眼鏡をかけても

判別できない文字があったりすると,水をさされたように,

興味もモチベーションも低下してしまいます。,

 

自分のノートといっても,それの思考体験はウン十年前ですから,

初めて読むのと大して変わらず,意味が不明だとブログ用に砕い

表現することもできませんから,

 

解読しているうち,あまり長い式だと途中で休憩しよう。。 

となってしまうので,最近は記事アップの間隔が長いのです。

 

本当に長くは根気が続きません。

 

やはり,2月1日で63歳ともなると,頭も老化して認知症も近いの

でしょうか。。

 

それは,イヤなので拒否したいけれど,そうなってしまえば,

そうした希望もわからない状態になるのでしょうから,アル

意味で,シアワセになってしまうのかも。。

 

信長の「人間。。五十年」ではなく既に六十年を越しています。

  

さて本題に入ります。新しい節です。

  

§10.7 アイソスピンと角運動量に対する射影演算子

(Projection Operators for Isotopic Spin and Angulr Momentum)

 

通常の量子力学での角運動量ベクトルの合成からのアナロジー,

 

I=||=1/2の1つの核子Nと,I=||=1の1つのπ中間子の

系では,総アイソスピン(Isotopic-spin)が,I=3/2,またはI=1/2

の状態にあることがわかります。 

 

こうした2つの状態の射影演算子(Projection Operator)

を,P3/2^,P1/2^とすると,これらはπ中間子のIsotopic空間

では3×3行列,核子NのIsotopic空間では2×2行列と

して作用します。

  

また,射影演算子の性質の1つとして,P1/2^+P3/2^=1^です。

 

ただし,1^はπとNの2×3の6次元直積空間の単位行列です。

 

(注12-1):何故なら,固有状態のDirac括弧(bracket)で射影演算子

 を表現すると,

 

 1/2^=|I=1/2><I=1/2|,

 3/2^=|I=3/2><I=3/2|,ですが,

 

 このDirac括弧における状態が正規直交規格化されていれば,

 1/2^+P3/2^=|I=1/2><I=1/2|+|I=3/2><I=3/2|

=ΣI'|I'><I'|=1 

となるからです。

 

演算子A^が,A^|α>=α|α>を満たす固有値αと固有状態:

|α>を持ち,それらの固有値は全て離散的で,

さらに,A^|α>=α|α>,A^|β>=β|β>を満たす固有状態

について,<α|β>=δαβと正規直交規格化されていて,かつ,

状態空間は可分(separable)であると仮定すれば,

 

任意の状態 |Ψ>は,|Ψ>=Σγc(γ)|γ>のように,

固有状態の1次結合(重ね合わせ)として展開可能です。 

 

そして.この固有状態が正規直交規格化されている場合は,

係数はc(γ)=<γ|Ψ>となり,結局,|Ψ>=Σγ|γ><γ|Ψ>

と表現できます。

 

これは,|Ψ>が任意であることから,|γ><γ|をケット状態

一種の線型演算子と見るとき:Σγ|γ><γ|=1と同定

されるからです。

 

これらについては,2007年8/8の2つの記事:

量子力学の基礎(表示の話)(1)」,

量子力学の基礎(表示の話)(2)」,および,

 2007年9/9の記事:「無限次元ヒルベルト空間

 etc.を参照。

 

(注12-1終わり)※

 

また,別の射影演算子の性質の1つから,

1/2^2=P1/2^,P3/2^2=P3/2^です。

 

これらを満たす演算子を探すには,非交叉グラフ10.8(a)が

中間状態に純粋なI=1/2の単一の核子線のみを有すること

着目すれば,グラフの各頂点におけるIの保存から,容易

にその形式が得られるであろうと予想されます。

 

 

 

そこで,この非交叉グラフのアイソスピン因子の部分の行列は

1/2^の行列要素に比例すると見ることができます。

 

すなわち,α(τφ2)(τφ1)=<φ2 |P1/2^|φ1 > です。

 

比例係数αは,この式を2乗して,P1/2^2=P1/2^を用いること

により,1/3に等しいことがわかります。

 

つまり,α=1/3であって,

φ2 |P1/2^|φ1 >=(1/3)(τφ2)(τφ1)

です。

 

(注12-2):何故なら,

 

まず,<φ2 |P1/2^|φ1 >=<φ2 |P1/2^2|φ1

=ΣI=13φ2 |P1/2^2|φ(I)><φ(I)|P1/2^2|φ2

=α2ΣI=13(τφ2)(τφ(I))(τφ(I)*)(τφ1)

と書けます。

 

ただし,φ(I)(1,0,0),φ(2)(0,1,0),φ(3)(0,0,1)

であり,それ故,φ(j)*φ(j) (j=1,2,3)です。

 

前に述べたように,(τa)(τφ)=ab+ iτ(×)なる

公式が成立するため,

(τφ(I))(τφ(I)*)φ(I)φ(I)+iτ(φ(I)×φ(I))φ(I)φ(I)=1

ですから,

 

α2ΣI=13(τφ2)(τφ(I))(τφ(I)*)(τφ1)

2(τφ2)(τφ1)=3α<φ2 |P1/2^|φ1

です。

 

したがって,<φ2 |P1/2^|φ1 >=3α<φ2 |P1/2^|φ1

が得られました。 

 

そこで,一般に,<φ2 |P1/2^|φ1 >≠0 ですから,1=3αより,

α=1/3を得ます。(注12-2終わり)※

 

さらに,P3/2^の表現を求めるために,P1/2^+P3/2^=1^を用いると,

 

φ2 |P3/2^|φ1 >=<φ2 |φ1 >-<φ2 |P1/2^|φ1

と書けます。

 

よって,<φ2 |P3/2^|φ1 >=φ2φ1 -(1/3)(τφ2)(τφ1)

なる表現も得られます。 

 

 さて,幸いなことに,今の場合は角運動量の構成が,たった今述べた

 アイソスピンの構成と全く同じです。

 

すなわち,核子Nがspin角運動量:S=1/2を持ち,spinがゼロの

π中間子が軌道角運動量:L=1のP波の場合,

 

π中間子の軌道波動関数は,Isotopic-spinでの状態の波動関数

がベクトルφ2φ1 で与えられることからの類推で,それらに

ベクトル21が対応するもので与えられると考えられます。

 

そこで,totalの角運動量:に対して,J=1/2,および,

J=3/2の状態の角運動量射影演算子をそれぞれ,Q1/2^,および,

3/2^と書けば,

 

2 |Q1/2^|1 >={(1/3)(σq2)(σq1)}{3/(4πq2)}

2 |Q3/2^|1 >={21 -(1/3)(σq2)(σq1)}{3/(4πq2)

 

となります。 

 

ただし,今の最低次のBorn近似に寄与するのは,エネルギーが保存

される弾性散乱のみなので,q≡|1|=|2|です。

 

これらは,次のように規格化されています。

 

すなわち,

∫dΩ<2 |Qi^|>< |Qj^|1 >=δij2 |Qi^|1

(i,j=1/2,3/2)です。

 

これはつまり,射影演算子の基本的性質:Qi^Qj^=Qjij

が運動量固有状態の完全系を挟んで,

∫dΩ Qi^|>< |Qj^=Qjij と表現されるような

規格化です。 

 

左辺は,アイソスピンの射影演算子に対する式:

φ2 |P1/2^2|φ1

=ΣI=13φ2 |P1/2^2|φ(I)><φ(I)|P1/2^2|φ2> において,

 

アイソスピン空間での3つの直交方向:φ(I)(i=1,2,3)にわたる

和:ΣI=13-空間における変数の立体角積分:∫dΩに置き換え

た式です。

 

ただし,中間状態の完全系:|>におけるベクトル1,2

同じく,大きさがqのベクトル: ||=q=|1|=|2|であると

しています。(弾性散乱のみを仮定)

 

(注12-3):射影演算子の定義から,Qi^2=Qj^,Qi^Qj^=0

 (i≠j)であり,また,完全系は∫dΩ|>< |=4πq2

 で表現されます。

 

そこで,<2  |Q1/2^|1>=α(σq2)(σq1)とおけば,

 

まず,1/2^2=Q1/2^より,2 |Q1/2^2|1>=<2  |Q1/2^|1

です。

 

そこで,

2 |Q1/2^2|1>=∫dΩ<2 |Q1/2^|>< |Q1/2^|1

=α2∫dΩ(σq2)(σq)(σq)(σq1)

=4πq2α22 |Q1/2^|1>より,

 

2  |Q1/2^|1>=α(σq2)(σq1)= 4πq2α22 |Q1/2^|1

ですから, α=4πq2α2より, α=1/(4πq2) です。

 

結局,<2 |Q1/2^|1>={1/(4πq2)}(σq2)(σq1)

を得ました。

 

他方,Q1/2^+Q3/2^=1^より,

2 |Q3/2^|1 >=<2 |1 >-<2 |Q1/2^|1

=<2 |1 >-{1/(4πq2)}(σq2)(σq1)

と書けます。

 

右辺第1項の<2 |1 >は,<φ2 |φ1 >=φ2φ1 と同じく,

スカラー積:2 1=q2cosθ12 に比例するはずですから,

 

2 |1 >≡β2 1=βq2cosθ12 とおきます。

 

そして,<2 |1 >=∫dΩ<2| ><|1

=β2∫dΩ(2 )(qq1 )において,

 

1 (qsinθ1cosφ1,qsinθ1sinφ1,qcosθ1).

2(qsinθ2cosφ2,qsinθ2sinφ2,qcosθ2).

