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2019年3月10日 (日)

くりこみ理論(次元正則化)(3)

「くりこみ理論(次元正則化)」の続きです。

※ブログ草稿を書いていて思ったのですが,外国語の 

テキストなら,直訳的翻訳でも自分のオリジナルな文章 

を書いている,という思いを感じますが,今回のように 

九後さんの日本語のテキストを自分で学習した履歴の 

ノートを,写経していると,もはや弱視力のため種本の 

詳しい参照もむずかしいのですが,自分なりに行間を 

埋めた箇所を除けば,参考の文献とは書きながら,実は

丸写しに近いというような感が否めません。

例の理研のOさんの博士論文での一部盗用疑惑事件。。 

昔なら文章を丸々コピペする技術など困難で,マニュアル 

で写し取るのも大変でしたから,多少の違いは自然に生じ 

ますから単に引用であると主張できます。

もっとも参考文献であるとして引用先を明示しておけば 

丸写しでも盗用じゃなく引用でしょうが。。。

まあブログ草稿書きは2度目の写経のようなものです。 

「門前の小僧,習わぬ経を覚える。」というようなもので 

私にとってこの勉強法は確認作業です。

オリジナルな発見,発明以外は如何に高邁なものでも所詮 

パクりですからと開き直り。。 

「三つ子の魂百まで」ではないが,10代の後半に受けた物理学 

の洗礼。。幸か不幸か?プロの教師でも研究者でもないのに 

70歳にならんとするまで取り憑かれているのです。 

スポーツじゃないから肉体的障害あっても体力は関係ないし実験

じゃないからお金もかからない道楽ですね。余談でした。※

※さて本題です。,先の第4章摂動論の記事注釈で見たように, 

一般にn点Green関数()1PIのm点頂点関数Γ(m)(m=n) 

表わされるので,全ての Γ(n)を有限にすることができれば 

()は有限になるはずです。 

それ故.今後くりこみの議論においては,もっぱら1粒子既約 

(1PI)な頂点関数Γ(n)のみを考察することにします。

特に,2点関数:Γ(2)treeグラフ以外の寄与を一般に自己

エネルギー(self-energy)部分と呼びます。

Fermionの自己エネルギー部分(iΣ())に寄与するグラフ 

は今の湯川相互作用のみの場合,先の図7.1で与えられるので,

ここで,その最初のグラフに対応する最低次loop)の寄与: 

(iΣ(1-loop)())を評価してみます。

iΣ(1-loop)()=∫4(2π)4(igτi){i/(-m)} 

(igτj)[iδij/{(p-k)2-μ2}]..(3) です。

この1-loop∫積分は被積分関数がkの(-3)次で積分d4kが

kの4次なので,明らかに(4-3)=1次発散量になります。 

(※実際には,すぐ後でわかる運動学的理由から1次 

下がった対数発散となります。※)

そして,Feynmanパラメータ公式:

1(ab)01dx[1/{ax-b(1-x)}2] より 

iΣ(1-loop)()3201dx∫d(2π)-n 

[(+m)/{22(pk)+x(2-μ2)(1-x)2}2] 

となるため,結局,
  iΣ(1-loop)()(1)1/232Γ(2-n/2)(4π)n01dx 

[(+m)/{(1-x)2+xμ2x(1-x)2}2-n/2]
  が得られます。

(3-1):何故なら,「くりこみ理論(次元正則化)(1) 

の最後で得た公式(13): 

∫dn(2π)-n[/(22kp-m2iε)α] 

{(1)α+1/2(4π)n/2Γ(α-n/2)/Γ(α)}

×(2+m2)(α-n/2)

において,両辺をpμで微分すると

(-α)∫d(2π)-n[-kμ/(22kp-m2iε)α+1] 

(1)α+1/2(4π)n/2Γ(α-n/2)/Γ(α)} 

×(2μ)(2+m2)(α-n/21)  となります。故に,  

∫d(2π)-n[μ/(22kp-m2iε)α+1]

{(1)α+1/2(4π)n/2Γ(α-n/2)/Γ(α+1)} 

×(2μ)/(2+m2)(α-n/21)です。

そこで,p→(xp),2 (1-x)2-x(2-μ2)

α→2 という置き換えを実行すれば, 

∫d(2π)-n 

[/{22(pk)(2-μ2)(1-x)2}2] 

{(1)1/2(4π)n/2Γ(2-n/2)/Γ(3)}()  

/{(1-x)2+xμ2x(1-x)2}2-n/2]です。

また,∫dn(2π)-n 

[/{22(pk)+x(2-μ2)(1-x)2}2]

{(1)1/2(4π)n/2Γ(2-n/2)/Γ(2)}

となるからです。  (3-1終わり※)

一方,∫dn(2π)-n[/(22kp-m2iε)α] 

{(1)α+1/2(4π)n/2Γ(α-n/2)/Γ(α)}  

×(2+m2)(α-n/2) ..(13)なる一般式は, 

I=∫dn(2π)-n[/(22iε)α] 

