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2017年8月

2017年8月19日 (土)

ユニセフからの最新メール

 久しぶりに ユニセフからのメール転載です。

 実弾などが飛んでこない快適環境を享受しているわが身が恥ずかしい思いです。

 平和で飽食な日本に生まれてきたというだけで,少なくとも物質的には如何に幸せなことか?と,戦火で傷つき飢えたる子らを見て,今更ながら思い知らされます。                             

 

 
 

TOSHI様

 
 
 

いつもユニセフの活動にあたたかいご支援をお寄せいただき、誠にありがとうございます。

今月のメルマガでは、先日実施したイベントのご報告のほか、ユニセフの水と衛生分野での活動事例のご紹介や、途上国の子どもたちの水運びを疑似体験できるイベントをご紹介します。  

 

 

· 日野原重明先生に感謝を込めて

 

· 人道支援シンポジウム ご報告

 

· ガザ地区:海水の淡水化で水危機を救う 

 

· マダガスカルの水運びを体験しよう

 

· 【開催報告】中高生ユニセフリーダー講座

 
 

 

日本ユニセフ協会大使として、ユニセフの使命を、多くの人々に訴え続けてくださっていた日野原重明先生が、先月18日に逝去されました。

 

日野原先生は、約10年前の20074月、日本ユニセフ協会大使に就任されました。就任に際し、「私は95 歳と6カ月になります。野球で言えば9回です。普通なら勝負はほぼ決まっているはずですが、私は、この『9回』から、一番大切な人生が始まると思っています。子どもたちのために頑張りたい」と力強く語ってくださいました。

 

以来、そのお言葉の通り、ご講演やご執筆活動などを通じ、様々な困難な状況に置かれている世界の子どもたちの実情を訴え、精力的に支援を呼びかけてくださいました。日野原先生の訃報に接し、ご遺族・ご親族の皆様に心からのお悔やみを申し上げるとともに、これまでの多大なお力添えに深く感謝申し上げます。  

 

特設ページでは、2012年に行われた日野原先生の100歳記念講演「みんなでユニセフを支えよう」の記事や、日本ユニセフ協会創立60周年にあたり、ユニセフをご支援くださる皆様に向けて寄せてくださった音声メッセージなどをご紹介しています。

 
 

 
 

 

728日、シンポジウム『子どもの“今”を守り “未来”をつくるユニセフの人道支援』を開催。満席となった会場では、ユニセフの専門家たちが、自身の体験をもとに、人道支援について語りました。  

 

登壇者の一人、マニュエル・フォンテーン(ユニセフ本部緊急支援局局長)は、「ユニセフの人道支援は、支援ニーズを把握し、予算を適正に配分し、具体的な使い道を明らかにした上で、効率化を図り、成果を追求しています。だからこそ、資金面の透明性、そして支援の成果を説明できることが、ユニセフの強みです」と述べる一方で、「支援の現場で出会う子どもたちを、自分の子どもや甥っ子、姪っ子と重ねて見ています。現場では、常に相手の側に立って、尊厳を守り、不安や恐れの気持ちに寄り添い支援を届けています」と人道支援に携わる一人の人間としての想いを語りました。  

 

ユニセフが先月発表した『人道支援活動ハイライト』によると、2016年にユニセフが支援を展開した人道危機は、108カ国で344件に上り、1年間に支援した人道危機の数としては過去最多となりました。現在、世界の子どもの4人に1人が、紛争や自然災害、伝染病の蔓延など、緊急事態下の国や地域で暮らしています。そのような状況のなか、ユニセフは緊急事態下での命を守る支援を拡大し、子どもたちの未来をつくる開発支援に結びつけています。  

 
 

 
 

 

パレスチナのガザ地区の水資源は昔から非常に乏しく、その状況は近年ますます悪化しています。地下水の95%は現在、飲み水に適していないとされています。地下水の過剰な汲み上げが原因で、下水や化学物質を含む地中海の塩水が土壌に浸透してしまったのです。  

 

ユニセフは今年1月、パートナー団体と共に脱塩浄水場を完成させ、75,000人に安全な水を届けられるようになりました。ガザ地区では慢性的な電力不足の問題を抱えているため、脱塩浄水場は電力の約12%を太陽光発電でまかなっています。今後、処理能力の強化のためにさらなる支援が予定されています。

 
 

 
 

 

日本ユニセフ協会と博報堂DYグループの有志メンバーは、「きれいで安全な水」を必要とする世界の子どもたちを支援する活動「TAP PROJECT JAPAN 2017」のシンボルイベント「ROAD to   WATER」を、821(月)から24日(木)まで、代官山T-SITE   GARDEN GALLERYにて開催いたします。

 

TAP PROJECT JAPANの支援先であるマダガスカルでは、人口の半数、農村部では3人に1人しか基本的な飲み水を手にすることができません。また、子どもたちが何キロも離れた場所から毎日水を運んでいるという現実があり、子どもたちの成長や学びの機会を奪ってしまう等、さらなる問題につながっています。  

 

ROAD to WATER」は、マダガスカルの子どもたちの水運びの大変さを、センサーが内蔵されたバケツ型デバイスを使って擬似体験いただくことにより、水に関わる様々な問題について関心を持っていただくことを目的としています。ぜひ会場にお越しください。  

 
 

 
 

 

学校や地域でユニセフのことを広めてくださる中高生リーダーを育成する「ユニセフリーダー講座」を81()2日(水)に開催しました。

 

今年も国際協力に関心のある元気な中高生たちが全国から東京のユニセフハウスに大集合!ユニセフハウスを見学して世界の現状やユニセフの活動について学んだり、ゲスト講師のネパール人留学生エソダ・バスネットさんと一緒に、ネパールの教育事情を良くするためにはどうしたらいいのか、グループ・ワーク形式でプロジェクトを考えたりしました。  

 

北海道や富山県、岐阜県など遠方からの参加者も多く、生徒たちはお互いに積極的に交流をして親睦を深めていました。

 
 

 
 

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公益財団法人 日本ユニセフ協会 〒108-8607 東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス

 

 

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摂動論のアノマリー(20)(第Ⅱ部:3)

 さて,また摂動論のアノマリーの続きです。

 π0 → 2γ崩壊の評価からです。
 

§5.2 Low Energy Theorem for π0 –Decay 

(π0 崩壊の低エネルギー定理)
 

(125)から(131)で見たように,アノマリーを持つWard恒等式 

,素朴な発散の真空から2光子への行列要素として,正確な 

「低エネルギー定理」を与えます。
 

一方,(150):μ53μ(π/2)π0 

+S{α0/(4π)}ξστρεξστρ.; (S=Σjjj2) 

における素朴な発散:(π/2)π0,π0の場なので,
 

この場合,「低エネルギー定理」は,π0中間子の質量が

ゼロでのoff-shellに外挿された π0 2γの振幅に

ついての命題を与えることになります。
 

π0 2γの振幅:π(12)の標準定義は, 

<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|(□+μ2)π0|0 

(41020)-1/21ξ2τε1σ*ε2ρ*εξτσρπ(12) 

.(153) です。
 

(20-1):始状態(initial stare):|i>=|π0 >から, 

終状態(final state):|f>=|γ(1,ε1)γ(2,ε2) 

への散乱行列(S行列)要素Sfi,および,^演算子は,

ユニタリ変換だけ異なる2つの完全系:incomibg漸近場

の状態と,outgoing漸近場の状態(散乱状態)を結び付ける

ものとして,

fi=<f;out| ;in>=<f;in|^|;in 

=<γ(1,ε1)γ(2,ε2); out|π0 ;in 

=<γ(1,ε1)γ(2,ε2);in|^|π0 ;in 

と定義されます。

 
(※子※S^演算子は,<f:in|=<f;out|S^で定義

されます。今の場合: |i>から|f>への遷移確率を示す

fi,散乱行列要素というより,π0 2γの崩壊行列要素

です。)
 

そして,LSZの還元公式(Reduction Formula)から, 

fii∫d4(2π)-3/2(20)-1/2 exp(iqx) 

(x+μ2)<γ(1,ε1)γ(2,ε2);in|π0()|0 

と書けます。
 

incoming状態は,x座標表示では,それぞれ, 

<x|π0 ;in>=(2π)-3/2(20)-1/2 exp(-iqx) 

<γ(1,ε1)γ(2,ε2);in|x>σρ 

(2π)-3(41020)-1/2ε1σ*2ρ*exp(i1)εexp(i2) 

です。
 

そこで,S行列要素:fi,をx表示で, 

fii∫d4(2π)-9/2(20)-1/2exp{i(q-k1-k2)} 

(41020)-1/2ε1σ*ε2ρ*σρ(1,2:) と書きます。
 

そして(153)の<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|(□+μ2)π0|0 

(41020)-1/21ξ2τε1σ*ε2ρ*εξτσρπ(12) 

の因子を.(2π)σρ(1,2:) 

=k1ξ2τε1σ*ε2ρ*εξτσρπ(12)と等置して,

<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|(□+μ2)π0|0 

(41020)-1/21ξ2τε1σ*ε2ρ*εξτσρπ(12) 

(2π)(41020)-1/2ε1σ*ε2ρ*(1,2:) 

とすれば,
 

fi(x+μ2)<γ(1,ε1)γ(2,ε2);in|π0()|0 

i∫d4(2π)-4 exp{i(1+k2)}

(2π)-3/2(20)-1/2exp(iqx) 

<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|(□+μ2)qπ0|0> 

となります。
 

それ故,(153)の<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|(□+μ2)qπ0|0

,S行列要素: 

fi(x+μ2)<γ(1,ε1)γ(2,ε2);in|π0()|0 

から,|π0 ;in>の波動関数因子:

(2π)-3/2(20)-1/2exp(iqx)を除いたFourier変換

=運動量表示になっている,と考えられます。
 

(201終わり※)
 

さて,「摂動論のアノマリー(16)」においては. 

<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|μ5μ|0 

(41020)-1/21ξ2τε1σ*ε2ρ*εξτσρΛ(12).(125) 

<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|2i05|0 

(41020)-1/21ξ2τε1σ*ε2ρ*εξτσρΛ(12) (125) 

<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|{α0^/(4π)}

(ξσ+FRξσ)(τρ+FRτρ)εξστρ|0

(41020)-1/21ξ2τε1σ*ε2ρ*εξτσρΛ(12) 

(125) と定義して,

  
係数:Λの くり込まれた量である
 (130):

~(12)limkΛ→∞Λ(1)に対して 

「低エネルギー定理」(131):~(0)=-2α/π 

を得ました。

  
この,(125)(131),

<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|(□+μ2)π0|0 

(41020)-1/21ξ2τε1σ*ε2ρ*εξτσρπ(12)

を比較すると,上記「低エネルギー定理」は,

~(0)=μ-2(π/2)π(0)=S(2α/π)..(154) 

すなわち,π(0)(-α/π)(2)(2μ2/π) ..(154) 

を意味することがわかります。
 

(20-2):何故なら, 

<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|(□+μ2)π0|0(1+k2)20 

{(1+k2)2+μ2)} 

×<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|π0|0(1+k2)20 

=<γ(1,ε1)γ(2,ε2)| μ2π0|0(1+k2)20

(41020)-1/21ξ2τε1σ*ε2ρ*εξτσρπ(0)

です。
 

ところが,(150):μ53μ(π/2)π0 

+S{α0/(4π)}ξστρεξστρ.から, 

μ2π0(2μ2/π)μ53μ(2μ2/π){α0/(4π)} 

ξστρεξστρ.  です。
 

よって,μ2<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|π0|0(1+k2)20  

(2μ2/π)<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|μ53μ|0(1+k2)20 

(2μ2/π)<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|{α0/(4π)} 

ξστρεξστρ|0 (1+k2)20  です。
 

それ故,(41020)-1/21ξ2τε1σ*ε2ρ*εξτσρπ(0) 

(S√2 /π)(41020)-1/21ξ2τε1σ*ε2ρ*εξτσρ~(0)
 

何故なら,明らかに∂μ53μ|0>=0なので, 

<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|μ53μ|0(1+k2)200 です。
 

したがって,定理:~(0)=-2α/πより, 

(2μ2/π)π(0)=SG~(0)=S(2α/π) 

あるいは,π(0)(-α/π)(2)(2μ2/π) 

が得られます。 (20-2終わり※)
 

(20-3):前の注釈の内容を見ると,(1+k2)2=μ2

のとき,π(12)=Fπ(μ2/2)0 となりそうですが, 

実際には,<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|π0|0> は, 

(1+k2)2=μ2に極を持つ,と考えられるため,この

質量殻の上でのFπ,つまりFπ(μ2/2)は一般にゼロには

なりません。
 

しかし,<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|π0|0>は 質量殻外の 

(1+k2)20 には極を持たないので.(1+k2)20 

のとき,(1+k2)2<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|π0|0 

(41020)-1/21ξ2τε1σ*ε2ρ*εξτσρ~(12)

(1+k2)2はゼロです。 (20-3終わり※)
 

π0  2γ の崩壊行列要素は, 

fi(x+μ2)<γ(1,ε1)γ(2,ε2);in|π0()|0 

i∫d4(2π)-4 exp{i(1+k2)}

(2π)-3/2(20)-1/2exp(iqx) 

<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|(□+μ2)qπ0|0> 

で与えられます。,
 

そして.<γ(1,ε1)γ(2,ε2)|(□+μ2)π0|0 

(41020)-1/21ξ2τε1σ*ε2ρ*εξτσρπ(12) 

であったので,(154) 

π(0)(-α/π)(2)(2μ2/π),低エネルギー

では π0  2γの振幅が,直接:(150):

μ53μ(π/2)π0+S{α0/(4π)}ξστρεξστρ.

