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2018年4月12日 (木)

対称性の自発的破れと南部-Goldostone粒子(17)

「対称性の自発的破れと南部-Goldostone粒子(16) 

からの続きです。
 

有名な弱・電磁相互誤差用の模型を解説します。
 

§6.7 Weinberg-Salam模型 

対称性の自発的破れたゲージ理論は,弱・電磁相互作用 

(weak-electromagnetic interaction)を記述するのに 

適用され非常な成功を収めました。ここでは,今日, 

Weinberg-Salam模型,あるいは,標準模型(standard-midel) 

と呼ばれる模型の基本的部分を紹介します。
 

※ゲージ群;SU(2)×U(1) 

多くの実験的,理論的研究を経て,1960年代半ばには,弱い 

相互作用に関して,次のことが明らかにされていました。
 

弱い相互作用(の電荷の変化する過程に関する部分), 

Fermi=-(/2)μμ なる4-Fermi相互作用で 

記述できて,荷電(Charged)カレント:μはレプトン部分 

とハドロン部分から成り:μ=Jμ(lepton)+Jμ(hadron),
 

この両者とも,謂わゆる(V-A)型カレント,つまり, 

(ベクトルカレント:μ)-軸性ベクトルカレント:μ) 

で与えられます。
 

例えば,μ(lepton),電子:eと電子ニュートリノ:ν, 

μ粒子;μとμ-ニュートリノ:νν,を用いて, 

μ(lepton)=e~γμ(1-γ5)ν+μ~γμ(1-γ5)νμ 

で与えられます。ここでe, νetc.,対応する粒子の 

Dirac場を示しています。
 

カレントJ μ(lepton),左手型レプトンのSU(2)-2重項: 

[ν.] {(1-γ5)/2}[ν.],および, 

μ[νμ.μ] {(1-γ5)/2}[νμ.μ]T を定義して,
 

それらのSU(2)カレント: μ(a=1,2,3) 

μ=L~γμ(τ/2)+Lμ~γμ(τ/2)μ, 

(τPauli行列)によって導入すれば,  

μ(lepton)2(1μi2μ)2(1i2)μ, 

μ(lepton) 2(1μi2μ)2(1i2)μと書けます。
 

SU(2)カレント:μ;[τ/2,τ/2]iεabc(τ/2) 

より,明らかに, 

∫d3[0(,),μ(,)]iεabcμ() 

のSU(2)代数を満たしており,弱い相互作用に現われる 

荷電レプトンカレント: μ(lepton) ,μ(lepton),その(1±i2) 

成分であるということです。
 

ハドロン部分; μ(hadron) ,μ(hadron)も全く同様で.全体の 

μ=Jμ(lepton)+J μ(hadron) も同じSU(2)代数構造を持つ 

ことが知られています。このSU(2)を「弱アイソスピン」 

(weak isotopic spin)と呼び,SU(2)と記します。
 

Fermi=-(/2)μμ Fermi結合定数:Gの大きさ 

,μ粒子の崩壊(μ→e+ν~+νμ)の確率などから, 

を陽子質量として,G ~ 1.01×105-2  

1.166×105(GeV-2)で与えられることが知られています。
 

以上の現象論的事実から,弱い相互作用を(対称性の自発的に 

破れた)ゲージ理論で記述するには,ゲージ群として少なくとも 

上の弱アイソスピン:SU(2)を含まなければならないことが 

わかります。
 

すなわち, SU(2)のカレント:μに結合する質量がMの 

Yang-Mills場が存在すれば,6.12に示すfeynmanブラフに 

より,低エネルギー領域:2<<M2, 

Fermi=-(/2)μμのカレント・カレント型の 

4-Fermi相互作用が誘起されるからです。
 

このSU(2)の生成子をT(a=1,2,3)とし,その大きさ 

をTとします。
 

ところが,先に,[ν.] {(1-γ5)/2}[ν.], 

μ[νμ.μ] {(1-γ5)/2}[νμ.μ]T で与えた 

レプトンのSU(2)-2重項(=1/2),31/2の主成分: 

νやνμは電荷Qがゼロ,3=-1/2の下成分eやμは, 

電荷Qが(1)であり,SU(2)群が電磁相互作用の群: 

