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2017年9月13日 (水)

対称性の自発的破れと南部-Goldostone粒子(5)

「ゲージ場の量子論」(対称性の自発的破れ)の続きです。
 

対称性の自発的破れを起こす例として前のGoldstone模型 

よりは自明でない例として「南部-Jonalashino模型」 

(NJ)模型を考察します。
 

「南部-Jonalashino模型」のLagrangian密度:. 

=Ψ~iγμμΨ+(/)[(Ψ~Ψ)2(Ψ~iγ5Ψ)2]  

で与えられます。
 

ここでは,以下の近似の意味を明確にするため,Fermion: 

ΨはN個のDirac:ψのSU()変換群の基本表現を示す 

列ベクトルであるとします。
 

すなわち,Ψ=[ψ1,..,ψ]とします。 

そして,Ψ~ΓΨ=Σj=1Ψ~Γψj と規約します。
 

元々の(NJ)模型は.N=1の単純な模型でした。
 

さて,このN-Fermion系は,位相変換U(1)

Ψ() exp(iθ)Ψ()の不変性以外に,カイラル

(1)変換:Ψ() exp(iγ5θ)Ψ()の下での

不変性を持ちます。
 

その対称性成立のために,には,-mΨ~Ψ(mは質量行列)

のようなFermion質量項はない,としています。
 

ここからはカイラルU(1)対称性が,この系の動力学により

自発的に破れて.Ψが質量を獲得する可能性を調べます。
 

4次のfermion相互作用項:(/)(Ψ~Ψ)2の形を考慮すれば, 

複合場:Ψ~Ψ()がゼロでない真空期待値; 

0|Ψ~Ψ|0>=-{/(2)}m ≠0 を実現すれば,Ψが 

-mΨ~Ψの質量項を得ると期待されます。.
 

(5-1):Ψ~Ψ=Ψ^~Ψ^{/(2)}mと置くことが 

できれば,0|Ψ^~Ψ^|0>=0 であり,(/)(Ψ~Ψ)2 

(/)(Ψ^~Ψ^)2 mΨ^~Ψ^{/(4)}2ですから

質量項:ー mΨ^~Ψ^ が出現します。 

(5-1終わり※)
 

このとき,Ψ → exp(iγ5θ)Ψに対するΨ~Ψ,Ψ~iγ5Ψ 

の変換則;Ψ~Ψ → Ψ~Ψcos(2θ)-Ψ~iγ5Ψsin(2θ), 

および,Ψ~iγ5Ψ → Ψ~Ψsin(2θ)+Ψ~iγ5Ψcos(2θ) 

,カイラルカレント:5μ=Ψ~γμγ5Ψによる 

カイラルチャージ:5=∫d350() により,
 

[i5,Ψ~iγ5Ψ()]=∫d3[50(),Ψ~iγ5Ψ()] 

2Ψ~Ψ() となります。
 

(5-2):何故なら,無限小カイラル変換:

(ε)exp(iγ5ε)1iγ5εの場合, Ψ →Ψ+δΨ

=U(ε)Ψ, δΨ=-iγ5εΨで, 

Ψ~Ψ→ Ψ~Ψ-2εΨ~iγ5Ψ,

Ψ~iγ5Ψ→: Ψ~iγ5Ψ+ 2εΨ~Ψであり,

[iεQ5,Ψ~iγ5Ψ()]2εΨ~Ψ() 

とmばるからです。  (5-2終わり※)
 

それ故,0|Ψ~Ψ|0>≠0,カイラルチャージQ5の対称性

自発的破れ.を意味し,擬スカラー複合場:Ψ~iγ5Ψの

チャネルに擬スカラーのN..ボソンが現われることを

意味します。

" 
このN..ボソンは元のLagrangian密度の中には"素 

Heisenberg場として用意されていないので,動力学的に

結合状態(bound state)として供給される必要が

あります。
 

この問題を扱うのに補助場の方法

(auxiliary field method)呼ばれる技法を用います。
 

Fermionの系のGreen関数の生成汎関数は,η,η~

Grassman数の外場として, 

[η,η~]=∫ΨΨ~[expi∫d4

{+η~Ψ+ηΨ~}]で与えられます。
 

これにGauss積分の1を表わす因子:

1=∫σ'π'[expi∫d4[{/(2λ)}{σ'()2+π'()2}] 

を挿入しても等式は不変です。
 

(5-3):ただし上の1の因子の等式が成立するかどうか?

