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2020年5月23日 (土)

くりこみ理論(次元正則化)(8)

i「くりこみ理論(次元正則化)」の続きです。

i(※余談):今日は2020年3月30日です。

昨日,「志村けん」さんが,コロナ肺炎で亡く

なられたそうです。惜しい人を亡くしました。

私も彼と同じ70歳だし,私も最近ときどき

37度台の微熱と咳が多いので,病気という意味では

とてもヒトゴトではありません。

先月,PCをOSがWin10の中古マシンに変えて,

から,マウス右クリックでのコピペやRealPlayer

によるYoutubeなどの動画の無料ダウンロード

など,うまくできなくなったことが多くなり

不自由してる状態です。

ブログも,オン書き以外じゃ,原稿を書いても,当面

アップが簡単でなく原稿がどんどん溜まるばかりなので

ときどき,実際に原稿を書いた日の日付けを追加する

ようにしています。

別に記事をサボっていたわけじゃないのですがね。

そのうちWin10にも慣れるのか,それとも,これまで

IEだったプラウザを変えるべきか?とにかく,不自由

な体で他にやることもないし,やはり,今更だけど,科学

記事だけでもPDF化しようかなぁ?

でも,書く方のソフトは有料で高いし,お金も人生の

残り時間もないしね。

なぜか,医者に処方してもらった心臓やカゼの薬では

なく,置き薬の,鼻,のど,熱の対症療法の薬だけが,よく

効いているようで,何とか命をつないでいます。

私は2007年4月に心臓バイパス手術を受けて以来

長年のタバコはやめたし,手術後の退院前に肺炎とか

インフルエンザにかかったら100%死ぬ,ただのカゼ

でも死亡率3割くらいと注意されてたので,コロナ

にかかってるんじゃ,もう死んでいるから,普通の

カゼのたぐいでしょう。

2016年に形成外科主治医に「右足を切断しないと

1年以内に死ぬ。」とか,2018年春にも「足を切らない

と半年持たない。」とか余命宣告されても拒否して,

足など切らず,結局,今も足も体も一応大丈夫ですが,心は

イツモ死と隣り合わせ気分ですね。(余談終わり※)

以下本題に入ります。

  • 7.3「BPHZくりこみ」の項の続きです。

前回の記事は,BZくりこみの構成に入る前に,

その準備としてFeynmanグラフΓ,および,その1P1

部分グラフγに対し見掛け上の発散次数ω(Γ),

および,ω(γ)を定義して,それに基づき摂動論

の枠内で,くりこみ可能な理論とくりこみ不可能

な理論のタイプの分類,そして,これらグラフの振

幅の収束,発散の判定条件として「次数勘定定理」

を述べたところまででした。

さて,今回は,こうした準備の下で,本節の本題で

ある「BPHZのくりこみ」の構成に入ります。

 一般に,あるFeynmanグラフ:Γの振幅:FΓは,

Feynman則により,Γに対応して構成された伝播関数

と頂点因子の積で与えられる表式:IΓをloop運動量

kについて積分した形で与えられます。,

すなわち,FΓ∫d41..d4m(IΓ).(9)なる

表式です。そうして,BPHZくりこみの特徴的な点

はグラフの1個1個に対して,その被積分関数IΓに,

ある引き算操作を行ない,一般には発散を含む(9)の

表式を有限なものF~Γに帰着させるところです。

すなわち,F~Γ∫d41..d4m(RΓ).(10)のように

操作します。ここで,IΓからRΓを得る手続きをR演算

(R-operation)と呼びますが,この演算手法をを具体的

に与える前に,いくつか必要な用語を定義します。

(a)くりこみ部分(rewnormalization part)γとは1P1

グラフで,その見掛けの発散次数;ω(γ)が.ω(γ)≧0

を満たすもの,を指します。 

例えば.前節の湯川相互作用系の2-loopグラフの

1つのloopを取れば,そのくりこみ部分は,図7.13に

示す,Γ(全体),γ12の3つです。

(b) 任意の2つのグラフ:γ1とγ2は,互いに共有する

線,または頂点が1つも無いとき,互いに素(disjoint)

