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2017年10月 9日 (月)

力学覚え書き(その1)

ノーベル医学生理学賞が体内時計。。物理学賞が重力波 

ということで,思いついたことを少し。。
 

最初の思いつきは, 体内時計の時間が今の地球自転周期24時間と 

1時間のずれがあるらしい,という話と月や太陽の地球への重力 

による潮汐力の効果で地球の自転速度が年々僅かずつ遅くなって 

いるという話が結び付く?と浅薄な邪推をしたことでした。 

しかし,これらは向きが逆の話で勘違いでした。。
 

宇宙空間に月と地球だけがあるとして月を質量がmの質点で近似 

地球を質量がMで自転軸のまわりの慣性モーメントがIの剛体球で 

近似,地球自転の角速度をω1,月が地球の周りを回る軌道を円軌道 

近似して回転角速度をω2とします。
 

自転する地球の半径をa,月が公転する半径(月と地球の距離) 

Rとすると,月と地球は万有引力:F=-GMm/Rで互い 

引っ張り合っています。
 

このとき,地球のスピン角運動量は,S=Iω1,月の公転の軌道 

角運動量はL=mR2ω2で与えられます。
 

普通に運動方程式を立てると,/dt=,/dt=- 

です。は月が地球に及ぼすトルク(力のモーメント)です。
 

系の総角運動量:(),系には外からのトルクが無く閉じて 

いると仮定しているので保存されます。 

すなわち,()/dt=0です。
 

地球の自転軸と月の公転軸の角度(地球の赤道面が公転面と 

なす角度)をθとすると,N=FRsinθ 

(-GMm/2)sinθ  

=-(GMm/)sinθですから,地球の自転軸のまわりの 

慣性モーメントIと月の質量mは一定とすると

解くべき方程式系は,(dω1/dt)=-(GMm/)sinθ(1), 

および,{(2ω2/dt)(GMm/)sinθ(2),あるいは, 

ω2(dR/dt){GM/(22)} sinθ-R(dω2/dt)(2)’

です。
 

(2),公転角速度ω2の変化が小さいとして無視する近似では 

月と地球の距離Rが増加して離れていくことを意味する式

になります。
 

他方,剛体球近似では地球半径がaなら,I=(2/5)Ma2ですから 

dω1/dt=-{5Gm/(22)sinθの率で自転が遅くなります。
 

大体の見積りは,今の自転周期がT=24時間=24×3600秒で 

ω12π/,地球半径:a~ 6400km 6.4×106, 

万有引力定数が:G ~ 6.67 × 10-11 m2 kg-2 月の質量  

m~ 5.75×1022kg,月と地球の距離:R ~ 384km

3.84×108 

θ~23.5度=23.5π/180,sinθ~ 0.4 を代入して計算すると 

dω/dt=-Gm sinθ/(Ra2) ~ -10-11くらいです。
 

(※地軸の傾きは23.4度とか23.5度とか小学校で習ったけど月の 

公転面の傾きθとしてこれを採用してもいいのかな?)
 

今から1万年=3.15×1011秒後ではω1の減少はΔω1 -3, 

10万年~ 3.15×1012秒が経つと,Δω1 ~ -30です。
 

現在は,自転角速度はω124×3600/(2π)13758,ですが, 

今から10万年経つと,30/1375831/600の割合で角速度が小さく 

なります。自転周期=1日が24時間=86400秒ですから,その1/600 

は約150秒=230秒です。
 

大体の見積りでは10万年当たり.これだけ1日が延びる勘定です。 

単純計算では,哺乳類,人類誕生の200万年前の自転周期-1日は 

23時間くらいで,今よりも短いようです。。。
 

ありゃ昔の方が短かいのか??と,実際にはここで初めて勘違いに 

気付きました。
 

体内時計の1日は25時間に近いことが知られているので,最初. 

これは昔の方が1日が長くて,体内時計がこれに同期していた? 

と考えたのでしたが.実は昔は今より回転が速かったのなら1日が 

短いので反対でした。。相変わらず,オッチョコチョイです。
 

ところで,この計算自体合ってるのかな?自信はありません。

この頃は本当に字だけの本が読みたいけど,老眼鏡でも見えず, 

判読疲れで細かい本は読めません。理科年表でさえ読み辛く

この頃は記憶に頼るか,ネットで調べて拡大する方が早いです、

とても不便です。
 

まあ,そういう意味では,計算しなくてもネットで探せば何でも 

ある時代ですが,自分で確かめないとダメという性分なので。。
 

しかし,2億年続いた恐竜の滅亡は地磁気のNとSの逆転が原因? 