(qsinθcosφ,qsinθsinφ,qcosθ)

と成分を陽に書けば,

 

2=q2(sinθ2cosφ2sinθcosφ+sinθ2sinφ2sinθ2sinφ

+cosθ2cosθ)

=q2{sinθ2sinθsin(φ2-φ)+cosθ2cosθ}

です。

 

同様に,qq1 =q2{sinθsinθ1sin(φ-φ1)+cosθcosθ1}

ですから,

 

2 |1 >=β2∫dΩ(2 )(qq1 )

=β20dφ∫-11(cosθ)(2 )(qq1 )ですが,

 

この被積分関数で,sinθ,cosθの1次因子や,sinφ,cosφの

1次因子を持つ項の積分結果はゼロですから,

 

2 |1 >=β20dφ∫-11d(cosθ)(2 )(qq1 )

=β240dφ∫-11(cosθ)

{sin2θsinθ2sinθ1sin(φ2-φ)sin(φ-φ1)+cos2θcosθ2cosθ1}

です。

 

そして,∫-11(cosθ)cos2θ=2/3,∫-11d(cosθ)sin2θ=4/3,

0dφsin2φ=∫0dφ(1-cos2φ)/2=π,

0dφcos2φ=∫0dφ(1+cos2φ)/2=πなので

 

2 |1 >=(4πβ24)/3){sinθ2sinθ1sin(φ2-φ1)

+cosθ2cosθ1}(4πβ22)/3)2 1

が得られます。

 

よって2 1=(4πβ22)/3)2 1ですから,

β=3/(4πq2)です。

 

結局,<2 |Q3/2^|1

={3/(4πq2)}{2 1-(1/3)(σq2)(σq1)}

を得ました。

 

念のため,Q1/2^Q3/2^=0 を証明しておきます。

 

2 |Q1/2^3/2^|1

=∫dΩ<2 |Q1/2^|>< |Q3/2^|1

{1/(4πq2)2}∫dΩ(σq2)(σq){31-(σq)(σq1)}

{1/(4πq2)2}∫dΩ[3(2)(1)+3iσ(2×)( 1)

-q2(σq2)(σq1)]

です。

  

ここで,∫dΩ[3(2)( 1)=4πq221であることは既に

示しました。

  

一方,再び,

1 (qsinθ1cosφ1,qsinθ1sinφ1,qcosθ1).

2(qsinθ2cosφ2,qsinθ2sinφ2,qcosθ2).

(qsinθcosφ,qsinθsinφ,qcosθ) より,

 

2×=q2 (sinθ2sinφ2cosθ-co2sinθsinφ.

cosθ2sinθcosφ-cosθsinθ2cosφ2,

sinθ2sinθcosφ2sinφ-sinθsinθ2cosφsinφ2),

  

および, 

1=q2{sinθsinθ1sin(φ-φ1)+cosθcosθ1}

です。

  

それ故,∫dΩ(2×)( 1)

=(4πq4/3)(sinθ2sinφ2cosθ1-cosθ2sinθ1sinφ1,

cosθ2sinθ1cosφ1sinθ2cosθ1cosφ2,

sinθ2sinθ1cosφ2sinφ1-sinθ2sinθ1sinφ2cosφ1)

=(4πq2/3)(2×1) が得られます。

 

したがって,

∫dΩ[3(2)(1)+3iσ(2×)( 1)

=(4πq2){21+iσ(2×1)}

=q2∫dΩ(σq2)(σ1) です。

 

以上から,確かに,

 

2 |Q1/23/2^|1

{1/(4πq2)2}∫dΩ[3(2)(1)+3iσ(2×)( 1)

-q2(σq2)(σq1)]=0

 

となることが示されました。(注12-3終わり)※

  

こうしたPi^とQj^の間に見られる差は,観測されるπ中間子

常に電荷が±1 か 0 に対応するアイソ空間での3つの軸方向

1つ沿った向きを持つのに対して,

 

運動量ベクトルは異なる散乱角に対応する連続的方向に沿って

存在するという事実に動機 付けられた,それらの間の規格化の

規約による非本質的な差異のみです。

 

アイソスピンと角運動量の同時固有状態に対応する結合射影演算子

,単にそれらの積(直積)で与えられます。 

 

すなわち,11^≡Pi/2^Q1/2^,13^≡Pi/2^Q3/2^,

31^≡P3/2^Q1/2^,33^≡P3/2^Q3/2^

の4つです。

  

確認のため,既に得られた射影演算子の寄与を要約すると,

φ2 |P1/2^|φ1 >=(1/3)(τφ2)(τφ1)

φ2 |P3/2^|φ1 >=φ2φ1 -(1/3)(τφ2)(τφ1),

2 |Q1/2^|1 >=(σq2)(σq1){1/(4πq2),

2 |Q3/2^|1 >={21 -(1/3)(σq2)(σq1)}{3/(4πq2)}

です。

  

そして,結合射影演算子:α^(α=11,13,31,33)は,

Σαα^=^,α^β^=δαβα^なる性質,

および,規格化条件:

Σm=13∫dΩα^|φm,><φm,|β^=δαβα^

を満たすことで,特徴付けられることになります。

  

これらによって,非相対論的近似の不変散乱振幅:

  ~ (-ig02/M)[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)]

{ig02/(4M2ω)}u(22(2)

×[(τφ2)(τφ1)(σq2)(σq1)

-(τφ1)(τφ2)(σq1)(σq2)]u(11

は,次のように表現されます。

 

すなわち,

(-ig02/M)[u(22]<φ2|(Pi/2^+P3/2^)|φ1>]

u(11{ig02/(4M2)}(4πq2/3)u(22φ2,2|

[911^/ω-{433^-213^-231^+11^}/ω]|φ1,1

u(11 です。 

   

(※↑これの証明は割愛します。要するに,21に比例する項

を消去しただけです。)

  

第2項は,結局,{ig02/(4M2ω)}(4πq2/3)u(22

φ2,2|(811^+213^+231^-433^)|φ1,1

となります。

   

なお,第1項は軌道角運動量LがゼロのS波であり,

1/2^,Q3/2^はL=1のP波のみの射影演算子なので,

第1項ではこれらとの積の射影演算子は無意味です。

   

この最終結果によれば,I=J=3/2の33^≡P3/2^Q3/2^に対し,

π-N散乱の相互作用項が,引力ポテンシャルとして寄与する

のに対応して,この謂わゆる(3,3)チャネルのみで散乱振幅

負の符号の寄与となっています。

 

 したがって,

 

 このチャネルで,共鳴(Δ粒子:別名(3,3)共鳴)が,実験で観測

 いて,一方,他の3つのP波状態では,こうした低エネ

 ギーでは,ごく小さい位相のずれだけしか観測されていない

 いう実験事実の存在が,

  

 上記の不変振幅:を与えるポテンシャルから予想されること

 と定性的に一致していることがわかります。 

 

 今日は,ここまでにします。

 

(参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell "Relativistic Quantum Mechanics” (McGrawHill)

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2013年1月23日 (水)

63歳の誕生日直前で就職(転職?)決まりました。

 昨日は休みを取って朝からお茶の水の順天堂大学医院糖尿内科に今年初の外来診察に行ってきました。

 循環器内科診察はもっと遅くて2月26日です。

 目的のほとんどは2ヶ月分のインスリンと注射針,消毒用の脱脂綿を貰うことで,診察よりも採血,採尿による定期検査が中心でした。

 血糖値の長期指針となるヘモグロビンA1cがやや高いということで,一回当たりのインスリン注射の単位を少し増やすことになりました。

 こちらの次回診察は3月26日です。

 年初は患者が多いので待たされるのは覚悟していましたが,最近は心臓外科の天野先生が話題になったせいか,順天堂大の外来がまた増えたと見えたのは私の気のせいでしょうか。。

 10時から10時半の予約で,採血があるので9時40分頃に病院に着いて受付しましたが大量の薬などをぶら下げて病院を出たのは丁度12時頃でした。

 待っていた間には待ち時間が長いと感じてましたが,思ったほどではなかったようです。

 お茶の水から神保町まで歩いて古書を物色したあと都営三田線で巣鴨に帰りスーパーでみかんなど買って帰宅すると14時前でした。

 まどろんでいたら,16時頃に,1月9日に1次面接,17日に2時面接を受けていた会社から採用決定との電話が入り,2月1日( ← 誕生日です。)の朝から出社することが決まりました。

 仕事はデータセンタービルの受付業務で,場所は練馬区豊玉北の環7陸橋のそばのビルです。

 面接は職安の障害者枠で受けましたが,今の障害者の集まりの訓練所のようなところとは異なって,久しぶりにまともに,誰かのお役にお立てる仕事ができそうです。

(※ちなみに私は,丁度丑年(1949年)と寅年(1950年)の間の旧正月:節分の頃,生まれたので,自分では干支は丑寅の鬼年であると思っています。。)

 今の日本橋の職場は,願っても得られることはなさそうな,私にとって夢のような「猫にかつおぶし」,「ボランティアの宝庫」とでもいうべき場所でした。

 2年半も,こうした政府の障害者保護の予算で食べている甘ったるい環境にいては申し訳ない思いもあったので,大好きな対象がたくさんいてとても名残惜しいのですが,

 また新しい出会いもあるでしょうし,定年は65歳ですから,せいぜい2年でしょうが,そこでまだ生きていて働ける状態なら,そこから先も開拓できるでしょう。

 今のところにじっとしていては,生活は自己満足的に幸福ですが,経済的には「生かさず殺さず」の状態が続きます。

 雨露,暑さ寒さをしのぐ屋根があって食べるものがあるだけで,それで十分幸福だし満足すべきなのでしょうが,一応,社会的生活の意味以外に,「パンのみで生きているのではない」という実存的意味の自己満足も,まだまだ追求していきたいのでネ。。。

PS:お米高いですね。。円安は関係ないでしょう。。

 前に西友で中国吉林省のお米を5キロ1299円で売っていたのでそれを買いましたが私の舌ではおいしかったです。今度はオーストラリア米を5キロ1599円で売っていました。

 日本米が最安で5キロ1799円でしたからま前の中国米とまではいかないまでも安いです。ためしに2キロ799円を買ってふつうに炊いてみましたが粒はやおおきいけどおいしかったです。

 こいう」ときはビンボー舌の方がいいですね。

 農業従事者ではなく,国の食料自給まで気がまわらない素朴な米の1消費者でそれが命綱とでもいうべきビンボー人の無責任な立場としては,

 例外なき関税撤廃のTPPとは言わないまでも,779%の関税で輸入米が輸入売価の8,79倍になっているのだけでも自由化または関税軽減して輸入味を安く販売して,貰うと有りがたいナというエゴな感想です。。。

 幾多の紆余曲折を経なければ到達できないのでしょうが。。

 (※たとえ,世界連邦が究極の目標であるとしても,かつてアメリカがイギリスから独立したり,ロシアから少数民族国家が独立したりという歴史は決して無駄なことだったわけではなく,それらも必要なプロセスでしょう。。)

