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2015年3月

2015年3月31日 (火)

ユニセフから支援者へのメール転載。。。

 ※個人からのメールを公開するのは重大なマナー違反ですが,
ユニセフからの協力依頼メールは何も秘密にすべき情報は入って無く,
,むしろ,このブログ読者の皆様にも協力頂いた方がベターと思い,勝手
に公開します。
 現在は私自身貧乏人で世間様のお世話になっている身の上で,
昔のようなお金関係の協力は不可能に近いので。。。
UNICEF

 

ユニセフご支援者の皆さまへ

桜の咲く頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 

いつもユニセフの活動にあたたかいお力添えを賜り、ありがとうございます。

 

多くのご支援者の皆さまにご協力いただきましたエボラ出血熱緊急募金ですが、4月2日(木)に、ユニセフハウス(東京・品川)にてユニセフ日本人スタッフによる現地報告会を開催することになりました。直前のご案内となり恐縮ですが、皆さまのご参加をお待ちしております。

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  1. エボラ出血熱 現地報告会  
  2. バヌアツのサイクロン被害への緊急支援活動  
  3. 第4回世界女性会議から20年―女の子の現状は  
  4. ユニセフ・ラブウォーク中央大会 
エボラ出血熱 現地報告会 
 

ギニアで感染が確認されてからおよそ1年。瞬く間に広がったエボラ出血熱は、ギニア、シエラレオネ、リベリアの3カ国で猛威を振るい、この1年間で2万4,000人以上の感染者、1

k※転載終了

PS:最近,私の20歳以上年下のガールフレンドのー人が,2回ほど自宅療養中の私の汚い部屋に見舞いのついでに創価学会ではない日蓮宗の立正なんとか会の信者の女性友達,1歳半の男の子連れの女性を部屋まで連れて来られて話のついでに布教?をしていかれました。

 何でも日蓮上人様は神様であり法華経の「南無妙法蓮華経」の念仏を唱えれば種々なご利益(りやく)があるとかの話です。。。信者の集会での現実にあった奇跡の報告会の録音なども聞かせてもらいました。。。

 まあ,,私老い先短いし人間はどう長生きできても高々100歳くらいです。たとえ,死後の世界があっても,私はバチ当たりの変態なので,天国や極楽じゃなく地獄行きでしょうが。。。

  未来の死の先が全くの無より,そういうのあった方が嬉しいには違いありませんがね。。

 プラシーボ効果というか小麦粉でもカゼ薬と信じて飲めばカゼが治ることあるので,念仏唱えると効くと信じれば,難病や末期がん「など,も治るかもしれないと思う程度の信心の心しか私にはないです。

 超自然的なものが無いとは決して言い切れないし,善意で薦めるモノを拒否できないのでただ聞いてるのみです。

 キリスト教ならイエスが十字架にかかったときの懐の切り口に手を入れて初めて使途のトマスが復活を信じ,また強力な迫害者であったサウロが改宗し改名して敬虔なパウロになったのは,復活した主イエス自身がサウロに現われて「サウロよ。何故わたしを迫害する?」と問うたのがその理由とか。。。 

 実際の信者であっても,その奇跡を眼の当たりにしない限り,いくら人伝てに聞いても本当のところは信じられないのではないでしょうか。。。

 ともあれ,別にそういう宗教,宗派のドグマが人によっては心の糧になり,元気になったりご利益があって,逆にカルトの中のいくつかのように何らの被害があるモノのでないなら,他人の私が水をさすイワレはありません。

 久しぶりに子供を抱かせてもらってヒトハダを感じたのには感激しました。

 私本当はコドモにはアブナイジイサンなんですがネ。。。。

 「主よ,主の名を騙るニセモノが現われました。こらしめましょうか。。」

「我が名において善きこと為すモノには祝福あれ。。捨ておけ」 と言ったとか記憶している聖書の中の偽イエスの話?などを思い出しました。。

 さすがに心が寛い。。

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2015年3月26日 (木)

ゲージ場の量子論から(その1)(経路積分と摂動論10)

ゲージ場の量子論から(経路積分と摂動論)の続きです。

 

生成汎関数Z[J]とn点Green関数G(n)(x1,..,x)の関係は 

 定義によって,Z[J]=Σn=0(1/n!)

 [∫d41..d4{J(j1)..J(x)G(n)(x1,..,x)} 

 で与えられます。

 

 一方,Z[J]の経路積分表式の分子は,

 <exp[i∫dx{int(φ)+J*φ}]>0=Σ=0(1/m!)

[∫d41..d4<iint(y1)..iint(y)exp(iJ*φ)>0]

であり,このうち最後の指数関数因子は,

 exp(iJ*φ)=exp{i∫d4xJ(x)φ(x)}=Σ=0(1/n!)

 [∫d41..d4{J(j1)..J(x)φ(x1)..φ(x)} 

 と級数展開でされます。

 

Z[J]の経路積分表式の分母は,<exp[i∫dx{int(φ)}>0 

ですから,(n)(x1,..,x)×<exp[i∫dx{int(φ)}>0 

=Σ=0(i/m!)[∫d41..d4

<φ(x1)..φ(x)int(y1)..int(y)]>0 

 なる等式が成立することがわかります。

 

そこで,n点Green関数G(n)(x1,..,x)に寄与するFeynman

グラフでは,点x1,..,xが端点となるわけです。

(※再掲下図4.5を参照)

 

 これらの端点に直接つながる線を外線(Eexternal Line)といい,

それ以外の線を内線(Internal Line)といいます。

 

 そして,Z[J]の計算に効くグラフのZ[J]の表式の分子の計算へ

 の寄与では端点xの外線には必ず,外場J(x)のi倍が掛かって

 います。

 Z[J]に効くグラフの中には図4.5(d)のように外場Jにつながる

 外線だけの部分と外場Jとは全く連結していない独立な部分とに

 完全に分離しているものがあります。

 

どの外場Jにも全く連結していないグラフは,真空泡グラフ

(Vacuum Bubble)と呼ばれますが,これは下の図4.7に示す

ような端点を持たないグラフです。

 

  ここで,1つでも外場Jと連結した外線を持つグラフを連結

  グラフ(Connected diagram)と呼び,それら連結グラフ全ての

  寄与を摂動の次数にわたって加え上げたものに定数1を足し

  た総和をとします。

 

 一方,外線を一切持たない真空泡グラフのみの寄与を全ての

 摂動の次数にわたって加えあげたものに定数1を足したもの

 をと書くことにします。

 

 すると,任意のFeynmanグラフは,連結グラフとそれには

 つながらない独立した真空泡グラフに分離されます。

 (↑※ただし,全く分離できないものも,もちろん存在します

 が単一であっても独立グラフに分離されたグラフであると

 いう広い意味に解釈しています。この場合,連結グラフ単独

 なら真空泡因子を1,真空泡単独なら連結部分を1の因子と

 勘定することを含んだ表現です。)

 

  そこで,各々のグラフの評価は,それぞれ

  (連結グラフの寄与)×(真空グラフの寄与)

  として得られます。

 

  それ故,

 (Z[J]の分子)=<exp[i∫dx{int(φ)+J*φ}]>0 

  =Σ=0(1/m!)[∫d41..d4

  <iint(y1)..iint(y)exp(iJ*φ)>0 

  =Σ全てのグラフ,[(連結グラフの寄与)×(真空泡グラフの寄与)] 

  =連結(連結グラフの寄与)]×[Σ真空(真空泡グラフの寄与)] 

  =×

  と書けます。

 

 他方,m次の真空泡グラフのみの寄与は,

 通常のn点Green関数: 

 G(n)(x1,..,x)・<exp[i∫dx{int(φ)}>0 

  =Σ=0(i/m!)[∫d41..d4

  <φ(x1)..φ(x)int(y1)..int(y)}>0

 

  の右辺の項から端点に結合するφ(x1)..φ(x)を除いた

  ものであり,これはnには無関係で,mの0次(m=0)の寄与

  は定数の1ですから,真空泡グラフの総和

 

 Β=Σ=0(i/m!)

 [∫d41..d4int(y1)..int(y)}>0 

  =Σ=0(i/m!)

  [∫d41..d4int(y1)..int(y)]>0 

  で与えられることになります。

  つまり,=<exp[i∫dx{int(φ)}>0

  =(Z[J]の分母) です。

 

 以上から,Z[J]=(Z[J]の分子)/(Z[J]の分母)

 =(×)/連結(連結グラフの寄与)] 

 と結論されるわけです。

 

 (※注4):現実には,具体的に評価すると,分母のも分子の

 (×)も共に有限な値ではなく無限大と評価されるため,

 (×)/なる等式は(無限大)/(無限大)なる演算 

 で,必ずしも数学的には正当化されない等式ですが,形式的

 には,このように解釈されるわけです。

 

ところで,こうした上記記事の内容は,今の経路積分による

定式化に限った話ではなく,場の理論での散乱遷移現象の評価

では常に現われるものです。(注4終わり※)

 

したがって,生成関数[J]やGreen関数の評価では真空泡

グラフの寄与を無視して単に連結グラフのみを対象として

評価すれば十分です。

 

 ところで,真空泡グラフを除いた連結グラフであっても,

 それは外線があってどれかの端点につながっているという

 条件が満たされているだけで,全ての部分が分離不可能な

 単一の連結グラフという意味ではありません。

 

そこで1本以上の外線で端点につながっているけれど,

独立な2つ以上の連結部分には決して分離できない連結

グラフを固有グラフ(Proper diagram)と呼ぶことにします。

 

そして,それら単一の固有グラフの摂動の全ての次数の寄与

の総和をと書けば,固有グラフが2個非連結で独立に並んで

いるような全ての連結グラフの寄与の総和は2/2!,また,

固有グラフが3個あるグラフの寄与の総和は3/3!....

ということになります。

 

したがって,結局,Z[J]==Σk=0[(/k!)

=expP です。

 

 そこで,新たにJの汎関数W(J)をZ[J]=exp[iW(j)]

 で定義すれば,P=(固有グラフの総和)=iW(J)ですが, 

 iW(j)=Σn=0(1/n!)[∫d41..d4

 {J(j1)..J(x)Gconn(n)(x1,..,x) 

 

 と書いて,これで生成されるGreen関数Gconn(n)(x1,..,x)

 を定義すれば,これは端点x1,..,xが全て,伝播関数と頂点

 によって1つに連結されたグラフのみの寄与から成るため,

 連結Green関数と呼ばれます。

 

 さて,前回の図4.5のグラフとそれに対する計算式や上述の

 真空泡グラフに対する考察からn点Green関数G(n)(x1,..,x)

 を計算する一般的規則を書き下すことができます。

 これはFeynmanルールと呼ばれるものです。

 

(0) まず,与えられたn個の点x1,..,xをと摂動のm次

でm個のint(φ)を与えるint(y1)..int(y)の頂点

1..,yをあらゆる可能な仕方で結ぶグラフ=Feynman

グラフを書きます。

 

 その際,点yでのint(y)が先に例示したφ3-相互作用

 int(φ)=(-g/3!)φ3(y)なら,各頂点から3本の線が,

 φ4-相互作用 int(φ)=(-λ/4!)φ4(y)なら,4本の線

 が出るものとします。

 そして,真空泡グラフに相当するグラフは除きます。

 

 得られた個々のFeynmanグラフに対して, 

 (ⅰ)端点や頂点を結ぶ各線にFeynman伝播関数を対応させる。

 すなわち,xとyをつなぐ線なら(x-y)を因子と

 して付与する。 

 (ⅱ)各頂点にはintの結合定数を付与する。 

 すなわち3-頂点には(-ig)を,φ4-頂点には(-iλ)

 を付与する。 

 (ⅲ)各頂点yjについて積分∫d4jを実行する。 

 (ⅳ)それぞれのグラフの統計因子を計算して掛ける。

 

以上が通常の4次元時空のx空間(座標空間)で計算する

Feynman規則ですが,実際の計算ではFourier変換して

p空間(運動量空間)で評価する方が便利なことが多いので

p空間でのFeynman規則に直しておきます。

 

 そのため,x表示のGreen関数 G(n)(x1,..,x)をFourier変換

 して4元運動量保存を考慮して得られるp表示のGreen関数G~(n)

 を次の式で定義します。

 

すなわち,∫d41..d4n..

