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2016年7月

2016年7月31日 (日)

わが青春の山崎ハコ

 人生も終わりかけて今更ながら青春の残り火を追いかける。。

 でもこれも平成11年(1999年)頃の映像??

 疲れて。。,ブログも手抜きで他人のフンドシでスモウですか。(^^;) 

 私の人生暗すぎる。。。 ずっと精神を病んでいた私は今は体の障害,

 今も昔も私は社会のゴミですか。。 

 ムダ飯食いの抹殺されるべき存在??

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2016年7月30日 (土)

訃報!!中村紘子さん。。

ピアニストの中村紘子さんが7月26日大腸ガンのため亡くなられたそうです。

享年72歳でした。まだ若いです。。私より6歳年上ですが。。。

NHKオンライン → ピアニストの中村紘子さん死去。。72歳

             

 私のまだオーディオ趣味が本格的でなくて,カセットデッキくらいしか持ってなかった頃に,それでもジャズ、POPS,その他,無節操にクラシックも含め気にいれば何でも聞いていたころですが,色々な,テープとともに,彼女の「ショパン名曲集」という市販のカセットテープを購入して聞いていました。

 ポロネーズなどを初めて聞いたのは確か,このテープからです。

 その後,クラシックはアシュケナージからアルゲリッチ。。バックハウスや日本では横山君や盲目の辻井君なども聴きましたが。。

 ショパンは中村さんの演奏は心地よい響きでしたね

 ジャズはビル・エバンスやキース・ジャレット,チック・コリアなども好みでした。  デューク・エリントンとコルトレーンのコラボとかもね。。

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2016年7月27日 (水)

クライン・ゴルドン方程式(6)

前後しますが,「弱い相互作用の旧理論」については一応

終わったので,クライン・ゴルドン方程式(Klein-Gordon eq.)

の続きに移ります。
 

ただし, 「弱い相互作用の旧理論」の最後のCVC

の記事とPCACの記事では,自分の中でまだ納得してない

不完全燃焼の部分が残っているのでPending状態ですが。。。 

 それに,急いでもないのに後回しですが。。。

 以下,本題です。
 

§9.6 高次のプロセス(Higher-order Processes) 

ここまで,主として電子に対する伝播関数の理論を模倣して

きましたが,この理論展開を,さらに続けることができて,前の

例から高次の計算法則が推測できます。
 

すなわち,電子のケースのFeynmanルールから,荷電π中間子

に対するルールへの主要な変更は,次のように書けるとが

わかります。
 

.9.6に示すように,運動量pからp'へとπ中間子を散乱

する電磁頂点では,時間的に未来,過去の両方向に対して,電子

頂点からπ頂点への変更の結果は,次のような置き換えと

なります。


 

すなわち,eγμ → e(μ+p'μ) です。
 

(ただし,eは,eγμでは電子の電荷,(μ+p'μ)では,

荷電π中間子の電荷を意味します。)
 
. 2次の相互作用項:(-e2μμ)に対応する光子2個連結

のπ頂点,2i2μνなる因子として寄与します。


 

これは,先のπのCompton散乱のS行列要素: 

pfpi(i2ε0-2)(2π)-6(16ωiωf0k'0)-1/2 

(2π)4δ4(f+k'-pi-k) 

×[{ε(2i+k)}{(i+k)2―μ2}-1{ε'(2f+k')} 

{ε'(2i-k')}{(i-k')2―μ2}-1{ε(2f-k)} 

2εε']


 において,[ ]の中の最後の項に反映されています。
 

2i2μνの因子i,この項に対する摂動展開のパラメータです。
 

このS行列要素の式はe2のオーダーの計算ですが,(μ+p'μ) 

については摂動の2次なのに,この項は摂動の1次の計算なので

現われるため出現する因子です。
 

つまり,通常の積分方程式のn回の反復近似から得られるn次の

摂動項では,因子:(i)nが出現するため,(μ+p'μ)の寄与を

nのオーダーまで計算するとき,-e2μμ項が計算にm回

出現するなら,このiは因子:(i)n-2mim(i)n-m×(1)mとして

寄与するわけです。
 

(6-1);電子のFeynman規則では,実は1頂点には,単にeγμでは 

なく(i)という因子も伴なった(ieγμ)が対応します。
 

それ故,πの頂点でもe(μ+p'μ)だけでなく,正確には 

{i(μ+p'μ)}が対応するのですが,この余分の(i)

,摂動級数の4元座標変数積分の前に掛かる(i)因子に

起因します。
 

したがって,光子がn個連結した頂点には通常はenに因子:(i)n 

が付随します。
 

しかしながら,(-e2μμ)がm個挟まってトータルでenの寄与

頂点ならルールは修正されて,n-2mに寄与する(n-2)重の 

(μ+p'μ)からの摂動級数因子:(i)n-2,m重の

(-e2μμ)からの摂動因子(i),および,(-e2)から

2mを除いた(1) を掛け合わせたiの寄与があります。
 

結果的には,(i)n-2×(i)2×(i)(i)n-2×i

(i)n-なる係数がenのオーダーの項の係数として寄与する

はずです。
 

したがって,(-e2μμ)1個当たりの虚数係数の寄与

としてはiです。 (6-1終わり)
 

2i2μνの係数因子2は,この頂点での崩壊や散乱において

生成,または消滅される量子(光子)が常に2個であるために

出現します。 (9.7参照)
 

ちなみに,ゲージ不変性のテストは,与えられたeの任意

オーダーに寄与するあらゆるグラフの総和を示す相互作用

振幅に対して適用されます。
 

前の例でも見たように,摂動級数の各eのオーダーごとに

ゲージ不変性が成立するため,これはp^A+Ap^とAA

に由来する項の相対因子が正しいかどうか?の簡単で有用

なチェックを与えます。
 

.運動量がpの内線に対応する伝播関数については,次のように 

置換します。

 i/(-m+iε)i(+m)/(2-m2iε)
→ i/(2-μ2iε)

です。
 

.外線に付与する規格化因子は電子スピノルのそれに取って

代わって次のようにします。

 (/)1/2() {1/(2ω)}1/2 です。
 

他の全ての因子:特にiと(2π)のべき乗については厳密に電子に

対するものと同一です。
 

最後に.同種粒子線を交換しただけのグラフの振幅に相対的

マイナス符号を付与するかどうか?という問題が残っています。
 

電子については,2つの同種粒子の交換を反対称とする

というPauliの原理によって,電子が交換されたグラフに

相対的なマイナス符号が導入されました。
 

一方,実験的検証の示すとところによれば,π中間子は

Bose粒子です。すなわち,それはBose-Einsteinの対称

統計を満足する粒子です。
 

特に,反応:→ π+π+πでは,2つのπ

中間子は1つの相対的S状態に放出されます。
 

さらに,Pauliによって初めて与えられた強い理論的根拠が

あります。
 

つまり,スピンと統計の間には密接な関係があって,スピン

が半奇数の粒子達はFermi統計に従がって排他原理を満たし,

整数スピンの粒子達はBose統計に従う故に,対称化される,

ということです。
 

こうした論旨は後に述べる予定の場の量子論の枠組みの

中で最もうまく論じることができます。
 

しかし,ここでは単に今記述しようとしているスピンがゼロ

の粒子はBose-Einsteinの対称統計に従う粒子であることを

意味するBose粒子であると仮定します。
 

このことはBose粒子の交換だけが異なるグラフの振幅の間

の関係は,相対的()符号ではなく()符号でなければなら

ないことを意味します。
 

したがって,もはや閉じたループ上の積分や,散乱グラフと

消滅・生成グラフとの間に,電子のケースのような(1)

因子は出現しません。
 

これらの(1)の因子は,8.1()や図8.1()の電子の過程

に対応する振幅において空孔理論の状態へのPauliの排他原理

の適用によって導入された因子でした。


 

しかし,Bose粒子に対しては,状態が全て満たされている

負エネルギー粒子の海などは無く,空孔理論とは異なる道筋

,こうした相対的符号を論じる必要があります。
 

同種のBose粒子のCoulomb散乱においては,9.8の2つの

グラフの振幅間の相対的符号はプラスです。


 

これら,2つの線のエネルギーの符号を変えることで

Bose粒子の粒子-反粒子散乱に対する振幅を得ることが

できます。
 

例えば,入れ換え;q2 ⇔ -p2 によって,9.9に示された

グラフの振幅が得られます。


 

9.9のグラフに対応する2つの振幅間の相対符号は

入れ換え;2 ⇔ ―p2が単に,散乱グラフの図9.8から図9.9

に移行する変化なら,正のままです。
 

この入れ換え;q2 ⇔ ーp2,電子のプロセスにおいて, 

1⇔p1, 1⇔p1,2⇔-q1,2⇔-q1,なる

入れ換えで,既に遭遇した法則と同じ置換法則の一つの例であり

これによって,中間子(Bose粒子)の振幅に拡張されます。
 

こうした法則は図9.10の全ての3つのグラフの振幅に対して

相対的符号プラスへと誘導します。


 

