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2017年12月

2017年12月27日 (水)

ゲージ場の量子論(15)

 

,ゲージ場の量子論の6章対称性の自発的破れの項目の 

記事を書いてますが,完全理解のためには,すぐ前の第5章の 

ゲージ場の知識が必要です。
 

そこで,「ゲージ場の量子論から(経路積分と摂動論)(12)」の 

続きとして,少し飛びますが第5章のゲージ場の量子論の論議  

から記事の続きを再開します。
 

§5-1 局所ゲージ不変性

※内部対称性群 

例えば自由Dirac場のLagrangian密度:=ψ~(γμμ-)ψ 

,(1)位相変換:ψ'()exp(iθ)ψ().および, 

その複素共役の変換の下で不変です。
 

ところが,もしDirac場がN種類あって,このスピノル場を総称 

して,縦ベクトルでΨ=(ψi)(ψ1,ψ2,..,ψ)と表わし,Ψ~を  

Ψ~(ψ~i)(ψ~1,ψ~2,..,ψ~)(ψ~i=ψiγ0)なる 

横ベクトルで表わして各質量が(1,2,..)で与えられるとき, 

mを対角成分が(1,2,..)の質量対角行列とすれば,系全体の 

Lagrangian密度は,=Ψ~(γμμ-)Ψと書けます。
 

これは.一般のN×Nユニタリ行列:UによるN成分の場の回転 

ψl'()=Uijψj(){exp(iθaa)}ijψi()に対して 

不変です。
 

一般に,(),または作用積分:S=∫d4()を不変に保つ 

このような対称性変換は.連続して2つ以上作用させても,Sは 

不変に保たれるので変換全体が群をなします。
 

上記の変換では群の元:UがN×Nユニタリ行列の形なのでU() 

と呼ばれます。θa()変換パラメータでTaは無限小変換の生成子 

(generator)と呼ばれます。

U=exp(iθaa)がユニタリ(unitary)行列でθaが実数ですから,aHermote行列です。
 

このようなTa,独立なものがN2個あります。
 

何故なら,N×N複素行列の成分は複素数がN2個なので実数 

としては22次元なのですが, aHermote行列:()=T 

である,という条件から,全てが実数成分というのと同等なので 

これはN2次元です。そこで,パラメータθの独立なものの個数 

もN2個です。
 

一般に群Gの独立な生成子の個数をGの次元と呼び,dimGと 

書くので, 今の場合dim()=N2です。
 

慣例に従って,の規格直交化をTr()(1/2)δab 

とします。※ XとYの内積を(,)=Tr()で定義 

できるからです。
 

こうすると,例えばN=2のとき,(2)の生成子:,Pauli 

σ行列の(1/2),(1/2)σa(a=1,2,3),および単位行列:1 

に比例するT0(1/2)14つです。
 

N=3のとき,(3)の生成子:,通常Gell-Man行列と呼ばれる 

8個の3×3行列λa(1/2),(1/2)λa(a=1,2,..8),および, 

0(1/6)1の9つを採用します。
 

一般に群Gの部分群Hが任意のg∈Gに対してgHg-1⊂Hを 

満たすとき,HをGの不変部分群(正規部分群)と呼びます。 

特に,GがG自身と{1}の他に不変部分群を持たないときGは単純群 

であるといわれ,(1)の不変部分群(Abel不変部分群)を持たない 

ときGは半単純群である,といわれます。
 

半単純群はいくつかの単純群の直積で与えられることがわかって 

います。
 

上記のU()の場合は単位元:1に比例する生成子:0による変換: 

exp(iθ00)がU(1)部分群をなし,明らかにU()の不変部分群と 

なっています。残りのN21個の生成子:a(a=1,2,..,21) 

のトレースは全てゼロです。
 

それ故,Det[exp(iΣ=1,2-1θa)]=+1であり,このN21)次元 

のg=exp(iΣ=1,2-1θa)全体は特殊ユニタリ群:SU() 

作ります。
 

すなわち,SU(),=g-1Detg=+1を満たすN×N複素 

行列gの全体の集合です。そして,()~U(1)×SU()です。 

Pauliのσ行列,Gell-Manのλ行列は,それぞれ,SU(2),SU(3) 

の生成子です。
 

一般に,群Gの生成子:a, 

特定の交換関係:[a,]iabccを満たします。 

ここに,abcは実数で群Gの構造定数(structure constant) 

