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2018年1月29日 (月)

ゲージ場の量子論(23)

「「ゲージ場の量子論(22)」からの続きです。
 

条件:|Phys>=0 ⇔ |Pys>∈Physは実際,可換群 

の場合にNL場:()(正確には∫d3Λ()0() 

□Λ()0)がゲージ変換の生成子であったことを想起 

すれば,GB-NL条件:()()|Phys>=0とQ|Phys>=0  

に類似しています。
 

(23-1):電磁場のNL定式化のLagrangian密度, 

~=-(1/4)μνμνmatter(φ,μφ)GF,  

GF=B(μμ)(α/2)2,μ=∂μieAμ 

で与えられますが,これが可換ゲージ群U(1)の対称性 

を持つ代表的な系のLagrangian密度です。
 

~に対するEuler-Lagrangeの方程式から, 

μについては,運動方程式Dννμ-ejμ=∂μBが 

導かれます。ただし,ejμ=-∂/∂Aμi/(μφ)φ 

です。一方,Bについては,ゲージ固定式:μμ+αB=0  

が導かれます。
 

これで,通常の意味では,ゲージ固定されているのですが, 

変換:μ→Aμ+∂μΛにより,μμ+αB  

→ ∂μμ+□Λ+αB なので.もしも,Λ()が□Λ=0 

の解なら,なお,~はゲージ不変です。
 

そこで,□Λ()0を満たすΛ()に対し,εを微小 

として,φi  exp(iεeΛ)φi(1iεeΛ)φi,or  

δφiiεeΛφi,μ→Aμ+εe∂μΛ(Bは不変) 

なる局所ゲージ変換に対しては,なお,δ~0です。
 

それ故,パラメーターεはxには依存しない大局的変換 

である,という意味で,Noetherの定理が適用できて,保存 

カレント:(NL)μ=-{∂L/(μν)}(νΛ) 

{∂L/(μAφi)}(iΛφi)が存在します。
 

(NL)μ=Fμν(νΛ)-ejμΛ-B(μΛ) 

これは,(NL)μ==Fμν(νΛ)(ννμ)Λ 

(μ)Λ-B(μΛ) 

(μ)Λ-B(μΛ)+∂ν(μνΛ) 

と書けます。
 

したがって,これから得られる保存チャージは 

(NL)=∫d3{(0)Λ-B(0Λ)} 

=∫d3Λ()0()であり, Noether定理 

からこのQ(NL),量子化後の演算子のとして. 

交換関係:[iεQ(NL),μ]=εe∂μΛ,および, 

[iεQ(NL),φi]=εeΛφi,によって先の微小変換を 

生ぜしめる生成子となるわkrです、  

(23-1終わり※)
 

実は,とB()は単に位ているだけではなく,可換群: 

(1)の特殊事情の下では,補助条件:|Phys>=0 

GBNL条件:()()|Phys>=0を再現すろことを示す 

ことができます。
 

ここでの定式化は,もちろん,ゲージ群がU(1)であるとして 

もよく,この定式化ではFPゴーストが入ってきますが,その 

運動方程式:μμc=Dμμ~0,abc0 なので 

独立な自由場の方程式:□c()0, □c~()0  

となります。
 

しかも,BRS電荷の表式は,  

=∫d3{a(0) (0) 

(i/2)gfabc0~a}ですが, 

これも,この場合は非常に簡単になります。 

=∫d3()0()です。
 

これは運動量表示では, 

==i∫d3{()()-c()()}です。
 

(),(),それぞれB場の生成,消滅演算子で 

()も□c()0 の解なので,(),() 

もB場と同じく,それぞれゴ^スト場-cの生成,消滅 

演算子です。
 

さらに,FPゴースト場;(),~()が自由場である 

ことは,最初ゴースト粒子が存在しない状態から出発 

すれば,ゴーストは永久に生成されないことを意味します。
 

(23-2):FPゴーストが存在しない状態を,|0FPとd 

するとc,~が自由場の場合,Hamiltonian;Hにはc,~ 

と他の粒子場との相互作用項がありません。
 

そこで,ゴースト以外の任意の粒子の時間発展を示すFeynman 

グラフでは,真空偏極グラフにさえ中間状態としてc,cを含む 

部分は出現しないので.時間発展でexp(iHt)|0FP|0FP 

となるはずです。 (23-2終わり※) 
 

それ故,系の状態空間をゴーストを含まない空間:V '×|0FP 

に限定しても時間発展とは矛盾しません。 

ただし,'は通常のGB-NL定式化で扱われるFPゴースト 

以外の粒子で張られる空間で,|0FPはFPゴーストセクター 

の真空状態です。
 

したがって,GB-NL定式化での物理的状態:|Phys>は,今の定式化  

では,|Phys>×|0FPに対応します。
 

これに対しては補助条件:|Phys>=0 , 

(|Phys>×|0FP)0 を意味しますが,  

i∫d3{()()-c()()より,  

これはi∫d3{()()|Phys>×c()|0FP 

0 という条件に帰着します。

しかし,これは座標空間へのFourier変換によって, 

()()|Phys>=0 に一致します。
 

可換群の場合は1個の補助条件:|Phys>=0 が∀xに対する 

無限個の補助条件:()()|Phys>=0 を再現したのは,もちろん, 

ゴーストの存在しない状態に限ったからです。
 

しかし,実のところは可換群,非可換群を問わず,補助条件は, 

|Phys>=0 の1個だけでよく,それ以上にFPゴースト 

がどういう状態にあるか?を指定する必要はありません。 

このことは§5-8で一般的に証明します。
 

前節の最後に触れたゲージ固定項+FPゴースト項が, 

GF+FPδ()の形を持つことの1つの重要な側面と 

いうのは今や明らかです。それは,BRS電荷を用いて, 

GF+FP=が,GF+FP{i,}なる形に掛けるので, 

これは,|Phys>=0 を満たす部分空間では実質的には 

零演算子であることです。 

(GF+FP{i,}より,Phys|GF+FP|Phys>=0 

ですが,Phys|は部分空間:physの双対ket空間の完全系 

をなすのでphysではGF+FP|Phys>=0 を意味します。)
 

