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2018年2月15日 (木)

ゲージ場の量子論(26)

「ゲージ場の量子論(25)」からの続きです。 

※形式的摂動論における漸近場 

前記事で触れたように,先に与えた自由場のLagrangian:~0 

Yang-Mills理論の摂動論におけるくり込まれたHeisenberg 

場の漸近場の挙動を記述しています。
 

このことを,ここで証明しておきます。
 

相互作用の入ったHeisenberg;μ(),(),~() 

2Green関数は,一般にLorentz不変性とカラ-

(大局的ゲージ変換)不変性から, 

.. 0|{μ()ν()}|0 

(1/i)δab[(μν-pμν/2){1/{2(2)} 

+α(μν/4)}, 

.. 0|{()~()}|0 

(1/i)δab[(i)/{2(2)}} 

の形になります。
 

(26-1)上の証明です。 

まず,μ0|{μ()ν()}|0 

=δ(0-y0)0|[μ(),ν()]0=0|0 

+<0|{μμ()ν()}|0 

=-α<0|{()ν()}|0> です。
 

ところが,以前の記事「ゲージ場の量子論(24)」で 

..0|{μ()()}|0>=-δabμ/2 

となるということを述べました。
 

したがって, 

..μ0|{μ()ν()}|0 

=-αδab(ν/2) です。
 

それ故, 0|{μ()ν()}|0 

=Π(1)abμν(,)+Π(1)abμν(,) とおくことが 

できます。
 

ただし,..μΠ(2)abμν(,)=-αδab(ν/2), 

であり,Π(1)abμνμΠ(1)abμν(,)0 を満たす 

付加項です。
 

..μΠ(2)abμν(,)=-αδab(ν/2)であり, 

..μ=-iμ なので, 

..Π(2)abμν(,)=-iαδab(μν/2) 

 と書けると考えられます。
 

一方,μΠ(1)abμν(,)0 から 

μ=-iμ および,直交性とLorentz共変性により 

..Π(1)abμν(,) 

=-iδab(μν-pμν/2)(2)と書けます。
 

Feynmanゲージ(α=1)では 

.. 0|{μ()ν()}|0 

∝ δabμν/2  となるはずですから 

α=1ならf(2)1/2となるべきです。
 

そこで,電磁場の真空偏極のアナロジーで, 

1/(2)=p2{1+Π(2)} =p2(2)と書きます。 

-1(2)1+Kp2+O(4)Taylor展開できます。
 

以上から, .. 0|{μ()ν()}|0 

(i)δab[(μν―pμν/2){1/{2(2)} 

+α(μν/4)} を得ます。
 

次に,同じく記事「ゲージ場の量子論(24)」で述べたように, 

..0|{μ()~()}|0>=iδabμ/2です。
 

xμ0|{()~()}|0 

-gfacd0|{μ()()~()}|0 

=δ(0-y0)0|{(),~()}0=0|0 

+<0|{μ()~()}|0 

=δabδ4(x-y)+<0|{μ()~()}|0
 

ここで;さらに∂μをを掛けると. 

0|{()~()}|0 

-gfacdxμ0|{μ()()~()}|0 

=∂xμ0|{μ()~()}|0> です。
 

ところが, 

μ0|{μ()()~()}|0 

=δ(0-y0)0|{μ()(),~()}|0 

-α<0|{()()~()}|0 

+<0|{μ()μ()~()}|0 

=<0|{-αB+Aμ()μ()~()}|0 

ですが,これは,明らかにLorentzスカラーです。
 

そこで,これをFourier変換してもスカラーです。
 

それ故, 

..gfacdxμ0|{μ()()~()}|0 

=δabΠ(2) と置きます。
 

以上から,.. 0|{()~()}|0 

=δab{1+Π(2)}] =δab/(2) 

と書けます。ここで,1/(2)1+Π(2)としました。
 

したがって,.. =-p2 より, 

.. 0|{()~()}|0 

=-δab/{2(2)} を得ます。
 

(26-1終わり※)
 

(※他の組合わせ:0|{μ()~()}|0>などは, 

ゴースト数の保存則から全てゼロです。)
 

(2),(2),粒子の動力学によるスカラー関数で,摂動 

0次の自由場段階ではF(2)=G(2)1 です。
 

.. 0|{μ()ν()}|0 

(1/i)δab[(μν-pμν/2){1/{2(2)} 

+α(μν/4)},において,(μν/4)に比例する項が, 

α(μν/4)の形に決まっているのは, 

両辺に∂ν=∂/∂yνを演算したとき,μとAνの同時刻 

可換性により,.. 0|{μ()νν()}|0 

iν(1/i)αδab(μν/2)となって,これが運動方程式: 

νν(=-αBの関係から,先の恒等式: 

..0|{μ()()}|0>=-δabμ/2 

(-α)倍を再現しなければならない,からです。
 

したがって,,これらの式のαは裸のゲ-ジパラメータです。
 

摂動論では,(2),(2)の自由場のときの値:1からのずれは, 

極く小さいと考えるので,..0|{μ()ν()}|0 

や,F.. 0|{()~()}|0>の表式でのp2­0 の極 

(1/2,および,dipole:1/4),留数の微小な変化を別にして, 

極として存在し続けることになります。
 

以前に表式: 

