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2016年4月

2016年4月26日 (火)

訃報!!戸川昌子さん。。

 歌手で作家の戸川昌子さんが4月26日朝亡くなられたらしいです。直接の死因は胃ガンで,既に5年前から末期ガンを宣告され闘病中だったそうです。

 享年85歳でした。

 朝日新聞デジタル →  シャンソン歌手で作家の戸川昌子さん死去 

  

 

 元々,シャンソン歌手だったということですが,私には女流作家という印象の方が強いです。私が成人して芸能人と認知した頃には既に多方面でご活躍中だったので。。

 

 高齢出産ということでも話題になったことがありました。

 このところ何故か有名人の訃報が相次いでいます。季節も変わり目ですが。

 イヤ,,もっと他の時期にも有名人多々亡くなられているかも知れないのに。。偶々,私が知っているレベルで,訃報を書こうと思う程度の人が続いて死去されているだけかも知れないですが。。。

 64歳。。44歳ときて,85歳ならまだましかもしれません。。

 震災で若くして無念の死を遂げられた方々も多々おられる時節柄。。

 イ ヤ 不謹慎な話ですが。。

   ご冥福を祈ります。合掌!!

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か報!!前田健(マエケン)さん。。急死

 去る4月24日にお笑いタレントの前田健さんが新宿で倒れているところを発見され,,心肺停止状態で病院に運ばれ重体でしたが,その後,本日26日の未明に死亡した。とのニュース報道がありました。早朝でしたので驚きました。

 不整脈があったとのこと。心不全らしいです。まだ44歳でした。

 ニュース速報 →  モノマネ芸人前田健さん死去。44歳

 あやや(松浦亜弥)のモノマネでブレイク。。女装が多かったので,おネエ系?のイッコウさんのような芸人と思ってましたが勘違いかな??。

 心臓での急死は他人事ではないです。まだまだ若いのに。。

 まっちゃん(松村邦弘さん)といい,,なぜかモノマネ芸人ばかりが心臓発作に襲われているみたいです。まあ,偶然でしょうが。。。 

   ご 冥福を祈ります。合掌!!

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訃報!!山本功児さん。。

元巨人,ロッテのプロ野球選手で,ロッテ監督も務めた山本功児氏が去る23日肝臓ガンのため亡くなられました。享年64歳。。。

スポニチ → 山本功児氏死去64歳。元ロッテ監督 巨人で4番。長男DeNAクリックすると新しいウィンドウで開きます

 現役時代。。(長嶋巨人の頃?)の勇姿が目に浮かびます。

 私より年下での死去は惜しいです。息子のDeNA 山本武白志選手の一軍姿も見ずに。。。

ご冥福を祈ります。合掌!!

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強い相互作用(湯川相互作用)(17)

前回の記事:「強い相互作用(湯川相互作用)(16)」は,記事が

長過ぎるという理由で,やや中途半端なところで終わりました。


その続きです。
 

前記事の続きなので,まず,その記事の最後の部分を再提示します。
 

.M系でのBorn近似では,[exp(iδ33)sinδ33] Born

  432/(3ωμ2)ですから,このオーダーで,

[3cotδ33]Born 3ωμ2/(42) です。
 

※(注 17-1):途中からなので,改めて式における記号のいくつか

説明 しておきます。
 

文中の単位は全てc=hc1の自然単位です。

(cは光速,hはPlank定数でhc≡h/(2π)です。)
 

π-N散乱において,質量がMの核子N(,またはn)

衝突するπ中間子の質量をμ,そのエネルギー:運動量4元ベクトル

を,μ(0,)とします。q0(2+μ2)1/2です。
 

また,ωはω≡q0(2+μ2)1/2で定義されるπのエネルギー. 

はその運動量であり,q≡||と定義しています。
 

また,核子:Nのエネルギー:運動量4元ベクトルはpμ(0,) 

です。p0(2+M2)1/2です。
 

π-N散乱のC.M系とは慣性中心系(Center of Mmass System

重心系)を意味し,衝突前には0を満たす慣性系です。
 

実験室系とは,衝突前には核子Nが静止した標的であるような

慣性系:μ(0,)(,0)となる座標系です。
 

一般に実験室系と慣性中心系では散乱(微分)断面積の値は

違います。
 

また,軌道角運動量がlの部分波散乱振幅における位相のずれ

δで記述います。


  ただし,ここで用いている
δ33はアイソスピンも含む(3,3)チャネル

の部分波振幅における位相のずれ:つまり,全アイソスピンが3/2

のπp散乱で,角運動量も軌道角運動量がl=1のP波と陽子p

のスピン1/2の総和として,全角運動量が3/2のチャネルの部分波

振幅における位相のずれの意味です。
 

(17-1終わり)
 

[3cotδ33]Born 3ωμ2/(42)なる式,

(2l+1)cotδ=a+bω+cω2のl=1の式と比較すると,

a=0,b~3μ2/(42)を得ます。
 

このωによるベキ展開の次の係数cを決定して,散乱長への有効

レンジ補正を含む公式に発展させるためには,低エネルギー近似

計算の限界を超える必要があります。
 

既に,(3,3)チャネルでのq3cotδ33=a+bω+cω2の係数c

が負であるという予想をしました。何故なら,この符号は他の

チャネルと逆に引力ポテンシャルに対応するからです。
 

そこで,このcの負符号まで含めた低エネルギー近似を書くと, 

3cotδ33=+{3ωμ2/(42)}(1-ω/ω)なる形に書けます。
 

これは,20.08,あるいは同じことですが,02/(4π)14とし, 

ω2.2μとすればπp散乱実験との良い一致が見られます
 

(※f2{02/(4π)}{μ/(2)}2,μ~140MeV,M~ 940MeVです。)
 

式:q3cotδ33=+{3ωμ2/(42)}(1-ω/ω),固定された

核子源(ω/M→0の極限)に関する中間子理論から,§10.6

π-N散乱の節で与えた散乱振幅の表式: 

fi(2π)-6{2/(412ω1ω2)}1/2 

×(2π)4δ4(2+p2-q1-p1)

(i0)2χ2~(2,2)[φ2τiγ5i{γ(1+q1)-M}]-1 

iγ5τφ1τφ1iγ5i{γ(1-q2)-M}]-1iγ5τφ2] 

(1,1)χ1

において,なされたような結合定数のベキ展開に頼ることにより,

ChewLowによって,初めて導出された評価式です。
 

さて,ここからが,前からの続き=今回の新たな記事です。
 

(17-2):ωは,ω≡q0(2+μ2)1/2で定義されるπ

 中間子エネルギーですが,ωが実際に意味のあるπの

 エネルギーなら,ωもq=||も正の実数ですから,

 ω=(2+μ2)1/2≧μを満たすはずです。
 

こうした実際にωがπの取り得るエネルギーであり,ω≧μ

を満たすとき,ωの値を物理的値といい,ωの作る複素平面

上のω≧μの実数半直線領域をωの物理的領域といいます。
 

 そして,ωが取り得る下限値:ω=μを物理的領域の閾値

 いい,ます。他方,ω<μの実数半直線上や,他の複素平面領域

 を非物理的領域と呼びます。  (17-3終わり)
 

dσ33(π)/dΩ

(1/2)|exp(iδ33)sinδ33}2(13cos2θ), 

かつ,[exp(iδ33)sinδ33]Born 432/(3ωμ2)

