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2016年9月 7日 (水)

場の量子論(第Ⅱ部)(2)

の量子論第Ⅱ部の続きです。
 

まず,前回の記事の最後の部分を整理しながら再掲載します。
 

電磁場を場の演算子Aμ^(,)に量子化したとき.共変性の 

維持のために生じる種々の困難を避けるため,合理的解釈に 

便利なCoulombゲージ:^0を採用しました。
 

相互作用のない自由場では,スカラー・ポテンシャル:

0^(,)は演算子ではなくc-,特にゼロとしても

よかったので,§14ではこれをゼロとし,^0てと

合わせて輻射ゲージと呼びましたが,
 

電荷を持ったDirac-Fermion,例えば電子の場:ψ^(,)

があって,これとの電磁相互作用がある場合,0^(,)

を恒等的にゼロとすると矛盾を生じるため,これをゼロと

することはできません。

しかし,0^(,),他の^(,)とは異なり,依然

として独立な力学変数ではなく,ψ^(,)に依存して

決まるモノです。
 

輻射ゲージの自由場のときと同じ交換関係,反交換関係

を与えます。
 

{ψα^(,),ψβ^(,)}=δαβδ3(), 

{ψα^(,),ψβ^(,)}=0,

{ψα^(,),ψβ^(,)}0, 

[i^d(,),j^(,)]=-iδtrij()

(ij-1,2,3)
 

[i^(,),j^(,)]=0,

[i^d(,),j^d(,)] 0  

です。
 

ただし,δtrij()

≡∫d3 exp(ikx){δij(ij)/2}(ij=1,2,3)

です。
 

このセットを完全にするために,Dirac場とMaxwell場の

間の同時刻交換関係がゼロとなって消えるという条件を

課します。
 

すなわち,[ψα^(,),j^(,)]0,かつ, 

[ψα^(,),j^d(,)] 0  です。 

これは.ψα^とAj^が独立な正準変数であるということ

を示すために導入しました。
 

しかしながら,前述したように, 元々スカラー・ポテンシャル

:0^,ψα^,ベクトル。ポテンシャル:j^(j=1,2,3)

独立ではなく,これら独立な正準変数:ψα^,j^(j=1,2,3)

.これとの区別を明確にするため,0^(,)の代わりに

Φ^(,)とする記法を導入します。
 

このスカラー・ポテンシャル:Φ^=A0^,具体的には

ψα^により,Φ^(,)

{0/(4π)}∫d3{ψ^(,)ψ^(,)/||} 

と表現されます。
 

それ故,この演算子:Φ^,次の交換関係を満たします。
 

[Φ^(,),j^(,)]=0,

[Φ^(,),j^d(,)] 0

 
[Φ^(,),ψα^(,)]

=-{0/(4π)}ψα^(,)/||
 

前回は,これを証明する訳注を与えたところで終わりました。
 

さて,今回はここからです。
 

まず,正準量子化の処方に従って,Lagrabgian密度:^から
 
Hamiltonian密度:^を求めます。
 

^(^/∂ψαd^)ψαd^(^/∂Akd^)d^^ 

ψ~^(α∇+βm0)ψ^(^2^2)/2∇Φ^ 

+e0ψ~^γμψ^μ^ です。
 

ただし,ψαd^=∂ψα^/∂t. kd^=∂A^/∂t

です。
 

(2-1): ψ~^{iγμμ-e0γμμ^-m0}ψ^ 

(1/4)μν^μν^ ですから,
 

まず,^/∂ψαd^i(ψ^~γ0)αiψ^α より, 

(^/∂ψαd^)ψαd^iψ^αψαd^iψ^0ψ^ 

です。
 

一方,ψ~^{iγμμ-e0γμμ^-m0}ψ^ 

ψ^i0ψ^ψ^(iα∇-βm0)ψ^

-e0ψ~^γμψ^μ^ です。
 

また,^/∂Akd^

=-(1/4){(∂Fμν^/∂Akd^)μν^

+Fμν^ (∂Fμν^/∂Akd^)}

=-(1/2){(∂F0^/∂Akd^)0^

(∂F0^/∂Akd^)0^} 


 =-(∂F0^/∂Akd^)0^=F0^

=∂A0^/∂xk-∂Ak^/∂x0 

(^/∂t-∇Φ^)k=E^k=-E^k
 
です。

 すなわち,ベクトルポテンシャル変数:A^の正準共役

運動量は電場^です。
 

また,kd^=∂^/∂t=E^k+∇kΦ^ですから. 