であるといわれ,γ1∩γ2=φ(空集合)と表わします。

また,γ1に属する線が全てγ2に属するとき,γ1はγ2

の部分グラフである,または,γ1はγ2に含まれている

といわれ,γ1⊂γ2,または,γ3⊃γ1と表わします。

そして,γ1∩γ2=φか,γ1⊂γ2,または,γ1⊃γ2

どれか1つが成立しているとき,γ1とγ2は重複してない

といわれ,さもないときは重複している(overlapping)と

いわれます。例えば,図7.13のくりこみ部分:γ1とγ2

重複しているくりこみ部分のグラフの例となっています。

(c)γ12,..,γcを,あるグラフ;Γの中の、どの2つも

互いに素な,くりこみ部分とするとき,このΓの中で

γ12....γcのそれぞれを1点につぶして得られる,

謂わゆ「「縮約グラフ」を作り.これをΓ/{γ12..,.γc}

と,記すことにします。

このとき,Feynman積分;(9)の被積分関数IΓは,

Γ=IΓ/{γ1,γ2..,.γc}Πτ(Iγτ) (11)の形を持ちます。

ここで,Iγτは,IΓと同様,Feynman則により,グラフγτ

に対応して構成された被積分関数です。

(d)くりこみ部分γの外線運動量をp1,..pnととすると,

運動量保存則により,そのうちの(n-1)個だけが独立です

から,fをあるp1,,pnの関数として,Iγ=f(p1,,.pn^1)

=f().(12)と書けるはずです。

γはI内線運動量kj,にも依存しますが,それらのkj

固定しておいて,(p1,,.,pn)のみの関数と見なすわけです。

そして,グラフγに対するα次のTaylor演算子:tγα

関数f()のp=0のまわりのTaylor展開ののα次まで

を取り出す演算子,として定義します。

つまり,tγαは,関数f()の0のまわりのTalor

展開;f()=f(0)+Σj=1n-1μ(∂f/∂pμ){p=0+..

+(1/α!)Σ(pμ1..pμα)(∂αf/∂pμ1.∂pμα)|p=0

+..(13)の,最初の(α+1)項を切り取る演算です。

特に.この演算の次数αをくりこみ部分:γの見掛け

の発散次数:ω(γに等しく取るとき,tγαのαを省略して

γと書きます。すなわち,tγ=tγω(γ)..(14)とします。

(e):グラフ:Γのくりこみ部分γiの集合をU={γ1,.}

とするとき,Uの,どの2元:γij重複しない場合には.

Uを森(forest),またはΓ森(Γ-forest)と呼びます。

このとき,森Uとして,空集合φのみの集合{φ}(空な森)

も含まれます。また,Γ自体がくりこみ部分の場合は,Uの

1つの元γiとして,Γ自身を含む場合もあります。

例えば,先の図7.13のグラフの場合は,森Uとして,次の

6つの森があります。すなわち,{φ},{γ1},{γ2,},{Γ},

{Γ,γ1},{Γ,γ2}.(15)の6つです。

 

さて,準備が整ったので,R演算の定義を与えます。

 Bogoliubov自身によるR演算は,loop積分(9)を遂行

した後の(正則化した)量FΓに対する演算として定義

されていますが,ここでは,Zimmermannによる被積分関数

Γに対する演算としての.それの言い換えとして,以下に

定義を与えます。

 ΓのFeynman積分(9)FΓ∫d41..d4m(IΓ)に

おける被積分関数IΓから(10)F~Γ∫d41..d4m(RΓ)

における,くりこまれた被積分関数:RΓを得る手続きは,

次の回帰的(recursive)な定義で与えられます。

まず,Γ自身がくりこみ部分:(ω(Γ)≧0)のときは,

Γ=(1-tΓ)R~Γとし,それ以外:(ω(Γ)<0)のとき

は,RΓ=R~Γ ..(16)と定義します。

そして,一般に,ɤ=Γも含め,Γの任意のくりこみ部分

γに対して,R~γ=Iγ+Σ{γ1,..,γc}[(Iγ/{γ1,,..γc})

×{Πτ=1c(-tγτ)R~γτ}].(17) と定義します。

この(17)の右辺における和(Σ)は.グラフɤの中の互い

に素なくりこみ部分γii≠φ)の組{γ12,..γc}の.

