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2017年6月26日 (月)

摂動論のアノマリー(9)

 摂動論のアノマリーの続きです。
 

§2.4 Coordinate Space Calculation(座標空間の計算) 

これまでは,専ら,運動量空間での扱いでした。
 

しかし,前回で述べた(68):μ5μ()2i05() 

{α0/(4π)}ξσ()τρ()εξστρ 

によって,座標空間でもWard恒等式のアノマリーが

単純な形で表わされ得る,ことが示されました。
 

この事実は,座標空間でもアノマリーの導出と,その解釈

が可能であるべきことを,示唆しています。
 

座標空間での論議を進めるに当たって,光子については

量子化されていないc-数の電磁場:Aに話を限り,

性ベクトルカレント:5μspinor:ψ~とψが離れた

時空点にある場の積とする近距離の"非局所カレント"

(bilocal current)の,局所極限とみなす,ことにします。
 

つまり,5μ()limε→05μ(x,ε).. (71)

ただし,5μ(,ε)=ψ~(x+ε/2)γμγ5ψ(x-ε/2) 

×exp{i0-ε/2x++/2dξA(ξ)}   ..(71)
 

ここで,(71)の∫-ε/2x++/2dξA(ξ).線積分: 

-ε/2x++/2dξλλ(ξ)を意味します。
 

exp{i0-ε/2x++/2dξA(ξ)},ゲージ変換: 

ψ() exp{i0Λ()}ψ(),かつ, 

μ()→Aμ()+∂μΛ() (72)

の下での5μの不変性を保証するために必要な因子です。
 

この指数関数因子を,微小な正の数εの1次のオーダー 

まで展開し,さらに,運動方程式を用いてj5μ4次元発散 

を計算します。
 

まず,5μ(x,ε)=ψ~(x+ε/2)γμγ5ψ(x-ε/2) 

×{1i0ελλ()}(εの2次以上の微小項)となり,
 

μ5μ(,ε)=ψ~(x+ε/2)γμγ5ψ(x-ε/2) 

[i0ελμλ()

i0{μ(x+ε/2)-μx-ε/2)} 

2i05(,ε)(εの2次以上の微小項)
 

すなわち,μ5μ(x,ε)

=j5μ(,ε)i0ελμλ() 

2i05(,ε)(εの2次以上の微小項).(73) 

を得ます。
 

(9-1):この結果は,電磁場Aμ()が線積分において,

経路依存であるから得られるのであって,しかも積分路が

直線分であることが本質的です。
 

以下に厳密に書き下します。
 

μ5μ(x,ε){μψ~(x+ε/2)γμγ5ψ(x-ε/2) 

+ψ~(x+ε/2)γμγ5μψ(x-ε/2)} 

×exp{i0-ε/2x++/2dξA(ξ)} 

+ψ~(x+ε/2)γ5γμψ(x-ε/2) 

μexp{i0-ε/2x++/2dξA(ξ)} です。
 

Dirac方程式:(iγμμ-e0γμμ-m0)ψ()0 より,
  
γμμψ()=-i0ψ()i0γμμ()ψ() 

μψ~()γμi0ψ~()i0ψ~()γμμ() 


  故に, μψ~(x+ε/2)γμγ5ψ(x-ε/2)
 

i0ψ~(x+ε/2)γ5ψ(x-ε/2) 

i0ψ~(x+ε/2)γμγ5ψ(x-ε/2)μ(x+ε/2), 

かつ,ψ~(x+ε/2)γμγ5μψ(x-ε/2) 

i0ψ~(x+ε/2)γ5ψ(x-ε/2) 

i0ψ~(x+ε/2)γμγ5ψ(x-ε/2)μ(x-ε/2) 

です。
 

そこでj5(,ε)=ψ~(x+ε/2)γ5ψ(x-ε/2) 

×exp{i0-ε/2x++/2dξA(ξ)} と置けば,


  
μ5μ(x,ε)2i05(x,ε) 

i0ψ~(x+ε/2)γμγ5ψ(x-ε/2) 

{μ(x+ε/2)-Aμ(x-ε/2)

