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2016年2月29日 (月)

弱い相互作用の旧理論(11)(Fermi理論)

「弱い相互作用の旧理論」μ粒子の崩壊の続きです。
 

前回最後で示したように,
 

μ-の崩壊で全ての粒子が非偏極の場合の崩壊率の分布は. 

dω=(1/2)(2π)-5(2P)-1

3(2Ep)-13(2Ek)-13~(2Ek~)-1δ4(P-p-k-k~)

×(|~|2/2)Tr[γμ(1-λγ5)(+mμν(1-λγ5)] 

×Tr[(+meμ(1-γ5)ν(1-γ5)] ですが,

これの,

3(2Ep)-13(2Ek)-13~(2Ek~)-1δ4(P-p-k-k~)

より右の因子を計算すると,

(|~|2/2)Tr[γμ(1-λγ5)(+mμν(1-λγ5)] 

×Tr[(+meμ(1-γ5)ν(1-γ5)] 

=32|~|2(1+|λ|2)[(Pk~)(kp)+(kk~)(Pp)]

+|G~|2(λ+λ)Tr(γμγνγ5)Tr(γμνγ5) 


     となります。


  今日は,まず,この式を証明する私の(注釈)から始めます。


 
※(注11.1):上の最後の式で,(|~|2/2)を除く上記トレースは,

r[γ μ(1-λγ5)(+mμ)γν(1-λγ5)]

r(γμγν)+|λ|2r(γμγ5γνγ5)

-λTr(γμγ5γν)-λr(γμγνγ5)

(1|λ|2)r(γμγν)+(λ+λ)

×r(γμγνγ5) です。


  そして,
r(γμγν)

 =4{Pμν+Pνμ-gμν(Pk)} です。


  一方,Tr[(+me)γ
μ(1-γ5)(ν(1-γ5)]

2r(γμν)+2r(γμνγ5)であり, 

r(γμν)=4{pμk~ν+pνk~μ-gμν(pk~)}

です。


  故に,r[γ μ(1-λγ5)(+mμ)γν(1-λγ5)]

×Tr[(+me)γμ(1-γ5)(ν(1-γ5)]

=32(1+|λ|2){2(Pp)(k~)+2(Pk~)(kp)}

+2(λ+λ)r(γ μγνγ5)r(γμνγ5)

=64(1+|λ|2){(Pp)(kk~)+(Pk~)(kp)}

+2(λ+λ)r(γ μγνγ5)r(γμνγ5) 

 それ故,

(|G~|2/2)r[γμ(1-λγ5)(+mμ)γν(1-λγ5)]

×Tr[(+meμ(1-γ5)ν(1-γ5)] 

=32|G~|2(1+|λ|2){(Pp)(kk~)+(Pk~)(kp)}

+|G~|2(λ+λ)r(γ μγνγ5)

×r(γμνγ5)
 が得られます。


 
(注11.1終わり)※


  次に,まだ手を付けてないトレース項:

r(γμγνγ5)r(γμ~γνγ 5)を評価します。

まず,これはkとP,およびk~とpについて,それぞれ,

交換反対称です。

  そして,4元運動量P,p,k,k~のどれについても線型で

γ5因子偶数個含み,μ,νについて縮約するのでLorentz

スカラーです。

  4元運動量:,,,~から構成可能な,こうしたどれに

ついても線型なLorentzスカラーの一般形を書き下すと,

(kk~)(Pp)+b(kP)(~)+c(kp)(~)

です。
 

 これが,さらにkとP,および,~とpについて,それぞれ

交換反対称という条件は, 

(Pk~)(kp)+b(PP)(~)+c(Pp)(~) 

=-a(kk~)(Pp)-b(kP)(~)-c(kp)(Pk~) 

=a(kp)(Pk~)+b(kP)(~~)+c(kk~)(Pp) 

です。

  これが恒等式であるという条件より,b=0,c=-a

を得ます。
 

したがって,

r(γμγνγ5)r(γμ~γνγ 5) 

