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2018年6月22日 (金)

素粒子=ソリトン説(1)

※現在,順天堂の形成外科病棟に入院し,5/30 

右足首の腫れた部分を切除して傷の回復を待ってる 

状態です。
 

1回7月初めに傷への植皮手術があって,恐らく 

7月中旬から下旬には退院できそうです。
 

まあ,恐らくは遺稿ということで数年前から考察して 

いた「素粒子=ソリトン説」なるものを少しずつ

アップしようと思います。
 

§1.サイン・ゴルドン方程式とソリトン解 

スピンがゼロで質量がμの自由粒子場φの 

相対論的波動方程式は,Klein-Gordon方程式 

(□+μ2)φ=0 で与えられることが知られて 

います。これは自然単位:h=c=1では 

2φ/∂t2ー∇2φ=-μ2φと書けます。
 

この方程式は量子論のx表示の演算子としては 

=-i,E=H=i/t,より,22=μ2 

というEinsteinのエネルギー等式を意味して

います。
 

しかし,この線形斉次方程式; 

2φ/∂t2-∇2φ=-μ2φを微修正して, 

2φ/∂t2-∇2φ=-μ2sinφとしたもの 

を考察してみます。
 

これは非線形方程式でありSin-Gordon方程式 

と呼ばれています。
 

ここで便宜上,3次元の空間を1次元とみなし, 

φはxとtのみの関数とします。
 

すると,Klein-Gordon方程式は, 

2φ/∂t2-∂2φ/∂x2=-μ2φになります。 


    一方,sin-Gordon方程式は,
 

2φ/∂t2-∂2φ/∂x2=-μ2sinφ 

と簡単化されます。
 

さて,sin-Gordon方程式の方を実際に解いてみます。
 

まず,時間tに依らず,xのみに依存する定常解 

を求めます。
 

これは常微分方程式:2φ/∂x=μ2sinφの解 

です。通常の手法に従って両辺にdφ/dxを掛けると 

(1/2)/dx[(dφ/dx)2]=μ2sinφ(dφ/dx) 

ですから,これを積分して, 

[(dφ/dx)2]02μ2φ0φ2sinφdφ 

2μ2(cosφ0cosφ)を得ます。
 

そこでx=0でdφ/dx=0の解は 

(dφ/dx)22μ2(1cosφ)4μ2sin2(φ/2) 

Or dφ/dx=±2μsin(φ/2)を満たします。
 

よって,x=0でφ=0となる特殊解は 

0φ{1/sin(φ/2)}dφ=±2μxで得られます。
 

ところで,∫du(1/sin)はt=tan(/2)とおくと, 

1/(1+t2)cos2(/2)(1+cos)/2より 

cosu=(1-t2)/(1+t2),sinu=2/(1+t2) 

であり,dt=(1/2)(1+t2)duなので, 

∫du(1/sin)=∫dt/t=log|tan(/2)|+C 

なる公式を得ます。
 

それ故,log|tan(φ/4)|=±μ(x-x0),つまり 

φ()4tan-1[exp{±μ(x-x0)}] なる解 

が得られるわけです。
 

これは,古典的な孤立波を示し,ソリトン解と呼ばれて 

います。
 

この解は時間tに依存しない局所化された波ですが, 

位相速度vで進行する解を求めるには,ξ=x-vt 

として,φ(,)をφ(ξ)と書きます。
 

このとき,2φ/∂t2-∂2φ/∂x2=-μ2sinφ 

,(1-v2)2φ/dξ2=μ2sinφとなりますから, 

E=μ/(1-v2)1/2と置けば,定常解から直ちに 

φ(ξ)4tan-1[exp{±E(ξ-ξ0)}] 

と書けることがわかります。
 

しかし,λ>010-40オーダーのPlanckスケール 

の微小係数として,λ→0の極限で 

2φ/∂t2-∂2φ/∂x2=-μ2φに帰着するような 

非線形モデルを想定するなら, 

2φ/∂t2-∂2φ/∂x2=-m2sin(λφ) 

近似的に∂2φ/∂t2-∂2φ/∂x2 

=-μ2φ(1-λ2φ2/6)になるようなものを考える 

べきでしょう。
 

ただし,このモデルはμ2=m2λを仮定するため,μを 

固定したままλ→0とするとき,m→∞となるので, 

何らかの矛盾が生じてしまいそうです。
 

でも,取りあえず 

2φ/∂t2-∂2φ/∂x2=-m2sin(λφ) 