-∂μ-ε/2x++/2dξA(ξ)} です。
 

ここで,もしも∫-ε/2x++/2dξA(ξ)が積分経路に

独立な関数なら,最後の{ }因子はゼロとなることを

示します。

  
何故なら,μ-ε/2x++/2dξA(ξ) 

limh→0{x+gλμh-ελ/2-ε/2x+gλμh+ελ/2

-∫x-ε/2x++/2}dξA(ξ)]/ 

=Aμ(x+ε/2)-Aμ(x-ε/2) です。
 

そこで,もし∫-ε/2x++/2dξA(ξ)が積分経路に

独立な関数なら.正確に,

μ5μ(x,ε)2i05(x,ε) が成立します。
 

これは,ベクトル解析のStokesの定理によれば,

μの4次元rotation(回転::

rotν(μ)=∂νμ-∂μν全てゼロの渦なし

ポテンシャル場(保存力場),スカラー場:φが存在

してAμ=-∂μφと表現できる場合です。
 

しかし,よく知られているように静電場でなければ, 

ゼロでない,rotν(μ)=Fμνが存在して,それが

電場,磁場を表わしています。

そこで,経路依存線積分の積分路を直線分:

α{α(τ){α(τ)=lα(0)+εατ,

α(0)=xα-εα/2,(0≦τ≦1)}と選択すると,

x-ε/2 x+ε/2dξA(ξ)=εν01dτAν((τ))
 

また,積分路を直線分:

α{α(τ)|α(τ)=Lα(0)+εατ,

α(0)=xα-δαμΔx+-εα/2,(0≦τ≦1)} 

 と選択すると.

x+Δx-ε/2x+Δx+ε/2dξA(ξ)

=εν01dτAν((τ)) です。
 

μ-ε/2x++/2dξA(ξ) 

limΔx→0(εν/Δx)

[01dτAν((τ))-∫01dτAν((τ))] 

limΔx→0(εν[01dτ[{ν((τ))-Aν((τ))

/{(τ)-l(τ)}] 

=ενμν+εν(ε),
 

一方,μ(x+ε/2)-Aμ(x-ε/2)

=εννμ+O(ε),

  故に,
 μ(x+ε/2)-Aμ(x-ε/2)

-∂μ-ε/2x++/2dξA(ξ) 

=εν{νμ()-∂μν()}+εν(ε)
 

以上から,(73): 

μ5μ(x,ε)=j5μ(x,ε)i0ελμλ()

2i05(x,ε)+O(ε2) 

を得ました。  (9-1終わり※)
 

(73)の真空期待値をとると,単一の閉ループを通して,

軸性ベクトルカレントが,-数の任意個の光子外場

coupleする相互作用を記述する生成汎関数の発散

方程式を得ます。
 

すなわち,μ0|5μ(x,ε)|0 

i00|5μ(x,ε)ελ|0>Fμλ()

2i00|5(x,ε)|0+O(ε2).. .(74) 

です。
 

この右辺の第1項は,形式的にはεのオーダーであり,

前の「摂動論のアノマリー4」において,

μ5μ()=ψ~(){i0i0γμμ()}γ5ψ() 

+ψ~()γ5{i0i0γμμ()}ψ()

2i05()...(41), 

5()≡ψ~()γ5ψ()  ..(42) 


 として.
素朴にWard恒等式を導出したときには無視される

べきものでした。
 

しかし,摂動グラフとしての注意深い計算によれば,

0|5μ(x,ε)|0,ε → +0 のとき,ε-1のオーダー

で発散し,それ故,実際には右辺の第1項の

0|5μ(x,ε)ελ|0>因子は,有限な寄与をします。
 

詳細計算を実行すると, 

i00|5μ(x,ε)ελ|0>Fμλ() 

{α0/(4π)}εμλξημλ() ξτ()+O(ε)..(75 

となって,(68)の真空期待値に一致します。
 

こうしてアノマリーは運動方程式からのアプロ-チに

よっても得られることがわかります。
 

これは軸性ベクトルカレントに現われる特異な演算子積

を注意深く扱えばいえることです。
 

(9-2):5μ(,ε),外場との相互作用があるので

真空期待値はゼロではなく,0|5μ(,ε)ελ|0 

=<0|ψ~(x+ε/2)γμγ5ψ(x-ε/2)ελ|0 

×exp{-∫x-ε/2 x+ε/2dξA(ξ)} ですが,

これのεの2次以上のオーダーを無視します。
 

0|ψ~(x+ε/2)γμγ5ψ(x-ε/2)|0 

(γμγ5)αβ0|ψ~α(x+ε/2)ψβ(x-ε/2)|0 

=-(γμγ5)αβ0|[ψβ(x-ε/2)ψ~α(x+ε/2)|0 

=-Tr{γμγ5iF'(-ε)}
 

Fermion伝播関数:F'(x-y)を外場:μ()で展開

すると,自由Fermion伝播関数:F(x-y)がベキで出現

します。

  
まず,φ(),Klein-Gordon方程式(□+m02)φ()0

を満たす自由複素スカラー場とすると,

その自由Feynman伝播関数ΔF()は,
 

iΔF()=<0|T{φ()φ(0)}|0

=<0|θ(0)φ()φ(0)+θ(-x0)φ(0)φ()|0 

=θ(0)∫d3(2π)-3(2ωk)-1exp(ikx) 

