くり込み理論(次元正則化)(13)
「くりこみ理論(次元正則化)」の続きです。
前回は,大局的ゲージ不変という対称性を
持った系の作用積分Sと,その有効作用Γを
裸の場を変数として構成した裸のS0とΓ0
において変数の裸の場を,くりこんだ場と
くりこみ定数Z,viで表わしたものに置換
する,という操作によって,くりこんだ有効
作用Γが有限になる,という手法で理論が
ゲージ不変性を保持したままの正則化に
よって,くりこみ可能となることの証明を
志向しました。
以下,これまでの手順の要約を記述します。
まず,上記の証明ため,Γ0の変数の裸の量に,
くりこんだ量による表式を代入して,計算
すべきΓを,Γ=Γ(0)+hcΓ(1)+hc2Γ(2)
+...+hcnΓ(n)+hc(n+1)Γ(n+1)+...と
摂動展開します。
初項のΓ(0)はΓ(0)=Sにより明らかに有限
なので,以下のΓ(1),Γ(2),..,Γ(n)が全て有限
にできた,という仮定の下で次のΓ(n+1)も有限
になることを示す,という帰納法に頼って証明
する手法を取りました。
S,Γには有限な寄与が自明なNL場:Baと
反ゴーストc~aを含む項があり.これらを除き
S~.Γ~とすると,満たされるべき基本的なWT
恒等式はΓ~*Γ~=0という式で与えられる
ことがわかりました。
SとS~.ΓとΓ~は,今の証明では本質的に
同じなので同一視してもよく Γ~の代わりに
Γの展開式:Γ=Γ(0)+hcΓ(1)+hc2Γ(2)+..
+hcnΓ(n)+hc(n+1)Γ(n+1)+..をΓ~*Γ~
=0に代入して,Γ(n+1)の発散部分:Γdiv(n+1)
を取り出すと,くりこみ方程式:S~*Γdiv(n+1)
=0に帰着することが導かれました。
そして,このくりこみ方程式に対しては,
次の命題が成立することが証明できます。
※[命題]:「大局が的ゲージ不変でFP
ゴースト数がゼロ,次元が4以下の局所項から
成る,ΦI,ca,K~I,Kcaの汎関数:Xが
くりこみ方程式:S~*X=0.を満たすとする。
このときXは,裸の作用積分:
S0=S[Z31/2Aaμ,..,Z~31/2Kaμ;
Z1Z3-3/2g,..]で,Zやviをずらせて得られる
変化分ΔS=δZ(ΔzS)+δvi(ΔviS)
=δZ[∂S/∂Z] Z=1Vi=0+δvi[∂S/∂vi]Z=1Vi=0
の形で与えられる。」
仮に,この命題が証明されたとすると,Xが
S~*Γdiv(n+1)=0を満たすΓdiv(n+1)である場合,
この発散が適切な相殺項で吸収され,有効作用Γ
がhc(n+1)のオーダーのΓ(n+1)まで有限となり,
帰納法によるくりこみ可能性の証明が完結する
ことになります。
実際の[命題の証明]においては,結局,
くりこみ可能性の証明はS~*X=0の一般解
Xが,X=δZ(ΔzS)+δvi(ΔviS)の形で
与えられる,という純粋に代数的な命題の証明
に帰着することがわかりました。
そうして,くりこみ方程式:S~*X=0の解
Xに関して.次の定理が成立することが
知られています。
※[定理] 「ΦI,ca,K~I,KcaのFPゴースト数
がゼロの局所多項式から成る汎関数Xで,くりこみ
方程式S~*X=0.を満たすものは,必ず,
X=Fゲージ不変[ΦI+S~*M[ΦI,ca,K~I,Kca]
の形に書ける。
ここで,Fゲージ不変はΦI=(Aaμ,φi)のみで
書かれたゲージ不変な関数で,MはFPゴースト
数が(-1)の任意の汎関数である。」
この形で書かれる汎関数Xがくりこみ方程式:
S~*X=0を満たすこと(解の十分条件)の証明
は,S~のBRS不変性,S~*S~=0,および,
Jacobi恒等式から従う,演算:(S~*)のベキ零性:
つまり,∀Xに対しS~*(S~*X)
=-((1/2)X*(S~*S^)=0.から,容易に
証明できました。
しかし,証明が自明でない,のは,逆の解と
なるための必要性の方です。
この定理は大変有用なものですが,一般的証明
は,かなり面倒なので,この必要性の詳細証明は,
既存の文献に譲って,ここでの記述は割愛します。
と書いて,前回までの記事は終わりました。
さて,ここからは,今回のその続きです。
XがS~*X=0の解となるための必要要性の
一般的証明は,かなり面倒なので割愛する,と述べ
ましたが,今,必要なのはXが,次元4以下の局所
項から成る大局的ゲージ不変な場合で,この場合
に限れば,次のようにして,解の必要性も容易に
証明できます。以下は,この証明手順です。
※[必要性の証明]:話を明確にするために物質場
φiとしては,ゲージ群:Gのある既約表現に属する
スカラー場のみが存在する系の場合を考えます。
(※もっとも,可約表現の場合や,スピノル場が存在
する場合でも本質的には同じように証明可能です。)
系のゲージ不変なLagrangian密度LGIが,
LGI(ΦI)=-(1/4)FaμνFaμν
+(Dμφi)+Dμφi-μ2φi+φi-(λ/2)(φi+φi)2.
