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2019年2月25日 (月)

くりこみ理論(次元正則化)(2)

くりこみ理論(次元正則化)の 続きです。
 

4次元時空のテンソル添字で縮約されず残っているものは, 

そのまま.抽象的にn次元時空の添字とみなしておきます。
 

計量テンソルgμνもそうです。縮約された場合はn次元の 

内積となり,特にgμμ=n..(14) です。
 

ただし,完全反対称テンソルは添字の個数が次元数nに等しい 

場合だけ定義できるものなので,一般の複素数nに自然に拡張 

することはできません。そこで4次元のεμνλσはn次元時空 

でも添字(μ,ν,λ.ρ)(0,1.2,3)の置換:σになってるとき 

のみゼロでなく,sgnσの値をとる定数テンソルであると定義 

しておきます。
 

Diracスピノルの複素n次元への拡張にはかなり任意性が 

ありますがここでは任意の偶数次元n=2kの場合に拡張し 

2n/2成分の既約SO(1.n-1)スピノルを考えます。
 

(※n=2kのとき,SO()はk個の2次元スピノル空間に 

分解されます。全体は2次元空間の直積です。例えばn=6 

k=3での基底は,[1.0]t×[1.0]t×[1.0]t etc.であり,合計 

で8=23個です。※)
 

このスピノルで定義されたガンマ行列は, 

{γμ,γν}2μν.(15)を満たす抽象的代数量であり,その 

トレース(対角和)Tr(γμγν)μνTr(1)=gμν2/2(16) 

という規約になります。
 

(※このTr(1)2/2という式について深く考える必要はなく 

n=4のときTr(1)4となるようなnの連続関数であれば 

いいです。※)
 

ここで,唯一の問題となるのは偶数n=2k次元のγ5=γ5 

行列です。これは,Γ5ik-1γ0γ1..γn-1 

{ik-1()n-1/!}εμ1μ2..μnγμ1γμ2..γμn(17)であり, 

完全反対称テンソルεμ1μ2..μnと同様 .複素n次元に拡張する 

ことはできません。そこで4次元のεμνλρの場合と同じく, 

γ5iγ0γ1γ2γ3.{(i)/4!}εμνλργμγνγλγρ(18) 

定義される決まった行列と考えることにします。
 

こうするとγ5はγ0,γ1,γ2,γ3とは反可換ですが他のγμとは 

可換という面倒な性質を持つことになります。
 

γ5やεμνλρを複素n次元に自然に拡張できないので,もしも 

ゲージ変換がγ5やεμνλρを含む場合,次元正則化でもゲージ 

不変性を壊します。これが後述するようなアノマリー(量子異常) 

に関係しています。
 

§7.2 1-loop計算と乗法的くりこみ 

本節では紫外発散がどのように現われるか?を見るため,具体的 

に1つの簡単な模型をとって1^loop計算を実行します。 

合わせて,現われる発散をどう処理するか? 謂わゆる乗法的 

くりこみ(multiplicative renormalization)の手続きについて 

説明します。
 

簡単な模型として,アイソスピンが1のスカラー場: 

φ(φ1,φ2,φ3)T,アイソスピンが1/2Dirac: 

ψ(ψ1,ψ2)Tから成る湯川相互作用系:Lagrangian密度 

がL=(1/2)(μφμφ-μ2φ2) 

ψ~(γμμ-m-gφτ)ψ(λ/8)(φ2)2 

で与えられるものを考えることにします。
 

Feynmanグラフにおいて,φの伝播関数は点線でψの伝播関数は 

矢印付きの実線で表わすことにします。
 

※下の図7.1,7.2Fermion(Dirac)の自己エネルギー 

のグラフです。


    図7.2では,左辺のFermionの2点Green関数(伝播関数): 