+θ(-x0)∫d3(2π)-3(2ωk)-1exp(ikx)

(ただし,ωk(2+m02)1/2) で与えられます。
 

そして,F(),ΔF()から

F()(iγμμ+m0)ΔF()と表わすこともできます。 

(Green関数としては,(□+m02)ΔF()=-δ4()

ですから,(iγμμ-m0)F()=δ4()です。)
 

iΔ()()=∫d3(2π)-3(2ωk)-1exp(ikx) 

と置くと,

iΔ()()(2π)-20dk[{2(2ωk)-1exp(iωk0)} 

×∫-11(cosθ)exp(ikrcosθ) 

(2πi)-1(4πr)-10dk[exp(iωk0) 

×{exp(ikr)exp(ikr)}/ωk]
 

(2πi)-1(4πr)-1-dk[exp{i(ωk0+kr)}/ωk] 

=-(4πr)-1

(/∂r)[(2π)-1-dk[exp{i(ωk0+kr)}/ωk] 

と書けます。
 

同様に,iΔ()()=∫d3(2π)-3(2ωk)-1exp(ikx) 

と置くと,

iΔ()()=-(4πr)-1(/∂r) 

[(2π)-1-dk[exp{i(ωk0+kr)}/ωk] 

です。
 

ところで,()f(0,) 

(2π)-1-dk[exp{i(ωk0+kr)}/ωk] とすると,
 

右辺=(2π)-1

-dk[exp{i(ωk0+kr)}/(2+m02)1/2] 

であり,

  
k=m0sinhφと置けば,dk=m0coshφdφ

,(2+m02)1/2=m0coshφであり,:-∞ → ∞

,φ:-∞ → ∞に対応するため,
 

()(2π)-1

-dφ exp{i0(0coshφ+rsinhφ) 

となります。
 

ここで,さらに,λ=x2(0)2-r2 と置きます。
 

() 00 かつ,0>rのとき, 

λ>0 なので,0=λ1/2coshφ0,r=λ1/2sinhφ0と置くこと 

ができて,

()(2π)-1-dφexp{i0λ1/2cos(φ+φ0)} 

=π-10dφ exp(i0λ1/2coshφ) です。
 

故に. ()(i/2)0[0λ1/2]

(i/2){0[0λ1/2]i0[0λ1/2]} です。 

(※ J00Bessel関数,00次HNeumann関数, 

00Hankel関数です。)
 

() 00 かつ,0<rのとき, 

λ<0 なので,0(-λ)1/2sinhφ0,r=(-λ)1/2coshφ0

と置くことができて,

()(2π)-1-dφexp{i0(-λ)1/2sin(φ+φ0)} 

故に. ()(1/π)0[(0(-λ)1/2] 

(i/2)0[(0(-λ)1/2] 

(i/2){0([0(-λ)1/2]i0[(0(-λ)1/2]} です。 

(※ K0は,0次の第2種変形Bessel関数です。)
 

() 00 かつ,|0|>rのとき, 

()(i/2)0[0λ1/2]

(i/2){0[0λ1/2]i0[0λ1/2]}
 

() 00 かつ,|0|<rのとき, 

()(1/π)0[(0(-λ)1/2]  です。

  
結局, λ=(0)2-r20 なら 

()(1/2)0[0λ1/2](i/2)ε(0)0[0λ1/2] 

λ<0 なら,()(1/π)0[(0(-λ)1/2] 

です。

   
したがってiΔ()()=-(4πr)-1(∂f/∂r)

(2π)-1(∂f/∂λ) 

{i/(4π)}ε(0)δ(λ)+θ(λ){0/(8πλ1/2)} 

{1[0λ1/2]iε(0)1[0λ1/2]} 

+θ(-λ){0/(4π2(-λ)1/2)}{1[0λ1/2]}
 

同様に,iΔ()()