のアノマリー項に比例することを示しています。
 

したがって,もしもアノマリー項をゼロとしてomitしたら, 

(154)の代わりに,π(0)0 (155)が得られると予測され

ます。しかし,これは,実験事実に反して,π0  2γの崩壊

が禁止されることを意味します。
 

ここで.手短かに,(154)が示唆することのいくつかを

論じます。

  
()(154)によって予測されるπ0の崩壊実験の崩壊率は 

パラメータSに依存します。そして,このSは,Fermi粒子

の電荷Qと軸性結合定数gによって決まります。

(※ S=Σjj2 です。)
 

SU(3)のクォークモデルでは,それは中間子の交換によって

相互作用するFermi粒子:(ψ1,ψ2,ψ3)(,,λ)なる基本

3粒子の組から成り,その結合定数は,

(1,2,3)(1/2,1/2,0) です。
 

電磁カレントのU-スピン不変性から,基本粒子:(ψ1,ψ2,ψ3)

の電荷は,(,Q-1,Q-1)というパターンを持ちます。
 

(20-4):現在(2017)のところでは,ハドロンを構成する基本

粒子クォークはフレーバー(Flabour)自由度として,3種ではなく

6種:,,,,,(up,down,strange,charm,top,bottom)

存在する,とされていますが,1970年当時は,そのうちの3個:

,,sだけで基本クォークが構成されると予想されており,

それらu,,sを,,λと表記る習慣でした。
 

そこで,3成分のΨをΨ=(,,λ)なる縦成分表示で記述

します。

このSU(3)対称性を仮定した,σモデルでのカイラル回転の

無限小局所ゲージ変換は,Ψについては. 

Ψ {1(i/2)γ5Σ=18λ()}Ψであり,これに対応

する,8成分軸性ベクトルカレントは, 

5μ(1/2)Ψ~γμγ5λΨ

+σ∂μφ-φμσ+g0-1μπ0 

(a=1,2,。。,8)です。
 

ここで,λはアイソスピンSU(2)(τ1,τ2,τ3)に対応

する,SU(3)変換群の生成子(enerator),3×3行列

表現です。

そして,Φ(φ1,φ2,..φ8)は対応する8中間子です。
 

相互作用Hamiltonian密度: int, 

intinti(G√2)Ψ~γ5Ψ~ で与えられます。
 

ただし,Mは中間子(mesons)を行列要素とする3×3

行列で,M=λΦ=Σ=18(λφ)を意味します。

(※Mはトレースレスです。)
 

π0=φ3 なので,intにおいて,π0coupleできる部分を

陽に書くと,i(G√2)(~,~,λ~)γ5(λ3φ3)(,,λ)

です。

  
そして

,

ですから,j5 3μ(1/2)~γμγ5p-(1/2)~γμγ5

+σ∂μπ0-π0μσ+g0-1μπ0 です。


  
(※※ ちなみに荷電πなら,例えば,π|np~>であり, 

そのπ場は(φ1iφ2)/2で与えられます。
 

そこで,intの関連する部分は, 

i(G√2)(~,~,λ~)γ5(λ1φ11+λ2φ2)(,,λ)

のみであり,対応する軸性ベクトルカレントは, 

5μ(5 1μi5 2μ)/2 

(1/2)~γμγ5p+√2(σ∂μπ-πμσ)

+√20-1μπ0  と書けます。 ※※)
 

次に,-スピンというのは,SU(3)対称性群のI-スピン 

(アイソスピン)とは異なるSU(2)部分群で,これは電荷演算子

^可換な変換なので,その生成子;j^(j=1,2,3),

[j^,^]0 満たします。
 

^は3×3行列表示として対角化可能で,その対角要素

 (1,2,3)とすると,jQUj=Qから,2=Q3

得ます。

 
一方, -スピンからはp,nがI=1/2,I31/2,1/2 

状態で,Bをバリン数,Yをハイパーチャージとすると

p,nの核子Nでは「Y=B=1,Q=I3+Y/2という性質

があるので.Q2=Q11です。
 

そこで,(,,λ)の電荷が

(1,2,3)(,Q-1,Q-1)書けるわけです。
  (20-4終わり※)
 

クォークのパターン電荷:(,Q-1,Q-1)において,

主流モデルの分数電荷クォークでは,Q=2/3より,

(,Q-1,Q-1)(2/3,1/3.1/3)なので,

S=Σjj21/6です。
 

一方, Q=1やQ=0の整数荷電を仮定すると,S=±1/2

です。
 

ここで,π0の崩壊率(1/崩壊寿命)について次の公式が

あります。

すなわち,τ-1(μ3/64π)|π(μ2)|2..(157) です。
 

(20-5):上の(157)の証明です。
 

反応体積をV,時間をTとすると,単位体積当たりの遷移速度

,|fi|2/(VT) 

(2π)4δ4(q-k1-k2)(2π)-9(8k1020q)-1|π(μ2/2)|2 

×Σε1,ε2|1ξ2τε1*σε2*ρεξτσρ|2 

で与えられます。
 

何故なら,まず,fi4運動量保存の因子:

(2π)4δ4(q-k1-k2)を含み,VT=(2π)4δ4(0)と同定

されるので|fi|2/(VT)は,(2π)4δ4(q-k1-k2)を1個

含みます。


  そして
π0 2γ反応では,fiが規格化因子;

(2π)-3/2(210)-1/2,(2π)-3/2(220)-1/2,(2π)-3/2(2)-1/2

を持つため,これは|fi|2/(VT)には,

(2π)-9(8k1020q)-1の寄与です。
 

そして,(1+k2)2=μ2 のときk12=k220 より,

12=μ2/2なので係数:π(12)の寄与は,実は

π(μ2)ではなく,π(μ2/2) です。
 

そして,π0の静止系を想定すると,μ(q,)=(μ,0)

です。そこで,1=-2とおくと,k=||=μ/2,

です。故に,10=k20=k=μ/2です。
 

よっての向きを3(z軸)に取って,=k3

すると,1ξ2τでゼロでないのは,ξ=0,τ=3,

ξ=3,τ=0  のみです。

さらに,1ξ2τε1*σε2*ρεξτσρ22ε0 3σρにおいて

ε1,ε2は横波を示すのでε1=ε20,より,ゼロでない

のは,(σ,ρ)=(1,2),(2,1)のみで,このときε1*σε2*ρ

1です。
 

結局,Σε1,ε2|1ξ2τε1*σε2*ρεξτσρ|2 

|22ε0 312|2|22ε0 321|284  を得ます。
 

全空間Vに1個のπ0が存在するという規格化を考慮 

して,π01個当たりの崩壊確率を求めると 

τ-1(1/2!)∫d3132{|fi|2/(VT)} 

(μ3/64π)|π(μ2/2)|2 を得ます。
 

(1/2!)2光子の区別不可能性に起因する因子です。
 

(会用命終わり)  (20-5終わり※)
 

こうして,(157)の修正式:

τ-1(μ3/64π)|π(μ2/2)|2において,π(μ2/2)

π(0)で近似すると.π0崩壊の崩壊率の(近似)計算値と

して,次の値が得られます。
 

すなわち,S=1/6のなら τ-10.8 e..(158) 

S=±1/2なら  τ-17.4 e..(158) です。
 

一方,Rosenfeldによって引用されたπ0崩壊の崩壊率

実験値は,次の通りです。
 

すなわち,τexp -1(1.12±0.22)×1016 sec-1

(7.37±1.5) eV..(159)です。

(※ 現在での実験値は,τexp -1(7.48±0.32) e)
 

また,もしも最近のPrimakoff効果の実験が,上記の

Rosenfeld平均を含む初期の実験より信頼できるなら,

τexp -111eVにもなるという結果もあります。
 

とにかく,この結果からは,S=1/6の分数電荷クォーク

は強く排斥され,他方,Q=1やQ=0の整数電荷クォーク

からの予測値は実験と満足のいく一致を見る,という結果

を得ました。
 

(20-6):現在の見地では,クォークにはフレーバー自由度

とは独立にカラー自由度:3があってSU(3)対称性を持つ

ことがわかっており,これにより,S=(16)×3=1/2

なるため,逆に整数電荷では過剰で分数電荷モデルの方が有望

でほぼ確定的です。 (20-6終わり※)
 

さて,(158)(159)の明白で劇的な一致は,幾分偶発的な

ことです。この一致を偶発的と見るのは,逆に,実験での崩壊率

の不確かさと,PCAC論旨に含まれると予想される1020

の外挿誤差の存在のためです。
 

例えば,もしも,(154):

π(0)(-α/π)(2)(2μ2/π)のfπに実験値をあてる

代わりに,Goldberger-Treimanの関係: 

2μ2/π ~ gV/(N)..(160),

(N:核子Nの質量,:πN結合定数 ~ 13.6, 

:核子軸性カレントの結合定数 ~ 1.22)

を代入するならS=±1/2の理論的予測は20%増加して

τ-1  9.1 eとなります。
 

いずれにしろ,実験結果との比較は,||1/2を示唆して

います。
 

途中ですが,以下は長くなるので今日はここで終わります。

 
 (参考文献):Lectures on Elementary Particles and Quantum  

Field Theory(1970 Brandeis University SummerInstitute  

in Theoretical Physics) Volume

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2017年8月12日 (土)

3重3元クォ-ク模型の束縛ポテンシャル(修士論文;その2)

(つづきです。)
 

§4. 2体系,3体系,および,4体系についての考察 

(3-3)式に基づいて,クォーク,反クォークのさまざまな複合系

質量準位を見積もるわけであるが,まず,最も簡単な2,3,4

体系についての共鳴粒子を考察してみよう。
 

()2体系と3体系 

まず,(2)を考えると, 

-~系では, 

qq~=v12{(1-a)Λ1Λ~2+b} 

=v12{(1-a)(C-21)/2+b}..(4-1)
 

-q系では, 

qq~=v12{(1+a)Λ1Λ~2+b} 

=v12{(1+a)(C-21)/2+b}..(4-2)
 

また,qqq系では, 

qqq(1+a)(12Λ1Λ2+v23Λ2Λ3+v31Λ3Λ1) 

+b(12+v23+v31) 

{(1+a)/2} 

×{12(2(1,2)21)+v23(2(2,3)21)+v12(2(3.1)21)} 

+b(12+v23+v31) ..(4-3)
 

qqq~系では, 

qqq~(1+a)12Λ1Λ2(1-a)(23Λ2Λ3+v31Λ3Λ1) 

+b(12+v23+v31)  ..(4-4) である。
 

そこで,現在,観測にかかっている通常のハドロンが 

クォーク-反クォーク対;(qq~)あるいは3つの 

クォーク系:(qqq)のみのカラー1重項共鳴粒子

のみであることを要求する。
 

つまり, qq~,qqqがC=0 のとき最小となり,その基底状態

での値をVqq~min,qqqminとおくとき, 

2M+Vqq~min0, 3M+Vqqqmin0 ..(4-5)となることを

要求するのである。Mは.もちろん,クォーク質量である。 

そうすれば,必要条件として,1-a>0,1+a>0 要求

される。
 

そしてC=0 でC2(1,2)=C2(2,3)=C2(3.1)4/3となるので, 

qq~min=v[{(1-a)/2}(21)+b]

