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2015年10月 7日 (水)

祝!!ノーベル賞。。梶田隆章さん。。しかし晴天の霹靂

連日の日本人ノーベル賞受賞,今度は物理学賞で宇宙線・素粒子実験分野で梶田隆章さんが受賞されました。56歳。。。若い。。。

 ニュートリノに質量があるということを岐阜の神岡鉱山跡に作られたカミオカンデでの実験観測で確証したことに対して賞が与えられたらしいです。

 こちらも日本人受賞でとても喜ばしいことですが。。昨日の大村さんの受賞とは違う感想もあります。

 学生時代の専門が素粒子理論の理論物理屋であった私としては,残念ながらこの発見が真実であったというのはむしろ寝耳に水,イヤ晴天の霹靂という思いもあります。

 そもそもニュートリノは陽子のβ崩壊 p→n+eにおいてエネルギー保存が成立するためには観測には掛からないけれど何らかの粒子が存在するはずだということでPauliが存在を予言した日本語では中性微子と呼ばれる素粒子のことです。 

 このニュートリノは普通の検出器では観測にかからないので放射線としては人体も素通り,通過するだけなので無害であり,逆にガンなどの放射線治療にも使えないシロモノです。

 かつて私が学んだ頃の理論物理学の弱い相互作用では陽子pのβ崩壊は反応式として,p → n+e+ν と表現されました。イヤ今もそうでしょう。

 他方,その逆反応の中性子nの電子捕獲は n → p+e+ν~  です。

 ここで,eは通常の電子であり,eはその反粒子の陽電子,νは電子に付随するニュートリノでありν~  はその反粒子です。

 原子核内での核子pとnはどちらかが過剰剰であれば一般にそれを減らす上記の弱い核反応でバランスしますが,星の進化など非常に長いスパンでは平衡バランスが崩れて中性子星に転化していくこともあります。

 電子に付随するニュートリノν というのは,その後軽粒子=レプトンとして電子のほかにμ粒子,及びτ粒子が存在してこれらにに付随する異なるニュートリノνμτ という計3種類のニュートリノが存在することが明らかになったため区別のために添字を付けられたものです。

 これら3種類のレプトンのペア(e,ν ),(μ,νμ ),(τ,ντ)が,重粒子(バリオン)や中間子(メソン)というハドロンを構成する基本粒子である3組のクォーク(p,n)(=up-down),(s、c)(=strange-charm),(b,t)(=bottom-top)に対応するというのが現在の素粒子標準理論の礎になっています。

 そして弱い相互作用でもレプトン数の保存を保証するため,

 これらの作用では,例えばn →e+ν~のようにレプトン数が+1の電子eにはレプトン数が-1の反ニュートリノが付随というようにニュートリノの粒子-反粒子の区別がなされています。

 最初Fermiによる弱い相互作用のV-Aカレント(vector-axialvector)によるカレント-カレント相互作用が提議され,そこから出発して,現在の宇宙初期には質量ゼロであったのに自発的対称性の破れとヒッグスメカニズムにより質量を獲得した弱いゲージボゾンの仲介による相互作用という理論では,

 これらのニュートリノは全て質量がゼロのフェルミオンで,それ故光速でしか走行できないため,スピンが1/2のフェルミオンであってスピン成分は±1/2(=up-down)なのですが,その一方符号のみのヘリシテイしか取ることのできない軸性ベクトル(axialvector)系カレントに寄与すべきスピノル粒子であるというのがこれらの弱い相互作用の標準理論の前提でした。

 そこでニュートリノに僅かでも質量が存在すれば,それは光速よりも遅い速度で走行し,ヘリシティも±1/2成分の双方を取ることが可能となり今までの標準理論は修正されないと成立しないことになるはずです。

 宇宙論では宇宙の創生期の熱い火の玉状態では磁気単極子(モノポール)が存在し,寿命は無限大で安定で崩壊することのないものという常識の陽子(核子)崩壊もあるということで岐阜の地下深いカミオカンデでも私が学生のころから時間的には極めて希な現象でも大量の物質への宇宙線の衝突でこの陽子(核子)崩壊が観測できるのではという観測がもされていたと思います。

 しかし,これらモノポールやβ崩壊を除く陽子崩壊については未だ観測されていません。

 少し話は古いですが,かつて光速を超える粒子タキオンが確かオーストラリアで観測されたという事件があったけど,それは追実験では未だに確認できず幻ということになったと記憶しています。

 そこで,20世紀末にμ-ニュートリノがτ-ニュートリノに転換する結果として観測されると予測されるニュートリノ振動が観測されて,それはニュートリノの質量存在の証拠といわれたことも存じていますが,そのときも,私はこうした極端に革命的な観測結果はいずれ幻に終わるのでは?と少なからず疑っていたのですが,既に2003~2004年頃には梶田氏らのグループが膣料存在を追確認していたのですね。イヤ感服しました。。 

 理論の方での修正が期待されますが年老いた頭では新しいことを勉強するのはなかなか骨が折れるので,こうしたことは間違いではなかろうか?と楽な展開を期待しててすみませんでした。

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