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2014年9月

2014年9月30日 (火)

ゲージ場の量子論から(その1)(経路積分と摂動論3

  ゲージ場の量子論から(経路積分と摂動論)」

 の続きです。

 

 Weyl順序積で与えた演算子の線型和の指数表示: 

 exp(α+β)

 =Σm,n{1/(m!n!)(αβ){}

 は,Weyl順序積 {p}の生成関数,

  または母関数(generating function)

  なっています。

 

 これの古典論での値との対応関係:

  exp(αp+βq) ⇔ exp(α+β) 

  が成立している様を確認します。

 

まず,前にも述べたように,演算子,が, 

[,[,]]=0, [,[,]]=0  

を満たすときには,  

exp()=exp{-[,]/2}expexp 

なる等式が成立します。

 

この場合, exp=Σ(1/m!),かつ  

exp=Σ(1/n!)であり, 

exp()=Σ(1/k!)()です。

 

そして,二項展開の公式から,() 

=Σr=0{k!/(k-r)!r!}k-r 

です。

 

この右辺の二項展開をWeyl順序積を用いて, 

()=Σr=0{k-r}で与えれば, 

k-rの形の単項式の個数が{k!/(k-r)!r!} 

で,Weyl順序積は,それら単項式の総和をの交換 

について対称形にして項の個数で除したものに等しい 

ので,結局,

 

exp() 

=Σm,n{1/(m!n!)}{k-r} 

となって,

 

先に述べたWeyl順序積を用いた演算子の定義に 

一致しています。

 

※[特注]:exp() 

=1+()+(1/2)()2+(1/6)(X+Y)3+.. 

において,これだけでは()のベキ乗の意味が曖昧 

ですから,これを厳密に定義する必要があります。

 

(1/2)(X+Y)2(1/2)(2XYYX2) 

(1/2)(X2+2{XY}2)

 

(1/6)()3 

=(1/6)(32XYXYX2 

XY2YXY23) 

=(1/6)(3+3{2}+3{XY2}3) 

etc.と定義します。

もしもXやYが行列でも表現されるような量子論の 

非可換の演算子ではなくて,古典論のただの数=専門語 

ではc-numberの場合なら,3{XY2}も3XY2も全く同 

じものなのでこのような気使いは不要なのですが。。。

 

 量子論がPlanck定数;h=0 の極限で,通常の我々の 

常識的な古典論の世界の物理的現象と対応する対応原理 

満たすことを根本的なところから検証したり理論的に 

扱うような場合には,こうした微妙なことを明確にして

くのは必要なことです。(特注終わり)※

 

公式:exp()=exp{-[,]/2}expexp 

 [,]が特にc数:γ=[,]のときには, 

 exp()=exp{-γ/2}expexpとなって,

 

 両辺がの交換について対称な形をしているので 

 これはWeyl順序積を用いた定義でもそのまま成立します。

 

 そこで, 

 exp(α+β) 

 =exp{-αβ[,]/2}exp(α)exp(βq)  

  =exp(iαβ/2)exp(α)exp(β)

  ですから,

 

 ∫dvexp(ipv)<q-v/2|exp(α+β)|q+v/2>  

 =∫dvexp(ipv+iαβ/2)∫dp' 

 <q-v/2|p'><p'|exp(α)exp(β)|q+v/2>

 

=∫dvdp'(2π)-1exp(ipv)exp{ip'(q-v/2)}  

exp(αp'+β(q+v/2))exp{-ip'(q+v/2)} 

=∫dvexp(ipv)exp(β(q+v/2))δ(v+iα)  

exp(αp+βq) 

 

を得ます。

 

逆に,∫dpdq(2π)(2π)-1exp(αp+βq)  

∫dudvexp{i(q-)u+i(p-)v}  

=∫dp'dq'(2π)(2π)-1exp(αp'+βq')  

∫dv'exp(ip'v')|q'+v'/2><q'-v'/2|

 

を<q-v/2|と|q+v/2>で挟み, 

exp(ipv)を掛けてdvで積分すると再びexp(αp+βq) 

が得られることは.既にexp(α+β)でなく一般の演算子 

に対して示したのと同じです。

 

 以上,ここまでもっぱら1自由度の系に限って論じて 

 きましたが,

 

 座標変数がq,共役運動量がp (a=1,2,..,n) 

 で与えられるn自由度系の場合でも,

 

 上述のWeyl変換や経路積分の公式は,単に, 

 時刻tの分割:=t0<t1<t<..<t<t =tN+1 

 に対する時刻tのにおける1自由度の位置座標jによる

積分変数dqをn自由度のそれ:Πa=1dqで置き換え,

 

共役運動量の積分変数dpをΠa=1dpajで置き換え, 

 さらに,pをpajで置き換える(ただし,aに

ついて1からnまで総和するというEinsteinの規約を採用)

などと解釈すれば,そのまま拡張されます。

 

 ※ 配位空間における経路積分 

 (※位相空間(p,q)での経路積分∫DpDqのうち,Dp 

 だけを先に実行すると,結果,配位空間qのみでの経路積分 

 ∫Dqexp(-iS);Sは作用積分;S=∫L(q,q)dt 

 の形になるというテーマについてです。※)

 

簡単な系:/2+V()の場合に戻って位相空間 

における経路積分の表式を再掲載すると,

 

<q,t|q,t  

limN→∞∫dp0(2π)-1Πk=1{dpdq(2π)-1}  

exp[iΣj=0{p(qj+1-q)/Δt-H(p,q~)}Δt]  

=∫∫(tI)=qI(tF)=qFDpDq  

exp(i∫tItFdt[p(t)q(t)-H(q(t),p(t))])

 

でしたが,

 

2行目の 

 limN→∞∫∫dp0(2π)-1Πk=1{dpdq(2π)-1} 

exp{iΣj=0{p(qj+1-q)/Δt-H(p,q~)}Δt}  

において,dp積分(k=1,2,..,N)のみを先に実行する 

ことにします。

 

exp(iΣj=0{{p(qj+1-q)/Δt-H(p,q~)}Δt} 

に関わる指数因子の 

exp[iΔt[p(qj+1-q)/Δt-H(p,q~)] 

の指数:iΔt{p(qj+1-q)/Δt-H(p,q~j)} 

は,積分の極限のN→∞,Δt→0 において  

(qj+1-q)/Δt→ q=(dq/dt)t=tj 

となります。

そして,H(p,q~)=p/2+V(q~)

なので,

 iΔt{p-p/2+―V(q~)} 

iΔt{-(p-q)/2+q/2―V(q~)}

です。

そこでk=jのdp積分=dpj積分を実行する際に, 

積分変数の置換:p→p'= p-q

を実行します。

 

iΔt{-(p-q)/2+q}/2-V(q~)} 

iΔt{-p'/2+q/2-V(q~)}

です。

 

これを,指数関数に戻すと

exp{iΔt(-p'/2)}exp{iΔt(q/2-V(q~)} 

ですが,これからqに関わる指数関数因子を分離して残り

exp{iΔt(-p'/2)}dp'で積分します。

 

ここで,次のGauss-Fresnelの積分公式;

∫dxexp(-iαx/2)=(2π/iα)1/2を用いれば

経路積分は,次のようになります。

<q,t|q,t 

limN→∞∫dp0(2π)-1Πk=1{dpdq(2π)-1} 

exp[iΣj=0{p(qj+1-q)/Δt-H(p,q~)}Δt]

 

limN→∞∫(2πiΔt)-1/2Πk=1{dq(2πiΔt)-1/2} 

exp[iΣj=0{(1/2){(qj+1-q) /Δt}-V(q~)}Δt] 

=∫(tI)=qI(tF)=qFDq 

exp(i∫tItFdt[(1/2)q(t)-V(q(t))]) 

=∫(tI)=qI(tF)=qFDq

exp(i∫tItFdtL(q(t),q(t)))

 

です。

 

※[注3]:Gauss-Fresnelの積分公式の証明 

∫dxexp(-iαx/2)

=∫-∞{cos(αx/2)-isin(αx/2)}dx 

=∫0{cos(αy)-isin(αy)}y-1/2dy 

2-1/2(1-i)(2π/α) 1/2

=(2π/iα)1/2  (2-1/2(1-i)=√-iです。)

 (注3終わり)※

 

すなわち,この表式は,Δt→ 0の極限で(2πiΔt)-1/2

という大変特異な積分測度を伴ってはいますが,

 

exp(i∫tItFdtL(q,q))を配位空間における

各々の経路{q(t)}tI<≦t≦tFの確率振幅として,それを

あらゆる経路について足し上げた形の配位空間での経路積分

の表式が得られました。

この形が元のFeynmanの提唱した経路積分の公式です。

 

 しかしながら,実は/2+V()のように簡単ではない

 一般の系の場合にDq経路積分の被積分関数は必ずしも

 作用積分S=∫dtLのi倍の指数関数という形にはなり

 ません。

 

 これを見るために,古典論の段階でLagrangian:Lが

 (q,q)=(1/2)gab(q)qで与えられる

 (a,b=1,2,..,nについて総和します。) ような

 n自由度の系を考察します。

 

 この力学系{q}は,計量がgabで与えられる,ある

 n次元多様体の上の点を表わす座標(q1,q2,,..,q)

 見なすことができます。

 

 このとき,共役運動量は,定義によって,

 p=∂L/∂q=gabb です。

 

 そこで,H(p,q)=p-L(q,q)

 =(1/2)gab となります。

 ただし,gabは計量行列{gab}の逆行列の成分です。

 

※[注4]:何故なら,p-L(q,q)

 =(1/2)gabですが, 

 p=gabより,q=gab,

 かつ,q=gbcですから,

 ab=gabbcad

 =δad=gcdなので,

 p-L(q,q)=(1/2)gab 

 が得られます。(注4終わり)※

 

 量子論の演算子としては,Weyl積を取って 

 H=(1/2)gab{}Hamiltonianとして

 採用します。,

 こうすればWeyl変換がH(p,q)になることは明らか

 ですから,位相空間における経路積分の表式で, 

 qj+1-q=qΔtとして,

 <q,t|q,t 

limN→∞∫dp0(2π)-1Πk=1{dpdq(2π)-1} 

exp[iΣj=0{paj(qjj+1-q)/Δt-H(p,q~)}Δt]

 

limN→∞∫dp0(2π)-1Πk=1{dpdq(2π)-1} 

exp[iΣj=0{paj-H(p,q~)}Δt]

 

limN→∞∫dp0(2π)-1Πk=1{dpdq(2π)-1} 

exp(iΔtΣj=0{{paj-(1/2)gab(q~)pajaj}}

 

となります。

 

1自由度の場合と同様,運動量積分変数dpのk=jに

対応する成分paj(a=1,2,..,n)を

aj→p'aj=paj-(1/2)gab(q~)q

と変数置換すれば, 

aj(1/2)gab(q~)pajaj 

=-(1/2)gab{paj-(1/2)gac}

×{pbj-(1/2)gbd}(1/2)gab 

=-(1/2)gabp'p'+(1/2)gab

 

となります。

(※計量:ab,およびgabは共に行列としては対称行列

であることに注意)

 

ここで,Gauss-Fresnelの積分公式;

∫dxexp(-iαx/2)(2π/I)α-1/2 を変数xが

n次元列ベクトル=(x,x,..,x)である場合

に拡張します。

 

ただし,上添字Tは行列の転値(transport),つまり

行と列の入れ替えを意味します。

したがって行ベクトルに上添字Tをつけたものは

列ベクトルです。その逆も成立します。

 

 被積分関数exp(-iαx/2)の指数の係数αも

 n行n列の対称行列Aに置き換えて,αxなる

 一般の2次形式に変更します。

 

