« 今日は誕生日です。(65歳です) | トップページ | 連分数と近似分数(1) »

2015年2月10日 (火)

日本映画感想「それでも僕はやっていない。」

 自宅療養中でヒマなので時代劇専門チャンネルなどで,割りと単純で頭を使う必要のない勧善懲悪モノ。。暴れん坊将軍や桃太郎侍などのように最後は正義の味方が裁判抜きでバッタバッタと大量殺人をしてメデタシメデタシで終わるものなどのTV番組を見て過ごしたりしていますが。。。

 そればかりじゃ退屈なので,ついBSフジを回して見ると,丁度,痴漢冤罪事件がテーマの有名な「それでも僕はやっていない。」というちょっと前の日本映画をやっていました。

 これは公開当時話題に上ったので内容は大体知っていましたが,久しぶりにスポーツ以外の1つの番組を比較的真剣に最後まで見ました。

 日本の刑事裁判で,当事者の証言以外に物的証拠のない事件においての警察,検察そして比較的良心的な弁護士の対応であれば,あんなモノでしょう。

 情況証拠しかないときには「推定無罪」の原則があって,実は被告,および,弁護側にはその事件での無罪を立件する責任はなく,他方,検察側には有罪を立件する責任があるという規則があるはずです。疑わしきは被告の利益に。。。

 無罪,無実を証明できなくても有罪を証明するに足るモノがなければ無実とはならなくても少なくとも証拠不十分で有罪にはならず,無罪になるという原則があるはずなのに,見事に映画内容は逆の判決になっています。

 被告が"現行犯"で被害者に腕をつかまれて「電車内で痴漢された。」と親告されて,一旦つかまれば,逆に彼がそうした行為をしてないということを明確に立件できない限り,つかまえた側が痴漢行為をしたという事実を明確に証明できなくても,彼はほぼ100%有罪である。というワケです。

 ウン。。これまさに日本的裁判だ。。。

 性善説を基にした,デフォルトが無罪である。。という原則ではなく,被害者の知らせで警察に逮捕された時点で,性悪説が適用され,よほどのことがなければデフォルトで有罪というのが現実です。

 さらに日本的な義理と人情の要素。。

 有罪判決の場合,無罪を主張したという理由で反省がないという情状でさらに刑は重くなるので,逮捕されたら本当は本人にとっては明らかに無実であってもとりあえず,反省の態度を示しておかないと量刑裁判的には不利という二刀流のかまえで裁判に臨む??。。。

 んなの,無実なのに反省や悔悛なんて矛盾してて無理に決まってる。

 という普通の感想でした。。周防監督でしたっけ。。。エライ。。。

PS:よくある話が下着ドロボーがつかまった後で,彼の居宅を調べたら多くの女性下着がみつかったという報道。。。ことさらに逮捕した人物の変態的趣味志向を暴いて貶めるのが警察,検察の常套手段。。。

 これを見たらこの下着の全てを彼がどこかで盗んだものと世間は思うでしょうが。。。イヤ,本当にそうである場合もあるでしょうが,余罪全てまで追及しても普通証拠を集める余裕はなく,実際,今の時代は,新品だけじゃなく履き古した下着でも売れる時代で,欲しければネットでも買えます。

PS2:11日夜中の1時です。

 私,過去には,既に冤罪であることが裁判で確定した「東電OL殺人事件」についても,数回ブログ記事を書いていますが,物的証拠がないのに死刑が確定した「和歌山カレー事件」にも疑問を持ってますし,「飯塚事件」の性急な死刑執行には素人ながら憤りさえ感じています。

 (※ ↓ 2012年6/7の記事「やった。五便ださん。無罪釈放へ」を再掲。。)

→ 徳島新聞Web 東電事件、マイナリさん釈放へ

 再審が認められた以上,無罪を取ることは確実と信じてます。

 2011年7/21の本ブログ過去記事「東電OL殺人事件,冤罪か?」と

 2011年8/25の記事「東電OL殺人事件(続き)」,および.

 2011年10/7の記事「東電OL殺人事件(続きの続き)」も参照されたい。

PS:耕士さん,当記事へのコメントありがとうございます。

|

« 今日は誕生日です。(65歳です) | トップページ | 連分数と近似分数(1) »

003. 日記・回想」カテゴリの記事

コメント

For starters he must go their state make-up. Criminal offenses of moral turpitude it really is honest? The attorneys also attain required information just like investment defense, charitable gifts or taxation elimination requirements. That’s adequate to your list.

投稿: Foster | 2015年3月 6日 (金) 07時18分

I would like to thank you for the efforts you have put in writing this website. I’m hoping the same high-grade website post from you in the upcoming as well. In fact your creative writing skills has inspired me to get my own website now. Actually the blogging is spreading its wings quickly. Your write up is a great example of it.

投稿: Ross | 2015年2月22日 (日) 18時16分

映画のモデルになった方が再審請求されていますね。
http://mainichi.jp/select/news/20150206k0000m040174000c.html

投稿: 耕士 | 2015年2月10日 (火) 21時25分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 日本映画感想「それでも僕はやっていない。」:

« 今日は誕生日です。(65歳です) | トップページ | 連分数と近似分数(1) »