と呼ばれます。
 

G=SU(2)でT(1/2)σa(a=1,2,3)の場合は 

abc=εabc(εabcLevi-Civitaの記号)です。
 

実際,,,k=1,2,3でi,,kが全て異なるときは, 

[σ,σ]2iεijkσ であり,i=jのとき, 

[σ,σ]0 です。
 

一般に規格化:r()(1/2)δabの下では, 

上の構造定数はiabc2r([a,]c)と書けます。
 

そこで,トレースの巡回対称性により,abcはa., 

について反対称です。
 

例えば,iacb2r([a,c]b) 

2r(acb-Tcab)=-2r([a,b]c) 

=-iabc です。
 

先のN次元のΨ=(ψi)(ψ1,ψ2,..,ψ)を表現空間の 

ベクトルとするN×N特殊ユニタリ行列による線形変換は 

:G=SU()のN次元基本表現(basic repentation), 

または定義表現(definining repentation)と呼ばれます。
 

SU(2)の場合のPauli行列:σの(1/2)倍やSU(3)の場合 

Gell-Man行列:λの(1/2)倍はG=SU()の生成子:a 

,N=2,3の場合の表現行列と呼ばれ,その具体的行列要素 

から構造定数:abc,abc2r([a,]c)によって計算 

できますが,実は,構造定数:abc自体は群G自身の掛け算 

規則から決まるので,これはどの表現で計算しても同じです。
 

抽象的に,生成子も集合{a},基底として,X=iθaaの形を 

元とするdimG次元の線形空間を張ります。
 

この空間は,交換子:[,]の形の掛け算も定義されて環(ring) 

を成し,(Lie):Gに対応するLie,またはLie代数(Lie algebra) 

と呼ばれて,記号:で表現されます。
 

生成子:aの表現行列が与えられれば,その指数関数:exp(iθaa) 

によって対応するLie群の元の表現行列が与えられます。
 

基本表現以外の重要な表現としては,随伴表現 

(adjoint representation)と呼ばれるものがあります。
 

これはdimG次元のLie代数の表現で生成子:aの表現行列 

として(a)bcibac[ad(a)]bc とするものです。
 

(15-1):参考書「連続群論」(培風館)によれば,随伴表現: 

adとは,∀g∈G,∀X∈に対して,ad()()=gXg-1 

なる写像で定義されます。
 

すると,ad()(aX+bY)=aad()()+bad()(), 

ad(12)()(12)(12)-1ad(1)ad(2)() 

より.adは確かにGの線形表現です。
 

gが無限小変換;g=1iεYなら, 

ad()()=X+iε[.]ですから,Y=TaでX=Σbφbbなら 

ad()()=Σφb{biε[a.b]} 

=Σb(φbb-εfabccφb)
 

すなわち, φb → φb{1iεad(a)}bcφc=φb-εfacbφです。 

故に,ad(a)bciacbibacです。(15-1終わり※)
 

ところで,Jacobiの恒等式: 

[a,[b,c]][b,[c,a]][c,[a,]]0 

は任意の行列表現のTa,b,cに対しても成立するので, 

随伴表現からfbcdade+fcadbde+fabdcde0 なる恒等式 

が従います。

随伴表現の表現空間のベクトルはTaと同一の添字を持つ量: 

φa(a=1,2,…dim)で群Gの変換exp(iθaa)によって, 

φ'bexp{iθaad(a)}bcφcなる変換を受けます。
 

これはdimG個のφaφ[φ1,φ2,,,]と縦ベクトルに並べた 

表現ですが「行列記法」と呼ばれる別の表現もよく用いられます。
 

すなわち,φ=Σbφbbなる表現において,b(b)ij 

行列表示してφ(φ)ij=Σbφb(b)ijによりφを行列と考える 

表示方法です。
 

G=SU()の場合,通常基本表現:(b)ijを用いるので 

(φ)ij=Σbφb(b)はN×N行列となります。
 

これを用いると,φ'b{1iεad(a)}bcφc, 

φ'=Uφ,ij{exp(iθaa)}ijと等価です。
 

このことは一般の行列X,Yについて, 

expY・X・exp(-Y)=X+[,](1/2!)[.[,]] 

..(expΔ)Xが成り立つことと,[a,b]iabcc 

から従います。ただし,ΔO=[,]と定義しています。
 

(15-2):以下,上記の変換則の証明です。 

φ'b[exp{iθaad(a)}bcφc,(φ)ij=φb(b)なる表示 

においては,φ'ij=Σbφ'b(b)ij  

=Σbexp{iθaad(a)}bcφc(b)ij 

{exp(iθaa)}ij 

ad(a)bcbibacb[a,c] です。
 

[iθaad(a)]biθa [a,c] ですから, 

exp{iθaad(a)}bcφc(b)ij[expΔiθaa]φc(b)ij 

exp(iθaa)φc(c)ij exp(iθaa)
 