Gauss-Fresnel積分∫dxexp(-iαx/2)の左辺の

n変数への拡張は∫dexp(-i/2)という形

です。

 

そして,

∫dexp(-i/2)

=(2π/i)n/2(detA)-12となることがわかります。

 

※[注5]:(証明)Aが対称行列なので適当な直交行列Pに

 よってPAPが対角行列となるようにできます。

 Pは直交行列なのでdetP=det(P)=±1です。

 

対角行列PAPの対角成分をλ,..,λ

とすると,=P=Pなる変数置換の

変換に対して

AP 

  =λ+λ..+λ

  =Σk=1λ

  となります。

 

  また,det(PAP)=detA=λλ..λ

  です。

 

 よって,n変数の置換積分公式により,

  

 ∫dexp(-i/2) 

 =|det(P)|∫dexp(-iAP/2) 

 =∫dexp(-I(Σk=1λ/2))

 ですが,

 

 右辺 

 =Πk=1∫dyexp(-iλ/2)  

 =(2π/i)n/2n1λ..λ)-12  

 なので,結局,

 

 ∫dexp(-i/2)(2π/i)n/2(detA)-12 

 

 が得られます。

 

(証明終わり)(注5終わり)※

 

拡張されたGauss-Fresnelの公式を用いると, 

<q,t|q,t 

limN→∞∫dp0(2π)-1Πk=1{dpdq(2π)-1} 

 exp[iΔtΣj=0{paj-(1/2)gab(q~)pajaj}] 

limN→∞∫(2πiΔt)1/2Πk=1{dq(2πiΔt)1/2}

∫dp0(2π)-1Πk=1{dpdq(2π)-1} 

 exp[iΔtΣj=0{paj-(1/2)gab(q~)pajaj}]

 

limN→∞∫Πk=1dq{∫dp'0(2π)-1Πk=1{dp'(2π)-1} 

exp[iΔtΣj=0{{-(1/2)gab(q~)p'p'

+(1/2)gab(q~)q}]

 

 =limN→∞(2πiΔt)-n/2∫[Πk=1dq]

 [Πj=0det(gab(q~)-12]

 exp(iΔt[Σj=0{(1/2)gab(q~)q}]

 

 =∫Dqexp[i∫tItFdt[L(q(t),q(t))

 -(i/2)δ(0)ln{det(gab)(q)}

 

  ただし,lnは自然対数(=底がeの対数):

 ln(x)=log(x)です。

 

※[注6]:

 Πj=0det(gab(q~)-12) 

 =exp[-(1/Δt)Σj=0Δt{ln{det(gab(q~))}] 

 積分に移行するN→∞,Δt→0 の極限では,(1/Δt)をδ(0)

 と見なすことができて,

 Πj=0det(gab(q~)-12)

  → exp[-∫tItFdt(i/2)δ(0)ln{det(gab)(q)} 

 となります。(注6終わり)※

 

  したがって,この例の場合,配位空間の経路積分は

  指数部が古典的なLagrangianからδ(0)に比例する項

  だけずれています。

 

 この例でのこのずれは,Lee-Yang項と呼ばれています。

 

  座標変換 q(t)→Q(t):

  つまり,q(t)=q(Q(t))で定義される変換のうち,

  gab(q)(∂q/∂Q)(∂q/∂Q)=gcd(Q)を

  満たすような変換の下では,

  古典的Lagrangian:(q,q)=(1/2)gab(q)q

  は不変です。(証明略:疑問あればトライされたい。)

 

  ところが,経路積分の積分変数は,Dq ∝ Πdq

  =ΠdQ{det(∂q/∂Q)} 

 =ΠdQ[detg(Q)/detg(q)]1/2 

  と変換されるため,Lee-Yang項:Π(detg)1/2

  因子に含めて初めて,配位空間の経路積分は不変になる

  ことがわかりります。

  一方,位相空間における経路積分の不変性は自動的に成立する

  のでした。

 何故なら,座標変換 q→Qは点変換と呼ばれますが.今の

  場合,これはある正準変換の一部分であり,積分測度dpdq

  やなどは正準変換の不変量であって,それ故,H(p,q)

  を不変に保つ正準変換においては,位相空間での経路積分は明白

  に不変だからです。

  今日はここまでにします。この項目まだまだ続きます。

 

(参考文献);九後汰一郎著 「ゲージ場の量子論Ⅰ」(培風館)

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2014年9月29日 (月)

訃報!!香川伸行さん(ドカベン)

 水島新司氏の漫画「ドカベン」にちなんでドカベンの愛称で親しまれていた元プロ野球選手の香川伸行さんが9月26日に心筋梗塞のため急死されたそうです。

 慢性腎不全で闘病中とは聞いていましたが。。。

 享年52歳。。。まだまだ若い。。。

 龍虎氏(73歳)に続いてまた心臓発作で急死。慢性心不全の私(64歳)にとっても他人事ではない話です。

 プロ野球ニュース → ドカベン香川伸行さん。急死  心筋梗塞52歳

クリックすると新しいウィンドウで開きます

 

 平成3年春にピッチャー牛島和彦とバッテリーを組んで,浪商が甲子園で準優勝したときの様がとても懐かしい。。。

 名選手ではなかったが愛すべき人でした。。

  ご冥福を祈ります。。合掌!!

PS:本日は定期外来診察でお茶の水の順天堂医院の形成外科に受診しに行ってきます。ついでに皮膚科で足の爪を切ってもらい,また何か軽い眼底出血'(左目の中を虫が飛んでるの)を感じるので眼科にもかかってきます。

 

PS2:元セックス・シンボルBB(べべ)ことブリジット・バルドーさんが28日80歳の誕生日を迎えたらしいです。。。そういえばCC=クラウディア・カルディナーレもいたなあ。。。

 

 BB↓

   

ブーベの恋人のCC↓

 南無観世音菩薩。。。

 

 訃報記事なのに不謹慎?!! 

 

 でも,香川なら笑ってくれるだろう。。

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訃報!土井たか子さん 逝去

 元憲法学者でその後,日本社会党委員長,社民党党首を務め,女性初の衆議院議長ともなった"おたかさん”こと土井たか子氏が去る9月20日に肺炎のため亡くなられていたことがわかりました。享年85歳でした。

 MSN産経ニュース→ 土井たか子氏死去 元衆議院議長 85歳

 ご冥福を祈ります。合掌!!

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2014年9月28日 (日)

90万アクセス突破!!(2014年9/28)

 100万アクセスまでは通過点で大騒ぎしないと以前書きましたが,本日カウンターを見ると90万アクセスをわずかに超えていました。

 おそらく昨日から今日の朝にかけて90万に到達したのでしょう。

 大体,1日に約300,1ヶ月に1万くらいですから約10ヶ月で10万です。

 このところ2年間は入院続きで,ろくに更新もしてなかったのによくアウセス数が落ちずに続きましたね。

 2006年3月20日開始の「TOSHIの宇宙」。。2015年春で9年目です。

 生きてるうち。。来夏くらいには一応の大台100万に乗りそうです。

 アクセス数の記事は一応10万ごとには書いてるようですが最後が2012年10/29の「本日70万アクセス突破!!(通過点)」が最後で,80万アクセスのときの記事が抜けてるようです。

 おそらく,2013年8月前後でしょうが足の手術の入院でバタバタしてそんな余裕がなかったのかも。。。

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2014年9月26日 (金)

訃報!!りえママ,および,TENNさん。

 芸能人ではないけど芸能人のお母さんで偉大なフィクサー or ステージママ?であった女優:宮沢りえさんのお母さんが9月23日に肝臓ガンで亡くなられたそうです。

 享年65歳。。。私とほぼ同い年です。。まだ若い。。

   エンタメ・ニュース → 

りえママ光子さんが肝腫瘍で死去。。。宮沢りえが母と歩んだこれまで

 

 TENNさん。私はよく]存じ上げませんが元SPEED7の上原多香子さんの御主人です。。駐車場の車の中で首を釣って自殺しているのを奥様が発見されたそうです。  上原さんは31歳,元ET-LINGのTENNさんは35歳。。。

 遺書も見つかっていますが不可解です。

エンタメ・ニュース → 

何故?上原多香子の夫。ET-KINGのTENN自殺。。。残る不可解な謎

 

 ご冥福を祈ります。。合掌!! 合掌!!

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2014年9月25日 (木)

ゲージ場の量子論から(その1)(経路積分と摂動論2)

 「ゲージ場の量子論から(経路積分と摂動論)」の続きです。

 今日は経路積分において以下に定義する中点処方の詳細について

記述し,経路積分を通して量子論と古典論のHamiltonianに如何なる

対応関係があるのか?を考察します。

 

 

Weyl変換とWeyl順序

 

経路積分の表式;<q,t|q,t 

limN→∞∫dp0(2π)-1Πk=1{dpdq/(2π)-1} 

exp(iΣj=0{{p(qj+1-q)/Δt-H(p,(qj+1+q)/2)}

×Δt} 

=∫(tI)=qI(tF)=qFDpDq  

exp(i∫tItFdt[p(t)q(t)-H(q(t),p(t))])

 

において出現する形の古典的なHamiltonian: 

(p,q~);q~≡(qj+1+q)/2

と量子論のHamiltonian演算子;とには一般に如何なる関係

があるのか?という疑問が生じます。

 

そうしたことの考察を述べる前に,経路積分における古典的

Hamiltonianのq座標 としてはq~≡(qj+1+q)/2の

ようにqとqj+1の中点q~で与えると規約しておくこと

にします。

この規約を中点処法(midpoint prescription)と呼びますが,

一般には同一のでもq座標の与え方でHの関数形そのもの

が変わってしまいます。

 

経路積分を定義するに当たっては必ずしも中点処法でなく

他の規約をとる方法もありますが,特に,この中点処法を採用

する理由はN → ∞の有限和から連続極限の積分への移行

がスムーズであることなど,いくつかの利点があるからです。

 

[注1]:通常のLebesgue積分(またはRiemann積分)の定義では

積分変数の区間分割において被積分関数の値として,分割区間

の端点の関数値を採用しようが中央の関数値を採用しようが

極限としての積分結果には無関係です。

,

まあ,それをもって積分可能である,とか可積であるとか,称する

定義となっているわけです。

 

しかし,例えば以前の記事で詳述した伊藤積分のような確率積分

なら,マルチンゲール性の考慮から端点値を採用することが重要

で,こうしたことが結果に重大な差異を生むことを言及したこと

もありました。

 

まあ,これは結局,確立積分自体が有界変動ではない関数の積分

の極限なので,そうだったのですが,今の量子論のケースで

不確定性原理: [,]=-iによってqppqと変数

が可換でないことが本質的な理由です。(注1終わり)※

さて, 

<qj+1,tj+1|q,t

=<qj+1|exp{i(tj+1)}|q 

=<qj+1|(1-iΔt)|q> から,

 

<qj+1,tj+1|q,t 

(2π)-1∫dp

exp[i{p(qj+1-q)-H(p,(qj+1+q)/2)Δt}] 

に至る導出手順と同様に,

 

<qj+1||q

=<qj+1|2/2|q>+<qj+1|V()|q 

=∫dp<qj+1|2/2|p><p|q

+V(q)δ(qj+1-q) 

(2π)-1∫dp[exp[i{p(qj+1-q)}

{p2/2+V((q+qj+1)/2)}] 

(2π)-1∫dp[exp[i{p(qj+1-q)}H(p,q~)

 です。

 

 これをH(p,q)について解くと 

(p,q)=∫dv exp(ipv)<q-v/2|H|q+v/2>,

および, 

(p,q)=∫du exp(iqu)<p+u/2|H|p-u/2> 

を得ます。

  