[exp(ip11+..+ipnn)G(n) (x1,..,x) 

 =(2π)4δ4(p1+..+pn)G~(n)(p1,..pn) です。

 

先に与えたx空間でG(n) (x1,..,x)を計算するFeynman

規則をp空間でG~(n)(p1,..pn)を計算するFeynman規則に

読み直します。

 

 グラフの各線での座標空間のFeynman伝播関数iΔに,Fourier

 積分表示

 (x-y)=∫d4k(2π)-4[exp{-ik(x―y)}

  /(k2-m2+iε)]を代入すれば,端点座標x1,..,x

 相互作用頂点座標y1,..,yへの依存性が明確になります。

 

 端点xと頂点yとを結ぶ外線上の運動量をkとすれば,

 伝播関数は

 iΔ(xi-yj)=∫d4(2π)-4[exp{-ik(xi-yj)}

  /(kj 2-m2+iε)]であり.

 また,頂点yにつながる頂点yを結ぶ内線上の運動量を

 kとすれば

 iΔ(y-y)=∫d4(2π)-4[exp{-ik(y-y)}

 /(k 2-m2+iε)] です。

 

 これらは,∫d41..d4n..

 [exp(ip11+..+ipnn)G(n) (x1,..,x) 

 =(2π)4δ4(p1+..+pn)G~(n)(p1,..pn) における

 G~(n)(p1,..pn)の因子として寄与しますから,

 端点xに流入する運動量をpとすると,

 exp{i(p-k)xi)なる因子の積分∫d4から

 外線伝播関数のkと端点から流入するpが等しい 

 という因子:(2π)4δ4(p-k)が出現します。

 

 また,頂点yにつながる頂点yを結ぶ内線や端点x

 を結ぶ伝播関数から,その頂点yに流出入する外線,および,

 内線の運動量を流入か流出のいずれかを正にするという

 規約で符号を決め直すと,

 exp{±i(Σ)yj}なる因子があって∫d4より,

 yjへの流出入運動量の代数和がゼロになるという運動量

 保存の因子(2π)4δ4)が出現します。

 

 したがって,暫定的にG~(n)(p1,..pn)の規則として

 次を得ます。 

 (ⅰ)'各線に積分記号∫d4(2π)-4と因子:i/(ki 2-m2+iε)

 を付与する。 

 (ⅱ)'各端点に(2π)4δ4(p-k)を付与する。 

 (ⅲ)'各頂点yjに(2π)4δ4)を付与する。

 

 なお,(0)可能なあらゆる連結Feynmanグラフを書く。

 ただし,真空泡グラフは除く。 

  (ⅳ)それぞれのグラフの統計因子を計算して掛ける。 

  という規則については変更無しです。

 ところが,(ⅰ)'の積分∫d4(2π)-4のうち,kが外線

 であるものは(ⅱ)'(2π)4δ4(p-k)によってδ関数

 の積分遂行で積分因子が相殺されます。

 

 また,(ⅲ)'の(2π)4δ4)を用いると,独立な式

 は(頂点の数-1)個ですから,この個数の内線のkの積分

 因子∫d4(2π)-4が相殺されます。

 

 つまり,p-k=0,および,各頂点のΣ=0 は

 全てが独立tというわけではなく,全体としての保存則の

 因子 δ4(p1+..+pn)によるΣ=0 があるので 

 1個の条件は過剰です。

 それをδ4(p1+..+pn)で補充するしても,これは一切

 を含んでないため,この条件は∫d4(2π)-4の相殺

 には無関係です。

 

 したがって,外線の(2π)4δ4(p-k)を全て独立と見て

 使用すれば,残る(2π)4δ4)は(頂点の数-1)個のみ

 が独立です。

 

 これでもなお残る内線運動量の積分∫d4(2π)-4はグラフ

 のループを回る運動量のみです。

 

 こうして,最終的なFeynman規則が得られます。 

 (ⅰ)運動量がpiの外線には,因子:i/(pi 2-m2+iε)

 を付与する。 

 (ⅱ)運動量がkの内線には,因子:i/(k 2-m2+iε)

 を付与する。 

 (ⅲ)各頂点にはintの結合定数因子:すなわち,φ3-頂点

 には(-ig)を,φ4-頂点には(-iλ)を付与する。

 

 (ⅳ)なお,(ⅱ)の内線運動量kは各頂点での運動量保存

 を考慮に入れて外線運動量に基づいて決めておくことが

 できます。

 

 どうしても決まらない運動量はループにおけるそれであり

 それをlとおいて積分∫d4(2π)-4を実行する。

 

 (ⅴ)それぞれのグラフの統計因子を計算して掛ける。

 です。

 

 上記説明から,任意のグラフに対して,内線伝播関数の数 P,

 頂点の数 Vとループの数 Lとの間にはP-(V-1)=Lなる

 関係が一般に成立することがわかります。

 

最後にT積と,以下に定義するT積について述べます。

 

 経路積分に基づいて定義されるGreen関数は明白に

 Lorntz共変であるべきで,実際Lorentz共変ですが,

 一般に,経路積分定式化の以前の正純定式化でGreen関数

 はT積(時間順序積)の真空期待値で 定義されています。

 

しかし,このT積は一般には共変ではないことが示されます。 

 すなわち,通常のn点Green関数

 G(n)(x1,..,x)=<0|T[φ(x1)..φ(x)]|0>

 の場合は,T積の中には場φの微分が含まれないため

 共変ですから問題ないのですが,

 

  例えば,T積の定義から,

  <0|T[∂xμφ(x)∂yνφ(y)]|0>

 =θ(x0-y0)<0|∂xμφ(x)∂yνφ(y)|0> 

  +θ(y0-x0)<0|∂yνφ(y)∂xμφ(x)|0> 

  です。

 

  これも何らかのGreen関数と呼ばれますが,これはLorentz

  共変ではありません。

 

  何故なら, 

  ∂xμyν0|T[φ(x)φ(y)]|0>

  =∂xμ<0|T[φ(x)∂yνφ(y)]|0> 

  =<0|T[∂xμφ(x)∂yνφ(y)]|0>+iδδδ4(x-y)

  です。

  左辺は,i∂xμyνΔ(x-y)なので明白にLorentz共変

  であるのに対し,右辺のc-数項δδ4(x-y)

  共変ではないからです。

 

  (※注5):上記等式を証明します。 

  <0|T[φ(x)φ(y)]|0>=θ(x0-y0)<0|φ(x)φ(y)|0> 

  +θ(y0-x0)<0|φ(y)φ(x)|0> なので,

 

  ∂y00|T[φ(x)φ(y)]|0>

  =-δ(x0-y0)<0|[φ(x),φ(y)]|0> 

  +<0|T[φ(x)∂y0φ(y)]|0> です。

 

 ところが,x0=y0の同時刻交換関係(量子条件)から

 [φ(x),φ(y)]=0 なので, 

  ∂y00|T[φ(x)φ(y)]|0>=<0|T[φ(x)∂y0φ(y)]|0>

  です。

 

  さらに,∂x0<0|T[φ(x)∂y0φ(y)]|0> 

  =δ(x0-y0)<0|[φ(x),∂y0φ(y)]|0>

  +<0|T[∂x0φ(x)∂y0φ(y)]|0> であり,

  x0=y0の同時刻で,

  [φ(x),∂y0φ(y)]=[φ(x),π(y)]=iδ3()

 です。

 

  したがって,結局,∂x0y0<0|T[φ(x)φ(y)]|0> 

 =∂x00|T[φ(x)∂y0φ(y)]|0> 

 =<0|T[∂x0φ(x)∂y0φ(y)]|0>+iδ4(x-y)

 

  および,∂xy<0|T[φ(x)φ(y)]|0>

  =∂x<0|T[φ(x)∂yφ(y)]|0> 

 =<0|T[∂xφ(x)∂yφ(y)]|0> を得ます。

 (注5終わり※)

 

  一方,以前の記事

 「ゲージ場の量子論から(その1)(経路積分と摂動論8)」

  特にその後半の(※注1)に考察したように,

  今の例の微分を含むGreen関数

  <0|T[∂xμφ(x)∂yνφ(y)]|0>に経路積分表現

  で対応すると考えられる量は,

 

  <∂xμφ(x)∂yνφ(y)exp[i∫d4int(φ)]>0 

  /<exp[i∫d4int(φ)]>0 

  =(exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}

  *∂xμφ(x)∂yνφ(y)exp[i∫d4int(φ)])φ=0/(分母) 

 です。

 

これは,生成汎関数の経路積分表現: 

 Z[J]=<exp[i∫d4y{int(φ)+Jφ}]|>0/

 <exp[i∫dx{int(φ)}]>0 

 から従うものです。

 

ところが,元々その表現の出発点の生成汎関数の

経路積分表現は, 

 Z[J]=N∫φ exp[i∫dx{(φ)+Jφ}]

 でした。

 

これを,Klein-Gordon演算子と相互作用の部分に

分離して

[J]=N∫φexp[i∫dx{(-1/2)φ(□+m2

int(φ)+Jφ}]と書き,

 Klein-Gordon演算子の

Dφ exp[i∫dx{(-1/2)φ(□+m2)φ}の部分

(exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}なる演算子

に変換して,

 

 Z[J]=<exp[i∫d4y{int(φ)+Jφ}]|>0

 /<exp[i∫dx{int(φ)}]>0なる表式が得られた

 のでした。

 

  一方,Z[J]=N∫φ exp[i∫dx{(φ)+Jφ}]

  で,Z[J=0]=1となるようにNを規格化したものは, 

  Z[J]=∫φ exp[i∫dx{(φ)+Jφ}]

  /∫φ exp[i∫dx{(φ)}] です。

 

  そこで,Green関数 :

  <0|T[∂xμφ(x)∂yνφ(y)]|0>に対応する

  経路積分表示のGreen関数は,

 <∂xμφ(x)∂yνφ(y)]exp[i∫d4y{int(φ)}]|>0 

  /<exp[i∫d4y{int(φ)}]|>0 なる表式と同時に,

 

 ∫φ∂xμφ(x)∂yνφ(y)exp[i∫dz{(φ)}] 

 /∫φ exp[i∫dz{(φ)}]

 と表わすことができるとわかります。

 

  特に,この最後の経路積分式を分母の規格化定数も含め, 

  <∂xμφ(x)∂yνφ(y)> と定義します。

 