(μ2=m2λ)の定常d2φ/∂x2=m2sin(λφ) 

解いてみると,=μ/λ1/2であり,(1/2)(dφ/dx)2 

=m2sin(λφ)dφ=(2/λ){1cos(λφ)} 

(22/λ)sin2(λφ/2),

dφ/dx=±(2/λ1/2)sin2(λφ/2) 

定常解は,{1/sin(λφ/2)}dφ=±(2/λ1/2) 

(2μ/λ)xより 

(2/λ)log|tan(λφ/4)|=±(2μ/λ)(x-x0) 

つまり,log|tan(λφ/4)|=±μ(x-x0)
 

そこで. 

φ()(4/λ)tan-1[exp{±μ(x-x0)}] 

と書けます。
 

推論が無矛盾なら,これはλ→0の極限で, 

2φ/∂t2-∇2φ=-μ2φ or定常方程式: 

2φ/dx2=μ2φの特殊解である 

φ()exp{±μ(x-x0)}]に当然,一致する 

はずです。
 

しかし,このφ=(4/λ)tan-1[exp{±μ(x-x0)}] 

の形では極限計算がむずかしいので, 

2φ/∂t2-∂2φ/∂x2=-m2sin(λφ) 

2φ/∂x2(μ2/λ)sin(λφ)を解く途中 

の等式;log|tan(λφ/4)|=μ(x-x0)の時点で 

λ→0とすると,展開;tany=y-y3/3..より 

log|λφ/4|=±μ(x-x0)の近似等式から 

log(λ/4)log|φ|=±μ(x-x0) 

φ()exp{±(μ/λ)(x-x1)}]となって 

0がx1=x0±(1/μ)log(λ/4)にシフトされる 

だけである,という合理的結果を得ます。
 

(※実は(1/μ)log(λ/4)→-∞というのが疑問?)
 

対応して位相速度vで進行する解は,ξ=x-vt 

として,φ(,)=φ(ξ), 

,2φ/∂t2-∂2φ/∂x2=-m2sin(λφ) 

から,(1-v2)2φ/dξ2=m2sin(λφ)となり, 

E=μ/(1-v2)1/2と置けば,上記の定常解から 

φ(ξ)(4/λ)tan-1[exp{±E(ξ-ξ0)}] 

と書けます。
 

しかしながら,これらの解はx,またはξ=x-vtと 

共に単調増加,または減少する実数解を示しており, 

という描像ではないです。
 

そこで今度はxに依存せず,tのみの関数としての 

謂わゆる定点振動解を求めてみます。
 

Klein-Gordon方程式:(□+μ2)φ=0,すなわち 

2φ/∂t2-∂2φ/∂x2=-μ2φは,φがxに依らず, 

∂φ/∂x=0であれば,2φ/dt2=-μ2φとなり, 

これの振動解は複素数表現で規格化の定係数を除いて, 

φ()exp(±iμt)で与えられます。
 

λ→0の極限で,これに帰着するsin-Goedon方程式 

2φ/∂t2-∂2φ/∂x2=-m2sin(λφ), 

(2=μ2/λ),2φ/dt2=-(μ2/λ)sin(λφ) 

であり,これの解は,φ()(4/λ)tan-1{exp{±μt)} 

です。
 

これらは,先に求めた定常解:φ()exp{±μ(x-x0), 

および,φ()(4/λ)tan-1[exp{±μ(x-x0)}] 

において,xをtに,μをiμに置き換えただけです。
 

したがって,位相速度vで等速度運動する波なら 

ξ=x-vtとしてφ(ξ)exp(±iμξ),および, 

φ(ξ)(4/λ)tan-1{exp(±iμξ)}(E=μ/(1-v2)1/2) 

を得ます。
 

ところで,量子論の相対論的波動方程式である 

Klein-Gordon方程式:(□+μ2)φ=0,スピンがゼロ 

の自由粒子場φを記述する方程式であり,運動量が 

粒子が正エネルギー;E=(2+μ2)1/2を持って,速度: 

/Eで等速度運動をするという古典描像に対応する 

無限に拡がった自由平面波の解は,規格化定数を除いて 

φ()exp(ikx),または,μ(0,)(,) 