※[注2]:何故なら,q≡(qj+1+q)/2,p≡p,v≡q-qj+1

とおくとj+1=q-v/2,q=q+v/2,なので, 

<qj+1||q 

(2π)-1∫dp[exp[i{p(qj+1-q)}H(p,q~)

<q-v/2||q+v/2> 

(2π)-1∫dp exp(-ipv)H(p,q)

です。

 

そこで,Fourier逆変換によって, 

(p,q)=∫dv exp(ipv)<q-v/2|H|q+v/2>

が得られます。

 

さらに,右辺=∫dv exp(ipv) 

∫dp1∫dp2<q-v/2|p1><p1||p2><p2|q+v/2> 

=∫dp1∫dp2∫dv(2π)-1exp[I|p-(p1+p2)/2]v}

+i(p1-p2)q]<p1||p2 

=∫dp1∫dp2δ{p-(p1+p2)/2}exp|i(p1-p2)q}

<p1||p2 

2∫dp1exp|i(p1-p2)q}<p1||p2 

2∫dp1exp|i2(p1-p)q}<p1||2p-p1> 

です。

 

それ故,u≡=2(p1-p)とおけばdu=2dp1であり,

1=p+u/2,かつ,2p-p1=p-u/2です。

 

結局,H(p,q)=∫duexp(iqu)<p+u/2||p-u/2>

を得ます。(注2終わり)※

 

さて,再掲すると,

H(p,q)=∫dv exp(ipv)<q-v/2||q+v/2> 

=∫du exp(iqu)<p+u/2||p-u/2> 

ですが,この形の演算子:からc数:H(pq)への変換は

一般にWeyl変換と呼ばれています。

 

これの逆変換は,=∫∫dpdqH(p,q)Δ(p,q) 

 

ただし,Δ(p,q)=∫du exp(iqu)|p-u/2><p+u/2| 

=∫dv exp(ipv)|q+v/2><q-v/2| 

=∫dudv(2π)-1 exp{i(q-)u+i(p-)v}

 

で与えられます。

 

※[注3];(証明):演算子:

≡∫dp'dq'(2π)-1H(p',q')∫du' 

exp(iq'u')|p'-u'/2><p'+u'/2|

ブラ:<p+u/2|とケット:|p-u/2>の間に挟み

exp(iqu)を掛けてduで積分します。

すると, 

∫du exp(iqu)<p+u/2||p-u/2> 

=∫dudu'∫dp'dq'(2π)-1H(p',q')

exp(iqu+iq'u') 

<p+u/2|p'-u'/2><p'+u'/2|p-u/2> 

=∫dudu'∫dp'dq'(2π)-1H(p',q')

exp(iqu+iq'u')δ(p-p'+(u+u')/2)

δ(p'-p+(u'+u)/2) 

=∫dudu'∫dq'(2π)-1H(p+(u+u')/2,q') 

exp(iqu+iq'u')δ(u+u') 

=∫du∫dq'(2π)-1H(p,q')exp{I(q-q')u} 

=∫dq'δ(q-q') H(p,q') 

=H(p,q) 

となります。

 

したがって,H(p,q)=∫du exp(iqu)

<p+u/2||p+u/2> 

=∫duexp(iqu)<p+u/2||p-U/2>

が成立します。

 

同様に,演算子:

≡∫dp'dq'(2π)-1H(p',q')∫dv' 

exp(Ip'v')|q'+v’/2><q'-v'/2|

ブラ:<q-v/2|とケット:|q+v/2>の間に挟み

exp(Ipv)を掛けてdvで積分すると,

 

(p,q)=∫dv exp(Ipv)<q-v/2||q+v/2> 

=∫dvexp(ipv)<q-v/2||q+v/2>

が成立することを示すことができます。

 

これらは,任意のp,q,u,vに対して恒等的に成立する

式ですから,結局,演算子として,が成立する

ことになります。

 

,および,の定義式は,積分変数からプライムをはずすと

それぞれ,

≡∫dpdq(2π)-1H(p,q)

∫duexp(iqu)|p-u/2><p+u/2| 

および, 

≡∫dpdq(2π)-1H(p,q)

∫dvexpipv)|q+v/2><q-v/2| 

であり,なのですから,

 

∫duexp(iqu)|p-u/2><p+u/2| 

=∫dvexpipv)|q+v/2><q-v/2|

と結論されます。

この因子=演算子をΔ(p,q)と表わすことによって 

∫dpdq(2π)-1H(p,q)Δ(p,q)

なる表式を得ます。

 

さらに, 

Δ(p,q)=∫dudv(2π)-1

exp{i(q-)u+i(p-)v}

となることも以下に証明します。

 

それには,

=∫dpdq(2π)-1H(p,q) 

×∫dudv(2π)-1 exp{i(q-)u+i(p-)v}

となることを示せばよいのですが,

 

(p,q)=∫dvexp(ipv)<q-v/2||q+v/2> 

ですから, 

(p,q)=∫dp'dq'(2π)-1H(p',q') 

×∫du'dv'dv(2π)-1exp(ipv) 

<q-v/2|exp{i(q'-)u’+i(p'-)v'}|q+v/2> 

を示せば十分です。

 

さて,右辺=∫dp'dq'(2π)-2H(p',q') 

∫du'dv'dvexp(ipv+iq'u'+p'v') 

<q-v/2|exp(-iu'-iv')|q+v/2> 

と書けます。

 

ところで,線型演算子,の交換子[,]=XYYX

,Yと可換な場合:つまり,[,[,]]=0, [,[,]]=0

が成立するときには,

 

exp()=exp{-[,]/2}expexpY

なる等式が成立する。という性質があります。

(※↑ これについては2006年10/27の本ブログの過去の

 記事:「量子力学の交換関係の問題(その2)」を参照

されたい。※)

 この公式を適用すると,

 

exp(-iu'-iv') 

exp{-(-iu'-iv')/2}exp(-iu')exp(-iv')

です。

そして,[-iu',-iv']

=-u'v'[,]=-iu'v'より,

exp(-iu'’-iv')

exp(-iu'v'/2)exp(-iu')exp(-iv')

です。

 

 故に,

<q-v/2|exp(-iu'-iv')|q+v/2> 

exp(-iu'v'/2)

<q-v/2| exp(-iu')exp(-iv')|q+v/2> 

です。

 

さらに, 

<q-v/2| exp(-iu')exp(-iv')|q+v/2> 

∫dp"<q-v/2|exp(-iu')exp(-iv')|p"> 

<p”|q+v/2> 

=∫dp"(2π)-1exp{ip"(q-v/2)}

exp{-i(q-v/2)u'-ip"v'}exp{-ip"(q+v/2)} 

 exp{-i(q-v/2)u'}δ(v'+v) 

です。

 

そこで,∫du'dv'dv(2π)-2

exp(ipv+iq'u'+p'v') 

<q-v/2|exp(-iu'-iv')|q+v/2> 

=∫du'dv(2π)-2exp(ipv+iq'u'-ip'v) 

exp(iu'v/2)exp{-i(q-v/2)u'} 

(2π)-1∫dvexp{i(p-p')v}δ(q'-q) 

=δ(p-p') δ(q'-q)

 

以上から,∫dp'dq'(2π)-2H(p',q') 

∫du'dv'dvexp(ipv+iq'u'+p'v') 

<q-v/2|exp(-iu'-iv')|q+v/2> 

=∫dp'dq'H(p',q')δ(p-p') δ(q'-q) 

=H(p,q) 

が得られました。 (証明終わり)(注3終わり)※

 

まとめると,H(p,q)

=∫dv exp(ipv)<q-v/2||q+v/2> 

=∫du exp(iqu)<p+u/2||p-u/2>,

 

および,=∫∫dpdqH(p,q)Δ(p,q) 

 

ただし,Δ(p,q)=∫du exp(iqu)

|p-u/2><p+u/2|=∫dv exp(ipv)

|q+v/2><q-v/2| 

=∫dudv(2π)-1 exp{i(q-)u+i(p-)v}

です。

 

これらから,量子論のHamiltonian:と経路積分に現われる

古典的Hamilyonian:(p,q)とは中点処方を採用する規約

下でWeyl変換と逆Weil変換によって1対1に対応すること

が確認されます。

 

さて,次にpのベキの単項式に対するWeyl順序積と呼ばれる

ものを,記号では{..}と書いて次のように定義します。

 

すなわち, 

{pq}≡(1/2)(pqqp), 

{pq3}≡(1/4)(pq32pqqpq23) 

etc.と定義するわけです。

 

 より一般には,演算子の指数関数演算子は

 exp(α+β) 

 ≡Σm,n{1/(n!m!)}αβ{}  

 で定義されます。

  この順序積を用いると,先の(p,q)との対応は,

 (p,q)と{(,)}の対応と理解されます。

 

 したがって,常に演算子をWeyl順序積で与えることに

 すれば,量子論と古典論のHamiltonianは事実上同じ関数形

 を持つと理解されます。

 

(参考文献):九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅰ」(培風館)

 

(※ なお,余談であり手前味噌の記事の宣伝の類いですが, 

確率積分やブラウン運動関連がテーマの過去記事については,

 

 ブラウン運動とフラクタル次元  エルゴード問題と次元   

 酔歩(ランダム・ウォーク)  酔歩(ランダム・ウォーク)(訂正)

 

 および,

 

 ブラウン運動と伊藤積分(1)  ブラウン運動と伊藤積分(2)   

 ブラウン運動と伊藤積分(3) ブラウン運動と伊藤積分(4) 

 ブラウン運動と伊藤積分(5) 条件付確率と条件付期待値 

 ブラウン運動と伊藤積分(6) ブラウン運動と伊藤積分(7) 

 ブラウン運動と伊藤積分(8) ブラウン運動と伊藤積分(9)  

 ブラウン運動と伊藤積分(10)

 

 があるので参照してみてください。※)

 

 いやあ,久しぶりでチェックの計算に疲れました。 

 今まで通り※[注]の部分が私が埋めた蛇足かもしれない 

 行間部分です。

 

 そして,読んだことを私自身の認識能力の限界内 に入れて 

 納得するための自己満足的注釈です。

 

 体調の関係で土,日,月が休みという優雅な生活パターン  

 にしてますが,一応,週末ブロガーと化す程度には,気力

 が回復 しているようです。。

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2014年9月21日 (日)

ゲージ場の量子論から(その1)(経路積分と摂動論1)

 私の最期の置き土産となりそうな「線型と非線型のハザマ」など

をテーマとした議論を展開記述するに際して,いくつかのツールを

準備する必要があるため,

 

 今更,遅きに失した感もありますが,この時期に新しく

 九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅰ,Ⅱ」(培風館)を

 参照したシリーズを開始しようと思います。

 

この2冊の書物についての私の勉強ノートは1冊約120ページ

で全7冊あります。

 

これまで,このブログで書いてきた素粒子関係のシリーズ記事

のタネ本は,元々洋書しか存在せず,未だ邦訳書が出版されて

ないものをコツコツと翻訳しながら文章や式に飛躍あると

思える箇所について,私なりに行間を埋めていった勉強履歴

のノートから,それを記事にする際に編集したものがほとんど

です。

 

 そこで,タネ本の進行順の通りに順にブログ記事も進めていく

 今までの手順は単に翻訳解説記事としてもそれなりに意味が

 あったと思います。

 

しかしながら,今回の九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅰ,Ⅱ」

(培風館)は理論内容の説明が詳しい立派な和書です。

多くの場合,解説を参照するよりそのまま読まれた方がベター

でしょう。

 

それに,現在は私ももうこの世の残り時間も少なくヒマも十分

にはないと思われるし,むしろ,その時々のテーマで順不同の

思い付きのテーマで記事を書こうと思います。

 

さて,本日のテーマとしたのは「経路積分と摂動論」ですが,

これはタネ本では第4章で私のノートは2冊目の最初からです。

 