以上から,φ=Uφ,ij{exp(iθaa)}ij 

です。(証明終わり)

(15-2終わり※)
 

※局所ゲージ変換 

対象としている系の場をφi()とするとき,系の対称性変換群: 

Gによるφi()の変換を, 

φ'i()=Uijφj(){exp(iθaa)}ijφj(), 

または単に,φ'()=Uφ()exp(iθaa)φ()と書きます。
 

簡単のためGは単純群と仮定しておきます。
 

ユニタリ表現を想定しているので,Gがユニタリでなくても, 

ijはユニタリ行列であり,(a)ijHermite行列です。
 

さて,ここまではUが時空座標xに依存しない大局的変換を想定 

しました。
 

しかし,以下では.「各時空点で勝手に座標軸を設定した回転変換 

でも理論は不変であるべきである。」というゲージ原理を要請します。
 

つまり,U=exp(igθaa)の変換パラメータ;θaが時空座標xの 

任意関数:θa()であるような局所的変換:φ'i()=U()ijφj() 

[exp{igθa()a}]iiφj()を行っても理論は不変です。
 

しかし,この局所不変性を実現するためにはゲージ場の導入が必要です。
 

局所時空点での座標軸が異なるような変換では,一般相対性理論での 

曲がった時空におけるベクトルやテンソルのように,ある点xでの場: 

φi()を別の点まで「平行移動する」とはどういう意味なのか?を 

指定する必要が生じます。
 

:x=(μ)におけるベクトル:φi()を無限小距離離れたx+dx 

に平行移動した点:x+dx=(μ+dxμ)における 

ベクトル成分;φ//i(x+dx), 

φ//i(x+dx)=φi()i(μ)ijφdxμ で定義します。
 

この行列:μ(μ)ij,点xからdxμだけ移動したときの内部 

座標軸の無限小回転を指定する量で.数学では接続(connection), 

物理ではゲージ場と呼ばれます。
 

これは,座標軸の無限小回転の係数行列を意味しますから場: 

自身は群GのLie代数:の元で生成子Taの線形結合として, 

[μ()]ij=Σa=1dimaμ()(a)ij で与えられます。
 

すなわち, ゲージ場;μ()は群Gの次元dimGと同じ個数の 

成分:aμ()を持ちます。
 

φ//(x+dx)が「点x+dxにおけるベクトルである。」というのは, 

点x+dxにおけるベクトル変換行列:(x+dx)で変換される量 

である,という意味です。
 

したがって,元々x+dxにあったベクトル場:φ(x+dx) 

φ//(x+dx)の差はU(x+dx)で変換される共変な量です。 

φ(x+dx) φ//(x+dx)

{μφ()igAμ()φ()}dxμ 

=Dμφ()dxμ と書きます。
 

つまり,φ//(x+dx)φ(x+dx)-Dμφ()dxμ 

この両辺で局所ゲージ変換:φ’()=U()φ()を行ってdxの 

1次の項を比較すれば, (μφ)’()=U()μφ()です。
 

(※むしろDμφが上記ベクトルとしての変換を満たすように共変微分: 

μφが定義されたのです。)
 

任意のφに対して,(μφ)’()=U()μφ()が成立するため, 

共変微分演算子:μ=∂μigAμについては 

μ() → Dμ()=U()μ()-1()なる変換が従います。 

これに従ってゲージ場:μ(),μ()  

→ Aμ'()=-(i/)()μ()-1()

+U()μ()-1() と変換される必要があります。
 

こうした変換の総体を局所ゲージ変換と呼びます。
 

次に数学では曲率テンソル,物理学では場の強さ(field strength) 

呼ばれる量を定義します。
 

点xにおけるベクトルφ()を点x+dx+dyに平行移動で 

持っていくため,5.1に示す2つの経路に沿って行い,その差 

を計算します。
 

まず,x→x+dxでは 

φ//(x+dx)φ(x+dx)-Dμφ()dxμ, 

次に, φ//(x+dx),さらに x+dx→x+dx+dy 

と移動させると, 

φ////(x+dx+dy) 