(1)EMと直交していないことを示しています。
 

つまり,もしU(1)EMがSU(2)と直交した群であったら, 

SU(2)2重項:[ν.] ,μ[νμ.μ] , 

上成分も下成分も同じ電荷を持って弱い相互作用と電磁 

相互作用が独立にゲージ化できたのですが,実際にはそう 

ではありません。(※言い換えると.[ν.] , 

μ[νμ.μ] ,SU(2)2重項として, 

exp(iθ)∈SU(2)に対して2次元回転を 

受けますが,EMexp(iQθ)∈U(1)EMに対して, 

[ν.] →UEM[ν.] [EMν. EM]  

[ν.] とはならないのでSU(2)群がU(1)EM 

と直交していないのです。)

ここに,弱・電磁相互作用を同時に絡めて考えざるを得ない 

必然性があります。すなわち,統一せざるを得ないのです。
 

そこで,SU(2)に直交したU(1)群を導入して,(1) 

記し,その電荷(生成子)を弱超電荷(weak-supercharge) 

呼び,Yとします。レプトンSU(2)2重項:,μ, 

弱超電荷:Y=-1/2を付与することにすれば,電磁相互作用 

の電荷Qは.Q=T3+Yで与えられることになります。
 

この関係式:Q=T3+Yでは電磁道後作用U(1)EMの生成子Q 

,(1)の生成子YとSU(2)の第3成分の生成子T3 

与えた代数の間の関係式であり,単に上のレプトン2重項のみ 

ならず,任意の多重項の上で成立すべきものです。
 

したがって,出発点で採用すべきゲージ群Gは, 

G=SU(2)×U(1)であり,電荷Qに結合する電磁場は, 

Q=T3+Yにより,SU(2)のゲージ場の第3成分とU(1) 

のゲージ場の線形結合で与えられることがわかります。
 

このとき,最終的な零質量ゲージ粒子は光子のみでなければ 

ならないので,Q=T3+Yのみを残し,他の対称性は全て 

自発的に破れなければなりません。 

すなわち,G=SU(2)×U(1)から,(1)EMへと破れます。
 

※ゲージ場とHiggs場の部分 

ゲージ群:SU(2)×U(1)に対応して,SU(2)のゲージ場 

:μ=[1μ,2μ,3μ]とU(1)のゲージ場;μを導入します。 

そのLagrangian,次のゲージ場で与えられます。
 

ゲージ場=-(1/4){μν-∂νμ-g(μ×ν)}2 

(1/4)(μν-∂νμ)2です。
 

gはSU(2)の結合定数です。一方,以下で現われるU(1) 

の結合定数はg'とします。(g>0,g'>0)
 

G=SU(2)×U(1)→ U(1).M の自発的破れを起こす 

べく,前のHiggs-Kibble模型と同様なSU(2)-2重項の複素 

スカラー場:Φ(Higgs)を導入し,以前と同じ真空期待値を 

持つようにします。<0|Φ|0>=(1/2)[0,]です。
 

このとき, (1).の対称性:Qを壊さないためには,真空 

期待値を持つ2重項場:Φの下成分(3=-1/2),Q=0の場 

でなければなりません。
 

それ故,Higgs2重項場:Φには,弱超電荷:Y=1/2を付与します。 

それに対応した共変微分を用いて, 

Higgs2重項場:ΦのセクターのLagrangian, 

Higgs|{μ(i/2)g'Bμ(i/2)(τAμ)}Φ|2 

+μ2ΦΦ-(λ/2)(ΦΦ)2 で与えられます。
 

これは,g'→ 0の極限でHiggs-Kibble模型と同じものに 

帰着します。
 

真空期待値:0|Φ|0>=(1/2)[0,]を実現する破れた 

真空の上で,ゲージ場:μ,μの質量項は,treeレベルで 

運動項:|μΦ|2において,Φを[0,/2]なる値に置換 

した項から生じます。

つまり, 

(ゲージ場質量項)|(i/2){g'Bμ+g(τμ)}[0,/2]|2 

(22/8){(1μ)2(2μ)2}(2/8)(g'Bμ-gA3μ)2 

です。
 

したがって,ゲージ場を組みかえて,μ=(1/2)(1μi2μ), 

μ=(1/2)(1μi2μ), 

そして,[μ,μ][gA3μ-g'Bμ,gA3μ+g'Bμ]  