=a{(kk~)(Pp)(kp)(Pk~)} 

と書けるはずです。
 

係数aを求めるために,具体的にPμ=pμ(1,0,0,0)T, 

μ=k~μ(0,1,0,0)を代入すると.まず右辺=-aです。
 

一方,r(γμγνγ5)=Tr(γ1γμγ0γνγ5), 

かつ,r(γμ~γνγ 5)=Tr(γ0γμγ1γνγ5)ですが, 

この積でμ,νについて和を取ると,μ=2,ν=3 

μ=3,ν=2以外はゼロで寄与しません。
 

そして,γ5iγ0γ1γ2γ3=-iγ0γ1γ2γ3より, 

μ=2,ν=3のγ0γ2γ1γ3γ5=-i(γ5)2=-i,
 γ1γ2γ0γ3γ5i(γ5)2i です。


  また,
μ=3,ν=2
γ0γ3γ1γ2γ5i(γ5)2=-i,

γ1γ3γ0γ2γ5i(γ5)2iです。
 

故に,r(γ1γ2γ0γ3γ5)=-Tr(γ0γ2γ1γ3γ5)4i. 

r(γ1γ3γ0γ2γ5)=-Tr(γ0γ3γ1γ2γ5)4iです。
 

結局,r(γμ~γνγ 5)r(γ0γμγ1γνγ5)

32=-aなので,a=-32 を得ます。
 

つまり,Tr(γμγνγ5)r(γμ~γνγ5) 

32{(kp)(Pk~)-(kk~)(Pp)} です。


  故に,
(|~|2/2)Tr[γμ(1-λγ5)(+mμν(1-λγ5)] 

×Tr[(+meμ(1-γ5)ν(1-γ5)]  

=32|G~|2(1+|λ|2){kp)(Pk~)+(kk~)(Pp)}

+32|G~|2(λ+λ){kp)(Pk~)-(kk~)(Pp)} 

=32|G~|2{|1-λ|2(Pp)(kk~)+|1+λ|2(Pk~)(kp)} 

です。

 よって,崩壊率の式は,
  dω=(1/2)(2π)-5(2P)-1

3(2Ep)-13(2Ek)-13~(2Ek~)-1δ4(P-p-k-k~)

×32|G~|2{|1-λ|2(Pp)(kk~)+|1+λ|2(Pk~)(kp)} 


  
となります。

  さらに進むためには,一般には観測にかからない

ニュートリノの変数kとk~にわた積分:∫d33~

実行する必要があります。


    {|1-λ|2(Pp)(kk~)+|1+λ|2(Pk~)(kp)}はkとk~

について線型ですから,次の形の積分Iαβ()を計算できれば

積分:∫d33の実行結果が評価できるはずです。

すなわち,Iαβ(Q)

≡:∫d3(2Ek)-13~(2Ek~)-1αk~βδ4(Q-k-k~),

;ただし,Q=P-pです。

 そして,このIαβ(Q)は2階のLorentzテンソルとして

変換します。


 ※(注11.2):何故なら,それぞれの積分の寄与はスカラーです。
  
 すなわち,
3(2Ek)-1=∫d3~∫0dk0δ(kμkμ) 

=∫d4kθ(0)δ(2)です。
 

同様に,∫d3~(2~)-1=∫d4~θ(~0)δ(~2) 

ですから, ∫d3(2)-13~(2k~)-1は確かに

Lorentzスカラー です。  (注11.2)終わり)※
 

この積分:Iαβ(),2つのニュートリノの慣性中心系:

~=0,つまり,0 の系で最も良く評価

できます。
 

このとき,Qは純粋に時間的(time-like)です。 

つまり,2=Q022=Q020 です。
 

そこで,ニュートリノの慣性中心系では,簡単な計算の後に

次式を得ます。
 

すなわち,この系でのIαβ()をI(0)αβ()と書けば,

(0)αβ()=(π/24)Q02(gαβ+2gα0β0)です。

 (11.3):(0)αβ()