{(4/3)(1-a)+b} 

qqqmin=v{(1+a)/2}(4/3)×33]

{2(1+a)3}..(4-6)
 

ここでvは,ijには最大の固有値があるが,その量子効果を無視

した近似を考えているのでvij自身のr=r0における最大値で

あると考えてよい。
 

(4-5),(4-6)をb,Mについて解けば, 

b=8/3、M=(2/3)(13)..(4-7) となる。
 

スカラーの1重項の寄与は系をつくる粒子の個数の増加に対して

2次的に増大する傾向を持つので,qq~,qqq以外の共鳴粒子

の質量準位を上げる効果と考えれば,好都合である。

そのためには,b>1とするのが望ましい。
 

そこで,このことと,1-a>0,1+a>0,および,M>0

考え合わせることによって, 0 <a<1/3..(4-8) 

のように,aの範囲を制限しなければならないことがわかる。
 

一方,こうした条件下でVqqを考えると,(4-2)ででv12

常に正であることから,系が反対称3重項をつくるとき最小

なる。
 

一般に,SU(3)のk重項状態でのVqq。。q.の固有値を

qq。。q(k)と書くことにすれば,qq(3*)212(3a-1)

が得られる。3a-1<0 ,これはv12=vのとき

最小となる。

すなわち, qqmin=Vqq(3)min)2(3a-1)

=-M。そこで,2M+Vqqmin ~ M..(4-9)
 

また,qq~,qqqのSU(3)cの高次の既約表現空間

の基底をなす状態を見積もると,qq~の8重項では, 

qq~(8)(15a+1)12/6 よりVqq~(8)min0 

であるから,2M+Vqq~(8)min 2..(4-10) 

である。
 

qqqの8重項(C=3)の状態は,粒子1.2が反対称

重項をつくっている状態:|(1.2)33>と粒子1.

が反対称3重項をつくっている状態:|(1.3) 32>の

重ね合わせで与えられる。
 

テンソル表現を用いて,これらの状態の変換性を調べると, 

{qqq(8/3)(12+v23+v31)}|(1.2)33 

=-{(1+a)/6}(412+v23-v31)}|(1.2)33 

{(1+a)/2}(23-v31)}|(1.3)32 

{qqq(8/3)(12+v23+v31)}|(1.3)32 

{(1+a)/2}(23-v12)}|(1.2)33 

{(1+a)/6}(431+v23-v12)}|(1.3)32
 

これから,固有値方程式を解くと.  

qqq(8){(15a-1)/6}(12+v23+v31) 

±{(1+a)/2}

(122+v232+v31 2-v1223-v2331-v3112)1/2
 

§3の最後の注釈からVqqq(8)が最小になるのは,12,23,3

1全てがv,2つがvで1つがゼロ,1つがvで2つがゼロ,

あるいは,全てがゼロのいずれかである。 

つまり.qqq(8)min.

(15a-1)v/2,(27a-5)v/6,2(3a―1)/2,0 の4つの値

のうちの最小値より小さくはないことがわかります。
 

いずれの場合も.3M=2(13)をこれに加えて,系全体

の質量を見積もることができて, 

結局,3M+Vqqq(8)min(7/4).(4-11) を得る。
 

qqq-10重項では,

qqq(10){(9a+1)/3}(12+v23+v31)}より, 

qqq(10)min0, 3M+Vqqq(10)min)3.(4-12)
 

さらに3体のトライアリティが1の系:qqq~

を考える。
 

これは2つの独立な3重項,6重項,および15重項を

形成することがわかる。

(※すなわち,3×3×3=3+3+615)
 

表現を用いて各多重項に対し,(4-4)のVqqq~の固有値を

計算すると, 

qqq~(3)(8/5)(12+v23+v31)

(12/7)(1-a)(23+v31)(1/6)(1+a)12 

±(1/4)[8(1-a)2(31-v23){2(1-a)12

(1-a)(23+v31)}2]1/2, 

qqq~(6*)(2/3)(3a-1)12(1/6)(15a+1)(23+v31) 

qqq~(15)(1/8)(9a-1)12(1/6)(15a+1)(23+v31)
 

重項については,12,23,31の各々についてvか0かの,

いずれかを割り当てる6通りの組み合わせを考えることに

よって, 

3M+Vqqq~(3)min ≧min{(/4)(5-a)(17210a+9)1/2.

(/3)(13)} ..(4-13) 

これを見ると,0 <a<1/3では3M+Vqqq~(3)min0では

あるが, 特に,1/9≦a<1/3なら,3M+Vqqq~(3)min ≧Mとなる

ことがわかる。
 

また,6重項,15重項については,容易にわかるように, 

3M+Vqqq~(6*)min 2, 3M+Vqqq~(15)min3..(414)

を得る。
 

()4体系 

1) まず,4体のトライアリティがゼロの系:qqq~~

を考える。

1,2がクォーク,3,4が反クォークの粒子番号に

対応すると考えれば, 

qqq~q~(1+a)(12Λ1Λ2+v3~4~Λ~3Λ~4) 

(1-a)(13~Λ1Λ~3+v24~Λ2Λ~4 +v14~Λ1Λ~4

+v23~Λ2Λ~3)

(8/3)( 12+v3~4~+v13~+v24~ +v14~+v23~).(4-15) 

である。
 

×3×3×3=1+1+8+8+8+8+101027

という既約分解が成立するので,カラー1重項(C=0)の状態

,2つの(直交はしないが)1次独立な1重項状態の線形結合

で表わされる。
 

Lipkin(参照[1])の記法に従って,それらを

α>=|(1,2)1(3,4)1,|β>=|(1,4)1(2,3)1>で表わすこと

にする。
 

qqq~q~=Vqqq~q~

(8/3)( 12+v3~4~+v13~+v24~ +v14~+v23~) とおけば, 

qqq~q~|α> 

(1/6){(1-a)2(1+a)38(1-a)1}|α> 

(1/2){(1+a)3(1-a)2}|β> 

qqq~q~|β> 

(1/2){(1+a)3(1-a)1}|α 

(1/6){(1-a)1(1+a)38(1-a)2}|β>

を得る。 

ここに,1=v13~+v24~,2=v14~+v23~,

3=v12+v3~4~ である。
 

したがって,qqq~q~の2つの固有値の内小さい方は 

qqq~q~(1)(8/3)(1+u2+u3)(7/12)(1-a)(1+u2) 

(1/6)(1+a)3 

(1/4)[8(1-a)2(1-u2)2{2(1+a)3

(1-a)(1+u2)}2]1/2 ..(4-16) となり, 

1,2,3,各々独立に0から2vを取り得る引数

と考えることができる。
 

これが最小となる5つの場合について調べると, 

 10でu22,30,またはu20,32

の場合:qqq~q~(1)(8/3)(3a―1) ~ -4M より,

4M+qqq~q~(1) ~ 0(4-17)となるが,これは2つのqq~系が

互いに束縛されず,独立に中間子を構成して散乱状態を

つくっている場合だと考えられる。
 

② u1=u22,30 の場合: 

qqq~q~(1)(2/3)(21a―5) ゆえ,

 4M+Vqqq~q~(1) (2/3)(9a―1)

③ u20であって,12,30,

またはu10,32v の場合: 

qqq~q~(1)(9/3)(23a-3)

(/2)(17210a+9)1/2より, 

4M+Vqqq~q~(1)

(7/6)(3a+1)v-(/2)(17210a+9)1/2

④ u1=u2=u32v の場合: 

qqq~q~(1)(2/3)(6a―1), 

 4M+Vqqq~q~(1) =8av

⑤ u1=u20,32v の場合: 

qqq~q~(1)(4/3)(13) ~ -2, 

 4M+Vqqq~q~(1) 2M である。 

これは2つのq-q共鳴粒子(qq),(~~)の散乱状態

対応している。

そこで,qq~,aるいはqqによる共鳴状態を除外すると, 

 ,,④から,4M+Vqqq~q~(1)≧min{(2/3)(9a―1), 

(7/6)(6a-1)(/2)(17210a+9)1/2,8av}..(4-18) 

となることがわかる。
 

特に,1/9<a<1/3なら4M+Vqqq~q~(1)0 ,

1/6<a<1/3なら中間子散乱状態を除くと,

4M+Vqqq~q~(1)≧M を得る。
 

次に8重項は,一般に4つの独立な状態の重ね合わせだから, 

重項の場合と同じようにして,qqq~q~の固有値を求める

永年方程式をつくると,λを未知数として

=0 ..(4-19) となる。
 

しかし,この4次方程式を解くのはかなり面倒である。  

(※↑拡大しないと見えないかもしれないが,詳細は本題

には,あまり関係ありません。)

 
そこで,§3の最後の議論に従って,ij0,またはvを取る

さまざまな場合について場合分けして,4M+Vqqq~q~(8)の下限

を見積もることにする。
 

18通りの場合について,4M+Vqqq~q~(8)を見積もると, 

それらは, 

4,(/2)(13a+3),(/6)(25a+7),(/6)(33a+7), 

(/3)(1327),(4/3)(13),(/3)(11a+3), 

(3/2)(1-a),(/12)(4129)(/4)(41214a+9)1/2, 

(/3)(5a+7),(1-a),(/6)(115),(/6)(913), 

2,(2/3)(1+a),(/3)(35),2,3,  


  以上であることがわかった。

 

ここで計算に必要な際には,-2/3 ≦ <ΛiΛj>≦1/3.  

-4/3 ≦<ΛiΛ~j>≦1/6 を用いた。
 

そこで, 4M+Vqqq~q~(8)min,これら18個の値のうちの

最小値より小さくはないことがわ0かる。
 

このことから直ちに,0<a<1/3のとき,

4M+Vqqq~q~(8)min≧M ..(4-20) を得る。
 

10重項,10重項や,27重項では,qqq~q~の固有値は容易に計算

できる。 

qqq~q~(10)

(8/3)( 12+v3~4~+v13~+v24~ +v14~+v23~) 

{(1+a)/3}(1223~4~)

+{(1-a)/6}(13~+v14~+v23~+v24~) 

qqq~q~(10*)

(8/3)( 12+v3~4~+v13~+v24~ +v14~+v23~) 

{(1+a)/3}(3~4~212)

+{(1-a)/6}(13~+v14~+v23~+v24~) 

qqq~q~(27)

(8/3)( 12+v3~4~+v13~+v24~ +v14~+v23~) 

{(1+a)/3}(12+v3~4~)

+{(1-a)/6}(13~+v14~+v23~+v24~).(4-21)

となる。
 

したがって,qqq~q~(10)min=Vqqq~q~(10*)mon=-M.

qqq~q~(27)min0, すなわち,

4M+Vqqq~q~(10)min=4M+Vqqq~q~(10*)mon 3.  

