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2020年5月23日 (土)

くり込み理論要約(2)

 ※(1)の要約に続いて(2)の内容要約です。

いきなり本題ですが,4次元時空のテンソル

添字で縮約されずに残っているものは,そのまま.

抽象的にn次元時空の添字とみなしておきます。

計量テンソルgμνもそうです。

縮約された場合はn次元の内積となり,特にgμμ=n

です。

ただし,完全反対称テンソルは,添字の個数が

次元数nに等しい場合だけ定義できるものなので,

一般の複素数nに自然に拡張することはできません。

そこで,4次元のεμνλσはn次元時空でも添字

(μ,ν,λ.ρ)が(0,1.2,3)の置換σになってる

ときのみゼロでなく,sgnσ(σの符号)の値をとる

定数テンソルであると定義します。

また,Diracスピノルの複素n次元への拡張には.

かなり任意性がありますが,ここでは任意の偶数次元

n=2kの場合に拡張し,2=2n/2成分の既約SO(1.n-1)

スピノルを考えます。

(※n=2kのとき,SO(n)はk個の2次元スピノル空間

に分解されます。全体は2次元空間の直積です。

例えばn=6,k=3での基底は,([1.0]×[1.0]T×[1.0])

etc.であり,基底は合計で23=8個なので23次元です。※)

 

この拡張スピノルで定義されるガンマ行列は,{γμν}

=2gμνを満たす抽象的代数量であり,そのトレース(対角和)

はTr(γμγν)=gμνTr(1)=gμν2n/2という規約を

与えられることになります。

(※このTr(1)=2n/2という式について深く考える必要はなく

n=4のときTr(1)=4となるようなnの連続関数であれば

いいです。これがDiracスピノルの任意性の内実で,結果

は,この任意性には依らず,無矛盾で一意となるので,気にする

ことないのです。※)

ここで,唯一問題となるのは偶数n=2k次元でのγ5=γ5

の行列です。これはΓ5=i-1γ0γ1..γn-1

={ik-1(-)n-1/n!}εμ1μ2..μnγμ1γμ2..γμnであり,

完全反対称テンソル:εμ1μ2..μnと同様 複素n次元に

拡張することはできません。

そこで4次元のεμνλρの場合と同じく,γ5

=iγ0γ1γ2γ3={(-i)/4!}εμνλργμγνγλγρ

と定義される決まった行列と考えることにします。

こうするとγ5=γ5は,γ0,γ123とは反可換

ですが,他のγμとは可換という面倒な性質を持つこと

になります。

γ5やεμνλρを複素n次元に自然に拡張できないので,

もしもゲージ変換がγ5やεμνλρを含む場合,次元正則化

でもゲージ不変性を壊します。これが,後述するように

グラフにアノマリー(量子異常)が出現する原因に関係

することがわかっています。

 

さて,具体的計算に入ります。

紫外発散が,どのように現われるかを.具体的に1つの

簡単な模型をとって1^loop計算を実行します。

合わせて,現われる発散をどう処理するか?

謂わゆる「乗法的くりこみ」

(multiplicative renormalization)の手続きについて

説明します。簡単な模型として,アイソスピンが1で

質量がμのスカラー場(例えばπ中間子):

φ=[φ123]と.アイソスピンが1/2で質量mの

Dirac場(例えば核子(p,n)):ψ=[ψ12]から成る

湯川相互作用系:Lagrangian密度が

=(1/2)(∂μφμφ-μ2φ2)

ψ~(γμμ-m-gφτ)ψ

-(λ/8)(φ2)2で与えられるものを考えます。

Feynmanグラフにおいては,φの伝播関数は

点線で.ψの伝播関数は矢印付きの実線で表わす

ことにします。

※下図7.1,図7.2は,Fermion(Dirac場)の自己

エネルギーのグラフです。

図7.2では左辺のFermionの2点Green関数:

iSF’(x)=<0{T[ψ(x)ψ(0)]|0>には,図で

灰色blobで示した1PI(1粒子既約)なグラフ全体

が図7.2のように繰り返しの形で効きます。

しかし,運動量表示での左辺の総和:iSF’(p)は,

図7.1の左辺では,上述の自己エネルギーを図7.2

と同じく灰色blobでで示されていますが,これを

-iΣ(p)と記せば,図7.2が簡単に表現されて,

iSF’(p)=i(p-m)-1

+{i(p-m)-1}{-iΣ(p)}{i(p-m)-1}

+{i(p-m)-1}{-iΣ(p)}{i(p-m)-1}

{-iΣ(p)} {i(p-m)-1}+..