不変測度;σ'π'の規格化に左右されますが,定数である 

ことには間違いないし不変測度は定数倍の任意性を持つという

意味で,こう規格化するのは可能です,(注5-3終わり※)
 

積分変数:σ'(),π'()を次のようにσ(),π()に変数 

置換します。すなわち,σ'=σ+(λ/)(Ψ~Ψ),および, 

π'=π+(λ/)(Ψ~iγ5Ψ) とします。 

この変換で積分測度は不変:σ'π'=σπ です。
 

系のLagrangian密度は, 

{/(2λ)}(σ'2+π'2) 

{/(2λ)}[{σ+(λ/)(Ψ~Ψ)}2

{π+(λ/)Ψ~iγ5Ψ)}2]

=Ψ~iγμμΨ+(/)(Ψ~Ψ)2(/)(Ψ~iγ5Ψ)2 

{/(2λ)}(σ2+π2){λ/(2)}(Ψ~Ψ)2

{λ/(2)}Ψ~iγ5Ψ)2-Ψ~(σ+iγ5π)Ψ 

と表わせます。
 

よって,[η,η~]=∫ΨΨ~σπ 

[expi∫d4{(Ψ,Ψ~,σ,π)+η~Ψ+ηΨ~}] 

が得られます。
 

ただし,(Ψ,Ψ~,σ,π) 

{/(2λ)}[{σ+(λ/)(Ψ~Ψ)}2

{π+(λ/)(Ψ~iγ5Ψ)}2] 

=Ψ~iγμμΨ

{/(2λ)}(σ2+π2)-Ψ~(σ+iγ5π)Ψ です。
 

ここで,Lの中の4次のFermion相互作用が全て相殺されて

消えるように,パラメータ:λを,λ=2G と選びました。
 

こうして,における4次のFermion相互作用は,湯川型相互

作用:Ψ~Ψσや.Ψ=iγ5Ψπに置き換えられました。
 

.ここで導入した場:σ(),π()を補助場,

書き換えるトリックを補助場による方法と呼びます。
 

その導出手順から,の系との系が物理的に等価であるのは

明らかですが,経路積分によらなくても,において補助場:

σ,πは運動項を持たないので.σ,πに対するEuler-Lagrange

の運動方程式,σ=-(λ/)Ψ~Ψ,π=-(λ/)Ψ~iγ5Ψ

となり,これらをに代入すると,元のに帰着するため,等価

なことが確かめられます。
 

そして,σ=-(λ/)Ψ~Ψ,π=-(λ/)Ψ~iγ5Ψ,から 

σとπは,それぞれ,複合場:Ψ~ΨとΨ~iγ5Ψを代用する場 

であると解釈されます。
 

系も元々はカイラルU(1)対称性を持っています。 

Ψ()の変換は元のΨ → exp(iγ5θ))Ψです。
 

補助場:(σ(),π())の変換は, 

(Ψ~Ψ(),Ψ~iγ5Ψ())と同じ2成分ベクトルとして, 

角度2θの(σ,π)平面の回転で与えられます。 

そこで,:{/(2λ)}(σ2+π2)は不変です。
 

しかし,-Ψ~σΨの項は,σ=-(λ/)Ψ~Ψ,がゼロ 

でない真空期待値を取る,という真空凝縮

(vacuum condensation)を起こせば,実質上.この項は

<0|σ|0>Ψ~ΨとなってΨが0|σ|0>≠0 の質量

を獲得し,結果,カイラルU(1)対称性を破ります。
 

ここでは,σとπの挙動にのみ関心があるので,生成汎関数

[η,η~]でη,=η~=0 としてFermionによる積分を先

に実行してしまえば;
 

(ΨΨ~積分はGauss積分なので, 

Gauss積分公式:ψψexp(ψAψ)Det 

(Aは4×4のガンマ行列)から, N成分のΨでは 

N重積分分で,ΨΨ~exp(Ψ~AΨ)(Det)

です。

  
故に,ΨΨ~exp[iΨ~{i(σ+iγ5π)}Ψ] 

Det{i(σ+iγ5π)} 

exp[lnDet{i(σ+iγ5π)}] です。※)
 

それ故,

Z=∫σπ∫ΨΨ~[expi∫d4{(Ψ,Ψ~,σ,π)}] 

とすると,Z=∫πσ[expiNS[σ,π] と書けます。
 

ただし, NS[σ,π]=N∫d4[{1/(2λ)}(σ2+π2) 

iln{Det{i(σ+iγ5π)}] です。 

(FermionのN個のN成分あったので,ln(Det)=Nln(Det) 

となり全体から,因子Nがくくり出せることに注意!!)
 

