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2013年11月

2013年11月28日 (木)

原始根と指数(2)

ずいぶん,間が開きましたが数論の記事の続きです。

 

今年は半年近くも入院療養していてその方が日常化していたので

自宅における日常生活の私本来の精神はまだリハビリ中のような

気分が続いています。

 

よほど,精神的余裕があってテンションが上がらないとブログを

書こうという気分にさえなれず,PC中毒は相変わらずですが,パソ

コンに向かうと,ついネット将棋とか安易な娯楽の道に耽溺して

しまいそうです。

 

まあ,身体も心も日常性を取り戻すのはボチボチですね。

 

(※それにしてもブログのテンプレート何とかならないかなあ。。

 

ここ@niftyのココログがブログにしては長く複雑な数式のアップ

にも対応できて表示も見みやすいと思っているので,ずっと愛用

してきましたが,何故か昔と違ってオカシイです。

 

文字の大きさを均等にするくらい自分でHTMLをいじらなくても

自動的にやってくれれば。。と思います。

 

ときどき,編集やる気をなくして放置したくなります。。)

  

さて,まず,原始根の定義を再確認しておきましょう。

 

[定義]:(原始根;primitive root)

aをある整数とするとき,ak≡1 (mod m)を満たす最小の自然数k

をmを法とするaの位数(order)と呼び,これをord(a)で表わす。

 

特に(a,m)=1で,aの位数ord(a)がmのオイラー数:φ(m)に

等しいような整数aをmの原始根という。

 

さて,次に,任意の正整数mに対して原始根が必ず存在することを

示すため,次の定理の成立を証明します。

※以下では便宜上,整数といえば正整数(自然数)を指すものと

します。特に,原始根も自然数のそれとします。

 

その前にまず,定理の証明に必要な補助定理(lemma)を与えます。

  

[補助定理]:(Lagrangeの定理)

素数pを法とするn次合同方程式の根の個数は法p(mod p)で

nを超えない。

 

(証明):数学的帰納法(induction)に頼ります。

 

まず,n=1の1次合同方程式:ax+b≡0 (mod p)は唯1つ

の解を持つか,解がないかのいずれかであることは明らかです。

 

n≧2のとき,(n-1)次のときには定理の命題が成立すると仮定し,

n次の場合の命題の成立を証明します。

 

すなわち,f(x)をxの任意のn次多項式として,n次合同方程式:

f(x)≡0 (mod p)の根を考えます。

 

これの根が存在しないなら根の個数はゼロなので根の個数がnを

超えないのは明らかですからこれで証明終了です。

 

一方,1つでも根があればそれをx1とします。

 

するとf(x1)≡0 (mod p)ですからf(x)≡0 (mod p)は,

f(x)≡f(x)-f(x1)≡0 (mod p)と同値になりますが,

 

明らかに,これはf(x)-f(x1)=(x-x1)g(x);

ただし,g(x)はxの(n-1)次多項式,と因数分解されます。

 

そこで,,f(x)≡0 (mod p)は,(x-x1)g(x)≡0 (mod p)

を意味することになります。

 

さらに,f(x)≡0 (mod p)にx1と合同でない別の根x2がある

とすればf(x2)≡(x2-x1)g(x2)≡0 (mod p)となりますが,

2-x1≡0 (mod p)ではないのでg(x2)≡0 (mod p)です。

 

つまり,f(x)にx=x1と異なる根があればそれはg(x)の根です。

 

g(x)は(n-1)次多項式であり,(n-1)次については定理の命題

が成立すると仮定しているので,g(x)≡0 (mod p)を満たす根の個数

は(n-1)を超えません。

 

したがって,x=x1を加えてn次合同方程式f(x)≡0 (mod p)

を満たす解の個数はnを超えません。(証明終わり)

 

この補助定理を用いて証明すべき定理は次の通りです。

 

[定理1]:(ⅰ)2の原始根は1である。(ⅱ)4の原始根は3である。

(ⅲ)奇素数pの原始根は常に存在して,個数はφ(p-1)個である。

 