 iF'()=<0|[ψ()ψ(0)]|0>には図で灰色のblobで  

示した1PI(1粒子既約)なグラフ全体が図7.2右辺のように  

繰り返しの形で効きます。

しかし,運動量表示での左辺の総和:iF'(),7.1の左辺 

では,上述の自己エネルギーを図7.2と同じく灰色blob 

示していますが,これをiΣ()と記せば,7.2が簡単に 

表現されて,iF'()i(p-m)-1 

{i(p-m)-1}{iΣ()}{i(p-m)-1} 

{i(p-m)-1}{iΣ()} {i(p-m)-1}{iΣ()}

{i(p-m)-1}..i{p-m-Σ()}-1i{Γψ(2)()}-1

となります。
 

(2-1):最右辺のΓψ(2)()はψによる2点1PI頂点関数を 

示す記号です。頂点関数は2点の場合,特別に2点Green関数の 

逆数に一致します。 

つまり.Γψ(2)()=-{iF()}-1{iΣ()} 

i{p-m-Σ()} 

です。
 

久しぶりの記事で,これらの意味を再認識するために, 

少々長たらしいですが2017年9/7の過去記事: 

「対称性の自発的破れと南部-Goldston粒子(3)」から 

「ゲージ場の量子論」の第4章摂動論(経路積分) 

有効作用・有効ポテンシャルと頂点関数の定義や, 

それらの関係について記した(3-1)を再掲します。
 

(※以下再掲載記事開始)
 

(3-1):有効ポテンシャルの定義,意味については, 

本ブログの20149/21から20154/21までにアップした 

記事:「ゲージ場の量子論から(その1)(経路積分と摂動論) 

(1)(12)において摂動論を記述した後,有効作用,およ, 

有効ポテンシャルの項に入る予定でしたが,その直前で中断 

して,このシリーズ再開後は間の項目を飛ばして 

「ゲージ場の量子論から(その1)(経路積分と摂動論)(15) 

に進んでいました。
 

そこで,この記事シリーズから,適宜,必要事項を引用し,これに 

追加して説明します。
 

便宜上,(12)Grassmann 代数の知見と面倒な考察を要する 

Fermion場の話は考慮せず,(1) (11)Boson場のみから成る 

系で考えます。
 

まず,時間tを含むHeisenberg表示の初期()状態,終状態を, 

それぞれ,|φ,,|φ,|>として,その遷移振幅を, 

位相空間の積分:∫∫DπDφによる経路積分で表わすと, 

<φ,|φ,

=∫∫φ(,tI)=φI()φ(,tF)=φF()DπDφ 

×exp(i∫tItF[π()φ()(π(),φ())]) 

となります。
 

この式の右辺から,先に∫Dπだけを実行して,配位空間の積分: 

Dφのみによる積分表式にしたものは,Nを比例定数として, 

<φ,|φ, 

=N∫φ(,tI)φ()φ(,tF)φ()Dφ 

×exp[i∫tItF(φ,∂φ)] です。
 

次に,特にGreen関数の経路積分を考えます。
 

必ずしもφの固有状態ではない一般の状態を想定し初期状態 

|Ψ,,終状態を,|:Ψ,F>として, 

一般化されたN点Green関数を, 

()(,..,; Ψ,;Ψ,F) 

≡<Ψ,F|[φ()..φ()]|Ψ, 

/<Ψ,F|Ψ, 

=<Ψ,|exp(iF)[φ().φ()exp(i)]|Ψ 

/<Ψ|exp{i(F-t)}|Ψ> によって,定義します。
 

これを変形して,最終的にGreen関数の経路積分式として. 

()(,..,;Ψ,;Ψ,F) 

=NFIDφΨ[φ()] Ψ[φ()]φ()..φ() 

×exp[i∫tItF(φ,∂φ)] を得ます。
 

ここで,一般化されたGreen関数の生成汎関数:FI[]なるもの 

を次のように定義して導入します。
 

すなわち,FI[] 

=<Ψ,F||exp{i∫dxJ()φ()}| Ψ, 

/<Ψ,F|Ψ,> です。
 

FI[]をJでN階微分してJ=0 と置いたものが一般化された 

N点Green関数になります。 

つまり,[δFI[]/δJ()..δJ()]jJ(x1)..(xN)0 

=G()(,..,; Ψ,;Ψ,F) です。
 

実は,これが,FI[]がG()(,..,; Ψ,;Ψ,F) 

の生成汎関数である,という意味です。
 

そして,一般化されたGreen関数は,特に初期状態:|Ψ, 

終状態:|Ψ>が共に系の真空状態 |0>であるとしたとき, 

通常の意味のN点Green関数; 