9.10()と図9.10()は頂点yの下では同等であり,それ故,

それらの間では相対的符号は()です。
 

一方,9.10()に相対的に,9.10()uvの間に付加

した散乱相互作用の導入は,符号変化は伴わないため,先述

したように,9.10()の閉ループに伴なって(1)因子が生じる

ことはないと結論されます。
 

π中間子やK中間子のようなスピンゼロBose粒子の電磁

相互作用の高次の計算については,また,くり込みの効果を

示すという課題があります。
 

これは,テキストの第8:本ブログでは

「量子電磁力学の輻射補正」シリーズ記事において電子に

対して行なったものの完全なアナロジーとして追跡すること

ができます。
 

しかし,実際にこうしたアナロジー追跡の詳細に立ち入ることは

しません。
 

このことの主な理由は,電子とは異なり中間子π,Kにはそれら

自身や核子:,nとの,電磁相互作用よりはるかに強い相互作用

があるためです。
 

したがって,計算結果の物理的観測との比較が可能となる前に,

この強い相互作用の効果をも含まれなければならないからです。
 

そこで,高次の電磁相互作用の効果の詳細よりも,これら非電磁

相互作用の論議の方が重要です。

 そして実際,この章の続きとし
て強い相互作用,弱い相互作用

のトピックに移り,これも本ブログ記事で紹介しました。
 

今日はここで終わります。
 

次回は,lein-Gordon方程式の非相対論的近似について

述べる予定です。
 

(参考文献):J.D.Bjorken & S.D.Drell 

"Relativistic QantumMechanics"(McGrawHill)

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2016年7月25日 (月)

ジジイの日記のようなもの

 最近好きな女性タレントは,みやざきよしこちゃん。。さとうひとみちゃん。わたなべなおみさん。人妻ですが,いけなみしのさん。。かたせりのさん。。。

 そしてAKBは みねぎしみなみちゃん。。やなぎはらかなこはあまりtVで見なくなった。。オカリナはかわいい。。

タレントじゃないかもしれないがむろいゆづきさん。。イイネ

 むかしはいちげよしえさんや,ふじよしくみこさん。。ふじたにみわこさん。。

いまでがわにしきさん も好きでした。もっと前はにきてるみさん。。

 なかごしのりこさんもきたがわけいこさんもイケメンさんにもっていかれました。。

 昔から嫌われキャラなのか本当にそうなのか?まわりの同性からは嫌われてるらしい人が好きでした。

 それでもうのちゃんやデビ夫人やわだあきこさん。。まちゃみ。。なんかは全然好きくないけど。。

 さとうたまおさんとか。。にしかわ先生とか。。ゴルフのこがみほさんとか。。卓球のあいちゃんとか。。まおうとよばれてるらしいすぎたかおるさん(チイ坊)とかのりピーなどは好みですネ。

 高校生時代も同性たちから極めて評判の悪かったらしいY,Yさんにあこがれていましたネ。

 不健全なタマシイが 不健全な身体に宿っている。。

体調不全で幼児還り。 小人,閑居して不善をやりまくり。。

もう先が無い。。。。人間66年。。。

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2016年7月22日 (金)

訃報!!大橋巨泉さん

 タレントの大橋巨泉さんが去る7月12日に亡くなられたそうです。

 享年82歳でした。。

日刊スポーツ→ 大橋巨泉さんが死去,12日,急性呼吸不全 82歳

 ちょっと,ここ2~3日他人の訃報を書くどころじゃなく,自分の身が心配される状況だったので訃報が遅れました。

 このところ,ザピーナッツ,永六輔さんとわが青春のテレビの神様のような人々の訃報続きでした。 巨泉よおまえもか。。。

 。巨泉といえば11PM(イレブンピーエム)というくらいで,我が家にテレビが来た私が小学5年生の昭和36年頃はガキは夜の11時には寝てる時間で,夜中は大人の時間でした、

 中学に入る頃からはちょうど色気づいた頃で入試勉強などで夜になると親が早く寝たときを狙ってこっそり見ていました。 

 テレビ放送ではオッパイ半分出すだけでも珍しいという時代でしたから温泉紹介とか心ときめきました。

 ハッパフミフミとか,クイズダービーの司会などもありますが,,TV時代の天才の一人でしょうか。。

 マエタケもキンキンも亡くなりましたし。。

 ご冥福を祈ります。合掌!!

PS:私は選挙には投票に行きませんが.鳥越さんなら応援活動くらいやりたいなと思いました。当然,足手まといで声かかりませんが。。。。

 政策がはっきりしないとか,いいますが,全てのことを知事が孤独に独力でやる必要はないと思います。志を同じくする専門ブレーンのスタッフを集めて最良の方法を模索すれば。。。

 理想ばかりと,いいますが,優れた志,,思想があれば政策はついてきます。

 小池さんも嫌いじゃないですが,前知事のように,公僕というより自分の自己実現が主体のような色気が出過ぎている感があると感じます。

 日本は地方の知事にはいますが,サッチャーヤメルケルのような中央での女性首長が活躍する土壌がまだ無いので,先鞭をつけるという意味はありますが,都議会や都職員などシロアリと戦かっても,外務省と田中真紀子さんの結末のようになるのでは?と危惧しています。

 それにしてもマスコミ報道はヒドイ,。。。21人も立候補している都知事選挙なのに,連日有力な3候補ばかり特別扱い。。。

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2016年7月20日 (水)

弱い相互作用の旧理論(17)(Fermi理論)

 「弱い相互作用の旧理論」の続きです。


  前回のCVC仮説(=ベクトルカレントの保存)について

 ブログ記事を書くついでに20年以上ぶりに考察して細かい

 計算などチェックしつつ、まだで納得できない部分もあり

 ますが,取りあえず次のPCACの項目に移ります。
 

§10.17 軸性ベクトル相互作用の部分的保存(PCAC) 

(Partialy Conserved Axial vector Coupling)
 

核子の周りの中間子の雲は,軸性ベクトル,またはβ崩壊相互

作用のGamow-Teller部分にもまた影響すると考えられます。
 

α~1.21という数は,中間子の雲の影響に由来して,ベクトルの

結合定数に軸性ベクトルの強さを関連付けるものであると解釈

します。
 

αは1に近い数で,仮想の中間子の雲による結合の強さの

くり込み計算は対数的に発散する値を与えます。
 

これは,軸性ベクトルのβ崩壊結合に対しても,恐らくは近似的

な保存則が成立しているだろうこと,を示唆しています。
 

現時点では,このおぼろげなアイデアも,他の如何なるアイデア

に基づいても,αの大きさを説明するための進歩は,なされて

いません。
 

そこで,αの値の説明そのものについては,ここでは,これ以上

考えないことにします。
 

しかし,弱い崩壊振幅における核子の部分的に保存する

軸性ベクトルカレントに結合するレプトンカレントという

アイデアは,以下に論じるように,荷電π中間子の観測寿命

に適合するよう予測計算を行なうことにおいて,幾らかの

成功を得ています。
 

軸性ベクトルカレントへの最も単純な輻射補正は,10.22

に示すように単一のπ中間子を含むグラフです。


 

ここまでのFeynmanルールによれば,これはβ崩壊の不変振幅

に次のような項として寄与します。
 

すなわち,

in(Ga/2)(ig√2)[p~(p)iγ5(n)](2-μ2)-1 

×(iμ)[e~(e)γμ(1-γ5)ν(ν~)] です。
 

ただし,(Ga/2),前に与えたπ中間子崩壊のS行列要素: 

fi(π)(-i)(2π)-9/2{/(4k~)}1/2(Ga/2) 

μ~(e)γμ(1-γ5)(~)(2π)δ(π-pe-k~) 

における結合定数を示しています。
 

また,gはπ-Nの強い相互作用の結合定数であり.追加の因子 

2は荷電π放出のアイソスピン行列に由来する係数です。
 

弱い相互作用の1次のオーダーで,10.23に示すようなグラフ 

に由来する,多くの追加の寄与があります。

こうした全てのグラフの寄与は次のような形に書けます。

すなわち,=Fμ(+)(Pp,Pn)u~(peμ(1-γ5)v(k~)

です。

  
ただし,μ()(p,n)(Ga/2) ~(p) 

×[γμγ51(2)+qμγ52(2)+pμγ53(2)](n) 

q=Pn-Pp=pe+k~,p=Pp+Pn です。
 

この形式の特徴は,電磁カレントに対して作成したものに同様

です。唯一の違いは,軸性ベクトルカレントを作成するために

γ5が挿入されていることです。
 

もしも,μ()(p,n)への寄与が,10.23のように, 

アイソベクトルの()成分として変換すると仮定するならば, 

このことを示すことによって,この形をさらに簡単にすること

できます。
 

すなわち,3(2)0 です。
 

これは,強い相互作用の荷電共役(Charge cobhugatuon)不変性

アイソスピン不変性に基づくものです。
 

これを示すため,10.23()の頂点τをτ3にし,10.23()

でのレプトンに結合するπ中間子の放出頂点でも,τをτ3

に変えることによってμ()(p,n)をアイソ空間で回転させます。
 

強い相互作用の荷電独立性のために,これはμ()(p,n) 

アイソベクトルの第3成分に変換させます。
 

特に,陽子pについては, 

μ3(P',)(Ga/2) ~(P') 