 イマジンの理想郷:「国境は無い。。ただ地球が有るだけ」という状態であれば,そもそも国益というものは意味が無くなり,国の食料自給も関係無く,国家間の人々の先進国,展途上国いう経済格差も解消されて,

 例えば日本の国内の都道府県の関係のように,どこそこの地域etcに関係なく政府は全ての人民の利益,,個人の幸福を追求するのみで,国境を通過する際に税金を取ることで他国の製品とは物価に差を付けて自国の製品を保護するということも必要無くなるのですが。。

 (※↑シロウトは性急過ぎるよね。。。)

(

 (↓ ソソルジャー・ブルーから・ )

 

 Freedom is just another word for nothing left to lose

. (自由とは失うものが何も無いこと。。。)

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2013年1月20日 (日)

強い相互作用(湯川相互作用)(11)

 「強い相互作用(湯川相互作用)」のπ-N散乱の続きです。

 

 余談ですが,この原稿も夢中で書いてると意外に長くなりました。

 

このところ,寒さのせいか有名人の訃報続きで,半分義務的に訃報

記事をアップする必要もあり,また,今日は日曜日ですが昼前には

出勤する必要があって,朝7時前の起床から今(午前11時過ぎ)ま

まだ,朝飯もトイレも保留中です。

  

まあ,個人の趣味なので自業自得で仕方ないのですが忙しい。。

 

さて,本文に入ります。

 

π-N散乱の最低次の散乱振幅は,

fi(2π)-6{M2/(4Ep1p2ωq1ωq2)}1/2

(2π)4δ4(q2+p2-q1-p1) :

 

(-ig0)2χ2u~(p2,s2)

[τφ25i{γ(p1+q1)-M}15τφ1

τφ15i{γ(p1-q2)-M}-15τφ2]u(p1,s11

であり,

 

これの|1|,|2|,|1|,|2|<<M, μ のときの

重心系での非相対論的近似がu(p,s)≡(u(),u())

とおいて,

 

(-ig02/M)[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)] 

{ig02/(4M2ω)}u(22(2)[(τφ2)(τφ1)

(σq2)(σq1)-(τφ1)(τφ2)(σq1)(σq2)]u(11 

と書けること,

 

そして,この近似式の右辺第1項:

(-ig02/M)[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)]

の,散乱振幅Sfiへの寄与が,

 

ポテンシャル:()≡{g02/(2μM)}δ3()

=6f2M{4π/(3μ3)}δ3();πNによるπ中間子の

ポテンシャル散乱の最低次の近似であるBorn近似に一致する

こと,を見ました。

 

前のN-N散乱の項目において,無次元化された結合定数の平方:

2{g02/(4π)}{μ/(2M)}2の値が0.08程度と評価されました。

 

今のπ-N散乱でも,この評価値が成立すると仮定すれば, 

このf2 0.08は,πのV()によるポテンシャル散乱

の摂動論においては,S波の散乱の長さとして, 

(4M2/μ)/μ ~ 2/μ ~ 2.8×10-13cm

という大きな値を与えます。

 

※(注11-1):π-N散乱をπ中間子が,

()=6f2M{4π/(3μ3)}δ3()=(8πf2M/μ33()

なる中心力ポテンシャルによって散乱される1粒子量子力学

のポテンシャル散乱現象と考えると,

 

散乱振幅:f(θ)は,Born近似で,

(θ)=-4π2μ<2|V()|1

と書けます。

 

すなわち,2007年8/21の記事「S行列とレッジェ理論(1)

で書いたように,

 

散乱状態の境界条件:

r→∞でΨ() ~ exp(ikr)+f(θ) exp(i')/r

(θは'のなす角)を満たす,

Helmholtzの方程式:(∇2+k2)Ψ()=U()Ψ()の解

波動関数Ψ()について,

散乱振幅:f(θ)をf(,')と表わすとき,

 

(∇2+k2)Ψ()=U()Ψ()の両辺に (∇2+k2)-1を掛けた

積分方程式から,iterationによって摂動級数を作った第1項

の最低次の近似であるBorn近似は,

 

4πf(,') ~ <'|U|

=∫d3exp(-i')U()exp(ikr)

 

で与えられます。

 

ところが,(∇2+k2)Ψ()=U()Ψ()は,

Schroedinder方程式:[2/(2μ)+k2/(2μ)]Ψ()

=V()Ψ()の両辺に2μを掛けて得られた方程式

であり,U()≡2μV() です。

 

それ故,f(θ)=f(,')

~ -(1/4π)<'|U|

=-(1/4π)∫d3exp(-i')U()exp(ikr)

=-(μ/2π)∫d3exp{i(')}V() です。

 

そこで,状態:|>の座標表示<|>を,上記の

4πf(,')~ <'|U|(μ/2π)∫'|V|

におけるexp(ikr)でなくて,通常の規格化である

(2π)-3/2exp(ikr)で表現すると,

 

(θ) ~ -(μ/2π)(2π)3'|V()|

=4π2μ<'|V()|> となります。

 

そこで,今の場合はf(θ)=-4π2μ<2|V()|1

=-(μ/2π)∫d3exp{i(12)}V()

=-(μ/2π)∫d3exp{i(12)}(8πf2M/μ23()

=-4f2M/μ2 と書けます。

 

一般に,f(θ)=Σl=0(2l+1)al(q)Pl(cosθ)

(1/q)Σl=0(2l+1)exp(iδl)sinδll(cosθ)

と展開して,al(q)≡exp(iδl)sinδl/qを部分波振幅

と呼びます。

 

こうした部分波展開や位相のずれ(Phase-shift):δl等については,

2007年8/23の過去記事「S行列とレッジェ理論(2)」を参照して

ください。

 

上記のBorn近似のf(θ) ~ -4f2M/μ2は角度θに無関係なので,

l=0 のS波のみに寄与するものと考えられます。

 

したがって,-4f2M/μ2=(1/q)exp(iδ0)sinδ0=a0(q)

を得ます。

 

S波の散乱の長さ:aは,qがゼロの低エネルギーの極限での

位相のずれ0がqaなること:

a≡-lim q→0 (sinδ0/q)で定義されるので,

今のπ-N散乱での散乱の長さは,

a­­=a0(k)=4f2M/μ です。

 , 

これは,低エネルギーの極限:波数がq ~1/λ ~ 0 では,

exp(ikr)+f(θ)exp(i')/r~ exp(ikr)+(a/r)

となって,

 

散乱の有効レンジがaであること:

つまり,ポテンシャルVが示す力の及ぶ範囲がr≦aである

こと:力の到達距離がa程度であることを示唆するものです。

 

そして,このaの値を次元解析によって,自然単位から実際の

長さの単位に戻すと,a=4f2Mchc/μ です。

 

そこで,M ~ 940 MeV,μ ~ 140 MeV,f2 ~ 0.08,

c≡h/(2π)=6.6×10-22 MeV・sec,c=3.0×1010cm/ sec

を代入して試算すると,a ~ 2.9×10-13cm を得ます。

 

テキストの a ~ 2.8×10-13cmとは,ほんの僅かだけ値が違い

ますが,これは力の到達距離の大体のオーダーの計算であり,

気にする程のことはないでしょう。

(注11-1終わり)※

 

ポテンシャル:V()=6f2M{4π/(3μ3)}δ3()

=(8πf2M/μ33() によれば,

 

相互作用は斥力でありDiracのデルタ関数から非相対論近似

では,そのレンジ(到達距離)がゼロという短距離斥力ですから,

現実には,これは非常に小さい効果を示すのみです。 

 

これを図10.9に示しますが,これに描かれている強い短距離

の斥力ポテンシャルは,オーダーがδ ~ qa の位相のずれ

を生ぜしめます。

 

  

 先に記述したように,aは散乱長でポテンシャルのレンジ

(到達距離)を表わすものです。

 

核子Nの反跳補正から,a~ 1/Mであり,低エネルギーのS波

π-N散乱の寄与は小さいことが予想されます。

 

※(追加補足):↑ここは,後で説明不足と感じたので補足します。

 

最も簡単な評価法として,先のN-N散乱では,核子間に働く核力の

レンジは仲介するπ中間子の質量μによって,~ 1/μ(=hc/(μc))

と評価されることを見ました。

 

今の場合のπN散乱では仲介するのは,πでなく核子なので,レンジ

(or 最も効くS波の散乱長)は ~ 1/M(=hc/(Mc))と評価される

わけです。

 

これは核子の質量が∞で原点に静止していると見るポテンシャル

散乱近似では,実際には質量がMの核子がπの衝突を受けて反動

を受ける反跳効果という描像で理解されます。

 

(補足終わり)※

 

これは不当なBorn近似を適用して得られた大きな振幅 ~1/μ

に相反するもので,実際にはa~ 1/Mなることが実験事実から

見出されています。

 

※(注11-2):S行列の理論によれば,

運動量以外の量子数をζ,ζ'とすれば,遷移不変性から,

 

,ζ> → |',ζ'>のS行列要素は

',ζ'|S^|,ζ>

=<',ζ'|1+iδ4(P'-P)R^|,ζ>

なる形に書けることがわかっています。 

 

それ故,運動量1,2を持つ2粒子が衝突して,

それぞれ,運動量1',2'を持つ状態に散乱されるときの

微分断面積:dσ/dΩに対応する散乱の総断面積σをσsc

と書けば,

 

σsc=V/(vT)Σζ'∫d31'd32'

δ4(P'-P)|<1',2',ζ'|R^|1,2,ζ>|2 

となります。

 

ただし,Pμ=p1μ+p2μ,Pμ'=p1μ'+p2μ'であり,

vは衝突する2粒子の相対速度の大きさです。

 

ここで,衝突の前後で,1/2+,2/2-,

および,1'='/2+',2'='/2-'とおけば,

31'd32'=d3'd3'です。

 

こう書けば,,'は総運動量,,'は重心系での相対運動量

を表わします。

 

計算の慣例により,V=(2π)3,T=2πとすれば,

 

σsc{(2π)2/v}Σζ'∫d3'δ(W'-W)

|<,',ζ'|R^|,,ζ>|2 

{(2π)2/v}Σζ'∫p'2dp'(dp'/dW')dΩ'

|<,',ζ'|R^|,,ζ>|2W=-W' 

と書けます。

 

故に,v'≡dW/dpと定義すれば,

dσsc/dΩ={(2π)2/v}(p2/v')

|<,',ζ'|R^|,,ζ>|2W=-W'

(p/p')

|2π(p'/v')1/2,',ζ'|R^|,,ζ>(p/v)1/2|2W=-W'

となります。 

 

そこで,<,',ζ'|f^|,,ζ>

2π(p'/v')1/2,',ζ'|R^|,,ζ>(p/v)1/2

とおけば.