(^/∂Akd^)d^=E^k(^k+∇kΦ^)

^2+E∇Φ です。
 

そして,-(1/4)μν^μν^ 

(1/2)^k^k(1/4)ijij 

(1/2)^k^k(1/2)^k^k(^2^2)/2

です。
 

以上から. 

^(^/∂ψαd^)ψαd^(^/∂Akd^)d^^ 

ψ^(iα∇+βm0)ψ^+e0ψ~^γμψ^μ^ 

(^2^2)/2+E∇Φ  が得られます。
 

(2-1終わり)
 

そこで,系のHamiltonian, 

H^=∫^3 

=∫d3[ψ^{α(i∇-e0^)+βm0:}ψ^

(^2^2)/2] と書けます。
 

∫d3(∇Φ^+e0ψ~^γ0ψ^0^),本質的には

効かないので上記のHamiltonianの表現からは落としました。
 

(2-2): 以下では,∫d3(E∇Φ^+e0ψ~^γ0ψ^0^) 

を落として良い理由を述べます。
 

まず,^∇Φ^=∇(^Φ^)-∇E^Φ^ですが, 

^d^-∇Φ^時間に無関係にCoulombゲージ∇^0

ですから,∇d^0 となることにより,∇E=-∇2Φ^ 

です。
 

Φ^(,)

{0/(4π)}∫d3{ψ^(,)ψ^(,)/||} 

を代入すると,

∇E=-∇2Φ^=e0ψ^ψ^=ρ^=e0ψ~^γ0ψ^ です。
 

故に, 無限遠でΦが急激にゼロとなるなら,Gaussの定理

から,積分結果は,∫d3(E∇Φ^)=--∫d3(∇E^Φ^) 

=-∫d3(0ψ~^γ0ψ^0^) となるため, 

∫d3(E∇Φ^+e0ψ~^γ0ψ^0^)0 が得られます。
 

ところで,ψとAは独立な演算子で,これは交換するため, 

ψ^{α(i∇-e0^)+βm0:}ψ^における, 

0ψ^αA^ψ^=e0ψ~^γA^ψ^,0ψ~^γψ^^

は同じものですが,0ψ~^γ00^ψ^とe0ψ~^γ0ψ^0^

,ψ^とA0^が一般に交換しないので,相互作用を与える

のに場の演算子の順序の取り方に細心の注意が必要です。

 ただし,
int^=jμ^μ^0ψ~^γ0ψ^0^という選択なら

問題なさそうです。

 
まあ,正規順序(normal ordering)を取れば,状態の期待値的

には,ψ~^γ00^ψ^ψ~^γ0ψ^0^も同じようですが。。
 

(2-2終わり)
 

さて,H^=∫^3 

=∫d3[ψ^{α(i∇-e0^)+βm0:}ψ^

(^2^2)/2] なる表現式では,^は一見驚く

べき形です。
 

というのは,右辺には横波(^0)条件を満たす

ベクトルポテンシャル^と電子カレント:^=e0ψ~^γψ^

couple:^^だけの相互作用項しか現われないからです。 

 

では電荷と電荷の静電相互作用項は,どうなったのでしょうか? 

実はこれは,消えたわけではなく,電磁場のエネルギーのうちの

電場のそれ:(1/2)^23xの中に含まれています。
 

これを示すため,^を縦部分と横部分に分解します。 

すなわち,^^^,^=-∇Φ, ^d^

とします。
 

^0より,^=∇^=-∇2Φであり,

∇×^0より, ∇×^=∇×^=∇×d^

=∂/∂tです。
 

これにより,(1/2)(^2^2)3

(1/2)^23x+(1/2)(^2^2)3

です。
 

何故なら,(^^)3x=-∫∇(^Φ)3x=0

です。
 

そして, (∇Φ^)2 =∇(Φ^∇Φ^)-Φ^2Φ^ なので, 

(1/2)^23x=(1/2)(∇Φ^)23

=-(1/2)(Φ∇2Φ^)3 

(1/2){02/(4π)}

∫d3x∫d3{ρ^(,)ρ^(,)/||} です。
 

これは,まさに時間に依存する電荷密度が,

ρ^(,)ψ^(,)ψ^(,)ψ^(,) で与えられる

ときの静電エネルギーの表現式の形です。
 

他方,(1/2)(^2^2)3 

(1/2){(∂B^/∂t)2^2)3,かつ=∇×, 

これは横波のベクトルポテンシャル^の輻射エネルギーを

示す式です。
 

いつもより短いですが,このDirac荷電粒子の電磁相互作用

の節が終わり,次節のKlein-Gordon粒子の電磁相互作用を

述べる段階に来たので今日はここまでにします。
 

参考文献:J.D Bjorken S.D Drell 

”Relativistic Quantum Fiels” (MacGrawHill)

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