×[γμγ51(2)+qμγ52(2)+pμγ53(2)]() 

 q=P-P,p=P+P となります。
 

強い相互作用の荷電共役不変性によれば,10.23のグラフに 

由来するμ()(p,n)(Ga/2) ~(p) 

×[γμγ51(2)+qμγ52(2)+pμγ53(2)](n) 

なる付加的寄与においては,
 

陽子が反陽子に置き換えられた場合でも,"裸の"陽子カレント

と同様,μ()(p,n)μ3(’,)に帰着させられる必要があります。
 

つまり,運動量PμからP'μの状態へと散乱される反陽子

の荷電共役遷移については,

  
参考テキストでは.第6章伝播関数.
本ブログでは,

散乱の伝播関数の理論」で論じているように,

運動量(-P'μ)から(-Pμ)の状態へと散乱され,

時間的な前方,つまり過去へと伝播する負エネルギーの

陽子に対応する下図10.24グラフで記述されます。
 

これに対応する頂点がγμγ5の素朴な軸性カレント: 

μ(P',)=u~(P')γμγ5(),荷電共役変換

:Cで,~()γμγ5(P')

=-u()-1γμγ5Cu~(P')exp{iδ(P',)} 

=-u~(P')γμγ5()exp{iδ(P',)} なる等式

を満たします。
 

これは,つまり,

Aμ(-P,-P')=-JAμ(P',)exp{iδ(P',)} 

を意味しています。
 

200912/20の過去記事:Diracの空孔理論(2)」によれば, 

Dirac方程式に従う陽子の荷電共役変換演算子:Cは,行列表示で 

C=iγ2γ0=-iγ2γ0と選択することができます。

  
このとき,-1=C=-Cであり,陽子の正エネルギー

Pのspinor:(,),と負エネルギー:(-P)spinor:

(,)のスピンSを省略した表現では,

exp{iδ()}()=Cu~(),よって, 

exp{iδ()}()=γ0()-1, 

or exp{iδ()}~()=γ0()-1γ0と書けます。
 

これから,~()γμγ5(P') 

=γ0()-1γ0γμγ5Cu~(P')

exp[i{δ()-δ(P')}]となりますが,

  
γ0()γ0=u(),(γ0)21,γ0-1γ0=-C-1

より位相変化をδ(P',)=≡δ()-δ(P')で定義

すれば,
  
~()γμγ5(P') 

 =-u()-1γμγ5Cu~(P')exp{iδ(P',)}

 を得ます。
 

さらに,()-1γμγ5Cu~(P')

[()-1γμγ5Cu~(P')] 

=u~(P'){-1γμγ5}()ですが,

 
C=iγ2γ0より,
-1=C,(-1)=C なので,

{-1γμγ5}=C-1γ5γμ=γ5-1γμ

=-γ5γμ=γμγ5より,

-u()-1γμγ5Cu~(P')=-u~(P')γμγ5() 

が得られるわけです。 (17-1終わり)
 

(17-2):より詳細にDirac粒子の荷電共役不変性

 (Chargeconjigation)の意味について振り返るため,

200912/20の過去記事:Diracの空孔論(2)から一部を抜粋

して再掲し,粒子と反粒子の対称性を意味する荷電共役不変性

の項目を復習しておきます。
 

(再掲開始↓) 

Diracの空孔理論は,取り得る全ての負エネルギー状態が完全に占有 

された負エネルギー電子の海(=真空)において,エネルギー:(-E) 

(E>0),および,電荷e(電子の場合はe=-||0)を持つ電子1 

の欠損を示す,負エネルギーの海における1個の空孔(hole),1個の 

正エネルギーの陽電子の存在に同等である,と解釈する理論です。
 

 そこで,この解釈では電磁場Aμがある場合の質量mの電子波動関数

 Ψが従うDirac方程式:(i-e-m)Ψ=0 の負エネルギー解

 と,正エネルギー陽電子の固有状態を示す波動関数が1対1に

  対応するはずです。
 

ただし,≡γμμ,iiγμμiγμ(/∂xμ),

≡γμμです。
 

μ^i(/∂xμ)ですから,^iであり, 

自由電子のDirac方程式に,極小相互作用変換:

μ^→ pμ^-eAμ施して得られるものが,μ

存在する場合の上記の電子波動関数に対する 

波動方程式です。
 

こうした解釈により,陽電子の波動関数Ψcは電子とは正の電荷

(-e)を持つだけ異なる,電子と同じ波動方程式を満たすはず

なので,それは,(i+e-m)Ψc0 の正エネルギー解である

と考えられます。
 

 このことから,2つの方程式を互いに変換させる演算子を作る

という発想に導かれます。
 

これを遂行するためには,変換の結果として,2つの演算子;

^iの間の相対的符号が変換前と異なるようになる

ことが必要ですが,これは単に複素共役を取ることで可能です。
 

 すなわち,{i(/∂xμ)}=-(/∂xμ),μ=Aμ

 なので,(i-e-m)Ψ=0, or

{γμ(iμ-eAμ)ーm}Ψ=0,両辺の複素共役を取ることで

{(iμ+eAμ)γμ*+m}Ψ0 となります。
 

もしも,(Cγ0)γμ*(Cγ0)-1=-γμなる代数関係を満たす 

正則行列Cγ0を見出すことができれば, 

{(iμ+eAμ)(Cγ0)γμ*(Cγ0)-1+m}(Cγ0Ψ)0

より,{(iμ+eAμ)γμ-m}(Cγ0Ψ)0 となります。
 

 ところで,Ψ~=Ψγ0より,γ0Ψ=Ψ~ですから,

このCγ0用いてΨc≡Cγ0Ψ=CΨ~と定義すれば,上記

方程式は,{(iμ+eAμ)γμ-m}Ψc0となり,

陽電子の波動関数をΨcとしたときに,それが満たすベキ方程式

に一致します。
 

 今,用いているDiracガンマ行列の表示では,C=iγ2γ0と選択

すれば,C=-C-1=-C=-Cであり,(γμ)-1=-γμ,

または-1γμC=-(γμ)となり,それ故, 

(Cγ0)γμ*(Cγ0)-1=γ0γμ +γ0=-γμです。
 

したがって,C=iγ2γ0,上記の(Cγ0)γμ*(Cγ0)-1

=-γμなる条件を確かに満足します。
 

任意の表示はユニタリ同値なことから,これは任意の表示の

変換でも常に(Cγ0)γμ*(Cγ0)-1=-γμを満たすCを作る

ことが可能なことを示すに十分です。
 

しかし,(i+e-m)Ψc0を満たすような

Ψc≡Cγ0Ψ=CΨ~を与える荷電共役演算子:Cの定義に

おいては,位相の任意性があることに気付きます。
 

例えば,今の行列でのC=iγ2γ0なる陽な表現では,Ψciγ2Ψ

です。そこで,静止した負エネルギー電子:

Ψ=(2π)3/2[0,0,0,1]exp(imt)であれば,

Ψciγ2Ψ(2π)3/2[1.0,0,0,1]exp(imt)

となります。
 

これは,静止したspin-downの負エネルギー電子の欠損が.

静止したspin-upの正エネルギー電子の存在に等価という描像

に対応しています。
 

この場合には,荷電共役変換後に位相変化は無いように

見えますが,一般には,

exp{iδ(,)}(,)=Cu~(,), 

exp{iδ(,)}(,)=Cv~(,) となって 

(,)とu(,)が互いに位相因子:exp{iδ(,)}

を伴なう運動量表示の荷電共役spinorの対になると

考えられます。
 

波動関数の位相には何の物理的意味も無いように見えますが,

実はこれにも重要な意味が隠されている場合があります。  

(再掲載終了)  (17-2終了)※ 
 

陽子pの素朴な軸性カレントにおける荷電共役不変性: 

~()γμγ5(P')

=-u~(P')γμγ5()exp{iδ(P',)},
 

または,Aμ(-P,-P')=-JAμ(P',)exp{iδ(P',)} 

での位相因子:exp{iδ(P',)},運動量とスピンから決まる

量です。
 

一方,β崩壊のハドロンカレント因子での強い相互作用のπの雲など 

の高次補正を含む軸性カレントの第3成分: 

μ3(’,)(Ga/2)u~(P') 

×[γμγ51(2)+qμγ52(2)+pμγ53(2)]()

, こうした補正前の素朴なカレント:Aμ(P',)

と同じ荷電共役変換性を持つと考えられます。
 

すなわち,μ3(-P',-P)=-Fμ3(P',)exp{iδ(P',)}です。
 

これから,容易に,3(2)0となることが結論されます。
 

(17-3): μ3(-P',-P)(Ga/2)~() 

×[γμγ51(2)+qμγ52(2)-pμγ53(2)](P') 

ですが,


 
一方,μ3(P',)(Ga/2)~(P')
 

×[γμγ51(2)+qμγ52(2)+pμγ53(2)]()

です。ただし,q=P'-P,p=P'+Pです。
 

そして,荷電共役によって, 

~()γμγ5(P')=-u~(P')γμγ5()exp{iδ(P',)}, 

かつv~()γ5(P')=-u~(’)γ5()exp{iδ(’,)} 

が成立します。


    故に,μ3(P',)exp{iδ(P',)}(Ga/2)~()
 

