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2017年10月 3日 (火)

場の量子論第Ⅱ部(13)(荷電共役1)

  早いものでもう10月に入りました。衣食足りているという意味では 

十分ですが,誰も救えないバチ当たりで,少し動くのさえ不自由な身 

では他にやることもないし,相変わらずの極楽トンボです。
 

さて不連続対称性変換の続き,荷電共役対称性,つまり,(粒子-反粒子 

の交換対称性の項目に入ります。 

反粒子の方を粒子と考えれば,粒子の方が反粒子になる話です。
 

粒子のみの空間と反粒子のみの空間:反空間があれば,対称で 

理論的には対等なはずですが,
 

現実の我々の宇宙は,殆どが謂わゆる粒子のみから成る空間です。 

反粒子の方は苦労しないと発見できません。
 

これらは,出合えば,たちまち双方が消滅し光のようなエネルギーの 

塊になるので,宇宙の大昔に共存していたとしても,アッという間に 

大爆発と共に消えてどちらか多い方が残ることになるでしょう。
 

§15.12 Charge conjugation(荷電共役)
 

荷電共役という対称変換作用は粒子と反粒子の役割の交代と 

関わっています。
 

B-JMechanicsのテキスト第5章での電子に対する特殊な適用 

では,これは電磁場と相互作用する電荷の符号を反対にすること 

に要約されました。この解釈は,ここでも維持されます。
 

測定装置のAextμ()という外場を含んだ全系のLagrangian密度; 

()-jμ()extμ()によれば,理論が荷電共役不変になる 

ためには,CL()-1(),および,μ()-1=-jμ() 

を成立させるようなユニタリ演算子:の存在が要求されます。
 

(13-1);測定装置を含む系の作用は. 

^=∫d4{()-jμ()extμ()}であり,|α>,|β>を 

任意の状態ベクトルとすると,の作用(粒子 → 反粒子変換) 

受けた新しい系では,状態は|α> → |α>,|β> → |β>, 

(ただし-1)と変換されると考えられます。
 

この新系で観測されるJ^,測定装置をAextμ()→ -Aextμ() 

と変えたものに相当するため作用の期待値(行列要素), 

<α|[∫d4{()+jμ()extμ()}|β> 

となります。
 

そこで,これが,元の作用<α|^|β>を不変に保ち,理論を不変に 

するという対応原理の要求から,条件: 

()().μ()=-jμ(),または. 

CL()-1(),μ()-1=-jμ()を得ます。 

(13-1終わり※)
 

上記のjμ(),電磁カレントですがは電気的に中性な非Hermite 

な場(実数でない場)を記述する粒子をも変換させる必要があります。
 

例えば,0,,Λを,それぞれ,その反粒子:0~,~,Λ~に変える

必要があります。

これは奇妙さ(Strangeness),核子数,アイソスピンなどの保存則

をもの下で不変に保つためです。
 

Hemite場で記述される光子やπ0中間子では,粒子と反粒子を区別  

できません。そこで,の下ではHermite場は,せいぜい因子:(1)  

で異なるだけです。
 

電磁場の場合には,()の下でLagrangian()() 

という項を不変に保つため,()-1=-()に従って,

変換しなければなりません。運動量空間に移行すると,直ちに,

^(,λ)-1=-^(,λ)が得られます。

(13-2):^(,λ) 

=∫d3(2π)-3/2(2ω)-1/2exp(ikx)ε(,λ) 

{ω()i0()}より.  

^(,λ)-1 

=-∫d3(2π)-3/2(2ω)-1/2exp(ikx)ε(,λ) 

{ω()i0()}=-^(,λ)は明らかです。  

(13-2終わり※)

パリティ演算子を陽に作ったとき展開した手法を模倣して, 

exp(i^)と置き,[^,^(,λ)]=α^(,λ)

を仮定すると,

^(,λ)-1^(,λ)+{iα+(α)2/2!