=i{p-m-Σ(p)}-1=i{Γψ(2)(p)}-1となります。

最右辺のΓψ(2)(p)はψによる2点1PI(1粒子既約)

頂点関数を示す記号です。

頂点関数は2点の場合特別に2点Green関数の逆数

に一致します。

つまり,Γψ(2)(p)=-{iSF(p)}-1+{-iΣ(p)}

=i{p-m-Σ(p)}です。

さて,この記事での諸量の意味を再認識するため,

少々長たらしいですが2017年9/7の過去記事:

「対称性の自発的破れと南部-Goldston粒子(3)」

から.「第4章:摂動論」の有効作用と有効ポテンシャル,

頂点関数の定義,および,それらの関係について記した

注釈を再掲します。

(※以下再掲記事開始)

※(注):有効ポテンシャルの定義,意味については,

本ブログの2014年9/21から2015年4/21までにアップ

した記事:「ゲージ場の量子論から(その1)

(経路積分と摂動論)」の(1)~(12)において摂動論を

記述した後,有効作用,および,有効ポテンシャルの項に

入る予定でしたが,実際はその直前で長い間中断して,

その後のシリーズ再開後は間の(13).(14)に相当する

項目を省き(15)に進んでいました。

そこで,この過去記事シリーズから,適宜,必要事項

を引用し,さらに(13)(14)の内容をも追加して説明したい

と思います。

便宜上,(12)のGrassmann 代数の知見と,面倒な考察

を要するFermion場の話は省略して,まずは(1) ~ (11)

のBoson場のみから成る系で考えます。

まず,時間tを含むHeisenberg表示の初期(始)状態,

終状態を,それぞれ,|φ,t>,|φ,t>として,

その遷移振幅を,位相空間の積分:∫∫πφによる

経路積分で表わすと,<φ,t|φ,t

=∫∫φ(x,tI)=φI(x)φ(x,tF)=φF(x)πφ

×exp(i∫tItFx[π(x)φ(x)-(π(x),φ(x))])

となります。

この式の右辺から,先に∫πだけを実行して,配位空間

の積分:∫φのみによる積分表式にしたものは,Nを比例

定数として,

φ,t|φ,t>=N∫φ(x,tI)=φI(x)φ(x,tF)=φF(x)φ

×exp[i∫tItF(φ,∂φ)] です。

次に,特にGreen関数の経路積分を考えます。

 

必ずしもφの固有状態ではない一般の状態を

想定し,初期(始)状態を|Ψ,t>,終状態を,

|Ψ,tF>として,一般化されたN点Green関数を,

(N)(,..,x;Ψ,t;Ψ,tF)

≡<Ψ,tF|T[φ(x)..φ(x)]|Ψ,t

/<Ψ,tF|Ψ,t

=<Ψ|exp(-iF)T[φ(x).φ(x)exp(i)]|Ψ

/<Ψ|exp{-i(tF-t)}|Ψ> 

によって定義します。

これを変形して,最終的にGreen関数の経路積分式

として,G(N)(x,..,x; Ψ,t;Ψ,F)

=NFIDφΨ[φ(x)] Ψ(x)]

φ(x)..φ(x)exp[i∫tItF4(φ,∂φ)]

を得ます。

ここで,一般化されたGreen関数の生成汎関数:

FI[J]というモノを次のように定義して導入します。

すなわち,ZFI[J]

=<Ψ,F||Texp{i∫dxJ(x)φ(x)}

|Ψ,>/<Ψ,F|Ψ,>とします。

すると,ZFI[J]をJでN回微分してJ=0 と

置いたものが一般化されたN点Green関数になります。

つまり,

FI[J]/δJ(x)..δJ(x)]J(x1)=..J(xN)=0

=G(N)(x,..,x; Ψ,,F)です。

実は,これこそが,ZFI[J]が,Green関数

(N)(x,..,x; Ψ,t,F)の生成汎関数

である,という意味です。

そして,一般化されたGreen関数は,特に初期状態:

|Ψ>,終状態:|Ψ>が,共に系の真空状態 |0>

であるとしたとき,通常の意味のN点Green関数;

(N)(x,..,x)

=<0|T(φ(x)..φ(x))0>に一致します。

さて,話は重複するかもしれませんが,相互作用:

int(φ)が存在して,Lagrangian密度が,

(φ,∂φ)=(1/2)∂μφμφ-(1/2)μ2φ2(x)

int(φ)で与えられる実スカラー粒子の場:φ(x)