  すると,この式では微分の定義から明らかなように,

  微分演算∂xμ,∂yνφの外に出すことができる

  ため,<∂xμφ(x)∂yνφ(y)>=∂xμyν<φ(x)φ(y)>

  が成立します。

 

  微分を含まない通常のGreen関数では明らかに, 

  <φ(x)φ(y)>=<0|T[φ(x)φ(y)]|0> なので,

 <∂xμφ(x)∂yνφ(y)>

  =∂xμyν<0|T[φ(x)φ(y)]|0> です。

 

  それ故,場と場の微分のスカラー汎関数Fに対し, 

  <F(φ,∂φ)>

  =∫φF(φ,∂φ)exp[i∫dx{(φ)}] 

  /∫φ exp[i∫dy{(φ)}] で定義される

  ような量はLorentz不変です。

 

 ここで,新たにT積なる概念を導入して,一般に積

 の内部の場に対する演算をT積の外側で行うものと

 定義します。

 すなわち,任意の(x)に対して 

 T[∂x1μ(x1)(x2)..(x)]

 =∂x1μ[(x1)(x2)..(x)] 

 T[φ(x1)φ(x2)..φ(x)]

 =T[φ(x1)φ(x2)..φ(x)]

 なる式でT積を定義します。

 

すると,T積:T[(x1)(x2)..(x)]

は経路積分の表式 :

<O(x1)O(x2)..O(x)> 

 =∫φO(x1)O(x2)..O(x)exp[i∫d(φ)] 

 /∫φ exp[i∫dy{(φ)}] 

 と常に一致するはずです。

そして,T積をT積に置き換えたGreen関数は定義

から明らかにLorentz不変です。

 

経路積分に基づくFeynman 規則によるGreen関数の計算

では,相互作用intに場の微分結合がある場合でも摂動展開

の任意のステップでLorentz共変性が維持されるT積の摂動

近似Green関数が得られるため,以下,T積といえば積を

意味するものとして両者を区別しないことにします。

 

ただし,Waed-Takahahi恒等式などのように,違いを考察すべき

ときには特に区別することを,その都度注釈します。

 

 今日はここまでにします。

 

次は電子などのFermion場(スピノル場)の摂動論に入る

予定です。

 

(参考文献):九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論Ⅰ」(培風館)

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2015年3月20日 (金)

訃報!!桂米朝さん。。

19日の朝,関西の落語家・名人の桂米朝師匠が亡くなられたようです。

 享年89歳でした。直接の死因は肺炎でした。

 NHKニュース → 人間国宝 桂米朝さん 死去

 最近お見かけしないし,いいお年なので案じていましたが。。。

  ご冥福を祈ります。合掌!!

PS::話変わりますが,国花がジャスミンの国チュニジアで日本を含む他国の大勢の何の罪もない??観光客が殺傷されました。痛ましい。。。。

 また,ISLの仕業でしょうか??

 今回は米国人の被害者は無かったようです。貧乏人の僻みで大きなお世話でしょうが。。。。矛盾はモトから絶たなきゃダメでしょう。

 マイクロソフト社の社長ビル・ゲイツ氏はお一人で所得が9兆円余りだそうですが。この人に象徴されるアメリカンドリームの実現。。。一方では,パソコンも携帯も無縁な国で5歳まで生きられるかもわからず,飢えてガスが腹に溜まっておなかのふくれた子供たちも大勢いるという対照。。。。

 神の子でもない普通の人間なら誰でも,生まれてきて生きているだけで即,原罪という罪があるそうな。。。

 全世界の民の衣食住が十分に足りてるならともかく,そうでないなら10人前も食べる大食漢,たくさんのお金を持って使う方々は,生きているだけで他人の食べる分まで食いつぶしていると見えますネ。=これが原罪???

 矛盾を対岸の火事として放置しておくのも罪はないの??

 トイレのないマンション??? 想像が貧困。。生物の排泄物は有機肥料として役に立つしほっといてもそのうち風化します。

 弱い相互作用でベ^-タ崩壊するのが主流の放射性物質,いつまでたっても風化しませんよ。。。

 ビル・ゲイツの9兆円資産を5~6人も集めたら,例えば,クリーンといいながら実は発電所からは大量の公害物質垂れ流しの東電等に比べると,何の公害物質も出さないであろう太陽光発電の設置なら,

 1世帯当たりの費用が100万円程度として日本の数千万世帯の全てが賄えると思われるし,恐らく遊ばせてる農閑地なども利用すれば設備が置けないところにも僅かな長さの送電線で電気を送れるでしょう。。。

 実際原発が稼動してない現状でも一応日本は困ってないようです。

 原発も東電ももういらないから,と思います。

 私のような素人のちょっと思いつきの上記の愚案でなくても,何かそうしたウランも石油も不要で太陽が消えない限りは災害があっても害を及ぼさず少しのメンテナンスコストで半永久的な発電策とか,。。

 具体的方な脱発電所対策など提案する方などいないのでしょうか。。。 

 国と国が争って国益など主張してるヒマなどないですよ。。

 地球危ないです。ムダな抵抗かもしれないけど,,どこかの大きな砂漠にでも行ってセッセと水を撒いて植林などして緑を復活させるとか。。。二酸化炭素が削減されて酸素が増えて沙漠に雨も降るようになる。。。

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2015年3月18日 (水)

ゲージ場の量子論から(その1)(経路積分と摂動論9)

ゲージ場の量子論から(経路積分と摂動論)」の続きです。

 

まず,前回までの話を要約します。

 

※ 相互作用int(φ)が存在してLagrangian密度が, 

(φ,∂φ)=(1/2)∂μφμφ-(1/2)m2φ2(x)+int(φ) 

で与えられる実スカラー粒子の場 φ(x)を想定します。

 

この相互作用しているスカラー粒子のN点Green関数G(N)は, 

 G(N)(x1,..,xN)=<0|T(φ(x1)φ(x2)..φ(x)|0>で 

与えられますが,これの生成汎関数をZ[J]とします。

 

[J]は,配位空間の経路積分によって, 

[J]=N∫Dφ exp[i∫d{(-1/2)φ(□+m2

 +int(φ)+Jφ}] 

=N∫Dφ exp[i{(-1/2)φ*(□+m2)φ+J*φ}] 

と書けます。

 

ただし,右辺の最後の式では,煩わしい∫dxという表現を省略

するため,時空座標xの任意関数φ(x),ψ(x)に対して,内積と

呼ばれる演算:φ*ψを,φ*ψ=∫dxφ(x)ψ(x)=ψ*φに

よって定義しました。

 

[J],,結局,Z[J]=<exp[i∫dx{int(φ)+J*φ}]>0 

 /<exp[i∫dx{int(φ)}>0 なる式で表わせることが

 わかります。

 ただし,任意のφの汎関数F(φ)について, 

 <(φ)0(exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}*F(φ))φ=0 

 と定義されています。

 

  <(φ)0の具体的な意味は,F(φ)に左から微分演算子 

 exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)} 

 =Σk=0(1/k!)(1/2)k(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}

 を作用させ,最後にφをゼロと置く操作です。

 

 これは,<exp[i∫dx{int(φ)+J*φ}]>0では 

 級数展開Σk=0(1/k!) )1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}

 のkの1次ごとにexp[i∫dx{int(φ)}]からφ(x)φ(y)

 のようなφの対を1つ取り除き,代わりに,それを自由場の

 伝播関数 iΔ(x-y)=<0|T(φin(x)φin(y)|0 

 に置き換える操作を示しています。

 

 そして,係数(1/2)はxとyの交換の自由度2で割ることを意味

 していますから,結果的に係数は1です。

 

 そして,自由場の伝播関数はFourier積分の形で,

 Δ(x-y)

 =∫d4k(2π)-4[exp{-ik(x―y)}/(k2-m2+iε)] 

 なる形をしています。(※)

 

 ここまでがこれまでの要約です。

 

今日の記事では,ここから出発して具体的な摂動の手順を

述べてゆきます。

 

生成関数における指数関数因子の級数展開は, 

[J]=<exp[i∫dx{int(φ)+J*φ}]>0

/<exp[i∫dx{int(φ)}>0  

=Σ=0(1/m!)∫d41..d 

iint(y1).. iint(y)exp(iJ*φ)>0/(分母)

です。

この右辺の級数展開は相互作用intに比べて,微小な摂動

あると考えたときの摂動展開そのものです。

 

(分母)=<exp[i∫dx{int(φ)}>0の効果については後述

するとして,分子の各項について具体的な計算方法を考えます。

 

具体的には,< >0はまずφの2個の積の場合には,明らかに, 

φ(x1)φ(x2)0(1-x2)=[φin(x1in(x2)]

です。

 

ただし,考察の便宜上,iΔ(1-x2)をSymbolicに

[φin(x1in(x2)]なる記号で表現しました。

このように,φ(x1),φ(x2)の組をFeynman伝播関数

(1-x2)で置き換える操作を縮約(contraction)

と呼びます。

 

この自由伝播関数を図示するときは,図4.3のように点x1とx2

をつなぐ線で表わすことにします。

 

次に,φの4個の積の場合には, 

φ(x1)φ(x2)φ(x3)φ(x4)0 

[φin(x1in(x2)][φin(x3in(x4)]

[φin(x1in(x3)][φin(x2in(x4)]

[φin(x1in(x4)][φin(x2in(x3)] 

1234+iΔ1324+iΔ1423 となります。

 

ここでも,また,iΔ(1-x2)をiΔ12などと略記しました。

 

実際に,<φ(x1)φ(x2)φ(x3)φ(x4)0 

 =(exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}*φ(x1)

 φ(x2)φ(x3)φ(x4))φ=0 を実行してみると,こうなる

 ことがわかります。

 

つまり,4つのφの積φ(x1)φ(x2)φ(x3)φ(x4)に< >0

作用させる場合:exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)} 

 =Σk=0(i/k!)(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}の右辺

 のうちの2次の (i2/2!)(1/2)2(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}2

 だけがゼロでない寄与をします。

 

 何故なら,4つのφの積へのk=0,1 の0次と1次の作用では

微分演算の後にφの因子が1つ以上残るため,φ=0としたとき

に消えます。

一方,k≧3では,φの4つの積をφで6回以上微分するので

これはゼロになるからです。

 

この操作を前と同じように図示すると図4.4のようになります。

 

一般に,<F(φ)0

(exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}**F(φ))φ=0 

 なる操作を加える際,

 φの汎関数 F(φ)がφの(2n)個の積である場合,これは,

 (2n)個のφ1 ~ φ2n の中から2つずつn対を縮約して

 得られるのn個の積を,あらゆる可能なn対の作り方

 にわたって加え上げることで得られます。

 

すなわち,

φ1φ2..φ2n0=Σ組合わせ[iΔi1j1i2j2..(injn)

です。

 ※(注2):<φ(x1)..φ(x3n)0において,作用する, 

 exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)} 

 =Σk=0(i/k!)(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}

 の右辺の級数項のうち,ゼロでない寄与をするのは.k=nの項: 

 (1/n!)(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}n だけです。

 

これの係数 (1/n!)(1/2)のうち,(1/2)はn対の各々で,

例えば引数が1,x2なら

lΔ(x1-x2)=(1/2){iΔ(x1-x2)+(x2-x1)}

になるという意味で,交換対称の自由度2と相殺し,

また,(1/n!)はn個の対を順序付けて区別する必要がない

ので!の順列の数n!と相殺しますから, 結局,各々の重み

係数は1になるわけです。 (注2終わり※),

 