 

dσsc/dΩ=(p/p')|<,',ζ'|f^|,,ζ>|2

となります。

 

ところで, 今のπ-N散乱のケースでは,重心系:'=0

であり.1,'=2でζ=(1,φ1),ζ'=(2,φ2)

ですから,

 

,',ζ'|R^|,,ζ>

=<0,2,2,φ2|R^|0,1,1,φ1> です。

 

そして,上で見たように,散乱振幅は,

fi(2π)-6{M/(2μ)}(2π)4δ4(q2+p2-q1-p1)

で与えられ,

 

不変振幅:は,低エネルギーでは、

 

(-ig02/M)[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)]

{ig02/(4M2ω)}u(22(2)

×[(τφ2)(τφ1)(σq2)(σq1)

-(τφ1)(τφ2)(σq1)(σq2)]u(11

 

と書けます。

 

右辺の第1項のS波のみの散乱振幅は,ポテンシャル:

()={g02/(2μM)}δ3()による散乱のBorn近似に

一致して,

 

(2π)4δ4(q2+p2-q1-p1)(2π)-6{-ig02/(2μM)

[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)]

(2π)4δ4(q2+p2-q1-p1)(2π)-6

{-ig02/(2μM)}<2,φ2|1,φ1 

 

で与えられることを見ました。

 

これを,同じS行列要素の表現:

',ζ'|S^|,ζ>

=<',ζ'|1+iδ4(P'-P)R^|,ζ>

における,<',ζ'|iδ4(P'-P)R^|,ζ>

4(q2+p2-q1-p1)<0,2,2,φ2|0,1,1,φ1

と比較して,両者を等置すると,

 

0,2,2,φ2|R^|0,1,1,φ1

(2π)-2{-g02/(2μM)}<2,φ2|1,φ1を得ます。

 

それ故,W'= W=P0 ~ p10=E ~ M,かつ,

10=q20=ω ~ μの低エネルギーの場合のS波のみ

散乱振幅は,

 

0,2,2,φ2|f^|0,1,1,φ1

2π(p/v)1/2(p'/v')1/20,2,2,φ2|R^|0,1,1,φ1

2π(p/v)1/2(2π)-2(p'/v')1/2

{-g02/(2μM)}<2,φ2|s1,φ1

 

と表現されます。 

 

そして,p=p'=|1|,v=|1/μ-1/M| ~ |1|/μ,

であり,また,W=p10+q10=(M212)1/2+(μ212)1/2より,

v'=dW/d|1| ~|1|/M+|1|/μ なので,さらに,

 

0,2,2,φ2|f^|0,1,1,φ1

(2π)-1μ{-g02/(2μM)}<2,φ2|s1,φ1

となり,

 

結局, 

0,2|f^|0,1> ~ -g02/(4πM)=(1/q)exp(iδ0)sinδ0

を得ます。

 

したがって,a=g02/(4πM)=4Mf22となって,a~ 1/μ

という,前のN-N散乱と全く同じ結果を得ます。

 

これは,非相対論やポテンシャル散乱近似の限界でしょう。。

  

(注11-2終わり)※

 

さて,不変振幅の第1項はS波の散乱項でしたが,

 

第2項の,{ig02/(4M2ω)}u(22(2)

×[(τφ2)(τφ1)(σq2)(σq1)

-(τφ1)(τφ2)(σq1)(σq2)]u(11

  

は,12のなす角θの余弦cosθに比例しますから,

明らかにl=1 のP波の散乱項です。

 

この形は,2次の非相対論的摂動論を適用して得られるものとして

認識できます。

 

 

 すなわち,入射する始状態π中間子の吸収と終状態π中間子の放出

 の間には,正エネルギー状態のみで伝播する非相対論的なspin 1/2

 粒子が存在するとして扱うなら,

 

=-ig02χ2u~(p2,s2)[(τφ2)(τφ1)(γq1)

(2p11+μ2)-1(τφ1)(τφ2)(-γq2)(-2p12+μ2)-1]

u(p1,s11 において,

 

u~(p',s')γ5u(p,s)

~ u(s')σ(')u(s)/(2M)

なる近似が有効となって,相互作用頂点を

0(σ∇)(τφ)/2M)という形の因子の効果

に帰着させることができます。

 

 さらに,因子(1/ω)は,この近似での分母のエネルギーに由来

 しており,(+)符号は10.8(a)図に,(-)符号は10.8(b)図に

 対応して出現します。

 

 それに反して,第1項のS波散乱項は,中間状態において,

 負エネルギーの海の内外への遷移に由来しています。

 

このケースではv5u ~ -1 です。

 

つまり,低い核子運動量に対しては,

(p,s)=(u(),u())

(u(),(σp)u()/(2M)),

 

(p,s)=(v(),v())

(v(),(σp)v()/(2M))

であって,

 

(p,s) ~ (v(),(σp)v()/(2M))

ですから,

 

~(p2,s25u(p1,s1)=v(p2,s20γ5u(p1,s1)

 ~ (v(2),(σp)v(2)/(2M))γ0γ5

    t(u(1),(σp)u(1)/(2M))

 ~ -v(s2)u(s1) ~ -1 であるからです。

 

 したがって,分母のエネルギーによる因子は-1/(2M)となります。

 

※(注11-3):H^=g0(σ∇)(τφ)/2M)とおけば,これには

 場の量子論はπ中間子を消滅させる演算子の役割をするφ因子

 があるの,最低次のπN散乱でのT行列要素2次のそれです。

 ただし,T行列とはS^=1+iT^のTを意味します。

 

反応時間が-∞から∞まであると考えると,

非相対論的摂動論から,散乱振幅への寄与は,

(-i)2πδ(Ef-Eim{Hfmmi/(Ei-Em)}ですが,

 

さらに空間積分を実行すると,(2π)-6(-i)(2π)4δ(Pf-Pi)

なる因子をくくり出すことができます。

 

そして,π-N散乱の中間状態:mとしては,図10.8の(a)と(b)

の2つのケースがあります。

 

 (a)のグラフでの(σ∇)の寄与は,

 Hfmにおいては,-iσ(1m)=-iσq2,

 miにおいては,-iσ(mi)=-iσq1

 です。

  

 また,

 Ei=ω+(M2i2)1/2,Em={M2+(i1)2}1/2=M(重心系)

 なので,今の静的近似では,Ei-Em ~ ωです。

 

 一方,(b)のグラフでの(σ∇)の寄与は,Hfmで-iσq1,

 Hmiで-iσq2であり,i=ω+(M2i2)1/2は同じですが,

 

 中間状態には,2つのπ中間子の雲(仮想π中間子)が存在

 するので,Em={M2+(i2)2}1/2+2ω となるので,

 i-Em ~ -ωです。

 

 それ故,

 (2π)-3(2π)-3(-i)(2π)4δ(Pf-Pi)(-ig0)2){1/(4Mω)}

 [(τφ2)( τφ1)(σq2)(σq1)-(τφ1)(τφ2)(σq1)(σq2)]

 の因子が得られるわけです。 

 

 他方,中間状態が核子の負エネルギーの海の中にあるケース

 は,次の図の2つのグラフのようになります。

 

    

 

 中間状態には2個の正エネルギーの核子と1個の時間に

 逆行する負エネルギー核子:時間に順行する1個

 正エネルギー反核子N~があるため,

 

 Ei ~ M,Em ~ 3Mにより,1/(Ei-Em) ~ -1/(2M)

  なる因子を得ます。

 

 ただし,中間状態は摂動論でのみ許される仮想過程なので,

 近似的で物理的なこうした考察が可能かどうか,個人的には

 疑問を感じるところもあります。。

 

 と当時のノートには書いてありましたが,今は妥当と思います。

  

 (注11-3終わり)※

 

 さて,ΔEΔt ~ 1なる不確定性関係から,こうしたグラフの

 P波の相互作用時間の方が ~ 1/ωで,これはS波の ~ 1/M

 より長時間にわたってP波が生じることを意味します。

 

 したがって,低エネルギーでは,S波よりもP波の散乱振幅の方

 がより強く効いて,強いエネルギー依存性を与えると予想する

 のは当然のことです。

 

 実際,もしも,この強いP波の引力ポテンシャルが存在すれば,

 共鳴状態(共鳴粒子)も存在すると予想されます。

  

 (※実際,Δ粒子というπ-N共鳴の実在が観測されています。)

 

 Chewによって初めて強調された重要な疑問は,P波のポテンシャル

 の符号は何か?ということでした。

 

 非相対論的不変散乱振幅として得られた, 

(-ig02/M)[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)]

{ig02/(4M2ω2)}u(22(2)

×[(τφ2)(τφ1)(σq2)(σq1)

-(τφ1)(τφ2)(σq1)(σq2)]u(11

 

なる式においての摂動近似の定量的な評価の不十分さとは別,

これの符号は,散乱に大きな影響を与え,P波のポテンシャルを

理解する上で,正しい定性的な指針を与えると予期されます。

 

このChewによる問いに答えるには,総角運動量や,

総アイソスピンの各々の値に対応する様々なチャネル

(channnel)に振幅を射影するのが便利です。

 

何故なら,異なるの間の遷移は角運動量の保存則によって

禁止され,同様にアイソスピン保存則から異なるIの間の遷移

禁止されるからです。

 

ただし,アイソスピンの保存則は強い相互作用に限られた保存則

であることには注意する必要があります。

 

今日はここまでにします。

  

(参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell "Relativistic Quantum Mechanics" (McGrawHill)