(証明):pが素数のときはφ(p)=p-1なので,aが原始根である

ことはaの位数がp-1:ord(a)=p-1であることを意味します。

 

(ⅰ)m=p=2ならp-1=1でありap-1=a≡1(mod 2)となるaは

2を法として1のみであるのは明らかです。

 

いいかえると,奇数aは全て原始根ですがp=2を法とする整数と

いう意味ではa=1のみです。

 

(ⅱ)m=4のときはφ(m)=φ(4)=2です。

 

1,2,3,4のうち,a≡1(mod 4)は成立せずa2≡1(mod 4)となるaは

明らかにa=3だけです。

 

(ⅲ)m=p(奇素数)のとき

 

dをφ(p)=p-1の任意の約数とします。

 

もしも位数がdの整数が存在すれば,それをbとすると,位数の

定義から,b≡1 (mod p)であり,k<dならbk≡1(mod p)は

成立しません。

 

そして,法pではbのベキ乗は1=b0,b,..,bd-1に限られます。

 

これらd個は全て,(bj)≡1(mod p)(j=0,1,..,d-1)を満たす

ので,xd≡1 (mod p)の解xです。

 

ところが,上の補助定理(Lagrangeの定理)によればxd≡1 (mod p)

or xd-1≡0 (mod p)を満たすpを法とする解xの個数は高々d

です。

 

しかも,i,j=0,1,..,d-1でi≠jかつ,bi≡bj (mod p)なら

|i-j|≡1 (mod p),かつ,0<|i-j|<dとなり,dが位数である

という仮定に矛盾します。

 

そこで,xd-1≡0 (mod p)の解:1=b0,b,..,bd-1は全て法p

について互いに合同ではないd個ですから,これらがx≡1 (mod p)

の解の全てです。

 

これらのうちの任意の1個のbjの位数をeとすると,(bj)

≡bje≡1 (mod p)なので,d|(je):つまり,je≡0 (mod d)

です。

 

ここで,g=(j,d)とおくと,j=j1g,d=d1g,(j1,d1)=1

ですから,je≡0 (mod d )というのは,j1ge≡0 (mod d1g)を

意味します。

 

平たくいえば,j1geはd1gの倍数です。

 

そこで,gで割ってj1eがd1の倍数というこということに

なりますが,(j1,d1)=1なので,結局,eがd1の倍数です。

 

すなわち,d1|eでありd1≦eです。

 

他方,(bj)d=(bd)j≡1 (mod p)ですが,eがbjの位数である

と仮定したのでe≦dです。

 

したがって,もしもg=(j,d)=1であり,それ故,d1=d/g=d

であれば,e|d1,e≦d1となり,d1≦eかつe≦d1より,

e=d1=dとなるため,bjの位数eはdに一致します。

 

逆に,eは常にd1の倍数ですが,それが特にdの倍数となるのは

g=(j,d)=1のときのみですからeがdに一致するのは,

g=(j,d)=1のときに限られます。

 

それ故,φ(p)=p-1の任意の約数dに対して,ある整数bの位数

がdなら,それから得られる異なるd個のベキ:

1=b0,b,..,bd-1のうち,位数がdである元の個数はφ(d)です。

 

したがって,特にd=φ(p)=p-1のとき,{b0,b,..,bp-2}

は,{1,2,..,p-1}と一致しφ(p)=p-1を位数とする元:

つまり,原始根の個数はφ(p-1)個です。(証明終わり)

 

次に着目したのは素数のベキの原始根に関する次の定理です。

 

[定理2]:gを素数pの原始根,nを1より大きい整数とすると,

m=pnの原始根は常に存在する。

 

そして,次が成立する。

 

(a)gφ(p)=gp-1≡1(mod p2)が満たされな場合

gはm=pnの1つの原始根である。

 

(b)gφ(p)=gp-1≡1(mod p2)が満たされる場合

gはm=pnの原始根ではないが,(g+p)はm=pnの1つの原始根

である。

 

(証明):m=pnに対してはφ(m)=φ(p)=p-pn-1

=pn-1(p-1)ですから,mの原始根gとは位数がpn-1(p-1)