とか言われているらしいし,月以外に太陽の影響もあるし氷河期も 

あったし。。月が衛星になって何十億年も同ペースで,外から突然 

の衝撃なども受けず,静かに閉じた系として進展してきたのか?も 

疑問ですが。。
 

ところで,本ブログでは初等力学について.余りり論じてなかった 

ので,これを機に剛体や質点系力学についておさらいしてみます。
 

これも,眼が悪くて参考書をろくに読めないので,主として記憶に 

頼りますが。。
 

n個の質点から成る質点系があるとし,そのi番目の粒子質量を 

i,位置座標をiとして,その速度を,i=di/dtとします。
 

その運動量をi=miiで定義すると,各々の質点が従う古典論の 

Newtpnの運動方程式はdi /dt=iです。 

ここで,iは質点iに作用する力です。
 

質点iに作用する力:i,n個の系の外部から作用する外力exti 

と系の他の質点j(j≠i)がiに及ぼす内力:intjiの総和の和 

に分割されます。すなわち,iexti+∑j≠iintjiです。
 

系内の粒子同士で互いに及ぼす内力:intjiは電気力.重力のような 

もので.作用・反作用の法則から,intji=-intij、および, 

(i)×intij0 が満たされます。
 

ここで,双質量をM=Σmiとして,系の重心の位置ベクトルを 

=Σmii/Mで定義します。
 

重心速度は,=d/dt=Σmii/,重心運動量は=M 

=Σiで与えられます。
 

i /dt=exti+∑j≠iintjiを総和することで,重心運動 

の方程式:dP/dt=Σiextiが得られます。
 

他方,質点iの原点の回りの角運動量をii×iで定義すると, 

i/dt=(i×i)/ii×(i/dt) 

i×ii×exti+∑j≠i(i×intji) が成立します。
 

系の総角運度量を=Σii=Σi(i×i)とすると, 

/dt=Σi(i×exti)+Σij≠i(i×intji) 

=Σi(i×exti)=ΣiextiN と書けます。
 

ここで,位置にある質点に働く力がのとき,×をその 

質点にかかる原点:Oの回りのトルク(力のモ-メント)と呼ぶと, 

extiは質点iにかかる外力だけのトルクであり,はその総和 

を意味します。
 

最後の等式では,内力のトルクの総計がゼロを用いました。
 

何故なら,Σij≠i(i×intji)(1/2)[Σij≠i (i×intji) 

+Σjj≠i (j×intij)](1/2)Σi,j(ij)(ij)×Fintji0 

となるからです。
 

さて,今では通常の物質は全て微小な分子の集まりでできている 

ことを知っています。そして.その個数は我々の常温,常圧で1cm3 

の体積中に1022個も存在するオーダーなので,構成分子を質点と 

みなしても,物質の塊は莫大な個数の質点系です。
 

このとき,系の内力は基本的に電気力で,それは分子を束縛する 

分子間力と呼ばれています。
 

それ故,古典物理では物体を連続体近似することが多いようです。 

例えば,気体,液体,固体を弾性体,気体,液体をそれぞれ,圧縮性, 

非圧縮性の流体で近似したり,固体を剛体で近似します。
 

特に,剛体というのは弾性体的には応力が無限大で全く変形しない 

理想的な固体モデルです。したがって,その物体内での異なる2 

(原点Oともう1)の位置が指定できれば,その剛体の位置状態は 

完全に決まります。
 

そこで,この2点の6個の座標の軌道を求める独立な6個の方程式 

があり,これが解ければ 異なる2点の運動が定まります。 

それ故,剛体の運動を定めるには,6個の方程式が必要十分です、
 

ところで,ここまでの質点系の論議で,重心運動の方程式: 

dP/dt=Σiextiは独立成分が3個の方程式です。
 

また,方程式:/dt=Σi(i×exti)=Σiexti=N 

も独立成分は3個で.合わせて独立成分6個の方程式なので, 

これらを運動を決める必要十分な方程式と見ることができます。
 

1質点なら運動方程式は3個で十分だったのですが,大きさのある 

剛体モデルなら6個に増えます。
 

特に,原点Oを含む固定軸の回りを角速度ωで回転している剛体,

角運動量の総和:.回転軸をz軸にとる座標系で 

L=Σ(i×mii){Σmi(i2+yi2)}ω=Iω; 