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訃報!大鵬幸喜親方

 大相撲の元横綱大鵬の納谷幸喜さんが19日午後都内の病院で亡くなられたそうです。享年72歳でした。死ぬにはまだ若いと思うのですが。。。

 → Yahoo(毎日新聞)ニュース 

 <訃報>「大鵬」納谷幸喜さん72歳、48代横綱

     

 横綱:大鵬は,丁度,私の世代が大相撲や野球などをラジオで聞いていた時代から,テレビで見られる時代へと移行していった頃の長島,王と並び賞賛された,わずかの例外を除く?誰ものヒーローで,「巨人,大鵬,玉子焼き」と変わることなく常に,強いモノ,うまいモノ,あこがれの象徴として称される存在でした。

 憎らしいほど強くて,私もファンでありながら,ときには判官びいきで横綱柏戸の方を応援していたくらいでした。

 最後も,私がファbになりかけていた先代の(故)貴の花に敗れたのがきっかけで引退したときいていました。

 大いに好きだった朝青龍の引退を最後に,私は大相撲中継にはめったに注目しなくなりましたが,

 当時は子供でもあり,テレビはスポーツを見るのが中心で,それもオリンピック以外では,スポ^ツ関係の放送はサッカーもなく,力道山が出るプロレスと巨人ばかりの野球中継と大相撲こらいしかなく,

 テレビを楽しむといってもイヤも応もなく選択の余地などない時代でした。

 大鵬は,ラジオで聞いていた入幕の頃から,またたく間に駆け上がり,名声だけは知っていた双葉山以来の大横綱と思って見ていました。

 

 テレビで相撲を見るようになってから,大鵬はそれから後の青森の三沢高校からプロ野球入りした大田幸司投手と同じく,ロシア人との混血=ハーフであることを知りましたが,確かに肌が白くて黄色人の私には顔もカラダもきれいな相撲取りと映りました。

 (※家にテレビが来たのは昭和36年(1961)私が小五のときでした。それ以前にはテレビは電気店前の街頭か,よその家にお邪魔させてもらって見てました。)

 一時,脳出血か何かで倒れたこともありましたが,回復して親方,理事長としても大過なく人格的にも穏やかで優れた人と思っていました。惜しいです。

 ご冥福を祈ります。 合掌!!

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2013年1月16日 (水)

巨星墜つ。。訃報!!大島渚監督

 大島渚監督が昨日肺炎で亡くなられました。享年80歳。。  

 

 イヤ,何も言うことはありません。通り一遍の訃報記事など屁のようです。

 昨夜,軍資金があったので久しぶりに巣鴨駅近くの一番街で痛飲し,零時過ぎてから,2件目のコリン星(「コバ」優子ママ)に入ったとたん,訃報を聞かされ,「エーッ」となりました。

 今朝小山明子さんとの闘病映像を見ていて久しぶりに泣けてきました。。

 人間性が才能に乗っかっていた人でした。愛。。愛でしょうか。。

  合掌。。。

PS:昨日も結局,歌ばかり唄っていました。

 勝手に入れて唄う。カラオケオックスと同じ。。昨日のお店は飲み代払えば歌はタダです。。。

 2件目では男2人女一人のとなりの私より若い客たちにあおられてセクハラ曲も歌いました。

 帰宅は午前3時20分

 「みだれ髪(美空ひばり)」.「振り向くな君は美しい(ザ・バーズ)」.

 「愛がひとりぼっち(岩崎良美)」,「Automatic (宇多田ヒカル)」,

 「くそくらえ節(岡林信康)」,「ちっちゃなときから(浅川マキ)」,

 「歌いたいの(山崎ハコ)」,「Yours ~時のいたずら(マルシア)」,

 モーツァルト作曲「係長5時をすぎれば(殿様キングス)」

 「金太の大冒険」,「極め付ケ!お万の方」(ツボイノリオ)

 「もうひとつの土曜日(浜田省吾)」

 あとは忘れました。。

 他の客が歌わなければ,1件平均10 くらいは歌います。

 岡林の「手紙」,泉谷の「白雪姫の毒リンゴ」そして「イマジン」の,忌野清志郎バージョンとかも歌いたかったけど,昨日のお店のカラオケにはなかったです。

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2013年1月15日 (火)

科学記事に挿入する図の作成

 年末から今までブログの科学記事作成を怠っていたわけではなく,いつまで

 経っても慣れないワードによる図の作成作業に邁進して結構忙しかったか

 らです。

 

 今回のきっかけは「電磁気学と相対論」シリーズや,

 「電場と電束密度,磁場と磁束密度」シリーズでの誘電体や磁性体の

 Gap-field(ギャップ場)とcanalーfield(カナル場)を図で表わそうとした

 ことでしたが,そこからエスカレードして今も継続中です。

 

 過去記事を読み返して,必要と思われる図を追加挿入し,テキスト文を

 修正・編集するのは,かなり疲れる作業ですが,私のように熱中する

 何もかも忘れてしまう人間には,ある意味で楽しい作業です。

  

 ビンボーでヒマだけは有りとはいえ,こういうのはノメリ込んで凝りだす

 とキリがなく,,どこかでイイ加減にしなければいけませんね。

  

(↑ ※これ,ビンボーヒマ有り,は実は矛盾で両者は相容れないです。

 衣食住足りてなければ,ヒマがあるわけはなく,,衣食住のためにアクセク

 忙しいはずですから。。)

   

  以下,取り敢えず,昨年12月に「相対論的場の量子論」シリーズが

 一段落してから今日まで作成してアップしたモノを羅列します。

  

 古くは,2006年4月頃の「サルにもわかる相対性理論」当たりから図を

 入れていっていましたが,今回も目についたモノからやっています。

  

 こういうのは,イチイチ告知せず,過去記事をコッソリ修正しているので,

 読み返されなければ日の目は見ませんが,私のブログの目的は自己

 満足がメインなので,それはそれでいいです。

 

 まずは,2006年6/29の記事「タキオンと因果律」に挿入した図からです。

 

 

 次は,上の図を少し修正して,2008年5/11の記事:

 「電磁気学と相対論(1)(特殊相対論の運動学と力学のレヴュー)

 に掲載した図です。

,

  

 さらに,次の3つは,2008年5/24の記事:

 「電磁気学と相対論(5)(真空中の電磁気学4)」において,

 DAl;embert方程式をお解く際に参照図としたものです。

 

それからい そうして

 次の2つは2007年8/21の記事「S行列とレッジェ理論(1)」に載せた図

 ですが,これらは私が作成したのじゃなくホームページ゙からのパクリと

 いうか引用です。

 

か どうした

 次の2つも上と同じ「S行列とレッジェ理論(1)」に載せました。

 

いっやいや

 さらに次は,過去記事用ではなく1月9日投稿の記事

 「強い相互作用の理論(10)」用です。

 そして,2007年8/26の「S行列とtレッジェ理論(3)」に載せた図

 

 それに,2007年8/29の「S行列とレッジェ理論(4)」に挿入した図です。

そして,誘電体のCanal field,および,Gap Fieldです

 そもそも最初に作りはじめたこれらは参考がなかったので,まだ途中アップもしてません。

 これで終わりですね。

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2013年1月11日 (金)

今日の癒し動画

 今日は1/11,あと354日寝るとお正月ですね。今日の癒し動画dす。

 寒いけど,風邪などひかぬように。。。

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2013年1月 9日 (水)

強い相互作用(湯川相互作用)(10)

 科学記事の原稿をアップしようと,いろいろ平行して記事を画策

 していましたが,結局,今年最初の科学記事としては,手っ取り早

 く安易な道を選択し,過去ノートがある非電磁相互作用の項目と

 なりました。

 

 更新を休んでいた強い相互作用(湯川相互作用)(9)」からの

 続きで,その記事の最後で予告していたπ-N散乱からです。

 

§10.6 Meson-Nucleon Scattering (中間子-核子散乱)

 

 次の図10.8のFeynman-diagramは,結合定数:g02/(4π)の

 オーダーでの最低次の,核子による中間子の散乱を記述し

 ています。

 

 

 Ruleによって,散乱振幅(S行列要素)は, 

fi(2π)4δ4(q2+p2-q1-p1)

(2π)-6{M2/(4Ep1p2ωq1ωq2)}1/2 ,

 

(-ig0)2χ2u~(p2,s2)

×[τφ25i{γ(p1+q1)-M}-15τφ1τφ15

i{γ(p1-q2)-M}-15τφ2]u(p1,s11

 

と表わすことができます。

 

ここで,交叉対称性(Crossing symmetry)に着目します。

 

すなわち,Sfiは,φ1φ2,q1⇔-q2なる交換の下で不変です。

 

この交換の下での対称性は,最低次だけでなく全ての高次の摂動

においても保持されることがわかります。

 

Feynman-diagramから,10.8a図のように,終状態でπが放出される

より前に始状態で入射するπが吸収されるようなグラフの各々に

対して,10.8b図のように終状態でπが放出されるより後に始状態

で入射するπが吸収されるだけ異なるグラフが1つずつ存在します。

 

さて,=(-ig0)2χ2u~(p2,s2)

[τφ25i{γ(p1+q1)-M}-15τφ1τφ15

i{γ(p1-q2)-M}-15τφ2]u(p1,s11 において,

 

Feynman伝播関数因子の分母を有理化してガンマ行列の個数を

減らします。

 

すなわち,

{γ(p1+q1)-M}-1=1/{γ(p1+q1)-M}

{γ(p1+q1)+M}/{(p1+q1)2-M2}

{γ(p1+q1)+M}/(2p11+μ2),および,

 

{γ(p1-q2)-M}-1=1/{γ(p1-q2)-M}

{γ(p1-q2)+M}/{(p1-q2)2-M2}

{γ(p1-q2)+M}/(-2p12+μ2) 

です。

 

また, (γp-M)u(p,s)=0 なので,

~(p',s')iγ5{γ(p+q)+M}iγ5u(p,s)

=u~(p',s'){γ(p+q)-M}u(p,s)

=u~(p's')(γq)u(p,s)

ですから.