(46)で与えられる場合を考察します。
このとき,外場を付加した作用積分:S~は,S~
=∫d4x[LGI(ΦI)+K~I(δBΦI)+Kca(δBca)]
(47)という形に書くことができます。
,ただし,δBΦI=DIaca,δBca=(g/2)(c×c)a
です。一方,問題のXは,次元が4以下の局所項から成る
FPゴースト数:NFPが0の大局的ゲージ不変な汎関数
である,と仮定されています。
ところで,外場K:~Iは,NFP=-1で次元は2,
外場:Kcaは,NFP=-2で次元は2です。
(※何故なら,dim(L)=4ですが,dim(ca)=1,
dim(g)=0なので,dim(δBΦI)=dim(DIca)
=2であり,dim(δBca)=dim{(g/2)(c×c)a}
=2でぁるからです。
また,一般線形ゲージ中の係数faIはNFP=0
で次元が1の量であることから,BRS変換:δB
に似たG群に属する変換の演算子δ~Bを導入して
S~と同様,Xが次のように書けるとします。
つまり,X=∫d4x[L~(ΦI)+K~I(δ~BΦI)
+Kca(δ~Bca)],(48)とします。
未知の演算子δ~Bは,δ~BΦIが,δ~BAaμ
=∂μca-βAfabcAbμcc
-γdgdabcAbμcc,(49-1),および,δ~Bφi
=-βφ(ig)ca(Ta)ijφj
-γφ(ig)ca(dab)ijfbj(49-2)
の組で与えられ,ゴースト項の変換がδ~Bca
=βc(g/2)(c×c)a=βc(g/2)fabccbcc.
(49-3)と書ける一般形で与えられる,とします。
一見,δ~Bφiには,δaicaのような項が
あってもよいように見えますが,系がφi→ -φi,
fai→ -faiなる変換の下での不変性を持つので,
こうした項の存在は許されません。
(※つまりδ~B(-φi)=-δB~φiが成り立つ必要
があるので,δaicaのような項は存在不可能です。)
ここで,L~(ΦI)は,ΦI=(Aaμ,φi)のみの次元
が4以下の関数,γA,γd,γφ,βA,βφ,βcは任意の
係数,dabcはTr(TaTbTc)に比例する対称不変
テンソル,(dab)ijは,φiの表現行列:(Ta)ijや
dabcなどのゲージ群Gの不変テンソルで構成
される(存在すれば)添字が(abij)の不変テンソル
です。
そしてXがくりこみ方程式:S~*X=0を
満たすべき,という要請は,先に(49)で場に対する
変換性を具体的に示したBRS変換に類似した
変換::δ~Bを,(δX/δK~I)(δ/δΦI)
+(δX/δKca)(δ/δca)
=(δ~BΦI)(δ/δΦI)+(δ~Bca)(δ/δca)
=δ~B.(50)を満たす演算子と見れば,
XとS~がδBX+δ~BS~=0,なる式を
満たすべき,ことを意味するとわかります。
※(注13-1):何故なら「くりこみ理論11)」での
任意のF,Gに対するF*Gの定義:(31):
F*G=(δF/δΦI)(δG/δK~I)
+(δF/δca)(δG/δKca)
+(-)|F|{(δF/δK~I)(δG/δΦI)
+(δF/δKca)(δG/δca)}により,
S~*X=,(δS~/δΦI)(δX/δK~I)
+(δS~/δca)(δX/δKca)
+(-)|S~|{(δS~/δK~I)(δX/δΦI)
+(δS/δKca)(δX/δca)}です。
ところが,Xはゴースト数:NFPがゼロ
なので,Grassman偶であり,S~もそうです。
さらに,ΦIもGrassmann偶です。
しかし,caはGrassman奇で外場K~Iも
NFP=-1なのでGrassman奇です。
最後に外場Kcaは,NFP=-2で,Grassman
偶です。そして,Grassman数の微分は,右微分
か左微分かの違いがあるため,どちらかに統一
する必要がありますが,偶を奇で微分したり,
奇を偶で微分すると奇で,それ以外の量間で
の微分は偶です。そして奇と奇が反可換で
ある以外は,全て可換です。
それ故,(δS~/δφI)(δX/δK~I)
+(δS~/δca)(δX/δKca)
=(δX/K~I)(δS~/δK~I)
+(δX/δKca)(δS~/δKca)
=(δ~BΦI)(δS~/δΦI)
+(δ~Bca)(δS~/δca)=δ~BS~
が,Grassman数に対する式として
成立します。
また,(-)|S~|{(δS~/δK~I)(δX/δΦI)
+(δS~/δKca)(δX/δca)}
=(δBΦI)(δX/δΦI)+(δBca)(δX/δca)
=δBX となりまず。
以上から,S*X=δ~BS~+δBXであり,
S*X=0は,δ~BS~+δBX=0と同値
であることがわかりました。
(注13-1終わり※)
このδBX+δ~BS~=0に,S~の表式:
S~=∫d4x[LGI(ΦI)+K~I(δBΦI)
+Kca(δBca)],(47),および,Xの表式:
X=∫d4x[L~(ΦI)+K~I(δ~BΦI)
+Kca(δ~Bca)],(48)を代入すれば,