に等しい整数を意味します。

 

さて, 一般性を損なうことなく,pの原始根gは自然数である

とします。

 

gは素数pの原始根ですから,(g,p)=1,または{1,2,..,p-1}

の元の1つです。

 

そこで,gp-1≡1 (mod p)は当然成立していますが,

p-1≡1 (mod p2)とは限りません。場合分けをします。

 

(a)gp-1≡1 (mod p2)が満たされない場合

 

p-1≡1 (mod p)より,あるゼロでない整数xによって

p-1=1+xp,かつ(x,p)=1 と書けます。

 

これから,gp-1のp乗の二項展開:gp(p-1)=(1+xp)

=Σr=0ppr(xp)rによって,gp(p-1)≡1+p2x (mod p3)

であることがわかります。

 

さらに,p乗してgp^2(p-1)=(1+xp)p^2≡1+p3x (mod p4)

を得ます。

 

両辺のp乗の繰り返しから,帰納的に,

p^(n-2)(p-1)≡1+pn-1x(mod pn) (n≧2)となり,

それ故,gp^(n-1)(p-1)≡1 (mod pn) (n≧2)を得ます。

 

そして,d<(p-1)で,かつd|(p-1)とするとき,

 

もしも,gd・p^(n-1)≡1 (mod pn)(n≧2)なら,

d・p^(n-1)≡1 (mod p)から,gd≡1 (mod p)となり

gがpの原始根であるという仮定に矛盾します。

 

何故なら,gp-1≡1 (mod p)より(gp)p≡gp^2≡gp≡g (mod p)

であり,これを繰り返してgp^(n-1)≡g (mod p)を得ます。

 

故に,gd・p^(n-1)=(gp^(n-1))d≡gd (mod p)ですが,

d・p^(n-1)≡1 (mod pn)なら,gd・p^(n-1)≡1 (mod p)

なので,gd≡1 (mod p)となり,gの位数がd以下となるので

仮定に矛盾します。

 

故に,gがpの原始根ならd<(p-1)に対して

d・p^(n-1)≡1 (mod pn)となることはなく,

他方,gp^(n-1)(p-1)=gφ(p^n)≡1 (mod pn)です。

 

したがって,この場合,gはm=pnの1つの原始根です。

 

(b)gp-1≡1 (mod p2)が満たされる場合

 

(p-1)<p(p-1)=φ(p2)なので,gはp2の原始根では

ありません。

 

そして,gp-1=1+xp2と書けるので,両辺をp乗して二項展開

を見ることから,gp(p-1)=1+xp3≡1 (mod p3)です。

 

以下,両辺のp乗を繰り返して帰納的に,

p^(n-2)(p-1)=1+xpn≡1 (mod pn)が成立します。

 

しかし,pn-2(p-1)<pn-1(p-1)=φ(pn)なので

gはm=pnの原始根ではありません。

  

ところが,gp-1≡1 (mod p)なので,法pではgと合同な元

に過ぎない(g+p)を考えると,

 

(g+p)p-1=gp-1+Σr=1p-1p-1rrp-1-r≡1 (mod p)

であって,これももちろんpの原始根です。

 

右辺の二項展開から明らかに法p2では,(g+p)はgと

合同ではなく(g+p)p-1≡1 (mod p2)は成立しません。

 

そこでg'=g+pを改めてpの1つの原始根gと見ると,これは

条件(a)を満たすpの原始根となるため,これはm=pnの原始根

の1つを与えます。(証明終わり)

 

たった今証明した[定理2]の具体例を与えておきます。

 

(例1):p=7については,g=3が1つの原始根であることは

既に前記事で見ました。

 

そして32=9≡2(mod 7)より,確かに36≡8≡1(mod 7)ですが,

34=81≡32 (mod 49)より,36≡32×9≡43 (mod 49)なので,

36≡32×9≡1 (mod 72)は成立しません。

 

一方,φ(72)=42であり,Eulerの定理により,もちろん,

342≡1(mod 72)は成立します。

 