()(,..,)=<0|(φ()..φ())0 

に一致します。
 

さて,話は重複するかもしれませんが, 

相互作用:int(φ)が存在して,Lagrangian密度, 

(φ,φ)(1/2)μφμφ(1/2)μ2φ2()int(φ) 

で与えられる実スカラー粒子の場:φ()を想定します。
 

この相互作用しているスカラー粒子のN点Green関数G(), 

()(1,..,N)=<0|(φ(1)φ(2)..φ()|0 

で与えられますが,これの生成汎関数を特にZ[]とします。
 

[],配位空間の経路積分によって 

[]=N∫Dφ exp[i∫d{(1/2)φ(□+μ2)φ+int(φ)

+Jφ}] 

=N∫Dφ exp[i{(1/2)φ*(□+μ2)φ+J*φ}]と書けます。
 

右辺の最後の式では,煩わしい∫dxという表現を省略するため, 

時空座標xの任意関数φI),ψ()に対して,内積とよばれる 

演算:φ*ψを,φ*ψ=∫dxφ()ψ()=ψ*φによって定義 

導入しました。
 

[],結局,[]=<exp[i∫d{int(φ)+J*φ}]0 

/exp[i∫d{int(φ)}0 なる式に表わせることが 

わかります。
 

ただし,任意のφの汎関数F(φ)について, 

(φ)0(exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}*(φ))φ=0 

と定義しました。
 

(φ)0の意味はF(φ)に左から微分演算子: 

exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)} 

=Σk=0(1/k!)(1/2)k(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}を作用させ 

最後にφをゼロと置く操作です。
 

これは,exp[i∫d{int(φ)+J*φ}]0では, 

級数展開Σk=0(1/k!) )1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)} 

1次ごとにexp[i∫d{int(φ)}]からφ()φ()のような 

φの対を1つ取り除き,代わりに自由場のFeynman伝播関数: 

iΔ(x-y)=<0|(φin()φin()|0> で置き換える 

という操作を示しています。
 

そして,係数(1/2)はxとyの交換の自由度2で割ることを意味  

します。また,自由場のFeynman伝播関数は,Fourier積分の形で  

Δ(x-y)=∫d4(2π)-4[exp{i(x―y)} 

/(2-m2iε)] なるものです。
 

生成関数における指数関数の級数展開は,  

[]=<exp[i∫{int(φ)+J*φ}]0  

/exp[i∫{int(φ)}0

=Σ=0(1/m!)∫d41..  

iint(1).. iint()exp(i*φ)0/(分母) 

となります。
 

右辺の級数展開は相互作用intに比べて,微小な摂動で 

あると考えたときの摂動展開級数そのものです。
 

(分母)=<exp[i∫{int(φ)}0の効果については,遷移 

要素の摂動計算に考慮すべきでないと考えられる真空泡グラフを 

(分子)から相殺して除去する操作に関わるものなので,本質的寄与 

をする(分子)の各項について具体的計算方法を考えます。
 

具体的には,< >0.まず.φの2個の積の場合,明らかに, 

φ(1)φ(2)0iΔ(1-x2)[φin(1in(2)]  

です。便宜上,iΔ(1-x2),Symbolic[φin(1in(2)] 

なる記号で表現しました。このように,φ(1),φ(2)の組を 

Feynman伝播関数 iΔ(1-x2)で置き換える操作を縮約 

(contraction)と呼びます。
 

以下.具体的に,経路積分による定式化を整理すれば,Feynman 

グラフによる通常の伝統的摂動論の計算法に一致することが 

示せることを記述しています。
 

Fermionへの一般化もできますが,今回これは省略します。
 

ここまでは既に記述した過去シリーズ記事の(1)(11) 

内容です。
 

ここから今回本題の「有効作用と有効ポテンシャル,」の 

話を追加します。
 

まず,Green関数の生成汎関数は, 

[]=<0|exp(iJ*φ)]|0 

=<exp[i∫{int(φ)+J*φ}]0 

/exp[i∫{int(φ)}0 

­­=N∫φexp[i{[φ]Jφ}]  