4M+Vqqq~q~(27)min 4M  ...(4-22)

を得る。
 

2) 次に,4体のトライアリティが1の系:qqqq

を考える。 

qqqq

(1+a)(12Λ1Λ2+v13Λ1Λ3+v24Λ2Λ4 +v14Λ1Λ4 

+v23Λ2Λ3+v34Λ3Λ4) 

(8/3)( 12+v34+v13+v24 +v14+v23)..(4-23)
 

§3の最後の論旨から,これの最小固有値は6つのvij

のうち,いくつかが 0,残りがvをとるという,さまざまな場合

の最小固有値よりも小さくはないことがわかっている。
 

そこで,各場合について逐一固有値の大きさを評価すると,

qqq~~の場合と同様な方法により,下限を計算できる。
 

 全てがvのとき,  

4M+Vqqqq(2/3)(9a+1)
 

 つだけ 0 で残りのvijがvのとき, 

4M+Vqqqq(/3)(9a+1)
 

 つがvで2つが 0 のとき, 

4M+Vqqqq≧v((1+a)
 

 つがvで残りが 0 のとき, 

4M+Vqqqq≧M  

最小値Mをとるのは,1重項重粒子とクォークの散乱状態

である。
 

 つがv,残りの4つが 0 のとき,  

4M+Vqqqq2
 

 つがvで残りの全てが 0 のとき,  

4M+Vqqqq3
 

 全てのvij0 のとき, 

4M+Vqqqq4

以上から,0<a<1/3のとき, 

4M+Vqqqqmin≧min{(/3)(9a+1),}..(4-24) 

そこで,質量準位の下限はaを適当に選ぶことによって十分

大きい値になり得ることがわかる。
 

3) 最後に,4体のトライアリティが2の系:

qqqq~については, 

qqqq~(1+a)(12Λ1Λ2+v23Λ2Λ3+v31Λ3Λ1 ) 

(1-a)(14~Λ1Λ~4+v24~Λ2Λ~4+v34~Λ3Λ~4) 

(8/3)(12+v23+v31+v14~+v24~+v34~)..(4-25)
 

これの最小固有値もまた,qqqqminと全く同じ場合分けに

よって下限を見積もることができる。
 

すなわち,同じように7つの場合について,4M+Vqqqq~

の下限を計算すると,/3)(9a+1),(/3)(9a+1),

③v(1-a),④M,⑤M,2,4M が得られる。

 ここで,,⑤では,最小値Mを取るには,それぞれ

 カラー1重項重粒子と反クォークq~,および,3重項

 のqqと中間子qq~の散乱状態, の場合である。

 以上からqqqq~の場合にもやはり,0<a</3なら,

 4M+Vqqqq~ min≧min{(/3)(9a+1),}..(4-26)

 である。

§5 一般の系(- クォーク・反クォーク系)に関しての推論

§4で,2,3,4体の-クォーク・反クォーク系のあらゆる共鳴状態

を考察した結果,4体系までに関する限り,aを適当に選べばMに

比して無視できる質量スペクトルの領域で中間子qq~,重粒子

qqqというカラー1重項粒子しか存在し得ないことを知った。

体以上の系でも,同様な考察によって逐一検討することは,

原理的には可能であるが非常に複雑となるであろう。

そこで,全てのnq個のクォークと,q^個の反クォークとが存在

する一般の系で,共鳴粒子の状態を全ての粒子が十分密に近接

して配置されている状態と捉えることによって,共鳴粒子状態

のポテンシャル,および,質量準位の大きさを見積もる方法を

考える。

つまり, 中間子qq~,重粒子qqq,その他qq,qqq~,

qqq~q~等,さまざまの共鳴粒子の散乱状態を除いて,そのほか

に安定な状態が存在すれば,

それが,nq+nq^個のクォーク,反クォーク全体系による共鳴粒子

状態であって,そうした状態では全てのクォーク,あるいは

反クォークは相互にrq前後の距離で近接していると考える

である。

そうするとvijの平均として<v>をくくり出す近似が

(3-3)適用できる。つまり,

(q,q~)|(1+a)/2}<v>

×{Σi=,j=q,i≠jΛiΛ+Σi=~,j=q~,i≠jΛ~iΛ~j}

(1-a)<v>Σi=,j=q~,i≠jΛiΛ~j

(8/3)(<v>/2)Σ≠j1 .と書ける。

この式は,全体系, q個のクォーク系,q~個の反クォーク系,

に対する2次のCasimir演算子:,q,q~を用いて容易に

変形されて,(q,q~)|(1+a)/2}<v>C

+a<v>(q+Cq~)

{(1-a)/2}<v>(q+nq~)1

(4/3)(<v>(q+nq~)(q+nq~1).(5-1)

となる。

ここで,Σi=,j=q~,i≠jΛiΛ~j(1/2)(C-Cq-Cq~)

を用いた。

(5-1)を見れば,やはり,,q,q~が小さいほど,

つまり,既約表現の次元が低いほど,ポテンシャルも低くなる

傾向にあることが明白である。

(5-1)のV(q,q~)が最も小さくなるのはC=0,かつ,

q=Cq~0 が可能なときであり,そのとき系全体の

つくる共鳴粒子の質量をμ(q,q~)とおけば,

μ(q,q~) (q,+nq~)M+Vmin(q,q~)

(2/3)(v-<v>)(13)(q,+nq~)

(4/3)a<v>(q+nq~)(q+nq~1)..(5-2)

が得られる。

0<<v><v,0<a<1/3であるから,<v>がnq,q~

の増加に対して減少する可能性を考慮しても, q+nq~4

では,aの選び方如何でμ(q,q~)をMと比較して無視

できない程の大きさにできることは明白である。

(参考文献):

[1] H.J.Lipkin : Phys,Lett;45B(1973)p267

{2} A.D.Dolgov,L.B.Okun and V.I.Zakharov:Phys.Lett 49B(1974)p455

[3] H.J.Lipkin : Phys,Lett. 58B(1975)p97

[4] M.V.Han and Y.Nambu : Phys.Rev.139B(1965)p1005

[5] O.W.Greenberg and D.Zwanziger:Phys.Rev,150(1966)p1177


今日は,自己の思い出だけの拙い論文の晒しモノだけでした。

PS:2007年12/28の10年前の過去記事:

「新しいタイプの中間子(谷川先生の思い出)」で,

次のように書いたのを思い出しました。

※ どうも世事に疎いのですが,1976年の私の修士論文「Quark Molecule」

の中でそれとなく予測していたエキゾチックな素粒子(exotic particles)

の1種,"4体クォーク=(クォーク2個+反クォーク2個)"の

カラーSU(3)の反対称1重項(シングレット:siglet)の共鳴状態 ,

または束縛状態から成る新しい型の中間子)がこの10月にKEK

(つくば市の高エネルギー加速器研究機構)で見つかったらしい

ですね。。(↑「KEKプレス(Bell実験で新種の中間子を発見)」)

 例えば,フレイバーとしてアップクォーク=uの1種だけから構成される4体クォーク中間子なら,u~をuの反粒子の表記として, uuu~u~ なる電気的に中性な素粒子が考えられますね。

 何か質量がヘリウム(4He2)くらいもある重い粒子だそうな。。

 私の学生時代の30年以上も前の加速器じゃ無理ですね。

 それにしてもボソン(Boson)という理由だけで,こんな重い粒子も中間子と呼んでいいのでしょうか?

10年前に書いた記事の転載でした。※)

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3重3元クォ-ク模型の束縛ポテンシャル(修士論文;その1)

今から約役40年前の私の院生時代の本当の研究課題は

QEDにおるアノマリー関連問題である,などと自認

していましたが,それでは修士論文のテーマとしては

重荷過ぎて,当時の実力では,そうしたものを修了学年

書き上げることは不可能に近かったので,不本意

ながらクォークモデル関連の論文で,お茶を濁しました。
 

ブログ開始から11,今さら匿名にしても無意味でしょう。
 

私は,1976年当時,26歳で,神戸大学の谷川(安孝)研究室に

在籍していて北添徹郎助教授の指導で書いた論文を提出し.

取りあえず奥の院は修了したのでした。
 

風のうわさでは,北添さんはその後,宮崎大学教授になられ

何やら素粒子論とはかけ離れた研究をしていた。

と聞きました。
 

私は,その後,当時自大学には博士過程がなかったので,他大学

の博士課程進学を希望し,谷川先生には推薦状を書いて頂き

したが.2までしか書かない,と言われたので.厳選して

を受けました。
 

しかし,いずれも落ちました。

  当時は第2次?オイルショック
で就職難の時代でしたが,

アルバイトで食いつなぎながら.もう1年聴講生という形で

同じ研究室に残らせてもらい,再び論文を書いて博士課程

受験を画策しましたが,うまくいかず,谷川先生らに会社

などへの就職を薦められ,1977年には東京で27歳で,遅い

サラリーマンとなりました。
 

当時,同じ研究室の同窓生は2名だけで,唯一同窓のH君は

1976に広大理論研に合格してそこに行ったと聞きましたが

その後の消息は不明です。
 

さて,私が1976年に提出した拙い,恥ずかしい論文の控えを

ほぼ原文のまま,アップします。
 

論文は,内容が優れていれば長さではないと思いますが,学生

卒業論文や学位論文の多くは長さで勝負みたいなところが

あり,私のはA416ページくらいしかなく,それでも本当は

明示の必要のない裏計算の経緯なども載せてページを稼いで

います。
  
(↑※一応,「素粒子論研究」1976年6月号)に

「Quark Molecule」という題名で投稿したレポート

もあります。)

  しかし,ブログ記事としては長いと思うので,2回に分けて

連続アップにします。

  
以下は本文です。
 

33元クォ-ク模型の束縛ポテンシャルについて」

 (19762)
 
 

§1.序文 

1973,H.J.Lipkin33元クォ-クを束縛して複合粒子を

つくる非常に強い相互作用がカラー・ベクトルグルオンの

交換相互作用に起因しているという仮説に基づいて,1つの

束縛ポテンシャルの模型を提示した。(参照(1))
 

それによると,現在,観測にかかっているハドロンの質量

,クォークの質量と比較して無視できるほど小さいと

すれば,そうした質量スペクトルの領域でカラー1重項状態

の共鳴粒子のみが観測され,それゆえ,トライアリティゼロ

の共鳴粒子しか見出され得ないという結論に達している。

 
しかも,4体のトライアリティがゼロの複合系:qqq~~

関しては,カラー1重項の状態でも,もはや通常の中間子:

qq~が2個の散乱状態よりも安定な状態は実現され得ない

ので,結局,観測可能な領域での通常の中間子:qq~,および.

重粒子:qqq以外に余分の共鳴粒子(Exotic particle)

見出され得ないことが示されている。
 

しかし,これは束縛ポテンシャルの空間依存性がクーロン型

や調和振動子型のように,2粒子間の距離の変化に対して,

十分緩やか,かつ単調であるという仮定に基づいた近似に

よって示されることであった。
 

クォーク複合系がこうした緩やかで単調な中心力ポテンシャル

によって束縛されていると考えたときには,非相対論的量子力学

でよく知られているように,系の振動エネルギーと回転エネルギー

の大きさの程度がほぼ同一となり,


 
通常のハドロンがqq~,または
qqqの基底状態,および,その

回転励起状態のみで分類し尽くされる,という事実に矛盾した

結果を招くことになってしまう。
 

そこで,クォークが何らかの構造を持ち,そのために

ポテンシャル の空間依存性が分子型,つまり,2粒子間の有限な

距離で極値をとるような型になると考えれば,この困難は解消

されるように見える。
 

ところが,最近のDolgov-Okun-Zakharovの論文(参照[2])

よれば,Lipkinの提唱したものと同じ型のポテンシャルで,その

空間依存部分を分子型にすると,クォーク,反クォークの4体型

,あるいは5体の複合系で,通常のハドロンより低い質量スペクトル

を持つ共鳴粒子が存在しなければならないことがわかる。
 

こうした困難をカラー以外の自由度の効果を考えることなく, 

解決することが,この論文の目的である。
 

§3以下に示すように,カラーSU(3)群=SU(3)cの8重項 

ベクトルグルオンの他に8重項スカラーグルオン,および,  

1重項スカラーグルオン,を交換する相互作用を導入すると
 

ポテンシャルの空間部分を分子型として,通常のハドロン 

領域には,qq~,qqqqのカラー1重項の共鳴粒子しか 

出現し得ないという結論を引き出すことができる。
 

§2.Dolgov-Okun-Zakahrovの論文(参照[2])の概観 

クォーク,反クォークの任意のn体系に対して,Lipkinの提唱

したポテンシャルの型式は,

 V=(1/2)ΣijijΛiσΛσ ..(2-1) 
 

ここで,Λiσ(σ=1.2...8)はi番目のクォーク(反クォーク)

作用するSU(3)8個の生成元演算子,あるいは,その行列

表現である。
 

(2-1)においてvij ()が常に正で,有限な距離:r=r0において, 

極大値:vをとるような分子型ポテンシャルの場合を考えてみよう。
 

クォーク-反クォーク対:qq~,3つのクォーク:qqq

 対しては,このVは,

qq~=v12Λ1σΛ2σ(12/2)(C-21),..(2-2) qqq=v12Λ1σΛ2σ+v23Λ2σΛ3σ+v31Λ3σΛ1σ 

(12/2){2(1,2)21}(23/2){2(2,3)21} 

(31/2){2(3,1)21}  ..(2-2) となる。
 

ここに,,1,2,それぞれ,全系,1粒子,2粒子の 

次の)Casimir演算子である。
 

(2-2)を見れば,qq~,qqqは共にC=0で最小になり,それは

さらに,12=v,あるいは,12=v23=v31=vのとき最小値

をとることがわかる。
 

それらの最小値をVqq~min,qqqmin,と書けば,

qq~min=-vC1,qqqmin=-(3/2)vC1 となる。
 

そこでクォーク質量MをM=vC1/2(2/3)..(2-3) 