このノート作成開始の日付は,1996年2月8日となってます。 

今から18年前の46歳になったばかり巣鴨に住み着いて2年

足らずの頃ですね。

 

バブルも終わり,プータローで再就職先を探しながら日々の

アルバイト暮らし。ゼニは生活ギリギリだったけどヒマは

有り余っているという,ある意味でお金を使う趣味に走る誘惑

からは解放された理想的な読書環境でしたね。

 

そこで,金が無くても入手可能な本や資料については読書三昧

の頃でした。「これを読了したら次は超弦理論をやるぞ」とか

人生の残り時間もまだまだ十分と思っていたせいもあり今より

もっと燃えていた時期でもありました。

 

既に30代の終わりから慢性の糖尿病は持ってましたが,後に

心臓病を発症してバイパス手術を受けその後次々と身体の病気

が出て目もやや「不自由になる10年以上も前です。

 

当時は,これといった身体の病気もなく,いろんな意味でまだ

乾いていなくて,もっと心も体も濡れていた時期です。

 

だからこそ,逆にまだ感性はより豊かで精神的病の症状には

苦しんでいたかも知れず,それが桎梏となって日常の精神生活

の方では今ほど解放されていなかったはずですが,それも自由

な時間の,変態的なモノも含めサマザマな趣味に逃避できて何

とかなっていた頃だと思います。

 

さて,回顧的な余談にふけるのは,これくらいで終わりにして,

以下本題です。

 

§4.1 量子力学系の経路積分 

※位相空間における経路成分

 

Hamiltonianが (.)=2/2+V() で与えられる

1自由度の量子力学系を想定します。

 

ここでは便宜上,演算子を太字で表わし,対応するc数の古典量

は普通文字で表わすことにします。

それ故,ここでのは1自由度の演算子を表わしベクトル量

の意味ではありません。

 

そして,.はまたSchroedinger表示の演算子を意味し,次に

示すHeisenberg表示の演算子(t),(t)のt=0 のときの

演算子に一致します。

 

つまり,p(t)=exp(it)exp(-it), 

(t)=exp(it)exp(-it) であって 

(0),(0) です。

 

Heisenberg表示の固有状態:|q,t>,|p,t>は 

(t)|q,t>=q|q,t>,(t)|p,t>=p|p,t> 

を満たす時間に依存する状態ベクトルで定義されますが,

 

これはSchroedinger 表示の時間に依存しない

|q>=q|q>,|p>=p|p> 

を満たす固有状態|q>,|p>と, 

|q,t>=exp(it)|q>,|p,t>=exp(it)|p>

なる関係でつながっています。

 

Heisenberg表示の|q,t>は系の対象の1自由度の粒子

=(座標が1-パラメータだけで決まる1次元運動中の粒子)が,

時刻tに位置qに確かに観測される状態を意味します。

 

そこで,粒子が時刻t=tに位置qにある状状態から,

時刻t=tに位置qある状態への遷移振幅を考察

すると,これは,

<q,t| q,t

=<q|exp(-i)|exp(i)|q 

=<q|exp(i(t)|q

で与えられるはずです。

 

一般にt<tですから,時刻tと時刻tの間を(N+1)等分

した時系列:=t0<t1..<t<t=tN+1 を作り, 

Δt≡tj+1-t(t)/(N+1)(j=0,1,..,N)

と置きます。

 

各時刻tにおいてHeisenberg表示の固有ベクトル系:

|q,t>は完全系をなすため,

∫dq|q,t><q,t|=1 が成立します。

 

この1の分割の左辺の式を

<q,t| q,t>=<q|exp(i(t)|q

の間に挟めば, 

<q,t|q,t>=<qN+1,tN+1|q0,t0 

=∫dq<qN+1,tN+1|q,t><q,t|q0,t0 

=∫dqN-1dq<qN+1,tN+1|q,t 

<q,t|qN-1,tN-1><qN-1,tN-1|q0,t0 

=∫..∫dq..dq[j=1<qj+1,tj+1|q,t>)

×<q,t|q0,t0>]

 

なる表式を獲ます。

 

最後の表式の被積分関数:

j=1<qj+1,tj+1|q,t>)<q,t|q0,t0,

粒子がq=q0から出発して各時刻t1<..<t 

1,..,qを経て=qN+に至る1つの経路に対応する振幅 

を与えておりこれのN重積分から成る遷移振幅はあらゆる経路 

に対応する振幅を足しあげたものに相当すると思われます。 

 

※下図は2010年の過去記事「散乱の伝播関数の理論(7)」に

おける図から再掲載した経路の参照図です。 

 

さらに,次の図は2006年10/8の記事

WKB近似,,ハミルトン。ヤコービ方程式,,経路積分

からです。

 

 

この表式で最終的にN → ∞としてΔt=(tj+1-t)

無限小になる極限では,

<qj+1,tj+1| q,t

=<qj+1|exp{i(tj+1)}|q 

=<qj+1|exp(i(tj+1)|q 

=<qj+1|exp(-iΔt)|q

=<qj+1|(1-iΔt)|q>  

です。

 

 2/2+V()ですから,<qj+1|(1-iΔt)|q

の<qj+1||qなる因子を陽に計算するため,まず,

<qj+1|2/2|q> を評価します。

 

これは,間に1=∫dp|p><p| を挟んで 

<q|p>=(2π)-1/2exp(ipq)なる陽な表現を代入すれば

 

<qj+1|2/2|q

=∫dp<qj+1|2/2|p><p|q 

(2π)-1∫dp(p2/2)exp{ip(qj+1-q)}

となります。

 

また,<qj+1|q>=δ(qj+1-q)

=(2π)-1∫dpexp{ip(qj+1-q)}であり,

<qj+1|V()|q>=V(q)<qj+1|q 

=V(q)δ(qj+1-q) 

(2π)-1V((qj+1+q)/2)∫dpexp{ip(qj+1-q)}

です。 

そこで,<qj+1|iΔt|q 

(iΔt)(2π)-1∫dp[{(p2/2)+V((qj+1+q)/2)}

×exp{ip(qj+1-q)}]  

(iΔt)(2π)-1∫dp[H(p,(qj+1+q)/2)}

×exp{ip(qj+1-q)}]  です。

 

そこで,結局,<qj+1,tj+1| q,t

=<qj+1|(1-iΔt)|q 

(2π)-1∫dp[1-iH(p,(qj+1+q)/2)]Δt]

exp{ip(qj+1-q)}  

(2π)-1∫dp

[exp[i{p(qj+1-q)-H(p,(qj+1+q)/2)Δt]]

 

を得ます。

 

したがって, 

<q,t|q,t 

limN→∞∫dp0(2π)-1Πk=1{dpdq/(2π)-1}exp(iΣj=0

{{p(qj+1-q)/Δt-H(p,(qj+1+q)/2)}Δt} 

=∫∫(tI)=qI(tF)=qFDpDq 

×exp(i∫tItFdt[p(t)q(t)-H(q(t),p(t))]) 

なる表現が得られます。

ただし, q≡dq/dtと定義しています。

 

最後の行は,その前の行におけるN → ∞の極限が存在する

と仮定してその値を記号化したものです。

 

もしもt=tにおける初期状態,およびt=tにおける終状態

Schroedinger表示での位置座標の固有状態:|q>および|q

ではなくて一般の1自由度の波動関数:Φ(q)=<q|Φ>,

および,Φ(q)=<q|Φ>で表わされるような,状態:

>,および,|Φであるなら,

Heisenberg表示での|Φ,t>から|Φ,,t>への遷移振幅

の評価式としては,

<Φ,,t,t 

=∫dqdq<Φ,,t|q,t><q,t|q,t 

<q,t,t> 

です。

 

ところで,Schroedinger表示とHeisenberg表示は状態ベクトル

の表示の違いだけで表示同士の変換に対してそのベクトルに

よる振幅(または期待値)は不変になるように無矛盾なように

定義されていますから,

<q,t|Φ,t>=<q|Φ>=Φ(q)です。

そこで, 

<q,t|q,t

=∫q(tI)=qIq(tF)=qFDpDq  

exp(i∫tItFdt[p(t)q(t)-H(q(t),p(t))])

を代入すると,

 

<Φ,,t,t 

=∫(tI)=qI(tF)=qFDpDqΦ(q(t))Φ(q(t))

exp(i∫tItFdt[p(t)q(t)-H(q(t),p(t))])

 

と書き直すことができます。

 

これらが,最も簡単な1自由度の系に対する位相空間における

経路積分を 定義する式です。

力学(解析力学)における位相空間(phase space)とは

Hamiltonianを与える運動量pと位置座標qを独立変量とする

空間を意味します。これに対してqだけが成す空間は配位空間(configration spave)と呼ばれます。

 

後述するようにp=p(t)に関する積分Dpだけを先に実施遂行

して結果として配意空間における経路積分の表式が得られます。

元々,Feynmanが初めて量子論に導入したときの経路積分は配位

空間における積分として提出されたのですが,Hamiltonianが中心

となる正準理論に基づく量子化と直接連結されるのは位相空間で

の経路積分の方です。

 

久しぶりに自分のノートからのブログ記事を連載しようと 

考えた動機付けともなる余談をも含めた導入部なので書き

疲れて挫折する前にこの程度で終わります。

 

参考文献:九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論」(培風館)

 

 なお,本ブログで経路積分関連の過去記事は2006年6/3

多世界解釈と超選択則」が最初で 次が2006年10/8

の記事WKB近似,,ハミルトン。ヤコービ方程式,,経路積分 

です。

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2014年9月17日 (水)

訃報!!山口洋子さん

 作詞家として有名で直木賞作家,銀座の高級クラブ「姫」のママでもあった山口洋子さんが去る6日に呼吸不全で亡くなられたということです。

 享年77歳でした。 天は2物も3物も与えた。。。

 朝日新聞デジタル

直木賞作家山口洋子さん死去 よこはまたそがれ作詞クリックすると新しいウィンドウで開きます

 ご冥福を祈ります。合掌!!

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2014年9月15日 (月)

訃報!!山口淑子さん。。

 戦時中当時の軍国日本の戦略によって中国人女優・歌手の李香蘭と偽せられ波乱の生涯だった山口淑子さんが去る7日に亡くなられていたことが判明しました。享年94歳でした。。

 ニュース→ 中国人として女優「李香蘭」に。。山口淑子さん逝去

 終戦後に中国人として反逆罪に問われたが日本人と判明して解放されたと聞きます。

 ※ちなみにこれから連想されるのは,同じヨシコでも逆に東洋のマタハリともいわれた川島芳子さんです。

 彼女の方は清朝最後の皇帝で,やは軍国日本によって創られた満州国のラストエンペラーの愛新覚羅家の血を引く王女でした。

 彼女の方は日本人の川島家の養女であり日本国籍であることを認められずに処刑されましたが,処刑前には短髪であったのに処刑後の死体の顔には長い髪があったなど謎の部分が多く,実は処刑されたのは替え玉の女性であって本人は処刑を免れて寿命を全うしたという噂もあるようです。

 いずれにしろ先の戦争の時代の犠牲者です。

 

冥福を祈ります。。合掌!!

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2014年9月14日 (日)

多体問題から場の理論へ(力学的世界観とエーテル)

 すぐ前の再掲載記事の「ハートリー・フォック近似」の

 項目でlike-mjさんからコメントを頂き朝永辰一郎氏の

 日本語論文をネット検索してPDFで初めて読みました。

 コメントにあったのはこの論文のことですよね。??