のω=0 おける特異性:つまり,特異点:ω=0はω=μにおける

物理的閾値より下の非物理的領域にありますが,これはBorn振幅

でのエネルギー分母がゼロになることに起因すると見なすことが

できます。
 

(17-3):まず.2013年1/9の過去記事:

「強い相互作用(湯川相互作用)(10)より,一部を再掲載して

 π-N散乱の復習をします。
 

次の図10.8Feynman-diagram,結合定数:02/(4π)

オーダーの最低次の核子Nによるπ中間子の散乱を記述して

います。

 Feynman-ruleによって,図の散乱振幅は,

fi(2π)-6{2/(412ω1ω2)}1/2

×(2π)4δ4(2+p2-q1-p1)M です。
 

ただし,は不変振幅で,(i0)2χ2~(2,2) 

[φ2τiγ5i{(11)-M}]-1iγ5τφ1 

τφ1iγ5i{(12)-M}]-1iγ5τφ2](1,1)χ1 

です。
 

交叉対称性(Crossing symmetry)というものが存在して,

fi,φ1 φ2,1 ⇔ -q2 なる交換の下で不変です。
 

この交換の下での対称性は,最低次だけでなく全ての高次の

摂動においても保持されることがわかります。
 

Feynman-diagramから10.8a図の1つのように終状態でπが放出

されるよりも前に始状態で入射するπが吸収されるようなグラフ

の1つ1つの図に対して,10.8b図のように終状態でπが放出

されるより後に始状態で入射するπが吸収されるだけ異なる

グラフが1つずつ存在します。

(↑ここまでが再掲載部分です。)
 

π-N散乱の中間状態の核子伝播関数は,2つの交差グラフで, 

1/{(±)-M}であり,この分母を有理化すると, 

1/{(±)-M}{(±)+M}/{(p±q)2-M2}ですが,
 

π-N散乱の最低次グラフでは,伝播関数の両端の頂点に結合

する核子線もπの線も実粒子を示す外線であって,質量殻上に

あるため:2=M2,かつ,2=μ2より,分母は

{(p±q)2-M2}=±2pq+μ2 です。
 

さらに,標的核子の静止系=実験室系では,μ(0,)

(,0)なので,ω=q0として.

{(p±q)2-M2}=±2pq+μ2=±2Mω+μ2 です。
 

したがって,結局,1/{(±)-M}

{(±)+M}/(±2Mω+μ2) です。

よって,分母がゼロになるωの極は,ω=ω1≡μ2/(2),

または,ω=ω2≡-μ2/(2)の1位の極ですが,低エネルギー

の極限:(ω/)0 では,ω1,ω2共にゼロになります。
 

いずれにしろ,特異点ではω≧μが満足されないので,特異点

=極は非物理的領域にあります。  (17-3終わり)
 

(17-4):運動量表示の核子Nの伝播関数:

i/( i/(-M+iε)やπ中間子の伝播関数:i/(2-μ2iε)

の分母にあるpμやqμエネルギー=p0やq0のゆらぎ(不確定さ)

:⊿Eは時間tのゆらぎ:⊿tと,Heisenbergの不確定性原理:

⊿E⊿t≧1/2を満たすことがわかっています。
 

そのため,衝突散乱を含む遷移現象のような⊿t≠0 ですが非常

短かい⊿t~ 0のような反応の途中では,⊿E~ 大となり,

一時的にエネルギー・運動量が保存される=Mやq2=μ2

質量殻を外れた非物理的領域にあってもいいだろう。。という

もっともな憶測と,
 

実は,単なる近似計算法に過ぎない摂動論や計算のメカニズム 

を図式化したFeynman-diagramの中間状態(内線=伝播関数)の上

の粒子(状態)が非物理的なエネルギー・運動量を取り得ること

のイメージが,何故か合致していて,それらは仮想粒子(仮想状態)

と呼ばれています。

 逆に物理的粒子(外線)
実粒子と呼ばれます。

 
(17-4終わり)

さて,10.10のように,中間子頂点の間を伝播するのが唯一の

核子線であるような,あらゆる高次の項も係数因子としてω­0

の単一の1位の極を持つ項に寄与し,この極の留数はそれらの

効果の総和で与えられます。


 

他の全てのdiagrams:例えば,10.11,エネルギーがω=0,

π中間子の外線に対して有限であり,それ故,の第2,または

有効距離項に寄与します。


 
3cotδ33=+{3ωμ2/(42)}(1-ω/ω)に対して,

[(3cotδ33)/ω]を縦軸,ωを横軸としてプロットし,非物理的値

なので実測データには存在しないω=0の対応点を外挿すること

によって,10.10の振幅への寄与分を分離します。
 

10.10の振幅は,物理的核子p2=M2が虚数運動量:

q=||iμを持つω=(2+μ2)1/20の中間子を吸収放出

,なお,物理的核子,つまり,(p+q)2=M2のままであるような

ものの強さを測ることになります。
 

この振幅は,Chew-Lowによって確認されたように,中間子π

と核子Nの結合定数の値であり,2 0.08なる値がこの外挿

法から決定されたのでした。
 

 今日の」記事はここで終わります。
 

 次回は強い相互作用の最後の項目である電磁形状因子について 

記述する予定です。
 

(参考文献):J.D.Bjorken & S.D.Drell 

"Relativistic QantumMechanics" (McGrawHill)

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2016年4月22日 (金)

強い相互作用(湯川相互作用)(16)

現在,「弱い相互作用の旧理論」というシリーズ記事を連載中 

ですが,次にアップ予定の項目の「ベクトルカレントの保存:

CVC(Conserved Vector Current)についての草稿を準備中に, 

かつての「強い相互作用(湯川相互作用)」のシリーズ記事に

おける,核子のまわりの光子の雲による電磁形状因子:

(Electric Form Factor)を参照する必要に迫られました。
 

しかしながら,私の参照ノートには,もちろん,その項目も欠損

なく記述されていますが,


 
ブログ過去記事を調べてみると,
「強い相互作用(湯川相互作用)