あらゆる可能な取り方についての和を意味します。

そして,(17)のR~γの定義は回帰的ですが,右辺のR~γτ

のグラフγτは,必ずγよりloop数が下がっており,γ自身

が1-loopであれば定義(17)自身により,R~γ=Iγですから

帰納的に定義は完結して(閉じて)います。

 例えば,先の例の図7.13のグラフについて(17)の操作を

施してみれば,この場合,γ1とγ2は互いに素ではないので,

(17)の右辺でΣを取る組{γ1,..,γc}としては{γ1}か,

2}しかないため,

Γ(図7.13)=(1-tΓ)[IΓ+IΓ/{γ1}(-tγ1)Iγ1

+IΓ/{γ2}(-tγ2)Iγ2](18)となります。

さらに,(11)のIΓ=IΓ/{γ1,γ2..,.γc}Πτ(Iγτ)により

Γ=(IΓ/{γ1)(Iγ1)+(IΓ/{γ2})(Iγ2)なので,

Γ(図7.13)=(1-tΓ)(1-t11-tγ2)(IΓ)(19)と

書けます。

故に,RΓ(図7.13)=(1-t11-tγ2-tΓ+tΓγ1

+tΓγ2)(IΓ)..(20)とも表わせます。

ところが,一般式(16),(17)をよく見れば,このR演算

の手続きは,実質的に前節の最後に述べた乗法的くりこみ

のうち,p0での「中間的くりこみ」の手続きと全く

同じであることがわかります。

例えば,図7.13の例の表式(18),or(19)を見ると,

ω(γ1)=ω(γ2)=0なので,tγi(i=1,2)は.部分グラフ:

γiのIγi,つまり,1-loop湯川頂点関数の被積分関数:f()

の外線運動量がゼロでの値=定数項f(0)を取り出す演算で

あり,故に,(19)Γ(図7.13)=(1-tΓ)(1-t11-tγ2)

×(IΓ)の第1段階である(1-t11-tγ2)(IΓ)の3項は,

丁度,図7.8の括弧内第3行目の6つのグラフのそれぞれ

に対応しています。

実際,p=0の中間的くりこみの場合,乗法的くりこみ

では頂点相殺項である:-g(Z1-1)ψ~τψφは,各loop

次数で,3点頂点関数のp=0での量子補正(発散項)を相殺

するよう決められているのでp=0のまわりのTaylor演算子

の引き算項;-tγ1Γ,-tγ2Γが,それぞれ,丁度.γ1部分,

γ2部分に頂点相殺項を用いたグラフに対応しているのです。

したがって,R~Γ=(1-tγ1-tγ2)IΓからは,内部発散

が除かれています。

Γそのものは被積分関数なので,元々有限量ですが,loop

積分をすれば発散すると思われる量を発散と呼んでいます。

同様に(19)の第2段階のRΓ=(1-tΓ)R~Γの演算から

は,ω(Γ)=1なので,R~Γのpの1次までの項を引く演算で,

相殺項:Z2(2)ψ~iγψ+δm(2)ψ~ψを用いたグラフの寄与:

-Z2(2)ψ-δm(2)を加えることに相当しています。

 この例からわかるように,BPHZでの(-tγ)の演算は

外線運動量pの多項式を引く演算ですから,その項の1つ

1つを,x空間での局所的演算子の相殺項として理解し直す

ことができます。

また,(17)のRΓを得る手続きは,,グラフ内部の発散を

全て取り除くこと,そして,I16)の最後の操作は,ω(Γ)≧0

のときに現われる最終的な発散を取り除くことと解釈

できます。Taylor演算子を簡単な=0のまわりでの

展開で定義したことが,BPHZくりこみが§7.2の

(47)の「=0でのくりこみ条件」を設定した

「中間的くりこみ」に相当する理由です。

もっと複雑に,グラフごとに異なるTaylor演算子tγ

を定義すれば,このBPHZくりこみが,直接,質量殻上

のくりこみに一致するようにすることもできるはずです。

以上に示した「乗法的くり込みとの同等性」は,しかし,

くりこみ可能理論の場合に限ることも,また明らかです。

何故なら,くりこみ不可能な理論の場合は.摂動の高次

に行けば行くほど発散次数ω(γ)のどんどん大きいもの

が現われ,対応する(-tγ)の演算は,x空間の微分や場

の次数のより大きい相殺項を勝手に次々に加えていく

ことを意味するからです。つまり,そのような高次の相殺項

は乗法的くりこみでは,予め用意されてはいないためです。

上記で,定義したR演算の定義式(16),(17)自体この

ように,摂動論における乗法的くりこみとの対応が

見やすい形をしていますが.その回帰的な表式は,この

方法を複合演算子のくりこみ等の場合に応用する際には

あまり便利な形式ではありません。

そこで,Zimmermannは,次の表式

「Zimmermannの森公式」を見出しました。

すなわち,RΓ=Σ(Γ)γ∈U(-tγ)(IΓ).(21)