によって与えると,カラー1重項の中間子:qq~,重粒子

:qqqの質量は,Mに比して無視できるほど小さくなる。
 

一方,4体のトライアリティがゼロの系:qqq~~

2つのクォークと2つの反クォークが図-1のように,一辺

がr0の正方形の頂点を構成しているような特殊な配置を

考えると,

,

qqq~q~=v(Λ1σΛ3σ+Λ1σΛ4σ+Λ2σΛ3σ+Λ2σΛ4σ) 

+v12Λ1σΛ2σ+v34Λ3σΛ4σ 

(/2)(C-41)(1/2)(12-v){2(1,2)21} 

(1/2)(34-v){2(3,4)21}..(2-4)となる。
 

これは,1,2~,および,3,4~,それぞれ6重項

つくり,全体として重項をつくるようなカラー状態: 

つまり, 2(1,2)=C2(3,4)10/3,かつ,C=0であるような 

状態で最小になるが,このことから, 

4M+Vqqq~q~min(1/6)((12+v342) ..(2-5) 

が得られる。
 

(2-5において,12<v,34<vが明らかなので,結局, 

qqq~q~の共鳴状態では4M+Vqqq~q~min0となって

しまう。

 同様
なことは5,あるいは6体に対しても生じ.結局,

(2-1)のようなポテンシャルモデルでvijを分子型に選ぶ

,中間子:qq~,重粒子:qqqよりも小さい共鳴の存在

余儀なくされる。
 

これがDolgov-Okun-Zakharovの得た結論である。
 

§3.新しい束縛ポテンシャルの導入と複号共鳴粒子状態 

クォークの質量,および,束縛エネルギーが,通常の

ハドロンの質量に比して極端に大きく,束縛状態では

クォークの内部運動エネルギーが相当小さいと考えた

ときには非相対論的近似が有効である。
 

そして,1つの仮想グルオンを交換する全ての摂動の2次

のグラフの寄与の総和で与えられる2次の散乱振幅を1次

のポテンシャル散乱の散乱振幅,つまり,Born近似による

散乱振幅と対応させることによって,束縛ポテンシャルを

近似的に与えることができる。
 

すなわち,まず,クォークの複合系を束縛する

強力相互作用のハミルトニアン密度:int()

として,次の形式のものを導入する。
 

int()≡gV:Ψ~α()γμ(Λσ)αβσμ()Ψβ() 

+gSΨ~α()(Λ0)αβσ()Ψβ()..(3-1)
 

 ここに,Ψ()はカラー・クォークの,(),()

,カラー・グルオンの場を定める演算子,  

(Λσ)αβ(σ=1,2,..,8;α,β=1,2,3),SU(3)

 生成元の3×3表現行列要素,また,(Λ0)αβ=δαβ

である。
 

(3-1)で与えられるintに従って,始状態:|i>から

終状態: |f>に弾性散乱を受けるときの振幅の2次の近似

を非相対論的ポテンシャルに対応づける:
 

{(i)2/2!}∫d4xd4y<f|{int()int()}|i>/<0||0> 

(2πi)δ(f-Ei)∫d33(2π)-6 

exp{i(121'2')} 

[χ2’(2')χ1'(1')(,)χ1(1)χ2(2)]

..(3-2)
 

これによって,(,)を束縛ポテンシャルとして定義する

ことにする。

ここに,()4成分Diracスピノルの大成分,つまり

スピン波動関数であり,χはSU(3)の基本表現に

おけるカラー波動関数である。
 

また,プライムは終状態に,プライムの無いものは始状態

に対応しているものとする。

SU(3)8個の生成元演算子:Λσ,および,単位演算子:

Λ0反クォークを基底とする行列表現の要素を,便宜上,

(Λ~σ)αβ,および,(Λ~0)αβと置くことにすれば,全ての

2次のFeynman,それに対応する振幅は次のようになる。
 

 -q散乱について,非相対論的極限で考えられるものは ,

()V2(χ1’Λ1σχ1)(χ2’Λ2σχ2)((1’)(1))

((2’)(2))×(伝播関数依存部分) 

()S2(χ1’Λ1σχ1)(χ2’Λ2σχ2)((1’)(1))

((2’)(2))×(伝播関数依存部分) 

()S2(χ1’Λ10χ1)(χ2’Λ2oχ2)((1’)(1))

((2’)(2))×(伝播関数依存部分)
 

 -~散乱では,上式でSU(3)の生成元行列:ΛをΛ~でΛ0

をΛ0~.Pauliスピノル:()をv()で置き換えたものが

得られる。


 

()V2(χ1’Λ1σχ1)(χ2’Λ~2σχ2)((1’)(1))

((2’)(2))×(伝播関数依存部分) 

()S2(χ1’Λ1σχ1)(χ2’Λ~2σχ2)((1’)(1))

((2’)(2))×(伝播関数依存部分) 

()S2(χ1’Λ10χ1)(χ2’Λ~2oχ2)((1’)(1))

((2’)(2))×(伝播関数依存部分) 

を得る。
 

ここで,(Λσ)αβ(Λ~σ)αβ,(Λ0)αβ(Λ~0)αβの関係

を明らかにさせておこう。
 

カラー・クォークqαの場の演算子をΨα^としたとき,

Λ^σをSU(3)の生成元演算子とすれば,交換関係は簡単な

考察によって評価できて, 

[Λ^σ,Ψα^](Λσ)αβΨβ^と書けるので, 

|α>=Ψα^|0,|~α>=Ψα^|0,Λ^σ0>=0

から,(Λ~σ)αβ=-(Λσ)βα=-(Λσ)Tαβを得る。
 

同様な考察から,(Λ~0)αβ=-(Λ0)βα=-δαβも得らえる。
 

以上の考察から,8重項ベクトルグルオン,8重項スカラー

グルオン,1重項スカラーグルオンの交換による非相対論的

束縛ポテンシャルの模型として,次のような一般形が得られる。
 

すなわち,任意個数nのクォーク反クォーク複号系の

総ポテンシャルをV()で記述すれば, 

()|(1+a)/2}{Σi=,j=q,i≠jijΛiΛj

+Σi=~,j=q~,i≠jijΛ~iΛ~j} 

(1-a)Σi=,j=q~,i≠jijΛiΛ~j(/2)Σ≠jij .(3-3)

と書ける。
 

ここで, ij,,j間の距離rijのみに依存する因子である。
 

,bはそれぞれ,8重項スカラーグルオン,1重項スカラー

グルオンのポテンシャルへの寄与に対応した実定数である。 

また,感嘆のために,ΛiσΛjσをΛiΛjと略記した。
 

ところで,n体共鳴粒子状態が存在するとすれば,それは必ず,

このV()固有状態でなければならないことは明らかである。
 

こうしたV()の固有値のうちで最小の値を与える状態,

つまり,n体系の基底状態は,零点振動などの量子効果を無視

した近似では,(n+1)/2個のvijのうち,いくつかがその

上限値をとり,残りのものが下限値を取るような粒子配置に

おいて実現されることが以下の簡単な考察からわかる。
 

すなわち,n体波動関数のカラー状態だけを指定する部分だけ

は任意に固定しておいて,カラー波動関数のみによるV()

期待値を考えると,

 
これは.
 |(1+a)/2}{Σi=,j=q,i≠jij<ΛiΛj

+Σi=~,j=q~,i≠jij<Λ~iΛ~j} 

(1-a)Σi=,j=q~,i≠jij<ΛiΛ~j>

(/2)Σ≠jij  というvij に関する1次関数となる。
 

したがって,この式でvij の各々を独立変数として扱えると

仮定すれば,

係数:(1+a)<ΛiΛj>+b.(1+a)<Λ~iΛ~j+bや,

(1-a)<ΛiΛ~j>+bの正,負に応じて,ijの下限,上限を

割り当てることによって問題としているカラー状態における

最小の固有値が得られるはずである。
 

もちろん, ijの全てを独立にとれるわけではなく実際の

粒子配置で考える際には,基底状態のポテンシャルが,ij

を全て独立として扱った場合のV()の最小期待値よりは

小さくはない,ことを述べられるにすぎない。
 

しかし,この論旨に基づいて基底状態におけるポテンシャル

の固有値の下限を見積もることができる。
 

以下の議論では,ijは原点から単調増加して,ある有限

な距離:ij=r0で極大値をとるような形をしていると

考え,さらに常に正であるとする。(下-4)

(つづく)

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2017年8月11日 (金)

摂動論のアノマリー(19)(第Ⅱ部:2)

  摂動論のアノマリーの項目:

§5.1 The σ–models(σ-モデル or σ模型)の続きです。
 

さらなる作業を進めるのために,PCAC方程式

(141):μ5μ=-δ/δv=-(μ12/0)π

次のように書き換えるのが便利とわかります。.
 

すなわち,μ5μ=-(μ12/0)(3π)1/2πr ..(144)

tと書きます。(※つまり,π=(3π)1/2πrでZ3πとπr

を定義します。)
 

次に,π中間子の崩壊振幅:πを次式で定義します。 

<π()|5λ|0>=(20)-1/2(iλ/μ2)π/2.(145) 

ここで,μはπ中間子の質量です。

 

(※σモデルの完全版では,πの中で,中性軸性ベクトル

カレントが荷電アイソスピンパートナーを持つため, π

,荷電π中間子の弱い崩壊振幅に比例する量であること

がわかります。)
 

(19-1);前節で扱った,電気的に中性の軸性ベクトル

カレントだけでなく,荷電軸性ベクトルカレントと荷電中間子

を含む完全な(full)バージョンのσモデルは,荷電独立性

(強い相互作用のアイソスピン対称性)がこのモデルでも維持

されると仮定し,核子のアイソスピノル場:Ψ=(ψp,ψn),
 

および,π中間子のアイソベクトル場;π(π1,π2,π3)

を含む系を考えます。σについては電気的に中性の

アイソスカラーとします。

  
π中間子の粒子状態は, 

|π>=(|π1>+i|π2>)/2, 

|π>=(|π1>-i|π2>)/2,|π0>=|π3 

で定義されます。
 

1粒子状態は,|π>=(π)|0(k=1.23)のように, 

真空:|0>に場の生成演算子(π)を作用させて得られる 

ので,

  
上の粒子状態の表現は,粒子の消滅演算子から成る場:
 

πの表現としては,

π(π1iπ2)/2, π(π1iπ2)/2,  

π0=π3 と書けることを意味します。
 

今対象としているカイラルゲージ変換を,無限小の局所

ゲージパラメータv(),アイソ空間のベクトル()

として拡張,一般化します。

この意味で前節では,π(π1,π2,π3)の中性成分:

π3=π0のみが,π3 →π3+v(01+σ)と変換を受けた

のに」対して,これを.π π(01+σ) へと拡張

します。
 

これと連動して,アイソスピノル;Ψについては,Pauli

スピン回転σ行列をアイソ空間ではτ(τ1,τ2,τ3)

表記して導入し,アイソ空間の3次元ベクトルの増分

パラメータ2成分スピノルの増分パラメータ(τv)

へと変換して,前節でスピノルのカイラルゲージ変換が,

ψ → {1(i/2)γ5}ψであったのを,

Ψ→ {1{(i/2)γ5(τv)}Ψ へと拡張します。
 

σについては,σ → σ+vπが,σ → σ+(π)

変わるだけとします。
 

Lagrangian密度:,基本的に(138),ψをΨに,

πをπに書き換えるだけですが,ψとπが同時に変換を

受ける唯一の項:(-ψ~0iπγ5ψ)については,これを

{-Ψ~0i(τπ)γ5Ψ}に書き換えます。
 

よって,完全版σモデルでは, 

=Ψ~[iγμμ-G0({0-1+σ+i(τπ)γ5}]Ψ 

+λ0{4σ240σ(σ2π2)+g02(σ2π2)2} 

(μ02/2)(20-1σ+σ2π2) 

