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2020年7月21日 (火)

物理学の哲学(止まると死ぬ)(2)

「物理学の哲学」の続きです。

(※余談)私,若い頃のトラウマで人間不信になり,

子も孫もない寂しい老後で,今70歳でも自分の

ことを考えるだけの生活です。

44年も前の入試問題を執念深く思い出すという

世間ずれしたことをしています。若い頃も,誰より

も早く自分が発見したいとかじゃなく,誰が発見

しても,何故そうなるかを知りたい,という好奇心

さえ満たされればそれでいいという研究者に不向き

な性格で,もしか自分が発見に関われば.お金や名誉

がついてくるかもしれないという程度で,自分から

起業して積極的に金や名誉に向かう,というのとは

違う,後ろ向きで上昇志向とは無縁な奴でした。

精神病のせいもあり,生きているだけでも自分は

幸せと思っていますが,できれば自分以外の誰かの

役に立ちたいけど,自身の衣食足りてるのが,せい

いっぱいで,体不自由な今となっては無理です。

孤独も好きな人生ですが,後は今は信じてないが

自然的な神のような存在にでも会って,あの世

想像するのもいいかも。他人や政治を批判する

ほど偉くないしね。(余談終わり※)

 

さて,定常状態のSchroedinger方程式を微分方程式

として解き,解のψEを求めて固有値Eを得る,という

伝統的なSchroedinger波動力学の方法もありますが,

ここでは,H^=p^2/(2m)+mω2x^2/2に戻り,抽象的

に考察する(行列力学の)方法を用いて解いてみます。

まず,H^をH^={(p^-imωx^)(p+imωx^)

+imω[p^,x^]}/(2m)と因数分解して,最後の項

を,imω[p^,x^]/(2m)=hcω/2と書き直します。

ここでa^={ω/(2mhc)1/2)(p^/ω-imx^)

と置けば,p^,x^はHermite(実)演算子なので,

a^のHermite共役を取ると,演算子

a^={ω/(2mhc)1/2)(p^/ω+imx^)を得ます。

これらを用いると,H^は,H^=(a^a^+1/2)hcω

と表現することができます。

このとき,a^とa^の交換関係は,明らかに

[a^,a^]=1です。

それ故,(a^a^)a^=a^(a^a^)-a^,かつ,

(a^a^)a^=a^(a^a^)+a^となるので,

H^a^=a^H^-ahcω,かつ,

H^a^=a^H^+a^です。

よって,E>に対して,H|E>=E|E>が成立して

いるなら,H^a^|E>=(E-hcω)a|E>,および,

H^a^|E>=(E+hcω)a^|E>が成立します。

したがって,a^|E>は,固有値:(E-hcω)に属する

H^の固有状態であり,a^|E>は,固有値:(E+hcω)

に属するH^の固有状態です。

そこで,定係数をc1,d1としてa^|E>,および,

a^|E>を,それぞれ,a^|E>=c1|E-hcω>,

おとび,a^|E>=d1|E+hcω>と表わすことが

できます。

a^,a^は,それぞれ,エネルギー固有値をhcωだけ

上げ,下げした固有状態(エネルギー准位)に移動させる

ので,昇降演算子と呼ばれます。

そこで,a^|E>に,さらにa^を作用さると,

a^2|E>=c1a^|E-hcω>=c2|E-2hcω>と

なります。これを,反復して,H^の固有値が減少する

固有ベクトルの列:a^|E>=c|E-nhcω>

(n=1.2...)を得ます。

同様に.H^の固有値が増加する固有ベクトルの列:

(a^)|E>=d|E-nhcω>(n=1.2...)

