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2018年1月26日 (金)

ゲージ場の量子論(21)

「ゲージ場の量子論(20)」からの続きです。
 

※あと数日(21)68歳を迎えますが,今,スラスラと科学記事 

のブログ書いている心境は,まあ,20歳も年を取りジジイとなってる 

のを別にすると約20年前,48,平成10年頃の精神状態に似ています、
 

巣鴨のワンルームに蟄居して,非常勤の予備校講師,専門学校講師 

で食いつなぎながら,就活していたけれど一向に定職に付けず, 

それでも,「どうにかなるさ」と,生来の脳天気で,その分金無し 

ヒマありで他にやることもなく,ノンキに読書三昧で,こうした 

テーマのノート作りがとてもはかどっていた時期でした。
 

もっと,アウトドアで生命力が強く生活的にも貪欲で建設的な 

精神ならよかったかも。。と思ったりもしますネ,
 

ITとかも趣味ではなく,就活ではなく,自分で借金しても事業 

を始めてみるとかで,今さらですが,歴史は変わっていたかも。。
 

しかし,仮面ウツ病は続いてたし途中で人生投げ出さずに生きて 

きただけでもマシか??。。。

結局,妻も子もなく寂しさを犠牲にして自分のためダケにしか

生きてこなかったのですが。。
 

自分が守ってあげる対象とか,生きる動機(motivation)が無いと 

後が少ない余生は精神的に辛いようです。
 

(※§52ゲージ場の量子化(経路積分型式)から始まる,この参照 

ノートの作成開始日付も,まさに48歳の終わり頃,199812/26() 

となってました。)
 

§5-5 ゲージ場の正準量子化;共変的な演算子形式 

※正準量子化(相対論的に共変なゲージで演算子形式 

(operator formalism)での場の量子化)
 

ゲージ固定関数として, =∂μμ(α/2) 

を取ります。そうすると,全系のLagrangian 

~=-(1/4)μνaμνmatter(φ,μφ) 

GFFP で与えられます。 

ただし.GF=-∂μμ(α/2), 

FP=- i(μ~)μa です。
 

また,便宜上,GFFP の部分は,前節の表式から, 

部分積分した形に書き直しておきました。
 

まず,正準()交換関係を設定するために,共役運動量 

変数を計算します。
 

πaμ=∂~/∂Aμd=Faμ0  

πB=∂~/∂Bd=-A0  

πiφ=∂~/∂φid , 

π=∂~/∂cd =-i~d, 

π~=∂~/∂c~d i(d-gfabc0 

です。
 

ここでは(0,)セクターのみが特異で1次拘束条件: 

φ1=π00,φ2=πB+A00 を与えますが,他は 

全て普通(正則)です。
 

ゲージ固定条件が無かった以前の拘束条件とは異なり, 

今の場合,Poissom括弧は, 

[φ1(),φ2()]P.B.=-δabδ3()0 

あり,φ=[φ1φ2,]は第2類の拘束条件です。
 

したがって,これらの拘束条件の時間発展の無矛盾性の 

要求は,φd() [φb1(),]P.B.+∫d3 

[φd(),φ1()λ1()+φ2()λ2()] P.B 0 

(k=1,2)で,単に未定係数:λ1(),λ2()を決める 

非特異な方程式に過ぎず,さらに,これ以上の拘束条件 

は現われません。
 

すなわち,1類拘束条件は出現せず,ゲージはうまく 

固定されています。
 

そこで,Dirax括弧の定義:[,] D [,]P.B. 

[,φα]P.B(-1)αβ[φα,]P.B. 

(ただし,αβ[φα,φβ]P.B. ) 

に基づいて(0,)セクターのDirax括弧を計算 

すると,
 

[(,),-A0(,)]D [(,),πB(,)]D 

~ -δabδ3(),  

[0(,),0(,)]D [(,),(,)]D 

0 となります。
 

(21-1); Dirax括弧計算結果の証明です。 

まず,[φ1(),φ2()]P.B.=-δabδ3()なので, 

α=(,),β=(,)(,l=1,2)とするとき, 

(-1)αβ=Cαβです。したがって,[,] D [,]P.B. 

[,φα]P.Bαβ[φα,]P.B. Dirax括弧が計算 

できます。
 

まず,[,-A0] D [,-A0]P.B. 

[,π0]P.Bδcdδ3()[πB+A0,-A0]P.B.  

[,π0+A0]P.Bδcdδ3()[π0,-A0]P.B. 

です。
 

ところが, [,-A0]P.B.~0, [,π0]P.B.  0, 

 [πB+A0,-A0]P.B. 0,  

[,π0+A0]P.B.=δacδ3(). 

[π0,-A0]P.B. =δcbδ3().です。
 

それ故,[,-A0] D  ~ δabδ3(),を得ます。
 

次に,[,πB] D[,πN]P.B. 

[,π0]P.Bδcdδ3()[πB+A0,πB]P.B.  

[,π0+A0]P.Bδcdδ3()[π0,πB]P.B. 