×[γμγ51(2)+qμγ52(2)+pμγ53(2)](P') 

です。 

これが,μ3C(-,-P')(Ga/2)~() 

×[γμγ51(2)+qμγ52(2)-pμγ53(2)](P') 

に恒等式的に等しいことから,

  
3(2)0 が結論されます。(注17-2終わり)※
 

軸性ベクトル部分の図10.23()のようなグラフに由来する

β崩壊の振幅への寄与は,10.22のグラフの最低次の

不変振幅: 

 Min(Ga/2)(ig√2)[p~(p)iγ5(n)](2-μ2)-1 

 ×(iμ)[e~(e)γμ(1-γ5)ν(ν~)]

 に,あるq2のスカラー関数(2)を掛けたもので与えられる

 と考えられます。ただし,ここではq=Pn-Ppです。
 

 よってβ崩壊でのπ-N頂点の寄与による摂動の全ての次数 

 の修正の総和は,上記振幅での[p~(p)iγ5(n)]の因子

 を,[p~(p)iγ5(2)(n)]なる形の相互作用因子に

 置き換えることで得られると考えられます。
 

  ここに,(2),不変運動量遷移q2の不変関数です。
 

 これは,奇数個のγ5頂点があるとき, pnDirac

 自由粒子外線の次に位置するところまで右から左に交換

 させ移動させて,核子の質量Mに置換できるという事実

 から従います。
 

  こうして,核子の雲の中に単一のπ中間子が,直接レプトン

 と結合する図10.23(b)のようなグラフの寄与は,μγ5

 比例するため,

 Fμ()(p,n)(Ga/2) ~(p) 

 ×[γμγ51(2)+qμγ52(2)](n)

 の右辺の2(2)にのみ寄与します。
 

 そこで,2(2)から図10.23()のようなグラフの寄与

 を分離して,

 F2(2)=2~(2)(-ag√2)(2)/(2-μ2) 

 と書きます。
 

定数aは,以前に荷電π中間子崩壊の論議で予測計算値が

πの観測寿命に合致するよう導入された,結合定数Gの

係数です。
 

形状因子:(2),2=μ2において,§10.8のπ-N散乱

で論じられた,π-N結合定数:gの観測される強さによって

より明確にされます。
 

gは,物理的に観測された結合定数の評価:

2/(4π)14一致するように取られる定数であり,

 

(2),2=μ21に規格化されます。

(μ2)1です。
 

2(2)については,何の情報もありません。しかし,これは, 

軸性カレントqμγ5の係数であって,反跳補正:/

に等しいのでβ崩壊では観測されません。
 

一方,これまでの論議から1(0)=-α~ -1.21であること

がわかっています。
 

こうした準備に基づいて,PCAC=軸性ベクトルカレント

の部分的保存という課題を考察します。
 

もしも軸性カレントも,(極性)ベクトルのカレントと同様に

正確に保存するなら,qμμ()(p,n)0 が成立します。
 

この式と,μ()(p,n)の形状因子構造 

μ()(p,n)(Ga/2)~(p)

×[γμγ51(2)+qμγ52(2)](n) 

を組み合わせると,

21(2)+q22(2)0 が得られます。
 

(17-4):何故なら,  

μ~(p)[γμγ51(2)+qμγ52(2)](n) 

=u~(p)γ51(2)(n)+q2~(p)γ52(2)(n) 

ですが,


  u~(p)γ51(2)(n)=u~(p)(np)γ51(2)(n) 

=-u~(p)pγ51(2)(n)-u~(p)γ51(2)n(n) 

=-2Mu~(p)γ51(2)(n) です。

  故に,
μμ()(p,n)0,~(p),(n)について恒等的に 

~(p)γ5[21(2)+q22(2)](n)0 

が成立することを意味するため,

 21(2)+q22(2)0 です。 (注17-4終わり)※
 

したがって,もしも正確に軸性カレントが保存うると仮定

すれば,2(2)=21(2)/2となるのですが,これは

1(0)≠0より,2(2)がq20に極を持つことを意味

します。

  
これはつまり,2(2)が関わる相互作用では,質量がゼロ

擬スカラー粒子の交換が寄与することを意味しています。
 

この2(2)のq20の極を,

2(2)=2~(2)(-ag√2)(2)/(2-μ2)

なる表現におけるπ中間子交換の極:2=μ2と関連

付けよう,という発想は魅力的です。
 

つまり,π中間子の質量がゼロなら,軸性カレントも正確に

保存されるはずでしたが,πのゼロでない質量μの存在で,

このカレントの保存が破られているのでは?という連想が

生じるわけです。
 

そこで,qμμ(+)(Pp,Pn)=0 の代わりに,

修正された仮説:

0=limμ→0[qμμ()(p,n)]limnμ→0[u~(Pp5

×{ 21(2)+q22(2)ag√2)(2)/(2-μ2)}

u(Pn)] を採用します。


  この構造が,現実のπ質量のμ≠0でも,q2=0においてほとんど

ずれがなく成立すると仮定すれば,


  
近似的に,
2Mα=ー21(0)~ag√2が成立すること

になります。(※(0)=μ2?。。)

  
数値的にはα~1.21,2/(4π)14より 

 |a| 0.87μなる予測値を得ます。

(※(注17-5):私の計算では.g√2~(104π)1/2,M~940MeV.

μ~140MeVより,a=2Mα/g√21~26.137MeV=0.90μ

です。  (注17-5終わり)※

  これは,以前にπ±崩壊の論議で,π±の観測された平均寿命

から評価された|| 0.93μと10%以内の誤差で一致

します。

   
こうしたπ中間子の崩壊率,Fermi定数Gとπ-N結合定数

gの間の関係は,GoldbergerとTreimanによって初めて導出

されたものです。
 

次いでこれがPCACの帰結であると論じたのは,

南部(Nambu),Bernsteinによるものです。

 

以上,「)弱い相互作用の旧理論(Fermi理論)」については,

これで終わります。
 

実は参考テキスト(Mechanics;量子力学)もこれが最後

です。

   
私のノートではこれの読了期日は1994年4/27(44)

となっています。これは22年前バブルも終わりかけて,私は

定職を離れて本格的なプータロー生活となった頃です。

  金無し,ヒマありでしたから,過去の専門に戻るというこの

変態趣味にふける,くらいしか,自己実現の道がなかった

と当時は考えたようです。結局,今も続いてますが。。。
 

さて,同じ著者:B-Jのテキストの続きは,がもう1巻,11

から始まるもの(ield;場理論)があり,実は私は,この順で

順序良く読んだのではなく,学生時代に両方ともテキストと

して使用していた当時から,並行して読んでいました。
 

弱い相互作用については,古典的なFermi理論はこれで

終わりますが,新理論というのは,ニュートリノに質量がある

ということも含むのが条件でしょうが,
 

その中間にあるWeinberg-Salam理論や,その予想通り実際

に発見された弱い相互作用のゲージ粒子(-Boson),

カラー「クォークを含む最近の旧理論なども,できれば

別記事として紹介する予定です。。
 

まだ,命があれば。。。。。
 

(参考文献):J.D.Bjorken & S.D.Drell 

”Relativistic QantumMechanics”(McGrawHill)

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2016年7月11日 (月)

訃報!!永六輔さん。。

作詞家.放送作家などマルチな才能の永六輔さんが去る7日木曜に死去されていたことが11日にわかったということです。 享年83歳でした。

 

NAVERまとめ → 永六輔さん死去。突然の訃報 

       

 永六輔,中村八大,坂本九の六,八,,九トリオの「上を向いて歩こう」や,ジェリー富藤尾が歌う「遠くへ行きたい」,。。それに梓みちよ第2回レコード大賞の「こんにちは赤ちゃん」など,作詞でも名作に事欠かない方です。 

 すぐ前の,訃報:「ザ・ピーナッツ」同様,わが青春時代のシンボルのよう方のお一人。。。最近は長くパーキンソン病を患っているときいてました。

 この人が死去されたと聞いては,もう何も言うことはありません。

 ご冥福を祈ります。。合掌!!

PS:6月末に2年くらい前に仕入れた,1Kの部屋の1の方の天井のシーリングの蛍光灯が切れてしまいKました。

 蛍光灯だと寿命は約1万時間ですが,LEDにすると同じ型で4万時間も持つらしいです。発熱電球系じゃないので電気代のコストも安いかも。。

 今は足が不自由になって踏み台に上がるとこわくて手が離せないので,,自力では蛍光灯も本体も交換できません。。

 蛍光灯交換4回の方が,LED本体買うより安いのでしょうが,結局本体ごと交換してLEDにしました。 

  これで死ぬまで大丈夫?ん。4万時間の倍くらいは生きとるわい。。

 昨日,はパソコンデスクの上の蛍光灯スタンドも寿命。。。

 こういことはまとめてくるらしい。これも今は安くなったLEDランプにすkるかな。。

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訃報!! ザ・ピーナッツの伊藤ユミさん。

 双子のデュエットとして日本のテレビ番組創生機期間に活躍した「ザ・ピーナッツ」の妹の方の伊藤エミさんが既に2か月前の5月18日に亡く()なられていたことが7月11日にわかりました。享年75歳でした。

 Yahooニュース→  ザピーナッツの伊藤エミさん死去

 

 

姉の伊藤エミさんは科歌手・沢田研二さん(タイガースのジュリー)の前ですが去る2012年6月15日に71歳で死去されています。

 私のうちには小学5年生11歳のしょうわ36年にはじめてテレビがきたのですが,その頃はビデオ放送は海外の湯みゅう番組だけで日本の放送はもっぱら生放送でした。

 黒柳哲子さんも初のテレビ女優という感じでしたが,当時バラエティはナベプロの「シャボン玉ホリデー」と四つのNHK「夢で逢いましょう」くらいでした。夕方の「シャボン玉ホリデーは」布施明,クレージーキャッツ」にザピーナッツという感じでした。なつかしい。。

ご冥福を祈ります。合掌!!