この事実が,後に 

「物理的S行列がゲージ固定の仕方に依存しない。」ということ 

を証明する際に本質的な役割を果たします。
 

Maxwell方程式 

ゲージ場:μと物質場:φlに対して,元の局所ゲージ変換の 

パラメータ:θ()をxに依らない定数:θに置き換えた変換 

をし,NL場:,FPゴースト場:,~については随伴表現 

として変換させる大局的変換を大局的ゲ^―ジ変換 

(global gauge transformation),またはカラー回転 

(color rotatopn)と呼びます。
 

再掲Lagrangian:~=-(1/4)μνaμν 

matter(φ,μφ)GFFP , 

GF=-∂μμ(α/2), 

FP=- i(μ~)μa  

,この変換に対する対称性を持ちます。
 

(23-3):~の不変性を証明します。 

大局的変換:φi  exp(-igTθa)φi 

~ φi+δφi{1-igTθa)φi,μθ0より 

μ→ Aμ+δAμ=Aμgfabcμθ 

に対して,(1/4)μνaμνmatter(φ,μφ) 

が不変なのは明白です。
 

一方,GF+FP=Bμμ(α/2) 

i~μμa において 

さらに, exp{-iAd()θa} 

=B+δB=B-gfabcθ 

=c+δc=c-gfabcθ 

~=c~+δc~=c~-gfabc~θ 

が加えられる変換に対し,
 

δGF+FP(-gfabcθ)(μμ) 

+Bμ(-gfabcμθ)+α(-gfabcθ) 

igfabcθ~μμ

igfabcθ~μμ 

ですが,これも明らかにゼロです。
 

したがって,このカラー回転に対してδ~0です。 

(23-3終わり※)
 

そこで,Noether定理による保存カレントJは, 

gθμ{∂L~/(μν)}(-gfabcμθ) 

{∂L~/(μφi)}{-igθ(φ)i} 

{∂L~/(μ)}(-gfabcθ) 

{∂L~/(μ)}(-gfabcθ) 

{∂L~/(μ~)}(-gfabc~θ) 

=Fμν(gfabcbνθ)+gjμθ 

-B(gfabcθ)igfabcμ~θ 

igfabcμ~θより,
 

 μ=fabcbμνμ+jμ+fabcμ 

iabc~(μ)iabc(μ~)です。 

つまり, μ(ν×Fνμ)+jμ(μ×B) 

i{~×(μ)}i{(μ~) ×c}a です。
 

対応する電荷:=∫d30,カラー電荷と呼ばれ, 

大局的ゲージ変換(カラー回転)の生成子になります。
 

[iθ,Φ()]{θ×Φ()}, (Φμ,,,~) 

[iθ,φi()]=-iθ()ijφj() です。
 

この大局的ゲージ変換のカレントを用いるとゲージ場の 

運動方程式;ννμ-gjμ=∂μigfabcμ^ 

が次のような注目すべき形に書き換えられます。
 

すなわち,ννμ-gJμ{,μ~} です。
 

(23-4):運動方程式から,gjμ=Dννμ-∂μ 

igfabcμ^=∂ννμ-gfabcbννμ 

-∂μ-gfabcμ^c です。これを, 

gJμ=gfabcbμνμ+gjμ+gfabcμ 

igfabc~(μ)igfabc(μ~) 

の右辺に代入します。
 

すると,gJμ=∂ννμ-∂μ+gfabcμ 

igfabc~(μ) 

=∂ννμ-Dμacigfabc~(μ) 

となります。
 

一方,.{,μ~}=-iδμ~ 

=-Dμ(iδ~)igfabc(δμ)~ 

=Dμigfabc~(μ) です。
 

したがって,ννμ-gJμ{,μ~} 

を得ます。  (23-4終わり※)
 

この形から、補助条件:|1>=0,|2>=0,を満たす 

任意の物理的状態:|1,|2>∈Phys に対して, 

<f1|(ννμ-gJμ)|1>=0 が成立します。
 

すなわち,物理的状態部分空間のPhys 上では行列要素, 

あるいは期待値の意味で,ννμ=gJμ です。
 

これは,電磁気学のMaxwell方程式:ννμ=ejμ 

によく似ていることいから, 

ννμ-gJμ{,μ~} Maxwell方程式 

と呼ぶことにします。
 

このMaxwell方程式は,後章で論じる大局的ゲージ不変性 

の自発的破れ,カラー閉じ込めの関係や,Weinberg-Salam 

電弱模型での電荷の普遍性の証明などにおいて重要な 

役割を果たします。
 

大局的ゲ^ジ不変性の他にも,~は物質場:matter(φ,μφ) 

も同じ対称性を持てば,基本的離散対称性:,,を持って 

います。
 

ここでは,CPT対称性のみに触れておきます。
 

物質場:φiによるmatter(を不変にするCPT変換: 

CPTφ()-1-1-1=φCPT() に加えて, 

(μ) CPT()=-Aμ(-x),() CPT()=B(-x), 

() CPT()=-c(-x),(~) CPT()=c~(-x), 

を行えば,~は不変となります、
 

このときQCPT=Q,CPT=Q,() CPT=Q 

変換することにも注意しておきます。
 

途中ですが今日はここまでにします。


(参考文献):九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論Ⅰ」(培風館)

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