次の方程式を得ます。
すなわち,δBL~(ΦI)-K~IδB(δ~BΦI)
+KcaδB(δ~Bca)+δ~BLGI(ΦI)
-K~Iδ~B(δBΦI)+Kcaδ~B(δBca)
=0.(51)です。
この方程式は,任意のK~I,Kcaについて
成立しなければならない恒等式なので,
δBL~(ΦI)+δ~BLGI(ΦI)=0,(52)
δBδ~B+δ~BδB={δB,δ~B}+=0.(53)
なる2つの独立な等式が従います。
(53)は,BRS変換δBと(47)で定義された
BRSの類似変換δ~Bが反可換であるという
要請ですが,これはcaの上では(49-3)の
δ~Bca=βc(g/2)(c×c)aと.δBca
=(g/2)(c×c)aから,δ~B=βcδBとなり,
δBδ~B=δ~BδB=βcδB2=0となるため,
自動的に満足されます。
しかし,Aaμの上では,δ~BAaμ=∂μca
-βAfabcAbμcc-γdgdabcAbμcc,
(49-1)であり,δBAaμ=Dμca=∂μca
-fabcAbμccなので,
δBδ~BAaμ=δB(∂μca-βAfabcAbμcc
-γdgdabcAbμcc)
=(g/2)∂μ(c×c)a-βAfabc{(Dμcb)cc
+(g/2)Abμ(c×c)c}-γdgdabc{Dμcb}cc
+(g/2)Abμ(c×c)c}であり,
一方では,δ~BδBAaμ=δ~B(Dμca)
=βc(g/2)Dμ(c×c)a ですから,反可換で
要求される,δBδ~BAaμ+δ~BδBAaμ=0.
を満たすには,βA=βc,0,かつ,γd=0.(54)
が必要十分です。
さらに,スカラー場:φlの上で成立するため
には,βφ=βc(55)の条件の他,不変テンソル:
(dab)ijが,(Ta)ij(dbd)jk=(Tb)ij(dad)jk
=fabc(dcd)jk.(56)を満たすことが必要
となります。
※(注13-2):何故なら,(49-2)から,
δ~Bφi=-βφ(ig)ca(Ta)ijφj
-γφ(ig)ca(dab)ijfbj であり,
一方,δBφi=-(ig)ca(Ta)ijφjです。
そして,δB,δ~Bは,ゴースト場:cとは
反可換である,と考えられるので,
δB(caφi)=(δBca)φj-caδBφj,
δ~B(caφi)=(δ~Bca)φj-caδ~Bφj
です。それ故,δBδ~Bφl
=-βφ(ig)(δBca)(Ta)ijφj
+βφ(ig)ca(Ta)ij(δBφj)
-γφ(ig)(δBca)(dab)ijfbj
=(-ig2/2)βφ(c×c)a(Ta)ijφj
-(ig)2βφcacb(Ta)ij(Tb)jkφk
-(ig2/2)γφ(c×c)a(dab)ijfbj
他方,δ~BδBφi
=δ~B|(-ig)ca(Ta)ijφj}
=-ig{(δ~Bca)(Ta)ijφj-ca(Ta)ij
×(δ~Bφj)
=-(ig2/2)βc(c×c)a(Ta)ijφj
-(ig)2βφcacb(Ta)ij(Tb)jkφk
-γφ(ig)2cacb(Ta)ij(dbd)jkfdk)
ですから,δ~BδBφi+δBδ~Bφi=0
となるには,cがFPゴーストで,スピンゼロ
なのにFermionという,奇妙な反交換する場
で,cbca=-cacbであることを考慮
すると,δ~BδBφi+δBδ~Bφi
=(-ig2/2)(βc+βφ)(c×c)a(Ta)ijφj
-βφ(ig)2cacb[Ta.Tb]ijφj
-(ig2/2)γφ(c×c)a(dab)ijfbj
-(ig)2γφcacb((Ta)ij(dbd)jkfdk
と書けます。
ところが.[Ta,Tb]=ifabcTcであり,
定義により,(c×c)a=fabccbccなので,
cacb[Ta,Tb]ijφj
=ifabccacb(Tc)ijφj
=i(c×c)a(Ta)ijφjです。
故に,βc=βφであれば,右辺の第1項と
第2項は相殺して消えます。
第3項については,
γφ(-ig2/2]fabccbcc(dad)ikfdj
-γφ(ig)2cacb(Ta)ij(dcd)jkfdk}
=-(γφg2)[(i/2)fabc(dcd)ik
-(Ta)ij(dbd)jk](cacbfdk)=0
であればいいのですが,(cacbfdk)
がfabcと同じくa,bの交換について
反対称なのでこれらは独立でなく恒等式
の未定係数法を使うため,1つの独立な組
(a,b)の係数を取ってゼロとして,
{(i/2)fabc(dcd)ik-(Ta)ij(dbd)jk]
-{(i/2)fbac(dcd)ik-(Tb)ij(dad)jk]
=0 が得られます。
結局,(Ta)ij(dbd)jk -(Tb)ij(dad)jk
=,ifabc(dcd)jk となるべきであること
がわかりました。
しかし,この結論は,
(Ta)ij(dbd)jk=(Tb)ij(dad)jk
=fabc(dcd)jk.(56)を,満たす必要がある,
とされていた,参考文献の内容と違います。(?)