φ//(x+dx+dy)-Dνφ//(x+dx)dyν 

φ(x+dx+dy)-Dμφ(x+dy)dxμ 

-Dνφ(x+dx)dyν+Dνμφ(x+dx)dxμdyν
 

もう1つの経路では,まず, 

φ//(x+dy)φ(x+dy)-Dνφ()dyνです。 

そして,φ////(x+dx+dy) 

φ//(x+dx+dy)-Dμφ//(x+dy)dxμ 

φ(x+dx+dy)-Dμφ(x+dy)dxμ

νφ(x+dx)dyν 

+Dμνφ() dxμdyνです。
 

以上から,経路差はΔφ(x+dx+dy) 

=φ////(x+dx+dy)φ////(x+dx+dy) 

[μ,ν] φ()dxμdyν です。
 

φ////(x+dx+dy)φ////(x+dx+dy)も共に 

点x+dx+dyで共変な量なので, 

Δφ(x+dx+dy)[μ,ν]φ()dxμdyν 

もそうです。
 

φ(x+dx+dyと同じく,(Δφ)'(x+dx+dy)

 

=U(x+dx+dy)Δφ(x+dx+dy)と変換します。
 

Δφは,既にdx,dyについて2次の量ですから, 

(Δφ)'()=U()Δφ()です。
 

交換子:μν()=-(i/)[μ,ν] 

=∂μν-∂νμi[μ,ν].もはや微分演算子では 

ありません。
 

この:μν()が曲率テンソルまたは,場の強さと呼ばれる量です。 

(Δφ)'()dxμdyνigFμν'()φ'()dxμdyν 

Δφ()dxμdyνigFμν()φ()dxμdyνであって 

φ()は任意なので 

μν'()=U()μν()-1()です。
 

さらに,[μ,[ν,ρ]]を添字μ,ν,ρについて巡回的に3 

加えた和はゼロになるというJacobi恒等式は. 

εμνρσ[ν,[ρ,σ]]0 です。

これから, εμνρσνρσ0なる恒等式が従います。 

これをBianchi(ビアンキ)の恒等式と呼びます。
 

これは電磁場のFμν()=∂μν-∂νμ+に対する 

εμνρσνρσ0の一般化になっています。
 

しかし,実際にはμνρσνρσ0は成立せず,εμνρσνρσ0 

が成立します。
 

(15-3):何故なら [νρσ]ψ=Dν(ρσψ)-Fρσ(νψ)

(νρσ)ψではないです。Dν=∂νigAνより,  

ν(ρσψ)-Fρσ(νψ)=∂ν(ρσψ)も成立しません。 

一般にABψ=A(Bψ)であり(AB)ψではなくA(BCψ) 

(AB)(Cψ)なる結合則も成立しません。(15-3終わり※)
 

場の強さFμν=もゲージ場;μ同様,Lie代数Gの元で 

(μν)ij=Σadimμν(a)ijと展開されます。
 

μνは群Gが局所変換の場合の随伴表現として共変に挙動する 

ことがわかります。
 

他方ゲージ場Aμの変換則: 

μ'()=-(i/)()μ()-1()+U()μ()-1() 

は右辺第2項は随伴表現として共変的ですが,1項の非斉次項の存在 

のためゲージ場自身はG共変ではないです。
 

()exp(igθaa)∈Gの変換パラメータ:θa()が無限小の場合, 

つまり,()1igθa()aの場合, 

δφi()(φφ)i=+igθa()(a)ijφj()です。
 

そして,δAμ()=-(i/)()μ()-1() 

+U()μ()-1()-Aμ() 

=∂μθa()a igθc()μ()[c,]より,
 

δAaμ()=∂μθa()ーgfabcμ()θc() 

=Dμθa()です。
 

この右辺最後のDμ,パラメータθa()を随伴表現と 

見なしたときの共変微分:(μ)ac=∂μδacigAμ[ad(b)] ac 

です。
 

局所ゲージ変換の下で不変なLagrabgian密度を書き下すことが

できます。 

物質場については微分:μを共変微分:μに置き換えるだけです。
 

スカラー場φなら,matter(μφ)(μφ)-V(φφ, 

Dirac:Ψならmatter=Ψ~(iγμμ-m)Ψ です。 

これらは共変微分:μの変換則によって不変です。 

(※自動的に緋勇物質場とゲージ場の極小相互作用が含まれます)
 

ゲージ場のみの自由Lagrangianについては, 

μν()がFμν()=U()μν()-1()と変換する 

ため,ゲージ場=-(1/4)-1r(μνμν) 