 

=-ig02χ2u~(p2,s2)

[(τφ2)(τφ1)(γq1)(2p11+μ2)-1(τφ1)(τφ2)

(-γq2)(-2p12+μ2)-1]u(p1,s11

が得られます。 

 

さて,ここで議論を低エネルギーに制限して,

(1/M)のオーダーのS波散乱項と,(1/M2)のオーダーのP波散乱

項のみを残します。

 

そして,重心系(慣性中心系)と考えて静的近似を行えば,

(-ig02/M)[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)]

{ig02/(4M2ω)}u(22(2

[(τφ2)(τφ1)(σq2)(σq1)-(τφ1)(τφ2)(σq1)(σq2)]

u(11  となります。 

 

※(注10-1):何故なら,4成分spinoru(p,s)を,正エネルギー核子

の大成分:u()と小成分:u()の2つの2成分spinorに分けて,

u(p,s)≡(u(),u())と表現すれば,

 

(γp-M)u(p,s)=0 は,

(E-M)u()-(σp)u()=0,および,

(σp)u(s)-(E+M)u(p)=0 です。

 

故に.u()=(σp)u()/(E+M);

E=(M22)1/2

~ M{1+(1/2)2/M2}=M+O(2/M2)M

と書けます。

 

よって,u()={(σp)/(2M)+O(2/M2)}u()です。

 

||<<Mとして,(1/M)の3次以上の項を無視すると,

(p,s)=(u(),u())

(u(),(σp)u()/(2M))

 

(p,s)=(u(),u())

~ (u(),(σp)u()/(2M))

 

そこで.

ig02χ2u~(p2,s2)(τφ2)(τφ1)(γq1)(2p11+μ2)-1

u(p1,s11 において,

 

~(p2,s2)(γq1)u(p1,s1)

(u(2),(σp2)u(2)/(2M))(q10-γ0γq1)

×(u(1),(σp1)u(1)/(2M)) ですが,

 

重心系では,11=0 1=-1 かつ,

22=0 2=-2 です。

 

さらに,静的近似では1222 2で,それ故,

10(12+μ2)1/2 ~ q20=(12+μ2)1/2  ですから,

ω≡q10(12+μ2)1/2とおけば,ω ~ q20=(12+μ2)1/2

です。 

 

そして0γqは(σq)を2次の反対角細胞とする

細胞反対角行列:

なので.

  

(u(2),(σp2)u(2)/(2M))(q10-γ0γq1)

×(u(1),(σp1)u(1)/(2M))

=u(2)[ω+{(σq2)(σq1)+(σq1)(σq1)}/(2M)]u(1)

+O(2/M2)

 

=u(2)u(1)[ω+12/(2M)]

+u(2)(σq2)(σq1)u(1)/(2M)

+O(2/M2) 

となります。

 

また,(2p11+μ2)-1=1/(2p11+μ2) 

1/(2Eω+212+μ2)=1/(2Eω+12+ω2)

{1/(2Mω)}{1-(12+ω2)/(2Mω)}+O(2/M2)

1/(2Mω)-(12+ω2)/(4M2ω2)}+O(2/M2)

です。

 

結局,u~(p2,s2)(γq1)u(p1,s1)(2p11+μ2)-1

[u(2)u(1){ω+12/(2M)}

+u(2)(σq2)(σq1)u(1)/(2M)+O(2/M2)]

×[1/(2Mω)-(12+ω2)/(4M2ω2)]+O(2/M2)]

 

~u(2)u(1){1/(2M)-ω2/(4M2ω)}

+u(2)(σq2)(σq1)u(1)/(4M2ω)

を得ます。

 

したがって,

ig02χ2u~(p2,s2)(τφ2)(τφ1)(γq1)(2p11+μ2)-1

u(p1,s11

 

2(τφ2)(τφ11}

×[{-ig02/(2M)}u(2)u(1)-{-ig02ω2/(4M2ω)}

(2)u(1)

{ig02/(4M2ω)}u(2)(σq2)(σq1)u(1)]

 

が得られます。

 

同様に,

ig02χ2u~(p2,s2)(τφ1)(τφ2)(-γq2)(-2p12+μ2)-1

u(p1,s11 では,

 

~(p2,s2)(-γq2)u(p1,s1)

(u(2),(σp2)u(2)/(2M))(-q20+γ0γq2)

×(u(1),(σp1)u(1)/(2M))

[u(2)u(1){-ω-22/(2M)}

-u(2)(σq2)(σq1)u(1)/(2M)+O(2/M2)]

であり,

 

(-2p12+μ2)-1=1/(-2p12+μ2)

1/(-2Eω-212+μ2)

=1/(-2Eω-21222+ω2)

{-1/(2Mω)}{1-(22+212-ω2)/(2Mω)}

+O(2/M2)

=-1/(2Mω)+(22+212-ω2)/(4M2ω2)}

+O(2/M2) です。

 

結局,u~(p2,s2)(-γq2)u(p1,s1)(-2p12+μ2)-1

[u(2)u(1){-ω-22/(2M)}

-u(2)(σq2)(σq1)u(1)/(2M)+O(2/M2)]

×[-1/(2Mω)+(22+212-ω2)/(4M2ω2)+O(2/M2)]

 

~ u(2)u(1){1/(2M)+ω2/(4M2ω)}

-u(2)(σq1)(σq2)u(1)/(4M2ω)

を得ます。 

 

ここで,-212+(σq2)(σq1)=-12+iσ(2×1)

=-12iσ(1×2)=-(σq1)(σq2)

を用いました。

 

故に,

ig02χ2u~(p2,s2)(τφ1)(τφ2)(-γq2)(-2p12+μ2)-1

u(p1,s11

 

2(τφ2)(τφ11}

×[{-ig02/(2M)}u(2)u(1)+{-ig02ω2/(4M2ω)}

(2)u(1)

{ig02/(4M2ω)}u(2)(σq1)(σq2)u(1)]

 

が得られます。

 

さらに,部分的に(τφ2)(τφ1)=φ2φ1+iτ(φ2×φ1)

を用いると,

 

=-ig02χ2u~(p2,s2)[(τφ2)(τφ1)(γq1)

(2p11+μ2)-1(τφ1)(τφ2)(-γq2)(-2p12+μ2)-1]

u(p1,s11,次のようになります。

 

すなわち,

(-ig02/M)[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)]

{ig02/(4M2ω)}u(22(2

[(τφ2)(τφ1)(σq2)(σq1)-(τφ1)(τφ2)(σq1)(σq2)]

u(11 です。

 

(注10-1終わり)※

 

(-ig02/M)[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)]

{ig02/(4M2ω)}u(22(2)

×[(τφ2)(τφ1)(σq2)(σq1)

-(τφ1)(τφ2)(σq1)(σq2)]u(11

において,

 

右辺第1項:(-ig02/M)[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)]

は,Spinにもisotopic-spinにも独立な相互作用です。

 

これは,非相対論的に,Born近似のポテンシャル:

()≡{g02/(2μM)}δ3()=6f2M{4π/(3μ3)}δ3()

によって記述されるものと同等です。

 

ただし,f2≡{g02/(4π)}{μ/(2M)}2であり,πNです。

 

※(注10-2):何故なら,

fi(2π)4δ4(q2+p2-q1-p1)

(2π)-6{M2/(4Ep1p2ωq1ωq2)}1/2

 

(-ig0)2χ2u~(p2,s2)

[τφ25i{γ(p1+q1)-M}-15τφ1τφ15

i{γ(p1-q2)-M}-15τφ2]u(p1,s11

 

へのの近似式の第1項:

(-ig02/M)[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)] の寄与は,

|1|,|2|,|1|,|2|<<M,μのとき.Ep1~Ep2~M,

ω1~ω2 ~μより,

 

(2π)4δ4(q2+p2-q1-p1)(2π)-6{-ig02/(2μM)}

[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)] です。

 

一方,ポテンシャル:

V()≡{g02/(2μM)}δ3();πN

による散乱のBorn近似は,

 

2πiδ(E-E)<2,2,22,φ2|V|1,1,11,φ1

2πδ(q20+p20-q10-p10)(2π)-6{-ig02/(2μM)}

×[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)]∫d3N3π

[exp(-i2N-i2π3(πN) exp(i1N+i1π)]

 

(2π)4δ4(q2+p2-q1-p1)(2π)-6{-ig02/(2μM)}

[u(2)u(1)(χ2χ1)(φ2φ1)] となるからです。

 

あるいは,このπ-N散乱を,π中間子のポテンシャル散乱と考える

,核子Nは散乱の前後で固定されていて,120 なので,

 

Born近似から,(2π)4δ4(q2+p2-q1-p1)の因子が得られ,やはり

双方の一致を見るからです。

 

(注10-2終わり)※

  

途中ですが,この項目はまだ先があって長くなる予定なので,

ここで一旦終わります。

 

(参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell "Relativistic Quantum Mechanics" (McGrawHill)

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訃報!千石規子さん。

 女優の千石規子さんが昨年の12/27に老衰で亡くなっていたことが1/9にわかりました。90歳でした。

 → スポーツ報知 脇役ひと筋70年・女優の千石規子さん、90歳で死去

 私の印象に残っている千石規子さんは晩年の姿じゃなく若かりし頃の健康的な姿ですね。

    

 老衰ですか。。90歳はまだ早いです。

 近年では98歳の森繁さんも死因が老衰でした。

 ご冥福を祈ります。合掌!!

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訃報!佐藤允さん。

俳優の佐藤允さんが作年の12/6急性肺炎で亡くなっていたことが,1/8にわかりました。78歳でした。

 → 読売ニュース  性格俳優・佐藤允さん。死去・・・「独立愚連隊」主演

     

 佐藤允さんについては,和製チャールズ・ブロンソンと呼ばれ,風貌などよくが似ていることを知っていたくらいで,,映像でお見かけしたことはあったでしょうが,記憶が定かでないという程度です。

 ただ,一昨年に階段で転倒したのが原因で入院後に亡くなったクレイジイキャッツの谷啓さんと同じく,どこかで転倒して頭を打って入院していて,そちらは回復しかかっていたのに肺炎にかかったということで,

 中村勘三郎さんの肺炎と同じく年を取っての肺炎は命取りになるという感想をなおさら強くしました。

 高齢だと,正月のお餅に限らず,誤嚥による肺炎も多いですね。

 ご冥福を祈ります。合掌!!