(注13-2終わり※)
いずれにしろ,(dab)ijは,さらに分解されて
(dab)ik=(Ta)ij(db)jk.(57)のようにできる
ことが示唆されています。(※ここで,同じ記号
dを使いましたが(57)両辺のdは別定義です。)
こうして,得られた(56),(57)および,βφ=βc
=βA,かつγd=0が,δBとδ~Bが反可換で
あることから得られたδ~Bの表現係数に関する
全情報です。
次に,δBL~(ΦI)+δ~BLGI(ΦI)=0,(52)を
解いて.L~(ΦI)の形を決める必要があります。
まず,(49)で具体的に与えたδ~Bの変換は,元
のBRS変換:δBに係数;βA=βc=βφで比例
する部分を抜き出して.その他との和に分割すると,
δ~B=βAδB+(γA-βA)(∂μca)(δ/δAaμ)
-γφ{igca(Ta)ij(db)jkfbk}(δ/δφi)
(58)となります。
そして,これの右辺第2項,第3項の微分演算
は(∂μca)(δ/δAaμ)
=[(Dμca)(δ/δAaμ),Adν(δ/δAdν)]
=[δB,Asμ(δ/δAaμ)].(59-1)
{igca(Ta)ij(db)jkfbk}(δ/δφi)
=[igca(Ta)ijφj(δ/δφi).
(db)jkfbk(δ/δφi)]
=[δB,(da)ijfaj(δ/δφi)].(59-2)
のように,BRS変換:δBと何らかの交換関係
の形に書けます。
それ故,δ~B=βAδB
+[δB,(γA-βA)Asμ(δ/δAaμ)
-γφ(da)ijfaj(δ/δφi)] となります。
したがって,δBL~(ΦI)+δ~BLGI(ΦI)
=0は,δBLGI(ΦI)=0なので,δBL~(ΦI)
=δB{(βA-γA)Aaμ(∂LGI/∂Aaμ)
+γφ(da)ijfaj}(∂LGI/∂φi)}.(60)
を意味します。
それ故,明らかに。右辺の括弧:{ }の中は(52)
を満たすL~(ΦI)を与える1つの特殊解です。
(52)に対するL~(ΦI)の一般解を得るには,
斉次(同次)方程式δBL~(ΦI)=0の一般解を得る
必要がありますが.δBが,ΦI=(Aaμ,φi)の上
ではゲージ変換に過ぎないので,同次方程式の
一般解はゲージ不変な一般関数です。
結局,δBL~(ΦI)+δ~BLGI(ΦI)=0(52)を
満たすL~(ΦI)の一般解は,L~(ΦI)
=fゲージ不変(ΦI)+βA-γA)Aaμ(∂LGI/∂Aaμ)
+γφ(da)jkfak}(∂LGI/∂φi).(61)
で与えられる,ことがわかります。
ところで,L~(ΦI)には次元が4以下である,
という条件があったのでfゲージ不変(ΦI)の一般形
は,fゲージ不変(ΦI)=αA{(-1/4)FaμνFaμν}
+αφ{(Dμφi)+Dμφi}-αm(μ2φi+φi)
-αλ{(λ/2)(φi+φi)2}.(62)で与えられます。
結局,くりこみ方程式:S~*X=0の解Xは,
X=∫d4x[L~(ΦI)+K~I(δ~BΦI)
+Kca(δ~Bca)](48)である,としていたので,
X=∫d4x[fゲージ不変(ΦI)
+βA{K~I(δBΦI)+Kca(δBca)}
+(βA-γA){Aaμ(∂LGI/∂Aaμ)
-K~aμ(∂μca)}
+γφ(da)ijfaj{∂(LGI+K~iδBφi)/∂φj}].
