« ゲージ場の量子論(23) | トップページ | 私の誕生日(68回目)です。 »

2018年1月31日 (水)

ゲージ場の量子論(24)

「ゲージ場の量子論(23)」からの続きです。
 

※ 将来のために計画を立て我慢したり,節約して蓄えろ,とか, 

将来などないと思っている高齢の障害者ジジイには,もはや 

聞こえない話です。
 

新約聖書には「愚か者よ。お前は今夜召される。」 

と主が叱咤した話があります。私にもイエスの言葉が聞こえそうです。
 

「朝に道をきかば夕に死すとも可なり」(孔子?) とか。。  

「柔肌の熱き血潮に触れもみで淋しからずや,道を説く君」

(与謝野晶子) とか。。。

 FP共役変換と反BRS対称性 

ゲージ固定条件:∂μμ+αB0Landauゲージ: 

α=0を採用した場合,μμ 0ですから,FPゴーストと 

反ゴーストの運動方程式:μμ=Dμμ~0 は同じ 

:μμ=∂μμ~0 になります。
 

(※何故なら,μμ 0 なので,

μ~=∂μ~-gfabcμ~ 

より,μμ~=∂μμ~-gfabcμμ~ 

=Dμμ~となり.μとDμが交換するからです。)
 

そこで,とc~の入れ換えに対する対称性があると予想 

されます。
 

実際α=0の場合,GFFP  

=-∂μμi(μ~)μa  

=∂μ~μi(μ)μ~a  と書けます。
 

ここでB~はB+B~=-i(c×c)で定義されます。
 

それ故,LandauゲージのLagrangian, 

FP:→ c~,~→ c,→ B~ 

という変換に対して明らかに不変です。ただし,ゲージ場: 

μと物質場:φlは,変換されないとします。 

この変換をFP共役変換と呼びます。
 

そしてBRS電荷:QのFP共役変換:FPFP-1 

~と記し,反BRS電荷と呼びます。
 

~の引き起こす変換を,[iλQ~,Φ]=λδ~Φとすると, 

[iλQ~,μ]FP[iλQ,μ]FP-1 

=λFP(μ)FP-1=λDμ~=λδ~μ 

と書けます。そして,このδ~を反BRS変換と呼びます。
 

δ~μ=Dμ~,δ~φi=-igc~()ijφj , 

δ~i~, δ~~(/2)(~×c~)a  

となります。δ~~0 も明らかです。
 

Landauゲージの場合,この反BRS変換がLagrangian: 

~の不変性を与えることは明らかです。
 

Landauゲージ(α=0)GFFP  

=-(μ)μi(μ~)(μ)  

,GFFPδδ~{(i/2)aμμ} 

とも書けます。
 

(24-1):何故なら, 

まず,δ~{(i/2)aμμ}i(μ~)μ 

i{(μ~)μ-gfabcbμμ} 

i(μ~)μ  です。
 

故に, δδ~{(i/2)aμμ}iδ{(μ~)μ} 

i{(iμ)μ}i(μ~)(μ) 

=-(μ)μi(μ~)(μ) 

(GFFP)α=0 を得ます。(24-1終わり※)
 

しかしながら,大変興味深いことに,実はLandauゲージ 

でなくても任意のαで,^の反BRS不変性が成立する

ことがわかります。これを示しましょう。
 

まず,δ~=-g(×~)a です。
 

(24-2):証明です。 

まず,+B~a =-i(×~)a ですから, 

δ~=-{δ~~a iδ~(×~)} 

=-i{(δ~×~) (×δ~~)} 

=-i[(i~×~) {×(/2)(~×c~)}] 

=g[{-B-i(c×c~)}×~]

i{×(/2)(~×c~)} 

=-g(B×~) 

i[{(c×c~)×~}(/2){×(~×c~)}]
 

ところが,{(c×c~)×~}=fabc(c×c~)~ 

=fabcbde~~c です。
 

他方, {×(~×c~)}=fabc(~×c~) 

=fabccde~~e   

=fadbbec~~c です。
 

結局, {×(~×c~)}2abcbde~~
 

以上から, δ~=-g(B×~)を得ます。
 

(24-2終わり※):
 

したがって,δ~()=-g(B×~)+B(i~) 