と表現されます。
 

このとき,[]exp{i[]}によって,[]を定義します。
 

proper連結グラフ(固有連結グラフ)とすると, 

[]expと表わせるので,i[]は連結固有Green関数 

の生成汎関数です。
 

一方,[]=S[φ]+Jφと表わしていますが,具体的には, 

Jφ=∫d4xΣiiφi(),であり,[φ]は作用積分の形で 

[φ]=∫d4(φ(),φ()) です。
 

ここで,有効作用;Γ[φ]をW[]から.汎関数のLegebdre変換: 

Γ[φ]=W[]Jφ によっ定義します。
 

ところで,δZ/δi 

(iδW/δi)Z=i0|φi()exp(iJ*φ)]|0>より, 

φ~i()(δW/δJi) 

0|φ()exp(iJ*φ)]|0/Zとおくと, 

φ~i(x)(δW/δi),()という外場が存在する 

ときの場:φ()の期待値を意味することがわかります。
 

Γ[φ]をJ()でなく,上記の期待値:φ~i()の関数: 

Γ[φ~]と考えると,()=δΓ[φ~]/δφ~i()です。
 

(※注:何故なら.WはJの関数と見ると,Wのφ~iによる微分は

δW/δφ~i=Σk(δJ/δφ~i)(δW/δJ) 

=Σk (δJ/δφ~i)φ~k であり, 

一方,δ(Jφ)/δφ~i(δJ/δφ~i)φ~+Jなので, 

δΓ/δφiδW/δφ~i-δ(Jφ)/δφ~i=-Ji 

となるからです。(注終わり※)
 

有効作用:Γ[φ~]が重要な理由の1つは,これが1PI 

(1粒子既約)な頂点関数:Γ()の生成汎関数になっている点: 

つまり,Γ[φ~]=Σn=0(1/!)∫d41..4n 

φ~i1(1)..φ~in(n)Γ()i1..in(1,..n) 

となっている点です。
 

ここで,[]に効くグラフで伝播関数の線を1本切ってグラフ 

が2つの部分に分離できるとき,その線を関節線と呼びます。 

伝播関数の線が外線のそれであれば常に関節線ですが,外線以外 

に関節線を持たないグラフを1PI(1粒子既約)なグラフ,内線 

にも関節線があるそれを1粒子可約なグラフと呼びます。
 

結局,Γ[φ~]は量子効果であるループグラフを除く単純な 

Treeレベルでは,cPlanck定数としたO(c)を除く近似 

で古典的作用積分:[φ~]=∫d4(φ~,∂φ~)に一致します。
 

この有効作用の物理歴意味をさらによく理解すべく,より特殊な 

場合を考えます。
 

外場Jと期待値φ~が共に時間x0=tに依存しない場合を 

考えると,この場合.時間並進不変性があるのでW[],Γ[φ~] 

の∫d4x表現から,無限大の時間因子:  

T=∫dx0がくくり出せます。
 

すなわち,[()=J()] =-w[()]∫dx0, 

Γ[φ~()=φ~()]=-E[φ~()]∫dx0  です。
 

さらに,Jとφ~が時空座標xに完全に依存しない定数の場合. 

[()=J]= =-w[]∫d4, 

Γ[φ~()=φ~]=-V[φ~]∫d4 です。
 

最後の,[φ~]はφ~の関数であり,有効ポテンシャルと 

呼ばれます。
 

3次元空間のの関数:φ~()の汎関数:[φ~()]には 

決まった名称はありませんが,[φ~]にならって 

有効エネルギーと呼んでおきます。
 

Jとφ~がt=x0に依存しないときを考えると, 

[]exp{i[]}exp{i[]} 

=<0| exp{i[]}0,ただし,[] 