..(iα)n/!+..}exp(iα)^(,λ) です。
 

故に,^(,λ)-1=-^(,λ)を成立させるため

にはα=πととればいい,ことがわかります。
 

そこで任意のkとλ=1,2に対して,

[^,^(,λ)]=π^(,λ)を成立させるC^を求めると

C^=π∫d3{Σa^(,λ)a^(,λ)}

と選べばいいことになります。

 

結局,exp(i^)

=exp[iπ∫d3{Σa^(,λ)a^(,λ)}] です。
 

相互作用が存在する場合には,このは理論の対称演算子では 

なくなると思われます。こうしたケースではについてやった 

ように,t=0における0と書き,相互作用光子場のt=0 

が自由光子場の展開係数演算子によって上と同じ形に 

書かれたものとします。
 

そして,一般のtでは,()exp(i^)0exp(i^) 

によってCを作ります。
 

自由場の理論では,真空:|0>は縮退していないので1つの 

固有状態です。

(13-3):自由場のHamilyonianをH0^とすると,[0^,]0 

ですから,[0^,]|0>=0 ,つまり.(0^0^)|0>=0 

ですが,真空においてはH0^|0>=0ですから,0^|0>=0 です。
 

|0>≠0なので,|0>はH0^の固有値ゼロの1つの固有状態です。 

規約によって真空はの縮退のないH0^の固有値ゼロの固有状態で 

|0>のノルムは|0>のノルムに等しいため,|0>=exp(iφ)|0 

なる形式を持つ必要があります。 (13-3終わり※)
 

ユニタリ演算子:の位相を選ぶに当たっては,パリティ演算:

からのアナロジーで|0>=+|0>,つまり,真空:|0>は

荷電共役について偶(+)の固有状態になると規約します。
 

こうすれば,-光子状態は固有値が(1)の固有状態です。 

こうしたの固有値は,状態のチャージ・パリティという言葉で

記述されます。
 

相互作用がある場合でも,依然として真空に縮退がないならこの規約 

は保持されます。
 

π0中間子については,変換に関わる符号選択は,π0 2γ崩壊の 

観測によって指示されます。 

もしも,強い相互作用と電磁相互作用において,荷電共役不変性 

が成立するなら,2つの光子状態はチャージ・パリティが

()ですから,これとπ0coupleするならπ0の下で偶() 

でなければなりません。
 

次に電荷を持つπ中間子に移ると,()電荷.および,()電荷の状態 

を生成する場は,それぞれ,φ,および,φで記述されると考えるの  

が自然です。
 

φ ⇔ φという変換の下で,() (),  

μ() ⇔ -jμ() が成立しなければならないので,は任意 

の位相因子を除いて,φ()-1=φ(),φ()-1=φ() 

なる性質を持つと考えられます。
 

(13-4):荷電π中間子の自由Lagrangian密度:, 

=:∂μφμφ-mπ2φφ:で与えられます。
 

そして,電荷を含む電磁カレント;μ,0を陽電子(positron) 

の電荷(-e0が電子の電荷)とすると,  

μ()i[φ()μφ(){μφ()}φ()]  

です。特に,総電荷は,Q=∫d30() で与えられます。
 

それ故,CL()-1(),および,μ()-1=-jμ() 

が確かに成立しています。 (13-4終わり※)
 

したがって,荷電π±中間子の場;φ±()の運動量k-空間での展開 

,φ±()=∫d3}±^()()+a±^()k()} 

(※fk()=fk()(2π)-3/2(2ω)-1/2exp(ikx)  

(2π)-3/2(2ω)-1/2exp(ikx);ω(2+mπ2)1/2 )とすれば,  

^()-1=a^(),^()-1=a^() 

が成立します。
 

πをHermite場 成分のアイソ空間のベクトルで,φ[φ1,φ2,φ3] 

と表現すると,φ1(){φ()+φ()}/2,  

φ2()i{φ()-φ()}/2なので.φ1()-1=φ1(), 

φ2)-1=-φ2() です。
 

あるいは,運動量空間では,  

1^()-1=a1^(),2^()-1=-a2^()です。
 

このことは,がアイソ空間の(1,3)平面を鏡面としたときの鏡映  

演算子であることを示しています。
 

そこで,物理的には明らかですがの固有状態は,ゼロ個も含めて 

同数のπとπを含む必要があり,電気的に中性です。
 

(13-5):πがn,πがn個の状態にを作用させると 

πがn,πがn個の状態になりますが,の固有状態であれば 

状態は係数が変化するだけなのでn=nです。  

(13-5終わり※)
 