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2016年7月 6日 (水)

中性子の平均寿命の計算(Fermi理論) Pending

                             

弱い相互作用の旧理論に基づいて,具体的に中性子nの 

β崩壊:n→p+e+ν~の崩壊率を求めてみようと

思います。

 まず.Fermi理論に基づく,nのβ崩壊S行列要素 

,fi(-i)(2π)-6-2{np/(2npeν~)}1/2 

×(2π)4δ4(-P-p-pν~)fi  

と書けます。
 

ただし,fi,この崩壊反応の不変振幅です。
 

元運動量:ν~で作用領域から出ていく反ニュートリノ: 

ν~,4元運動量:-pν~で入ってくる負エネルギーの 

ニュートリノ:νのスピノル:ν(ν~)で表現されます。
 

核子の散乱振幅が,核子:(,)のV-Aカレントと, 

レプトン:(,ν)のV-Aカレントの積で与えられる 

という.これまでの論議を適用すると,

 
不変振幅は,

fi(/2)[up~(pμ(1-αγ5)un(n)]

×[ue~(eμ(1-γ5)vν(ν~)] 

と書けます。
 

,Tをそれぞれ,β崩壊相互作用の体積,反応時間 

とすると,中性子nが単独で自由に存在するというi

(始状態)から,,,ν~が存在するf(終状態)への

上記S行列要素:fiの絶対値の平方に,

  
終状態の陽子
pの密度:(2π)-3Vd3p,電子eの密度:

(2π)-3Vd3e,反ニュートリノν~の密度: 

(2π)-3Vd3ν~を掛けると,

  
その微小領域への
遷移確率は,

|fi|2(2π)-933p33ν~で与えられる

と考えられます。
 

これを,体積Vと時間Tの積:VTで割った単位体積当りの 

遷移速度を,始状態の中性子nの密度:(1/)で割ったもの 

,中性子1個当たりの単位時間当たりの,

3p33ν~ への崩壊確率:dωを与えます。
 

ただし,崩壊現象では,VをV=∞の全空間として, 

V=(2π)3δ3(0),TをT=∞=(-∞,)の全時間 

として,T=(2π)δ(0)とし,VT=(2π)4δ4(0) 

同定します。
 

また,粒子がVの中に1個だけあるという波動関数の 

規格化でなく,全空間でのデルタ関数式規格化では, 

最後にV=(2π)3とします。
 

そこで, 

dω={|fi|2(2π)-933p33ν~}/(VT) 

(2π)-9(2π)4δ4(-Pp-pe-pν~)

3p33ν~ {np/(2npeν~)}|M |2 

です。
 

ここで,右辺を一般的方法では観測にかからない終状態の

反ニュートリノν~の状態について総和するため,3ν~

を実行します。
 

ところが,3ν~/(2ν~)=∫d4ν~θ(ν~0)δ(ν~2) 

なる公式があるので,3ν~を実行すると,

∫d4ν~ によりδ4(-P-p-pν~)因子が消えて, 

因子:θ(ν~0)δ(ν~2)が残ります。
 

さらに,eの状態の総和では, 

3||EdEdΩ=β2dEdΩです。
 

よって,dω=(2π)-5{np/(npe)}θ(ν~) 

×δ(ν~2)|fi|23p||dEdΩe  

 と書けます。
 

右辺の|fi|2については,特定偏極を仮定した場合 

|fi|2(2/2)|up~pμ(1-αγ5)un(n)|2 

 ×|e~(μ(1-γ5)vν(ν~)|2   

 の代わりに,
 

 核子:(.)のスピン,および,電子と反ニュートリノ:

 (.ν~)のスピンで総和を取って,中性子nのスピンで平均

したもの::

つまり.(1/2)SpSne,sν~|fi|2 

(2/2)(1/2)SpSn|u~(pμ(1-αγ5)u(n)| 2 

×SpSn|(ue~(eμ(1-γ5)vν(pν~)| 2 

   

(2/4){1/(8pn)} 

μνr[(+mp)γ μ(1-αγ5)(n+mn)γ ν(1-αγ5)] 

×Tr[νγ μ(1-γ5)(+m)γν(1-γ5)]] 

を不変振幅による確率密度の因子と考えて,この値を 

|fi|2に置き換えます。

 

核子部分のトレースは, 

r[(p+mp)γ μ(1-αγ5)(n+mn)γ ν(1-αγ5)] 

=Tr[(p+mp)γ μ(1+α22αγ5)nγ ν 

+mn(1-α2)r[(p+mp)γ μγν] 

(1+α2)r(pγ μnγ ν)2αTr(γ5pγ μnγ ν) 

+mpn(1-α2)r(γ μγν) 

4(1+α2)(pμnν+Ppνnμ-gμνpn) 

+4pn(1-α2)μν 

8iα∑αβγδεαβγδpαμβnγνδ)

と書けます。
 

一方,レプトン部分のトレースは, 

r[γ ν(1-γ5)(+m)γμ(1-γ5)ν~] 

2r[γν(1-γ5)(+m)γ μν~] 

2r(γνeγ μν~)2r(γ5γνeγ μν~) 

8(eνν~μ+peμν~ν-gνμeν~) 

8iρστηερστηeρνσν~τμη)  

です。
 

核子のトレースとレプトンのトレースの積を取り, 

総和∑μνを取ると,μ,νについて対称な項と反対称な 

項の積は,対称性の故にゼロとなって消え,反対称項同士, 

対称項同士の積だけがゼロでない寄与をします。
 

反対称項同士の積は, 

64α∑μναγρτ [εαμγνερντμpαnγeρν~τ] 

です。
 

μνεαμγδερντμ 2(δαρδγτ-δατδγρ)

なので,これは, 

128α∑αγρτ(δαρδγτ-δατδγρ)pαnγν~ρτ 

=-128α[(pν~)()(p)(nν~)] 

となります。
 

一方,対称項同士の積は, 

32(1+α)2(pν~)(n)(p)(nν~) 

-32mpn(1-α2)(eν~) です。
 

故に,(1/2)SpSne,sν~|fi|2{2/(pn)} 

[(1+α)2(pν~)(ne)(1-α)2()(ν~) 

pn(1-α2)(eν~)]  を得ます。
 

ここで,保存則:-Pp-pe-pν~0.より, 

ν~=P-Pp-peですから,これを代入してpν~を含む項 

を消去します。
 

(pν~)(pn)-mp2(pe), 

(ν~)=mn2(np)(ne), 

(eν~)(en)(ep)-me2  

です。
 

それ故,(1/2)SpSne,sν~|fi|2{2/(pn)} 

×[(1+α)2(pe){(pn)(pe)-mp2} 

 +(1+-α)2(){n2(pe)(ne)} 

 pn(1-α2)[(en)(ep)-me2}]  

です。
 

特に,崩壊する前の中性子の静止系:nμ(n,0)を想定 

すると,n=mnであり,+Ee+Eν~=mnです。 

また,ν~0  です。
 

また.反ニュートリノの質量がゼロという条件から, 

0ν~2(-Pp-pe)2 

=mn2+mp2+me22{(pn)+()-(ne)}なので, 

(pn)()-(ne)(n2+mp2+me2)/2, or, 

()(ne)(pn)(n2+mp2+me2)/2  

です。
 

よって,中性子の静止系:Pn=(mn,0)で, 

 ()(n)-(pn)(n2+mp2+me2)/2 

=mn(e-Ep)+(n2+mp2+me2)/2 です。


 したがって,(1+α)2
(pe){(pn)(pe)-mp2}

=(1+α)2{n(e-Ep)+(n2+mp2+me2)/2}

×{n(2pーEe)ー(n2+3mp2+me2)/2}  です。
 

また,(1ーα)2(){n2(pe)(ne)} 

=(1ーα)2()[(n2-mp2-me2)/2(pn)2(ne)] 

­=(1ーα)2{n(e-Ep)+(n2+mp2+me2)/2} 

{(n2-mp2-me2)/2+mn(p2e)}  です。
 

さらに,-mpn(1ーα2){(en)(ep)-me2} 

pn(1ーα2){(pn)-(n2+mp2+3me2)/2} 

pn(1ーα2){(n2+mp2-3me2)/2-mnp} です。
 

そして,δ(ν~2)=δ((-Pp-pe)2) 

=δ((-Pp-pe)2) 

=δ(n2+mp2+me22{(pn)()-(ne)}) 

=δ(n2+mp2+me22n(p-Ee)ー2()) 