です。
 

ところが, [,πB]P.B.~δabδ3(), 

[,π0]P.B.  0,[πB+A0,πB]P.B. 0,  

[,π0+A0]P.B. 0.,[π0,πB]P.B. 0.です。
 

それ故,[,πB] D  ~ δabδ3(),を得ます。
 

また,[0,0]D[0,0]P.B. 

[0,π0]P.Bδcdδ3()[πB+A0,0]P.B.  

[0,π0+A0]P.Bδcdδ3()[π0,0]P.B. 

0 および, 

[,]D[,]P.B. 

[,π0]P.Bδcdδ3()[πB+A0,]P.B.  

[,π0+A0]P.Bδcdδ3()[π0,]P.B. 

0は明白です。 (21-2終わり※)
 

このDirac括弧式自体は,(0,)セクターでは,のみを座標 

変数として,-A0はBのに共役な運動量πBに同等はので, 

さらにAに共役な変数を求めることはしない,というやり方 

(簡便法)で求まる普通のPoisson括弧と同じです。
 

(※一般に,Lagrangianに時間微分が1箇所Qqdの形でしか 

現われていない変数の組:(,)に対し,qを座標変数,Qを 

それに共役な運動量変数とみなす簡便括弧計算法が成り立ち, 

Dirac流の面倒なDirac括弧の計算と同じ結果を与えます。)
 

実は,物質場の部分でもDirac:ψがあれば.(ψ,ψ) 

対しても同じ事情が存在します。

すなわち,Dirac場の作用積分で一部部分積分したもの: 

S=∫d4{(1-α)ψ~γμμψ-α(μψ~)γμψ-mψ~ψ} 

(αは任意パラメータ)を出発点の作用積分とし, ψ,ψを共に 

独立な座標変数と考えて,前に論じた特異系の量子化の手続きを 

遂行すれば,Dirac括弧を通して得られるψ,ψの反交換関係は。 

単にα=0の作用積分でψを座標変数:iψ(座標変数と思わず) 

ψに共役な運動量変数とみなす,以前にDirac場を正準量子化 

したときの簡便量子化法の結果と一致します。
 

※(21-2):(1-α)ψ~γμμψ-α(μψ~)γμψ-mψ~ψ 

から,πaψ=∂L/∂ψadi(1-α)ψ,πψa+=∂L/∂ψd 

iαψ,そして,このは特異系であり, 

φ1=πaψi(1-α)ψ0,,および, 

φ2=πaψ+iαψ0,,1次の拘束条件です。
 

これらは全てGrassmann数ですがPoisson括弧は 

[φ1(),φ2()]P.B. 

=-iαδabδ3() i(1-α) δabδ3() 

=-iδabδ3(),および, 

[φ1(),φ1()]P.B. [φ2(),φ2()]P.B. 0 

です。そこで全体として第2類拘束です。
 

Dirac括弧の係数行列Cとしては,-1=Cですから, 

,GをGrassmann数として,[,]D[,]P.B. 

[,φα]P.B. αβ[φ1α,]P.B. と書けます。
 

ψ,ψを独立な座標変数と見る立場では,そのPoisson括弧 

はゼロですから,[ψ(),ψ()]D[ψ(),ψ()] P.B. 

+∫d33[ψ(), πcψ()i(1-α)ψ()]P.B.  

iδcdδ3()[πdψ+()iαψ(),ψ()]P.B. 

-∫d33[ψ(), πcψ+()iαψ()]P.B.  

iδcdδ3()[πdψ()i(1-α)ψ(),ψ()]P.B. 

0 +∫d33δ3()iδ3()}{-δ3()} 0 

=-iδ3() を得ます。
 

同様にして,[ψ(),ψ()]D[ψ(),ψ()]D0 

も得られますが,詳細は省略します。
 

よってi[,] D {,}=FG+GFというFermion 

量子化を行えば,簡便法で,πaψiψ,とした正準反交換関係 

{π(),ψπbψ()]iδ3(). 

{ψ(),ψ()}]D{πaψ(),πbψ()}0 

に一致する結果を得ます。 (21-2終わり※)
 

Poisson括弧,またはDirac括弧を(i)倍して 

()交換関係に置き換える通常の量子化の手続きに 

従って、演算子に対する次の正準()交換関係が 

得られます。
 

[(,),πbk(,)]iδabδ3() 

[0(,),(,)]iδabδ3() 

[φi(,),πφj(,)]iδijδ3() 

{(,),π(,)]{~(,),π(,)] 

iδabδ3()であり,その他の組合わせは,可換,または 

反可換です。
 

物質場:φiについて[ , }なる記号を用いたのは,Bose粒子か 

Fermi粒子かに応じて交換関係か反交換関係を対応させると 

いう意味です。
 

FPゴースト;,および,反ゴースト:~については, 

Fermi粒子として量子化すべく反交換関係を設定しました。
 

そして,,~,全ての物質場のFermion場とも反可換で 

あると約束をとることにしておきます。
 

一般に対称性変換につながらない2種のFermion場の間では, 

Klein変換と呼ばれる変換を用いて同時刻で可換にも反可換 

にもすることがでみます。すなわち,
 

Fermion:ψに対し,[,ψ]=-ψ,[,ψ]=ψ 

を満たす演算子:NをΨの個数演算子と呼びますが,,2種の 

Fermion:ψi(i1,2))が同時刻正準反交換関係: 