= -(1/4)aμνaμν とすればこれは明らかに不変です。
 

Nは行列:aの規格化:r(ab)=Nδab の規格化因子で, 

もしも,以前の規格化表現を使うならN=1/2 です。
 

2行目では群の添字aについて和をとっているものとし, 

場の強さの成分は,両辺にN-1r(a..)を演算して 

μν()=∂μaν()-∂νaμ()-gfabcbμ()cμ() 

で与えられることがわかります。
 

このLagrangian密度はゲージ場の運動項とAμ34 

の自己相互作用項を与えます。 

パラメータgは結合定数と呼ばれます。
 

GがU(1)以外の場合のゲージ理論を非可換ゲージ理論, 

またはG=SU(2)の場合に初めて定式化した人たちの名を 

とってYang-Mills理論と称します。
 

ゲージ場の質量項:(1/2)2aμaμ(1/2)2-1r(aμaμ) 

はm≠0の場合ゲージ不変性を破るので対称性が破れる前には 

付加されない項です。つまりゲージ場の質量mは全てゼロです。
 

またゲージ群Gが単純群でない場合,一般にGがcompact群なら 

G=G1×G2×..×Gnの形に単純群かU(1)群のGj(j=12,..n) 

直積に分解できることが知られています。
 

μにあら現われる結合定数gは各単因子群Gjごとに異なるgj 

を付与します。各単因子群Gjごとに独立に変換するので,別々の 

jを与えても,全体のゲージ不変性には底触しません。
 

今日はここまでにします。 

今年は科学記事これが最後かも,寒くて体調怪しいです。
 

(参考文献):九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論Ⅰ(培風館)

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2017年12月11日 (月)

訃報!!野村サッチーさん。

去る12月8日.元プロ野球監督野村克也氏の奥様で芸能人の野村沙知代さんが急死されたそうです。享年85歳でした。。

死因は虚血性心不全ということです。

 日刊スポーツ → サッチーの死因は虚血性心不全だった「野村 沙知代」の画像検索結果

サッチーの世間の常識的モラルに左右されず,わが道をいくアウトサイダー的キャラクターは大好きでした。

 虚血性心不全といえば私の持病です。私の障害者として認定されている病名は心臓内部障害の「虚血性心不全」であり,手帳にそう記載されていますが私はまだ生きています。

 一応,.心筋梗塞と同じく,急性だけでなく慢性もあって,それは死因とはならないことを主張しておきます。

 ご冥福をお祈りします。合掌!!

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2017年12月10日 (日)

対称性の自発的破れと南部-Goldostone粒子(11)

「ゲージ場の量子論」(対称性の自発的破れ)の続きです。
 

前回は,非線型表現のLagrangianを考察し,対称性の群G 

が部分群Hへと破れるとき,破れた生成子の空間(G―H) 

対応して出現するNGボソン場:πの自然なLagrangian密度 

=fπ2r{α⊥μ(π)2}=で与えられ,これは(/) 

既約対称空間の場合や,/H=U()×U()/() 

(半単純群)の場合には, 

=Tr{(μπ)2}(3π2)-1r{(μπ[π,[π,μπ]])} 

と書けることを示して終わりました。
 

ただし,αμ(π)(i)ξ(π)-1μξ(π),α⊥μ(π) 

,これのに直交する()空間に属する部分です。
 

今回は,まず,NGボソン場が物質場と相互作用する場合を 

考えます。
 

物質場をχ()とすると,これは破れていない部分群:Hの 

線形表現の表現空間のベクトルに属していて,この表現は 

自由に既約分解できます。
 

χ()は既約表現の1:ρ0の空間に属するとします。
 

すると,h∈Hに対してχ() → χ'()=ρ0()χ() 

と変換されます。
 

g∈Gに対しては,/Hの1つの代表元;ξ(π)(G―H) 

ξ(π) →ξ'(π)=gξ(π)-1(π,)と変換するのに対応 

して,χ() → χ'()=ρ0[(π,)]χ()と変換される 

と定義します。
 

Gの線形既約表現:ρを任意に取れたとし,ρ()のgをHの元 

hに限定すれば,ρはHの表現としては可約(完全可約) 

既約成分:ρiに直和分解されます。 

(※Gの一般には可約な線形表現を既約分解するとき,対応する 

表現空間の既約分解での各既約成分,つまり各既約表現は量子数 

の異なる各粒子場に対応します。)
 

そこで,このH-既約な成分として先のρ0を含むようなGの 

既約表現:ρを任意に持ってきます。
 

∀h∈Hに対して,ρ()=ρ0()+ρ1()+ρ2().. 