=δ(n2+mp2+me22n(p-Ee)-2(1-βpβecosθ)) 

ですから,

 
このデルタ関数のEpの係数は,

2{n+E(1-βpβecosθ) です。
 

よって,3p|p|dEdΩpによる積分結果は, 

∫dΩp4πとして,∫d3pδ(ν~2) 

4πβp2/[2{n+E(1-βpβecosθ)}]

です。
 

また,θ(ν~)=θ(-Ep-Ee)因子より, 

0≦Ee≦m-Epである必要があります。
 

そこで. 

dω=(2π)-5δ4(-Pp-pe-pν~)

3p33ν~ {p/(pe)} 

×[(1/2)SpSne,sν~|fi|2] から積分を実施すると,
 

ω=(2π)-5{4πβp2/mn)}0n-EpdΩ 

[βee /{n+E(1-βpβecosθe)} 

×[(1+α)2{n(e-Ep)+(n2+mp2+me2)/2} 

×{n(2p-Ee)+(n2-mp2+me2)/2}

(1-α)2{n(e-Ep)(n2+mp2+me2)/2} 

×{(n2-mp2-me2)/2+mn(p2e)} 

pn(1-α2){(n2+mp2-3me2)/2-mnp}] 

が得られます。
 

α~1.21と評価されているので,取りあえず,α~1として, 

(1-α)2(1-α2)に比例する項,および,me2を無視し,

核子pの反跳も小さいとして,pをmpで近似します。

e2を無視するので,|e| ~ Ee より,βe ~ 1です。

 

α=1のとき,ゼロでない寄与をする項は, 

(1+α)2{{n(e-Ep)+(n2+mp2+me2)/2} 

×{n(2p-Ee)-(n2+3mp2+me2)/2} 

4{ne(n2+mp2-2mnp)/2}

×{-mne(n2+3mp2-4mnp)/2} 

=-4n2e2+mn(22+4mp2-6mnp)e 

(n4-mp4+2mn3p+6mnp3-8mn2p2)}

です。

  最後に得られたEeの2次式をF
(Ee )と置き,

さらに,M=mn, ΔM=mn-mp, E~m,

β~ΔM/M と近似します。

 すると,

ω=(2π)-4{22/mn}0n-Ep∫dΩ 

[βee F(Ee )/{mn+E(1-βpβecosθe)}

(2π)-3{βp2}0ΔMd(cosθe)

[e F(Ee )/{n+E(1-βpcosθe)}]

(2π)-320ΔM

[ F(Ee )×log{[1+E(1+βp)/mn}/{1+E(1-βp)/mn}]

を得ます。

ここで,log{[1+E(1+βp)/mn}/{1+E(1-βp)/mn}

~2E/M と近似します。 

そして,F(Ee ) ~ -4M2(Ee2 +ΔMEe /2)です。

故に,ω ~ (2π)-32}0ΔM(8MEe3+4MΔMEe 2)


  
最終的には,ω~ (G2/π3)}[(5/12)M(ΔM)4}

と近似評価されます。 

ここで,単位のみを問題とする次元解析の等式を 

書くと,-1=[G]25[cs]と掛けます。
 

c6.6×1016eVsec ,c3×1010cm/secであり, 

 [c]=ML2-1,[]=LT-1なので, 

-1[]2(ML2-2)5(ML21)r(LT-1)s.
 

すなわち,-1[]25+r102+s-10-r-s です。
 

また,以前の記事によると,G~8.88×1038eVcm3であり,

[]ML52でした。


  それ故,上記等式は,
-1=M7+r202rS14―r-s です。 

それ故, 7+r=0,  20+2r+s=0, -14-r-s=-1  から

結局,r=-7,s=-6 が得られます。
 

故に,通常の単位では, 

ω=1/τn=π-32/(6c7){(8/3)M(ΔM)4}です。
 

ただし,M=MN=mn ~ mp 940MeV, 

ΔM=(n-mp) 1.3 MeVですから, 

(5/12)(ΔM)4 ~ 1120 (MeV)5 です。
 

これと,

G=8.88×10-44(MeVcm3),c6.6×1022MeVsec ,

c3×1010cm/secを,

ω=1/τn=π-3(2/6c7){(1/3)(ΔM)4}

 に代入すると,3
 

 ω=1/τn

 ~ π-3×68.4×6.67×36×106×900/sec 

 ~ 6.25/sec を得ます。
 

これが正解とすると,自由中性子nの寿命の評価値は,  

τ~ 0.16 sec となります。

 
確か,昔読んだ文献に
よると,自由な 中性子nの平均寿命は,

15=900sec ~ 103 sec 程度ではなかったかと記憶して

いるので,ここでの評価計算は大雑把な近似であることを考慮

しても.やや不一致な値です。。。。
 

(1):過去記事;「弱い祖語作用の旧理論(11)」での  

μ粒子の崩壊:μ→e+ν+ν~についての計算を  

参照すると,ω=1/τμ=G2μ5/(192π3) でした。

μ崩壊では,ΔM=mμ-mμ~ mμですから計算式と 

しては,私が個人的に評価した上記の中性子の崩壊率と 

係数を除いて一致しています。
 

まあ,μ崩壊の計算を参照して,考察したので当然といえば

当然の結果ではありますが。。。
 

 そして,この自然単位でのμ崩壊率の式を通常の単位

に直すと, ω=G2(μ2)5c-7-6/(192π3)

が得られます。
 

 この際に行なった計算過程を,そのまま再掲すれば,

 
まず,G=(1.015±0.03)×10-5×(940MeV)-2c33
 
から,誤差:±0.03を省いて,
 
21.0152×10-10×(940MeV)-4c66 です。

 
μの質量:μ2 106MeVを代入すれば,
 
ω=1.0152×10-10×(940MeV)-4(106MeV)5c-1/(192π3)
 
2.97×10-16MeV/c となります。
 

 MeV単位では,hc6.6×10-22(MeVsec)なので, 

 結局,μ粒子のの崩壊率は,

 ω=1/τμ(2.97×106/6.6)sec-1 であり,

 平均寿命はτμ=1/ω~2.22×10-6sec であるという

 予測計算値が得られました。

 
他方,μの平均寿命の実験観測値は,
 
τμ(2.21±0.003)×10-6secですから,

これについては予測計算値が観測値とほぼ一致して

います。 (1終わり)
 

一方,中性子nでなくBose粒子の荷電π中間子の3体崩壊: 

π→π0+e+ν~ があります。

 

これにおいても,同様に評価できると仮定して, 

(ΔM)4,μ(Δμ)4と書き,μ~140MeV,  

Δμ~4.5 MeVを代入すると,

μ(Δμ)457400(MeV)5 です。
 

中性子の崩壊と同じ方針で,このプロセスでの崩壊率

の評価ができると仮定したときの評価値は, 

ω ~ 1.6×10-3/sec×a2×57400/2680 となるため

  
Fermi粒子のV-Aカレントの寄与: 

|up~pμ(1-αγ5)un(n)|2が,πについては, 

|pi+pf|2に変わるであろうという推測からは別の評価 

もできそうですが,まだ計算していません。
 

いずれにしろ,どこが間違いか?今のところよくわからない 

ですが,この方針での計算のどこがミスなのか?または方針

そのものが間違いなのかとか,検討中です。

Pending。。。。

 今日はここで終わります。

 

(参考文献):J.D.Bjorken & S.D.Drell  

”Relativistic QantumMechanics”(McGrawHill)

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2016年7月 4日 (月)

クライン・ゴルドン方程式(5)

クライン・ゴルドン方程式(Klein-Gordon eq.)の続きです。

 今回は,科学記事のアップが,ずいぶん,久しぶりとなりましたが,

実はこの間,別の計算に明け暮れていました。

 それは「弱い相互作用の旧理論」に基づいて,自由
中性子n

崩壊率,または平均寿命の予測値の精密な値を求めるという

課題です。
 

 思えば,「弱い相互作用の旧理論」は,ここまで記事を重ねて

いながら,μ粒子や荷電π中間子の崩壊率,寿命については実験

観測値とほぼ適合する予測計算値を得ていながら,肝心の中性子

nのβ崩壊による崩壊率や寿命については,具体的な計算を実行

していなかったことに気付きました。

 
しかし,前回の「弱い相互作用の旧理論(15)]」で,CVC

の仮説から,π→ π0+e+ν~ なるπの崩壊が存在し.その

崩壊率のオ-ダーが 10-8 程度である,という参考テキストに

あった値を天下り的に記述してアップした後,これは如何なる

計算で評価されたるのか?という根拠が気になりました。
 

 結局,Fermi粒子とBose粒子の違いはありますが,これは

中性子β崩壊:n→ p+e+ν~と同じ3体崩壊なので,

nとpの質量,質量差と,πnとπ0のそれらを比較すれば,

nのβ崩壊での評価値との比較で納得できる回答が得られる

のでは?と考えるに至りました。

  そこで,これまでの関連記事を全て
チェックしたところ,

ここまで肝心の中性子nのβ崩壊の具体的計算を怠っていたこと

に気付いたわけdす。

  既にμ崩壊の詳細計算などは実施ししているので,同様に

やれば簡単に計算評価できると思っていたのに,なかなか数値

として合理的と思われる評価が得られず,

  中途
挫折しているうちに.つなぎにでも,

「クラインゴルドン方程式」の続きの新記事をアップしよう

と思ったわけです。
 

さて,前回の記事「クラインゴルドン方程式(4)」の最後では, 

電荷が+ZeのCoulombポテンシャルによるπ中間子の 

ポテンシャル散乱の微分断面積(角分布) ,微細構造定数: 