{(i)α+1/2(4π)n/2Γ(α-n/2)/Γ(α)} 

×(2iε)(α-n/2) …(8)において,  

k→(k-p),2(2+p2)と置換したものです。

α=2,ε=(4-n)/2=α-n/2と置くと 

Γ(ε)1/ε-γ+O(ε)から, 

∫dn(2π)-n[/(22kp-m2iε)α] 

{(1)α+1/2(4π)n/2Γ(α-n/2)/Γ(α)} 

×(2+m2)(α-n/2)

{(1)α+1/2(4π)-2

[2/(4-n)-γ+ln(4π)ln(2+m2)+O(4-n)] 

{(1)α+1/2(4π)-2[ε~-1ln(2+m2)]+O(4-n) 

となることが前々記事で導かれました。 

ただし,ε~-12/(4-n)-γ+ln(4π),無限大部分です。

同様な手順で,iΣ(1-loop)(),n=4の極部分を 

分離すると,次式を得ます。

すなわち, 

iΣ(1-loop)(){(1)1/232/(16π2)}ε~-1{(1/2)+m}

iΣ(有限)(1-loop)()+O(4-n).(6-1):ただし, 

iΣ(有限)(1-loop)()]{(1)1/232/(16π2)}01dx

[(+m)ln{(1-x)2+xμ2x(1-x)2}].(6-2) 

です。

もしも次元正則化の代わりに,Pauli-Villers正則化を用いて, 

時空次元は4のままで,φの伝播関数:iδij(2-μ2)-1, 

iδij{(2-μ2)-1(2-Λ2)-1]としたとすれば, 

その答は上記の(6)でμ2→Λ2としたものを(6)から引く 

だけで得られます。

結果的に極のε~-1に比例した無限大部分は次のように 

置き換えられます。, 

すなわち.{(1)1/232/(16π2)}ε~-1{(1/2)+m} 

{(1)1/232/(16π2)}01dx 

[(+m)ln{(1-x)2+xΛ2x(1-x)2} 

{(1)1/232/(16π2)}

×{(lnΛ21)(/2)(lnΛ21/2)} 

+O[2/Λ2(2/Λ2)ln(2/Λ2)]..(7)

(※実際の地道なPauli-Villers正則化計算結果との比較 

から係数:(1)1/2iと同定できます。※)

前にも述べたと思いますが,このΛ→∞のとき発散する部分 

である()式には切断:Λの1次以上の発散項は出現せず, 

lnΛ2に比例する対数発散項しかありいません。

その理由は,loop積分の結果が必ず(次元1を持つ)やm 

に比例した形になるため,結果的に次元が1だけ下がる 

からです。

γμには比例せず,単位行列1に比例した部分が因子:mを 

少なくとも1つ含むのは,m=0の場合には,カイラル対称性 

が存在すべきで,そうした(単位行列1に比例した)項は出現 

しないからです。

一般に1-loopでなくてもFermionの自己エネルギー部分は

Σ()(2)+mb(2) 

(-m)(2)+m~(2)

~(2)=a(2)+b(2)…(8) の形をとります。

(2),(2),~(2)はp2の関数であり,これら

2=m2のまわりでTaylor展開すれば,,

自己エネルギーは.Σ()(-m)a+mb~ 

(2-m2){(-m)’(2)+mb~’(2)} 

(ただし,a=a(2=m2),~=b~(2=m2))…(9) 

と書き換えることができます。

前述のΣ(1-loop)の計算では,次元正則化による式(6)

または,Pauli-Villers正則化による式(7), 

Σ()(-m)a+mb~ 

(2-m2){(-m)’(2)+mb~’(2)} 

の展開の係数a,~にのみ発散量が出現します。

すなわち, 

(1{32/(16π2)}(1/2)ε~-1(有限定数) ,or 

(1{32/(16π2)}(1/2)lnΛ2(有限定数) 

~(1{32/(16π2)}(3/2)ε~-1(有限定数) ,or 

~(1{32/(16π2)}(3/2)lnΛ2(有限定数)…(10)

です。

そして,残りのa’(2),~’(2)は有限なp2の関数である

ことが示されます。この点は特に重要です。

この事実は.このオーダーでは当然で,そもそも1-loop積分を 

行なう前の式;(3):iΣ(1-loop)()∫d4(2π)4

(igτi){i/(}(igτj)[iδij/{(p-k)2-μ2}] 

において,被積分関数を次元1を持つ外線運動量:μに関して 

Taylor展開すれば,μの次数が上がるごとに,1次ずつkの 

loop積分の収束性が良くなるからです。 

(※Σ()(-m)(2)+mb~(2)のようにΣ() 

を不変振幅:(2),~(2)に分解して,2の関数として 

Taylor展開すれば収束性は2次ずつ良くなります。※)

問題はa.~に現われる無限大をどう処理するか?です。

,~の物理的意味を見るため,以前の式: 

iF’()i{-m-Σ()}-1i{Γψ(2)()}-1. 