したがって,上に示した定理2から3は72の原始根であるだけ

でなく,73,74,.など全ての7のべき乗の原始根です。

 

(例2):p=29については(14,29)=1なのでFermatの小定理

が成立して1428≡1 (mod 29)でありg=14はp=29の原始根

と成り得る資格があります。

 

面倒ですが実際に計算してみると,確かにg=14が1つの原始根

であることがわかります。

 

一方,φ(292)=28×29=812で,Eulerの定理により

14812≡1 (mod 292)です。

 

292=841であり,法841では142=196,143=196×14≡221

144=196×196≡571,146≡571×196≡63,148≡571×571≡574,

1414≡574×63≡840≡-1です。

 

そこで,1428≡1 (mod 292)なので,14は292の原始根ではない

ですが,g+p=14+29=43が292,293,294,.など全ての29の

べき乗の原始根です。

 

※ほんの少しのテーマで入院中には1日か2日で通過したところ

なのに,退院後の今,ブログ記事にするのに,怠惰もあって1ヶ月

以上もかかってますが,まだ,続きがあるので後1回このテーマに

お付き合いください。

 

PS:年内は,午後の仕事場への出勤前に,要介護1で月水金には

介護ヘルパーが来て簡単な家事を1時間やって頂き,そしてほぼ

毎日看護師が来て,私の体温,血圧,血糖値などチェック,さらに

足の傷の洗浄とケア,治療をして頂いています。

 

自分の部屋なのに,まるで個室入院の延長であるかのような健康

的な状態が続いていて,不潔で不規則,自堕落な生活のほうが性に

合う?はずの私の精神の方が崩壊するのではないか?と心配です。

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2013年11月16日 (土)

最近の生活スタイル

 私は誰に何と言われようが,世間の倫理,モラルに反しようが.断固として自分の自由なライフスタイルや生活パターンを変更しないという自負,自信?があったのですが,イヤ,今回は全く私の弱点を突かれたので当分は謂わゆるマトモな生活が続きそうです。

 私の弱点とは,自分のコトよりも他人を気使うということ?でしょうか。。

 (↑世間体を気にするというコトではないですヨ。。)

 自分の部屋にチョクチョク来客が来ていた時代はずいぶん昔のことで,少なくとも,昨今は自宅の自室にいる限り,時間にも空間にも拘束されることもなく,暮らしていました。

 部屋全体がゴミ箱でどこに捨てても自由のゴミ屋敷で,時折りゴミ収集日にそれらを袋に集めて出せばいい。

 また,誰も来ないから仕事に出る以外は昼も夜もなく,飲食したいときに飲み食いし寝たいときに寝る,酒など楽しみたいとか用があればそれらは全て自宅外のことです。

 自宅ではライフスタイルを変更することはない。故立川談志師匠が言ってたごとく意志の弱いヤツが酒やタバコをやめるんだ。。という言に共感していたものでした。

 しかし,要介護1で1日おきにヘルパーさんが来る,また足が完治してないので看護師がほぼ毎日来ます。ほんの1~2時間でも来客があるなら,気分は全く自由というわけにはいかず,客が来て帰るまではそれなりに緊張するため,仕方なく少しはコギレイに成ってしまいます。

 私がこれまで何のために独身生活をし続けて彼女いない歴60年余をやっていたと思ってるのだろう。。。まったくぅ。。。(ヒモノ男?は最高なのだ。。)

 私は自分でいうのも何だけれど,他人に対する気兼ねは人一倍で,特にオンナというイキモノにはからっきし弱いのですから。。。

 幸か不幸か?。。最近の入院続きのせいか?