{i/(4π)}ε(0)δ(λ)+θ(λ){0/(8πλ1/2)} 

{1[0λ1/2]iε(0)1[0λ1/2]} 

+θ(-λ){0/(4π2(-λ)1/2)}{1[0λ1/2]}
 

故に,iΔF()=<0|{φ()φ(0)|0 

=θ(0)iΔ()()+θ(-x0)iΔ()()なので,
 

iΔF()=={i/(4π)}δ(λ) +θ(λ){0/(8πλ1/2)} 

{1[0λ1/2]iε(0)1[0λ1/2]} 

+θ(-λ){0/(4π2(-λ)1/2)}{1[0λ1/2]} 

を得ます。
 

数学公式によれば,1[]=z/21/2)(/2)3+O(5) 

1[]=-1/(4πz){/π-(1/π)(/2)3}ln(/2) 

(/π){z-(/2)3}+O(5 ln)+O(5) 

1[]{z+(1/2)(/2)3}ln(/2)(/2){z-(/2)3} 

1/(4)+O(5)です。

  これから,
 

iΔF()=={i/(4π)}δ(λ)1/(4π2λ)

{i02/(16π)}θ(λ){02/(8π2)

{02/(8π2)}ln(0|λ|1/2/2)+O(|λ|1/2ln|λ|)
 

よって,SF()(iγμμ+m0)ΔF() 

2iγμμ[{1/(4π)}δ’(λ)1/(4π2iλ2)

{02/(16π)}δ(λ){i02/(16π2λ)}

+O(|λ|-1/2ln|λ|)]

+m0{1/(4π)}δ(λ)1/(4π2iλ){02/(16π)}θ(λ) 

{02/(8π2){i02/(8π2)}ln(0|λ|1/2/2)

+O(|λ|1/2ln|λ|) です。

以上から, F()はxμ 0 のとき, 

μ(1/λ2) 1/x3のように挙動することが,

わかりました。
 

普通に光子の外場Aμ()とだけ相互作用する

iF'()を,μ()iF()で摂動展開すると,
 

 iF'(x-ε/2,x+ε/2)iF'(-ε) 

iF(―ε) 

(i0)∫d4[iF(x―ε/2―y)γαiF(y-x―ε/2)

α()](i0)2∫d4yd4[iF(x―ε/2―y)γα

iF(y-z)γβF(z―ε/2)α()β()]

+O(lnε)
 

上述のように,F(x―ε/2,x+ε/2)=SF(―ε)

がεμ{(-ε)2}2の陽に挙動することから,kを積分の

個数,fをFermion伝播関数の個数とするとき,次数勘定定理

に寄与する発散時数Dは,D=4k-3fとなります。

これは,D>0ならεμ 0 のとき収束し,D=0 ならlnε

のように発散し,D=-1,-2,3.なら,それぞれ,ε-1-2,

ε-3..と挙動するのを意味するのは明らかです。
 

ただし,0|ψ~(x+ε/2)γμγ5ψ(x-ε/2)|0 

=-Tr{γμγ5iF'(-ε)} ですが,

左辺=<0|5μ(,ε)|0 

(1/2)0|[ψ~(x+ε/2),γμγ5ψ(x-ε/2)]|0>で

この右辺の真空:|0>で挟んだ場の交換子は,最低次

では,正規積(normal-producy)を取る定義となっていて

その寄与はゼロになり,


  
それ故,摂動
展開の第1項のSF(-ε),すなわち,ε→0

でのtadpoleは,<0|5μ(,ε)|0>には寄与しません。
 

あるいは,実際に計算しても, 

F(-ε)=∫d4(2π)-4 exp(ipε)/(-m0)ですが 

r{γμγ5/(-m0)}0より,

-Tr{γμγ5iF(-ε)}0 なの,明らかに,

-Tr{γμγ5iF'(-ε)}には寄与しません。
 

また,(lnε)も,<0|5μ(,ε)ελ|0>因子では,

ε→0で,ελ(lnε) 0 なので消えます。
 

さらに,第3項

(i0)2∫d4yd4[iF(x―ε/2―y)γαiF(y-z) 

γβF(z―ε/2)α()β()]ですが,

0|5μ(x,ε)ελ|0>Fμλ()全体の荷電共役不変性から,

この項は寄与しないとわかります。
 

具体的にはj5μ(x,ε)は荷電共役変換C^に対して偶で,

一方,外電磁場:μ()は荷電共役に対して奇etc.ですが

ここでは,詳細を省略します。

  
残るのは,第2項=(i0)∫d4 

[iF(x―ε/2―y)()iF(y-x―ε/2)α()] 

i0 ∫d4pd4(2π)-8 [exp(ipε)exp(iqx) 