{ψi(,),ψj(,)}=δijδ3(), 

{ψi(,),ψj(,)}{ψi(,),ψj(,)}0 

を満たしているとき,
 

iをψiの個数演算子として,次のKlein変換: 

Ψ()=ψ(),Ψ2()exp(iπN1)ψ2() 

で定義される新しい場:Ψ(i1,2).Ψ自身のそれぞれの 

正準反交換関係は元と同じですが, 

Ψ1とΨ2の間は元の反可換則でなくて可換則になる。」

という命題が,成立します。
 

(21-3):上記命題の証明です。 

まず,{Ψ1(,),Ψ1(,)}=δ3(), 

{Ψ1(,),Ψ1(,)}{Ψ1(,),Ψ1(,)}0 

は自明です。
 

次に,Ψ2()exp(iπN1)ψ2()より, 

Ψ2()=ψ2()exp(iπN1)なので, 

 Ψ2()Ψ2()=ψ2()ψ2() です。
 

また,1はΨ1とΨ1の双1次形式と考えられるので, 

1自身はψ2()ψ2()と可換です。
 

故に,Ψ2()Ψ2()exp(iπN1)ψ2()ψ2()exp(iπN1 

=ψ2()ψ2()ですから, 

ψ2()ψ2()=-ψ2()ψ2()+δ3()によって, 

{Ψ2(),Ψ2()}=δ3()です。
 

同様に,{Ψ2(),Ψ2()}{Ψ2(),Ψ2()}0 です。
 

一方, [1,Ψ1]=-Ψ2より, Ψ11(11)Ψ1, 

 Ψ112(11)Ψ11(11)2Ψ1..etc. 

故に, Ψ1exp(iπN1)exp{iπ(11)}Ψ1 

=-exp(iπN1)ψ1です。
 

Ψ1()Ψ2()=Ψ1()exp(iπN1)ψ2() 

=-exp(iπN1)ψ1()ψ2()exp(iπN1)ψ2()ψ1() 

=Ψ2()Ψ1(),つまり, [Ψ1(),Ψ2()]0を得ます。
 

同様に, exp(iπN1)Ψ1=-Ψ1exp(iπN1)より, 

[Ψ1(),Ψ2()]0です。さらに, 

[Ψ1(),Ψ2()][Ψ1(),Ψ2()]0 も成立します。 

(証明終わり)     (21-3終わり※)
 

さて,~(,φ)GFFPを持つ系はもはや特異系 

ではないので,既述の正準()交換関係を用いてHeisemberg 

の方程式を求めれば,これらは,L~から直接導かれる次の 

Euler-Lagrabge方程式に一致するはずです。
 

まず,~/∂Aμ-∂ν~/(νμ)}0 より, 

-gfabcνcνμ+∂νaνμ-∂μ 

igfabcμ~+∂matter/∂Aμ0 より,  

ννμ-gjμ=∂μigfabcμ~ 

です。
 

次に,~/∂B-∂μ~/(μ)}0 より, 

μμ+αB0 です。
 

~/∂c-∂μ~/(μ)}0 より, μμ0 

(右微分でも左微分でも同じです。) また, 

~/∂c~-∂μ~/(μ~)}0 より,μ~μ0 

μμ=∂μμ~ 0 です。
 

ただし,物質場のカレント:μ=は, 

μ=-g-1(matter/∂Aaμ) 

=-i{matter/(μφi)}(φ)i 

この最後の等式は,matteμと∂μφ.必ず共変微分: 

μφ(μigAμa)φの組合わせでのみ,含まれて 

いるから成立します。
 

ここで,これまではっきりと述べなかったFPゴースト場 

Hermiteに関して注意しておきます。
 

すなわち,FPHermiteにするためには,とc~,, 

共にHermite()演算子である必要があります。 

a+()=c(), ~a+()=c~() です。
 

ゲージ場:aμ,Hermite演算子とし,他の物質場:φi 

Hermite性については.通常のものと同じとしておきます。
 

こうすれば,FPゴーストのLagrangian:FP,それ故,全系の 

Lahrangian:~Hermiteになります。 

FPFP, ~~です。
 

このことの最も重要な帰結は,全系のHamiltonian:HがHermite 

演算子になり,それ故,系の時間発展の演算子:expi(iHt), 

ユニタリ(unitary)演算子になるということです。
 

このことは特に無限の過去の状態から,無限の未来の状態への 

遷移を記述するS行列演算子がユニタリ(unitary)であること 

を意味します。SS=SS1です。(※確率保存の条件)
 

この条件が,後述するS行列:physのユニタリ性の証明の基礎 

となります。
 

今日はここまでにします。
 

(参考文献):九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論Ⅰ」(培風館)

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