戻って考えます。

これにΣ()(-m)a+mb~を代入すると,

iF’()i{-m-(-m)a-mb~}-1 

i(1-a)-1[{1+b~/(1-a)}]-1..(11)

となります。

これは相互作用の効果によって,~<<1のとき,

Fermionの質量がmから,{1+b~/(1-a)}にずれる 

こと.および,:ψの規格化因子:21から(1-a)-1 

に変化することを表わしています。

現状の摂動論では,,~は無限大に計算されるので, 

~<<1などの条件には程遠いのですが,たとえ発散する 

理論の場合でも,「相互作用が存在すれば質量:mと規格化

因子:2をずらす効果を有する。」ということが重要です。

そこで,この効果を予め考慮して,出発点の裸のLagrangian 

0の自由項部分は元の(1)(1/2)(μφμφ-μ2φ2)

ψ~(γμμ-m-gφτ)ψ(λ/8)(φ2)2のそれとは異なり, 

0freeψ0~(γμμ-m0)ψ0(1/2)(μφ0μφ0-μ02φ02) 

(12)であるとします。

相互作用の効果を全て取り込んだ後の正しく規格化された場 

を改めてψ,φとし,正しい質量をm,μと呼び,(これらが12) 

に現われる裸の量と,ψ0=Z21/2ψ,φ0=Z31/2φ,.(13).および, 

0=m-δm,μ02=μ2-δμ2..(14)なる関係でつながって 

いるものとします。

そうすれば,0freefreecountfree..(15) 

freeψ~(γμμ-m)ψ(1/2)(μφμφ-μ2φ2)(16) 

countfree(21)ψ~(γμμ-m)ψ+Z2δmψ~ψ 

(1/2)(31)(μφμφ-μ2φ2)(1/2)3δμ2 (17) 

のように,0freeは2つの部分:free,countfree.分けられます。

そして,前者のfreeが先のの摂動第0次の自由場部分 

であったと考えます。

先述したように,添字:0のついたψ0,φ0を裸の場,0,μ0 

裸の質量と呼び,対応するψ,φをくりこまれた場,,μ 

をくりこまれた質量(または,観測される物理的質量)と呼びます。

また,countfree.の各項は相殺項(couter-term)と呼ばれますが,

その理由は次のようにしてわかります。

一般に2,3やZ2δm,3δμ2 

21c2(1)c22(2).. 

31+hc3(1)c23(2).. 

2δm=0+hcδm(1)c2δm2(2).. 

3δμ201+hcδμ2(1)c2δμ2(2)..(18) 

,Plank定数:c=n/(2π)のベキで摂動展開され,

それ故,countfreeが存在すればFermionの自己エネルギー 

に対して.cの1次では,既に評価した:Σ(1-loop)以外に 

Σcount=-Z2(1)(-m)-δm(1),,(19)の寄与がある

ことになります。 

つまり,countfreeのhcの1次の項 

2(1)ψ~(γμμ-m)ψ

を相互作用項として用いた図7.3のグラフの寄与です。


  この寄与を加えれば式(9)で定義したa,~

1-loop:(c)のオーダーまでの近似で, 

a=(1)-Z2(1),mb~=mb~(1)-δm(1) (20)

となります。(※a(1),~(1)は先の1-loop計算:Σ(1-loop)から 

の寄与です。)

ところが,ψが正しく規格化された場,mが物理的質量になる 

よう,予め波動関数(),質量にくりこみを行ったのですから 

.~はくりこまれて,ゼロでなければなりません。

実際,a=b~0であれば.(11)の表式: 

iF’()i{-m-(-m)a-mb~}-1 

i(1-a)-1[-m{1+b~/(1-a)}]-1によって, 

iF’()i/(-m)となり, 

ψの2点関数(伝播関数)=mに極を持ち留数は正しく

iになります。

したがって,2(1),δm(1),2(1)(1),δm(1)=mb~(1) 

(21)ととるべきであることがわかります。

すなわち,この操作でΣ()1-loopの計算に現われた発散: 

(1),~(1countfree2(1),δm(1)の寄与で相殺される必要 

があるのです。

途中ですが今回はこれで終わります。

※参考文献:九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅱ」(培風館)

PS:また,桜の開花が近づいています。

私はいつまで生きられるのだろう。映像じゃなく満開の桜を

見に行きたいものです。

なぜか,誤嚥性の隠れ肺炎のような状態で,ときどきセキと痰 

が止まらず,酒の席でも他人に迷惑かかりそうで,なかなか,

そうした場に一人で外出できません。

   花見宴会ばかりではなく,桜に囲まれると花イキレというか? 

異様な高揚感があったことがあるのを記憶しています。

坂口安吾の「桜の森の満開の下」で背中にしがみついた女妖怪

,梶井基次郎の「桜の木の下には屍体が埋まっている」という 

ような妖しい想像など思い出されます。

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