 

 どうも流体のような連続体を粒子の集団と見てその運動の量子化

 の妥当性についての論文みたいです。

 1950年頃に調和振動子の集まりとして量子電磁力学(QED)

 と場理論の定式化に成功し「くりこみ理論」を開発して

 ノーベル賞に輝いたた朝永先生による場理論の萌芽のような

 お話と見ました。

 

 それに動機付けられて私も「多体問題から場の理論へ」

 というテーマで記事を書こうという発想を得ました。

 

まずは,歴史認識から記述します。

 

光が媒質を必要とせず真空中でのある種の波動である電気

の波と磁気の波,つまり電磁波であると認識されるようになる

19世紀後半から20世紀初等の頃には,波=波動といえば,

物質源の振動に伴って空気や水のようなある種の媒質の

振動が粘性などで誘起されて媒介される視覚可能な弾性振動

の連鎖という意味でしか想像できない時代:

つまり,全ての現象は力学だけで説明可能というような謂わ

ゆる「力学的世界観」の時代でした。

 

光の真空中での伝播に関連してアインシュタインを代表

とする相対性理論が構築され,同時に古典電磁気学が確立

された時代よりも以前には,媒質が存在しない真空中でも

物体に何らかの力が及ぼされる電気や磁気といった現象は

未だ明確には認識されておらず

 

通常の力学とは異なる熱現象の物理学の萌芽があったと

いっても,その本質はせいぜい物質を構成する微小素片,

または構成粒子と想像されていた分子の弾性振動の反映

であろうと考えられた程度ですから。。。

 

結局,光の他には物質が何も存在しないという意味

での真空中の波などというものは恐らく想定不可能で

あったためでしょう。。

光が波(振動)であるならそれは何か架空のエーテルと

いう媒質が弾性振動して伝播を媒介する現象であろう

考えざるを得なかったというような背景があったの

だと想像します。

 

 一方,固体物理における熱現象は実際,陽イオンと電子

という格子構造での格子振動がその実体ですから基本的には

1つのバネに重りをつけたバネの調和振動子と,それを1次元

で有限個連結させた連成振動子のような模型の多体問題と定式

化されます。

後になって逆に光=電磁波の量子論から波といえば粒子と

同一視されることで,陽イオンの格子振動が光子ならぬ音子

=フォノン(phonon)という構想が主流になったようです。

 

 そして,ローレンツの電子論や相対性理論が出現した19世紀

 の終わりから20世紀初頭の時代。光や音というのは物質とは

 異なる実体であり,

 

 真空とは物質が存在しない状態であると概念規定された

 状態であるにも関わらず,真空中にエーテルという媒質が

 存在するというのはそれ自身,言葉の定義として矛盾を起

 こしてるようにも見えます。

 

 当然ながら,謂わゆる慣性系などの準拠系が存在す世界,

 いや宇宙は物質粒子がその中で運動する容器,あるいは器

 (うつわ) であって,粒子とは独立に存在している実体であり,

 その宇宙の中から全ての粒子を取り除いたものを真空と

 呼ぶという哲学でした。

 

 ところが,特殊相対性理論を発展させて重力をも扱える

 よう一般相対性理論を数学者の協力も得て定式化され

 構築された際に,実は宇宙自身が計量(mrtric)を有する

 擬リーマン多様体,特にローレンツ多様体であるという

 宇宙=4次元の時空多様体であるという認識が生まれ

 ました。

特に特殊相対論が確立されてきた段階とその時代には

,既に光は電磁波という波であると同時に質量がゼロの

物体(質点)であると認識が生まれており,

そうした質量がゼロの光は器である多様体自身が平坦

ではなく曲がっている場合には,その光が直進することが

その曲がりに沿って運動することを意味し,それこそが

重力に従って落下するという現象であると定式化され

ました。

 

 多様体の曲がりとはその上の各時空点における局所的

な計量で指定されるもので,こうした各点に付与された値

という考え方が謂わゆる場,あるいは場の量というもので,

今の場合それは重力の働き方を決めるので重力場と呼ば

れています。

 

まあ,要するにこれから先は容器と中身の区別がつかない

という話に発展します。

 

私が場(field)という言葉に遭遇した最初は電磁気学での電場

と磁場という概念の場でしょうか。

理学部の物理学科学生として学んだので電場,磁場ですが

工学部系では電界,磁界と呼ぶ方が主流でしたね。

意味は同じようなものと思いますが。。。

もっとも電磁気学にはMaxwellによる基本法則があって,

そこから全ての電磁現象が演繹的に導かれると見える

やや形式的な定式化Faradayによる帰納的なそれが

存在して,

確か流体力学がご専門の今井功先生の著した

「電磁気学を考える。」というそれらを対照して問題視

して浮き上がらせた書物もありますね。

 

 私は前述のFaynmanのテキストシリーズの電磁気学の英語版

の原書と宮島龍興氏によるその邦訳を対比して英語とともに

勉強しながら謂わゆるベクトル解析というものを初めて学習

しました。

 

 Feynmanの電磁気学においてストークスの定理やガウス

の定理を用いて大域的な積分法則が局所的な微分法則と等価

であることを見て感銘を受けたものでした。

 後に多様体の上での微分形式やHodgeの星印作用素などの

 応用数学を学ぶに付け,結局は場の解析と多様体の数学に

 結合する輪廻を感じます。

 

 この電磁気学のベクトル解析は視覚的には流体や弾性

 体といった連続体を構成する莫大ではあるが離散的有限

 個の微小素片の個々の平衡位置からのずれ=変位とその

 変位速度に対して,想定される古典力学の多体系の運動方程

 式系が連続無限の極限で統計物理のような感じで

 固体や液体,気体においてはフックの法則のような線型弾性体

 としての性質を有するようになるという描像が,

 原子,分子とそれを構成する電子や陽イオンの集まりでの

 電磁気的問題にも適用できるということから,

 弾性力学や流体力学での変位や変位速度の位置座標

 関数としての変位場のアナロジーとして電場,磁場の力学

 に反映されたものなどが,総体として古典場の概念を生み

 出したのでしょう。

 したがって流体概念,集団運動の多体問題が場の概念,

 量子化されればQEDなどに通じるのは自然なことでしょう。

 

 そして,Planckが量子論を創設し出した初めの頃には

 光が量子論の主役であり光は電磁波と同じものであり,

 1つの振動数が一定値νに固定された単色波がエネルギー

 E=hνを有する1つの光子(photon)=光量子

 =light-quantumなる素粒子を意味 するとされたのが量子

 力学の始まりです。

 

 具体的な古典電磁場は,共変形式の4元ポテンシャル:

 Aμ(,)(μ=0,1,2,3)においては振動数がνの電磁波

 について角振動数をω=2πνとおけば光速=電磁波

 の位相速度の大きさをcとして波長はλ=c/νです。

 大きさが1周期当たりの波数:k=2π/λて波の進行

 方向の向きを持つベクトルを波数ベクトルとします。

 

 そしてωkの関数としての角振動数とします。

 

 つまり,振動数がν(波長がλ=c/λ)の単色波のうち,特に

 進行方向特定された波数ベクトルのを持つ波について

 角振動数を改めて 関数と考えて添字として

 ωk2πν=2πc/λ=c||と定義します。

 

 このに垂直な横波偏光の単位ベクトル,つまり,第3成分

 がゼロの空間単位ベクトルε(,1)(1,0,0),ε(,2)(0,1,0)

 とし,そのを3軸の向きとする座標系では

 εμ(,γ) (0,ε((,γ),)となるような4元ベクトル

 εμ(,γ) ),)(γ=1,2) とすれば,

 一般の電磁波=光波は,

 Aμ(,)=∫d3Σγ=1,2[εμ(,γ) {(,γ)exp(ikxiωk)

 +a(,γ)}exp(ikxiωk)]]

 と表現されます。

 

 これは謂わゆるFouruer積分の形です。

 つまり電磁波のFourier展開ですね。

 

 展開係数a(,γ)は,角振動数がωkで進行方向がの平面波 

 exp(ikxiωk)であって,偏光ベクトルがεμ(,γ)の成分

 の係数です。

 

 そして, 量子化したときには,Fourier成分の角振動数がωk

 で進行方向がの平面波exp(ikxiωk)で偏光ベクトルが

 εμ(,γ)のそれは,

 ヘリシティ,あるいはスピン角運動量ベクトルがεμ(,γ)

 エネルギーがE=hν=hωk /(2π)で運動量が=hk/(2π)

 の1光子に対応します。 

 

 このとき,(,γ)は消滅演算子a^(,γ)で置き換えられ,複素

共役係数(,γ)エルミート共役の生成演算子a^(,γ)

に置き換えられます。

 

そして,何も無いという意味の真空を|0>として

^(,) |0>がヘリシティベクトルがεμ(,γ)でエネルギー

がE=hν=hωk /(2π) ,運動量が=hk/(2π)の1光子が存在

している状態を表現することになります。

 

平面波Aμ1(,)=a^(,1)eεμ(,1)exp(ikxiωk)

,および,μ+1(,)=a^(,1)εμ(,1exp(ikxiωk)

一定速度で運動する自由粒子の互いに共役な複素現の場

です。

 

歴史的にはスピンが1で質量もゼロのベクトル粒子の特別な

素粒子である光子の論議から場の理論の定式化が量子電磁力学

として最初に出現したため,複雑でしたが

単純なスピンがゼロのスカラー粒子であればもっと描像は

シンプルです。

 

不確定性原理によって理想的に一定速度の自由粒子はわれわれ

の常識的粒子描像とは異なって,この時空多様体=宇宙のいか

なる空間位置に存在する確率も全く同じで謂わば宇宙全体に

一様に広がった波を意味します。

 

それ故,たとえば最近発見されたと話題のヒッグス粒子も,

それがたった1個の存在であったとしても,ヒッグス粒子

=ヒッグス場という意味ではこの世のいたるところに一様

に存在している存在であるともいえるわけです。

 

特に,ヒッグス場の存在は粒子が最大限の速度である光速c

で慣性運動することを妨げ事実上慣性質量が存在すると見

えるようになる原因粒子としての模式図的描象が現代的な

ーテルの復活とも見えるのは皮肉なことかもしれません。

 

PS:コメントにイチイチ反応するのも大人ゲナイのですが

元々エーテルという実体が明確には概念規定されていない

シロモノで,提議された当時もその都度場当たり的に矛盾が

ないようツジツマ合わせで性質を追加してるうちに,

結局,そういうものがあろうと無かろうと関係のない相対性理論

ができあがったのだと記憶しています。

 

現代的エーテルといえば,ワザワザヒッグスメカニズムを

例示しなくても,観測にはかからないけど理論上で存在を

仮定される仮想光子や弱ボソンとか,

 

あるいは,QEDでの共変化に成功した中西-Lautrap理論での

縦波光子やCoulomb引力を媒介する,というそもそもお化け

=ゴースト(ghost)という名のあるダイポールゴースト粒子

のスカラー光子。。

 

そして,それを一般のゲージ場の理論に拡張したとき

ファデーエフ・ポポフゴースト(FPお化け)なども

エ-テルの候補ですね。

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2014年9月 4日 (木)

電場の中の原子(シュタルク効果)(再掲載)

定常的摂動近似の応用例として多電子原子の構造など多体

問題や固体物理などへの例を挙げましたがもっと単純に,

元々単なる原子核1個と電子1個の水素様原子を比較的弱

い(一様な)電場Eや磁場Bの中に置くというような摂動に

対して摂動論を適用した例を挙げる方が教育的なはずです。

前者の電場のケースはシュタルク(Stark)効果,後者の磁場

それは「ゼーマン(Zeeman)効果です。

いずれも2008年の過去記事にありますが,ここではより簡単

な2008年3/5の記事「電場の中の原子(シュタルク効果)」

を再掲載します。

この記事,月曜日の朝にはアップする予定で準備してました

が,木曜日夕方になってしまいました。

右クリックのコピペができなくなったり復活したりで。。

※以下,再掲記事の本文です。

いろいろと邪魔が入ったり脱線したりして分子構造関係の記事

が中断して長い間隔が開きましたが再開しようと思います。

 