 「数日以内には何かブログ記事を投稿しなければ。。」という強迫観念からも解放されつつあるようです。。。

 そうした義務感,貧乏性の緊張感までも無くなってしまえば,認知症から老衰というシアワセな状態になって天に召されるのも早まるような気がします。。。

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2013年11月10日 (日)

原始根と指数(1)

 退院して1ヶ月余り,やっと,科学記事復活第1弾です。

 

 こういうものを投稿しないと,私のブログが完全復活したという気がしません。

 

 何故か,6年前の心臓病,心臓手術での入院以来,病室で読む専門書は

 普段敬遠している数学関係が多くなっています。

 

 今回も何を思ったか,「「フェルマー(Fermat)予想」。。

 今は,1994年:Wills(ワイルズ)により証明されたので,「フェルマーの大定理」

 あるいは,「フェルマーの最終定理」ですが,

 

 この証明をいつの日かじっくり鑑賞できるようになりたいな。。などと

 考えた結果,今まで知っている数論,整数論についての僅かな知見を

 楕円曲線なども含めて,もう少し広げたいなどと思いました。

 

 自宅から病室に持参したのはブルーバックスの「数論入門」(芹沢 正三 著)

 と岩波書店の「数論入門(楕円曲線)」(J.S.Chahal著;織田 進 訳)の2つです。

 

 入院後,最初に読み始めたのは後者の方で,ときどき気分転換に前者

 を読んでいました。

 

 しかし,今回の記事のテーマとして採用したのは前者のブルーバックス

 の方です。

 

 病室では参考書が全く無いので帰宅してから少し補足しています。

 

 時間は有り余っていたので両書とも穴のあくほど精読して読了しました

 が,目標にはまだまだですね。イヤ,その前に寿命が。。。

 

 さて,本文に入ります。

 

 まず,有名なGaussの合同式に関する「Fermatの小定理」から始めましょう。

 

 これは,,"素数pに対して(a,p)=1ならap-1≡1 (mod p)が成り立つ。"

 というものです。

 

 しかし,1≦k<(p-1)なるkでak≡1 (mod p)となる場合もあります。

 

 そこで,ak≡1 (mod p)を満たす最小の自然数kをpを法とするaの位数(order)

 といい,これを|a|,または,ord(a)と表わすことにします。

 

 例えば,p=7,a=4なら(a,p)=(4,7)=1ですが,p=7を法として,またはmod 7

 で41≡4,42≡2,43≡1,44≡4,45≡2,46≡1ですから,ap-1=46≡1 (mod 7)です。

 

 確かにFermatの小定理は成立していますが,その前に43≡1 (mod 7)と

 なっていますね。

 

 それ故,p=7を法とする4の位数;ord(4)は,6=p-1ではなく 3です。

 

 そこで,特に,(a,p)=1でaの位数がord(a)=p-1であるようなaをpの原始根

 (primitive root)と定義します。

 

 つまり,1≦k<(p-1)なるkでは,ak≡1 (mod p)とはならず,k=p-1で初めて

 ak=ap-1≡1 (mod p)となるようなaをpの原始根と呼ぶわけです。

 

 この原始根:aを特にgと表わすことがあります。

 

 例えば,p=7,a=3なら(a,p)=(3,7)=1であり,

 7を法として,,31≡3,32≡2,33≡6,34≡4,35≡5,36≡1ですから

 3は7の1つの原始根です。

 

 ここで,Fermatの小定理と並んで合同式の代表的な定理であるEuler

 の定理も便宜上必要なので,これの説明のため,Euler関数という整数

 の関数を与えます。

 

 以下,を整数全体,を自然数(正整数)全体を示す集合します。,

 

 1≦k≦nでnと互いに素:(k,n)=1であるk∈nの個数はnの関数の1つ

 となるので,これをφ(n)と書き, Euler関数と呼びます。

 

 特にp∈が素数のときはk=1,2、..,p-1が全てpと互いに素なので,

 φ(p)=p-1です。

 

  また,p,qが共に素数でp<qならn=pqを超えないnと互いに素 でない

 自然数は,p,2p,3p,..,qpのq個とq,2q,..,pqのp個から 共通するqp=pq

 を除いた(p+q-1)個です。

 

 そこでφ(n)=φ(pq)=pq-(p+q-1)=(p-1)(q-1)=φ(p)φ(q)

 となります。

 また,もしもq=pでn=pq=p2なら,nと互いに素でない自然数は

 ,p,2p,3p,..,p2のp個ですからφ(n)=Φ(p2)=p2-pです。

 