と直和分解されます。

ρ()は表現行列としては,ρ0(),ρ1(),ρ2().を小行列 

細胞の対角成分とする細胞対角行列となります。
 

これに対応して物質場を,χ()の代わりに, 

χ^()[χ(),0,0,,..]で定義して,表現ρの次元と同じ 

個数成分の縦ベクトルとします。
 

そうすれば,ψ()=ρ(ξ(π))χ^()で定義されるψ() 

はGの下で線形に変換します。
 

実際,ψとχの定義から,g∈Gに対して 

ψ() → ψ'()=ρ(ξ(π'))χ^'() 

=ρ(gξ(π)-1(π,)){ρ0((π,))χ}^() 

=ρ()ρ(ξ(π))ρ(-1(π,))ρ((π,))χ^() 

=ρ()ψ() です。
 

つまり,g∈Gに対して,ψはψ() →ρ()ψ()と変換し, 

ρはGの1つの線形表現でしたから,この変換は線形です。
 

そこで,ψ()は線形基底.元の場:χ()は非線型基底と 

呼ばれます。
 

例えば物質場:χ()Dirac場の場合,NGボソン場:π 

との相互作用項をπの微分の最低次(1次)のものに限れば, 

最も一般的なLagrangian密度は,=ψ~iγμμψ-mψ~ψ 

{1-g(i)}ψ~γμσ[ξ(π)α(i)μ(π)ξ-1(π)]ψ です。
 

ψ()=ρ(ξ(π))χ^()ですから,結局, 

=χ~iγμ{μiσ0(α//μ(π))}χ-mχ~χ 

-Σi=1n(i)χ~γμσ[α(i)μ(π)]χ 

です。
 

(i)はG/HのH-既約成分の数:nだけある任意定数で, 

カイラル対称性の場合は,Goldberger-Treimanの関係式に 

現われる軸性チャージの値:(20)に対応します。
 

ただし,群Gの線形表現:ρの微分表現としてLie代数: 

表現をσ,部分群:Hの線形表現:ρ0の微分表現としてLie代数 

の表現をσ0としています。
 

h∈Hに対してρ()=ρ0()+Σi=1nρi()なる既約分解が 

なされ,ρ()χ^()=ρ0()χ()です。
 

(11-1):何故なら,まず,ξα⊥μ(π)ξ-1G です。 

これは,αμ(π)(i)ξ-1μξ,ξ=exp{iπ/i}より,  

ξα⊥μ(π)ξ-1(i)(μξ)ξ-1=∂μπ+O(π2)∈G  

であることから,以前の論旨と同様に明らかです。
 

そして,ψ()=ρ(ξ(π))χ^()より, 

ψ~()=χ^~()ρ(ξ(π))=χ^~()ρ-1(ξ (π) 

また,μψ=ρ(ξ(π))μχ^+ρ(μξ)χ^ です。 

故に, まず,-mψ~ψ=-mχ~χです。
 

そして,ψ~iγμμψ 

=χ^~iγμ{μ+ρ(ξ-1(π))ρ(μξ)}χ^ 

=χ^~iγμ{μiρ(αμ)}χ^ です。
 

ところが,ρ(ξα(i)μξ-1)=ρ(ξ)ρ(α(i)⊥μ)ρ(ξ-1) 

であり,αμ=α//μ+Σi=1nα(i)μ と直和分解して. 

α//μ,かつ,Σi=1nα(i)μ() です。
 

ρはGの線形表現なので. 

ρ(αμ)ψ=ρ(αμ)ρ(ξ)χ^ 

[ρ(α//μ)+ρ(Σi=1nα(i)μ)]ρ(ξ)χ^ 

=ρ0(α//μ)ρ(ξ)χ^+Σi=1nρi(α(i)μ)ρ(ξ)χ^ 

ですから, 

ψ~iγμμψ+Σi=1nψ~γμσ[ξα(i)μξ-1]ψ 

=χ^~iγμμχ^-χ^~γμρ(αμ)χ^ 

+Σi=1nχ^~γμρ(α (i)⊥μ)χ^ 

=χ^~iγμμχ^-χ^~γμρ0(α//μ)χ^ 

=χ~iγμ{μiσ0(α//μ)}χ を得ます。 

(11-1終わり※)
 