=-gBa(c×~)i{-Bi(c×c~){ 

つまり,δ~()=-ia または, 

a iδ~() が得られます。
 

そこで,(α/2)δ~({(αi/2)}であり 

ベキ零性:(δ~)20 が成立するため,δ~({(α/2)} 

0 となり,項(α/2)が反BRS不変ですから,αがゼロ 

でなく任意でもα=0 と同じく^が不変であるとわかります。
 

δ~のベキ零性は, 

[iλ1~,[ iλ2~,Φ]]=λ1λ2 (δ~)2Φ 

FP[iλ1,[ iλ2,Φ]]FP-1FPλ1λ2 δ2Φ—1 

0 から従います。
 

反BRS変換まで含めた拡大BRS代数は, 

{,}220, {~,~}2~20, 

{,~}0, 

また,[i,]=-Q,[i,~]=-Q~, 

[,Bc]0  です。
 

{,~}0,はBRS変換と反BRS変換の反可換性: 

δδ~=-δ~δと等価です。 

これは直接確認することもできます。
 

本質的議論では,BRS変換か反BRS変換の一方だけ 

で十分です。それ故,これ以降では,もっぱらBRS変換 

のみを考えて議論を進めます。
 

§5-6 Ward-高橋恒等式。および,自由場の量子化と漸近場 

ゲージ理論において,どのような漸近場が現われるのか.摂動論 

的仮定の下で調べます。そのため,まずゲージ(BRS)不変性 

から従う摂動から任意次数で成立する,Ward-高橋恒等式から

始めます。
 

 Ward-高橋恒等式 

一般にゲージ不変性に限らず,ある対称性が存在すると,種々 

Green関数,頂点関数等の間に,いろいろな関係式が成立 

します。このような関係式を一般にWard-高橋恒等式, 

略してWT恒等式と呼びます。
 

ゲージ不変性に関わるGreen関数に関わるWT恒等式は, 

全てBRS演算子:を用いて,次のように簡単に与える 

ことができます。
 

すなわち,k()を任意の場(または,その多項式)の演算子 

として,真空のBRS不変性: {0>=0を用いると, 

0=<0|{,(k(1),k(2),..,m())}|0 

=Σk1n()k

0|(k(1),k(2),..δ(k),..m()|0 

なる恒等式を得ます。
 

ただし,=Σi=1-1||です。( ||はOの統計指数)
 

1粒子既約な(1PI)頂点関数,または,その生成汎関数 

に対するWT恒等式を得るには,次のようにします。
 

まず,全ての場:ΦとそのBRS変換;δΦ(に対して 

外場(external source)を導入します。
 

[,]=∫d4[aμμ+Jiφi+J~+J~~ 

+J+Kaμμii()ijφj 

(1/2)(×)] です。
 

ここで,場は全てHeisenberg場であり,~,~,aμ 

Grassmann,aμ,i,は普通の数です。 

物質場についてはφiBose粒子場なら,iGrassmann, 

iは普通の数で,φifermi粒子場なら逆です。
 

BRS変換された量:δΦLは既にBRS不変なので. 

{i,μ}{i,()ijφj} 

{i,(×)}0 です。
 

そこで,0=<0|{i, expi[,]|0 

i∫d4x<0|[aμμ()||i()ijφj 

(1/2)~(×)i~]expi[,]|0 

が成立します、||(iの統計指数)(Φiの統計指数)です。
 

摂動論の項目では,外場:Jを与えてGteem関数の生成汎関数を 

[]とし,[]exp(i[])によって得られる,連結Green 

関数の生成汎関数:[,],および頂点関数に対する生成汎関数 

Γ[Φ,]を考察しましたが,同様に,,
 

exp(i[,]=<0|expi[,]|0, 

Γ[Φ,]=W[,]-JI・ΦI, 

ΦI()=(δ/δJI())[,] 

=<0|{ΦI()expi[,]}|0/0|expi[,]|0, 

によって.これらを定義します。
 

ただし,ここでは JI,aμ,i, ~,~,の全て 

を意味します。
 

一般的記号として,ΦI(x) 

=<0|{ΦI()expi[,]}|0/0|expi[,]|0 

で定義されるΓの引数:Φ,-(期待値)であり,対応する 

Heusenberg:Φ=Aμ,φi, ,~,と同じ記号で 

表わしますが.混同しないよう注意を要します。
 

上のΓ[Φ,]=W[,]-JI・ΦIの右辺,および,以下に 

おいてドット(dot)・は,積分記号:∫d4xの省略とします。
 

そうすれば,恒等式: 0=<0|{i,expi[,]|0 

i∫d4x<0|[aμμ()||i()ijφj 

(1/2)~(×)i~]expi[,]|0 

, [aμ({δ/δKaμ)(){{l(δ/δKi) 

-J~(δ/δK)-J~(δ/δJ)}[,]0 

と書き直せます。
 

Γ[Φ,]=W[,]-JI・ΦI,Legendre変換から.従う, 

ΦI()=(δ/δJI())[,] 

=<0|{ΦI()expi[,]}|0/0|expi[,]|0, 

に双対な関係式:(δ/δΦI())Γ[Φ,]=-()||I(), 

および,(δ/δKI())ΓW[Φ,](δ/δKI())Γ[Φ,] 