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2013年1月 7日 (月)

将棋チェスネット新年会

 昨日,1/6(日)はお金もないのに,ここ何年かは毎年1月に開催されている将棋チェスネットの新年会に出てきました。

 開催されたのは普段指導頂いているプロの北島忠雄六段の奨励会時代の友人?の小田切さんが子供たちの将棋教室を開いている阿佐ヶ谷の南口から数分歩いた「棋友館」というところです。

 (※2011年1/24の記事:「将棋チェスネット新年会」を参照)

 いつも,新年会は日曜日,道場主は不在で教室を貸切りで使用させて頂いていて,私は夏の一泊合宿と6月末から10月末くらいの社団戦のうちの何回かとこの新年会にのみ出席して対局を楽しみ年数回だけお会いして20年来の旧交を暖めています。

 昨年は北島先生のご」都合?か会場が違う場所であったこともあって出席していません。

 今回も,まだ正月初めの6日だったせいなのか?日程が合わない方もあって,北島先生と女流の早水千紗(はやみうちさ)三段の他は,私を含め9人だけの参加でした。

 最近はメンバーも変わってきて,何故か,オフ会にアクテイブな会員としては最年長となり,,口ばかり達者で将棋はカラッキシ弱く(レーティング最低で)見かけも中身もホ^ームレスに間違えられそうなキモイ,恐らくおジャマ虫の私でも今回は対局の人数合わせに貢献できたようです。

 (※↑また,お得意のヒガミ?)

 昼12時から対局予定なので巣鴨の自宅を11時ころに出れば十分間に合うはずが,例によって出る寸前に部屋のカギを探したりして.結局40分くらい遅刻し2局目から参加しました。

 人数も少ないので最初から北島先生の2面指しで2枚(飛車角)落ちを教えていただきました。

 かつては指導対局は持時間にはルーズでしたが,一応最終成績の順位には駒落ちのハンディ込みでプロのお2人も含まれ,勝率て判定します。

 当然なことですがプロには勝てない状況が続いてたので,面ごとにチェスクロックを1個置いて,我々と同じく持時間20分,切れると30秒の秒読み,かsつ多面指しという対局風景になりました。

 私,最近は将棋の対局というと,「24ネット将棋道場」で,ブログ書きの気分転換,ストレス解消が主目的の極めて早指しの荒れた対局ばかりやってたので2枚落ちも,初めは2歩ツッキリの定跡通り指していましたが,ウロ覚えで久しぶりのこともあって,すぐに定跡から離れてしまいました。

 結局,イツモ通り勝負には負けましたが,定跡無視の自己流?でノビノビやったためか,ほぼ,勝ちということで大いにほめていただきました。

 お世辞でしょう。。??

 2度?も先生から,「もっと考えてじっくり指しなさい」,と無謀な?手を変えてやり直すように言われ(要するに待ったです),そうこうしてるうちに秒読みになるという普段は有りえ得ない状況で,5手か7手の後でみると簡単な詰めを失敗したのでした。

 アドバイス入りで真剣勝負ではなくなっています。

 終盤優勢で秒読みになったときは,焦らず,普通の手(俗手)を指すことを考えるようにとのお言葉でした。

 これで,北島先生との2枚落ちは1勝10敗くらいですかね。飛車落ちの1敗もあります。

 そして,次が初対面の早水女流の2面指しに飛車落ちで惜敗。。

 つい定跡をはずれたので,それをテキトーに修復しながらやっていたのが幸いしたらしくて,自分の頭の中では大差で勝ちになった,と思ったのでイツモの楽観から手を抜いてト4死しました。

 局後,「最後に1手守るだけで完勝でした。」とのご指摘を頂き,「イヤ,差が大きいと危なくても守らないクセがあるので」との負け惜しみ?発言に.

 一同爆笑(大失笑)で,つい調子に乗って「フェミニストですから。。」と,言わずもがなの一言が多かったのはゴメンナサイです。

 別に不真面目に指していたのではなく,老衰のボケでしょう。

 結局,最後のガムさんとの飛車落ち下手も順当負けでした。

 (※これは,初手の反則のチャンスのみでした。

 上手なのにチェスクロックを押して,「どうぞ」というので,最初の1手をツイ指しそうになりましたが,コレって反則幇助??)

 しかし,全敗は3人もいて私より遅刻した人もおり,同率は対局数が多い人,対局数も同じならレーティングの低い方が上というありがたいル-ルで,私は10位のブービーでした。

 優勝は初参加の早水女流で8勝1敗,2位が北島プロで8勝3敗,3位は3勝2敗の,たいとさんでしたかたねえ。

 順位の順に,前の机の賞品を取るということで,今回は用意された賞品の数の方が人数より多く私も将棋日本シリーズの扇子をもらいました。

 表彰の方が後で順不同ですが,時間が余ったので,北島チーム6人と早水チーム5人で連将棋もやりました。初めから1人1手30秒の秒読みです。

 夏合宿では個人対局は持時間20分ではなく30分で,連将棋も1人1手40秒ですが,時間の関係で対局幹事の柿木さんの提案で時間が決まりました。

 私は北島チームの端くれで,序盤,中盤.そして終盤の魔術師じゃない。漫才師として足を引っ張り,負けました。。厳密には時間切れが双方1回ずつあったようですが,これもご愛嬌です。

 17時半頃に終わって,2次会は高円寺で飲むということでしたが,私は最初の対局料込みの会費の2千円と電車賃しかなかったので,こちらの方がメイnかもしれなかったのですが飲み会の方は辞退して帰りました。

 初めて会った人が早水女流ともう1人比較的若い男性がいて,初対面の人にはこのブログの名刺を渡して宣伝するのが常だったのに,着る服がイツモと違ってポケットに入れるのを忘れたので名刺を渡せず残念でした。

 寒い日曜日に,ワザワザ乏しい食費まで切り詰めて参加したのは,,将棋を指したいというより,新しく出会う女流見たさのスケベココロと,とにかく新しい人や,めっ たに会えない知己に会いたいからでした。 

 楽しかったです。

 カメラを持ってい ったけれど使わずじまいで,下の写真はネット検索からコピー借用しましたが,新年会当日の早水さんは,こういう感じでした。

 親しみ易くて,カワイらしいヒトですね。

   。

 余談ですが,私が将棋のネット関係に接したのは,日電-東芝(Accos)や富士通(Facom)の大型コンピュータで東電などのプラントの環境アセスメントをする会社を13年勤続の後に1990年3月(40歳1ヶ月)に辞めて.

 当時今より高価だったパソコンとHDD,プリンターのハードや一太郎etcのソフト一式を退職金の一部で購入し,慣れてきた翌年の1991年(41歳,のとき)のゴ-ルデンウイークに雑誌アスキ-で見た(若い子とも友達になれるという宣伝に乗せられてパソコン通信ニフティサ-ブ(富士通tと日商岩井が母体なのでニフティ)に入ったのが今のPC依存症?のドツボに入ったきっかけでした。

 将棋チェスネットは,MS-DOSやMAC-OSの時代から1995年にWindows95の登場でプラットホームsWindowがメイnの時代に移り,通信もテキスト掲示板のみのパソコン通信からインターネットに変わって,ニフティのFSHOGI(将棋フォーラム)が消滅していった後の1部を引き継いできたものですが,

 パソコン通信当時(今も)メール将棋がメインでした。

 私はメールでなく直接盤面の映像で対局するために入会したのですが,今でこそメールよりリアルタイムにオンラインで指す将棋が全盛ですが当時はソフトの操作も今より複雑で通信代もバカにならなかったので少数派でしたが,旅行や忘年会,新年会などのオフにはよく出ていました。

 「柿木将棋」の柿木さんはFSHOGI下の初代シスオペでしたが,今もただの馬の骨のに過ぎず,将棋も強くない私が,お金を払いもせずに,比較的有名な方や強豪の方ともお付き合いをしていられるのは,

 当時は.将棋人口は多くても,将棋を指す趣味があって,しかもパソコンを使用しており,その上さらにネット通信までやるという人々の人口は,まだまだ少なかったせいでしょうね。

 虎の威を借りて他人のフンドシでスモウを取る気はないですが,馬の骨,有象無象も長年の門前の小僧さんで,少しはマシになってるようです。

PS:土曜日の夜からガスッファンヒーター(木造7畳用)つけてますが,今までがウソのように,とても暖かいですね。

 部屋全体が暖かいと,体も心も固まってベッドの上で毛布にくるまってるときだけがシアワセという状態から解放されます。

 石油と違って油臭い匂いもしないし給油する必要もなし5250円の中古ファンヒーター,もっと早く気がつけばよかった。

 自宅は7畳でなく6畳と4畳半の木造アパートの1Kですが小一時間で暑いくらいになり,部屋全体が暖かくなるので,今の寒さでもエアコンを追加する必要は全くありません。

 ただ火気なので,かけっぱなしでつい眠ってしまったりすると心配ですが,マニュアル通りなら,危ないと自然に消えるらしいです。

 土曜日の夜に,今年の営業開始をしたばかりの東京ガスに電話で聞いて,ソケットがプラグに合わないのは,ソケットを抜くときの状態でプラグに押し付けてるせいなのではないか?と指摘されたので,

 まず,ソケットを押して元の状態に戻してから,プラグに押し付けると,カチャッと音がしてスグにプラグがハマりました。

 浅はかな私の凡ミスでした。ガスのサービスを呼んで出張費などの無駄使いをしなくてよかったです。

 イザとなったら,教えてもらっていた裏ワザの,「ガス臭いみたい。」という電話をしたらスグにやってくる。。というワザを使おうか?とも思っていましたが,そういうのもやらなくてよかった。嘘は,方便ででもつきたくないから。。

 実は,私のガスファンヒーター使用は初めてではなく,昔,独身の一人暮らしなのに,35歳のとき「木場南スカイハイツ」というマンション10階の3DKの部屋を購入し,それから9年後の平成6年(1994年)5月に巣鴨のガスのないワンルームマンションに移るまでは冬場はダイニングルームで愛用していました。