分子軌道(MO)の分類に原子軌道(AO)が必要なため,電場の中

の原子の構造から始めます。

一般に電場の中に物体を置けば,それを構成する正負の荷電粒子

が反対向きに引かれるために電気的分極が起こります。

そこで単独の原子を電場の中においてもそうした現象が見られ

ます。

まず,一様電場の下では中性原子の正負の電荷は同じで,それら

は互いに反対向きに同じ大きさの力を受けるので原子全体とし

ては動きませんが,分極は生じるはずです。

 

電場があまり大きくないとして摂動論によって分極の程度を

見積もってみます。一般には原子は多電子を有しますが,近似

的に水素様原子と仮定し1電子問題として扱うことにします。

一様電場をとし,電子の電荷を-eとするとき,その位置エネ

ルギーはV()=eErとなります。

 

したがって,原子核と電子の2体問題を電子の1体問題にした

Hamiltonianは0+V,と書けます。

ただし,0{-hc2/(2m)}∇2-Ze2/(4πε0)は電場が無い

場合の非摂動Hamiltonianです。

 

ここにhc≡h/(2π)でhはPlanck定数です。

また,mは電子の換算質量です。

定常状態の波動関数をψ()とすれば,それに対するSchrödinger

の波動方程式ψ=Eψ,

すなわち,

[{-hc2/(2m)}∇2-Ze2/(4πε0)+eEr]ψ()

=Eψ()   

です。

ここで,この水素様原子の量子数n,l,mを持つ電子の原子軌道

の波動関数をφnlm()とすると,水素様原子の量子力学から

0φnlm=Enφnlm;En=-mZ24/{(4πε0)2(2c22)}

が成立します。

 

ここで特にn=3,l=0 の3s状態の電子が分極して

n=3,l=1の3つの3p状態に分離する場合を考え

ます。

ここで, 計算上は非摂動の状態としてエネルギーが縮退した

3s状態と3p状態の4つしか存在しないと仮定してもかまい

ませんから,そう仮定します。

 

そして,φs≡φ300x≡φ31+y≡φ31-z≡φ311,とおけば

0φj=E3φj(j=s,x,y,z)です。

エネルギーの縮退がある場合の摂動論を適用するために

ψ=csφs+cxφx+cyφy+czφzとおけば,

ψ=(0+V)ψ=

s(0+Vs+cx(0+Vx+cy(0+Vy

+cz(0+Vz です。

 

よって,解くべき方程式は

3(csφs+cxφx+cyφy+czφz)+V(csφs+cxφx

+cyφy+czφz)=Eψ となります。

 

この両辺に左からφi*()を掛けて積分して,内積

<φj|0+V|ψ>=∫φj*()(0+V())ψ()d

を取ると,4つの未知係数{cj}に対する4つの連立1次方程式

3i+Σj<φi|V|φj>cj=Eci が得られます。 

ここでV()=eErにおける電場の向きをz軸に取れば,

V()=e||zです。

 

波動関数の対称性,つまり被積分関数φi*()zφj()の

x,y,の関数としての奇関数性から,i=s,j=zで

φi()=φs(),φj()=φz()のケース,および,

この逆のケースi=z,j=sを除けば

<φi|V|φj>=e||∫φi*()zφj()d

は全てゼロです。

 

そこで唯一のゼロでない成分を

sp≡<φs|z|φz>=<φz|z|φs>とすれば,

連立1次方程式は2つだけ,

(E-E3)cs+e||zspz0 ,

e||zsps(E-E3)cz0  になります。

これが,自明でない解を持つのは、t(cs,cz)の係数行列の行列式

がゼロになることが必要十分であり,この永年方程式を解くと,

エネルギー固有値として, 

E=E±=E3±e||zsp  が得られます。

 

そして,エネルギーがこの値を取るときには,

3x=E±x,3y=E±y±≠E3ですから

x=cy0 です。

 

そこで固有値E=E±に属する固有状態の波動関数は

ψ±(1/2)1/2s±φz) と書けます。

このように電場によってエネルギー準位が受ける変化

=今の水素様原子のn=3の場合ならエネルギー縮退に

伴なうスペクトルの変化をシュタルク効果(Stark effect)

といいます。

 

上述のように水素様原子の特別な場合には1次のStark効果

が存在しますが,それ以外の多電子の原子では,電場による

摂動の効果Vは全電子の平均としては原子内電子全体に

ついての和の形でV=ejj)となり,

球対称,つまり座標の偶関数になると考えられるので

1次Stark効果は存在せず,2次以上の摂動の効果しか

存在しなくなります。

そして,水素様原子について前述のzsp=<φs|z|φz>の平方

sp2(xsp2+ysp2+zsp2)/3=|sp|2/3で置き換えるのが

妥当と思われます。

時間によらない定常摂動論は,波動関数ψとエネルギーE

を微小摂動Vの次数に比例する項に展開して,

ψ≡φn+Δφ+Δ2φ+Δ3φ+..,

E≡En+ΔE+Δ2E+Δ3E+..としたとすると,

方程式ψ=(0+V)ψ=Eψは,

(0+V)(φn+Δφ+Δ2φ+Δ3φ+..)

=(En+ΔE+Δ2E+Δ3E+..)(φn+Δφ+Δ2φ+Δ3φ+..)

となること,

 

これからVの同じ次数の微小項に関して恒等式

0Δφ+Vφn=EnΔφ+ΔEφn,

0Δ2φ+VΔφ=EnΔ2φ+ΔEΔφ+Δ2Eφn,..etc.

が成立するという推論に基づいています。

1次の等式0Δφ+Vφn=EnΔφ+ΔEφnにおいては,

Δφ=Σiiφiと展開して左からφiを掛けて内積を取ると

縮退していようがいまいが状態が全ての波動関数が直交規格化

されているなら,

(n-Ei)ai=<φi|V|φn>-ΔE<φin

です。

 

そして,縮退してないとき,つまりEi=Enなるiがnだけ

しかないときには,ΔE=<φn|V|φn,

i=<φi|V|φn/(n-Ei) (i≠n)となります。

nについては任意ですが,Vの最低次で規格化条件

<ψ|ψ>=1が成立することを要求すればこれも

決まります。

一方,縮退していてEi=Enなるiがn1,n2,..,nNのN個

あれば1次の等式0Δφ+Vφn=EnΔφ+ΔEφnに戻って

実は摂動効果のために 0 次の波動関数φn自身が

φn=Σjjφnj に変わると考える必要があります。

 

次の波動関数をΔφ=Σiiφiと展開して左から

φniを掛けて内積を取ると,N個の等式

Σjj<φni|V|φnj>-ΔEcj0

が得られます。

これを未知係数{cj}に対する連立1次方程式として自明で

ない解を持つ条件から永年方程式を作れば,これはΔEを

未知数とするN次代数方程式になります。

 

もしもこれがN個の異なる実数根を持つなら,この摂動で縮退

完全に解けることになります。

これは丁度, 上で水素様原子のエネルギー縮退した3s,3p

が1次Stark効果で解ける様子を論じた内容の論拠になって

います。

しかし,多電子系のStark効果では,既に述べたように全電子

の平均としての摂動の対称性のせいで,全ての<φni|V|φnj

がゼロなので1次の摂動近似の解は自明な解のみであること

になり,系の電子エネルギーへの1次のStark効果による寄与

はありません。

そこで,次にVの2次の摂動に対する等式

0Δ2φ+VΔφ=EnΔ2φ+ΔEΔφ+Δ2Eφn

を考えます。

 

やはり,Δφ=Σiiφiとし,次の波動関数も

Δ2φ=Σiiφiと展開できるとします。

これらを等式の両辺に代入した後に,左からφiを掛けて

内積を取ると

ii+Σjj<φi|V|φj>=Eni+ΔEai+Δ2E<φin

が得られます 

上式において,もしi=nなら,

Σjj<φn|V|φj>=ΔEan+Δ2E となります。

これに先に求めた

ΔE=<φn|V|φn,aj=<φj|V|φn/(n-Ej) (j≠n)

を代入すると,

Δ2E=Σj≠n{<φn|V|φj><φj|V|φn/(n-Ej)}

となります。 

一方,i≠nなら,同じく

ΔE=<φn|V|φn,aj=<φj|V|φn/(n-Ej) (j≠n)

を代入して,

(Ei-En)bi[an<φi|V|φn

+Σj≠n{<φi|V|φj><φj|V|φn/(n-Ej)}

=<φn|V|φn><φi|V|φn/(n-Ei)

が得られます。

 

これを解けば

i=an<φi|V|φn/(n-Ei)

+Σj≠n[<φi|V|φj><φj|V|φn/{(n-Ei)(n-Ej)}]

-<φn|V|φn><φi|V|φn/(n-Ei)2

となります。

 

そして,bnは決まらず任意です。 

非摂動時に縮退がある場合には,

0Δ2φ+VΔφ=EnΔ2φ+ΔEΔφ+Δ2Eφnにおいて,

0 次近似の波動関数φn自身が摂動効果でφn=Σjjφnj

に変わりますが,やはりΔφ=Σiiφi2φ=Σiiφi

と展開できるとして,左からφniを掛けて内積を取ると

Σjj<φni|V|φj>=ΔEani+Δ2Eci(i=1,2,..,N)

が得られます。

ここで,エネルギー準位Enを取るN個の状態:

φnj(j=n1,n2,..,nN)について1次の摂動で全く縮退が

解けず,ΔE=<φnj|V|φnj>=0 ,anj0 ,

つまり<φnj|V|φn>=0(j=n1,n2,..,nN)を満たし

自明な解しか無いとします。

 

特にci1,cj0(j≠i)として得られる式

Δ2E=Σjj<φni|V|φj>に,aj=<φj|V|φn/(n-Ej)

(j≠n1,n2,..,nN)を代入すれば,

Δ2E=Σj≠n1,n2,..,nN {<φni|V|φj><φj|V|φn/(n-Ej)}

を得ます。

縮退,非縮退のいずれにしても多電子原子の2次のStark効果

ではV=ejj)で平均すると,

<V>=eErsp  ただし,sp≡<Σjj> です。

 

そこで,先に平均としてzsp2(xsp2+ysp2+zsp2)/3=|sp|2/3

とみなせるとした論拠により,

<φni|V|φj><φj|V|φn>=(e2||2/3)|spjn|2

と書けばΔ2E=-(e2||2/3)Σj≠n{|spjn|2/(j-En)}

となります。

 

ここで対象としているエネルギー準位がEnの状態がn=0

の基底状態の場合にはEj>EnよりΔ2E<0 です。

E=En+ΔE+Δ2EであってΔE=0 ですから,

E<Enとなります。

 

したがって,この場合Stark効果によってエネルギーは必ず

減少します。

ところで,現象論としては,電場によって原子が分極する

場合に原子全体として誘起される電気双極子ベクトルを

とすれば,分極率αなる比例係数を用いて=αと書け

ます。

 

そして電場の存在による系のエネルギー変化をやはりΔ2

と書けばΔ2E=-∫0E=-α||2/2 となります。

 

これを上に摂動論で求めた

Δ2E=-(e2||2/3)Σj≠n{|spjn|2/(j-En)}に等置すれば

分極率の表現としてα=(2e2/3)Σj≠n{|spjn|2/(j-En)}

なる式が得られます。

さらに,具体的な計算を進めるには上式の右辺の無限個の項の和

を求める必要があります。

右辺の和はエネルギー準位が連続固有値である領域にも及ぶ

ので,実は積分も含んでいて正攻法で見積もるのはかなりむず

かしい問題です。

そこで,再び2次の等式

Σjj<φn|V|φj>=ΔEan+Δ2Eまで戻ると,

1次の摂動ΔEがゼロの場合には,Δ2E=<φn|V|Δφ>

を得ますから,もしもΔφ=Σiiφiを直接求めることが

できればΔ2Eを導出できると思われます。

 