(1/2){(π)2(∂σ)2}(μ12/2)(π2+σ2) 

です。
 

この場合,軸性ベクトルカレントもアイソベクトルで,

それを太字で5μと表わせば,5μ=-δ/(μ) 

(1/2)Ψ~γμγ5τΨ+σ(μπ)π(μσ)

+g0-1(μπ).で与えられます。
 

そして,その4次元発散は, 

μ5μ=-δ/δ=-(μ12/0)π です。
 

中性のπ0に対する先の軸性カベクトルカレントj5μ()

,今の5μ()のアイソ第3成分です。
 

それを,5μ(3)()と表わし,(145) 

<π()|5μ|0>=(20)-1/2(iμ/μ2)π/2 

<π0()|5λ(3)|0>=(20)-1/2(iμ/μ2)π/2

書き直します。
 

前述したように,荷電π中間子場は,

π(π1iπ2)/2,π(π1iπ2)/2,であり,

粒子状態は,|π>=|π1iπ2/2,

|π>=|π1iπ2/2 です。
 

πの崩壊におけるレプトン関連以外の因子:π→ 真空

という行列要素の向きを逆転させると,真空 → πが対応

するはずです。つまり,|π>=|π1iπ2/2に対し,

<π|=<π1iπ2|/2 と考えられます。
 

そして,5μ(3) (1/2)Ψ~γμγ5τ3Ψ+σ(μπ3)

-π3(μσ)+g0-1(μπ3)ですが,これをアイソ回転する

ことにより,5μ() (1/2)Ψ~γμγ5τΨ+σ(μπ)

-π(μσ)+g0-1(μπ)となるはずです。

  
ただし,τ(τ1iτ2)/2,π(π1iπ2)/2 

そこで,<π()|5μ()|0 

=<{(π1 iπ2)/2}()|(5μ(1) i5μ(2))/2|0 

(20)-1/2(iμ/μ2)π/2 となります。

ここで,k=1,2,3の各々のπkは同じkのカレントj5μ() 

とのみcoupleできて,kに関わらず, 

<π|5μ()|0>=(20)-1/2(iμ/μ2)π/2 

となる。という対称性を仮定しました。
 

因子:(iμ),πの崩壊相互作用部分の行列要素が, 

<πi()|0-1μπ|0>=(20)-1(iμ)(2)

なる形で与えられるという現象論的推論から出ます。
 

そして,σを含む項の寄与は,先に述べた通り,項がπと

交換するので,<0|σ|0>からゼロです。

(19-1終わり※)
 

式(145):

<π()|5μ|0>=(20)-1/2(iμ/μ2)π/2.

の発散を取り,(144):μ5μ=-(μ12/0)(3π)1/2πr

を代入して,<π()|πr |0>=(20)-1/2を用いる

と次式を得ます。
 

すなわち,-(μ12/0)(3π)1/2=fπ/2..(146)です。
 

(19-2):(146)の証明です。 

(145)から,4次元発散を取ると, 

<π()| μ5μ|0>=(20)-1/2(2/μ2)π/2

です。何故なら.0|^()^()μexp(iqx)|0

から(iμ)因子が出てくるからです。
 

そして,πが実粒子(外線),2=μ2なら 

<π()|μ5μ|02=μ2(20)-1/2π/2 

です。
 

この右辺は,丁度,μ5μ=-(μ12/0)(3π)1/2πr 

,<π()|と真空:|0>で挟んだものに等しく,

<π()|πr |0>=(20)-1/2より,これは,

-(μ12/0)(3π)1/2<π()|πr|0

=-(μ12/0)(3π)1/2 (20)-1/2 に等しいことが

わかります。

  
つまり,-(μ12/0)(3π)1/2 (20)-1/2

(20)-1/2π/2  を得ます。 

  
(192終わり※)
 

そこで,(144):μ5μ=-(μ12/0)(3π)1/2πr

くり込み定数は除去されて,このPCAC方程式を

完全に物理量だけで書き表わせます。 

すなわち,μ5μ(π/2)π..(147) です。
 

(19-3)PCACの意味とfπの意味
 

(岩波講座)現代物理学の基礎(11)「素粒子論」より 

|π()>=|π|π|π()

+ΣNN~|NN~><NN~|π()> と展開します。
 

崩壊:π→μ+νe~,第1項の振幅と見ても,第2項

の振幅で見ても同じであると仮定します。

(つまり,|π->の{μν~>への崩壊は,|NN~の中間状態

を通しての反応以外にはないと考えるわけです。)
 

|π()>=|π|π|π(), 

かつ, |π()>=ΣNN~|NN~><NN~|π()

であって右辺第1項も第2項も同一とします。
 

右辺の第1項は,現象論的相互作用:

π(μπ){μ~γμ(1-γ5)ν}による摂動

Hamiltonian:π→μνの1次近似の崩壊振幅であり,

これは <Hπ→μν

(/2)∫d4x<0|μπ|π() 

×{μ~()γμ(1-γ5)ν()}なる計算式で評価

されます。
 

ここで,0|μπ|π()

(2π)-3/2(20)-1(iμ)πで係数:πを定義して

おきます。

  
この現象論的弱い相互作用での最低次近似

によるπ→μ+νe~の崩壊率の計算結果と実験値

の比較,1/τπ→μν{2π2/(8πμ)}(μ/μ)2

3.84×107sec-1 によって,πの大きさが,

|π|0.97μと評価されます。 

(ここで,μはπの質量,μはμの質量です。)

 

(※※ 本ブログの20163/21の過去記事; 

「弱い相互作用の旧理論(Fermi理論)(12)」では,

荷電π中間子の崩壊について記述しました。


 

そこでは,今のaπ,単にaと表記され|| 0.87μ

または,|| 0.93μと評価されました。
 

||,1つの核子あたりのπ中間子の雲の 存在

確率振幅を意味する量と考えられています。※※)
 

レプトンカレントの因子:{μ~γμ(1-γ5)ν},^μ

で表わせば,π→μ+νe~の崩壊振幅は, 

<μν~|^μ{0><0|(Gaπ/2)(μπ)|π

<π|π()と表わされます。
 

これが,|π()>=|π|π|π() 

+ΣNN~|NN~><NN~|π()>における右辺

1の寄与です。

  
一方,2項の寄与は,ΣNN~<μν~|^μ{0 

0|(Gaπ/2)(μπ)|NN~><NN~|π() 

=<μν~|^μ{0

0|(/)(Gaπ/2)5μ()|π() 

です。

πの方のカレント相互作用の寄与:(Gaπ/2)(μπ)

.軸性ベクトルカレント部分 ;

(Gaπ/2)(/)5μ()のみに対応すると見るのは

π-が擬スカラーなので,相互作用:μπは軸性ベクトル

であり,そこでNのV-A弱カレントのAのみの寄与に相当

すると考えられるからです。
 

それ故,1項=第2項という仮定が満たされるためには, 

=g/として,π0|μπ|π() 

=r0|5μ() |π()> が必要十分です。
 

この式の左辺の4次元発散を取れば,  

0|μ5μ() |π()

=aπ0|□π|π()=-aπμ20|π|π()

となります。
 

ここで,自由π中間子の運動方程式:(□+μ2)π0

用いました。
 

それ故,π/2=-aπμ2/(r=g/ 

と置けば,μ5μ(π2)πなる式を得ます。
 

これが,荷電π中間子でなく中性のπ0中間子の場合は 

μ5μ(π/2)π0 ですから,これで定義された

πが上のそれと同じなら,これは荷電πの崩壊率に

比例します。   <19-3終わり※)
 

ここまでは電磁場の存在しないσモデルを論じてきました。 

電磁場を含めるためには.Lagrangianに次の2項を加える

だけでいいです。

すなわち,に-(1/4)μνμν -e0ψ~γμψμ.. 

(148)の2項を加えます。
 

すると,三角グラフの存在のために,(147)のPCACの

方程式:μ5μ(π/2)πは次のように修正されます。
 

μ5μ

(π/2)π(1/2){α0/(4π)}ξστρεξστρ(149)

です。

  
この右辺のアノマリー項の因子(1/2),単に,(141): 

5μ(1/2)ψ~γμγ5ψ+σ(μπ)-π(μσ)

+g0-1(μπ) の最初の核子項に現われる因子(1/2)

反映したものです。

  
適切に正規化された(くり込まれた)Feynmanルールを

導入し,前章までの論旨を同様に実行することにより,(149)

が電磁相互作用と強い相互作用の両方の摂動論のあらゆる

オーダーまで正しいことを示すことができます。
 

言いかえると,三角グラフへの如何なる仮想光子,

仮想中間子の輻射補正も,アノマリー項の係数を変える

ことはありません。
 

上述の考察の全ては,直接,σモデルのたった今考察した

アイソスピンのSU(2)(,)系や,ハドロンの全対称性;

SU(3)(,n、λ)への一般化へと拡張することが

できます。

  
SU(3)のケースには,Ψは3成分(ψ1,ψ2,ψ3)

置き換えられ,スカラーー中間子σと擬スカラー中間子は

,9重項粒子(nonet:1重項+8重項)で置き換えられ,軸性

ベクトルカレントj5μは8成分の軸性ベクトルカレント

5μとなり,π0に対応するのは,その第3成分;53μ 

となります。
 

π0に対してのアノマリーを持つPCAC方程式は,

このとき,次式になります。 

μ53μ

(π/2)π0+S{α0/(4π)}ξστρεξστρ.(150) 

です。 ただし,S=Σjjj2 です。
 

π0はくり込まれた中性π中間子の場,j53μ

中に素粒子場として現われるj番目のFermion の電荷,

j,その結合定数です。


  つまり,53μ=Σjjψ~jγμγ5ψj(中間子項)..(151)
 

です。

  
(150),再び,摂動論のあらゆる有限オーダーまでで正しい

式です。

  
Sに対する表現:S=Σjjj2の解釈は,アノマリーの

総係数が個々の素Fermi粒子を全て巻き込む各々の三角グラフ

の寄与の総和によることを意味します。

  式
(150):μ53μ

(π/2)π0+S{α0/(4π)}ξστρεξστρ 

,素朴な発散:53(=電磁場のないときの∂μ53μ)

正準なπ中間子の場によるものでないようなモデル

にも拡張されます。

  
第4章(§4)の論旨は,基本的に,素朴な発散の乗法的

くり込み可能性に依存していたので,; 

μ53μ=D53+S{α0/(4π)}ξστρεξστρ

(152),素朴な発散:53が乗法的くり込み可能な任意の

くり込まれた場の理論にいて,正しいと予測されます。
 

(76)(79)の論旨によって,素朴な発散の乗法的くり込み

可能性は電磁場がないときは(/2)が有限であること

示しているので,

  
電磁場がないときに有限な(/)を持つ任意くり込み

可能な場理論において,電磁効果が付加されても.(152)

正確であると述べることにより,上述の言明を再び表明する

ことができます。
 

π中間子として滑らかに挿入された場があって,π中間子

が,その質量殻の近傍にある限り,式(152)でD53

(π/2)π0置き換えるのが有効と思われます。

  
こうして,(152):

μ53μ=D53+S{α0/(4π)}ξστρεξστρ. 