も得られます。

ところが,量子論では物理的状態を示す量子状態|ψ>

は,そのノルムの2乗の確率解釈のため,Hildert空間

のベクトルである,とされています。

つまり,状態のノルムの2乗(絶対値の2乗)は存在確率

(確率密度)を示すので,非負でなければなりません。

言いかえると,状態ベクトル全体の作る空間を

すると,|ψ>∈なら,|{ψ>|2=<ψ|ψ>≧0であり

等号は|ψ>=0のとき,そのときに限られます。

それ故,H^=E|E>なら,E<E|E>=E||E>|2

=<E|H^|E>=hcω<E|a^a^+1/2|E>

=hcω|a^|E>|2+(hω/2)|E>|2は非負であり

|E>≠0なので,常にE≧hω/2>0となります。

言い換えるとH^の固有値:Eは,負とは成ることが

できません。このH^の対角要素が非負である性質は

H^の正値性といわれます。

そこで,列:a^|E>=c|E-nhcω>(n=1.2..)

には,H^の固有値をそれ以上下げると負になって正値性

に反するようになる最小の固有値(E-nhω)≧0を

与える自然数nが存在することになります。

このエネルギー固有値が最小の固有状態=基底状態を,

慣例に従って,|0>と記述します。

この|0>が,最小の固有状態であるためにはa^|0>=0

を満たす必要があります。さもないと矛盾が生じるからです。

そこで,特に,H^|0>=(hcω/2)|0>です。

故に,H^a^|0>=(3hcω/2)a^|0>であり,

さらに,H^(a^)|0>=(n+1/2)hcω(a^)|0>

(n=1,2..)となります。

そこで,<n|n>=1と規格化した状態|n>を,

|n>=α(a^)n|0>で定義します。特に|,0>

は<0|0>=1を満たす,とします。

そして,係数αを求めるため,交換関係:

[a^.a^]=1を用います。まず,a^a^|0>=|0>

であり,a^(a^)2|0>=(a^a^)a^|0>=a^|0>

です。さらに,a^(a^]3|0>=(a^a^)(a^)2|0>

=(a^a^)(a^)2|0>+(a^)2|0>=2(a^)2|0>

となります。それ故,帰納的に,a^(a^)|0>

=n(a^)n-1|0>です。

したがって,a^(a^)|0>=na^n-1(a^)n-1|0>

ですから,1=,<n|n>=|αn|2<0|a^(a^)|0>

=n|αn|2<0|a^n-1(a^)n-1|0>

=n|αn|2<n-1|n-1>/|αn-1|2 となります。

つまり,1=n|αn{2/|αn-1|2,あるいは,1/|αn{2

=n/|αn-1|2=n(n-1)/|αn-1|2

=n(n-1)..2・1/|α0|2=(n!)/|α0|2 です。

そして,<0|0>=1なので,|α0|2=1であり,結局,

n|2=1/n!が得られました。

係数αを実数に選ぶとα=(n!)-1/2であり

|n>=(n!)-1/2(a^)n|0>と書けることになります。

=(n+1/2)hcωと置くとH^|n>=E|n>

(n=0,1,2,,) ですが,これらが求めるH^の全ての

固有値と固有ベクトルです。解けました。

このモデルでは基底状態|0>の固有値E0はゼロでは

なく,hcω/2>0です。これが「零点エネルギー」です。

これは,単一の振動子では非常に小さい値ですが,

振動数の異なる全てのモードの振動子の集合では無限大

になると考えられます。

,前期量子論では,如何なる粒子も波動性を持っていて,

その振動数をν,角同数をω=2πνとすると,エネルギ-

はhν=hcωで与えられ,これを量子と呼んだことから

量子論が生まれるきっかけの1つとなったのでした。

そこで,nをエネルギー準位Eの指標ではなく状態

に存在する角振動数がω(エネルギーがhcω)の粒子(量子)

の個数を示すモノと考えると,演算子:a^は,そうした

量子を生み出す生成演算子,a^は消滅演算子と呼ぶこと

ができます。

すると,|0>には,エネルギー量子がないのにも関わらず,

cω/2というゼロでないエネルギー(零点エネルギー)を

持つという,最初の論理矛盾が現われます。

ここで,以前,論じかけた.第2量子化された電磁場の

表式:A^μ(x)=∫d3(2π)-3[aμ^()exp(-ikx)