,20133月に,このテーマが終了する直前に,当時63歳の誕生日

(201321)に就職したばかりだった練馬区の会社を足の不調

,1ヶ月ちょっとの,まだ見習い中の34日に残念ながら辞職し,

翌々週の319日には.順天堂大学付属医院の形成外科に入院して,

足の指を切除する手術をし,以後6月初めまで長期入院となり闘病

生活に入ったた,20133月8日にアップした

強い相互作用(湯川相互作用)(15)を最後にPending状態に陥り,

そのまま,今まで放置していたのでした。
 

その後,日本人のノーベル賞受賞に刺激されて,2015年の秋

からは,弱い相互作用の旧理論」なるテーマに飛躍したので,

電磁形状因子を含む欠損部分が生じていました。


 この部分
もその後の素粒子理論の展開に必要な項目なので,

これを機会に,ここ2~3回程度の科学記事として,

「強い相互作用(湯川相互作用)」の残りの部分を続きとして

再開して,このシリーズ記事を完了し,その後,また, 

「弱い相互作用の旧理論」に戻りたいと思います。
 

まず,当時のテーマは,核子N(陽子pと中性子n)同士の散乱

の項目を終了して,π中間子と核子の散乱:π-N散乱の散乱

振幅をπ中間子を交換する湯川相互作用をメインとする核力

の相互作用(強い相互作用)や,アイソスピン対称性

(=荷電スピンのSU(2)対称性)などに基づいて,計算する項目

でした。

 記事:「強い相互作用(湯川相互作用)(15)」は,ほとんどが私の

だけという内容なので,注以外の本文説明がある,それより1

前の過去記事: 「強い相互作用(湯川相互作用)(14)」の大部分を

再掲載するところから,思い出しつつ始めようと思います。
 

(※↓以下,まず「強い相互作用(湯川相互作用)(14)」の再掲載

です。)
 

π-N散乱の散乱断面積σが,その観測における比の通り, 

σ(πp→π):σ(πp→π0):σ(πp→π) 

921 と計算される理由を記述する注からです。
 

(14-1): さらに前の記事:「強い相互作用(湯川相互作用)(13) 

で示した,アイソスピンによる核子,π中間子,および,その合成状態 

の記述を示します。
 

 Iをアイソスピン(Isotopic-spin:荷電スピン)の固有値,その

3軸成分の固有値をIとすると,I=1/2の核子Nにおいて,陽子

pの状態3=+1/2の状態であり,これを示す2成分スピノル

状態関数をχp,3=-1/2の中性子nの状態をχnとします。
 

 一方,I=1のπ中間子では,3=+1のπ状態を|φ,

30のπ0状態|φ0,3=-1のπ状態を|φ

とします。

 φ,φ0,φは,それぞれ,I=1の状態を示す独立な3次元

縦ベクトルです。

 このとき,3/2^をπ-N状態のI=3/2でI33/2である状態

の射影演算子とすると,χpφ|3/2^|φ>χp1 です。
 

一方,χnφ0|3/2^|φ>χp

=χn{φ0φ(1/3)(τφ0)(τφ)}χp 

=χn{(2/3)φ0φ(1/3)iτ(φ0×φ)}χp

も成立します。
 

φ0φφ(3)(φ(1)iφ(2))/20 

φ0×φ(φ(3)×φ(1)iφ(3)×φ(2))/2 

(φ(2)iφ(1))/2i)(φ(1)iφ(2))iφより, 

(1/3)iτ(φ0×φ)(τ1iτ2)/(32) です。
 

(τ1iτ2)χp 2τ-χp2χnなので. 

χn{(2/3)φ0φ(1/3)iτ(φ0×φ)}χp=√2/3 

を得ます。
 

同様に,χpφ|3/2^|φ>χp 

=χp{(2/3)φφ(1/3)iτ(φ×φ)}χp 

2/3(1/3)χpτ3χp1/3 です。
 

よって,I=3/2のチャネルにおいては,  

πp→π,πp→π0,πp→π 

の散乱振幅(S行列要素Sfi)の比は,1:√2/31/3,確率

の比は921 となることがわかります。
 

あるいは,アイソスピン固有状態を|,3>で表現すると, 

|π>=|1,1,|π0>=|1,0,|π>=|1,1, 

|p>=|1/2,1/2,|n>=|1/2,1/2> です。
 

そこで,これらの合成から得られる状態のうち,I=3/2

固有状態は,|3/2,3/2>=|1,1|1/2,1/2>=|πp>, 

3 |3/2,1/2>=√2 |1,0|1/2,1/2>+|1,1|1/2,1/2

より,|3/2,1/2>=(2/3)|π0p>+(1/3)|πp>,
 

同様に,|3/2,1/2 

(2 /3)|1,0|1/2,1/2>+(1/3)|1,1|1/2,1/2 

(2/3)|π0n>+(1/3)|πp>, 

|3/2,3/2>=|1,1|1/2,1/2>=|πn> です。
 

※参考のため,I=1/2の固有状態の合成表現も羅列してみると, 

|1/2,1/2 

=-(1/3)|1,0|1/2,1/2>+(2/3))|1,1|1/2,1/2 

=-(1/3)|π0p>+(2/3))|πn>,
 

|1/2,1/2 

=-(2/3)|1,1|1/2,1/2>+(1/3))|1,0|1/2,1/2 

=-(2/3)|πp>+(1/3))|π0n> です。※
 

以上から,逆に,|πp>=|3/2,3/2,|πn>=|3/2,3/2, 

|π0p>=(2/3)|3/2,1/2>-(1/3)|1/2,1/2, 

|πp>=(1/3)|3/2,1/2>-(2/3)|1/2,1/2,
 

|π0n>=(2/3)|3/2,1/2>+(1/3)|1/2,1/2, 

|πn>=-(1/3)|3/2,1/2>-(2/3)|1/2,1/2 

と表現されます。
 

よって,I=3/2のチャネルのみでは, 

<π|33|πp>:<π0|33|πp>

:<π|33|πp>1:√2/31/3 です。
 

 ただし,33,アイソスピン射影演算子:P3/2^,同様な 

スピンが3/2のスピン射影演算子Q3/2^の直積の(3,3)チャネル

射影演算子を意味します。33=P3/2^3/2^です。


 (14-1終わり)

 

次に,このエネルギー領域では,散乱は,主として,I=J=3/2

チャネルを通るというこれらの示唆で,先に求めた散乱の

微分断面積の式:

[dσ33(π)/dΩ] C.M. {42/(3ωμ2)}24(13cos2θ) 

の妥当性を,2つの一般的な観測の助けを借りて拡張すること

を試みます。

まず,[dσ33(π)/dΩ] C.M. {42/(3ωμ2)}24(13cos2θ) 

のエネルギー依存性は,ω→ ∞(q→ ∞)に対して,σ→ ∞を予測

するため,低イエネルギー閾値の近傍を除いては,現実的では無いこと

着目します。(μをπの質量としてω=q2/(2μ)です。)
 