 一般に,nが素数pのベキ:αを自然数としてn=pαなら,nと互いに素で

 ない自然数の個数はpα-1ですから,φ(n)=Φ(pα)=pα-pα-1です。

 実は,(m,n)=1ならφ(mn)=φ(m)φ(n)である。という法則がありますが,

 これは1995年(45歳当時)に「代数系入門」を1冊精読したときのノートの

 (補題E)に相当します。

 

 このノートから引用した,これの証明を書いておきます。

 

※(証明):S,T,Uをそれぞれ法m,n,mnに関する完全剰余系,

 S,T,Uを同じ法m,n,mnに関する既約剰余系とします。

 

 ただし法mに関する完全剰余系とは法mに関する合同関係から作られる

 全ての同値類=剰余類:Caの代表元aの集合です。

 つまり,S={0,1,..,m-1}={-1,..,-m+1,0}etc. です。

 

 一方,既約剰余系とは,(a,m)=1であるような剰余類=既約剰余類 C

 の代表元aの集合で,その位数=既約剰余類の個数はφ(m)です。

 

 このとき,完全剰余系の定義から,z∈Uなら, z≡x (mod m),かつ,

 z≡y (mod n)なる,x∈S,y∈Tが存在します。

 

  何故なら,∀z∈Uに対して,明らかにx’≡z(mod m)なるx’が存在しますが,

 このx’はmに関する剰余類のどれかに属しはそれら剰余類の直和です

 から,∃x∈S:x≡x’(mod m)です。

 

 そして,完全剰余系の定義から,y∈S,y≠xならy≡x’とは成り得ないため,

 x≡z (mod m)を満たす一意的なx∈Sが存在します。

 

 同様にy≡z (mod n)を満たす一意的なy∈Tが存在します。

 

  逆に,(m,n)=1なので,∀(x,y)∈S×Tに対して, 合同式の方程式::

 z≡x (mod m),かつ,z≡y (mod n) は,mnを法として一意的な解zを

 持つこともわかります。

 

 そして,z∈Uと(x,y)∈S×Tの一意的対応において

 (z,mn)=1は,(z,m)=1,かつ(z,n)=1と同値です。

 

  つまり,(z,mn)=1は(x,m)=1,かつ(y,n)=1と同値です。

 

 したがって,z∈Uと(x,y)∈S×も完全に1対1に対応します。

 

 以上から,φ(mn)=φ(m)φ(n)が得られました。(証明終わり)

 

 例えば,p=3,q=7ならn=pq=21と互いに素でない自然数は

 6,9,12,15,18,7,14,21の9個です,から,その個数はp+q-1です。

 

 そして,φ(21)=φ(pq)=pq-(p+q-1)=(p-1)(q-1)

 =2×6=12です。

 

 nの素因数分解がn=pαβγ..ならそのEuler関数は,

 φ(n)=φ(pα)φ(qβ)φ(rγ)..=(pα-pα-1)(qβ-qβ-1)(rγ-rγ-1)..

 =pαβγ..,(1-1/p)(1-1/q)(1-1/r).. =n(1-1/p)(1-1/q)(1-1/r)..

 と書けます。

 

 さらに,Euler関数について,有名な法則があります。

 

 すなわち,任意の自然数nの約数dについてφ(d)の総和はnに等しい。

 つまり,Σd|nφ(d)=nである。という法則です。

 

 これも証明しておきます。(ただし,d=1もnの約数として勘定に入れます。)

 

 (証明):1,nも含めたnの全ての約数をd1,d2,..dj,..とします。

 

 そして,n=d11’=d22’=..=djj’=..と書きます。

 

 すると,x=1,2,..,nのn個のxのうちで,xがd1の倍数であって,

 かつ,(x,n)=d1であれば(x, d1’)=1です。

 

 また,逆に,(x, d1')=1のとき,nをd1'で割った商をd1と書けば,

  n=d11'で,かつ,(x,n)=d1,です。

 

 そして,こうしたxの個数は丁度, φ(d1')です。

 

 同様に,(x,n)=d2,(x, d2')=1なるxの個数はφ(d2')です。

 