から,φ(,)exp}i(Et-kx)と表わされること 

が知られています。
 

それ故,λ→0の極限で,これに帰着する 

sin-Goedon方程式: 

2φ/∂t2-∇2φ=-(μ2/λ)sin(λφ) 

の対応する解は, 

φ()(4/λ)tan-1{exp(-ikx)}と修正される 

と考えられます。
 

§2.非線形モデル:φ4 

ここまで述べてきて,sin-Gordon方程式 

2φ/∂t2-∇2φ=-(μ2/λ)sin(λφ)を用いる 

という技巧に頼らなくても,自由Lagrangian 

が次のφ4型の剰余項を持つ単純な非線形モデル: 

(1/2)μφ∂μφ-(1/2)μ2φ2+λ2φ4/4! 

を想定し,これのEuler-Lagrange方程式; 

μ(/μφ)-∂/∂φ=0から得られる 

(□+μ2φ-λ2φ43/3!0,つまり, 

2φ/∂t2-∇2φ=-μ2φ+λ2φ3/3! 

を考察した方がベターかなと思いました。
 

この方程式の右辺は,λ~0で事実上, 

(μ2/λ)sin(λφ)に一致しますが,むしろ,

最初から非線形方程式: 

2φ/∂t2-∇2φ=-μ2φ+λ2φ3/3!の方を 

出発点として考察した方がスッキリすると 

思います。
 

さて,これを解くには,やはり,まず,xを省いた 

2φ/dt2=-μ2φ+λ2φ3/3!を解けばいいです。
 

初期条件の選択は本質的ではないので,t=0 

φ=0,かつ,dφ/dt=0の条件の解を求めると, 

(1/2)(dφ/dt)2=-(1/2)μ2φ2+λ2φ4/4! 

dφ/dt=±iμφ{1(λ2/μ2)φ2/12}1/2 

を満たします。
 

さらに積分して, 

0φdφ[φ-1{1(λ2/μ2)φ2/12}-1/2] 

=±iμtを得ます。
 

ここで,∫dy[-1{(1-a22)-1/2]の計算において, 

積分変数の置換;ay=sin,ady=cosudu 

を行うと,∫dy[-1{(1-a22)-1/2] 

=∫du(1/sin)log||tan(/2)|+C 

なる式を得ます。
 

ay=sinu=tan(/2)sin2(/2)より, 

t=tan(/2)とおけばay=2/(1+t2), 

t=ay±(1-a22)1/2ですから,結局, 

∫dy[-1{(1-a22)-1/2] 

;og||tan{y±(1-a22)1/2}|+Cなる公式 

を得ます。
 

それ故,a=√3λ/(6μ)として 

aφ=sinuとした結果,log||tan(/2)|+C=±iμt 

であり.t=t0でu=π/2,aφ=sinu=1となる 

ものはC=±iμt0で与えられますから, 

log||tan(/2)|=±iμ(t-t0), 

τ=tan(/2)exp{±iμ(t-t0)}とおくと 

aφ=sinu=2τ/(1+τ2)となることから, 

φ=(43μ/λ)exp{±iμ(t-t0)} 

/[1exp{±2iμ(t-t0)}]が得られます。
 

これも,λ→0exp{±iμ(t-t0)}に帰着する 

という期待に反して∞になるという困難を含んで 

います。
 

しかし,0φdφ[φ-1{1(λ2/μ2)φ2/12}-1/2] 

=±iμtで,λ=0ならlogφ-log0=±iμt 

ですからφ=exp(±μt)です。
 

積分定数が∞というのがミソかな?
 

ここでめげずに,左辺の積分の差を考察してみます。 

0φ[{φ-1(1-a2φ2)-1/2}-φ-1]dφ 

=-a-20φ[φ3{(1-a2φ2)1/+φ}]dφです。
 

-a-2[φ3(1-a2φ2)1/2}dφ=-∫sin-4udu 

{cos/(2sin3)}(2sin3u+1) 

=a-3(1-a2φ2)1/2(23φ31)/(2φ3) 

よって,0φ[{φ(1-a2φ2)1/2}-1-φ-1]dφ 

[-3(1-a2φ2)1/2(23φ31)/(2φ3)+a-2/φ]0φ
 

以下,a→0でゼロになるかどうかpending状態の 

ままで一応打ち切り次回に進みます。(つづく)


  ※参考:北里大学PDF
数学と物理学の間

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