実際の全断面積:σの大きさには,エネルギーと共に無限大に増大

するわけではなく,ユニタリ[(確率の保存)の結果として上限が

存在します。
 

純粋に伝播関数の理論の枠内でS行列のユニタリ性を論じるのは

難しいので,ここでは,単に非相対論的散乱理論の一般的結果から

のいくつかのことを用いることにします。
 

1.与えられたチャネルに対して,散乱振幅は次の形を取ります。 

t ∝ (1/)exp(iδ)sinδ=1/{(cotδ-i)} 

(※tは散乱振幅:(θ)をπの軌道角運動量lを持つ部分波

の総和に展開したときのP波(l=1)の項の寄与です。)
 

qは慣性中心系(重心系)での粒子の運動量で,δは前に述べた

ように,チャネルの散乱による位相のずれ(phase-shift)です。
 

もしも,同じ量子数について弾性散乱に匹敵する非弾性チャネル

がないならδは実数(弾性散乱)です。
 

(14-2):非相対論的な1粒子の中心対称ポテンシャルによる

散乱の散乱状態波動関数:Ψ(),

 散乱前の粒子が運動量で入射する平面波が,(,')||2cosθ

なる散乱角θで散乱された後の球面波と重み(θ)で重ね合わせられた

定常状態になるという描像で,

→ ∞で,Ψ() exp(iqr)+f(θ) exp(i')/rのような

漸近形を持つという境界条件で定式化されます。
 

この式で定義される散乱振幅:(θ)は角運動量lの部分波に展開 

され,(θ){1/(2i)}Σl=0(2l+1){l()1}l(cosθ) 

{1/(2)}Σl=0(2l+1)l()l(cosθ),

ただし,l()1il() と表わすことができます。
 

そして,位相のずれδl,S行列成分:l()1il()の散乱 

されず素通りする前方散乱成分の1を除く部分(=T行列):l() 

について:l()2exp(iδl)sinδlで定義されます。
 

散乱が弾性散乱のときは,|l()|1なので,l()1に比して 

微小とすれば,

{1il()}{1il()|~1+i{l()-Tl()}=1 

から,l()は実数であり,l()exp(iδl)sinδl ~ δl

より,位相のずれ:δlも実数であると結論されます。
 

(θ)の展開で,l=1のP波の成分をtとし,その位相のずれ:

δ1を単にδと書けば,1(cosθ)cosθより, 

t=(3/2)(1/)exp(iδ)sinδcosθです。
 

そして,exp(iδ)sinδ=sinδ/exp(iδ)

sinδ/(cosδ-isinδ)1//(cosδ/sinδ-i)

1//(cotδ-i) ですから.
 

t=(3/2)cosθ[1/{(cotδ-i)}となります。
 

したがって,t ∝ (1/)exp(iδ)sinδ=1/{(cotδ-i)}

なることが示されました。


(14-2終わり) 

 

2.軌道角運動量が,~lで,全角運動量がJ=l+1/2のチャネル

の全断面積への寄与は,σtotJ,l{4π(2J+1)/2}/2 のように

限定されます。
 

つまり,ユニタリ性の結果,|()|1から,断面積σに上限が

あることが示されます。
 

(14-3): 入射波の方向を特にz軸に取り,exp(iqr)exp(iqz) 

とした場合,χ±をスピン1/2がある場合のスピンが±の状態関数 

とすれば,

 
Ψ()χは,r~ ∞で,
 

exp(iqz)χ± {1/(2iqr)}[Σl=0(2l+1) 

{exp(iqr)(1)lexp(-iqr)}l(cosθ)]χ± 

です。


 (※:スピンがゼロの1粒子πが固定されたスピンが1/2の標的p

またはnの作る中心対称ポテンシャルで散乱されるという1粒子

量子力学の散乱では,散乱される1粒子πの状態関数は,単に

Ψ()であって,標的であるスピンが1/2のpまたはnのスピン

状態関数:χ=[χ+,χ]Tなどは無関係のはずですが,

 ここでは,角運動量に関しては散乱された
状態をπと核子N 

(p,またはn)が合成された,スピンとしては,1/2の|πN>

状態Ψ()χのような状態関数で表現されるよう拡張

しました。


 
して,(3,3) チャネルは,全角運動量としては,J=3/2の

状態への部分波散乱を意味しますが,これはスピンだけで

なく軌道角運動量lとの合成が3/2という意味です。※)

 
J=l+1/2,z=J3=±1/2の場合:≡J-1/2=l, 

≡l+1/2=l+1と定義します。


 くどいようですが,間違いやすいので念を押すと,

J=l1/2=l1/2 です。
 

=lを用いた表現では, 

|,1/2>=|1/2,1/2 

{(1)/(2+1)}1/2l+0χ
 +{/(2+1)}1/2l1χ

 

|,1/2>=|1/2,1/2 

{(+1)/(2+1)}1/2l+0χ

{+/(2+1)}1/2l+-1χあり,
 

他方,同じものを,=l+1を用いて表現すると, 

|,1/2>=|1/2,1/2 

{/(21)}1/2l0χ

{{(-1)/(2-1)}1/2l1χ
 

|,1/2>=|1/2,1/2 

=-{/(21)}1/2l0χ
 +{{(1)/(21)}1/2l-1χ+  
です。

 

Spinのない場合には, 入射波がΨ()exp(iqz)のとき,

r~∞で,Ψ() {1/(2iqr)}

[Σl=0(2l+1){exp(iqr)(1)lexp(-iqr)}l(cosθ)] 

exp(iqz){exp(iqr)/(2iqr)}

[Σl=0(2l+1)(1)l(cosθ)] であり,
 

(θ){1/(2i)}[Σl=0(2l+1)(1)l(cosθ)] 

(1/)}[Σl=0(2l+1)exp(iδl)sinδll(cosθ)]

でした。
 

一方,Spin:1/2がある場合は,まず,軌道角運動量lが固定なら, 

|l+1/2,1/2 

{(l+1)/(2l+1)}1/2l0χ{/(2l+1)}1/2l1χ
 

|l-1/2,1/2 

=-{/(2l+1)}1/2l0χ{{(l+1)/(2l+1)}1/2l-1χ

より,
 

(2l+1)1/2l0χ

(l+1) 1/2|l+1/2,1/2>-l1/2|l-1/2,1/2,
 

(2l+1)l(cosθ)χ 

(4π) 1/2{(l+1)1/2|l+1/2,1/2>-l1/2|l-1/2,1/2

です。
 

同様に,(2l+1)l(cosθ)χ 

(4π) 1/2{(l+1)1/2|l+1/2,1/2>+l1/2|l-1/2,1/2 

です。
 

Spin波動関数以外の座標の波動関数は,

Ψ()  {1/(2iqr)}[Σl=0(2l+1)

{exp(iqr)(1)lexp(-iqr)}l(cosθ)] 