こうした事実が,以下,一般のFeynmanダイアグラムにおいて

重み係数を算定するための基礎となります。

 

 さて,Z[J]=<exp[i∫dx{int(φ)+J*φ}]>0

 /<exp[i∫dx{int(φ)}>0  

 =Σ=0(1/m!)∫d41..d 

 <iint(y1).. iint(y)exp(iJ*φ)>0 /(分母)

 に戻ります。

 

 φのみの関数であるような相互作用 int(φ)は一般にφの

 多項式なので,右辺各項の分子の被積分関数における

 <iint(y1).. iint(y)exp(iJ*φ)>0の因子も

 上述の<φ(x1)φ(x2)0や<φ(x1)φ(x2)φ(x3)φ(x4)0

 と同様に評価することができます。

 

 ただ,int(y)の因子は皆,同一時空点yおけるφの積

 であるという点が違います。

 

 ここで,簡単のため,int(φ)=(-g/3!)φ3(x)という

 φ3-相互作用を例にとり,Green関数の生成汎関数

 Z[J]の(分子)=Σ=0(1/m!)∫d41..d 

 iint(y1).. iint(y)exp(iJ*φ)>0の中での因子

 exp(iJ*φ)=exp{i∫d4xJ(x)φ(x)}のみを

 級数展開します。

 

 すなわち,exp{i∫d4xJ(x)φ(x)} 

  =Σ=0(1/n!)[∫d41..d4{iJ(j1)..iJ(x)}

  φ(x1)..iφ(x)}]ですが,

 以下,便宜上4次元積分∫d4jを∫dxjと略記すると,

 右辺のn=2の項は,

 (1/2!)[∫dx1dx2{iJ(x1)iJ(x2)}φ(x1)φ(x2)] 

 です。

 

iint(y1).. iint(y)exp(iJ*φ)>0 の中の因子

 exp(iJ*φ)を,この2次の展開項のみに置き換え,

int(yj)=(-g/3!)φ3(yj)(j=1,..,m)

を代入すれば,n=2の展開項は, 

  (1/2!)[∫dx1dx2{iJ(x1)iJ(x2)}

  ×[Σm=0(1/m!)∫dy1..dy(-ig/3!)

  <φ(x1)φ(x23(y1).. φ3(y)>0]

  となります。

 

生成関数の定義から,(1/2!)[∫dx1dx2{iJ(x1)iJ(x2)}

に掛かる係数:m=0(1/m!)∫dy1..dy(-ig/3!)

×<φ(x1)φ(x23(y1)..φ3(y)>0],2点Green関数

(2)(x1,x2) を示しています。

 

この係数=2点Green関数 G(2)(x1,x2)は,摂動の0次(m=0)

では,自由場のそれ:(x1-x2)=<φ(x1)φ(x2)>0

与えられます。 

 (↑ 再び,図4.3を参照)

 

 そこで,相互作用がある場合の(真の)伝播関数=2点Green関数

 G(2)(x1,x2)iΔ'(x1-x2)で表現されることもあります。

 

 また,摂動の1次(m=1)の項は,

 ∫dy(-ig/3!)<φ(x1)φ(x23(y)>0] 

 ですから,今の例の場合<φ(x1)φ(x23(y)>0の中がφの

 奇数べき(5次)なので寄与はゼロです。

 

 ※(注3):何故なら< >0の操作ではφによる2回ずつの微分が

 施され,余ったφのベキが存在するときには最後のφ=0の操作

 で除去されるからです。 (注3終わり※)

 

 さらに,摂動の2次(m=2)の項を陽に書くと, 

  (1/2!)∫dy1dy2[(-ig/3!)2

  ×<φ(x1)φ(x23(y13(y2)>0] です。

 

 < >0の中のφ(x1)φ(x23(y13(y2)の8個のφの積

 を2個ずつの分け,それぞれをに置き換えるという

 縮約の取り方を考えると,下の4.5図の(a)~(d)のような

 4種類のFeynmanグラフが得られます。

 

 これらのグラフにおいては,

 int(φ)=(-g/3!)φ3なるφ3-相互作用は3本の線

  会する点に対応し,その点を(3点-)頂点(Vertex)

 と呼びます。

 

  グラフから値を計算して評価する際には,こうしたそれぞれの

  点や線がどんな重み(係数)で効くのか?という点が重要ですが,

  これら評価は結構,面倒な手続きです。

 

  例えば,4.5図(a)の重みを計算してみます。

  この図の2箇所の点1',2'のどちらをint(y1)とint(y2)

  のどちらの点に取るかで2通りありますが.これが,

  (1/m!)=(1/2!)を相殺します。

 

 ※つまり,摂動のm次の項に現われる(1/m!)の因子は,1つ1つ

 のグラフに対してそのm個の頂点が互いに区別できない限り,

 そのどれをm個のint(yj)に対応させるかで!通りの取り方

 があるので一般にこのm!と相殺します。

 

  次に, 点1'にint(y1)を2'にint(y2)を対応させると

  決まったとしても.int(y1)には3つのφ(y1)が含まれて

  いるので,φ(x1)と縮約する相棒となるφ(y1)を選ぶのに

  3通り,φ(x2)とφ(y2)でも同様に3通りあり,残りの

  φ2(y1)とφ2(y2)の間で縮約する方法が2通りあります。

 

  したがって,[4.5図(a)]

  =(3・3・2)/(3!)2∫dy1dy2[iΔ(x1-y1)(-ig) 

  ×{iΔ(y1-y2)}2(-ig)iΔ(y2-x2)] を得ます。

 

  (b)の場合も(1/2!)との相殺は同じです。 

  そして,1と1’の結び方は3通り,残るφ2(y1)と2との結び

  方は2通り, 残る1個のφ(y1)とφ3(y2)との結び方は3通り

  です。 

  (c)の場合も(1/2!)との相殺は同じですが,これは2つの

  1次グラフの積と考えられます。 

 

  そして,1と1'の結び方,2と2'の結び方はそれぞれ3通り

  です。

 

  しかし,(d)の場合には(1/2!)との相殺はありません。 

  何故なら,この図では元々1'と2'との区別はないからです。

  そして,これは0次のグラフと2次のグラフの積です。

  このときの0次のグラフはiΔ(x1-x2)です。

  一方,2次のグラフについては1'のφ3(y1)に2'のφ3(y2)

  を結合させるやり方は3!通りあります。

 

  したがって,[4..5図(c)]=G(1)(x1)G(1)(x2) 

 [4..5図(d)]=G0(2)(x1,x2)(1/2!) 

 ×{3!/(3!)2}∫dydz[(-ig){iΔ(y-z)}3(-ig)

 です。 

 

 ただし,

 G(1)(x)=(3/3!)∫dyiΔ(x-y)(-ig)iΔ(y-y) 

 G0(2)(x1,x2)=(iΔ(x1-x2) です。

 

 ここで,G(n)(はn点Green関数の摂動のm次の量を意味します。

 

 相互作用:int(φ)=(-g/3!)φ3の係数(1/3!)は,元々"普通"

 の場合に相殺して消えるように付加されたものです。

 

  例えば,3点Green関数の1次の摂動は, 

  G(3)( x1,x2,x3)=∫dy<φ(x1)φ(x2)φ(x3)

  (-ig/3!)φ3(y)>0 

  =∫dy[(-ig)iΔ(x1-y)iΔ(x2-y)iΔ(x3-y)] 

  となって係数が相殺されて1になります。

 

 つまり,普通はφ3(y)の相棒には3つの区別できる端点のφが

 対応し3!通りの取り方があるので係数(1/3!)を相殺します。

 

  ところが, 4.5図の(a)~(d)のではどれも完全には3!が消され

 切っていません。

 これは互いに区別できないφが存在するためです。

 そのため,(a),(b)を示す式では(1/2)が残ります。

 

 (c)では(1/2)2が残り,(d)ではループを作る3本の腺が区別

 できないので(1/3!)がそのまま残りますが,それ以外に

 (1/m!)=(1/2)も残ります。

 こうした重み因子=係数を統計因子と呼びます。(下図参照)

 

     今日はここまでにします。

 

 (参考文献):九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論Ⅰ」(培風館)

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2015年3月12日 (木)

ゲージ場の量子論から(その1)(経路積分と摂動論8)

ゲージ場の量子論から(経路積分と摂動論)の続きです。

 

 脱線した話題(温度Green関数,統計力学)もやっと一応

の終了をみました。

 

また,別シリーズでのGreen関数とS行列の関係の詳細な

説明も終りました。

 

つまり,Green関数さえ評価し計算できれば,LSZの公式

より,結局,(散乱)行列,散乱振幅が評価できて,散乱

微分断面積も計算可能となり,実際の観測結果と比較

できる計算値を得ることができることを保証できる段階

に到達しました。

 

そこで,いよいよ,Green関数を計算するための摂動論の

項目に入ります。

 

 さて,これまでの議論によって,

粒子衝突前の始状態(Initial-state)>から,

終状態(Final-state) |Ψ>への遷移振幅に対する

N点Green関数の生成汎関数ZFI[J]の配位空間に

よる経路積分の表式が,

 

FI[J]=NFIDφΨ[φ(x)]Ψ[φ(x)] 

exp[i∫tItFx{(φ,∂φ)+Jφ}] 

となることがわかりました。

 

この公式における被積分関数の指数にある(φ,∂φ)が,

スカラー場(の演算子)φ(x)に対する相互作用int(φ)の

存在する次のLagrangian密度:

 

(φ,∂φ)=(1/2)∂μφμφ-(1/2)m2φ2(x)+int(φ)

において,場の演算子φを,c-数関数のφに置き換えただけの

関数として, 

(φ,∂φ)=(1/2)∂μφ∂μφ-(1/2)m2φ2(x)+int(φ) 

という陽な形で与えられるとします。

 

t=-∞の始状態とt=+∞の終状態が.共に真空 |0>と素

ではないΨ0なる状態であるとしてF,Iという添字をはずし, 

さらに4次元時空の無限遠境界での表面積分は作用原理の

定式化には無関係であるという条件から, 

∫dx∂μφ∂μφ=∫dx[∂μ(φ∂μφ)-φ□φ]

=-∫dx(φ□φ) となることに注意すると,

 

[J]=N∫Dφ Ψ0Ψ0   

exp[i∫dx{(-1/2)φ(□+m2)φ+int(φ)+Jφ}]] 

と書けます。

 

ここで,m2(m2-iε)(ε→+0)と理解することにすれば,

因子 Ψ0Ψ0をはずすことができて,[J]=N∫Dφ

exp[i∫dx{(-1/2)φ(□+m2)φ+int(φ)+Jφ}] 

と書けます。

 

int0 の自由場のケースのZ[J]をZ0[J]と書けば, 

0[J]=N∫Dφ exp[i∫dx{(-1/2)φ(□+m2)φ+Jφ}] 

です。

 

まずは,これの摂動展開から考察します。

 

便宜上,このZ0[J]の右辺の表式から,さらに∫dxをはずした 

簡略形を次式で定義し,表現することにします。

 

すなわち,

0[J]=N∫Dφ exp[i{(-1/2)φ*(□+m2)φ+J*φ}] 

です。

 

ここに,φ(x),ψ(x)に対し,φ*ψなる記号で定められ内積を 

φ*ψ≡∫dxφ(x)ψ(x) (x) によって定義しました。

 