(63) と書けることがわかりました。
途中ですが長くなったので,今回はここで
終わります。
(参考文献):九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅱ」
(培風館)
くりこみ理論(次元正則化)(13)
「くりこみ理論(次元正則化)」の続きです。
前回は,大局的ゲージ不変という対称性を
持った系の作用積分Sと,その有効作用Γを
裸の場を変数として構成した裸のS0とΓ0
において変数の裸の場を,くりこんだ場と
くりこみ定数Z,viで表わしたものに置換
する,という操作によって,くりこんだ有効
作用Γが有限になる,という手法で理論が
ゲージ不変性を保持したままの正則化に
よって,くりこみ可能となることの証明を
志向しました。
以下,これまでの手順の要約を記述します。
まず,上記の証明ため,Γ0の変数の裸の量に,
くりこんだ量による表式を代入して,計算
すべきΓを,Γ=Γ(0)+hcΓ(1)+hc2Γ(2)
+...+hcnΓ(n)+hc(n+1)Γ(n+1)+...と
摂動展開します。
初項のΓ(0)はΓ(0)=Sにより明らかに有限
なので,以下のΓ(1),Γ(2),..,Γ(n)が全て有限
にできた,という仮定の下で次のΓ(n+1)も有限
になることを示す,という帰納法に頼って証明
する手法を取りました。
S,Γには有限な寄与が自明なNL場:Baと
反ゴーストc~aを含む項があり.これらを除き
S~.Γ~とすると,満たされるべき基本的なWT
恒等式はΓ~*Γ~=0という式で与えられる
ことがわかりました。
SとS~.ΓとΓ~は,今の証明では本質的に
同じなので同一視してもよく Γ~の代わりに
Γの展開式:Γ=Γ(0)+hcΓ(1)+hc2Γ(2)+..
+hcnΓ(n)+hc(n+1)Γ(n+1)+..をΓ~*Γ~
=0に代入して,Γ(n+1)の発散部分:Γdiv(n*1)
を取り出すと,くりこみ方程式:S~*Γdiv(n*1)
=0に帰着することが導かれました。
そして,このくりこみ方程式に対しては,
次の命題が成立することが証明できます。
※[命題]:「大局が的ゲージ不変でFP
ゴースト数がゼロ,次元が4以下の局所項から
成る,ΦI,ca,K~I,Kcaの汎関数:Xが
くりこみ方程式:S~*X=0.を満たすとする。
このときXは,裸の作用積分:
S0=S[Z31/2Aaμ,..,Z~31/2Kaμ;
Z1Z3-3/2g,..]で,Zやviをずらせて得られる
変化分ΔS=δZ(ΔzS)+δvi(ΔviS)
=δZ[∂S/∂Z] Z=1Vi=0+δvi[∂S/∂vi]Z=1Vi=0
の形で与えられる。」
仮に,この命題が証明されたとすると,Xが
S~*Γdiv(n+1)=0を満たすΓdiv(n+1)である場合,
この発散が適切な相殺項で吸収され,有効作用Γ
がhc(n+1)のオーダーのΓ(n+1)まで有限となり,
帰納法によるくりこみ可能性の証明が完結する
ことになります。
実際の[命題の証明]においては,結局,
くりこみ可能性の証明はS~*X=0の一般解
Xが,X=δZ(ΔzS)+δvi(ΔviS)の形で
与えられる,という純粋に代数的な命題の証明
に帰着することがわかりました。
そうして,くりこみ方程式:S~*X=0の解
Xに関して.次の定理が成立することが
知られています。
※[定理] 「ΦI,ca,K~I,KcaのFPゴースト数
がゼロの局所多項式から成る汎関数Xで,くりこみ
方程式S~*X=0.を満たすものは,必ず,
X=Fゲージ不変[ΦI+S~*M[ΦI,ca,K~I,Kca]
の形に書ける。
ここで,Fゲージ不変はΦI=(Aaμ,φi)のみで
書かれたゲージ不変な関数で,MはFPゴースト
数が(-1)の任意の汎関数である。」
この形で書かれる汎関数Xがくりこみ方程式:
S~*X=0を満たすこと(解の十分条件)の証明
は,S~のBRS不変性,S~*S~=0,および,
Jacobi恒等式から従う,演算:(S~*)のベキ零性:
つまり,∀Xに対しS~*(S~*X)
=-((1/2)X*(S~*S^)=0.から,容易に
証明できました。
しかし,証明が自明でない,のは,逆の解と
なるための必要性の方です。
この定理は大変有用なものですが,一般的証明
は,かなり面倒なので,この必要性の詳細証明は,
既存の文献に譲って,ここでの記述は割愛します。
と書いて,前回までの記事は終わりました。
さて,ここからは,今回のその続きです。
XがS~*X=0の解となるための必要要性の
一般的証明は,かなり面倒なので割愛する,と述べ
ましたが,今,必要なのはXが,次元4以下の局所
項から成る大局的ゲージ不変な場合で,この場合
に限れば,次のようにして,解の必要性も容易に
証明できます。以下は,この証明手順です。
※[必要性の証明]:話を明確にするために物質場
φiとしては,ゲージ群:Gのある既約表現に属する
スカラー場のみが存在する系の場合を考えます。
(※もっとも,可約表現の場合や,スピノル場が存在
する場合でも本質的には同じように証明可能です。)
系のゲージ不変なLagrangian密度LGIが,
LGI(ΦI)=-(1/4)FaμνFaμν
+(Dμφi)+Dμφi-μ2φi+φi-(λ/2)(φi+φi)2.