 =(1/4)∫d33~(kk~)-1αk~βδ4(Q-k-k~)~=-

 =(1/4)∫dEkdΩk(k/Ek~)-1αk~βδ(Q0k-Ek~)~=-

 =(1/4)∫dEkdΩk(k/Ek~)-1αk~βδ(Q02)です。
 

これは,α=i,β=j(i,j=1,2,3)なら,(0)αβ()

(0)ij()=(1/4)∫dEkdΩk(k/Ek~)-1ik~j

δ4(Q02) ですが,i≠jなら被積分関数はki,

またはkの奇関数なので∫dΩによって,(0)ij()

は消えます。


 これは,α=0,β=j,α=I,β=0 のケースでもそうです。


 他方,α=i,β=jで,かつi=kなら質量ゼロのニュートリ

では,E22であり,

-E(sinθcosφ,sinθsinφ,cosθ)なので,

((0)11(),(0)22(),(0)33())

=(1/4)∫∫dEkdΩk(k/Ek~)-1((1)2,(2)2,(3)2)

δ(Q02)


 =(1/2)(
0/2)2-11(cosθ)02πdφ
(sin2θcos2φ,sin2θsin2φ,cos2θ)=(1/2)(0/2)2

(4π/3,4π/3,4π/3)ですから,
 

(0)αβ()=I(0)ii()

=(-1/4)∫dEkdΩkijδ(Q02)

=-(π/24)02です。


  一方,α=β=0 ならkαβ=E
2
より

∫dEk2δ(Q02)(1/2)(0/2)2ですが,

∫dΩk=4πより(0)αβ()=I(0)00()

=(1/4)∫dEkdΩk2δ(Q02) 

(π/8)02 を得ます。
 

したがって,(0)αβ()(π/24)02(αβ2α0β0)

が成立しています。(注11.3終わり)※
 

そして,αβ()2階のLorentzテンソルであることが

わかっているので,ニュートリノの慣性中心系でなく任意

Lorentz系では,αβ()(π/24)(αβ22αβ) 

となります。
 

'(11.4):以下,上式の証明です。
 

 ニュートリノの慣性中心系でQ=Q(0)を与える時空座標系 

をx-座標系,一般のQを与える任意座標系をx~系として, 

この座標系の変換をx~μ=aμννとするとき,


  
これが
Lorentz変換であるための条件は,

恒等的に,gμν~μ~ν=gμνμλνσλσ 

=gλσλσ,が成立すること: つまり,

μνμλνσ=gλσ が成立することです。
 

それ故,添字の上げ下げ(共変⇔反変)の規則から, 

λμσνμν=gλσが成立します。
 

そして,μ=aμν(0)νであり,(0)μ(0,0.0.0)

=gμ00 ですから,μ=aμ00です。


 また,2=Qμμ=Q02です。

 

したがって,2階テンソルの変換性から, 

αβ()=aαμβν(0)μν 

(π/24)αμβν02(μν2μ0ν0) 

(π/24)02(αμβμ2α0β0) 

(π/24)(αβ22αβ)を得ます。 (11.4終わり)

 

さて,

αβ()≡d3(2Ek)-13~(2Ek~)-1αβ

δ4(P-p-k-k~)=(π/24))(gαβ22αβ)

;Q=P-p ですから,

  
dω=(1/2)(2π)-5(2E)-1

3(2Ep)-13(2Ek)-13~(2Ek~)-1δ4(P-p-k-k~)

×{6|1-λ|2(Pp)2|1+λ|2{(Pp)22(PQ)(Qp)} 

ですが,


  ま
,2(P-p)2=mμ2+m22(Pp) です。
 

 また,PQ=P(P-p)=mμ2(Pp),

 Qp=p(P-p)(Pp)-me2,なので,

 (PQ)(Qp){μ2(Pp)}{(Pp)-me2} 

 =(μ2+me2)(Pp)-mμ2e2(Pp)2です。
 

 Ep22+m2,より, pdEp||||であり,

 d3p=||2d||dΩp||ppdΩpです。

したがって,dω={|G~|/(192π4)||dEpdΩp 

(6|1-λ|2(Pp)|{1+(mμ/me)2-2(Pp)}

 |1+λ|2[3{(mμ2+me2)(Pp)-2mμ2e2-4(Pp)2}|)