この内積演算は可換であり,φ*ψ=ψ*φです。

 

また,時空の座標:x=xμの(連続)関数φ(x)の系と,

xおよび,y=yμの関数 (x,y)が存在するとき,(

φ)(x)=∫dyM(x,y)φ(y)と書けば, 

 1φ1+α2φ2)=α1φ1+α2φ2が成立するので,

は線型演算子の意味を持つため,このx,yの関数

M(x,y)を,φ(x)をxを連続添字とするベクトルとみなす

場合の行列演算子と呼ぶことにします。

 

Klein-Gordon演算子:=(□+m2)については, 

(φ)(x)=(□+m2)φx)

=∫dy(□+m24(x-y)φ(y)が成立するため,

K(x,y)=(□+m2)(x、y)=(□+m24(x-y) 

は1つの行列演算子です。

 

Bjorken-Drellのテキストとの整合性のために,=(□+m2)

ではなく,=-(□+m2)の行列:

-K(x,y)=-(□+m2)(x、y)の逆行列を 

Δ(x,y)と定義します。

 

つまり(x,y)=-K-1(x,y)=-(□+m2)-1(x、y)

です。このΔ(x,y)は実は2点Green関数であり,(x-y)

のみの関数であることが,すぐに判明するため,以下では,

Δ(x,y)をΔ(x-y)と書くことにします。

 

(-K)の逆演算子が(--1)であることは,(-)*(--1)=

なること,すなわち,(□+m2)(x、y)*Δ(y-z)=δ4(x-z)

を意味しますから,

 

これは定義によって,-∫dy(□+m24(x-y)Δ(y-z)

=δ4(x-z),いいかえると,-(□+m2(x-y)=δ4(x-y)

と同義です。

 

しかし,このように積演算をいちいち行列やベクトルの成分を用いた

形で書き下していたのでは,行列形式導入のメリットがありませんから 

(□+m2(x,y)=δ4(x-y)を行列の積として,

 

(□+m2)*Δ=1,または,K*Δ=-1と表記することにします。

 

すると,Z0[J]=N∫Dφ exp[i{(-1/2)φ*(□+m2)φ+J*φ}] 

の被積分関数については,

*φ=-(□+m2)*Δ*J*φ=-K*Δ*J*φなので, 

exp[i(J*φ)]=exp[i{-K*Δ*J*φ}]と書けます。

 

したがって, 

(-1/2)φ*(□+m2)φ+J*φ=(-1/2)φ*K*φ+J*φ

ですが,φ*□*Δ*J=Δ*J*□*φなので,

φ*K*Δ*J=Δ*J*K*φより, 

*φ=-K*Δ*J*φ

=(-1/2)(Δ*J*K*φ+K*Δ*J*φ)です。

 

故に,(-1/2)φ*(□+m2)φ+J*φ=(-1/2)φ*K*φ+J*φ 

(-1/2)(φ*K*φ+Δ*J*K*φ+K*Δ*J*φ) 

(-1/2)}(φ+Δ*J)*K*(φ+Δ*J)-(1/2)J*Δ*J 

なる表式を得ます。

 

よって,Z0[J]=N∫Dφ exp[i{(-1/2)φ*(□+m2)φ+J*φ}] 

=N∫Dφ exp[i{(-1/2)(φ+Δ*J)*K*(φ+φΔ*J)} 

×exp{(-i/2)J*Δ*J} です。

 

ここで,経路積分∫Dφ の積分変数φを(φ+Δ*J )

に置き換えると,

 

N∫Dφ exp[i{(-1/2)(φ+Δ*J)*K*(φ+Δ*J)}] 

=N∫Dφ exp[i{(-1/2)φ*K*φ{であり,

これはZ0[J=0]を意味しますから,

0[J]=exp{(-i/2)J*Δ*J×Z0[J=0] 

と書けます。

 

最後に内積による簡略形を座標変数も明示した陽な形に

書くと,0[J]

=exp{(-i/2)∫dxdyJ(x)Δ(x-y)J(y) 

×Z0[J=0] です。

 

こうして生成汎関数Z0[J]のJへの依存性が完全に決定

されました。

 

さて,微分方程式(□+m2(x-y)=-δ4(x-y)は, 

Δ(x-y)のFourier変換をΔ~(k)として, 

Δ(x-y)=∫d4k(2π)-4Δ~(k)exp{-ik(x―y)}

と書けば,(-k2+m2Δ~(k)=-1と簡単な代数方程式に

帰着します。

 

そこで,ここでもk2=m2の極を,m2 → (m2-iε)によって

避けるという(-iε)処法を行なうことで,

Δ(x-y)=∫d4k(2π)-4exp{-ik(x―y)}/(k2-m2+iε)

なる適切な解が得られます。

 

そして,これは正に,既知の自由スカラー場のFeynman伝播関数 

(=2点Gree関数)の表式;

(x-y)=<0|T[φ(x)φ(y)]|0>におけるΔ(x-y)

に一致しています。

 

以下に見るように,生成汎関数の表式: 

0[J]=exp{-(i/2)J*Δ*J×Z0[J=0]において上述

のΔを用いた経路積分による計算では,一切,遷移信服の

始状態と終状態,あるいは,真空 |0>の状態関数の情報を用

いないのにも関わらず,

結局,始状態と終状態の状態関数を含む表現: 

FI[J]=NFIDφΨ[φ(x)]Ψ[φ(x)] 

exp[i∫dx{(φ,∂φ)+Jφ}] に一致した答を 

得ることができます。

 

この理由は,前に(-iε)処法によるものと詳説しましたが,

これが上記のΔ(x-y)=∫d4k(2π)-4exp{-ik(x―y)}

/(k2-m2+iε)の被積分関数分母での(-iε)処法と同義で

あることがわかります。

 

次に,相互作用 int(φ)が存在し,これがゼロではない一般

の場合の生成汎関数:

[J]=N∫Dφ

exp[i∫d{(-1/2)φ(□+m2)φ+int(φ)+Jφ}] 

=N∫Dφ exp[i{(-1/2)φ*(□+m2)φ+int(φ)+J*φ}] 

を評価します。

 

ここで,δ[exp(iJ*φ)]/δ{iJ(x)}=φ(x)*exp(iJ*φ)

ですから,exp(iJ*φ)より左側にφの任意の関数F(φ)の因子

がある形,つまり.(φ)*exp(iJ*φ)の形であれば,F(φ)を

F[δ/δiJ]と書き換えることができます。

 

つまり,F(φ)*exp(iJ*φ)=F[δ/δiJ]*exp(iJ*φ)]

です。

 

それ故,exp[iint(φ)]の因子,詳しくは,exp[i∫dint(φ)] 

exp{i∫dint(δ/δiJ)}と書き換えることができて,これは, 

Dφの経路積分の積分変数である関数φには無関係な因子の形に 

なります。

 

したがって,これをDφ積分の外に出すことができて, 

[J]=exp{i∫dint(δ/δiJ)} 

×N∫Dφ exp[i∫dx{(-1/2)φ(□+m2)φ+Jφ}]

となります。

 

さらに,右辺最後の因子の

N∫Dφ exp[i∫dx{(-1/2)φ(□+m2)φ+Jφ}]

は,先に考察したZ0[J]=exp{(-i/2)J*Δ*J}

×Z0(J=0)の元の形に同じです。

 

そこで,Z0[J=0]のJに無関係な定数因子をN’と置けば, 

後の因子だけが内積を用いた簡略形という中途半端な形ですが 

[J]

=N’exp{i∫dint[δ/δiJ]}exp{(1/2)iJ*iΔ*iJ} 

なる表現式が得られます。

 

δ[exp(iJ*φ)]/δiJ)=φ*exp(iJ*φ)から,任意の汎関数

Fに対して(φ)*exp(iJ*φ)=F[δ/δiJ]*exp(iJ*φ)]

を得たのと同様に,δ[exp(iJ*φ)]/δφ=iJ*exp(iJ*φ)

から,(δ/δφ)*exp(iJ*φ)=F(iJ)*exp(iJ*φ)]

が成立します。

 

 そこで,,Gを任意の汎関数とすると, 

 F(δ/δφ)*{φ}*exp(iJ*φ)]

 =(δ/δφ)*{δ/δiJ}*exp(iJ*φ)] 

 ={δ/δiJ}*(δ/δφ)*exp(iJ*φ)] 

 ={δ/δiJ}*(iJ)*exp(iJ*φ)] です。

 

したがって,逆に,{δ/δiJ}*(iJ)

=F(δ/δφ)*{φ}*exp(iJ*φ)]φ=0 なる公式を得ます。

 

つまり, ,(,δ/δi)の汎関数とiJの汎感数の積があるときには, 

,(,δ/δi)をφに,iJを(δ/δφ)書き換え,積の順序を交換 

して}*exp(iJ*φ)]の左側に掛けた後,(最後にφ=0と置けばよい 

ことがわかりました。

 

[J]

=N’exp{i∫dint[δ/δiJ]}exp{(1/2)iJ*iΔ*iJ}] 

に対して,これを用いると,

Z[J]=N’exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)} 

exp[i∫dx{int[φ]+J*φ}]φ=0 

となります。

 

 この右辺のN'を除く部分のように,φの汎関数F(φ)

(汎関数)微分演算子 exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}

を作用させた後,φ=0と置く操作を施した結果を<(φ)0

と定義します。

 

つまり,

(φ)0exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}*F(φ) 

です。

 

すると,結局, Z[J]=<exp[i∫dx{int(φ)+J*φ}]>0 

/<exp[i∫dx{int(φ)}>0 なる表式が得られます。

 

ここで,式の分母はZ[J]がZ[J=0]=1を満たすように

定数係数N'が決まるという条件で付加しました。

 

(※注1):以前,2014年10/19の記事

「場理論における行列とLSZの公式(5)(再掲記事)」において 

正準形式の場理論における摂動論の基礎となる式を示しました。

 

すなわち,スカラー場φ(x)のn点Green関数: 

(n)(x1,..,xn)=<0|T(φ(x1)φ(x2)..φ(xn)|0>

をτ関数:τ(x1,..,xn)と呼び,これが自由場の方程式に従う

Incoming - 漸近場 φin(x)とT積によって,

τ(x1,..,xn) 

=<0|T(φin(x1)..φin(xn)exp{-i∫-∞I'(τ)dτ})|0> 

 /0|(exp{-i∫-∞I'(τ)dτ})|0>

 と表わされることを見ました。

 

 最後の式は,「Gellmann-Lowの公式」と呼ばれています。

 

 ここでの相互作用HamiltonianI'(τ)の項は,一般に系

のHamiltonian =∫d3=∫d3{φ(∂φ/∂t)-(φ)}

で与えられるため,相互作用Lagrangian密度intにより,

-∞I'(τ)dτ=-∫d4x{int(φ)}と書けますから,

「Gellmann-Lowの公式」は,

(N)(x1,..,xN)=<0|T(φ(x1)φ(x2)..φ(x)|0>

=<0|T(φin(x1)φin(x2)..φin(xN)exp{i∫d4x{intφ)}}|0>

/<0|T∫d4x{int(φ)}}|0> と書き直せます。

 

そして,生成汎関数の定義は

,[J]=<0||Texp{i∫dxJ(x)φ(x)}|0> 

=Σ=0(i/N!)∫d..dxJ(x)..J(x)