ですから,lが保存される散乱の場合,z=J3=±1/2の寄与

,前方散乱以外では,r~∞で,J=l+1/2とJ=l-1/2,

重ね合わせとなります。
 

例えば,入射波のスピンが+のときには,

Ψχ {exp(iqr)1/(2iqr)}

[Σl=0(2l+1)(1)l(cosθ)χ 

  {exp(iqr)1/(2iqr)}(4π)1/2 

[Σl=0(1){(l+1)1/2|l+1/2,1/2

+l1/2|l-1/2,1/2}] と書けるはずです。
 

しかし,今問題としている散乱では軌道角運動量lではなく

全角運動量Jが保存されるため,z=J3=±1/2の場合の寄与

には,同じJに対してJ=l1/2=l1/2で与えられる軌道

角運動量のペア:=l=J1/2.とl=l+1=J1/2の寄与

があります。
 

それ故,前方散乱以外では,r~∞で,スピノルをΨ=[ψ,Ψ]T 

2成分で表現すると,上成分:3=+1/2の成分は, 

Ψ {1/(2iqr)}exp(iqr)(4π)1/2 

[Σl=0{(+1)(+1)1/2|1/2,1/2 

(-1)-1/2|-1/2,1/2} です。
 

また,3=-1/2の下成分は, 

Ψ {1/(2iqr)}exp(iqr)(4π)1/2 

[Σl=0{(l+1)(+1)1/2|1/2,1/2 

(l-1)(1)1/2|1/2,1/2} 

です。
 

ただし,上の表現式でのΣl=0,l=l=l1のlによる

総和を意味します。
 

ここで,l±

l±(l±1)/(2i)exp(iδl±)sinδl±/ 

と定義すると,散乱振幅:(θ)[(θ),(θ)]T

についても
 

(θ)(4π)-1/2 

=Σl=0{(l-1)(1)1/2|l+1/2,1/2 

(-1)(-1)1/2|-1/2,1/2} 

=Σl=0[(2+1)-1/2{+(+1)+0χ

+f+{+(+1)}1/2+1χ} 

(2-1)-1/2{---0χ

-f-{-(-1)}1/2l-1χ-}] 

=Σl=0[(2l-1)-1/2{-1lYl-10χ

+f-1{(l-1)}1/2-11χ-} 

(2l+1)-1/2{lY0χ-f{(l+1)}1/21χ-}]
 

同様に,(θ)(4π)-1/2 

=Σl=0[(2l-1)-1/2{-1lYl-10χ

+f-1{(l-1)}1/2-1-1χ} 

(2l+1)-1/2{lY0χ

-f{(l+1)}1/2-1χ}] となります。
 

したがって,σtot±=∫|(θ)±|2dΩ 

4πΣl=0[(2l-1)-1{2+l(l-1)}|-1|2 

[(2l+1)-1{2+l(l+1)}||2] 

4πΣl=0{|-1|2||2}
 

固定J値のみの寄与は, 

4πl{|-1|2||2}4π(2J+1)/(22)}

{|sinδ-1|2|sinδ|2} です。
 

結局,σtotJ±4π(2J+1)/(22)}が満たされることが

わかります。 (14-3終わり)

 

(※以上,「強い相互作用(湯川相互作用)(14)」の再掲載終了)
 

 次の記事「強い相互作用(湯川相互作用)(15)」は,ここで必要な 

非相対論的散乱理論の一般的結果の第3の項目である: 
 

 3.有効距離展開;(2l+1)cotδ=a+bω+cω2..

 が低エネルギーで良い近似を与える。


 ということの根拠を述べた私の
(15-1)のみがその内容です。
 

これの再掲載は割愛します。直接過去記事を参照してください。
 

これで,,非相対論的散乱理論一般的結果からの必要事項は

いくつかの注により根拠を示すことができたので,再び箇条書き

にして記載しておきます。
 

1.与えられたチャネルに対して,散乱振幅tは次の形を取る。 

t ∝ (1/)exp(iδ)sinδ=1/{(cotδ-i)}
 

ただし,qは慣性中心系(重心系)での各粒子の運動量であり,

δはチャネルの位相のずれ(phase-shift)です。


同じ量子数について,弾性衝突に匹敵
する非弾性のチャネルがない

なら,δは実数です。
 

2.軌道角運動量がlで全角運動量がJ=l+1/2のチャネルの

全断面積への寄与は,σtotJ,l{4π(2J+1)/2}/2 のように

限定される。
 

3.有効距離展開;(2l+1)cotδ=a+bω+cω2..

が低エネルギーで良い近似を与える。  


の3つの事項
です。

 
さて,既に§10.6のπ-N散乱(Meson-Nucleon Scattering)で見た

ように,小さいエネルギーの分母 ~ωと,P波相互作用の相互的に

長い時間スケール1/ωは,P波の強いエネルギー依存性を自然に

予想させます。
 

それ故,(3,3)チャネル(IJ3/2)に対する, 

(2l+1)cotδ=a+bω+cω2..において,Born近似での高次

の補正は無視できません。
 

すなわち,不変振幅: 

(i02/)[(2)χ2]φ2|(i/2^+P3/2^)|φ1]

[(1)χ1] 

{i02/(42)}(4πq2/3)[(2)χ2] 

φ2,2|[911^/ω-{433^213^231^11^}/ω]

|φ1,1[(1)χ1] において,
 

P波に対応する第2項は,

{i02/(42ω)}(4πq2/3)[(2)χ2] 

φ2,2|(811^213^231^433^)]|φ1,1

[(1)χ1] です。
 

そして,(2l+1)cotδ=a+bω+cω2.. においては, 

このチャネルでのBorn近似の引力を強めるような大きさが負の 

係数cに導くと予想されます。
 

(16-1):何故なら,引力のときの位相のずれδは正で, 

a=0,b>0のとき,cotδ ~ 1/δ ~bω+cω2..ですが, 

これはc<0ならω2に対して減少するため,δはω2と共に増加

します。 (16-1終わり)
 

dσ33(π)/dΩ ~ {42/(3ωμ2)}24(13cos2θ) 

を書き直すと,

dσ33(π)/dΩ (1/2)|exp(iδ33)sinδ33}2(13cos2θ),

かつ,[exp(iδ33)sinδ33]Born 432/(3ωμ2) 

なる表現 を得ます。
 

(16-2): 上記を証明します。 

まず,前回までで詳述したように,ポテンシャル散乱の一般論

から, 中心対称なポテンシャルによる散乱の散乱状態の

波動関数Ψ()は,r→∞で,

Ψ() exp(iqr)+f(θ) exp(i')/r のような

漸近形を持ちます。
 

この散乱される粒子にスピン1/2がある場合には状態関数を 

Ψ=[ψ+,ψ]Tと書き,(θ)[(θ),(θ)]Tとして, 

r→∞で,Ψ ~[ exp(iqr)+f(θ) exp(i')/] 

となりますが,スピン3軸成分が+でも-でも,

散乱の微分断面積は,dσ/dΩ=|(θ)±|2で与えられます。
 

散乱振幅:(θ)は角運動量lの部分波に展開できて, 

(θ){1/(2i)}Σl=0(2l+1){l()1}l(cosθ) 