∫d4exp(ikx)0|{φ()φ(0)}|01粒子極部分 

i/(2-m2iε) 

=∫d4exp(ikx)0|{1/2φas)1/2φas(0)}|0 

を得たときに注意したように,漸近場の2点関数は 

Heisenberg場の2点関数の1粒子極部分で与えられます。

それ故,規格化していないHeisenberg:φ()の漸近場:  

φ^as(),0→±∞でAμ() → A^asμ(),  

() → c^as(), ~() → c~^as()  

(asout,or in) で定義したとき,

(※群の添字:aは,しばらく省略します。)  
 

2­0 1粒子極部分を取り出して

.. 0|{^s()^asν()}|0 

(1/i)3[(μν-pμν/2)(1/2) 

-K(μν/2)+α(μν/4)}
 

そして、F.. 0|{^as()~^as()}|0 

(1/i)^3{(i)/2)} を得ます。
 

ここで,3,, ^3,-1(2),-1(2)をp2­0 

のまわりでTaylor展開した, 

-1(2)=Z3{1+Kp2+O(4)}, 

-1(2)=Z^3+O(2)} 

で定義される定数です。
 

そしてαは"裸の"パラメータαと,α=Z3αの関係 

で結び付いています。
 

実際に,摂動のループグラフを評価すると,(2)やG(2) 

(ln2)のような項を含み,3=F-1(0)や Z^3=G-1(0) 

無限大の発散量となります。
 

これは通常の場の理論の発散の紫外発散(ultraviolet divergence)  

をくり込みで除いた後に残る,零質量粒子の存在に起因する発散で, 

赤外発散(infrared divergence)と呼ばれています。

ここでは,赤外発散を避ける何らかのゲージ不変な正則化

の処方を取っていると仮定し,形式的な議論を続けること

にします。

.. 0|{^sμ()^asν()}|0 

(1/i)3[(μν-pμν/2)(1/2) 

-K(μν/2)+α(μν/4)}における(1/4)dipole 

(2重極),(α1)(μν/4)の形で現われているので,前述 

したように,くり込まれたゲージパラメータα1とするFeynman 

ゲージを取れば確かに消えます。
 

そこで,以後はFeynmanゲージ:α1を採用することにし, 

くり込まれた漸近場を,^asμ=Z31/2asμ,^as=Z^31/2as, 

~^asμ=Z31/2~asによってAasμ,as,~asで定義すれば, 

問題のHeisenberg場の,くり込まれた漸近場の2点関数は, 

0|{sμ()asν()}|0 

(i)[(μν-K∂μν)(x-y),および, 

0|{as()~as()}|0>=-D(x-y) 

となります。
 

漸近場:sμ,as,~asは全て自由場なのでD→ Dに 

よって4次元()交換関係として, 

[sμ(),asν()] 

(i)[(μν-K∂μν)(x-y),および, 

{as(),~as()}=-D(x-y)を得ます。
 

次に、Heisenberg場の方程式:μμ+αB=0 , 

くり込まれた漸近場と,くり込まれたゲージパラメータ: 

α=Z3-1αで書いても,μasμ+αas0となる 

ように,NL場:()の漸近場:as(), 

0 → ±∞で,() → Z3-1/2as()で定義します。
 

このとき,.. 0|{()sν()}|0 

=-δabν/2,および,0|{()s()}|0 

=<0|{,{()~s()}|0>=0 は漸近場に 

対しても同じになるので,
 

[asμ(),as()]=-∂xμ(x-y), 

[as(),as()]0です。
 

これによりBas()同士は可換ですからAasμを∂μas 

比例した項だけシフトしてA'asμ=Aasμ(/2)μas 

と定義し直しても[asμ(),as()]=-∂xμ(x-y) 

は不変のままです。
 

つまり,[A'asμ(),as()]=-∂xμ(x-y)です。
 

そこで,シフトで定義をしたゲージ場で, 

[sμ(),asν()](i)(μν-K∂μν)(x-y) 

,[A'sμ(),A'asν()]=-iμν(x-y) 

と簡単になります。
 

Yang-Mills漸近場:A'sμの上記の4次元交換関係と 

FPゴースト漸近場のそれ:{as(),~as()}=-D(x-y) 

は群の添字:aを復活させれば,以前の自由場のLagrangian:~0 

から求めた4次元交換関係と丁度一致し,したがって,運動方程式 

も□A'sμ=□cs=□c~s0 (□Bas=□Asμ0でもある) 

が従います。
 

これらは∂μsμ+αas0 と共に,~0から出る 

μμ+αBa0,,□c=□c~0,および, 

(α1のときの)□Aaμ(1-α)μa.□Ba0 

を再現しています。
 

以上で漸近場の系が~0で記述される自由場の系と同等である 

ことの証明が終わりました。
 

(※以下,普通,漸近場というときにはA'asμではなく, 

μ → Z31/2asμで定義されるAasμを指すことにします。)
 

本節はこれで終わり,切りもいいので,今回はここで終わります。

(参考文献):九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論Ⅰ」(培風館)

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