を想定します。

この相互作用しているスカラー粒子のN点Green関数

(N)は,G(N)(x1,..,xN)

=<0|T(φ(x1)φ(x2)..φ(x)|0>で

与えられますが,これの生成汎関数を特にZ[J]

とします。

Z[J]は,配位空間の経路積分によって

Z[J]=N∫φ

exp[i∫d4x{(-1/2)φ(□+μ2)φint(φ)+Jφ}]

=N∫Dφ exp[i{(-1/2)φ*(□+μ2)φ+J*φ}]

と書けます。

右辺の最後の式では,煩わしい∫dxという表現を

省略するため,時空座標xの任意関数φ(x),ψ(x)に

対して,内積とよばれる演算:φ*ψを,φ*ψ

=∫d4φ(x)ψ(x)=ψ*φによって定義し導入

しました。

Z[J]は,

結局,Z[J]=<exp[i∫d4x{int(φ)+J*φ}]>0

/<exp[i∫d4x{int(φ)}>0 なる式で表わせる

ことがわかります。

ここで任意のφの汎関数F(φ)について,<F(φ)>0

=(exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}*F(φ))φ=0

と定義しました。

<F(φ)>0の意味はF(φ)に左から微分演算子:

exp{(1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}

=Σk=0(1/k!)(1/2)k(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}

を作用させ,最後にφをゼロと置く操作です。

これは,<exp[i∫d4x{int(φ)+J*φ}]>0では,

級数展開Σk=0(1/k!) )1/2)(δ/δφ)*iΔ*(δ/δφ)}

のkの1次ごとにexp[i∫d4x{int(φ)}]から,φ(x)φ(y)

のようなφの対を1つ取り除き,代わりに自由場のFeynman

伝播関数:iΔ(x-y)=<0|T(φin(x)φin(y)|0> に

置き換えるという操作を示しています。

そして,係数(1/2)は,xとyの交換の自由度2で割ること

を意味します。また,自由場のFeynman伝播関数は,

Fourier積分の形で,Δ(x-y)

=∫d4k(2π)-4[exp{-ik(x―y)}/(k2-m2+iε)]

と書けるものです。

生成関数における指数関数の級数展開は,

Z[J]=<exp[i∫dx{int(φ)+J*φ}]>0

/<exp[i∫d4x{int(φ)}>0

=Σm=0(1/m!)∫d41..d

<iint(1).. iint(y)exp(iJ*φ)>0/(分母)

となります。

右辺の展開は相互作用intに比べて,微小な摂動

であると考えたときの摂動展開級数そのものです。

(分母)=<exp[i∫dx{int(φ)}>0の効果に

ついては,遷移要素の摂動計算に考慮すべきでないと

考えられる真空泡グラフを(分子)から相殺して除去

する操作に関わるものなので,本質的寄与をする(分子)

の各項についてのみ具体的計算方法を考えます。

具体的には,< >0は.まず.φの2個の積の場合,

明らかに,<φ(x1)φ(x2)>0=iΔ(x1-x2)

=[φin(x1)φin(x2)] です。

便宜上,iΔ(x1-x2)を,Symbolicに

in(x1in(x2)]なる記号で表現しました。

このように,φ(x1),φ(x2)の組をFeynman伝播関数

(x1-x2)で置き換える操作を縮約(contraction)

と呼びます。

以下.具体的に,経路積分による定式化を整理すれば,

Feynmanグラフによる通常の伝統的摂動論の計算法に

一致することが示せることが記述されます。

Fermionへの一般化も可能で,(12)に記述しましたが

ここでは省略します。

ここまでが既に記述した過去シリーズ記事の(1)~(11)

の内容です。

ここから「有効作用と有効ポテンシャル,」の話を

追加します。まず,Green関数の生成汎関数は,

Z[J]=<0|Texp(iJ*φ)]|0>

=<exp[i∫dx{int(φ)+J*φ}]>0

/<exp[i∫d4{int(φ)}>0

=N∫φexp[i{S[φ]+Jφ}]

と表現されるということから出発します。

このとき,Z[J]=exp{iW[J]}によって

別のJの汎関数:W[]を定義します。

をproperな連結グラフ(固有連結グラフ:

つまり,1本の内線や外線ではこれ以上分離不可能

な個々のFeynmanグラフ)の全体とすると,明らかに,

Z[J]=expと表わせるので,iW[J]は連結固有

Green関数の生成汎関数ということになりまです。

 一方,W[]=S[φ]+J*φと表わされていますが,

具体的には,J*φ=∫d4xΣiiφi(x)であり,S[φ]

は,作用積分の形で,S[φ]=∫d4(φ(x),∂φ(x))

です。

ここで,φの汎関数である有効作用;Γ[φ]を,このW[J]

から,汎関数のLegebdre(ルジャンドル)変換:

Γ[φ]=W[]-φ によっ定義します。

ところで,δZ/δi

=(iδW/δi)Z=i<0|φi(x)Texp(iJ*φ)]|0>

より,φ~i(x)=(δW/δJi)

<0|φi(x)Texp(iJ*φ)]|0>/Zとおくと,

φ~i(x)=(δW/δi)なる量は,(x)という外場が

存在するときの,場φi(x)の期待値を意味するという

ことがわかります。

そこで,Γ[φ]をJi(x)を通じたφの関数でなく,上記

のφの期待値:φ~i(x)の関数,つまりΓ[φ~]の形である.

と考えると,i(x)=δΓ[φ~]/δφ~i(x)です。

(何故なら.WはJの関数と見ると,Wのφ~i

による微分は,δW/δφ~i=Σk(δJk/δφ~i)(δW/δJk)

=Σk (δJ/δφ~i)φ~kであり,一方,δ(Jφ)/δφ~i

=(δJk/δφ~i)φ~k+Jなので,δΓ/δφi

δW/δφ~i-δ(Jφ)/δφ~i=-Jiとなるからです。)

有効作用:Γ[φ~]が重要な理由の1つは,これが1PI

(1粒子既約な)頂点関数:Γ(n)の生成汎関数になっている

点です。つまり,Γ[φ~]=Σn=0(1/n!)∫d41..d4n

φ~i1(x1)..φ~in(xn(n)i1..in(x1,..xn)となっている点

です。ここで,W[]に効くグラフで伝播関数の線を

1本切ってグラフが2つの部分に分離できるとき,

その線を関節線と呼びます。

伝播関数の線が外線のそれであれば常に関節線

ですが,外線以外に関節線を持たないグラフを1PI

(1粒子既約な)グラフ,内線にも関節線があるそれを,

1粒子可約なグラフと呼んだのでした。

結局,Γ[φ~]は,量子効果であるloopプグラフを

除く単純なTreeレベルでは,hcをPlanck定数とした

とき,O(hc)を除く近似で,古典的作用積分:S[φ~]

=∫d4(φ~,∂φ~)に一致します。

この有効作用の物理歴意味をさらによく理解すべ

より特殊な場合を考えます。外場Jと期待値φ~が

共に時間x0=tに依存しない場合を考えると,この場合

時間並進不変性があるのでW[]やΓ[φ~]の∫d4

表現から,無限大の時間因子:T=∫dx0がをくくり出して

除去できます。すなわち,W[J(x)=J(x)]

=-w[J()]∫dx0Γ[φ~(x)=φ~(x)]

=-E[φ~()]∫dx0  です。

 さらに,Jとφ~が時空座標xに完全に依存しない

定数の場合.W[J(x)=J]=-w[J]∫d4x,

Γ[φ~(x)=φ~]=-V[φ~]∫d4xです。

最後の,V[φ~]は,φ~の関数であり,これを有効

ポテンシャルと呼びます。

また,3次元空間のの関数:φ~()の汎関数:

E[φ~()]には決まった呼称が無かったので,V[φ~]

にならって有効エネルギーと呼びます。

Jとφ~がt=x0に依存しないときを考えると,

Z[J]=exp{iW[J]}=exp{-iw[J]T}

=<0| exp{-i[J]T}|0>です。

ただし,H[J]=-∫d3J()φ~()で,

このHはエネルギーを意味するHamiltonianです。

つまり,期待値の関数としては,

=∫d3{π~φ~-(φ~,∂φ~)},

=-∫d3(φ~,∂φ~)=-Lです。

何故なら,φ~がt=x0に依存しないため,

共役:π~=∂L/∂(∂0φ~)=∂0φ~がゼロだからです。

そして,真空:|0>はエネルギーHの最低固有値状態

(基底状態)でしたが,ここでも断熱処理:(-iε)処法を

採用しているとすれば,T=∫dx0=∞ の極限では,

事実上,[J]=-∫d3J()φ~()の基底状態:

|0>のみがexp{-iw[J]T}=<0| exp{-i[J]T}0>

の|0>に効きます。それ故,T → ∞ではw[J]は[J]