そしてこれからΔ2Eが得られたなら,それを用いて

α=-2Δ2/||2によって分極率αを求めることが

できますから,Δφを解くことを考えます。

さて,摂動の1次の式は0Δφ+Vφn=EnΔφ+ΔEφn

でしたからV=e||zと置いて,さらに対象となる非摂動

の状態はn=0 の水素の基底状態で波動関数は

φn()=(πa03)-1/2exp(-r/a0)で与えられる場合

であるとすると,

このときは確かにΔE=<φn|V|φn0

が満たされています。

 

0はBohr半径でa0≡ε02/(πme2)=4πε0c2/(me2)

です。

ただし,ここでのmは電子の換算質量ですから,原子核が

水素原子のそれでないなら素朴なBohr半径とは微妙に異なる

とは思います。 

そこでΔφ()≡Σlmlm(r)Yim(θ,φ)と置いて,

これを0{-hc2/(2m)}∇2-e2/(4πε0),V=e||z,

およびφn()=(πa03)-1/2exp(-r/a0)と共に,全て

0Δφ+Vφn=EnΔφ+ΔEφnに代入した後に,

動径波動関数f(r)=flm(r)を分離すると,

(d2f/dr2)+(2/r)(df/dr)-(2f/r2)+{2f/(0)}

-(f/02)=8πε0||rexp(-r/a0)/{ea0(πa03)1/2}

が得られます。

この2階常微分方程式

(r)=fim(r)=(Ar+Br2)exp(-r/a0)なる解の形

を仮定して代入し係数A,Bが満たす式を求めるという方法

を実施することから,このA,Bを適当な定数に取ったときに

これが確かに方程式の解となることがわかります。

そして,この解によって得られる

Δφ()≡Σlmlm(r)Yim(θ,φ)を

φn()=(πa03)-1/2exp(-r/a0)と共に

Δ2E=<φn|V|Δφ>=e||∫φn()zΔφ()d

に代入して,右辺の積分を実行し,

結局,分極率の陽な値として

α=-2Δ2/||2(9/2)(4πε0)a03

が得られます。 

弱い電場ならば摂動は2次までで十分ですが,より強い電場

ならさら高次の摂動を取る必要性も生じるようです。

ただ,一様電場中の水素様原子の場合にはSchroedinger

の波動方程式は変数分離できて,正確に解けます。

 

[{-hc2/(2m)}∇2-Ze2/(4πε0)+e||z]ψ()

=Eψ()において,放物線座標ξ≡r,η≡r-z,

φ≡arctan(y/x) ⇔ x≡(ξη)1/2cosφ,y≡(ξη)1/2sinφ

z≡(ξ-η)/2,r≡(ξη)/2を用いると,

Laplacianは,

2{4/(ξη)}(∂/∂ξ){ξ(∂/∂ξ)}

{4/(ξη)}(∂/∂η){η(∂/∂η)}{1/(ξη)}(∂2/∂φ2)

となり,

摂動項は,V=e||z=e||(ξ-η)/2  となります。

ここで,e/(4πε0)1/2とhc2/mを1とする単位を取り,

さらにF≡(4πε0)1/2||とおくと,波動方程式は

{-(1/2)∇2-Z/r+Fz}ψ()=Eψ()となり,

変数変換すると,

(∂/∂ξ){ξ(∂ψ/∂ξ)}(∂/∂η){η(∂ψ/∂η)}

{1/(4ξ)1/(4η)}(∂2ψ/∂φ2)+{(E/2)(ξη)

Z-(F/4)(ξ2η2)}ψ0  となります。

ψ()≡u1(ξ)2(η)exp(imφ),かつZ12とおくと

変数分離されて

(d/dξ){ξ(d1/dξ)}{Eξ/21-m2/(4ξ)

-Fξ2/4}10 ,

(d/dη){η(d2/dη)}{Eη/22-m2/(4η)

Fη2/4}20 ,

 

さらにu1(ξ)1(ξ)ξ-1/2,u2(η)2(ξ)η-1/2

おけば,

ξ(d1/dξ)=(dU1/dξ)ξ1/21(ξ)ξ-1/2/2,

(d/dξ){ξ(d1/dξ)}=(d21/dξ21/21(ξ)ξ-3/2/4

etc.より,

21/dξ2{E/21(1-m2)/(4ξ2)

-Fξ/4}U10 ,

22/dη2{E/21 /η+(1-m2)/(4η2)

+Fη/4}U20

となります。

以下,計算を省略して結果だけ書けばF=0 の電場の無い

非摂動系ではZ1{n1(|m|+1)}(-2E)1/2,

1(ξ)=(-2E)(|m|+1)/4{(n1!)1/2/(n1|m|)3/2}

exp{-(-E/2)1/2ξ|m|/2n1+|m||m|((-2E)1/2ξ)

となります。

 

ここでn10,1,2,..は量子数で,Llm(x)はLaguere陪多項式です。

この場合,Z2の方はZ2=Z-Z1から自動的に決まります。 

これからFがゼロでないときのZ1 の補正をFの1次まで求める

と,Z1{n1(|m|+1)}(-2E)1/2+∫0dξ(Fξ2/4)u1(ξ)2

{n1(|m|+1)}(-2E)1/2{/(-8E)}(6126n1|m|+m2

6n13|m|+2) です。

 

同様に2の量子数n20,1,2,..による表現を求めて,

12をFの1次までの近似で表わせば,

(-2E)1/2{3/(-8E)}n(n1-n2) となります。

ここに,n≡n12|m|+1 です。

 

これを逆に解いて,エネルギーEを求めると,Fの1次まで

でE=-2/n23Fn(n1-n2)/Z が得られます。

ここまでは,Eは量子数n,n1,n2が同じならmには依らない

表現になっています。

そしてn≡n12|m|+1で,F=0 のとき

Z=n(-2E)1/20 ,1{n1(|m|+1)}(-2E)1/20

なので,mは|m|=0,1,2,..,n-1の範囲にあり,

=-2/n23Fn(n1-n2)/ZのFの項が最大になるのは

1=n-1,n20のときで,最小になるのはn10 ,n2=n-1

のときです。

 

これらの差は3Fn(n-1)/Zなのでnが大きいと,ほぼn2

比例して1次Stark効果による分極が大きくなって電子波動関数

の広がりは大きくなると思われます。 

一方,2次のStark効果も2次の摂動論から求めてこれの

計算結果を付け加えると,

=-2/n23Fn(n1-n2)/Z-(1/16)F2(n/Z)4{172

3(n1-n2)29m219}

となります。

 

この式で基底状態n=1,12=m=0 を取れば,1次

のStark効果はゼロであって,=-2(9/4)F2/Z4

となります。

 

これから(9/4)F2/Z4Δ2E=-αF2/2と等置すれ

ば,α=9/(2Z4) が得られます。

ここではe/(4πε0)1/2とhc2/mを1とする単位を取っており,

かつ,F≡(4πε0)1/2||としていますからBohr半径は

0=ε02/(πme2)=4πε0c2/(me2)=1

になっています。

 

それ故,先に水素原子Z=1について摂動論から求めた値

α=-2Δ2/||2(9/2)(4πε0)a03と完全に一致し

ています。 

ところで,他の多電子原子と異なり,水素様原子で1次の

Stark効果が現われる原因は,先に考察した3sと3pの例の

ように,エネルギー準位が方位量子数lによらず縮退して

いることであると考えられます。

今日はこのへんで終わりにします。 

参考文献:高柳和夫 著「原子分子物理学」(朝倉書店),猪木慶冶,川合 光 著「量子力学Ⅱ」(講談社) 

※以上,再掲記事でした。

 ちょっと前記事に付いたコメントに関連して

「多体問題と場の理論(仮題)」というテーマの原稿を

あたため中です。

ノートを参照したりしない比較的創作的な原稿は時間が

かかるのでアップがいつになるか??

最近は頭の中にはあるけど書けなくて。。

というのが多いです。

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2014年9月 1日 (月)

ハートリー・フォック(Hatree-Fock)近似(1)(再掲載)

 

 すぐ前の「多電子原子の構造」に続き,量子論の近似法の重要な

 応用例として2007年の6/15からのシリーズ記事の中から

 「ハートリー・フォック(Hatree-Fock)近似」の導入部分の過去

 記事を再掲します。

※以下,再掲記事の本文です。

 前記事までの陽イオン(ion)の格子振動をフォノン

(phonon)と捉えて論じる,という描像とは前後しますが,

 

謂わゆる"静止格子模型"においての金属中の電子の性質

を調べるための方法として採用されるもの,を考察します。

 

 

すなわち,今日は,静止した格子イオンの周期ポテンシャル

の中で,電子-電子相互作用の効果をも取り入れた多体近似式

の1つとしてハートリー・フォック(Hartree-Fock)近似に

ついて,おさらいをしてみます。

 

格子イオンによる周期ポテンシャルが存在している金属内

電子間相互作用の効果をも含めると,独立電子近似として

各電子ごとに独立した1粒子のSchroedinger方程式:

{-hc2/(2m)}2ψ()+U()ψ(r)=εψ()

を設定する際のポテンシャルU()をうまく選定すること

すら,かなり厄介な問題となります。

 

基本的には,こうしたU()を粗い近似としてではなく,精密

に選ぶことは不可能であると思われます。

 

ただし,hc≡h/(2π)でhはPlanck定数です。

 

近似によらず,金属中の電子を正しく計算しようとすれば,

改めて莫大な個数:全N個の電子のN粒子波動関数を,

Ψ(11,22,..,NN)として,

 

H^Ψ=Σi=1N[{-hc2/(2m)}i2Ψ-Ze2ΣR(1/|i|)Ψ]

+(1/2)Σi≠j(e2/|ij|)Ψ=EΨ

という正しい表式から出発すべきでしょう。

 

もちろん,こうした方程式を近似を行なうことなく解くことは,

不可能と思われるので,物理的考察を行なって簡単化する必要が

あります。

 

(※↑もっとも,昨今はコンピュータも進化し,数値計算技法も

発達してきているので,数値計算の近似以外の近似を行なうこと

なく,強引に解いてしまう計算物理学的手法もありそうですが。。)

 

1つには,再び,1電子Schroedinger方程式:

{-hc2/(2m)}2ψ()+U()ψ(r)=εψ()

を想定して,これが意味を失わない程度にポテンシャル:U()

を比較的正しい近似で表現することを考えるやり方があります。

 

 

このU()は,まず,イオンによる効果:

ion()≡-Ze2ΣR(1/||) を含んでいます。

 

さらに,注目している1電子は他の全ての電子の作る電場

をも感じるはずですから,電子が今のところは未知の電荷

密度:ρ()=-eΣii()|2で分布していると仮定して,

 

電子間相互作用を平均化近似した平均場ポテンシャル:

el()≡-e∫d'ρ(')/|'|

を作ります。

 

全体の独立電子ポテンシャル:U()には,これの効果も含まれる

はずです。

 

ここでψi()は,この金属系において準位iにある個々の電子の

1電子波動関数です。

 

それ故,

()=Uion()+Uel()とおいて1電子方程式を作れば,

形式的な方程式系:

{-hc2/(2m)}2ψi()+Uion(i(r)

+[e2∫djj()|2/|'|]=εiψi()

が得られます。

 

 