{1/(2)}Σl=0(2l+1)l()l(cosθ), 

l()1il() と表わすことができます。
 

l()exp(iδl)sinδlと書いた時のδlが位相のずれです。
 

(θ)の展開においてl=1のP波の成分をt,その位相のずれ

:δ1を単にδと書けば,t=(3/2)(1/)exp(iδ)sinδcosθです。
 

そして,exp(iδ)sinδ=sinδ/exp(iδ)sinδ/(cosδ-isinδ) 

1//(cosδ/sinδ-i)1//(cotδ-i) ですから. 

t=(3/2)cosθ[1/{(cotδ-i)} と書けます。
 

したがって,P波の振幅tは, 

t ∝ (1/)exp(iδ)sinδ=1/{(cotδ-i)} 

なる挙動をします。
 

改めてP波の位相のずれをδ1とすると,


 
(14-3)から,J=l+1/2 でJが保存されるとき, 

l(1/)exp(iδ)sinδであって, 

(θ)(4π)1/2Σl=0[(2l-1)-1/2{-1lYl-10χ 

+f-1{(l-1)}1/2-11χ-} 

(2l+1)-1/2{lY0χ-f{(l+1)}1/21χ-}]
 

(θ)(4π)1/2Σl=0[(2l-1)-1/2{-1lYl-10χ 

+f-1{(l-1)}1/2-1-1χ} 

(2l+1)-1/2{lY0χ-f{(l+1)}1/2-1χ}] 

です。
 

l=1のP波に関わる項のみが寄与しては, 

1(1/){exp(iδ1)sinδ1であり,
 

(θ)(4π)1/2[3-1/2{110χ21/2111χ-] 

(θ)(4π)1/2[3-1/2{110χ21/21-1χ]

ですが,l1の球面調和関数は具体的には,

10(3/4π)1/2cosθ,11=-(3/4π)1/2sinθexp(iΦ),

1-1(3/8π)1/2sinθexp(iΦ)ですから,

4|10|22|1±1|2(3/4π)(4cos2θ+sin2θ) 

(3/4π)(3cos2θ+1) です。
 

それ故,l=1の位相のずれδ1,特にl=1,J=3/2(3,3)

チャネルのみによる位相のずれ:δ33で代表させると,
 

dσ/dΩ ~ (1/2)|exp(iδ33)sinδ33|2(13cos2θ)

と書けます。
 

一方,

[dσ33(π)/dΩ] C.M. {42/(3ωμ2)}24(13cos2θ) 

ですから,これを上のdσ/dΩのを与える部分波振幅の式を

比較し,.M系でのdσ/dΩとdσ33(π)/dΩとを等置

することにより,[exp(iδ33)sinδ33] C.M. Born 432/(3ωμ2)

を得ます。
 

(16-2終わり)
 

t ∝ (1/)exp(iδ)sinδ=1/{(cotδ-i)}でしたから 

exp(iδ33)sinδ331/(cotδ33i)です。
 

そして,上記のように,C.M系でのBorn近似では,

[exp(iδ33)sinδ33] Born 432/(3ωμ2)を得ました。

したがって,このオーダーでは,[3cotδ33]Born 3ωμ2/(42)

です。
 

これをq(2l+1)cotδ=a+bω+cω2なる展開式比較すると

l=1P波では,a=0,b ~ 3μ2/(42)を得ます。
 

 このωによるベキ展開の次の係数cを決定して,散乱長への

有効レンジ補正を含む公式に発展させるためには,低エネルギー

近似計算の限界を超える必要があります。


 
既に,(3,3)チャネルでのq3cotδ33=a+bω+cω2の係数c

が負であるという予想をしました。何故なら,この負符号は他の

チャネルと逆に引力ポテンシャルに対応するからです。
 

そこで,このcの負符号まで含めた低エネルギー近似を書くと, 

3cotδ33=+{3ωμ2/(42)}(1-ω/ω)なる形に書けます。
 

これは,2 0.08,あるいは同じことですが,02/(4π)14

とし,ω2.2μとすれば,πp散乱実験との良い一致が

見られます。
 

この式:3cotδ33=+{3ωμ2/(42)}(1-ω/ω),固定

された核子源(ω/M→0の極限)に関する中間子理論から,

§10.6のπ-N散乱の節で与えた散乱振幅の表式: 

fi(2π)-6{2/(412ω1ω2)}1/2 

×(2π)4δ4(2+p2-q1-p1) 

(i0)2χ2~(2,2)[φ2τiγ5i{γ(1+q1)-M}]-1 

iγ5τφ1τφ1iγ5i{γ(1-q2)-M}]-1iγ5τφ2]

(1,1)χ1 において,なされたような結合定数のベキ展開に

頼ることにより,ChewLowによって,初めて導出された評価式です。
 

途中ですが,例によって夢中で書いてiいるうちに1記事としては

長くなり過ぎたと思われるので,今日は,ひとまず終わります。
 

(参考文献):J.D.Bjorken & S.D."Drell 

"Relativistic QantumMechanics”(McGrawHill)

PS:先週金曜日の同期会?に続き,今週の4/22(金)夜は毎月1回

恒例の飲み会でした。楽しかったのですが,最近昼夜の温度差が

大きいこともあり,体調がややだったので,いつもは午前様で

したが,昨夜は23時ころには帰宅してゲロ吐き,その後熟睡し

たようです。

  目覚めると夜中の3時半頃で,落ち着いたので.書きっぱなし

だったブログを編集し直しました。
  
  土曜日だし、もう1回寝直します。永眠も近い?

(今,23日(土)早朝の4時50分です。)
 

※ずいぶん昔の正社員時代には,晴眠雨眠,垢デミック,。。 

ワーニング・プロチョンなどと呼ばれていたの思い出しました。

デブだったし,昼食が大盛りでないと,ウワサになり,

どこか悪いのでは?と疑われました。 


  今も昔もイジられやすい。。。


  千石不動産の
近くにあって,飲みに行くたびに「死神が来た(失礼な!)」

と言われていたスナック「無我」が,巣鴨一番街に移転しているのを

発見。。近々行ってみよう。。。

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2016年4月17日 (日)

訃報!! 大平透さん。。

 有名な声優の大平透(おおひらとおる)さんが去る4月12日に亡くなられていたそうです。

 享年86歳でした。

 ニュースGigazine  →

「スターウォーズのダース・ベーダー役の吹替えなどで有名な大平透さん死去

 私には,何といっても,小学校5年(昭和35~36年)に岡山県の私の家に,はじめてテレビが来た当時の「ス^パーマン」の声の人という印象です。

 おそらくNHKでしょう。午後7時からの英会話放送の後,毎日,午後7時半から30分間のアメリカの実写の「スーパーマン」があって,その主役:クラーク・ケントの吹替えの声が大平透さんじゃなかったか?イヤ,ナレーターだったかな?という記憶があります。

 当時は,テレビは貴重品で普段は幕が掛けてあり,子供は父親が仕事から帰って,皆そろって見る時間まではテレビを見ちゃダメとか,夜は9時までには寝なさいとかいろいろ制約がありましたが,この「ス^パーマン」だけは,4人兄弟うだった子供たちは見ていいことになっていて,末っ子の私も毎日楽しみにしていました。

 ですから大平透さんはとても懐かしい声,懐かしい人です。

 むしろ,まだ生きて乗られるとは知りませんでした。

 その後は「スパイ大作戦(Missyon Impossible」の冒頭の「おはようフェルプス君」とか,独特の張りのある低音で,藤子不二雄のアニメ「笑うセールスマン」の主役の喪黒福造の声なども有名ですね。

 ご冥福を祈ります。合掌!!