この時点でNは作用積分全体にかかっているので,(1/c)

と同様な定数因子です。
 

それ故,Z=∫πσ[expiNS[σ,π],の作用: 

[σ,π]=∫d4x∫d4[{1/(2λ)}(σ2+π2) 

ilnDet{-γμμi(σ+iγ5π)}])で記述される

σ,πのループグラフ展開は(1/)展開と同じに

なります。
 

Zの表記から有効作用を.Z=exp(iNΓ)として,

NΓ[σ,π]と書けば.Γ[σ,π]=S[σ,π]+O(1/)

です。

  
ここで,(1/)1ループ以上の量子効果です。 

すなわち,有効ポテンシャル:[φ~],運動量piが全てゼロ

のときのn点頂点関数の生成関数という意味を持つことが

わかりました。


 
(5-4):前記事の(注4-1)から転載します。 

[],[]の経路積分表式: 

[]exp(i[])­­=N∫φexp[i{[φ]Jφ}] 

をΓ[φ~]=W[]­­Jφ=に代入し,単位にPlanck定数:c 

を復活させると, 

Γ[φ~](ic)ln[φexp{(i/c){[φ](φφ~)}] 

となります。
 

経路積分φの積分変数を,φ → φ+φ~と変数置換して, 

-Ji()=δΓ/δφiを代入すれば, 

Γ[φ~](ic)ln[φexp{(i/c){∫d4 

([φφ~](δΓ/δφ)φ)}]  です。
 

[φφ~]をc-:φ~のまわりで量子場:φ()について 

展開すると,[φφ~][φ~](/∂φi)φi 

(1/2)φi|(iF)-1φ~}ijφjint[φ;φ~] 

と書けます。
 

ここで,|(iF)-1φ~}ij,|(iF)-1φ~}ij 

(2[φφ~]/∂φi∂φj)|φ=0(2[φ~]/∂φ~i∂φ~j) 

で与えられますが,これはこの頂点2点関数が場:φの期待値がφ~ 

であるような真空上でのFeynman伝播関数の逆数になっているため 

こう表記しました。
 

int[φ;φ~],φについては3次以上のφ~における相互作用項 

です
 

この[φφ~]の展開をΓ[φ~]の表式に代入すると, 

Γ[φ~]=∫d4[φ~]+Γ~[φ~]

Γ~[φ~](ic)lnφexp[(i/c){∫d4 

[(1/2)φi|(iF)-1φ~}ijφjint[φ;φ~](δΓ/δφ)φ}] 

を得ます。
 

これで,うまい具合に有効作用:Γ[φ~]から,古典的作用積分: 

[φ~]=∫d4[φ~]が分離されました。
 

Γ~[φ~]の項はhc1次以上のオーダーの量子効果で,

1粒子既約なループグラフの寄与を示しています。

(5-4終わり※)
 

 Γ~[φ~]のhcのオーダーでのループグラフ展開が,

ここでの(1/)による展開と同等と考えられます。
 

以下,もっぱら(1/)展開の最初の0次オーダーだけを考えます。
 

有効作用:Γ[σ,π]に対応する有効ポテンシャル:[σ,π] 

,Γ[σ,π]=S/∫dx0 に対して,

[σ,π]=-S/∫dで与えられる,という定義より,
 

[σ,π]{1/(2λ)}(σ2+π2) 

(1/i)∫d4(2π)-4 lnDet[ii(σ+iγ5π)] です。
 

このDet(determinant),Dirac場に対する4×4行列の 

行列式を意味します。
 

Det[exp(iγ5θ)exp{iθ(Trγ5)}1であり,π/σ 

tan(2θ)で回転角2θを定義して, 

lnDet[i(σ+iγ5π)]lnTr[i(σ+iγ5π)] 

ln(2-σ2-π2)を用います。
 

すると,[σ,π]{1/(2λ)}(σ2+π2) 

(2/i)∫d4(2π)-4 ln(2-σ2-π2iε) です。
 

最後の4次元積分はk → ∞ の紫外部で発散し,このまま 

では,うまく定義されていません。
 

そこで,運動量kをEuclid化して,紫外部を切断する切断理論 

(cut-off theory),この模型を定義することにします。
 

すなわち,Euclid化運動量をkμ(1,2,3,4=k0/i) 

として,(1/i)∫d4kf(-k2)=∫kE2≦Λ24(2) 

=π20Λ22(2)dk2 の定積分を定義します。
 

(1/i)∫d4(2π)-4 ln(2-σ2-π2iε) 

{1/(16π2)}0Λ2ln(-u-σ'2)du 

{1/(32π2)}{(Λ4ln(Λ2+σ'2)-σ'4ln(1+Λ2/σ'2) 