/(2+g'2)1/2exp(iτ3θ)[3μ,μ]T  

と定義し直します。
 

ここに,osθ=g/(2+g'2)1/2 , 

sinθ=g'/(2+g'2)1/2であり,exp(iτ3θ) 

は3軸の回りの角度θの回転を意味します。 

このθWeinberg角と呼ばれます。
 

すると, ゲージ場質量項は,対角化されて 

(ゲージ場質量項)=M2μμ(1/2) 2μμ 

を得ます。ただし.2=g22/4,  

2(2+g'2)2/4=M2os2θです。
 

ゲージ場とHiggs場のLagrangianゲージ場Higgs 

と書くと,これは, 

ゲージ場=-(1/4){μν-∂νμ-g(μ×ν)}2 

(1/4)(μν-∂νμ)2,であり 

Higgs|μΦ|2+μ2ΦΦ-(λ/2)(ΦΦ)2, 

μ=∂μ(i/2)μ(i/2)(τAμ) 

でした。
 

これに,以下の逆変換;を代入してA1μ,2μ,3μ,μ 

を消去します。。すなわち,1μ(1/2)(μ+Wμ), 

2μ(i/2)(μ-Wμ),3μcosθμsinθμ, 

μ=-sinθμcosθμ,および,
 

[μ,μ][gA3μ-g'Bμ,gA3μ+g'Bμ]  

/(2+g'2)1/2exp(iτ3θ)[3μ,μ] 

を代入するわけです。
 

すると, 

ゲージ場=-(1/4)μνAμν(1/4)μνZμν 

(1/2)(μννμ)(μννμ) 

i(||μν+gcosθZμν)μ+ν 

(2/2){|μμ|2(μμ)2} 

となります。
 

ここで,同一の点において,1,2,3,Bは全て交換可能なBoson 

であり,,,,Aもまたそうです。
 

そして,μν,μν,χμν=∂μχν-∂νχμ(χ=A,) 

を意味します。また,2=g22/(2+g'2), 

||=g'cosθ=gsinθW です。
 

νの共変微分μν,gA3μ 

(gg'Aμ+g2μ)/(2+g'2)1/2 

||μ+gcosθμを用いて 

μν(μigA3μ)ν 

=(∂μ+i|e|Aμicosθμ)νで与えられます。
 

電磁相互作用:(1).に関しては,この荷電ベクトル場: 

νに対する共変微分は(μi||μ)(μieAμ) 

となっていて,e<0が電磁相互作用の結合定数を与える 

ことがわかります。
 

(17-1):上の結果を具体的で地道な計算で示します。 

μ1ν-∂ν1μ-g(2μ3ν-A3μ2ν) 

(1/2)(μ1ν-∂ν1μ)(1/2)(μ1ν-∂ν1μ) 

-g(i/2)(μ-Wμ)(cosθνsinθν) 

+g(i/2)(ν-Wν)(cosθμsinθμ) 

(1/2){(μ1ν-∂ν1μ)

i(cosθνsinθν)μ 

i(cosθμsinθμ)ν} 

(1/2){(μ1ν-∂ν1μ)

i(cosθνsinθν)μ 

i(cosθμsinθμ)ν}
 

同様に,μ2ν-∂ν2μ-g(3μ1ν-A1μ3ν) 

(1/2){(μ1ν-∂ν1μ)

i(cosθνsinθν)μ 

i(cosθμsinθμ)ν} 

(1/2){(μ1ν-∂ν1μ)

i(cosθνsinθν)μ 

i(cosθμsinθμ)ν}
 

後は計算結果だけ書きます。 

μ3ν-∂ν3μ-g(1μ2ν-A2μ1ν) 

cosθμνsinθμνi(μν-Wμν),
 

μν-∂νμ=-sinθμνcosθμνです。
 

それ故,これらを

ゲージ場 =-(1/4){μν-∂νμ-g(μ×ν)}2 

(1/4)(μν-∂νμ)2

に代入すれば得られます。 (17-1終わり※)
 

途中ですが,今回はここまでにし,レプトンとゲージ場 

の結合や物質場(Higgs)についての項は次回に回します。
 

(参考文献):九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論() 

(培風館)

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コメント

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