です。

 ところが,p=(p,)なのでμ粒子の静止系:P=(μ,0)

 を考えると,Pp=EPpPp=mμpです。


  そこで,dω={|G~|2μp/(192π3P)}||dEpdΩp
 

 =(6|1-λ|2{1+(mμ/me)2-2(p/mμ)} 

 +|1+λ|2[{3+3(mμ/me)2-2me2-4(Ep/mμ)|

 ですが,P=mμであり,


  
また.e<<mμなので
e2に比例する項を無視する近似

をすると,||~Epであり,電子の立体角での積分:∫dΩp

を実行すれば,


  dω/dp~{|G~|2μ2p2/(48π3)}
 

[6|1-λ|2{1-2(p/mμ)}|1+λ|2[{3-4(Ep/mμ)|]
  を得ます。

この段階で,このエネルギー分布予測を観測と比較すると,

観測は良い精度でλ=+1を支持しています。
 

これはν'で表わされるニュートリノも左巻きであること

を示すものです。(※これは言いかえると,ν'の質量も

ゼロであることを意味します。※)

そこで,λ=+1であるとして,これを代入すると,

dω/dp~{|G~|2μ2p2/(12π3)}{3-4(Ep/mμ)}

ですから,

0≦E≦mμの」範囲で∫dEを実行すると.

結局,μ粒子の崩壊率として,ω=|~|2μ5/(192π3)

が得られます。

μの平均寿命をτμとするとω-1/τμですから

τμ=192π3/(|~|2μ5)です。


 
(11.5):μ粒子静止系でのエネルギー・運動量保存則: 

P=mμ=Ep+E+Ek~,0~より,

(k~)=2, すなわち,2+Ek~2+2k~cosθ 

=Ep2-me2です。


  これに,Ep=mμ-Ek-Ek~を代入してEp
を消去します。 

k2+Ek~22kk~cosθ=(μ-Ek-Ek~)2-me2, 

 つまり,mμ22μ(k+Ek~)

 2kk~(cosθ-1)+me2 を得ます。
 
 

 ところが,既にdωの評価の際,e<<mμゆえ,e2

 比例する項を無視する近似を実施しましたが,ここでも,

 e2 0という近似を行なうと,右辺=2kk~(cosθ-1)0

 です。
 

 これは,μ{μ2(k+Ek~)}0 より,

 (k+Ek~)≦mμ/2を意味するので,

 p=mμ(+Ek~)≦mμ/2 です。
 

 そこで∫dEpの積分範囲は0≦Ep≦mμ/2であり, 

 ω=0mμ/2(dω/dEp)dEp 

  =|~|2μ2/(12π3)0mμ/2dEp [Ep2(3-4Ep/mμ)] 

  =|~|2μ2/(12π3){(mμ/2)3-(mμ/2)4/mμ}


   結局,ω=|~|2μ5/(192π3) が得られます。
 


   (注11.5終わり)※

 

 さて.μの崩壊の平均寿命の信頼できる観測値は, 

 τμ(2.21±0.003)×10-6secです。
 

 これを,上に求めた表式:ω=1μ|~|2μ5/(192π3)

と比較対照して,|~|はCを中性子nのβ崩壊のベクトル

結合定数としてG=√2とした中性子のβ崩壊の結合定数

2%以内の誤差で等しいことがわかります。
 

 こうしたことからFermi粒子の弱いβ崩壊結合における

普遍性が強く示唆されるため,ここでμ崩壊に対して仮定

した相互作用の形の妥当性へのさらなる支持が得られたと

考えられます。
 

(11.6):まず,中性子nのβ崩壊における弱い相互作用

のHamiltonian密度をとし,単位の無い係数を除いて,

=GΨpnΨeν,G=√2と書き,両辺の 

単位(次元)を等置します。(次元解析です。)
 