(46)で与えられる場合を考察します。
このとき,外場を付加した作用積分:S~は,S~
=∫d4x[LGI(ΦI)+K~I(δBΦI)+Kca(δBca)]
(47)という形に書くことができます。
,ただし,δBΦI=DIaca,δBca=(g/2)(c×c)a
です。一方,問題のXは,次元が4以下の局所項から成る
FPゴースト数:NFPが0の大局的ゲージ不変な汎関数
である,と仮定されています。
ところで,外場K:~Iは,NFP=-1で次元は2,
外場:Kcaは,NFP=-2で次元は2です。
(※何故なら,dim(L)=4ですが,dim(ca)=1,
dim(g)=0なので,dim(δBΦI)=dim(DIca)
=2であり,dim(δBca)=dim{(g/2)(c×c)a}
=2でぁるからです。
また,一般線形ゲージ中の係数faIはNFP=0
で次元が1の量であることから,BRS変換:δB
に似たG群に属する変換の演算子δ~Bを導入して
S~と同様,Xが次のように書けるとします。
つまり,X=∫d4x[L~(ΦI)+K~I(δ~BΦI)
+Kca(δ~Bca)],(48)とします。
未知の演算子δ~Bは,δ~BΦIが,δ~BAaμ
=∂μca-βAfabcAbμcc
-γdgdabcAbμcc,(49-1),および,δ~Bφi
=-βφ(ig)ca(Ta)ijφj
-γφ(ig)ca(dab)ijfbj(49-2)
の組で与えられ,ゴースト項の変換がδ~Bca
=βc(g/2)(c×c)a=βc(g/2)fabccbcc.
(49-3)と書ける一般形で与えられる,とします。
一見,δ~Bφiには,δaicaのような項が
あってもよいように見えますが,系がφi→ -φi,
fai→ -faiなる変換の下での不変性を持つので,
こうした項の存在は許されません。
(※つまりδ~B(-φi)=-δB~φiが成り立つ必要
があるので,δaicaのような項は存在不可能です。)
ここで,L~(ΦI)は,ΦI=(Aaμ,φi)のみの次元
が4以下の関数,γA,γd,γφ,βA,βφ,βcは任意の
係数,dabcはTr(TaTbTc)に比例する対称不変
テンソル,(dab)ijは,φiの表現行列:(Ta)ijや
dabcなどのゲージ群Gの不変テンソルで構成
される(存在すれば)添字が(abij)の不変テンソル
です。
そしてXがくりこみ方程式:S~*X=0を
満たすべき,という要請は,先に(49)で場に対する
変換性を具体的に示したBRS変換に類似した
変換::δ~Bを,(δX/δK~I)(δ/δΦI)
+(δX/δKca)(δ/δca)
=(δ~BΦI)(δ/δΦI)+(δ~Bca)(δ/δca)
=δ~B.(50)を満たす演算子と見れば,
XとS~がδBX+δ~BS~=0,なる式を
満たすべき,ことを意味するとわかります。
※(注13-1):何故なら「くりこみ理論11)」での
任意のF,Gに対するF*Gの定義:(31):
F*G=(δF/δΦI)(δG/δK~I)
+(δF/δca)(δG/δKca)
+(-)|F|{(δF/δK~I)(δG/δΦI)
+(δF/δKca)(δG/δca)}により,
S~*X=,(δS~/δΦI)(δX/δK~I)
+(δS~/δca)(δX/δKca)
+(-)|S~|{(δS~/δK~I)(δX/δΦI)
+(δS/δKca)(δX/δca)}です。
ところが,Xはゴースト数:NFPがゼロ
なので,Grassman偶であり,S~もそうです。
さらに,ΦIもGrassmann偶です。
しかし,caはGrassman奇で外場K~Iも
NFP=-1なのでGrassman奇です。
最後に外場Kcaは,NFP=-2で,Grassman
偶です。そして,Grassman数の微分は,右微分
か左微分かの違いがあるため,どちらかに統一
する必要がありますが,偶を奇で微分したり,
奇を偶で微分すると奇で,それ以外の量間で
の微分は偶です。そして奇と奇が反可換で
ある以外は,全て可換です。
それ故,(δS~/δφI)(δX/δK~I)
+(δS~/δca)(δX/δKca)
=(δX/K~I)(δS~/δK~I)
+(δX/δKca)(δS~/δKca)
=(δ~BΦI)(δS~/δΦI)
+(δ~Bca)(δS~/δca)=δ~BS~
が,Grassman数に対する式として
成立します。
また,(-)|S~|{(δS~/δK~I)(δX/δΦI)
+(δS~/δKca)(δX/δca)}
=(δBΦI)(δX/δΦI)+(δBca)(δX/δca)
=δBX となりまず。
以上から,S*X=δ~BS~+δBXであり,
S*X=0は,δ~BS~+δBX=0と同値
であることがわかりました。
(注13-1終わり※)
このδBX+δ~BS~=0に,S~の表式:
S~=∫d4x[LGI(ΦI)+K~I(δBΦI)
+Kca(δBca)],(47),および,Xの表式:
X=∫d4x[L~(ΦI)+K~I(δ~BΦI)
+Kca(δ~Bca)],(48)を代入すれば,