α=e2/(4πε0) 1/137の最低次, 

dσ/dΩ=Z2α224//{4β22sin4(θ/2)}で与えられ,
 

 これは,2014年の過去記事:

 「散乱の伝播関数の理論(11)(応用1-1)で求めた,同じ

 Coulombポテンシャルによる電子の散乱微分断面積: 

 dσ/dΩ=Z2α2{1-β2sin2(θ/2)}/{4β22sin4(θ/2)}

 とは.電子スピンの1/2と関わる,スピノルについてのトレース

 に起因する因子:{1-β2sin2(θ/2)}のみが異なるという,

 合理的で当然な結果が得られた。

 というところで終わりました。
 

 さて,今日はその続きですが,これと似た結果はπ中間子の

 Coulomb散乱 に対しても得られます。


 上の図9.4のように,散乱前に運動量piμを持った
π中間子

表わすpi(-)()が,散乱後に,終状態で出現する

φ()=fpf(-)()運動量pfμを持つπ中間子へと遷移する

S行列要素は,この前に求めた下図9.3に対応する同じ運動量

遷移q=pf-piのπ中間子S行列要素:

 
pfpi(i)(2π)-3(4ωfωi)-1/2(f+pi)μμ()
 

から,

pfpi(i)(2π)-3(4ωfωi)-1/2(f+pi)μμ() 

に変わるだけです。
 

これらは,πとπの電荷の符号の変化に対応して符号だけ

が異なるため,πとπ,Coulomb散乱の最低次近似では,

同一の微分断面積を持つことがわかります。
 

 中心電荷Zeは,π中間子には斥力,π中間子には引力を

及ぼすという明確な違いがあるにも関わらす,散乱微分断面積

は同一という計算結果ですが,これは以前の電子散乱と陽電子

散乱のケースに述べたのと同じく最低次の計算で一致すると

いうだけで,高次の計算をまでを考慮すれば,その差異が現わ

れます。
 

そして,こうした計算から学び取れることは,荷電π中間子の

頂点には,電子の頂点に対するeγμの代わりに,因子:

(f+pi)μが結び付くということです。
 

波動関数の規格化因子は,1/(2ω)1/2.これは電子に対する

(/)1/2にとって代わるものであり,もちろんスピノル因子:

(),()などの因子も存在しません。
 

電磁場;μ()がある場合のπ中間子のスカラー波動関数

φに対する方程式:(□+μ2)φ()=-V^()φ(); 

^()i(μμ()+Aμ()μ)-e2μ()μ() 

から,

  
pfpi=δ3(fi)i∫d4yfpf()()^()φ() 

,φ()=fpi()()とおくことによりπ+中間子S行列

要素の座標表示の最低次近似の計算式得ました。
 

そして,これから行列要素の運動量表示最低次の

f≠pfにおける表式:

Spfpi(i)(2π)-3(4ωfωi)-1/2(f+pi)μμ() 

を得たのでした。
 

この際には,^()i(μμ()+Aμ()μ)

と見なし,eの2次の項である -e2μ()μ()

無視したため,^頂点に対する因子;(f+pi)μ

得られたわけです。
 

 したがって,最低次では不要な-e2μ()μ()

対するFeynmanのルールは不明でしたが,これを得るために

荷電中間子のCompton散乱を考察します。
 

Coulomb 散乱では,μ()は単に外場のポテンシャル:であり, 

特に静電Coulombポテンシャル: 

μ()=gμ0{Ze/(4πε0)}/|| 

=∫d4(2π)-4μ()exp(iqx); 

μ(){Ze/(ε0||2)}2πδ(ωf-ωi)μ0

でしたが,
 

Compton散乱では中間子と光子が衝突するため,μ

 μ()=Σλ=±∫d3ε0-1{(2π)320}-1/2 

[^(,λ)εμ(,λ)exp(ikx)

+a^(,λ)εμ(,λ)exp(ikx)] 

ただし,0|| で与えられる光子を示す電磁場

とします。
 

このAμ(),本質的には第2量子化された電磁場

の演算子であり,それ故,係数:^(,λ), ^(k',λ')

も演算子で,交換関係:[^(,λ), ^(k',λ')]

=δ3(')δλλ'を満たす,それぞれ,光子1個の

消滅演算子,生成演算子です。
 

kは光子の運動量,λは横波の2つの独立な偏光(偏極)

を示し,εμ(,λ).を進行方向とする座標系では

ε(,λ)0で直交する横波光子の3次元単位でクトル

となる大きさが14元偏光ベクトルを意味します。
 

(※つまり,εμ(,λ)εμ(,λ)=0-ε(,λ)2=-1です。)
 

ただし,ここではまだ量子電磁力学や場の量子論でなく,

相対論的量子力学としてやや現象論的な扱いをします。
 

したがって,ここで重要なのは,規格化された平面波

ベクトル波動関数:{(2π)320}-1/2εμ(,λ)exp(ikx)

を持つ運動量の光子,^(,λ)に従って,1個だけ消滅

=吸収され,他方,{(2π)320}-1/2εμ(,λ)exp(ikx)

で表わされる波は,^(,λ)に従って,同じ運動量

光子1個が生成=放出されるプロセスに対応する,という

ことです。

 

それ故,上の9.5に示される運動量piで入射してpfで出ていく 

π中間子の運動量遷移がq=pf-piの相互作用:V^による散乱

のS行列要素が,


   相互作用がV^の波動関数の摂動近似,

 φi()=φin()+∫d4yΔF(x-y)^()φin(), 

 φ2()=φin()+∫d4yΔF(x-y)^()φ1()

 つまり,

 φ1()=fpi()()+∫d4yΔF(x-y)^()pi()()

 より,pfpi(1)≡<fpf()φ

 ≡limt→∞∫d3pf()()i0φ1() 

 =δ3(fi)(i)∫d4yfpf()()^()pi()(),
 

 φ2()=fpi()()+∫d4yΔF(x-y)^()pi()() 

 +∫d4zd4yΔF(x-y)^()ΔF(y-z)pi()(), 

 より,Spfpi(2)≡<fpf()φ2>-Spfpi(1) 

 =(i)2∫d4yd4xfpf()()^()ΔF(x-y)

 V^()pf()()と掛けるため。


   Compton 散乱では,

 V^i(μμ+Aμμ) -e2μμのうち, 

 i(μμ+Aμμ}については,f≠piのとき, 

 Spfpi(2)(i)2∫d4yd4[pf()()

 {i(yμμ()+Aμ()yμ} 

 ×iΔF(y-z){i(zμμ()+Aμ()μ)}pi()()]

 が寄与し,
 

 また,-e2μμについては, 

 Spfpi(1)(i)∫d4[pf()()

 {-e2μ(yx)μ()}pi()())} 

 とした寄与があるので,これらの和を取ったものが

 S行列要素のeの最低次(eの2:2)のオーダー

 の近似になります。
 

 運 動量表示では, 

 Aμ()=Σλ=±∫d3{(2π)320}-1/2ε0-1 

 [^(,λ)εμ(,λ)exp(ikx)

 +a^(,λ)εμ(,λ)exp(ikx)] 

 から,


  Feynman
ル-ルとして,(,λ)の光子を吸収する場合は,
 

{(2π)320}-1/21/2ε0-1εμexp(ikx),(',λ')の光子

を放出する場合は,{(2π)320}-1/2ε0-1εμexp(ik'x)

を付与します。
 

吸収と放出の交差項のみ,Compton 散乱のグラフに寄与して. 

pfpi(2π)-6(16ωiωf0k'0)-1/2 

(2π)4δ4(f+k'-pi-k) 

×(i)2(i2ε0-2)[{ε(2i+k)}{(i+k)2―μ2}-1

{ε'(2f+k')}{ε'(2i-k')}{(i-k')2―μ2}-1

{ε(2f-k)}]+(i){-e2ε0-22(εε’)}] 

が得られます。


  最後の,-e2μμの項に
ついては2の因子が掛かること

に注意が必要です。
 

(5-1):元々,摂動展開では元々,展開の1次項に対して,

2次項には,(1/2!)という因子が掛かっていますから,相対的

に2次近似は1次近似の2倍の寄与をするといえます。
 

あるいは,より直感的に1頂点でつの光子が結合するFeynman

で光子の吸収と放出を交換する2重の寄与がカウントされる

からです。 (5-1終わり)
 

上記のπ中間子のCompton散乱のS行列要素の式のチェックに, 

20107/30の過去記事:「散乱の伝播関数の理論(18)(応用4)」における 

電子のCompton散乱のS行列要素の式:散乱断面積を与える式で

ある有名な「クラインー仁科(Klein-Nishina)の公式」に至るS行列要素を

用いることができます。
 

これは,fiComp(2/ε022)(2π)4δ4(f+k-pi-k) 