<0|T[φ(x)..φ(x)]|0> 

=Σ=0(i/N!)∫d..dxJ(x)..J(x)

(N)(x,..,x) ですから, 

 

[J]=ΣN=0(i/N!)∫d..dxJ(x)..J(x) 

0|T[φin(x1)φin(x2)..φin(xN)]exp{i∫d4x{int(φin)}}|0> 

/0|T[exp{id4x{int(φin)}}|]|0> です。

 

, これを経路積分から求めた

Z[J]=<exp[i∫dx{int(φ)+Jφ}]>0

/<exp[i∫dx{int(φ)}>0 なる表式と比較してみます。

 実は次回の記事で述べる予定ですが,Z[J]の右辺の式の分子

の因子:<exp[i∫dx{J(x)φ(x)}>0のみを級数展開すると

Z[J]=ΣN=0(i/N!)∫d..dxJ(x)..J(x)

<{φ(x)..φ(x)}exp[i∫dint(φ)]>0

/<exp[i∫dx{int(φ)}>0となります。

 そこで,次の「Gellmann-Lowの公式」:

(N)(x,..,x)=<0|T[φ(x)..φ(x)]|0>=

<0|T[φin(x1)φin(x2)..φin(xN)]exp{i∫d4int(φin)}}|0>

/<0|T[exp{id4x{int(φin)}}|]|0>で与えられるGreen関数は,

同時に,G(N)(x,..,x)=<0|T[φ(x)..φ(x)]|0>

=<{φ(x)..φ(x)}exp[i∫dint(φ)]>0

/<exp[i∫dx{int(φ)}>0 なる表式をも意味することが

わかります。

 そもそも,<F(φ)>0の意味はF(φ)に左から微分演算子 

 exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφφ)} 

 =Σk=0(i/k!) )1/2) k(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφφ)}k

 を作用させて,最後にφをゼロにするという操作です。


  これは上記の級数展開のkの1次ごとにF(φ)から

 φの対φ(x)φ(y)を1つ除き,代わりに,自由場の

 伝播関数 (x-y)=<0|T(φin(x)φin(y)|0

 に置き換えるという操作を示しています。

 

 そして,係数(1/2)はxとyの交換の自由度2で割ることを

 意味します。

 

 展開の第k項では自由場のN=2k点のGreen関数が左から

 掛かるので,

 <φ(x1)φ(x2)..φ(xN)exp[i∫dint(φ)]>0 

 が<0|T(φin (x1)..φin(x)|0k> に一致するはずです。

 

 ただし,真空|0>は自由な真空と相互作用存在時の真空が定数

 の規格化因子だけ異なるため,1/<exp[i∫dx{int(φ)}>0 

 なる因子が出現します。(注1 終わり※)

 

 今日は,摂動の導入部だけでしたが長くなったのでここで

 終わります。

(参考文献):九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅰ」(培風館)

PS:昨日は4年前に東北の大震災があった日でした。

 2012年の春4月に福島でボランティアのまねごとをしてきた

 ことを思い出しました。(※2012年4/7の過去記事

会津若松の仮設住宅集会所で唄ってきました。」を参照)

 来年も来ます。と行って帰ってからもう3年です。 

 毎年春は何らかで入院していて3年経ちました。 

 また行きたいものですね。。。

 

 私の体,上半身は元気で,普通に長文の科学記事を書く

モチベーションも回復してきました。

 

 もう少し暖かくなれば自宅軟禁のような状態からも解放

されそうです。

 いずれにしろ,毎日がネテヨウビでも生きていられるのは

とてもシアワセなとです。

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2015年3月 5日 (木)

ゲージ場の量子論から(その1)(経路積分と摂動論7)

 「ゲージ場の量子論から(経路積分と摂動論)の続きです。

 

「ゲージ場の量子論から(その1)(経路積分と摂動論6)」を

 書いてから随分間が開くきましたが,その記事の終わりで

 書いたように,経路積分のEuclid化に関連して,統計物理学

 での(松原の)温度Green関数について記述します。

 

 散乱の量子論としては脱線した話題ですが,この温度Green

 関数の統計物理学における意味を詳細に説明しようとする

 あまり,回り道をしているうち,体調を崩したこともあって

 本題からはずれていったのでした。

 

 さて,Hamiltoniaがのとき,量子論の時間発展演算子は

 exp(-it)ですが,統計物理学でのBoltzmann因子:

 exp|-E/(kT)は,exp|-/(kT)}の期待値として

 実現されます。

 

 ただし,kはBoltzman定数であり,Tは系の絶対温度です。

 

 そこで,β=1/(kT)を虚時間itに対応させれば 

 exp(-β)=exp|-/(kT)}とexp(-it)の

  類似性に気付くはずです。(β=it ⇔ t=-iβ)

 

 時間tが虚数,虚時間というアイデアは今に始まったこと

 ではなく,特殊相対性理論でのMinkowski空間におけるPauli

 のメトリック:μ(x,x,x.x)=(,it),

  つまり,=itとなる座標を採用すれば一見,Minkowski空間

  での4次元の不変量がEuclid空間のベクトルの絶対値に一致する

 ように見えます。

 

 すなわち,-t+xです。

 ただし,=Σk=12 です。

 

 また,Schroedingerの波動方程式: 

 i(∂ψ/∂t)=ψ.H=-∇/(2m)+Vは,τ=it

  と置けば,∂ψ/∂τ=∇ψ/(2m)-Vψとなりますが,

 これはV=0の自由粒子のケースなら,τを時間変数,

 D=1/(2m)を拡散係数とする拡散方程式 

 ∂ψ/∂τ=D∇ψに一致するため,

 

 逆にτ=itが本当の実時間であって量子力学のような

  ミクロの世界での時間変数の方が虚数t=-iτである,

  と考えれば,ψは波ではなくある種の確率過程を示す

 確率変数のような存在とみなせます。

 

 例えばNelson(ネルソン)方程式などもこうした発想に近いのかな?

 と私は邪推したりします。

 

 そして,拡散方程式の解は,波のように有限の伝播速度を持つので

 はなく,拡散現象,例えばアメリカ大陸西海岸で大地震が起きた

 とき,日本の太平洋岸に何のタイムラグもなく地震と同時の瞬時

 に津波が生じるよう無限大速度で伝播するようにモデル化した

 ような方程式です。

 (※拡散方程式は,限界速度が光速であることを意識するレベルでは

 ない程度の身近な現象の説明はNewton力学で十分可能なのと同様,

 実験室内程度の拡散現象や大気汚染物質の拡散などを説明するには

 十分な方程式なのですが。。。)

 

 あるいは.月から地球に届くほど長い棒がつながっていて月の

 方の棒の端をちょっと押したらトコロテン式に直ちに地球に

 いる人がもう一方の端が動くのを観測するような仮想現象を

 示すものです。

 

 このようなことが現実なら,今のように情報伝達速度が最大

 でも真空中の光速cであるという限界を超えるので,これで

 モールス信号のようなものを送れば,こんな便利な通信手段

 はないという話になります。

 

 (※もしも.この棒が謂わゆる剛体なら,実際に弾性波の伝達

 速度は∞となるので,これが現実になってしまうため相対論

 から剛体の存在が否定される根拠の1つになっています。)

 

 一方,量子論の確率波はそれ自体は観測可能な実在ではない

 けれど,謂わゆる量子のもつれ(エンタングルメント)から通常

 の意味の因果律には従わない量子テレポーテーションのような

 現象が存在する可能性があり,光速を超える量子通信や,量子

 コンピュータなどの現象が研究されています。

 

 こうした瞬時の伝達に関わる量子のもつれが存在し得るのは,

 実は上述のように量子論の波動方程式が虚時間の拡散方程式

 に一致するのと関係ありそうに思えます。

 

 久しぶりで随分長い余談でしたが,このくらいにして本題に

 入ります。

 

 さて,以下で記述する本記事のテーマは,参考文献では

 「有限温度系への適用」と題されています。

 

 温度がTの熱平衡にある系を考えます。

 

 この系のHamiltonianをとすると,分配関数

 (partition function):Zはβ=1/(kT)として,

 Z=Tr[exp(-β)]で与えられます。

 

 分配関数とは全ての状態nでの規格化定数を除く重み確率

 の総和であり,Z=Σexp{-E/(kT)}で与えられる量

 です。

 

 Zはまた,状態和とか熱力学ポテンシャルとも呼ばれ,先に生成

 汎関数Z[J]において,それ自身でなくそのJによる微分係数

 にGreen関数という物理的意味があったように,この分配関数Z

 も,そのβなどによる微分係数に物理的意味があるような熱力学

 量の情報を含蓄した母関数です。

 

 そして,系が純粋状態なら その状態はエネルギー固有状態の

 重ね合わせ:|ψ>=Σ|n><n|ψ>で与えられ,分配関数

 は,Z=Σexp(-βE)=Σ<n|exp(-β|n>

 =Tr[exp(-β)]で与えられるというわけです。

 

 他方,純粋状態でなく量子情報が不完全でいくつかの統計的重み

 を持った純粋状態が混合された混合状態なら,Pending..

 

 松原は,統計演算子exp(-β)が形式上t=-iβの時間発展

 演算子exp(-it)と見なせることに着目し,虚時間t≡-iτ

 (τは実数)の"Heisenberg演算子"

 φ(,-iτ)≡exp(τ)φ()exp exp(-τ) 

  =exp(-it)φ()exp exp(-it) を導入し,

 

  その虚時間の実数パラメータτについてのT積=Tτ

  によるN点の温度Green関数を,

  Gβ(N)(,-iτ;…;,-iτ) 

  =Tr[exp(-β)Tτ[φ(,-iτ)..φ(,-iτ)]/Z 

  によって定義しました。

 

  これによって,摂動展開など場の量子論における手法をそのまま, 

  量子統計力学の変数の評価に持ち込めることを初めて示しました。

 

  それ故,このGβ(N)(,-iτ;…;,-iτ)を

  松原Green関数,または(虚時間)温度Green関数と呼びます。

 

  松原の温度Green関数 Gβ(N)(,-iτ;…;,-iτ) 

  =Tr[exp(-β)Tτ[φ(,-iτ)..φ(,-iτ)]/Z

  は,すぐ前の記事で与えた散乱の量子論におけるGreen関数: 

  G(N)(x,..,x)≡<0|T[φ(x)..φ(x)]|0>

 

  の右辺のT積:T[φ(x)..φ(x)],あるいはその真空期待値: 

  <0|T[φ(x)..φ(x)]|0>

  =<0|T[φ(,t)..φ(,t)]|0>を

 

  その時間変数tを-にしただけのTτ積:

  Tτ[φ(,-iτ)..φ(,-iτ)]に置き換え,

  さらに統計的重み(確率)exp(-β)/Zを加えた平均値

 を意味しています。。

 

  Green関数:G(N)(x,..,x)=<0|T(φ(x)..φ(x))0>

  の生成汎関数[J] は,

  Z(J)=Σ=0(i/N!)∫d..dxJ(x)..J(x)

  <0|T[φ(x)..φ(x)]|0>

 =Σ=0(i/N!)∫d..dxJ(x)..J(x)

   ×G(N)(x,..,x) 

  =<0||Texp{i∫dxJ(x)φ(x)}|0> でした。

 