物理量Aの次元を[]と書くことにすれば,[]

エネルギー密度の次元なので,[]=ML2-2×L-3

=ML-1-2です。
 

また,ΨP~,Ψn,Ψ~,Ψνは全て2乗すると単位がL-3の確率

密度を示すため,各々の次元はL-3/2です。
 

故に,[ΨP~ΨnΨ~Ψν]=L-6ですから,

=GΨP~ΨnΨ~Ψνは,ML-1-2=[G]6を意味します。
 

故に,Gの単位は,[]=ML5-2です。
 

以前の記事:「弱い相互作用の旧理論(6)」において中性子n

のβ崩壊の観測から崩壊反応は,VとAのみのFermi遷移であり,

結合定数Gは,G=2(1.015±0.03)×10-5×(1/2), 

および,C(1.21±0.03)=αCV で与えられるという

結果を得ることを見ました。
 

今までの議論はPlanck定数をh,c=h/(2π),cを光速と

して,c=c=1とする自然単位での話としてきました。
 

[G]=ML5-2,[hc]=ML2-1,c~3.0×108(m/sec)より,

[]=LT-1ですから,Gの評価式: 

G=(1.015±0.03)×10-5×(1/2)において,この中

の陽子の質量pをエネルギーの単位:ML2-2を持つ

p2  940MeVで置換えて.通常の単位での

G=(1.015±0.03)×10-5×(2)-2cαβに換算

する ことを考えます。
 
 

次元解析(両辺の単位を等置する)を行なうと, 

ML5-2(ML2-2)-2(ML2-1)α(LT-1)βから 

1=-2+α,5=-4+2α-β,-2=4-2α-βより,

α=β=3です。
 

それ故,G=(1.015±0.03)×10-5×(940MeV)-2c33です。
 

一方,μの崩壊率は,ω=1μ|~|2μ5/(192π3)ですが 

~は実数で,|~|=G~であるとすると, 

ω=1μ~2μ5/(192π3)です。

 

ここで,さらにμ崩壊の結合定数G~も上のβ崩壊の

結合定数Gに等しいと仮定すると,  ω=1μ2μ5/(192π3)です。


  自然単位でなく通常の単位では,

ω=G2(μ2)5cρσ/(192π3)であると仮定し,

[ω]=T-1,[G]=ML5-2,[hc]=ML2-1,

[c]=LT-1,[mμ2]=ML2-2を用いて次元解析

行なうと,

 
-1(ML5-2)2(ML2-2)5(ML2-1)ρ(LT-1)σ

なので,0=2+5+ρ,0=10+10+2ρ+σ,

-1=-4-10-ρ-σより,ρ=-7,σ=-6

を得ます。
 

故に,ω=G2(μ2)5c-7-6/(192π3)が得られます。
 

G=(1.015±0.03)×10-5×(940MeV)-2c33 

から誤差:±0.03を省いて

21.0152×10-10×(940MeV)-4c66 

および,μ2106MeVを代入すれば,
 

ω=1.0152×10-10×(940MeV)-4(106MeV)5c-1/(192π3) 

2.97×10-16MeV/c となります。
 

 ところが,MeV単位ではhc=6.6×10-22(MeVsec)

なので,結局,μ粒子の崩壊率は,

ω=(2.97×10-16/6.6)sec-1で,μの平均寿命は.

τμ=1/ω=2.22×10-6secであるという予測

計算値が得られました。
 

他方,μの平均寿命の観測値は,

τμ(2.21±0.003)×10-6secですから,上記の予測値と

ほぼ一致しています。


  これで,G~=Gの仮定が非常に良い精度で成立すると

結論されます。 (11.6終わり)
 

今日はここで終わります。 

次回はπ中間子の崩壊を論じる予定です。
 

(参考文献):J.D.Bjorken & S.D.Drell

"Relativistic QantumMechanics"(McGrawHill)

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