,特殊な場理論モデルでなく,より一般的なクラスの

モデルでも正確なPCAC方程式と考えられます。
 

さて,これで§5.1が終わり,次に

§5.2:π0崩壊の低エネルギー定理の項目に入るところまで

きたので,今日はここで終わります。

  
(参考文献):Lectures on Elementary Particles and Quantum 

Field Theory(1970 Brandeis University SummerInstitute  

in Theoretical Physics) Volume

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2017年8月 5日 (土)

摂動論のアノマリー(18)(第Ⅱ部:1)

  摂動論のアノマリーの続きです。
 

私的には2冊目のノートに移り,第Ⅱ部として第5(§5) 

以下の一般化や,関連実験との比較検証の項目に入ります。
 

この2冊目ノートの開始年月日は1995年3月24()なって

います。

  
§5. Generalization of our results:π0-decay

 other Ward identity Anomalirs
  
(我々の結果の一般化:π0崩壊, および,他のWard恒等式

 アノマリー)

  
これまでの我々の議論は,もっぱらQEDVVA三角アノマリー

取り扱ってきました。

( VVAとはvector-vector-axialvectorの略です。)
 

今からは,それらの結果を2つの方向に一般化します。
 

まず第1には,VVAアノマリーの結果を他の場の理論の

モデル (模型)に適用し,特に謂わゆる σ-モデルにおける

それを研究します。
 

このσ-モデルは正確な演算子恒等式として部分的保存 

(Partialy conserved axialvector–current:PCAC)の条件 

を満足します。

  そして,
先に導出された「低エネルギー定理」のこの種の

モデルへの拡張は,(π0 2γ decay)の崩壊率(decay rate)

の予測に導くことがわかります。

  
実験との比較結果は.分数電荷を持つクォークモデルに反する

証拠を生み出します。(※これは,今解読中のこのレポートが

書かれたのが1970年で,当時はカラー自由度の存在が重要視

されていなかったためでしょう。)
 

第2に,手短かに別の三角,四角,五角..diagramsを調べて, 

アノマリー(異常項),または正常なWard恒等式を持つか否か?

を調べます。
 

§5.1 The σ–models(σ-モデル or σ模型)
 

たった今,紹介したように, σ-モデルというのはPCAC

が演算子関係式 として成立する場の理論のモデルの特殊な

ケースです。
 

我々は基本的に,三角diagramを通して2光子とcoupleできる 

電気的に中性の軸性ベクトルカレントに興味があります。
 

そこで荷電軸性ベクトルカレントが現われないσ-モデル

不完全バージョンを考察します。
 

単純化されたモデルは,次のLagrangian密度:,粒子場と

しては,陽子場:ψ(),中性π中間子場:π(),および,

スカラー中間子の場:σ()のみを含みます。
 

すなわち,=ψ~{iγμμ-G0(0-1+σ+iπγ5)}ψ 

+λ0{4σ240σ(σ2+π2)+g02(σ2+π2)2} 

(μ02/2)(20-1σ+σ2+π2) 

(1/2){(∂π)2(∂σ)2}(μ12/2)(π2+σ2),,(138)
 

(138)を書くに当たって,摂動論のあらゆるオーダーまでで, 

0|σ|0>=0..(139)となるように,σ-モデルが全体 

平行移動された形式を選択しました。
 

(18-1):もしも,最初に選択した場σで

0|σ|0>=σ00 あった場合:σ → σ'=σ-σ0とずらし,

このσ'を改めてσとして選び直せば,0|σ|0>=0 とできます。

 (18-1終わり※)
 

中性軸性ベクトルカレントは,位置に依存するゲージパラメータ 

()を持つカイラルゲージ変換(第2種の変換;

局所ゲージ変換)によって生成されます。
 

この変換は, 

ψ → {1(i/2)γ5}ψ,π → π-v(0-1+σ). 

0-1+σ → g0-1+σ+vπ ..(140) 

で与えられます。

(※注18-2);まず,ψ → {1(i/2)γ5}ψ より, 

ψ~ → ψ{1(i/2)γ5}γ0=ψ~{1(i/2)γ5}

です。

   
vは微小(無限小)パラメータなので,vの2次以上を無視 

すると,ψ~iγμμψ 

→ ψ~{1(i/2)γ5}(iγμμ){1(i/2)γ5}ψ 

=ψ~iγμμψ-(1/2)ψ~γμ(μ)ψ です。

   
また,-G0ψ~(0-1+σ+iπγ5)ψ

→ -G0ψ~{1(i/2)γ5}[0-1+σ+vπ

i{π-v(0-1+σ)}γ5]×{1(i/2)γ5}ψ 

=-G0ψ~[0-1+σ+vπ+i{π-v(0-1+σ)}γ5]ψ 

-vG0ψ~iγ5(0-1+σ+iπγ5}ψ
 

=-G0ψ~(0-1+σ+iπγ5)ψ

-vG0ψ~{π-i(0-1+σ)γ5}ψ 

-vG0ψ~γ5{i(0-1+σ)-πγ5}ψ 

=-G0ψ~(0-1+σ+iπγ5)ψ  です。
 

したがって,ψ~{iγμμ-G0(0-1+σ+iπγ5)}ψ 

→ ψ~{iγμμ-G0(0-1+σ+iπγ5)}ψ 

(μ)(1/2)ψ~γμψ です。
 

また,σ → σ+vπより.σ2 → σ22vσπ 

π → π-v(0-1+σ)より,π2 → π22vπ(0-1+σ)
 

故に,(σ2+π2) (σ2+π2)2vg0-1πであり, 

(σ2+π2)2 (σ2+π2)24vg0-1π(σ2+π2) です。
 

そこで.λ0{4σ240σ(σ2+π2)+g02(σ2+π2)2} 

→ λ0{4σ240σ(σ2+π2)+g02(σ2+π2)2}
   よって,この項
は不変です。
 

一方,(μ02/2)(20-1σ+σ2+π2)

,この変換では不変です。
 

さらに,(μ12/2)(π2+σ2)  

→ -(μ12/2)(π2+σ2)+vμ120-1π です。
 

μπ - ∂μπ-v∂μσ-(μ)(0-1+σ) 

μσ → ∂μσ+(μ)π+v∂μπ より,
 

(1/2){(∂π)2(∂σ)2} 

(1/2){(∂π)2(∂σ)2} 

(∂v)(∂π)(0-1+σ)(∂v)(∂σ)π
 

したがって,のトータルの増分は, 

-vμ120-1π-(μ)

×[(1/2)ψ~γμψ+g0-1(μπ)+σ(μπ)(∂σ)π」 

です。

  
したがって.もしも,vμ120-1πというv

1次項がないなら,μv=0 (vが定数)の大域的な

カイラルゲージ変換(1種の変換)に対し,が不変

という対称性を持つことになります。

  
そこで,vの1事項がないケースなら「Noether定理」の応用

で対応カレントを.5μ=-δ/δ(μ)で定義すると.

これは,μ5μ0 を満たす保存カレントです。
 

しかし,残念ながらは不変ではなく余分な項

(-vμ120-1π)があるため,ここまで論じてきた質量:m≠0

の場合の軸性ベクトルカレントの発散のケースと同じく.

部分的保存(PCAC)のみです。
 

つまり,今の場合,μ5μ-δ/δv=-μ10-1π 

であるからです。  (18-2終わり※)
 

さて,「摂動論のアノマリー(12)」においては,次のように

書きました。
 

 :{Φ1(,Φ2..ΦN}に対してパラメータ:()が無限小 

,次のような.無限小局所ゲージ変換を施します。
 

Φj() → Φj()+v()j({Φ()})..(89)
 

これに対応するカレント:μ

μ=-δ/δ(μ)(90) で定義します。
 

すると,μ=-δ/δ(μ)=-{/(μΦ)}j 

ですから,μμ=-∂μ {/(μΦ)}j 

{/(μΦ)}μj=-δ/δv を得ます。※
 

という内容を記述しました。 
 

この手法(Noetherの定理)を適用して得られるカレント: 

μ,今の変換に対しては,j5μと表わすと,

次式を見出します。

  
すなわち,5μ=-δ/δ(μ)

(1/2)ψ~γμγ5ψ+σ(μπ)-π(μσ)

+g0-1(μπ). (141),

μ5μ=-δ/δv=-(μ12/0)..(141)  

です。
 

(18-3):何故なら 

まず,,5μ=-δ/δ(μ)=-{/(μΦ)}j 

=-[/{(μψα)}](iγ5/2)ψα 

[/{(μπ)}](0-1+σ)-∂/{(μσ)}]π 

=-ψ~(iγ5/2)ψ+(0-1+σ)(μπ)-π(μσ) 

です。

  
そして,μμ=-∂μ {/(μΦ)}j

{/(μΦ)}μj=-δ/δv

=-μ120-1π です。  


  (18-3終わり※)
 

こうして,σ-モデルは演算子恒等式としてPCACの条件を満足

する との先の言明通り,軸性ベクトルカレントの発散が正準

π場に比例 するという式を得ました。
 

再掲(138);=ψ~{iγμμ-G0(0-1+σ+iπγ5)}ψ 

+λ0{4σ240σ(σ2+π2)+g02(σ2+π2)2} 

(μ02/2)(20-1σ+σ2+π2) 

(1/2){(∂π)2(∂σ)2}(μ12/2)(π2+σ2) 

に現われる種々のパラメータは次のような意味を持って 

います。
 

()0,くり込まれる前の中間子-核子の結合定数。 

()0(0/0)がm0によって核子の裸の質量:0 

関連付けられる。

()μ12はσとπの裸の伝播関数;(2-μ12iε)1

現われる裸の中間子質量の平方である。
 

() :λ0{4σ240σ(σ2+π2)+g02(σ2+π2)2}

カイラル不変な中間子-中間子散乱相互作用である。 

() :(μ02/2)(20-1σ+σ2+π2).カイラル不変な

相殺項(counterterm)であり,運動のEuler-Lagrange方程式

とσの(σ空間における)平行移動不変性から要求される

次式:

0|δ/δσ|0>=∂λ0|δ/δ(λσ)|0>=0

…(142)の成立を保証するために必要である。
 

この(142)(139):0|σ|0>=0.からμ02は次の値を取る

ことがわかります。

すなわち,μ02=<0|G00ψ~ψ+λ0 {402(3σ2+π2)

403σ(σ2+π2)}|0>..(143) です。
 

(18-4):まず,(142)の証明です。
 

σ場に関するEuler-Lagrange方程式は 

λ{/δ(λσ)}(/∂σ)0 です。
 

故に,0|δ/δσ|0>=∂λ0|δ/δ(λσ)|0

です。

  一方,
平行移動不変性は.σの微小移動:σ→σ+Δσに

対して,+Δのとき,この性質を0|Δ|0>=0

と表現すれば,<0|δ/δσ|0>=0を意味します。

  結局,

 0|δ/δσ|0>=∂λ0|δ/δ(λσ)|0>=0

を得ます。

  ところで,
/∂σ

=-G0ψ~ψ+λ0{8σ+40(3σ2+π2)402σ(σ2+π2)2 }

(0-1+σ)μ02-μ12σ です。
 

一方,/δ(λσ)=∂λσより, 

λ{/δ(λσ)}=∂λλσ=□σ です。

(;□は,D’Alembertuan(ダランベルシャン)=と呼ばれる

微分演算子,□=∂λλ∂=∂2/∂t2-∇2 です。)
 

故に,σについての Euler-Lagrange方程式: 

λ{/δ(λσ)}(/∂σ)0 を書き下すと, 

□σ

=-G0ψ~ψ+λ0{8σ+40(3σ2+π2)402σ(σ2+π2)2 }

(0-1+σ)μ02-μ12σ です。
 

あるいは, □σ+(μ12-μ02)σ 

=-G0ψ~ψ+g0-1μ02+λ0{8σ+40(3σ2+π2)

402σ(σ2+π2)2} です。
 

そこで,0|δ/δ(λσ)|0>=0,□<0|σ|0>=0

となり,大域的にこれが成立することは,0|σ|0>が時空点

に依存しない定数であることを意味します。

  
そこで,これがゼロであるスキームを取れば,このことは,

0|σ()|0>=0 と表わせます。
 

他方,0|δ/δσ|0>= 0  

0|-G0ψ~ψ+λ0{8σ+40(3σ2+π2)

402σ(σ2+π2)2}(0-1+σ)μ02-μ12σ|0>= 0
 

つまり,-G00|ψ~ψ|0>+4λ000|3σ2+π2|0 

400|σ(σ2+π2)|0>+g0-1μ020 です。
 

これから.式;(143):μ02=<0|G00ψ~ψ

+λ0 {402(3σ2+π2)403σ(σ2+π2)}|0 

が得られます。

   
こうして,μ02を含む項は,ψやσ,πの場の2次以上の

真空期待値を吸収して,

0|δ/δσ|0>=∂λ0|δ/δ(λσ)|0>= 0, 

および,0|σ|0>という条件を維持し,保証するために

必要であることがわかりました。   


  (18-4終わり※)