×{(/2-m0)-1()(/2-m0) -1}] 

です。
 

それ故,0|5μ(,ε)ελ|0 

=-Tr{ελγμγ5iF'(-ε)} 

(i0)r[ελγμγ5

∫d4pd4(2π)-8 exp(ipε)exp(iqx) 

(/2-m0)-1()(/2-m0) -1]

+O(εlnε)
 

=e0r[γμγ5∫d4pd4(2π)-8 exp(ipε)exp(iqx)  

(/∂pλ){(/2-m0)-1()(/2-m0) -1}] 

+O(εlnε) です。
 

したがって,limε→00|5μ(,ε)ελ|0 

=e0∫d4pd4(2π)- 3exp(ipε)exp(iqx) 

(/∂pλ)r[γμγ5(/2+m0)()(/2+m0) 

 {(p+q/2)2-m02}-1{(/2)2-m02}-1]
 

4i0 εαβγδαμ∫d4(2π)- 4exp(iqx)δγ() 

∫d4(2π)- 4(/∂pλ)

[β(p+q/2)2-m02}-1{(/2)2-m02}-1] 

が得られます。
 

ところで,∫d4{∂f()/∂pλ}, 

もしもpμ(0,1,2,3)を,p0i4として,

μ(1,2,3,4)と書いてEuclid化し,4次元

Gauss積分定理を適用すると,積分領域を半径Rの

4次元球の内部として,∫d4{∂f()/∂pλ}

=(i2π22){λ<f()}||=Rを得ます。
 

ただし,||=Rは,Minkowski空間では,p2=-R2

を意味し,<f()>は半径Rの球面上のf()

平均値を意味します。
 

故に,∫d4(2π)- 4 

(/∂pλ)[β{(p+q/2)2-m02}-1{(/2)2-m02}-1] 

limR→∞[(i2π22)λβ(-R2-m02)-2](2π)- 4 

iλβ/(32π2) を得ます。


  
(※ ここで,対称性からlimR→∞(μν/2)(1/4)μν

となることを用いました。 )

  
一方,∫d4(2π)- 4exp(iqx)δγ()iδγ()

です。

  
したがって,limε→00|5μ(,ε)ελ|0 

 =-i0εμλγδ{δγ()}/(8π2)

 =-i0 εμλξηξη/(16π2) と書けます。

  
以上から, limε→00|μ5μ(,ε)|0

 2i0 limε→00|5(,ε)|0

 +{02/(16π2)}εμλξημλξη

 2i0 limε→00|5(,ε)|0

 +{α0/(4π)}εμλξημλξηとなり,

  
先の(74):μ0|5μ(x,ε)|0

 i00|5μ(x,ε)ελ|0>Fμλ()

 2i00|5(x,ε)|0+O(ε2).
 
 

 および,(75):i00|5μ(x,ε)ελ|0>Fμλ()  

 ={α0/(4π)}εμλξημλ() ξτ()+O(ε) 

 が確かに証明されました。  (9-2終わり※)
 

今から,約40年前の19751976年当時のノートは,ここで

終わっています。

  
本当はこれからが本題で当時もノートをつくる時間

なくても.結論まで読んで,内容の理解はしていたはずです。
 

長くなったし,切りがいいので,今日はここで終わります。 

次からは,第3章で,1995年のノートに移ります。
 

(参考文献):Lectures on Elementary Particles

 and Quantum Field Theory
  
(1970 Brandeis University SummerInstitute

in Theoretical Physics) Volume


 PS:他人事ではなく,いつ突然命が終わって,このブログも

最後の更新になるかもしれません。

 できるだけ,心残りが無いようにということで,他人様に

見せようというより日記として.残せるだけの懐古的記録

を自己満足的につづる綴るのが惰性となっています。


 昨年の6月に入院したとき,6/16日に右足の膝から下を切断

する手術をする。というのを断って10日ごろ退院してから

入院せずに,1年が経ちました。


  医者は糖尿病で足を切断した人の平均余命は1年くらい

言っていたので,切断しなければ,どのくらい?と

聞いたら私の場合は同じくらいでしょ。

と言っていたけど。。

 もう1年経ったぞ。。まったくぅ。。。

 そういえば明日は外来で病院に行く日だった。

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