なる表式です。ただし,(Γ)は,あらゆる可能なΓ-森

の全体であり,γはΓ-森の元:Uに属するくりこみ部分

です。そして.Uのいくつかの元が,γ1⊂γ2⊂..,のような

包含関係にあるときは,その小さい方のγから順に(-tγ)

を施すことにします。

この(21)の表式は,実は図7.13のグラフの具体例の場合

に既に遭遇しています。

それは図7.13に対する(20)式:RΓ(図7.13)

(1-t11-tγ2-tΓ+tΓγ1+tΓγ2)(IΓ)の

表式です。

この(20)式の因子(1-t11-tγ2..+tΓγ2)の各項は,

丁度,(15)で与えたΓの6つの森:{φ},γ1},{γ2,},{Γ},

{Γ,γ1},{Γ,γ2}の,それぞれに対応した,Πγ∈U(-tγ)

の演算です。

 

さて,(21)RΓ=ΣU∈(Γ)γ∈U(-tγ)(IΓ)の一般的

証明を与えておきます。

[証明]:まず,用語の定義として,Γ-森:UでΓ自身を含む

ものを満杯(full),Γを含まないものを正規(normal)と呼ぶ

ことにします。Γがくりこみ部分であれば満杯のΓ-森は

正規なΓ森のそれぞれに,Γを元として追加すると得られる

ので.満杯のΓ森は正規なΓ森と1対1に対応します。

まず,γ森で正規なものの全体を~(γ)と記し,Rγ

=ΣU∈~γ)λ∈U(-tλ)(Iγ)] (22)で定義されたRγ

が,(17)で定義された,R~γ:つまり,

R~γ=Iγ+Σ{γ1,..,γc}(Iγ/{γ1,,..γc})[Πτ=1c(-tγτ)R~γτ}

に一致することを、以下で示します。

これには(22)のRγが,上の回帰的方程式(17)において,

R~γ=Rγとしたときに,これが満足されることを示せば

いいです。

正規なγ-森Uは,空集合の森(空な森){φ}でない限りは,

必ず,いくつかの最大元:{γ1,..,γc}(すなわち,そのグラフ

の中に互いに素ないくつかのくり込み部分を含むが,自身

は他の元に含まれない,くりこみ部分γi)の組を持ちます。

そこで,(22)の全ての正規なγ-森にわたる和(Σ)は,ある

互いに素なくりこみ部分の組:{γ1,...,γc}を,その最大元

の組として持つようなγ森全体について,まず和を取り,次に

1,...,γc}のあらゆる可能な取り方について和を取ること

と同じです。

そして,{γ1,..,γc}を最大元として持つγ-森全体にわたる

和は,それぞれの最大元:γτ(τ=1,.,c)ごとに満杯のγτ-森

が対応するため,それらγτ-森全ての和を取ることに同等です。

 つまり,演算子として,ΣU∈~(γλ∈U(-tλ)

=1+Σ{γ1,..,γc}Πτ=1c(-tγτ)

×[ΣUτ∈~(γτ)λτ∈Uτ(-tλτ)]} (23)を得ます。

そこで,この(23)式の演算子を,(11)の縮約展開:

Γ={IΓ/{γ1,γ2..,.γc}Πτ=1(Iγτ)}で,Γをγとして

γ={Iγ/{γ1,γ2..,.γc}Πτ=1c(Iγτ)(24)に書き直した

ものに,辺々作用させると(22)の,Rγの定義から,

左辺=ΣU∈~(γλ∈U(-tλ)(Iγ)=Rγでを得ます。

一方,,右辺={Iγ/{γ1,γ2..,.γc}Πτ=1c(Iγτ)}

+{Σ{γ1,..,γc}Πτ=1(-tγτ)}

×[ΣUτ∈~(γτ)λτ∈Uτ(-tλτ)]}

[ΣUτ∈~(γτ)λτ∈Uτ(-tλτ)]}

×{Iγ/{γ1,γ2..,.γc}Πτ=1c(Iγτ)}となります。

この右辺の因子に(22)でγ→γτとした式:

γτ=ΣU∈~(γτλτ∈U(-tλτ)(Iγτ)

をうまく挿入すると,

右辺=Iγ+{Σ{γ1,..,γc}Πτ=1(-tγτ)}

×[Iγ/{γ1,γ2..,.γc{}{Πτ=1c(Rγτ)}} 

と書けます。

したがって。左辺=右辺から,

γ=Iγ+{Σ{γ1,..,γc}Πτ=1(-tγτ)}

×[Iγ/{γ1,γ2..,.γc{}{Πτ=1c(Rγτ)}}(25)

を得ます。

これは回帰的定義(17)式の、

R~γ=Iγ+Σ{γ1,..,γc}(Iγ/{γ1,,..γc})

×{Πτ=1c(-tγτ)(R~γτ)}において

R~γをRγに置き換えたものに一致しています。

方程式(17)の解は一意的(定義はwell-defined)で

ある,と考えられるため,RγはR~γに一致すると

結論されます。

もしも,Γ自身が,くり込み部分でなければ,Γ森と

しては正規なものしかないため,(Γ)=~(Γ)です

から,Rγ=ΣU∈~γ)λ∈U(-tλ)(Iγ)](22)の右辺

で,γ=Γとしたものは,(21)のRΓの表式:

Γ=ΣU∈(Γ)γ∈U(-tγ)(IΓ)の右辺に一致する

ため,RΓはRΓに一致しますが定義(16)により.この

場合,Γがくりこみ部分でないなら,RΓ=R~Γですから,

Γ=RΓ=R~Γです。

一方,もしもΓがくりこみ部分なら,どの満杯のΓ-森

も正規のΓ-森にΓを付加して得られるので,定義(16)

によってRΓ=(1-tΓ)R~Γですが,

Γ=ΣU∈F~(Γ)γ∈U(-tγ)(IΓ)なので,

Γ=ΣU∈F~(Γ)(1-tΓ)[Πγ∈U(-tγ)(IΓ

なります。つまり.RΓ=(1-tΓ)RΓが成立して

いますから,RΓ=R~Γより.この場合も

Γ=ΣU∈(Γ)γ∈U(-tγ)(IΓ)なる(21)式が

(16),(17)の回帰的定義に一致します。

[証明終わり]

※[くりこまれたFeynman積分の収束定理]

以上で,かなり詳しくBPHZくりこみの手続き

を見てきましたが,もちろん,最も重要なことは,

このR演算で得られた,くりこまれた被積分関数

ΓのFeynman積分:F~Γ=∫d41...d4n(RΓ)

(10)が,果たして収束するかどうか?という点です。

R演算は上述のように,与えられたグラフΓの全て

の内部の部分グラフの発散を順次Taylor展開で取り

除いていく操作に相当しており,直感的には,収束する

のは,当然のように思えます。

しかし,実際に一般のグラフに対して,これを証明

しようとすると,かなり大変で,事実,Bogoliubovと

Parasiukによる1957年の最初の証明が,Heppによって,

完全で厳密な証明として完成されたのは,やっと1966年

になってからでした。その後も多くの研究者により証明

の改善,完成化が行なわれているほどです。

 

そこで,こでは証明抜きで以下の定理を与えます。

[※収束定理]:「任意のグラフΓに対して,RΓ

Feynman積分:F~Γ=∫d41..d4n(RΓ)(10)は

伝播関数のiε処法で,ε>0を固定するとき,

絶対収束する。」

そして,この定理はくりこみ可能理論か,くりこみ

不可能理論かを問わず成立します。最後にもう1点,

BPHZくりこみに関して,強調しておくべきことが

あります。

それは,BPHZのR演算がFeynman積分の被積分

関数IΓに対して直接,行なわれる点です。

そして,R演算後のRΓの積分は収束します。

それ故,BPHZくりこみには正則化は不要です。

そのため,BPHZのくりこみは,しばしば正則化

に依らない(regularization -independent)と

言われます。

 

次は「対称性とくりこみ」の項目ですが,

キリもいいので,今回はここで終わります。

 

(参考文献):九後汰一郎著「ゲ゙―ジ゙場の量子論Ⅱ」

(培風館)

 

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