正式には,これはQ=-Qなることから証明できます。
 

(13-6):Q=i∫d3{φ0φ()(0φ)φ}  

=∫d3{^()^()-a^()^()}より,  

-1=∫d3{^()^()-a^()^()} 

=-Q です。故に,Q=-Qが成立します。  

(※ Qは素電荷:0の因子を略した電荷の表現です。)
 

現存する状態はQの固有状態のみであり,自然界にはこうした 

超選択則(Superselection-rule)があるようです。
 

|q>=q|q>なるQの固有状態:|q>が,の固有状態でも 

あって|q>=c|q>なら,cは符号を変えるだけでノルム  

不変なので||1であり, 

|q>=-|q>=-q|q>=-qc|q>ですが,  

|q>=Qc|q>=cq|q>でもあるので|q>≠0より 

qc=0です。そして,||1なのでq=0 を得ます。
 

つまり,の固有状態は電気的に中性です。 (13-6終わり※)
 

3種の完全なπ中間子の場;φ[φ1,φ2,φ3]に対してを作るため 

はφ2とのみ交換しないことを思い起こします。
 

光子に対して用いたのと同じ方法から,exp(i^)と置くと, 

^=π∫d3{2^()2^()} が得られます。
 

このが運動の恒量ではないような一般の場合には,これまでと  

同様,t=0でのを自由場の展開係数で作った上記と同じ表現

C=C0exp[iπ∫d3{2^()2^()}]とし,  

一般のtでの,Hamiltonian:H^について,  

()exp(i^)0exp(i^)として()  

を作ります。
 

π中間子に対して論じた上記考察はK中間子にも当てはまります。
 

まず,荷電π中間子:π±の場に対する論議は,何の変更もなく荷電 

K中間子:±の場に翻訳できます。
 

中間子は奇妙さ(Strangeness)の量子数S=SK+を持ち, 

Q=QK+をその電荷,Y=YK+をハイパーチャージ(hyperchatge)  

とすると,特にQK+=SK+=YK+です。
 

そこで,Q=-Qにより,SもYもと反交換します。 

つまり,S=-S,Y=-Yです。
 

(13-7):Bを重粒子数(baryon-number)とするとYはY=B+S 

で定義されます。中間子ならB=0 なのでY=Sです。
 

そして,一般には,Q=I3+Y/2なる式が成立するのですが,  

K中間子の場合,Y=S=1であり,アイソスピン:Iは粒子対:  

[,0]が(I.I3)=(1/2,1/2),粒子対[K0~,K]

(I.I3)=(1/2,-1/2)のDoubletを形成するのでKなら

3=1/2=Y/2であり,結果的にQ=Y=Sです。
 

ちなみに,K中間子の奇妙さ;Sは,がS=1,=K~ 

S=-1,0,0~はS=0 ですから,  

いずれも,Q=S=Yが成立しています。? (13-7終わり※)
 

は荷電共役Cの下でK=K~に変換されますが,さらに中性の 

K中間子K0,もK0~に変換される必要があります。
 

0中間子の場合に,からKへの変換の場合と唯一違うのは 

がゼロであることです。 

上でSやYの話を出したのはこのためです。
 

しかし,の場合,の場をφK+とすれば,=K~の場 

はφK+であって,QK+=SK+=YK+=NK+  

i∫d3{φK+0φK+(0φK+)φK+)}であるのに対し,
 

0の電荷:0がゼロであるからといって,同じように作った  

0=Y0=N0i∫d3{φ00φ0(0φ0)φ0)}  

が消えるわけではなく,0=-S0が成立します。
 

全ての粒子を含む系では,電荷Qについて,-1=-Qであり, 

強い相互作用と電磁相互作用のケースに限定するとアイソスピン; 