次は,少しの間ゲージ場との結合を考察してみます。
 

ここまでは,時空座標xに依らない大局的変換のみを 

考えてきました。しかし,群Gの全て,または部分群I⊂G 

を局所的変換に昇格させてみます。 

つまり,Iをゲージ変換群にします。
 

ゲージ群:Iのゲージ場:μ()=Viμ()iをNGボソン 

に結合させます。ただし,iはIの生成子です。
 

その方法は簡単であり,単にMauler-Cartan形式:αμ(π) 

おいて,μをI-共変な微分;μに置換するだけです。
 

すなわち,α^μ(π)(i)ξ-1(π)μξ(π) 

μξ(π)=∂μξ(π)+ieVμ()ξ(π)とします。
 

そして,先述の論議の全ての式でのαμ(π)をα^μ(π) 

に置き換えます。
 

そうすれば,例えば,先の群GがHへと破れたLagrangian 密度: 

=Σi=1ni2r{α(i)⊥μ(π)2},ゲージ群IがHへと破れた 

ときのそれ:=Σi=1ni2r{α^(i)⊥μ(π)2}に置き換えること 

()の生成子に対応した成分:iμの質量項が得られます。
 

これは次節で論議する予定の「Higgs現象」です。 

ここではこれ以上のゲージ場の論議はpending 

しておきます。
 

さて,次には多様体:/Hの座標としてのNGボソン場という 

意味付けを考えます。つまり,一般的に言えば,NGボソン場の 

変数はG-不変な計量を持つ商多様体:/Hをパラメータ化する 

座標と考えることができます。
 

こう考えるときには,ξ(π)exp(iπaa)で与えた標準的な 

NG場の変数:πa.単にG/Hの1つの座標の取り方に過ぎず, 

{πa}11に対応する, 

φα=fα(π)(α=1,2,..,dimG-dim)で与えられる如何なる 

変数:{φα}も等しくG/Hの座標として用いられ得ます。
 

このとき,Maurer-Cartan形式の直交成分:α⊥μ(π),以前に 

書き下したα⊥μ(π)=Xaμπa(πについて2次以上の項) 

と同様,α⊥μ(π)=Xaaαμφα..の形となり, 

NGボソンのLagrangian密度;=Σi=1ni2r{α(i)⊥μ(π)2} 

,=gαβ(φ)μφαμφβ 

αβ(φ)(1/2)Σi=1ni2aα(φ)aβ(φ) と書けます。
 

この最後の形を見るとgαβ(φ),明らかに多様体:/Hの計量 

テンソルと同定できます。また,この計量テンソルは一意的でなく 

n個の任意パラメータfi2を持つことが示されています。
 

こうして,先に述べたように非線型表現から多様体内の粒子の 

自由落下測地線を与える自然なLagrangian密度が得られるという 

結論を示すことができました。
 

さらに,S行列がこうした場の変数の取り方に依存しないことをも 

示しておきます。
 

同じ1つの系のLagrangianでも,それは上述のように場の変数の 

取り方次第で違った関数形を散ります。すなわち, 

(π)((φ))~(φ) etc.です。
 

そこで,当然ながらn次のGreen関数: 

(.π)a1,..an(1,..,n)=<0|[πa1(1)..πan(n)]|0 

(.φ)α1,..αn(1,..,n)=<0|[φα1(1)..φαn(n)]|0 

も互いに異なります。
 

しかし,今の非線型表現Lagrangianの場合に限らず,全く一般的に, 

「S行列は如何なる場の変数を選んで計算しても同じである。」 

ということを示すことができます。 

これを「亀淵-O'Raifeartaigh-Salamの定理」 

(カメフチ・オラファティ・サラームの定理)と呼びます。
 

ここで,“如何なるという言葉には以下に述べるような制限 

があります。
 

証明は,物理的S行列のゲージ固定非依存性の証明と本質的 

には同じです。
 

元の変数πと新しい変数φとはφα=fα(π)なる変数変換で 

結び付いているので,~(φ)を用いて計算されるφ場の 

Green関数: (.φ)α1,..αn(1,..,n) 

=<0|[φα1(1)..φαn(n)]|0>は,明らかに, 

(.φ)α1,..αn(1,..,n) 

=<0|[α1{π(1)}..αn{π(n)}]|0 

=G(.(π))α1,..αn(1,..,n) なる等式を満たします。
 

この最右辺は,(π)=L~((π))に基づくn系の複合場 

α{π()}Green関数です。
 

一般に関数:α(π)はπについてベキ展開可能です。 

φα=fα(π)=Cα1aπa+Cα2abπaπb+Cα3abcπaπbπ.. 