-∫d3()φ~(), 

Hはエネルギーを意味するHamiltonianです。
 

つまり,期待値の関数としては, 

=∫d3{π~φ~(φ~,∂φ~)}, 

=-∫d3(φ~,∂φ~)=-Lです。
 

何故なら,φ~がt=x0に依存しないため, 

共役:π~=∂L/(0φ~)=∂0φ~ 

がゼロだからです。
 

そして,真空:|0>はエネルギーHの最低固有値状態 

(基底状態)でしたが,ここでも-iε処法を採用していると 

すれば,T=∫dx0=∞ の極限では,事実上, 

[]-∫d3()φ~()の基底状態:|0 

のみがexp{i[]}=<0| exp{i[]}0 

|0>に効きます。
 

それ故,T → ∞ではw[][]の基底状態の 

エネルギー固有値です。 

つまり,[] |0>=w[] |0>です。
 

他方,この)固有値問題は,量子力学の変分原理の問題と同じく, 

<Ψ|Ψ>=1,<Ψ|φ()|Ψ>=φ~()の下で,<Ψ||Ψ> 

を停留値にする停留解:|Ψ>を求める停留問題とみなすことが 

できます。すなわち,この,|Ψ>=E|Ψ>の解が, 

|Ψ>=|0,E=w[]を与えます。
 

したがって,場の理論で真空を探す問題では,予め並進不変性を 

考慮して,[φ()]に依存しないφ~の関数である有効 

ポテンシャル[φi~]の停留点を∂V[φ~]/∂φi~から 

求めればいいです。
 

結局,有効ポテンシャル:[φ~],場φi()の期待値がφi~ 

(定数)である条件下での基底状態のエネルギー密度と解釈され 

その最低の固有値に対応する状態が真空です。
 

※※  

有効作用:Γ[φ~]1粒子既約な頂点関数:Γ()の生成汎関数で 

あったことから従う有効ポテンシャル:[φ~]のもう1つの側面 

に注意します。
 

頂点関数:Γ()の運動量表示Γ~()を運動量保存のδ関数を外して 

定義します。 

∫d41..4n exp{i11..inn}

Γ()i1/..in(1,..,n) 

=Γ~() i1..in( (1,..,n)(2π)4δ4(1..+pn)

です。
 

Γ[φ]=Σn=0(1/!)∫d41..4nφi1(1)..φin(n) 

Γ()i1..in(1,..n)において, 

φi()=φ~i(定数)とし,[Φ]の定義式,および, 

(2π)4δ4(p=0)=∫d4 exp(ipx)|p=0を考慮して 

[φ~]=-Σn=0(1/!)φ~i1..φ~inΓ~()i1..in(0...,0) 

を得ます。
 

すなわち,有効ポテンシャル:[φ~]は運動量pi 

が全てゼロのときのn点頂点関数の生成関数 

という意味を持っています。
 

[]の経路積分表式: 

[]exp(i[])­­=N∫φexp[i{[φ]Jφ}] 

,Γ[φ~]=W[])­­Jφ=に代入して,自然単位にPlanck定数: 

cを復活させると, 

Γ[φ~](ic)ln[φexp{(i/c){[φ](φφ~)}] 

経路積分φの積分変数をφ → φ+φ~と変数置換し, 

-Ji()=δΓ/δφiを代入すれば,Γ[φ~] 

(ic)ln[φexp{(i/c){∫d4 

([φφ~](δΓ/δφ)φ)}] です。
 

ここで,[φφ~]をc-: φ~のまわりで量子場:φ() 

で展開すると,[φφ~][φ~](/∂φi)φi 

(1/2)φi|(iF)-1φ~}ijφjint[φ;φ~] です。
 

ここに,|(iF)-1φ~}ij,|(iF)-1φ~}ij 

(2[φφ~]/∂φi∂φj)|φ=0(2[φ~]/∂φ~i∂φ~j) 

で与えられます。
 

これは場:φの期待値がφ~であるような真空の上でのFeynman 

伝播関数の逆数であり,int[φ;φ~]φについて3次以上の 

φ~における相互作用項です
 

この[φφ~]の展開をΓ[φ~]の表式に代入すると, 

Γ[φ~]=∫d4[φ~]+Γ~[φ~] : 

Γ~[φ~](ic)lnφexp[(i/c){∫d4 

[(1/2)φi|(iF)-1φ~}ijφjint[φ;φ~](δΓ/δφ)φ}] 

です。
 

これで,うまい具合に有効作用Γ[φ~]から,古典的作用積分: 

[φ~]=∫d4[φ~]が分離されました。※※
 

(3-1終わり※)
 

(以上再掲載終了※)(2-1終わり※)
 

最初の予定外の過去記事を参照した注釈を書いたため,1記事  

としては長くなり過ぎたので,ほとんど過去の再掲載ですが  

今回はここまでにします。 

(参考文献)九後太一郎著「ゲージ場の量子論Ⅰ,Ⅱ」

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