,特に3が保存されますが,Cの変換後もこの保存則が生き残る 

ためには,3-1=-I3が必要です。
 

そこで,Q=I3+Y/2=I3+S/2により-1=-S,または, 

S=-SC となるべきだからです。
 

0i∫d3{φ00φ0(0φ0)φ0), 

0=-S0満たすためには,+=-QK+の成立に 

対してφK+-1=φK+,φK+-1=φK+が必要であった 

のと同様.φ0-1=φ0,φ0-1=φ0が成立する必要 

があります。
 

そこで.Hermite1次結合で作られる中性K中間子のの固有状態: 

φK1i(φ0-φ0)/2, φ2(φ0+φ0)/2を考えると  

これらは,それぞれ,チャージ・パリティが奇(),()の固有状態  

です。
 

中性K中間子のチャージ・パリティが偶(),()の状態の粒子 

は弱い相互作用の崩壊の理論において重要な意味を持ちます。
 

まず,0は擬スカラー粒子であることが既知で,内部パリテイは  

()です。定義により,φ0(,)-1=-φ0(,)  

です。

 ところが,空間反転不変性の条件:(,)-1(,),  

および,μ(,)-1=jμ(,)が成立するためには.  

明らかに,φ0(,)-1=-φ0(,)も成立する  

必要があります。
 

それ故,反粒子:0~の内部パリティも奇()となります。  

したがって,それらの任意の1次結合の内部パリティも

()です。 

φ1(,)-1=-φ1(-x,),および,  

φ2(,)-1=-φ2(,)が成立します。
 

他方,既述の通り,φ1-1=-φ1,φ2-1=φ2です。

以上から,(CP)φ1(,)(CP)-1=φ1(,),  

(CP)φ2(,)(CP)-1=-φ2(-x,)   

が成り立ちます。
 

それ故,(CP)φ1(,)|0>=φ1(,)|0, 

(CP)φ2(,)|0>=-φ1,)|0> です。
 

そこで,軌道部分(に依存する部分)の効果を除くとき,1および, 

2は内部量子数の意味で,(CP)の作用の下で.それぞれ,(),  

および,()の粒子状態を示しています。
 

さて,,0 → 2π(0 → π+π),という,0崩壊では 

最も支配的な弱い崩壊の反応を考えます。
 

|F>=|ππ>とし|F>がこのK0崩壊反応でできる終状態 

であるとすると,角運動量の保存則から,|F>は軌道角運動量がゼロ 

(l=0)状態にあるはずです。
 

そこで,π+πの重心を原点にとって場:φπ+()などを 

symbolicにπ()などと書いて,|F>=π(σ)π(-σ)|0 

とすると(CP)|F>=|F> が成立します。
 

0崩壊の弱い相互作用のHamiltonianをH^として,0崩壊の振幅  

をH^の最低次で摂動近似すると,<|^0|0>ですが, 

この相互作用で(CP)が保存される:[ ^,CP]0 なら, 

(CP) -1^(CP)=H^なので,

<F|^1|0>=<F|(CP) -1^(CP)1|0 

=<F|^1|0を得ます。
 

一方,<F|^2|0>=<F|(CP) -1^(CP)2|0 

=-<F|^2|0>ですから,<F|^2|0>=0  

が得られます。
 

したがって,最低次近似ではありますが,1   2πは許容され, 

2 2πは禁止される。という選択則(Selection-ule)を得ます。
 

これは実験結果を良く反映していてK1はK0の短命部分,  

2はK0の長命部分と呼ばれています。
 

今日はここで終わります。 

次はDiracスピノル場の荷電共役に移る予定です。
 

(参考文献:J.D.Bjorken S.D.Drell  

"Relativistic Quantum Fields" (McGrawHill)

 PS:ココログフリーのテンプレートのメンテナンスで,HTML

からテキストへのコンパイラを修正したせいなのか? 

文字化けを直すの大変で。。途中でサジを投げます。
 

数式のない文章だけなら大丈夫みたい??ですが。。 

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