を用いると,先の恒等式は,次のように書き直されます。
 

すなわち, 

(δΓ/δAμ)(δΓ/δKaμ)(δΓ/δφi)(δΓ/δKi) 

(δΓ/δc)(δΓ/δK)i(δΓ/δc~)0 

と書けます。
 

これが,(1PI)頂点関数の生成汎関数:Γに対するWT恒等式 

です。tだし,Grassmann数による微分は全て左微分です。
 

ΓのNL場:や反ゴースト場:~への依存性は,特殊で 

運動方程式:μμ+αB0,μμ=Dμμ~0 

より従う次の恒等式を満たします。
 

δΓ/δB=∂μμ+αB, 

μ(δΓ/δKaμ)iδΓ/δc~0
 

(24-4):上記の証明です。 

まず,証明すべき式のAμ,, ~etc.は場の演算子 

ではなく,-数であることに注意します。
 

[,[,]]0なら,[,exp(i)][,]exp(i) 

なので,μ0|{μ()expi[,]}|0 

i∫d4yδ(0-y0) 

×<0{[0(),()()]expi[,]}|0 

+<0|{μμ()expi[,]}|0 

=<0|{-J()+∂μμ()expi[,]}|0 

です。両辺に,0|{αB()expi[,]}|0 

を加えて,0|{expi[,]}|0>で割ると, 

0|{expi[,]}|0>は∂μで微分してもゼロなので 

期待値の意味で∂μμ+αB=-J()を得ます。
 

そして,()=-δΓ/δBより 

δΓ/δB=∂μμ+αBです。
 

次に, μ0|{μ()expi[,]}|0 

i∫d4yδ(0-y0) 

×<0{[0(),[,]]expi[,]}|0 

+<0|{μμexpi[,]}|0>です。
 

i0=π~よりD0=-iπ~ですから,0 

同時刻に()交換しないのは外場項の中ではc~のみで, 

{0(,),~(,)}=δabδ3()です。
 

~に対応する外場J~Grassmann数なので, 

μ0|{μ()expi[,]}|0 

i∫d4yδ(0-y0) 

×<0{[0(),~ ~()]expi[,]}|0 

+<0|{μμexpi[,]}|0 

=<0|{-J~()+∂μμexpi[,]}|0
 

故に,両辺を<0|{expi[,]}|0>で割って期待値の 

意味で,-∂μ(δW/δKaμ)=-J~()です。(左辺は右微分)
 

 μ(δΓ/δKaμ)=-iδΓ/δc~ (左辺は左微分) 

すなわち, μ(δΓ/δKaμ)iδΓ/δc~0 

を得ます。
 

(24-4終わり※)
 

Γに対するWT恒等式,と上記2つの恒等式は,後のゲージ理論 

のくり込み可能性の議論において特に重要な役割を果たします。
 

ユニタリ性(unitarity)に関連して大切なGreen関数の 

WT恒等式は,δ(~)=Bδ~)i()より, 

{,~}=B.,つまり, 

0|[()()]|0>=<0|{,[()()]}|0 

0 です。
 

また,δ(μ~)iμ(μ)~より 

{,[μ()()]} 

=T[μ()()]i[(μ())~()]
 

0|[μ()()]|0 

i0|[(μ())~()]|0> です。
 

一方,運動方程式∂μμ0、および,反交換関係 

{0(,),~(,)}=δabδ3() から,
 

μ0|[μ()~()]|0 

=δ(0-y0)0|{0(,),~(,)}|0 

+<0{[μμ()~()]0 

=δabδ4(x-y) を得ます。
 

したがって,先にで求めた恒等式: 

0|[μ()()]|0 

i0|[(μ())~()]|0>と合わせて,
 

..0|{μ()c~()}|0>=iδabμ/2 

..0|{μ()()}|0>=-δabμ/2 

が得られます。
 

ただしF..Fourier変換;∫d4exp{i(x-y)} 

を演算することを意味します。 

例えば∂μは 部分積分により,(iμ)となるからです。
 

これらはゲージ理論に,どんな物質場が温まれていようと常に 

成立する厳密な恒等式であり,μ,,μ.~ 

チャネルには,必ず,零質量の粒子(漸近場)が存在することを 

表わしています。
 

今日はここまでにします。


(参考文献):九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論Ⅰ」(培風館)

|

« ゲージ場の量子論(23) | トップページ | 私の誕生日(68回目)です。 »

114 . 場理論・QED」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/71281/72813280

この記事へのトラックバック一覧です: ゲージ場の量子論(24):

« ゲージ場の量子論(23) | トップページ | 私の誕生日(68回目)です。 »