の基底状態のエネルギー固有値です。

つまり,H[J] |0>=w[J] |0>です。

他方,この)固有値問題は,量子力学の変分原理の問題

と同じく,<Ψ|Ψ>=1,<Ψ|φ()|Ψ>=φ~()の下

で,<Ψ||Ψ>を停留値にする停留解:|Ψ>を求める

停留問題とみなすことができます。

すなわち,この,H|Ψ>=E|Ψ>の解が,|Ψ>=|0>,

E=w[J]を与えます。

したがって,場の理論で真空を探す問題では,予め並進

不変性を考慮して,E[φ()]のに依存しないφ~の

関数である有効ポテンシャルV[φi~]の停留点を,

∂V[φ~]/∂φi~=0  から求めればいいです。

結局,有効ポテンシャル:V[φ~]は,場φi(x)の期待値

がφi~(定数)である条件下での基底状態のエネルギー密度

と解釈され,その最低の固有値に対応する状態が真空です。 

※※有効作用:Γ[φ~]が1粒子既約な頂点関数Γ(n)の生成

汎関数であったことから従う有効ポテンシャル:V[φ~]の

もう1つの側面に注意します。

頂点関数:Γ(n)の運動量表示Γ~(n)を運動量保存のδ関数

を外して定義します。

つまり,∫d41..d4n exp{ip11..+ipnn}

Γ(n)i1/..in(x1,..,xn)

=Γ~(n) i1..in( (p1,..,pn)(2π)4δ4(p1+..+pn)です。

Γ[φ]=Σn=0(1/n!)∫d41..d4nφi1(x1)..φin(xn)

Γ(n)i1..in(1,..xn)において,φi(x)=φ~i(定数)とし,

V[Φ]の定義式,および,(2π)4δ4(p=0)

=∫d4x exp(ipx)|p=0を考慮してV[φ~]

=-Σn=0(1/n!)φ~i1..φ~inΓ~(n)i1..in(0...,0)を得ます。

すなわち,有効ポテンシャル:V[φ~]は運動量piが全て

ゼロのときのn点頂点関数の生成関数という意味を

持っています。

W[J]の経路積分表式:Z[J]=exp(iW[])­­

=N∫φexp[i{S[φ]+Jφ}]を,

Γ[φ~]=W[])­­-Jφ=に代入して,自然単位に

Planck定数:hcを復活させると,Γ[φ~]

=(-ihc)ln[∫φexp{(i/hc){S[φ]+(φφ~)}],

ですが,経路積分φの積分変数をφ → φ+φ~と

変数置換し,-Ji(x)=δΓ/δφiを代入すれば,

Γ[φ~]=(-ihc)ln[∫φexp{(i/hc){∫d4

([φφ~]-(δΓ/δφ)φ)}] です。

ここで,[φφ~]をc-数:φ~のまわりで量子場:

φ(x)で展開すると,

[φφ~]=[φ~]+(∂/∂φii

+(1/2)φi|(iDF)-1φ~}ijφjint[φ;φ~]です。

ここに,|(iDF)-1φ~}ijは,|(iDF)-1φ~}ij

=(∂2[φφ~]/∂φi∂φj)|φ=0

=(∂2[φ~]/∂φ~i∂φ~j)で与えられます。

これは,場φの期待値がφ~であるような真空の

上でのFeynman伝播関数の逆数であり,int[φ;φ~]

φについて3次以上のφ~における相互作用項です

この[φφ~]の展開をΓ[φ~]の表式に代入する

Γ[φ~]=∫d4[φ~]+Γ~[φ~],:Γ~[φ~]

=(-ihc)ln∫φexp[(i/hc)

{∫d4x[(1/2)φi|(iDF)-1φ~}ijφjint[φ;φ~]

-(δΓ/δφ)φ}]です。 

これで,うまい具合に有効作用Γ[φ~]から,古典的

作用積分:S[φ~]=∫d4[φ~]が分離されました。

(以上,有効作用,有効ポテンシャルの説明についての

再掲載記事終了※)

結局,(2)は参考のために,過去の経路積分での摂動論

定式化の復習記事の再掲と,わずかの追加事項を述べた

だけで,ページを費やして終わりました。

(参考文献):九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅱ」

(培風館) 

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