+aμ^^()exp(ikx)] に戻って考えます。

この展開係数の演算子は,

[aμ^(),aν^+(~)]=gμνδ3(k-~)なる

交換関係を満たします。

 そこで,これらの空間成分ai^(),aj^(k)

(i,j=1,2.3)は,丁度,1次元調和振動子の場合と同様,

運動量hckを持つ光量子(光子)の生成演算子,消滅演算子

を形成していることがわかります。

この意味で,前に量子化された電磁場が1次元調和

振動子の(連続)無拳固の集まりに相当する,と述べた

のでした。

そこで,波数がの光子の個数をn=0,1.2,..

として,|nk,,μ>=(nk!)-1/2(aμ^)nk|0>により,

|0,k,μ>,|1,k,μ>,,,|nk,k,μ>.を構成し,

これらのあらゆるkによる超直積を作れば原理的には,

全てのk,μを持つ光子の個数表示の状態を張れます。

特に如何なるモードの光子も存在しない状態は基底状態

で,これを真空と呼びます。

しかし,電磁場の場合は,質量がゼロベクトル場でaμ^

の第ゼロ成分は,[a0^(),a0^(~)]=-δ3(~)

を満たすためa0^()|0>のノルムが非負でなくなり

それ故,特別な物理状態の選択や解釈を導入しないと

場理論が矛盾して成立しなくなります。

この問題を取りあえず回避するため,光子の場を考える

代わりに,単一成分のスカラー場:φ^(x)を考えます。

すなわちφ^(x)=∫d3(2π)-3[a^()exp(-ikx)

+a^^()exp(ikx)] を考えます。

μ^(x)は共変ゲージ:∂μμ=0で,□Aμ=の解でした

が,φ^はKlein-Gordon方程式:(□+μ2)φ^=0の解

ですから,exp(±ikx)のkxは,kx=k0t-kx

0=ω=(k2+μ2)1/2です。

そして,[a^(),a^(k~)]=δ3(~)です。

この質量がμのスカラー粒子の場では,計量が正定置で

なくなる,という不定計量の問題は生じません。

そこで,運動量hcのスカラー粒子の個数をn=0,

1,2,..として,|nk,>=(nk!)-1/2(aμ^)nk|0>に

より,|0,k>,|1,k>...|n,k>を構成し,これら

のあらゆるkによる状態の超直積を作って全ての

スカラー粒子の状態を張る部分空間とすることに

します。

すると「零点エネルギー」のために,粒子の存在

しない真空:|0>でも,無限大のエネルギー固有状態

にあることになってしまいます。

そこで,そもそも真空のエネルギーはゼロである,と

する規約,つまり,この零点エネルギーを切り捨て無視

する規約を採用します。後でこれは無理がある規約で

あることもわかりますが真空のエネルギ-がゼロである

としないと「対称性の破れ」とか,別の問題が生じます。

というのはゼロは座標系を回転しても不変なスカラー量

の中でも特別な不変量だからです。無限大もゼロと同じくらい不変,かつ,対称ですが,そもそも数でさえありません。

ところで,1次元調和新振動子では,そのエネルギーは,

H=p2/(2m)+(1/2)mω22/2あり,量子論ではHが

演算子で,その固有値:hω(a^a^+1/2)がエネルギー

を意味しました

同様に,自由スカラー場φのLagrangian は,

L=∫^d3,=(1.2)∂μφ∂μφ-(1.2)μφ2

であり、共役運動量は,π=∂/∂(∂0φ)=∂0φ

=φで与えられます。それ故,H=∫3,で

=πφ-=(1/2)(∇φ)+(1/2)μ2φ2ですが,

これも実はH^=∫d3[hcω{a^()a^(k)+1/2}

と,前の振動子の,H^=hcω(a^a^++1//2)と形と

して同じものに変形されます。

またまた長くなったので終了します。(つづく

 