I=Σmi(i2+yi2)と書けます。
 

このとき,Iを,このz軸のまわりの慣性モーメントと呼びます。
 

離散的なn個の質点でなく位置における密度がρ()の連続体 

ならI=∫3rρ()2sin2θ=2π∫d3rρ()4sin2θと 

書けます。
 

ただし,θは極座標表示:(,,) 

(sinθcosφ,sinθsinφ,cosθ) の極角です。
 

特に密度が一様:ρ()=ρで半径がaの球の自転軸のまわり 

の慣性モーメントなら,I=∫d3rρr2sin2θ 

2π∫0drρr4-11(cosθ)sin2θ=8πρa5/15です。 

そこで,質量がMならM=4πρa3/3よりρ=3/(4πa3)なので 

I(2/5)Ma2を得ます。


 

ここで特に,i=R+r~iと書いて,重心座標と相対座標 

を分離します。 

両辺をtで微分するとv=V+v~i です。すぐわかるように, 

Σii~i0 なる性質があります。
 

故に,総運動エネルギーTは,T=(1/2)Σmi,2 

(1/2)MV2(1/2)Σmi~i2+VΣmi~i 

(1/2)MV2(1/2)Σmi~i2となり,Tは重心運動エネルギー: 

(1/2)MV2と相対運動エネルギー:~(1/2)Σmi~i2 

に分離されます。
 

系全体が重心を含むある固定軸の回りを角速度ωで回転 

している剛体では, 固定軸をz軸に取ると,相対運動の速度 

がv~i(~i2+y~i2)1/2ω で与えられるので,
 

相対運動のエネルギー=回転エネルギーは, 

~(1/2)Σii~,2(1/2)Σmi~i2 

(1/2)Σ(~i2+y~i2)1/2ω2(1/2)~ω2 

で与えられます。
 

ここでは,~=Σ(~i×mi~i)=I~ω,;であり 

~=Σmi(~i2+y~i2)です。
 

例題として,高校物理で学んだような物体が自分の重みで斜面を 

下りてくる問題を考えます。
 

滑って下りてくるとき,物体を質量mの質点で近似して摩擦ゼロと 

すると.質点の速度vはニュートン力学の力学的エネルギーの 

保存則から斜面の最高点(出発点)からの降下高さhとすると, 

位置エネルギー減少分=mgh=(1/2)mv2=運動エネルギー 

の増加分ですから,その点での斜面上の速度の大きさは 

v=(2gh)1/2です。
 

しかし,一般には物体は質点じゃなくて,大きさがあります。 

斜面を下りてくるのがパチンコ玉のようなものとして半径が 

aの剛体球近似し,今度は滑りは全く無く完全に転がり下りる 

とし,蛇行せず直線的に転がるとして回転の角速度をωと 

してみます。
 

回転=aωで,慣性モーメントをIとすると回転エネルギ^ 

,(1/2)Iω2です。
 

球の中心=重心の速度の大きさも,v=aωですから重心運動の 

運動エネルギーは,(1/2)mv2(1/2)ma2ω2 です。 

故にエネルギー保存則は,mgh=(1/2) ma2ω2(1/2)Iω2 

あるいは,,mgh=(1/2) mv2(1/2)(/2)2 

(1/2){m+(/2)}2となり実質的に慣性モーメント分だけ 

降下速度が減少します。
 

球の公式:I=(2/5)ma2を代入すると(9/10)mv2=mgh=から 

v=(10gh/9)1/2です。
 

近似計算でしたが,半径が大きいほど,ゆっくり転がり下りてくる 

というっ常識に合っています。
 

ところで地球から月を見ると,常に一方の面しか見えず,これは 

自転周期と公転周期が全く一致しているためですが,地球への 

月の潮汐力の反作用の結果であるとされています。
 

実際の地球の海の潮汐は,月だけでなく太陽も影響して新月や満月 

では地球に対し両者がほぼ直線に並んで重力を及ぼすので気象に 

特有のタイムラグありますが,こうしたとき大潮になるようです。
 

一般に,月に限らず,どの衛星や惑星の自転-公転系でも長時間が 

経てば自転周期と公転周期が同期するところでバランスする 

という共鳴現象がある,ことを以前から聞いています。
 

量子論でのプランク定数による束縛電子の離散的軌道でもない 

だろうし古典軌道の固有周期運動が本当に整数比で安定になる 

のか?という疑問と.それが真ならその理由は何か?について 

興味津々ですが,生半可ではうまく計算できないので,そこらが 

詳しい天体力学の本が読めたら読むということでPendingにして 

終わります。

うらぶれ このみに ふくかぜかなし。。

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