(ん?NHKじゃなくTBSでしたか。。。)

PS:15日の金曜日は私は,34年ぶり?くらいで,1977年に上京して27歳で正社員として入社したコンピュータ関係の会社の同期の女性を含む懐かしい会社同窓会のような飲み会に行ってきて巣鴨の自宅アパートに帰宅したのは23時ころで,土曜日は疲れてゴロゴロと寝ていました。

 その昔に通っていた神保町の会社の近くの居酒屋「てけてけ」というところで19時の予約でしたので,日本橋馬喰町で15時まで勤務した後,私は杖をついていて少し進むのも時間がかかるの,まだ3時間近くもありましたが,まず,「てけてけ」の場所を確かめてから,その近くのデニーズで1時間くらい時間をつぶしてから少し早めにお店に入って待っていました。

 店員が7人予約の席というので,他には誰がくるのかな?と思っていたら,私を含め男は3人,女は4人で,1年先輩(年は同じ)のNさんと,同期のMさん(旧姓:Kさん)の他は,皆会社の後輩で,その会社で卓球より旅行がメインだった卓球部の仲間の同窓会のようなものでした。

 私は当時8人入社した男子のうちの一人で,女子も7人入社しました。

 女子は6人が短大卒の20歳,1人だけが大卒の22歳でしたが,数年のうちに全員が寿で退社しました。短大卒では私より7歳年下ですから,女子ではそれより後輩なら8歳以上は年下,今回来た女性は全てまだ50代です。

 1組は今回の会をセッティングしてくれた社内結婚のY夫婦です。

 私,その会社には13年間いて1990年(平成2年;40歳)3月年末に退職したのですが,それからほぼ12年後の平成13年(2001年;51歳)の12月にアルバイトとして復帰?して,平成17年(2005年)の11月末(55歳)までいたため,Y君と会うのは11年ぶりくらいですが,聞くと,まだ定年前ということでした。

 男性はみな頭が白いかハゲていますが,女性は皆,全然変わっていないという印象でした。(詳細は無視して,トイウコトニシテオコウ。)

 同じく11年ぶりで会った後輩の女性Sさんはまだ独身で,当時の会社に勤めて小名非しごとをしているということでした。もう一人のMさんは,わざわざ,名古屋から来られました。いずれも,とても懐かしかったです。

 その15日に遅れてきて.34ネぶりに会った同期入社のMさんは,当時中野坂上に有ったお菓子屋さんの娘さんで,私は新高円寺(杉並区梅里2丁目)に住んでいて同じ丸の内線の帰り道であったkpともあり,飲み会で同席した後はよく自宅近くまでお送りしたという記憶あります。

 私にとっては,同期の女子は皆可愛い妹のような存在で,普通に幸せになってくれたらいいな。。と思っていて,寿退社の後は,当然女子とは全員,以後音信不通で偶然会うこともありませんでしたが,久しぶりにKさんに会っても,かつてと同じような幼いままの顔つきに見えたので,この30年余りは苦労も少なく幸せだったのだな。。と感じました。

 22か,23歳で結婚退社したと思っていたので36年ぶりと思ってたのですが,本人が25歳だったというの,で34年ぶりかな。。と訂正したのでした。

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2016年4月 4日 (月)

弱い相互作用の旧理論(14)(Fermi理論)

「弱い相互作用の旧理論」の続きです。
 

今日は,ニュートリノには2種類あるという話題です。
 

§10.15 2つのニュートリノ(Two Newtrinos) 


 
ここまで論じてきたレプトンを伴なう相互作用では,S行列要素 

のレプトン部分因子が,[~()γμ(1-γ5)(~)]なる形で 

与えられるような同一のV-A構造に導くことを見てきました。

すなわち,こうした弱い相互作用ではμとeのスピノルは, 

2成分スピノルでも表現できる左巻きニュートリノに変換する 

という遷移振幅の構造を持ちます。

 しかし,ニュートリノの余分な自由度を除く方法で見たように,

パリティ非保存を与えることでは,それほど節約的であったのに 

自然は2つの物質粒子であるνとν'を与えることにおいては.

不可解なほど自由度の増加に対して寛容です。
 

このνとν'は,ほとんど同一ですが,しかし非常に異なる 

ものです。

  Feynmanダイアグラムの電子線と1つの頂点で
結ばれる

νは常に左巻きで,ゼロ(または非常に小さい)質量を持ち

ますが,これは丁度μ粒子と1頂点で結ばれるν'でも同じ

です。
 

しかしながら,それらνとν'が異なるであろうと考えられる 

第一の理由は,μ→e+γというμの輻射崩壊率の信頼には

欠けるが理論的に評価されているものと,観測分岐比: 

(μ→e+γ)/(μ→e+ν~+ν’) 10-7 

を示した実験との対比に由来します。
 

こうしたμ→e+γのようなプロセスは,特に相互作用 

を仲介する中間状態としての荷電ベクトルメソンの存在の 

仮定に訴えないなら,如何なる既知のメカニズムによっても 

弱い相互作用の1次のオーダーでは生じない反応です。
 

ベクトルメソンの仮説(vector-meson dominance), 

10-20に示されたグラフに沿う形でなされます。



  
こうしたグラフの計算から得られる答は発散し,あまり 

真面目には考慮されませんが,上述の分岐比のように 

,10-4 10-5 よりも小さい比になることを主張するのは,

かなり困難なことです。

※(注14-1):このグラフは運動量表示で質量ゼロのFermi粒子

νの伝播関数:i/(+iε)}と質量がmVのベクトルメソンの

伝播関数:(igμν)/{(p-k)2-mV2+iε}の積の因子のkに

よる積分:∫d4kを含むため,kについてはk→∞で対数発散

するはずです。まあ,繰り込めば有限になる可能性はあります

から分岐比の評価はできるかもしれません。  


(注14-1終わり)※


 
しかしながら,μと関わるν'が,eと関わるνと異なるなら,

そもそも,これらのグラフは,他のあらゆるグラフと同様に消え

ます。(※ つまり,μにもeにも同時に連結するνまたはν'

の線があるようなグラフは存在しません。)
 


  
2つの異なるニュートリノがあることの証拠となる.より信頼

できるテストは,PonrecorroSchwartzによって提案されたもの

,π崩壊による高エネルギーのν'-ビームによって,逆β崩壊

反応の初期状態とすることを意図した実験を行なうものです。
 

特に引き続く逆β反応によって生成される高エネルギー 

の電子,または,高エネルギーのμ粒子を探せばいいです。
 

この結果,μの生成は確実に観測され,一方,eの生成は 

観測されなかったので,今や,2つのニュートリノの存在 

に賛成する明確な証拠を得たことになります。
 

μとeの間には,静止質量の他に何の差異があるのか? 