次の方程式を得ます。
すなわち,δBL~(ΦI)-K~IδB(δ~BΦI)
+KcaδB(δ~Bca)+δ~BLGI(ΦI)
-K~Iδ~B(δBΦI)+Kcaδ~B(δBca)
=0.(51)です。
この方程式は,任意のK~I,Kcaについて
成立しなければならない恒等式なので,
δBL~(ΦI)+δ~BLGI(ΦI)=0,(52)
δBδ~B+δ~BδB={δB,δ~B}+=0.(53)
なる2つの独立な等式が従います。
(53)は,BRS変換δBと(47)で定義された
BRSの類似変換δ~Bが反可換であるという
要請ですが,これはcaの上では(49-3)の
δ~Bca=βc(g/2)(c×c)aと.δBca
=(g/2)(c×c)aから,δ~B=βcδBとなり,
δBδ~B=δ~BδB=βcδB2=0となるため,
自動的に満足されます。
しかし,Aaμの上では,δ~BAaμ=∂μca
-βAfabcAbμcc-γdgdabcAbμcc,
(49-1)であり,δBAaμ=Dμca=∂μca
-fabcAbμccなので,
δBδ~BAaμ=δB(∂μca-βAfabcAbμcc
-γdgdabcAbμcc)
=(g/2)∂μ(c×c)a-βAfabc{(Dμcb)cc
+(g/2)Abμ(c×c)c}-γdgdabc{Dμcb}cc
+(g/2)Abμ(c×c)c}であり,
一方では,δ~BδBAaμ=δ~B(Dμca)
=βc(g/2)Dμ(c×c)a ですから,反可換で
要求される,δBδ~BAaμ+δ~BδBAaμ=0.
を満たすには,βA=βc,0,かつ,γd=0.(54)
が必要十分です。
さらに,スカラー場:φlの上で成立するため
には,βφ=βc(55)の条件の他,不変テンソル:
(dab)ijが,(Ta)ij(dbd)jk=(Tb)ij(dad)jk
=fabc(dcd)jk.(56)を満たすことが必要
となります。
※(注13-2):何故なら,(49-2)から,
δ~Bφi=-βφ(ig)ca(Ta)ijφj
-γφ(ig)ca(dab)ijfbj であり,
一方,δBφi=-(ig)ca(Ta)ijφjです。
そして,δB,δ~Bは,ゴースト場:cとは
反可換である,と考えられるので,
δB(caφi)=(δBca)φj-caδBφj,
δ~B(caφi)=(δ~Bca)φj-caδ~Bφj
です。それ故,δBδ~Bφl
=-βφ(ig)(δBca)(Ta)ijφj
+βφ(ig)ca(Ta)ij(δBφj)
-γφ(ig)(δBca)(dab)ijfbj
=(-ig2/2)βφ(c×c)a(Ta)ijφj
-(ig)2βφcacb(Ta)ij(Tb)jkφk
-(ig2/2)γφ(c×c)a(dab)ijfbj
他方,δ~BδBφi
=δ~B|(-ig)ca(Ta)ijφj}
=-ig{(δ~Bca)(Ta)ijφj-ca(Ta)ij
×(δ~Bφj)
=-(ig2/2)βc(c×c)a(Ta)ijφj
-(ig)2βφcacb(Ta)ij(Tb)jkφk
-γφ(ig)2cacb(Ta)ij(dbd)jkfdk)
ですから,δ~BδBφi+δBδ~Bφi=0
となるには,cがFPゴーストで,スピンゼロ
なのにFermionという,奇妙な反交換する場
で,cbca=-cacbであることを考慮
すると,δ~BδBφi+δBδ~Bφi
=(-ig2/2)(βc+βφ)(c×c)a(Ta)ijφj
-βφ(ig)2cacb[Ta.Tb]ijφj
-(ig2/2)γφ(c×c)a(dab)ijfbj
-(ig)2γφcacb((Ta)ij(dbd)jkfdk
と書けます。
ところが.[Ta,Tb]=ifabcTcであり,
定義により,(c×c)a=fabccbccなので,
cacb[Ta,Tb]ijφj
=ifabccacb(Tc)ijφj
=i(c×c)a(Ta)ijφjです。
故に,βc=βφであれば,右辺の第1項と
第2項は相殺して消えます。
第3項については,
γφ(-ig2/2]fabccbcc(dad)ikfdj
-γφ(ig)2cacb(Ta)ij(dcd)jkfdk}
=-(γφg2)[(i/2)fabc(dcd)ik
-(Ta)ij(dbd)jk](cacbfdk)=0
であればいいのですが,(cacbfdk)
がfabcと同じくa,bの交換について
反対称なのでこれらは独立でなく恒等式
の未定係数法を使うため,1つの独立な組
(a,b)の係数を取ってゼロとして,
{(i/2)fabc(dcd)ik-(Ta)ij(dbd)jk]
-{(i/2)fbac(dcd)ik-(Tb)ij(dad)jk]
=0 が得られます。
結局,(Ta)ij(dbd)jk -(Tb)ij(dad)jk
=,ifabc(dcd)jk となるべきであること
がわかりました。
しかし,この結論は,
(Ta)ij(dbd)jk=(Tb)ij(dad)jk
=fabc(dcd)jk.(56)を,満たす必要がある,
とされていた,参考文献の内容と違います。(?)