 
μ02の効果は,(これ自身,形式的には2次発散しますが)摂動論

各オーダーでっ条件:0|σ|0>=0 を維持できるように

下図のような型のtadpole diagramsを除去することです。
 (18-5):相互作用Hamiltonian密度:int, 

int=-intであたえられます。

これは,4λ00σ(σ2+π2)と-μ020-1σという

σの3次,と1次の項を持つため,一般には,

0|int|σ>≠ 0 が成立すると思われ,σの1本の

外線から真空が生み出されるという.謂わゆるtadpole

になります。


  
そこで,-<0|4λ00σ(σ2+π2)|σ>が,λ0を適切に選択

することにより,―<0|μ020-1σ|σ>を相殺してtadpole

除去すると期待できます。
 

これによって,0|int|σ>=0 とするとき,これは

σの生成,消滅の両Fourier成分を持つ,σのincoming漸近場:

σinによって,1粒子っ状態を|σ>=σin|0>と書けば,

0|int()|σ>=<0|int()σin()|00 を

意味します。

  
これから,

0|[in(1)in(2).. in()σin()|0>=0 

つまり,|Sσin |0>となり,摂動のあらゆるオーダーで 

0|σ|0>=0 が保証されます。
 

同じ意味ですが,0=0|δ/δσ|0 

=<0|-G0ψ~ψ+λ0{8σ+40(3σ2+π2)

402σ(σ2+π2)2}(0-1μ02-σ(μ12-μ02)σ|0

  と,EulerpLagrange方程式:
□σ+(μ12-μ02)σ 

=-G0ψ~ψ+g0-1μ02+λ0{8σ+40(3σ2+π2)

402σ(σ2+π2)2}により, □<0|σ|0>=0 (139)

の規約:0|σ|0>=0 が同時に満たされるよう,(143)

ようにμ02が選択されたのでした。
 

(18-5終わり※)


  μ02の相殺項は同時に中間子:π,σの自己エネルギーの

2次の発散部分を除去することも容易にわかります。

(※π,σの自己エネルギーは,発散するのは陽子の真空偏極

ですが,その寄与:Π(p2)はπ,σの質量がゼロでないので光子

のようなゲージ不変性が存在せず,確かに2次発散量が生じます。

そこでμ12からμ02を引いて物理的質量にします。)

  その結果,Lagrangianに現われる残りの裸の量(G0,g01)

波動関数のくり込み同様,せいぜい対数的に発散します。

そのため,この理論は.QED以上に特異にはなりません。

  
さて,今日は途中ですが,1記事として,これ以上続けると,

長過ぎると思われるので.ここで終わります。
 

 (参考文献):Lectures on Elementary Particles and Quantum 

Field Theory(1970 Brandeis University SummerInstitute  

in Theoretical Physics) Volume

  
PS:世界水泳も終わり,今度は世界陸上を見て,この

ころ毎日,夜も寝ないで昼寝してます。

いやー,ヒマ人ですね。


  でも,次は見られるかどうか?これが見納めカモ。。

ということで。。

  8/5(土)の夜は,雨天じゃなかったので,おそらく

ナイアガラの仕掛け花火が有名な「いたばし花火大会」

があったと思います。(埼玉側だと「戸田花火」かな?)


  歩けた頃には都営三田線西台駅から歩いて20分,荒川河原

まで行って楽しみました。2006と2007年に行って以来10年,

なつかしいですネ。

/「板橋花火大会」の画像検索結果

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2017年8月 3日 (木)

科学論モドキ

まあ.たまには,数式抜きで哲学的?な話でもしてみます。
 

私のウンチクなどは,本人の意識するしないに関わらず,いろんな

人々の知識の寄せ集め,切り貼りに過ぎませんが。。。

この世界はオリジナルな発見,発明でない限り,
学んだことという

のは,如何に高度でも.パクリ,マネ。。というのは,ある意味当然

です。

 
さて,確か,現在の自然科学の手法を始めたのは,18世紀の天才

ニュートン(アイザック)であったと思います。
 

ニュートン以前は,自然科学者といえば,自然哲学者とも呼ばれ, 

「この宇宙,この世界は何故そうなっているのか? 何故,そう

いう自然法則に従うのか?」

あるいは「この世界は誰が造ったのか?造物主=神がいるのか?」

というような疑問にも答える必要があった。と聞きます。
 

しかし,ニュートンは,そうした恐らく人間の思考や経験だけから

.理解不可能であろう。と予想される哲学的命題

(形而上学的問題)意識的に避けて,単に

「自然はどういう法則に従っているのか?」という自然法則の

理解にのみに着目する,という態度を取りました。
 

以後の多くの人々もこれに追随し,宗教や不可知論に属するもの

は神学者や本格的な哲学者に譲って,自らはそうしたことに悩ま

されることなく式や法則の発見のみに没頭した結果,自然科学は

飛躍的に進歩したと考えられます。
 

例えば,ニュートン自身が発見したといわれる万有引力の法則は 

「2つの物体の間に双方の距離の2乗に反比例する遠隔作用の

引力が働く」ということは.主張していますが,
 

「何故,自然界には.そうした万有引力が存在するのか?そして

何故,それは2乗法則の力なのか?」という疑問には答えること

はできません。

 
彼は,元々.そうした自然法則の発見以上の疑問は回避して

考えない,という態度に終始したはずです。

 
子供が自分の親に質問して,「どうして」に親が答えると,その

にもまた,「どうして」と聞かれ,際限なく続く「どうして」

に閉口して最後はゴマカサざるを得なくなる。ということは

現実に多々あるでしょう。

 
まあ.昔からディベートでは「質問者が必ず勝つ。」という

ソフィストの技巧もありますネ。
 

相手が質問してる最中にも質問して,

「オイ,今はオレの方が質問してるのだ。」という声も無視

して強引に回答者の方に追い込む。そして「どうして」を

連発すれば,どんなに雄弁な回答者でも,やがては答に窮する

だろう。という有名な詭弁術があります。
 

 たとえ.ニュートンといえども,例えば,聖書やコーランの

ような教条的なモノを信仰的に絶対と信じているのでなければ

種々の「どうして」に最後まで回答するのは不可能でしょう。
 

もっとも18世紀の終わりから19世紀の初めにかけて,まず,

アイシュタインを中心とした「相対性理論」が現われて,
 

ニュートン力学が暗黙のこととしていた[常識] 

「物体の運動速度には限界はなく加速すれば無限大に近づく

ことができる。」ということ

 「光速という限界速度がある」
ということに置き換えられる

べきだということで破れ,力学だけではなく他の多くの理論

も修正を余儀なくされる。ということがありました。

 
それまでの「ガリレイの相対性原理」では

「物体が運動しているか否か?」は力学的方法によっては判別

できず,ただ相対速度のみが意味を持つ。というモノでしたが,


 
「アインシュタインの相対性原理」では電気信号や光,その他
 

の力学も含む如何なる方法でも「物体が運動しているか否か?」

を決定するのは不可能で,相対速度のみが意味を持つ,ということ

が本質的であるということになりました。
 

特に「一般相対性理論」は,重力=万有引力の法則に言及し,

物体(質量またはエネルギー)の存在によって,その近くに平坦で

ない時空の凹凸=歪みが生じ,

 結果.
動力を持たない
自由質点は時空の歪みに沿ってしか運動

できない。という自由落下運動の際に働く力,実は,遠隔的に

働く万有引力等価であるという,やや近接作用的な解釈で,

ニュートンの理論は微修正されました。
 

「法則の探求のみで,その法則の存在理由は問わない。」という

態度であっても既知の法則が,より基礎的法則に起因する。という

ように深化させていくことは可能です。
 

そして,同じ18世紀の終わりから19世紀の初めにかけてプランク

「黒体輻射の法則」の発見に始まり,

ボーア,シュレーディンガー,パウリ,ハイゼンベルク,ディラック

らによって量子力学がという新しい物理理論が展開されました。
 

この理論の建設には,アインシュタインも彼がノーベル賞を取った 

「光量子仮説」などで関わっていますが,最後は

「神はサイコロ遊びをなさらない」という有名な言辞でその解釈

について主流派とは袂を分かっています。

 
量子力学は,それまでの物理学の根底を覆す革命的な理論で 

「微視的には粒子の位置と運動量(速度)を同時には確定

できない。」ということ,故に, 実は質点の軌道というものは

正確には存在せず,軌道を描いているように見えても本当は

小さいながらも幅を持って運動している。」ということです。
 

その,幅を持った軌道の集まりのどこに粒子が存在するのか?

の確率を定める方法,方程式はあっても,

 
確実にある位置にある
速度で存在することが前提の従来の考え

は革命的に改める必要がある,とわかったのです。

「神はサイコロ遊びをなさる」おいう方が真実でした。
 

したがって謂わゆる「ラプラスの悪魔」の考え方,運命論= 

元々定めというものがあって,人間が分かれ道でどちらに進もう

と心を巡らせても,どちらを選ぶかさえ既に決まっていて運命

は変えられない。逆らえない。。

 つまり,
宇宙の始まりに,それを構成する全ての粒子の初期

位置と初期速度が決まって以来,それ以後の全ての軌道は単に

方程式に従って宇宙の終わりまで時間発展していくだけであり

人の体や心さえも,そうした粒子たちの集まりで構成され,複雑

ではあっても因果律に逆らうことはできない。ジタバタしても

人の考えなどが宇宙の法則に逆らうことはできない」

とする人間機械論的考えがありましたが,そうしたモノは

量子力学によって完全に覆されました。

 
右に行くか左に行くか?によって,その先の運命は左右され

ますが,それは方程式によっても確率的にしか予測できない。

というわけで,大袈裟な話,人の心や力次第で軌道を選択できる

という道が開けたともいえます。
 

量子力学以前の軌道を前提とした理論は「相対性理論も含めて

古典力学,古典物理学と呼ばれるようになりました。
 

したがって「一般相対性理論」で深化された重力理論も,実は

量子力学の対象とされる必要があります。

 
重力と同じく距離の逆2乗則に従う荷電粒子間の電気力の

クーロンの法則が,粒子間の光=光子(光量子;電磁波)の交換

(キャッチボール)による力であるということからの類推で

核力も,主として湯川の予測したπ中間子の交換によると

う理解が進みました。


 重力も重力子(重力波)の交換の寄与で生じるはずである

という量子理論が構成されつつありますが重力のみは元の

古典方程式が複雑(非線型)という事情もあって現在でも解明

されていないはずです。

 
こうして何もない空間の間に働く遠隔作用として出現した

万有引力も,実は重力子という質量ゼロで光速で運動する粒子

が力を媒介しているという意味で近接作用として定式化され

ようとしています。

 「
何故,そういう法則に従うのか?」を問わなくても次第に,

基本化,微細構造化することで,神の意図の探求に近づく道には

なっているようです。

 
現在の,宇宙の始まり,進化などを論じる宇宙論などは,哲学的

命題もの求に最も近いかもしれません。。
 

生命科学の方は全くの素人ですが,地球45億年,恐竜2億年,単純

生命の発生から,将棋の全読み筋ほどの天文学的に莫大なゲノム

の交配の試行錯誤を繰り返していれば計画的な遺伝子操作でなく

ても突然変異的に複雑な構造ができても不思議じゃない


 と思える
ので突然変異と自然淘汰という進化論くらいしか 

知りませんが,造物主や太古宇宙人がいて地球に漂着した

末裔が人類であるとかの説に依存しなくてもよいと

思えます。

天気予報などのカオスにも言及したかったけれど,

いい加減にします。最後の方は蛇足でしたね。。。

(※ 2006年5月4日の過去記事

公開キー暗号(神はさいころ遊びをなさる)」,

量子通信(神はサイコロ遊びをなさる(つづき)」を参照)

PS;月はじめに僅かな収入で,1万円,容量42Lの小型冷蔵庫

買ってベッドのわきに設置しました、

 トイレに行くだけでも不自由な足で,買い物もままならない

身では買いだめして飲食物を冷蔵庫にためておき,

寝ていても手の届く場所に置くのは必要なことと信じている

ので,すぐ壊れない限り,安かろう悪かろうの衝動買いのムダ

使いではないでしょう。

 ところで,ダルビッシュは,マー君同様,MLBが今年よく

飛ぶ球を採用したための被害者でしょうが,レンジャーズは

守備ザルで,しかも点も取れないのに対し,同じザル守備

マエケンの足を引っ張ってると見えるドジャースの方は

得点力はあるので,まだマシでしょうね。ガンバレ。。

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