 問題はガス代ですが,今までの電気代はほとんどがエアコンによるものだったので,(電気代+ガス代)のトータルでは減るだろうと期待しています。

 しかし,私の持病の心不全は,寒さと暑さには極めて弱いので,こういうのは,ケチると死んじゃいますからね。。

PS2:自宅にいると,疲れて居眠りなどしている以外は,ブログ書きも含め,将棋やゲームなどの気分転換までも,常に何かに追いかけられてるようにアセって一心不乱にのめり込み,食事さえも食べかけたまま忘れたりするくらいですが

 何故か.出勤して,作業中のときをも含めて,外出するとリラックスして自分を取り戻すようです。

 外出の必要があるときは,できるだけ早く外出した方がいいのかも。。

 それにしても,キ-ボードが壊れてアキバで買った中古のモノに変えましたが,ところどころキーの反応が鈍くて,これはイケません。

 たまの検索くyらいならいいけれど,キーボードはブログ関係で多用するので,もっとイイのを探そうと思います。

 その上,漢字変換のフェプもバカで学習しないから困ったものです。

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2013年1月 3日 (木)

明日初出勤します。(最初の癒し動画)

 4日も休んで,5日から出勤する予定でしたが,6日昼から阿佐ヶ谷での将棋の対局新年会に参加する気になったので,急遽明日4日朝,勤務先に連絡して出勤し,代わりに6日を休みたいと思います。

 後,何回新年会に出られるかもわからないので出られるうちに出ておきます。

 そして今年最初の癒しです。

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2013年1月 2日 (水)

タキオンと因果律(再掲)

 

新年になりましたが.作年12月後半からっずとと科学記事がないのも

私のブログらしくなくてサビしいと感じたので,私得意の手抜きとして

昔の記事を再掲載してツナギにしたいと思います。

 

 ブログを始めてまだ3ヶ月くらいの2006年6/29の過去記事

タキオンと因果律」を再掲します。

  

この記事は.このところずっと古典電磁気学を復習していて,過去の

シリーズ「電磁気学と相対論」や「電場と電束密度,磁場と磁束密度」

をチェックしているうちに遭遇し,

 

参考文献が記述してなかったので.我ながら元ネタは何だろうか?

と数日間探しているうち,やっとメラーの「相対性理論」の中に

あることを発見できたモノです。

 

元ネタを探していたのは図を挿入するためで,元本には恐らく図がある

と思い.それを参考にするかスキャナーで取り込めると期待していたか

らです。

 

結局.年末に元ネタはわかりましたが,図はなかったので自分で描こう

としました。

 

しかし,作成中にワードがオカシクなって全部消えたので頭来てPending

にしていて気分落ち着いたので.さっき文章だけアップした後でボチボチ

描いて挿入しました。

 

再掲記事でなく元記事に挿入するためなので,後で入れときます。

  

ある意味.今年の初仕事ですね。

 

※以下,再掲載記事です。

  

相対論ではタキオン(超光速粒子)の存在は否定されません。

 

これは虚数の質量を持ち光速より遅い速度では走ることができず,

エネルギーを貰えば貰うほど速度が遅くなるという不思議な粒子

です。

 

これが存在すると,因果律(原因の方が結果より前:という基本法則)

が破られます。

 

因果律が破られる事実は具体的には次のように示されます。

 

まず,ある座標系,これを仮に静止系Sとします。

 

この系に対して,x軸の正の向きに相対的に等速度運動している系S'

考えます。

 

それは宇宙船に固定された系であるとしてもかまいません。

 

ただし,これはタキオンではないのでその速度の大きさvは

光速cより小さいとします。

 

静止系Sと運動系S'の双方の時刻ゼロ(t=t'=0 )に,双方

の座標系の原点が一致する(x=x'=0 となる)ように座標系

を取ります。

 

そして,x 軸の正の向き(=右向き)に運動する系S'の原点に

固定されている宇宙船から,時刻ゼロ(t=t'=0 )に光速より

速いタキオン信号をこの運動系でのx軸であるx'軸の負の向き

に発信します。

 

この信号を原点よりも左遠方のある位置で受け取った静止S系

にいる人が,受け取ったと同時に別のタキオン信号をx軸の正の

向きに返して,最初から静止S系の原点にじっとしていた別の人

が受け取るとします。

 

 

 

相対論のLorentz変換を使って,これを計算すると,最後に戻した

信号が静止していた原点にいる人に到達する時刻が静止系で負

になります。

 

そこで,じっと原点に静止していた観測者が時刻ゼロにすれ違った

宇宙船が信号を発するよりも前に,戻ってきたタキオン信号を受け

取ることになります。
 
 つまり,信号を発する前に信号が返ってくるという不思議なことに

なりますから,これは未来の情報が過去に伝わるという現象の例に

なっています。

 

これで因果律は破れます。

 

では具体的な計算を見てみましょう。

 

宇宙船の速さをv<c,タキオンの速さをw>cとして2次元

のLorentz変換で計算します。

  

一般的に扱うために宇宙船から発射するタキオン信号の速さを

1,受け取ってから返すタキオン信号の速さをw2とします。

 

ただし,w1,w2>cです。

 

最初にタキオンを発信するときの位置は,原点x=x'=0 で,

そのときの時刻はt=t'=0 です。

 

ただし,前の説明段階でも述べたように,信号を受けて返す人

慣性系(静止系)をS,それに対して速度vで運動し宇宙船が静止

して見える慣性系をS'として,S系の2次元座標を(x,t),

S'系での同じ点の座標を(x',t')としています。

 

そして,宇宙船から発信された最初の信号が左遠方の別の人に届

くまでの時間(届く時刻)を宇宙船S'系の時刻でt1'とします。

 

すると,届いたときの点のx'座標は,明らかにx1'=-w11'

です。

 

このとき,静止している観測者の系からみた位置での時刻は,

1=γ(t1'-vw11'/c2)=γt1'(1-vw1/c2) です。

 

ただし,γ={1-(v/c)2}-1/2です。

 

そして,観測者の系からみた位置座標は,

1=γ(x1'+vt1')=γt1'(v-w1)

です。

 

この時刻1に,位置x1から速度w2で信号を返します。

 

この信号が原点に静止している別のS系の観測者に届く時刻を,

その原点に静止している人の時刻でt2とし,これを求めます。

 

1+w2(t2-t1)=0 (原点)ですから,これに,

1=γt1'(v-w1),t1γt1'(1-vw1/c2)を代入

すると,γt1'(v-w1)+w22-γw21'(1-vw1/c2)=0

となります。

 

これを解けば,t2γt1'{1-vw1/c2+(w1-v)/w2}

を得ます。

 

したがって,例えばw1>c2/vかつw2>(w1-v)であれば,

2<0 ですから,信号を発信した時刻t=0 より前に,まだ発信

してもいない信号が返って来ることになり,これは因果律を破

ってしまいます。

 

もしも,w1=w2=wならt2=γt1'{2-v(w/c2+1/w)}

です。

 

そこで,w>c2(1+1/γ)/vの条件でt2<0 になりますから,

発信信号と返信信号のタキオンの速さが全く同じであるとし

ても因果律を破ることが可能です。

 

w=cの臨界値,つまり信号がタキオンではなくて真空中の光

=電磁波"なら,受けて返した信号が原点に届く時刻は,

2=2γt1'(1-v/c)であり,このt2はv<cなら正,

v=cならゼロです。

 

この例では,光速を超えるだけでは因果律が破られるとは限らず,

もうちょっと大きい速度のタキオンが必要なようです。

(※これはチョッと計算を間違えたかな?)

 

しかし,宇宙船の速度vも光速に近くなれば信号速度が光速を超

えただけで因果律が成立しないことにはなりますね。

 

もしも,どこかに計算間違いありましたら,ご指摘ください。

  

PS:ここで用いたLorentz変換は光速度不変に基づくもので,

相対論的運動学(幾何学)の式です。

 

力学(mechanics or dynamics)を導入せず,運動学(kinematics)

だけの話なら,議論に質量は入ってこないので虚数質量という

問題も生じません。

 

また,S'系のSに対する相対速度の大きさvがv<cを満たす

なら.γ={1-(v/c)2}-1/2も普通の実数です。

 

この例では,信号速度の大きさwについてw>cであっても,

宇宙船の速度の大きさvが超光速,つまり,v>cでない限り

はγが虚数になることはないので普通に計算できて因果律の

議論ができるのですね。

  

(再掲記事終わり※)

  

PS:バカヤロー。。

  

ほんのちょっとだからよかったものの。アップした記事の

修正・編集をしている最中にwindowsのシャットダウンなんか

するなよな。。

 

偶然どっかのキイに触ったかも知れないけれど,オレにホットキイ

なんか余計なお世話で必要ないからネ。。

  

こいつは,初春(はる)から極めてエンギが悪い。。

  

さて,今から日本テレビで箱根駅伝でも見ます。

 

日テレでは高校サッカー中継もあるみたいです。

 

私の故郷の岡山県代表はどこだろう。。普通は作陽高校ですが。。。

  

年末の高校駅伝も例年通り,男子は倉敷.女子は興譲館で優勝では

ないけどそぞれ.4位.2位とそこそこ活躍したようです。

  

高校野球の秋の神宮大会でも関西高校が準優勝と,これまでのお隣

の広島県ほどではないですが.いくつかのスポーツで全国区になりつ

つあるようです。

  

自分の馴染み」深い愛着のある地域や人々を愛すること,故郷を愛することは

必ずしもナショナリズムじゃなくて,,たとえいつか世界連邦のように国家が発展

的に消滅して地球が1つになったとしても残る感情でしょうね。

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2013年1月 1日 (火)

新年あけましておめでとうございます。

 何はともあれ,新年になりました。2043年平成25年です。私の誕生日が昭和25年2月1日ですから来月で63歳、昭和が63年+8日ですから勘定は合っています。

 連休で昼夜の感覚失っていて大晦日から今日元旦の昼頃まで部屋にある全ての飲食物を暴b暴食したりして何もせず電話など一切受付けずに受動的に起きていました。1日くらい孤独を楽しんでもいいでしょう。

 そして,夜19時頃目覚めました。案の定年賀状1通もきていません。

 年賀メールは携帯に2通でしたが,PCは未チェックです。

 今日も体を休めます。

 キーボードの具合いが悪くて別のBUFFAROのキーボードに変えました。

 タッチが柔らかすぎて慣れないせいか,打ち辛いです。

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