このように各々の占有された1電子準位ψi()に,それぞれ,

1電子方程式が存在しているという近似で得られた一連の方程式

はハートリー方程式(Hartree equation)として知られています。

 

そして,この方程式を具体的に解くには,

まず,1電子波動関数:ψi()を適当に予測仮定して,

el()=e2∫djj()|2/|'|を作り,

 

そのUel()に対する1電子方程式:

{-hc2/(2m)}2ψi()+Uion(i(r)

+[e2∫djj()|2/|'|]=εiψi()

を,例えば数値計算によって解きます。

 

そして,これで得られた近似解:ψi()をUel()の表式に代入

して,新たに得られた1電子方程式を解くという逐次近似の方法

を採用します。

 

理想的には,この逐次近似法の繰り返しは,Uel()が繰り返し計算

の前後で不変になるまで続ければいいということになります。

 

こうした理由で,"Hartree方程式を用いたこの近似=Hartree近似"

は自己無撞着場(self-consistent)の近似と呼ばれています。

 

電子-電子相互作用の存在によって生じる問題は,こうした単純な

自己無撞着場近似を用いて正しく扱うことはできませんが,この

近似を通じて把握できる幾つかの重要な物理的側面があります。

 

例えば,以下のような側面です。

 

(ⅰ)自己無撞着場の方程式を拡張し,交換相互作用として知られる

相互作用を取り入れる。

 

(ⅱ)遮蔽現象:これは電子間相互作用に対するもっと正確な理論

展開する際や,イオン,不純物,他の電子などの荷電粒子に対する

金属中の電子の応答を調べる際には重要になる。

 

(ⅲ)LandauのFermi液体論:これについては金属の電子的性質に対

する電子間相互作用の定性的な効果を研究するための現象論的な

手段を与える。

 

 

などです。

 

以下では,これらを論じます。

 

なお,電子間相互作用を系統的,かつ本格的に扱うという問題

多体問題と呼ばれ,これを扱う系統的方法として,場の理論

や,それにおける摂動法での伝播関数の描像をも含めた一般的

なGreen関数の方法などがあるようです。

 

では,まず(ⅰ)の交換相互作用(交換力)について論じましょう。

 

まず,N電子系の正確なSchroedinger方程式:H^Ψ=EΨに

戻ります。

 

量子論の変分原理によれば,これの解Ψは,

これと等価な変分形式:H>Ψ=<Ψ|H^|Ψ>/<Ψ|Ψ>

を停留値にする状態:Ψを求めることで得られます。

 

特に,基底状態の波動関数は,<H>Ψ=<Ψ|H^|Ψ>/<Ψ|Ψ>

を最小にするΨです。

 

そこで,Hartree方程式の解は,

Ψ(11,22,..,NN)

=ψ1(112(22)..ψN(NN)の形の全てのΨについて

<H>Ψ=<Ψ|H^|Ψ>/<Ψ|Ψ>を最小にするものを求める

ことから得られる,と考えられます。

 

ここで,{ψi(ii)}(i=1,2,..,N)は,直交規格化されたN個

の1電子波動関数の組です。

 

しかし,このN体電子の波動関数Ψの,Ψ=ψ1ψ2..ψNという単純

な形式のままでは,一般に,"N体電子の波動関数は任意の1対の

電子の位置とスピンの変数の入れ換えに対して反対称であるべき

である。"という,Pauliの原理とは相容れません。

 

したがって,最も簡単には,Hartree近似を一般化して波動関数Ψ

単純に反対称化すればいいわけです。

 

それ故,Ψのψiによる表式として,謂わゆるSlator行列式を採用

することにします。

 

 

すなわち,

i(jj)}を,ψi(jj)を(i,j)成分の行列要素とする

N×N行列とし,Ψは,その行列式(determinant)を規格化した

Ψ(11,22,..,NN)=(1/N!)1/2det{ψi(jj)}

という表現,を採用します。

 

これを用いてエネルギーの期待値:

<H>Ψ=<Ψ|H^|Ψ>/<Ψ|Ψ>を計算すれば,

 

<H>Ψ=Σi∫dψi*()[{-hc2/(2m)}2+Uion()]ψi()

+(2/2)Σi,j∫d'[1/|'|]|ψi()|2j(')|2

(2/2)Σi,jδsisj∫di*()ψi(')[1/|'|]

ψj*(')ψj()

 

となります。

 

右辺の最後の項は負であり,通常の1電子の組み合わせ:|ψi()|2

の代わりに,積:ψi*()ψi(')を含んでいます。

 

このエネルギー期待値に対して,ψi*の変分に対する変分原理を

適用すると,

 

{-hc2/(2m)}2ψi()+Uion(i()+Uel(i()

-(2/2)Σjδsisj∫d'[1/|'|]ψj*(')ψi(')ψj()

=εiψi()

が得られます。

 

これを,Hartree-Fock方程式と呼び,この近似をHartree-Fock近似

といいます。

 

そして,この方程式は,左辺の第3項の分だけHartree方程式とは

異なっています。この余分の左辺第3項を交換項と呼びます。

 

この方程式もHartree方程式と同じく非線形の方程式です。

 

しかも,交換項は∫V(,')d'という積分演算子の形になって

いますから,これの扱いは,さらにむずかしいものといえます。

 

例外は,周期ポテンシャルがゼロ,または定数の自由電子の場合で,

このときには,ψiを直交規格化された平面波と取ることによって,

方程式は正確に解けます。

 

もっとも,自由電子の場合の解を現実の金属中に束縛されている

電子の場合に適用するのは疑問です。

 

しかし,これは周期ポテンシャルがゼロでも定数でもない現実の

金属電子のHartree-Fock方程式を,より取り扱いやすくするため

の近似を考える際の助けにはなります。

 

すなわち,自由な平面波:

ψi(s)=(1/V)1/2exp(ikr)×(スピン関数)

を考えると,これはHartree-Fock方程式の1つの解となって

います。

 

ただし,Fermi波数:kFより小さい波数ベクトル:はスピンの向き

(up,down)の各々に対応してSlator行列式の中に2度出現します。

 

実際,上記の平面波の組が解であるなら,Uelを決める電荷密度は

一様になりますが,自由電子ではイオンも正に帯電した一様な分布

で表わせるので,これらは互いに打ち消しあって,U=Uion+Uel0

となりますから,相互作用項ポテンシャルの項としては,交換項だけ

が残ることになります。

 

ここで,CoulombポテンシャルをFourier変換すると,

2/|'|=(4πe2/V)Σ(1/q2)exp{i(')}

→ (4πe2)∫d[1/{(2π)32}exp{i(')}

なる表式が得られます。

 

これと,自由平面波:ψi(s)=(1/V)1/2exp(ikr)

×(スピン関数)をHartree-Fock方程式の左辺に代入すれば,

{-hc2/(2m)}2ψi()+Uion(i(r)

+[e2∫djj()|2/|'|]=εi(i()

となります。

 

ここに,εi()=hc22/(2m)-(4πe2/V)Σk,k'(1/|'|2)

=hc22/(2m)-{4πe2/(2π)3}∫k<kF'(1/|'|2)

=hc22/(2m)-(2e2F/π)F(k/kF)

 

ただし,

F(x)≡(1/2)+{(1-x2)/(4x)}log|(1+x)/(1-x)| です。

 

よって,確かに自由平面波がHartree-Fock方程式の1つの解である

ことが示され,波数ベクトルの1電子準位のエネルギーが,

上記のεi()で与えられることがわかりました。

 

そして,N電子系の全エネルギーは,この自由電子近似では,

E=k<kF{hc22/(2m)}-(e2F/π)

Σk<kF [1+{(kF2-k2)/(2kkF)}log|(kF+k)/(kF-k)|]

となります。

 

そして,第2項の和を積分に変えれば,

E=N[3εF/5-3e2F/(4π)]が得られます。

 

この結果は,Rydberg単位:Ry≡e2/(2a0)≒13.6eV

(a0はBohr半径)と,パラメータ:(rs/0)(rsはV/N=4πrs3/3

で与えられる1電子の占める体積の半径),を用いると,

 

/N=e2/(2a0)[3(kF0)2/5-3(kF0)/(2π)]

≒[2.21/(s/0)2-0.916/(s/0)]Ry

と簡単になります。

 

金属中の(rs/0)は大体 2~6なので,第2項は第1項と同程度

大きさですから,金属中の電子のエネルギーを自由電子近似で

評価するときには電子間相互作用を無視できません。

 

より詳しい計算によれば,

電子ガスの基底状態の高密度展開(小さい(rs/0)による展開)

の主要項が,E/N≒[2.21/(s/0)2-0.916/(s/0)

+0.0622log(s/0)-0.096+O(s/0)]Ry

となることがわかっています。

 

ただし,1電子の占有する平均半径:sは,

F(3π2n)1/3=(9π/4)1/3(1/s)を満たす長さです。

 

これによれば,右辺の初めの2項はHartree-Fock近似の結果と

一致しています。

 

しかし,金属の(rs/0)は小さくないので,金属電子に対しては

この展開自体が疑問です。

 

それ故,実際には右辺第3項以下は物理的な意味のない誤差に

過ぎないと思われます。

 

しかし,こうした展開式の導出は電子間相互作用のより正確な

理論を作るための最初の系統立った試みの1つになりました。

 

 

この表式では,自由1電子のエネルギー:c22/(2m)からの

交換項による平均の変化分は,丁度E/Nの表式の右辺第2項

で与えられます。

 

すなわち,<Eexcha>=3e2F/(4π)=-0.916Ry/(s/0)

です。

 

この形から,Slaterは次のような指摘をしました。

 

すなわち,非一様な系,特に格子の周期ポテンシャルがあるとき,

局所的密度から求めたkFを持つ,

<Eexcha>=3e2F/(4π)=-0.916Ry/(s/0)

2倍で与えられる局所エネルギーを,交換項に置き換えれば

Hartree-Fock方程式を簡単化できるという指摘をしました。

 

つまり,∫V(r)d=N=V/(4πrs3/3)=nV,かつ,

(r)=kF()3/(3π2)(n=kF3/(3π2))より,

 

excha()=-3kF()a0y/π

=-(81/π)1/3(a03(r))1/3y≒-2.95(a03(r))1/3y

を,U()=Uion()+Uel()に,さらに加えることで交換項

に代える方程式を提案したわけです。

 

まあ,これらは粗い近似であり,単に種々の近似方法の1つに

しか過ぎないことがわかっていて,特筆すべきほどのものでは

ありません。

 

最後に自由電子近似でのエネルギーの表式:

εi()=hc22/(2m)-(2e2F/π)F(k/kF);

F(x)≡(1/2)+{(1-x2)/(4x)}log|(1+x)/(1-x)|

によれば,k=kFにおいては金属内電子の速度:

[(∂εi()/∂)/hc]対数的に無限大になります。

 

このため,低温の電子比熱がTに比例するという法則を求める

に用いたSommerfeld展開が有効でなくなり,低温の電子比熱

の表現に,[T/{log(T)}]に比例する特異な項が現われます。

 

これは,Coulombポテンシャル:e2/rのFourier変換:(4πe2/k2)

がk=0 において発散することに起因していますから,

Coulombポテンシャル:e2/rを湯川型の遮蔽ポテンシャル:

2 exp(-k0)/rで置き換かえれば,発散は除去されます。

 

次回はこの遮蔽効果について述べることにして,

今日はここまでにします。

 

(※なお,ここでは,記述の簡明さのために電磁気の単位として

MKSA単位ではなく,c.g.s単位を採用しています。)

 

参考文献:アシュクロフト・マーミン 著(松原武生・町田一成 共訳)

「固体物理の基礎(上・Ⅱ)(固体のバンド理論)」(吉岡書店)

 ※以上,再掲載でした。

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