  ただし,N点Green関数:G(N)の生成反関数 Z[J]とは, 

  [δFI[J]/δJ(x)..δJ(x)]jJ(x1)=..J(xN)=0 

  =G(N)(x,..,x) となるようなJの汎関数を意味します。

 

  そこで,温度Green関数Gβ(N)(,-iτ;…;,-iτ) 

  =Tr[exp(-β)Tτ[φ(,-iτ)..φ(,-iτ)]/Z 

  に対する生成汎関数Zβ[J]は,

  Z[J]=<0||Texp{i∫dxJ(x)φ(x)}|0> 

  の右辺のT積の真空期待値をTτ積に統計的重みexp(-β)

  を付けた平均値として,トレースに置き換えることで得られる

  はずです。

 

  すなわち,Zβ[J]=Tr[exp(-β)

  ×τexp{∫0βdτ∫d3xJ(,-iτ)φ(,-iτ)}] 

  です。

 

  通常のGreen関数がt→ -∞,t→ +∞の間の遷移振幅

  を示すのに対し,温度Green関数はτ=0とτ=βの有限温度に

  わたる振幅なので,

  4次元積分∫dxのうちのtによる積分因子がi∫-∞dt

  であったのに対し,これが0βdτに変わっているのが着目

  すべき点です。

 

 次に,温度Green関数の計算に経路積分を適用することを考えます。

 

 簡単のためLagrangian密度Lが,

 (x)=(1/2)∂μφμφ-(1/2)m2φ2(x)+int(φ) 

  で与えられるケース,

  そこで系のHamiltonian は,φ=∂φ/∂t,π(x)=∂/∂φ

  として,=∫d[(1/2)π(x)+V(φ(x))]

 =∫d(π(x)(x));

  ただし,V(φ)≡(1/2)(∇φ)+(1/2)mφint(φ)

  で与えられるケースを考えます。

 

 そのようなBose粒子系における完全系の1つはSchroedinger

 表示の場:φ(,t=0)=φ()の固有状態の系:

 {|φ>|φ()|φ>=φ()|φ>}で与えられるため,

 任意の演算子のトレース(trace:行列の対角和)は, 

  Tr=∫φ<φ||φ> と書けます。

 

 さらに,φ()の虚時間 Heisenberg演算子

 φ(,-iτ)=exp(τ)φ()exp(-τ)の固有値

 φ()に属する固有状態を|φ,-iτ>}と書けば,

 

  φ(,-iτ)|φ>=φ()|φ,-iτ>であって, 

  |φ,-iτ>=exp(τ)|φ>です。

 

  これらを用いると,Zβ[J]=Tr[exp(-β) 

  Tτexp{∫0βdτ∫d3xJ(,-iτ)φ(,-iτ)}]

  は,β[J]=∫φ(x) 

  <φ,-iβ|Tτexp{∫0βdτ∫d3xJ(,-iτ)φ(,-iτ)}]

  |φ,0> と表現することができます。

 

  何故なら,Zβ[J]=∫φ(x) 

 <φ|exp(β)Tτexp{∫0βdτ∫d3xJ(,-iτ)φ(,-iτ)

 |φ>であり,<φ|exp(β)=<φ,-iβ|,|φ>=|φ,0>

 であるからです。

 

 この表式は虚時間τ=0での初期状態から出発して外場(=カレント) 

 J(,-iτ)の存在下で,”時間”発展した後に虚時刻:τ=-iβ

 に初期と同じ固有値がφの終状態|φ,-iβ>にある確率振幅である

 と解釈できます。

 

 そして,これは一般化されたN 点Green関数:

 G(N)(x,..,x; Ψ,t,tF)の生成汎関数:

 ZFI(J)=<Ψ,tF|Texp{∫d4xJ(x)φ(x)}]|Ψ,t

 /<Ψ,tF,t> と同じ形です。

 

 それ故, Zβ[J]=∫φ(x) 

 <φ,-iβ|Tτexp{∫0βdτ∫d3xJ(,-iτ)φ(,-iτ)}]

 |φ,0>において,

 

 虚時間:[0,β]をN等分して0=τ<τ<t<..<t=βとし,

 各虚時刻 -iτjにおいて定数1を|φ,-iτj>の完全系条件:

 ∫φ|φ,-iτj><φ,-iτj|=1として次々と挟み,N→∞

 の極限を取るという経路積分の手続きを取れば,結局,

 

 Zβ[J]=∫π,φ(周期的)DπDφ[exp{∫0βdτ∫d3

 {iπ(∂φ/∂τ)-(π.φ)+Jφ}} 

 なる表現式が得られます。 

 

 ただし,ここでの経路積分は,

 φ(,0)=φ(,-iβ),π(,0)=π(,-iβ) 

 の周期的境界条件を満たす4次元関数φ(,-iτ),および,

 π(,-iτ)にわたる積分を意味します。

 

 このうち,φの周期性の条件は元々,トレースを取るという表式

 においては,ブラ<φ|とケット|φ>が同じ固有値φ()に属

 する謂わゆる行列の対角成分であることに由来しています。

 

同様に,πの周期性も固有状態|π>によるトレース

Tr=∫Dπ()<π||π>から表式が出発することから

明らかな性質です。

 

 こうした周期性の条件により,φ,πのFourier変換は虚時間τ

 方向については,Fourier級数になります。 

 

 

 すなわちn()

 =∫0βdτ∫d3xexp(-iωnτ)exp(-ikx)φ(,-iτ), 

 φ(,-iτ)

 =(1/β)Σn=-∞∫d3k(2π)-3exp(iωnτ)exp(ikxn(), 

 ただしn=2πn/β です。

 これはφn()をπn(),φ(,-iτ)をπ(,-iτ)としても

 成立します。

 

 ここで,Zβ[J]=∫π,φ(周期的)DπDφ

 [exp{∫0βdτ∫d3x{iπ(∂φ/∂τ)-(π.φ)+Jφ}} 

 において,特に,∫Dπを先に実行します。

 

 被積分関数の指数は,iπ(∂φ/∂τ)-(π.φ)+Jφ}} 

 =-(1/2)(π-φd)-(φd)/2-(1/2)(∇φ)-(1/2)mφ

 +int(φ)+Jφ,;(ただし,φd=∂φ/∂τ))なので,

 πに関するGauss積分から,βのみに依存する規格化因子を

 N(β)と置けば,

 Zβ[J]=N(β)∫φ(周期的)Dφ 

 [exp{-∫0βdτ∫d3x{(1/2){(φd)+(∇φ)+mφ

 -int(φ)-Jφ}}

 なる表現式を得ます。

 

 そして,N(β)=∫Dπ[exp{∫0βdτ∫d3x{-(1/2)(π-φd)} 

 =∫Dπ'[exp{∫01dτ'∫d3x{(-1/2)βπ'} 

  =exp{(-1/2)Σn∫d3k(2π)-3lnβ} です。

 ※(注)01dτ'∫d3x{(-1/2)βπ'(,-iτ')2} 

 =01dτ'∫d3xΣn,n'∫d3kd3'(2π)-6[exp|i(I(ωn+ωn')τ)] 

 exp{i(')'n('n'(')] 

 =Σn∫d3(2π)-3π'n('n(-)] です。 

 ところが,π'は実数場なのでπ'n(-)=πn()=π'n()

 ですから,01dτ'∫d3x{(-1/2)βπ'(,-iτ')} 

 =Σn∫d3(2π)-3π'n()2 です。

 そうして,∫Dπ'(,-iτ’)を∫Dπ'()に置き換えると, 

 ∫Dπ'exp{(-1/2)βπ'}=(2π/β)1/2 

 =(2π)1/2exp{(-1/2)lnβ}ですが,余分な定数係数(2π)1/2

 を元のDπ'積分の中に因子として含めて埋没させると,結局, 

 ∫Dπ'[exp{∫01dτ'∫d3x{(-1/2)βπ'} 

 =exp{(-1/2)Σn∫d3k(2π)-3lnβ}

 を得るわけです。 (注終わり※)

 今日はここまでにします。

 参考文献:九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論Ⅰ」(培風館)

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(再掲)ゲージ場の量子論から(その1)(経路積分と摂動論6)

 ゲージ場の量子論から(経路積分と摂動論)については,2014年

 の10月に最終投稿して後に,経路積分法を単に統計力学の温度

 Green関数の例に適用するだけのために,統計力学に脱線して

 いましたが今回,統計力学の詳細はさておいて続き原稿を作成

 できました。

 しかし,いきなり本題の続きに戻るのもどうかな?

 と思ったので,まずは,2014年10/25の記事

 「ゲージ場の量子論から(その1)(経路積分と摂動論6)」

 を再掲載することから始めます。

 ※以下,過去記事の再掲載です。

 ゲージ場の量子論から(経路積分と摂動論)」の続きです。

 いきなり本文に入ります。

 

一般化されたGreen関数の生成汎関数ZFI[J]に

おいて,>=|Ψ>=|0>としたものをZ[J]と

置けば,これは普通のGreen関数:

(N)(x,..,x)=<0|T(φ(x)..φ(x))0>

生成汎関数となることは明らかです。

 

何故なら,元々の定義 

FI[J]=<Ψ,tF||Texp{i∫dxJ(x)φ(x)}| Ψ,t 

/<Ψ,tF,t> に戻ると,

 

[J]=<0||Texp{i∫dxJ(x)φ(x)}|0> 

=Σ=0(i/N!)∫d..dxJ(x)..J(x)

<0|T[φ(x)..φ(x)]|0> 

=Σ=0(i/N!)∫d..dxJ(x)..J(x)

(N)(x,..,x) となるからです。

 

一方,最終一歩手前のまだNFIを消去する前のZFI[J]の

経路積分表式: 

FI[J]=NFIDφΨ[φ(x)]Ψ[φ(x)] 

exp[i∫tItFx{(φ,∂φ)+Jφ}] から,

 

[J]=N00DφΨ0[φ(.+∞)]Ψ[φ(,-∞)] 

exp[i∫-∞x{(φ,∂φ)+Jφ}] と書けます。

 

ただし,J(x)の台がt≦x0≦tの区間内にある

という制限を無意味にするため,t=-∞,かつ,t=+∞

としました。

 

 もしも,t=-∞,t=+∞でなくt,tが有限である

 限りは,一般化Green関数:

(N)(x,..,x; Ψ,t,tF) 

=<Ψ,|exp(-iF)T[φ(x)..φ(x)exp(i)]|Ψ 

/<Ψ|exp{-i(tF-t)}|Ψ 

,境界の状態 |Ψ>,|Ψ> に依存します。

 

しかし,t=-∞,t=+∞ の極限をうまくとると,

こうした種々Green関数が全て同じFeynman型のものに

収束し,境界:>,|Ψ>への依存性は実質上なく

なってしまいます。

 

こうした際に,しばしば取られる方法は,Lagrangian密度

の質量項(1/2)mφのパラメータmを形式的に(m-iε)

に置き換えて全ての計算を実行した後にε→ +0 の極限を

取るという(-iε)処方と呼ばれるトリックです。

 

この処方を行う根拠としては,通常,

(N)(x,..,x; Ψ,t,tF)やZFI[J]の

経路積分表式でのDφ積分の収束性を強めて経路積分

無矛盾なもの(well-defined)にするためとの説明が

なされます。

(※正準形式摂動論などでは,断熱減衰条件,断熱近似として,

この処方が採用されています。これについては,例えば,

本ブログの2010年4/28の過去記事:

散乱の伝播関数の理論(1)(Lippmann-Schwinger-1)

を参照してください。)

 

(φ,∂φ)の項(1/2)mφのmを(m-iε)に変更すれば, 

(N)(x,..,x; Ψ,t,tF)の

exp[i∫tItF(φ,∂φ)]やZFI[J]の

exp[i∫tItFx{(φ,∂φ)+Jφ}]の因子において, 

余分な因子:exp[-ε∫tItFx(φ/2)]がかかる

ことになります。

 

そしてが大きくなると,この因子は実際に絶対値が小さく

なるので確かにDφ積分の収束性を強めます。

 

また,実際,後で陽に見るように,t→ -∞,t→ +∞ の

極限でεの存在のために,自由場の場合のφの係数演算子

(□+μ)が運動量表示でゼロとなる点を生じないのでDφ積分

が無矛盾になります。

 

しかし,この説明ではt→ -∞,t→ +∞ の極限で,積分

結果が>,|Ψ>の取り方に依存しなくなる理由が全く

明白ではないので,以下,それを説明します。

 

 μ-iε)に置き換えることは,時間発展演算子

 exp(-it),Hejsenberg演算子

 φ(x)=exp(it)φ()exp(-it)における 

 Hamiltonian を全て,iε∫dx[φ(x)/2]

 =-iεΦに置き換えることと等価です。

 

(※-iε∫dx[φ(x)/2] を-iεΦと定義)

 

このの置き換えはt→ -∞,t→ +∞ の極限を

考えると,exp(-i)とexp(i)の因子でのみ重要

です。

 

それ故, 一般化Green関数の式:

(N)(x,..,x; Ψ,t,tF) 

=<Ψ,|exp(-iF)T[φ(x)..φ(x)exp(i)]|Ψ 

/<Ψ|exp{-i(tF-t)}|Ψ> は,

 

(N)(x,..,x; Ψ,t,tF) 

=<Ψ,|exp{-i(-iεΦ)tF}T[φ(x)..φ(x)]

exp{i(-iεΦ)t}|Ψ

/<Ψ|exp{-i(-iεΦ)tF} exp{i(-iεΦ)t 

となります。

 

ここで,の固有値と固有状態の組を{E,|n>}とし,

'≡-iεΦの固有値と固有状態の組を{E',|n'>}

とすれば,摂動論によって,

E'=E-iε<n|Φ|n>+O(ε)です。

 

 H'≡-iεΦの固有状態の完全系

 Σ|n'><n'|=1を用いると, 

 exp{i(-iεΦ)t}|Ψ>=exp(i't)|Ψ 

 =Σexp(iE')|n'><n'|Ψ 

 =exp(iE'0)|0><0|Ψ

  +Σn≠0 exp(iE')|n'><n'|Ψ 

  を得ます。(※真空の一意性から|0'>=|0>です。)

 

  ここで,εの2次以上は無視することができて, 

 E'0=E0-iε<0|Φ|0>=-iε<0|Φ|0>

 E'=E-iε<n|Φ|n>

 =E-iε(w+<0|Φ|0>) 

 と書くことができます。

 

 ただし,w≡<n|Φ|n>-<0|Φ|0>と

 置きました。

 

 また,基底状態=真空での場のエネルギーはゼロである

 べきなので,00 としました。

 

 したがって,

 exp{i(-iεΦ)t}|Ψ=exp(i't)|Ψ

 exp(iE'0)|0><0|Ψ+Σn≠0 exp(iE')

|n'><n'|Ψ

 

exp(εt<0|Φ|0>)

{|0><0|Ψ+Σn≠0 exp(εw)exp(iE)

|n><n|Φ|n>}

 

と書き直せます。

 

ところで,w=<n|Φ|n>-<0|Φ|0>は

状態 |n>でのΦ=∫d[φ(x)/2]程度の拡がり

(ゆらぎ)から真空のそれを差し引いたものです。

この量は場φ(x)が謂わゆる"自発的対称性の破れ"を

生じない条件である,場の真空期待値がゼロ:

0|φ(x)|0>=0 を満たしている限り,

n≠0 の励起状態 |n>のゆらぎの程度の方が基底状態

=真空 |0>のそれよりも大きいと予期されるのでn≠0

では,w>0 としてよいと考えられます。

 

そうすれば,t→ -∞では,n≠0 exp(εw)→ 0

ですから,

<0|Ψ>≠0 である限り,t→ -∞では,

[ ]内の第一項:|0><0|Ψ>に比べて,第2項 

Σn≠0 exp(εw)exp(iE)|n><n|Φ|n>

無視できます。

 

故に,t→ -∞では,exp{i(-iεΦ)t}|Ψ 

exp(εt<0|Φ|0>)|0><0|Ψ> となります。

 

全く同様に, t→ +∞では,

<Ψ|exp{-i(-iεΦ)t} 

exp(-εt<0|Φ|0>)<Ψ|0><0| です。

 

したがって,G(N)(x,..,x; Ψ,t,tF) 

=<Ψ|exp{-i(-iεΦ)tF}

T[φ(x)..φ(x)]exp{i(-iεΦ)t}|Ψ 

/<Ψ|exp{-i(-iεΦ)tF} exp{i(-iεΦ)t}|Ψ

から,

 

limtI→ -∞,tF→ +∞(N)(x,..,x; Ψ,t,tF) 

limtI→ -∞,tF→ +∞<Ψ|0>exp(-εt<0|Φ|0>) 

0|T[φ(x)..φ(x)]|0> exp(εt<0|Φ|0>)<0|Ψ 

/{<Ψ|0>exp(-εt<0|Φ|0>)<0|0>

exp(εt<0|Φ|0>)<0|Ψ>} を得ます。

結局,limtI→ -∞,tF→ +∞(N)(x,..,x; Ψ,t,tF) 

=<0|T[φ(x)..φ(x)]|0>=G(N)(x,..,x)

が得られました

 

以上から,一般化Green関数は,t→ -∞,t→ +∞

の極限で,>,|Ψ,>の真空 |0>との重なりが少し

でもある限り,|Ψ>,|Ψ,>には全く依存しなくなり,

T積の真空期待値で与えられる通常のGreen関数に一致

することが証明されました。

 この事実を用いると,先に,元々,t=-∞,t=+∞

として与えたZ[J]の経路積分の表式: 

[J]=N00DφΨ0[φ(.+∞)]Ψ[φ(,-∞)] 

exp[i∫-∞x{(φ,∂φ)+Jφ}] は,

(-iε)処方を取れば,境界の状態は共に自動的に真空となる

ので真空での波動汎関数因子 Ψ0[φ(.+∞)],および,

Ψ[φ(,-∞)]は,これを書く必要が無くなります。

 

それ故,簡単に,Z[J]=N00Dφ exp(i∫-∞

{(φ,∂φ)+iε(1/2)(φ(x)-<φ>)+Jφ}) 

と書けます。

 

ただし,場φ(x)の真空期待値が,万一,ゼロでない:

<0|φ(x)||0>≠0 の場合でも,

(-iε)処方ではΦ項を与えるこのφ(x)から,

<φ>=<0|φ(x)|0>を差し引いておけば,常に

その真空期待値がゼロになることを利用した形を

採用して,これを陽に表わす形にしました。

 

※ 最後に,積分のEuclid化との関連を述べておきます。

 

上記の論議では,w=<n|Φ|n>-<0|Φ|0>(n≠0)

が正の数であることを仮定しましたが,この仮定は.いつでも

成立する保証があるわけではありません。

 

それならばいっそのこと,質量項のΦ=∫dφ(x)/2

による-iεΦなどといわす,全体系のHamiltonian

使って,-iεを挿入すればよいだろうというアイデアも

あります。

 

これであれば,真空は基底状態であるという定義によって,

=<n||n>-<0||0>=E-E0 > 0 (n≠0)

なることは,確かに保証されます。

そして,この-iεのトリックは,Hamiltonian -iε

=exp(-iε)に置き換えることに等しく

結局,これはGreen関数の表式では,あらゆる時間変数を一斉に

exp(-iε)倍することに等価です。

 

すなわち,(t,t,..,t;t,t)

→ exp(-iε)(t,t,..,t;t,t)

です。

 

このとき,(φ,∂φ)=(1/2)(∂μφ∂μφ-mφ)+int(φ) 

(1/2){(∂φ)-(∇φ)-mφ}+int(φ) によって,

対応するGreen関数の経路積分の表式は,

 

(N)(x,..,x; Ψ,t,tF) 

=NFIDφΨ[φ(x)]Ψ[φ(x)]

φ(x)..φ(x)exp[i∫tItF(φ,∂φ)]

に代わって,

 

(N)(x,..,x; Ψ,t,tF) 

=NFIDφΨ[φ(x)]Ψ[φ(x)]

φ()..φ() 

exp[iexp(-iε)∫tItFdtd 

{(1/2){exp(2iε)(∂φ)-(∇φ)-mφ}+int(φ)} 

となります。

 

ただし,φ(,τ)は,zを複素数とするHeisenberg演算子:-

φ(,z)=exp(iz)φ()exp(-iz)のz=τ

=exp(-iε)t における固有値を意味するc-数です。

 

tによる∫積分の∫tItFdtの積分路は複素平面の実軸上

ではなく,角度εだけ時計回りに回転された直線上の積分に

なります。

 

この操作でもw(n≠0)が正である限り,-iεΦ挿入の処方 

と同じく,

limtI→ -∞,tF→ +∞(N)(x,..,x; Ψ,t,tF) 

=<0|T[φ(x)..φ(x)]|0>=G(N)(x,..,x)

であるという結論は同じですが。。。。

 

副産物として4次元積分のEuclid化というアイデアに

結び付きます。

 

すなわち,ここまでは,0<ε<<1として考察してきましたが,

ε=π/2とすれば,exp(-iε)=exp(-iπ/2)=-i,かつ,

exp(2iε)=exp(iπ)=-1であり,exp(-iε)idt=dt

ですから,

 

(N)(x,..,x; Ψ,t,tF) 

=NFIDφΨ[φ(x)]Ψ[φ(x)]

φ()..φ() 

exp[-∫tItFdtd

{(1/2){(∂φ)+(∇φ)+mφ}-int(φ)} 

となります。

 

この経路積分の重み関数因子: 

exp[-∫tItFdtd

{(1/2){(∂φ)+(∇φ)+mφ}-int(φ)}

,|φ| → 大のときに振動するのではなく,本当に値が

小さくなる性質のよいもので,経路積分の数学的に厳密な

取り扱いも.このEuclid版で初めて可能になるようです。

 

文献によっては,-iεのε→(π/2)の操作を,解析接続

とか,Wick回転とか呼んでいますが,この用語の使い方は

ここでは適切ではないようです。

ただし,2点Green関数G(2)で,-t,t→ ∞ のとき

だけは,これがt=t-tの1変数のみの関数となる

ため,この操作はtの解析接続と同じです。

 

今日はここで終わりますが,次回は最後の経路積分の

Euclid化に関連して,統計物理学での(松原)Green関数

に言及するところから始める予定です。

 

この場合には,ここでの生成汎関数(母関数)Z[J]は

分配関数の役割をします。イヤ,少し先走りました。。

ではでは。。。

 

(参考文献);九後汰一郎著 「ゲージ場の量子論Ⅰ」(培風館)

(※再掲終了)

すぐに続きもアップします。

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