そして自然は何故2つの荷電レプトンを生み出したのか? 

という難しい問いに加えて,今や,何故,自然は2つのニュートリノ 

という難問を与えるのか?ということが付け加えられます。
 

(14-2):この記事の参考テキストが出版された時代には, 

まだ,荷電レプトンはμとeの2つだけでした。
 

 その後,μよりもさらに質量が重いだけの違いしかない 

τ粒子の存在が確認され,現在ではそれらに伴なってニュートリノ 

もν,νμ,ντの3種類が存在することがわかっています。
 

これらを(,νe)T,(μ,νμ)T,(τ,ντ)Tとペアにして. 

それぞれ,ハドロンクォークの3世代:(,)T,(,)T,(,)T 

に対応させます。

(※d,u,s,c,b,tはdown,up,strange,charm,bottom,topの 

頭文字で,これらの量子数をフレイバー(Flavour:香り)

自由度といいます。)
 

ハドロンの基本粒子クォーク(Quark)がフレイバーごとの3世代, 

6個あってそれぞれ3個のカラー自由度があるる理由も,

レプトン (Lepton)のDirac粒子が上記のように3世代6個ある理由と

同じくらい不可解ですが,取りあえず,対応は付きます。

 例えば,私が学生当時に専門としていたカイラル三角グラフ

量子アノマリー(量子異常:Triangle-Anomaly)は,荷電粒子の電荷

比例する形で出現しますが,全てのクォークの電荷の和をカラー

を考慮して3倍したものと,レプトンの電荷を全て総和したもの

相殺してゼロとなり,総体としては消えます。

 したがって,3世代の対応があれば可能な全てのカイラル

三角グラフを総和すると,アノマリーフリーとなります。

 これは,t'Hooft(トフフト)により指摘されたことです。

もっとも,アノマリーも必要なもので,もしもこれが無いなら

南部-Goldstonボソンの1つであるπメソンの,π0 → 2γ崩壊

の崩壊率の計算値はゼロ,または観測値よりはるかに小さい値

なりますが,アノマリーの存在を考慮して計算すると,観測値

に合致する結果を得る,ことがわかっています。

(注14-2終わり)※
 

今日はつなぎで,とても短かいですが,一区切りなのでここで 

終わります。
 

(参考文献):J.D.Bjorken & S.D.Drell 

”Relativistic QantumMechanics”(McGrawHill)

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訃報!ダーク・ダックス。ゲタさん。。

ダーク・ダックスのバリトンのゲタさんこと,喜早哲(キソウテツ)さんが,去る3月26日に亡くなっていたことが4月3日にわかったそうです。

 直接の死因は急性肺炎ですが長く闘病中でした。 享年85歳。

  Yahooミュース → ダーク・ダックスのゲタ(喜早哲)さん,3月末に死去

  ダーク・ダックスはラジオ時代からテレビ時代にかけての懐かしいコーラスグループで,,既に2011年にはパク(高見沢宏)さんが亡くなっています。

 ゲタさんは社交的でリーダー格。。顔を見れば。。ああ,ダーク・ダックスという感じの人でした。  素敵な歌をありがとう。。安らかに。。。

 ご冥福を祈ります。合掌!!

 

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2016年4月 1日 (金)

訃報!!四代目「江戸家猫八」さん。。

 去る3月21日に四代目「江戸家猫八」さんが神奈川県の病院で亡くなられたそうです。死因は進行性の胃ガンらしいです。享年66歳でした。

NHKニュース→  四代目江戸家猫八さん」死去。66歳

         

 私には三代目の「江戸家猫八」さんの息子の「江戸家小猫」さんというイメージしかなかったです。父親と同様,鳥や虫などの鳴き声がうまく.,いろいろな意味で芸達者な人でした。。。

 顔から見ても,もっと若いと思ってたのに,まさか私と同年齢だったとは?

 ※ 下は15年前に亡くなった三代目「江戸家猫八」さんです。

 

 四代目はまだまだ活躍できる年齢でした。。惜しいことです。

 ご冥福を祈ります。合掌!!

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すごい!! 錦織.VS.モンフィス戦(テニス)

 早朝。。BSNHKでライブのテニスを見て久しぶりに興奮した。 

(※ ずいぶん昔には世界ランク4位だった伊達公子さんの試合などでずいぶん興奮したものでしたが。。。。) 

スポーツ中継ではラグビーのワールドカップの日本タ対オーストラリア戦,,そしてゴルフの松山英樹の米ツァーでのプレイオフからの優勝以来の大感激。。 

 今回は,灼熱のマイアミオープンで2時間余りにわたるフルセットの熱戦の末に錦織が大逆転勝利。。。

 ,準々決勝で,フランスの黒人選手:ランク16位のモンフィス(Monfis)戦。。 

 5度のマッチポイントを握られるも耐えて最後はタイブレイクで辛勝。。

 相手の選手もすごかったです。

 体力の限界に近いところから。。アドレナリン??

 Yahooスポーツ速報 → 

 錦織2年ぶりの4強。がけっぷちから逆転勝利

PS::本日4月1日は私が15歳になって2か月後,高校入学直前に46歳で病気で亡くなった父の命日です。。亡くなってから51年経ちました。

 岡山済生会病院で夜中の3時から4時ごろ昏睡したままの臨終でした。

当日私は前日から母と病院に詰めていて,兄姉と共に病院の廊下のソファで寝ていて起こされたのを記憶しています。

 丁度,1965年(昭和40年)の選抜高校野球で父の母校「岡山東商」がピッチャー平松を擁して岡山県としては甲子園唯一の優勝を果たした日のことでした。

 決勝は藤田平選手のいた市立和歌山商(市和商)との延長戦で,1回戦から39イニング無失点だった平松投手が唯一の得点を許し,2-1だったかな?

 もう.テレビ放送もある時代でしたが病院にいたので,ラジオで高校野球を聞いていて,まだ子供で父の死よりもその試合の方が気になっていたという,今思えばどうしようもないヤツでしたね。。。

(※ もうっ両親ともこの世にはいませんが,父は兵庫県明石市,母は和歌山市の出身なので。。私岡山県出身ですが,ルーツは関西人かな?

 当時はもう一人友達だったS君が春休み中にO君と2人乗りバイクでトラックにはねられて亡くなり,クラスでS君の実家の葬儀に参列しました。そのほうが悲しかったという記憶も。。

 私立の中学から高校(金光学園)へのエスカレーター式で,入試はなかったし,気楽な春休み中のことでした。。

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