ここでは,係数:1,2,3,..は全て,微分を含まない定数 

と考えておきます。(※そうした変換を点変換といいます。)
 

φ系でS行列を計算するにはLSZの公式に従って,(.φ) 

のn本の外線の足のそれぞれに,Klein-Gordon演算子: 

(i)(2-m2)を掛けてp2=m2とおきます。 

(外線の足がNGボソンの場合は,20です。)
 

ところが,(.φ)はπ系で計算した複合場のGreen関数:  

(.(π))に等しいので,この質量殻上に置く手続きで 

生き残るn系のFeynmanグラフは,6.8のようなn本の 

複合場の足:α(π)の取手のそれぞれが,結局

π-伝播関数の1本線に帰着するもののみです。
 

6.8の中に現われるfα(π)からπa1体への遷移グラフ  

の中身,展開:φα=fα(π)=Cα1aπa+Cα2abπaπb  

+Cα3abcπaπbπ+に対応した図6.9で与えられます。

 
 

S行列に関係するのは,1粒子極の留数のみですから,結局,  

6.9の遷移グラフの全体的効果は,次の置き換えに等価です。

すなわち, φα=fα(π) (1/2)αaπaです。 

ここで,(1/2)αa=Cα1a+Cα2cdγcd2a(2-m2) 

+Cα3cdcπγcdc3a(2-m2)..,です。

ただし,γ2(2),γ3(2)等は図6.9のグラフで

定義される関数です。
 

同じ手続きを2点関数に対して行えば,: 2=m2の近傍で 

0|(φαφβ)|0>=<0|{α(π)β(π)}|0 

(1/2)αa(1/2)βb0|(πaπb)|0>が得られます。
 

そこで元の場:πaが正しく規格化された場であったとすれば, 

(1/2)αa,φ場のくりこみ定数行列に等しいことがわかります。
 

それ故,φ系のS行列を計算するとき,先のLSZの手続きの他に 

同時にZ1/2の逆行列を掛ける必要があるので,結局, 

φα=fα(π) (1/2)αaπa  

(1/2)αa=Cα1a+Cα2cdγcd2a(2-m2)

+Cα3cdcπγcdc3a(2-m2) 

の置き換え規則は,φ系のS行列がπ系のS行列に等しいことを 

証明するものです。
 

この証明が成り立つための唯一の制限は,行列Z1/2が逆行列を 

持つこと,つまりdet(1/2)0です。
 

ループを含まないツリーグラフのレベルではZ1/2=C1なので, 

これは,行列:α1aが正則であれ,というものです。
 

また,上では微分のない点変換に限定しましたが,点変換 

でなくC1が運動量の関数であってもdet(1/2)0であれば, 

問題ないです。
 

今日はここまでにします。次回は「Higgs現象」に入る予定です。
 

(参考文献):九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論() 

(培風館)

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2017年12月 7日 (木)

訃報!!海老一染の助さん。

「おめでとうございます。」で有名な和傘皿回し曲芸の海老一染の助さんが,去る12月6日,急性肺炎で亡くなられました。享年83歳でした。

日刊スポーツ → 海老一染の助さん死去,兄の死から15年旅立つ

「染の助」の画像検索結果

 2002年に,コンビの「頭脳労働」が専門の兄・染太郎さんを亡くしてからも,お1人で頑張られていたそうです。正月には欠かせない芸でした。

ご冥福をお祈りします。合掌!!

PS:私も5日の火曜日に微熱が出ました。現在はセキと頭痛で4年ぶりに風邪をひいたようです。

 私は虚血性心不全で2007年4月に順天堂で心臓バイパスと僧房弁形成手術を受けてから11年経ちましたが.風邪をこじらせて肺炎にでもなれば100パーセント死亡するらしいです。

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訃報!!はしだのりひこさん。

去る12月2日未明にフォーク歌手のはしだのりひこさんが,パーキンソン病に肺炎の併発で亡くなられました。享年72歳でした。

Yahoo ニュース→:フォ^ク歌手橋田紀彦さん死去72歳

「はしだのりひこ」の画像検索結果

「フォーククルセイダース」の「帰ってきた酔っ払い」や「悲しくてやりきれない」のヒットで,加藤和彦,北山修氏らと共に歌手デビューした後,,「はしだのりひことシューベルツ」,「,はしだのりひことクライマックス」,「,はjしだのりひことエンドレス」など次々とバンドを結成し「花嫁:、「風」など数々のヒット曲を生み出しました。発禁だった「イムジン河」もありましたね。

ご冥福をお祈りします。合掌!!

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