(注13-2終わり※)
いずれにしろ,(dab)ijは,さらに分解されて
(dab)ik=(Ta)ij(db)jk.(57)のようにできる
ことが示唆されています。(※ここで,同じ記号
dを使いましたが(57)両辺のdは別定義です。)
こうして,得られた(56),(57)および,βφ=βc
=βA,かつγd=0が,δBとδ~Bが反可換で
あることから得られたδ~Bの表現係数に関する
全情報です。
次に,δBL~(ΦI)+δ~BLGI(ΦI)=0,(52)を
解いて.L~(ΦI)の形を決める必要があります。
まず,(49)で具体的に与えたδ~Bの変換は,元
のBRS変換:δBに係数;βA=βc=βφで比例
する部分を抜き出して.その他との和に分割すると,
δ~B=βAδB+(γA-βA)(∂μca)(δ/δAaμ)
-γφ{igca(Ta)ij(db)jkfbk}(δ/δφi)
(58)となります。
そして,これの右辺第2項,第3項の微分演算
は(∂μca)(δ/δAaμ)
=[(Dμca)(δ/δAaμ),Adν(δ/δAdν)]
=[δB,Asμ(δ/δAaμ)].(59-1)
{igca(Ta)ij(db)jkfbk}(δ/δφi)
=[igca(Ta)ijφj(δ/δφi).
(db)jkfbk(δ/δφi)]
=[δB,(da)ijfaj(δ/δφi)].(59-2)
のように,BRS変換:δBと何らかの交換関係
の形に書けます。
それ故,δ~B=βAδB
+[δB,(γA-βA)Asμ(δ/δAaμ)
-γφ(da)ijfaj(δ/δφi)] となります。
したがって,δBL~(ΦI)+δ~BLGI(ΦI)
=0は,δBLGI(ΦI)=0なので,δBL~(ΦI)
=δB{(βA-γA)Aaμ(∂LGI/∂Aaμ)
+γφ(da)ijfaj}(∂LGI/∂φi)}.(60)
を意味します。
それ故,明らかに。右辺の括弧:{ }の中は(52)
を満たすL~(ΦI)を与える1つの特殊解です。
(52)に対するL~(ΦI)の一般解を得るには,
斉次(同次)方程式δBL~(ΦI)=0の一般解を得る
必要がありますが.δBが,ΦI=(Aaμ,φi)の上
ではゲージ変換に過ぎないので,同次方程式の
一般解はゲージ不変な一般関数です。
結局,δBL~(ΦI)+δ~BLGI(ΦI)=0(52)を
満たすL~(ΦI)の一般解は,L~(ΦI)
=fゲージ不変(ΦI)+βA-γA)Aaμ(∂LGI/∂Aaμ)
+γφ(da)jkfak}(∂LGI/∂φi).(61)
で与えられる,ことがわかります。
ところで,L~(ΦI)には次元が4以下である,
という条件があったのでfゲージ不変(ΦI)の一般形
は,fゲージ不変(ΦI)=αA{(-1/4)FaμνFaμν}
+αφ{(Dμφi)+Dμφi}-αm(μ2φi+φi)
-αλ{(λ/2)(φi+φi)2}.(62)で与えられます。
結局,くりこみ方程式:S~*X=0の解Xは,
X=∫d4x[L~(ΦI)+K~I(δ~BΦI)
+Kca(δ~Bca)](48)である,としていたので,
X=∫d4x[fゲージ不変(ΦI)
+βA{K~I(δBΦI)+Kca(δBca)}
+(βA-γA){Aaμ(∂LGI/∂Aaμ)
-K~aμ(∂μca)}
+γφ(da)ijfaj{∂(LGI+K~iδBφi)/∂φj}].
(63) と書けることがわかりました。
途中ですが長くなったので,今回はここで
終わります。
(参考文献):九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅱ」
(培風館)
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