  結局,x=1,2,..,nのn個のxの各々は最大公約数が(x,n)=djのどれか

 に属し,φ(d1'),φ(d2'),..,φ(dj')..がnの分割となっています。

 

 すなわち,n=φ(d1’)+φ(d2’)+..+φ(dj’)+..,あるいは

 Σjφ(dj')=n です。

 

 全てのnの約数d(nを割り切る数d:d|n)の集合:{d1,d2,..dj,..} は:

 {{d1’,d2’,..dj’,..}と一致しますからΣkφ(dk)=Σjφ(dj’)=nであり,

 結局,Σd|nφ(d)=nと書けます。(証明終わり)

 

 「Eulerの定理」:(a,m)=1ならaφ(m)≡1 (mod m), および,

 「Fermatの小定理」:pが素数で(a,p)=1ならap-1a≡1 (mod m),

 については,既に当ブログ過去記事で証明済みなので証明は省略します。

 

 さて,ak≡1 (mod p)を満たす最小の自然数kをpを法とするaの位数,といい

 |a|,またはord(a)と表わし,特に(a,p)=1でaの位数がp-1であるようなaを

 素数pの原始根と呼ぶ。と先に述べましたが,

 

 この素数pの原始根の定義を,素数とは限らない一般の正整数mのケース

 に拡張します。

 

 すなわち,ak≡1 (mod m)を満たす最小の自然数kをmを法とするaの

 位数といい,(a,m)=1のときaの位数がφ(m)に等しいようなaをmの

 原始根と呼ぶ。と定義します。

 

 特に原始根であることを強調したいときにはaでなくgと書くこともあります。

 

 簡単な定理を証明しておきます。

 

 [定理]:m∈,(a,m)=1とする。a≡1 (mod m)なら,dはaの位数:ord(a)

 で割り切れる。特に,aの位数はφ(m) の約数に限られる。

 

 (証明):a≡1 (mod m),かつ,aord(a)≡1 (mod m)なので,

 d=q・ord(a)+r (0≦r<ord(a))とするとa≡1 (mod m)ですが,

 ord(a)はa≡1 (mod m)を満たす最小の正整数kですからr=0 です。

 

 それ故,d=q・ord(a)よりdはaの位数ord(a)で割り切れます。

 

 特に, Eulerの定理から(a,m)=1ならaφ(m)≡1 (mod m)なのでaの位数

 ord(a)はφ(m)の約数であることが必要です。(証明終わり)

 

 遅筆なので,今日のところはここまでにします。

 

 参考文献:芹沢正三  著 「数論入門」(講談社ブルーバックス)

        松坂和夫 著 「代数系入門」(岩波書店):

 

 PS:最近は慣れましたが,やや長めの記事草稿をWordでテキストベース

 でオフラインで作成したものをココログにコピーしてHTMLに翻訳しアップ

 すると余計な尾ひれで文字化けや文字のサイズなどが変化して整形して

 編集するのに手まどることが多いです。

 

 その上,作業中にWindowsがフリ-ズして徒労が重なるとイヤになって

 当分そのまま放置したくなりますね。

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2013年11月 8日 (金)

訃報 島倉千代子さん。。。

 歌手の島倉千代子さんが,去る11月8日(金)午後,肝臓ガンのため亡くなられました。享年75歳でした。 

 NHKオンライン → 歌手の島倉千代子さん死去

      

        

 島倉千代子さん,お千代さんといえば,私が丁度ものごころついた頃の昭和30年代,岡山県の実家の家族全員で聞いていた記憶があります。もちろん長じて後にも「人生いろいろ」などヒット曲聴いていて]親しみがあります。

 ひばり,チエミ,いづみ,の3人娘?の次世代の一番手。。「からたち日記」を5歳上の姉と「はらたち日記」と替え歌して,からたち,からたち,からたちのはーなを,はらたち,はらたち,はらたちのはーななどと歌って喜んでいた記憶もなつかしいです。

  ご冥福を祈ります。合掌!!

 今はスケベジジイなのでこちらかな??↓

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