(40k' 0)-1/2{2/(fi)}1/2 

~(f,f)[(iε'){i/(i-m)}(iε) 

(iε){i/(i'-m)}(iε')](i,i)

でした。
 

ここで,ε=εμγμであり,Vは(2π)3と読み換えることが

できます。
 

この時の散乱振幅に対して適用したようにゲージ不変性

のテストを適用することができます。
 

すなわち,吸収光子でのεμ→εμ+Λkμ,および,放出光子

でのε'μ→ε'μ+Λ'k'μなる変換に対して,fiが不変

であることをチェックすることで,散乱振幅の式の妥当性を

ある程度,チェックできます。
 

実際,pfpi(i2ε0-2)(2π)-6(16ωiωf0k'0)-1/2 

(2π)4δ4(f+k'-pi-k) 

×[{ε(2i+k)}{(i+k)2―μ2}-1{ε'(2f+k')} 

{ε'(2i-k')}{(i-k')2―μ2}-1{ε(2f-k)} 

2(εε')] ですが,
   
これは,これらの変換に対して不変:
ゲージ不変なる

ことを示すことができます。
 

(5-2):上記Spfpiの右辺において,εμ,ε'μには

無関係な因子を除いたものは, 

[{ε(2i+k)}{(i+k)2―μ2}-1{ε'(2f+k')} 

{ε'(2i-k')}{(i-k')2―μ2}-1{ε(2f-k)} 

2(εε')] で与えられます。
 

後者の変換:ε'μ→ε'μ+Λ'k'μに対する不変性の証明 

も前者:εμ→εμ+Λkμに対するそれと,ほぼ同じです

から,ここでは,εμ→εμ+Λkμに対する不変性のみを

証明することにします。
 

これは上記の[ ]で囲んだ式で,εμをkμに置き換えると, 

これがゼロとなることを示せば十分です。
 

[ ]の中{ε(2i+k)}{(i+k)2―μ2}-1{ε'(2f+k')} 

{ε'(2i-k')}{(i-k')2―μ2}-1{ε(2f-k)} 

2(εε') です。
 

したがって,[ ]ε→k 

{(2i+k)}{(i+k)2―μ2}-1{ε'(2f+k')} 

{ε'(2i-k')}{(i-k')2―μ2}-1{(2f-k)} 

(2kε')

(2i)(2i)-1{(2fε')+(k'ε')} 

{(2iε')ー(k'ε')}(2ik')-1(2f))+(2kε') 

2fε')+(k'ε')(2iε')(k'ε')(2kε') 

2(f+k'-pi-k)ε'=0 が得られます。
 

ここで,2=k'20,および,保存則:f+k'=pi+k

,これにより(2ik')(2f) etc.を用いました。
 

(注;52終わり)
 

以上から,pfpi(i2ε0-2)(2π)-6(16ωiωf0k'0)-1/2 

(2π)4δ4(f+k'-pi-k) 

×[{ε(2i+k)}{(i+k)2―μ2}-1{ε'(2f+k')} 

{ε'(2i-k')}{(i-k')2―μ2}-1{ε(2f-k)} 

2(εε')]

は確かにゲージ不変であることが示されました。
 

そして,運動量kμ(0,)で進む光子は横波であり, 

偏光:εμ(0,ε)は,εk=-εk0 を満たします
 

これは,場のゲージ条件としては,μμ=∇A=0

意味します。


  量子論では,こうした
Lorentz不変性が満たされたり,便利

であるゲージ選択が矛盾に導く可能性もあって,状態の方

物理的とかの付加条件を追加したりしますが,本質的には,

光子が∂μμ0,またはεk=0を満たすとする条件を採用

して計算しても問題は無いです。

'
  それ故,εk=ε'k'=0 が満たされると考えます

 

そして,また,πが最初静止していたと見える座標系では

間軸の取り方は任意なので,このπと衝突する入射光の

偏光ベクトルがεμ(0,ε)(0,0,0,1)のとき,このε

z軸の向きになるようにπの実験室系(Laboratory-ystem):

iμ(μ,0)の座標系のz軸の向きに一致するように軸を

とることができます。
 

そうすれば,自動的にεpi0です。
 

同様に終状態のπが静止している:つまり,散乱された

πと共に運動する,またはπに固定された慣性座標系:

fμ(μ,0)で散乱された光子の偏光の向きε'

z軸に採用すれば,ε'μ(0,ε')(0,0,0,1)

なので,ε'p0 となります。
 

すると,εk=ε'k'=εpi=ε'p0ですから,結局, 

{ε(2i+k)}{(i+k)2―μ2}-1{ε7(2f+k')} 

{ε'(2i-k')}{(i-k')2―μ2}-1{ε(2f-k)} 

2(εε')=-2(εε') となります。
 

それ故,pfpi(i2ε0-2)(2π)-6(16ωiωf0k'0)-1/2 

(2π)4δ4(f+k'-pi-k)2(εε') です。
 

これから,

実験室系での荷電πのCompton散乱の微分断面先の式:

(dσ/dΩ)lab(α2/μ2)(εε')2/{1(/μ)(1cosθ)}2 

を得ます。
 

(5-3): ,Tをそれぞれ,散乱の相互作用の体積,反応時間

とすると,(始状態)から,πと光子が存在するf(終状態)への

上記S行列要素:fiの絶対値の平方に,終状態のπ中間子の密度

(2π)-3Vd3,終光子の密度:(2π)-3Vd3'を掛けると,

その微小領域への遷移確率は,|fi|2(2π)-623f3'

で与えられます。
 

これを,体積Vと時間Tの積:VTで割った単位体積当りの 

遷移速度は,{|fi|2/(VT)}(2π)-623f3'です。
 

これを,さらに始状態の静止πに対する光子の入射流束(1/)

とπの密度:(1/)で割ったものが,π中間子1個と光子1個当

たりの単位時間当たりのd3f3'への散乱確率:dσを

与えると考えられます。
 

ただし,こうした現象では,V=∞(全空間)として

V=(2π)3δ3(0),T=∞=(-∞,)の全時間として,

T=(2π)δ(0)とし,VT=(2π)4δ4(0)と同定します。
 

また,粒子がVの中に1個だけあるという波動関数

の規格化でなく,全空間でのデルタ関数式規格化では,

最後にV=(2π)3とします。
 

そこで,dσ={|fi|2/(VT)}2(2π)-623f3' 

(2π)6(2π)-12(2π)4δ4(f+k'-pi-k) 

(16ωiωf0k'0)-144ε0-2(εε')23f3'

iμ­(ωi,i)(μ,0)でωiμ, 

3f /(2ωf)=4f θ(ωf)δ(f2-μ2)より,
 

右辺で∫3f /(2ωf)を実行すれば,δ4(f+k'-pi-k)

は消えて,dσ=(2π)-24ε0-2(2μk0k'0)-1θ(μ+k0-k'0)

δ(f2-μ2)(εε')23' です。


  そして,(0)-1
3'=k'dk’dΩと書けば,
 

dσ/dΩ=(2α2/μ)0μ+k0(εε')2δ(f2-μ2)k'dk' 

です。(※ここで24πε0αを代入しました。)
 

dk'積分を実行して,δ(f2-μ2)因子を消去すると, 

0=pf2-μ2(i+k-k')2-μ2 

2(i)2(ik')2(kk') 

2μ(0-k'0)2(0k'0)(1cosθ) 

2μk02μk'0{1(0/μ)(1cosθ)} 

ですから,

  
k'0=k0/{1(0/μ)(1cosθ)} を得ます

 

ここで,0||を単にk,また k'0|'|

単にk'と表記し直すと,k'=k/{1(/μ)(1cosθ)}

であり,


  また,
f2-μ2(i+k-k')2-μ2 

2μk-2μk'{1(/μ)(1cosθ)} なので, 

∫dk'f(k')δ(f2-μ2)

=f(k')/[2μ{1(/μ)(1cosθ)}]

ただし,k'=k/{1(/μ)(1cosθ)} 
 

以上から,始状態のπの実験室系で, 

dσ/dΩ={2α2/(μk0)}

0μ+k0(εε')2δ(f2-μ2)k'dk' 

(2α2/μ2)(εε')2/(2μ)/{1(/μ)(1cosθ)}2

 dσ/dΩ=(α2/μ2)(εε')2/{1(/μ)(1cosθ)}2 

が得られました。  (5-3終わり)
 

これは,低光子エネルギーの極限で,古典Thomson散乱の極限 

に帰するものです。
 

結果を光子の終偏極ε'について総和し,始状態の入射光子

偏極εについて平均すれば,π中間子の非偏極光子による

散乱の微分断面積として,[(dσ/dΩ)lab] 

=α2(1cos2θ)/[2μ2{1(/μ)(1cosθ)}2]

を得ます。


  
(※何故なら,既に電子のCompton散乱の項で計算したように, 

(1/2)Σε,ε'(εε')2/(1cos2θ)/2となるからです。)
 

 今日はここで終わります。

 
次回は,より高次の計算について述べる予定です。
 
 

 (参考文献):J.D.Bjorken & S.D.Drell 

 "Relativistic QantumMechanics”(McGrawHill)

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