(Λ42σ'2Λ2)/2} (σ'2=σ2+π2) なので,
 

[σ,π]=V[0,0]{1/(2λ)}(σ2+π2) 

{1/(16π2)}[Λ4ln{1(σ2+π2)/Λ2} 

(σ2+π2)2ln{1+Λ2/σ2+π2)}{Λ42(σ2+π2)Λ2}} 

となります。
 

この有効ポテンシャル:[σ,π],カイラル対称性を反映

して明らかに(σ,π)平面での回転で対称です。
 

これを,π=0の断面で見れば,Λ2 → 大 とするとき, 

σ2 <<Λ2なら, 

[σ,π=0]-V[0,0]{1/λ-Λ2/(4π2)}(σ2 /2)であり,
 

σ2 >>Λ2なら,[σ,π=0]-V[0,0]=σ2 /(2λ)

です。


 

したがって,結合定数:λ=2Gが小さくて,1/λ≧Λ2/(4π2) 

となっている間は.停留点はσ=π=0しかなく,カイラル 

対称性は維持されますが,λが大きくなって

,1/λ<Λ2/(4π2)になると原点よりもVが低い

(ワイン瓶底内の)停留点が現われ,カイラル対称性は自発的

に破れます。
 

こうした自発的破れが起きる最小の結合定数を臨界結合定数 

(critical coupling constant)と呼びます。今の場合これを 

λcrtと書けば,λcrt4π2/Λ2 です。
 

λ>λcrt,対称性が自発的に破れる場合,真空をπ=0 の断面 

上の点に取るとすれば,σの期待値:0|σ()|0>=σ0, 

Vの停留点条件:{∂V[σ,π=0]/∂σ}σ=σ0=σ0/λ 

-σ0/(4π2){Λ2-σ02ln(1+σ02/Λ2)}0 から決まります。
 

これは対称性の破れていない"ノーマル解";σ00 以外に, 

λ>λcrt4π2/Λ2 では

,4π2/(λ"2)1-σ02/Λ2)ln(1+σ02/Λ2)で決まる 

σ00 スーパー解(super solution or 超伝導解)" 

を持ちます。
 

4π2/(λΛ2)1(σ02/Λ2)ln(1+σ02/Λ2)の右辺は

6.3に示すような(σ02/Λ2)の単調減少関数でλが

λcrt4π2/Λ2 に達すると4π2/(λcrtΛ2)1であり,

λ>λcrから解σ0存在するようになって,λ → 大に

つれて,解σ0は単調増加します。


 このσ0,[σ,0]{1/(2λ)}σ2 

(1/i)∫d4(2π)-4 lnDet[i(-σ)]をσで微分して

ゼロ置いても得られます。
 

lnDet[i(-σ)]=Trln[i(-σ)]ですから,Vをσで

微分して,σ0=λ∫d4(2π)-4r {i/(-σ0)}なる

方程式の解として.σ0が表現されます。
 

この右辺の量は,質量m=σ0の運動量表示の伝播関数:

,i/(-σ0iε)を持つFermionがまわるループグラフ

の寄与に相当していて, 

Fermionがm=σ0の質量を得たとしたとき,

(λ/)(Ψ~Ψ)2の相互作用項を通して誘起される質量項

,またm=σ0であるべきである。」という要求です。


  これは南部-Jonnalashinoの自己無撞着条件

(self-consistent condition)と呼ばれています。
 

上記計算から,λ>λcrtのときには,確かに動力学的に

カイラル対称性が破れることを見出しましたが,それに

対応する零質量のN..ボソンが果たして現われている

のでしょうか?
 

本記事の最初の方でNoetherカレントから求めた

カイラルチャージ:5の交換関係:

[i5,Ψ~iγ5Ψ()]=∫d3[50(),Ψ~iγ5Ψ()] 

2Ψ~Ψ()を示しましたが, 

これはN..粒子が,擬スカラー・チャネル,つまり,

π~ Ψ~iγ5Ψに現われるべきことを示しているので,

補助場π()の2点関数を計算してみます。
 

まず,(/)展開の第 0 次近似での有効作用;Γは

作用積分:で与えられます。すなわち, 

Γ=S=∫d4[{1/(2λ)(σ2+π2) 

ilnDet{-∂-i(σ+iγ5π)}} です。
 

このΓが,その生成汎関数となる頂点関数の展開における

頂点関数;Γ(2)()の運動量表示の展開係数を求める

,それはΓ~(2)()(2π)4δ4(p+q)であり,これがπの

伝播関数の逆数{iΔF()}-1に対応するわけです。
 

これは,具体的には,[δ2Γ/δπ()δπ()]π=0,σ=σ0 

なる運動量表示のπによる展開の2次の係数です。
 

lnDet=Trln なので 

Γ~(2)()=-1/λ-∫d4(2π)-4 

r[(iγ5){1/(-σ0)}(iγ5){1i/(-σ0)} 

と書けます。
 

途中計算は省略で,Fetynmanパラメータ積分公式を使って, 

Γ~(2)()=-1/λ-∫01dx∫Λ4(2π)-4 

[4{2-σ02―x(1-x)2}/{2-σ02―x(1-x)2{2] 

を得ますが,先の自己無撞着条件から,

これは結局ゼロとなりますから,

p~0 でΓ~(2)()=ΔF()-1 0+cp2+O(4)

となり,場πの伝播関数は零質量の極を持つことが証明

されました。
 

そしてさらに,

Γ~(2)()=-1/λ-∫01dx∫Λ4(2π)-4 

[4{2-σ02―x(1-x)2}/{2-σ02―x(1-x)2{2] 

,kをEuclid化した後,初等的に計算可能で,これも

途中計算を省略で,最終結果は.

Γ~(2)()=-1/λ-{1/(4π2)}

[Λ2(1/2)(2σ02-p^2)ln(1+Λ2/σ02)(^2/2)

|(2Λ24σ02-p2)/(4Λ24σ02-p2)}(2,Λ2+σ02) 

(^2/2)(2,σ02) となります。
 

ただし,このΓ~(2)()はπ(x)2点頂点関数だけでなく

σ()2点頂点関数をも表わす式です。そして,^2,

π()の場合:^2=p2,σ()の場合:^2=p24σ02

を意味します。
 

また,(2,2)は,(-p2)0 なら,

(2,2){(42-p2)/(-p2)}1/2 

×ln[{(42-p2)1/2(-p2)1/2}

/{(42-p2)1/2(-p2)1/2}] 

{(42-p2)/(-p2)}1/2 2Tan-1{(-p2)/{42-p2)}1/2
 

0≦p242なら,  

(2,2){(42-p2)/2}1/2 2Tan-1{2/{42-p2)}1/2 

です。
 

:π()のくりこみ定数:π,

Γ~(2)()=Zπ-12+O(4)で定義されるので,

(0,2)2を用いて, 

π-1{1/(8π2)} [ln(1+Λ2/σ02)(Λ2+σ02)/Λ2] 

2∫d4(2π)-4(2+σ02)-2 を得ます。
 

:πは系のLagrangian密度に-Ψ~iγ5Ψπの相互作用項を 

持つので.くりこまれたNGボソン場:πr=Zπ-1/2πの 

Fermion:Ψへの結合は,intπΨΨ=gπΨΨΨ~iγ5Ψπr 

πΨΨ=Zπ-1/2 で与えられます。
 

この,結合定数:πΨΨ=Zπ-1/2が元の基本結合定数:λ=2

には直接依存せず,0|σ()|0>=σ0だけから決まるのは

興味深いことです。
 

一方, Ψ~iγ5Ψ()

=-(/λ)π()→ -(/λ)π1/2π() 

であり,0|2Ψ~Ψ()|0=-2(/λ)0|σ()|0

=-2(/λ)σ0 です。
 

そこで,[i5,Ψ~iγ5Ψ()]=∫d3[50(),Ψ~iγ5Ψ()] 

2Ψ~Ψ() ,以前の記事での, 

μ() o→±∞ → fπμφas().., 

[φas(),φas()]i(x-y) 

Φ() o→±∞ → Z1/2φas()..,π1/2φ

=<0|δΦ|0でのN..漸近場φasと.πrの比較に

よって.π2(/λ)σ0/{(/λ)π1/2}2σ0π^1/2

となって崩壊定数πも求まります。
 

最後に,スカラー補助場:σ()のΓ~(2)()の計算結果において

注目すべきは,^2=p24σ020,Γ~(2)()0 となること

です。すなわち,スカラーチャネルにも,σ24σ02の質量を

持つ結合状態が生じています。

  しかしm=σ0Fermion:Ψの質量ですから,
24σ02,

丁度Ψ-Ψの2-Fermion状態の閾値であり,真の結合状態でなく

共鳴状態と考えられます。
 

「南部-Jonalashino模型」は.噛めば噛むほど味が出るような,

豊富で複雑な内容を含んでいて,少し計算を省略したにも

関わらず,長くなってしまいました。
 

今日はここで終わります。
 

この「対称性の自発的破れ」の項目は,このテキストの6章には

まだ続きがあるのですが,これもアップするかどうか?はPeding

とします。
 

(参考文献):九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論()(培風館)

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