 

「物理学の哲学(止まると死ぬ)(2)」

「物理学の哲学」の続きです。

(※余談)私,若い頃のトラウマで人間不信になり,

子も孫もない寂しい老後で,今70歳でも自分の

ことを考えるだけの生活です。

44年も前の入試問題を執念深く思い出すという

世間ずれしたことをしています。若い頃も,誰より

も早く自分が発見したいとかじゃなく,誰が発見

しても,何故そうなるかを知りたい,という好奇心

さえ満たされればそれでいいという研究者に不向き

な性格で,もしか自分が発見に」関わればお金や名誉

がついてくるかもしれないという程度で,自分から

起業して積極的に金や名誉に向かう,というのとは

違う後ろ向きで上昇志向とは無縁な奴でした。

精神病のせいもあり,生きているだけでも自分は

幸せと思っていますが,できれば自分以外の誰かの

役に立ちたいけれど,自身の衣食足りてるのが,せい

いっぱいで,体不自由な今となっては無理です。

孤独も好きな人生ですが,後は今は信じてないが超

自然的な神のような存在にでも会って,あの世を

想像するのもいいかも。他人や政治を批判するほど

偉くないしね。(余談終わり※)

 

さて,定常状態のSchroedinger方程式を微分方程式

として解き,解のψEを求めて固有値Eを得る,という

伝統的なSchroedinger波動力学の方法もありますが,

ここでは,H^=p^2/(2m)+mω2x^2/2に戻り,抽象的

に考察する(行列力学の)方法を用いて解いてみます。

まず,H^をH^={(p^-imωx^)(p+imωx^)

+imω[p^,x^]}/(2m)と因数分解して,最後の項

を,imω[p^,x^]/(2m)=hcω/2と書き直します。

ここでa^={ω/(2mhc)1/2)(p^/ω-imx^)

と置けば,p^,x^はHermite(実)演算子なので,

a^のHermite共役を取ると,演算子

a^={ω/(2mhc)1/2)(p^/ω+imx^)を得ます。

これらを用いると,H^は,H^=(a^a^+1/2)hcω

と表現することができます。

このとき,a^とa^の交換関係は,明らかに

[a^,a^]=1です。

それ故,(a^a^)a^=a^(a^a^)-a^,かつ,

(a^a^)a^=a^(a^a^)+a^となるので,

H^a^=a^H^-ahcω,かつ,

H^a^=a^H^+a^です。

よって,E>に対して,H|E>=E|E>が成立して

いるなら,H^a^|E>=(E-hcω)a|E>,および,

H^a^|E>=(E+hcω)a^|E>が成立します。

したがって,a^|E>は,固有値:(E-hcω)に属する

H^の固有状態であり,a^|E>は,固有値:(E+hcω)

に属syるH^の固有状態です。

そこで,定係数をc1,d1としてa^|E>,および,

a^|E>を,それぞれ,a^|E>=c1|E-hcω>,

おとび,a^|E>=d1|E+hcω>と表わすことが

できます。

a^,a^は,それぞれ,エネルギー固有値をhcωだけ

上げ,下げした固有状態(エネルギー准位)に移動させる

ので,昇降演算子と呼ばれます。

そこで,a^|E>に,さらにa^を作用さると,

a^2|E>=c1a^|E-hcω>=c2|E-2hcω>と

なります。これを,反復して,H^の固有値が減少する

固有ベクトルの列:a^|E>=c|E-nhcω>

(n=1.2...)を得ます。

同様に.H^の固有値が増加する固有ベクトルの列:

(a^)|E>=d|E-nhcω>(n=1.2...)

も得られます。

ところが,量子論では物理的状態を示す量子状態|ψ>

は,そのノルムの2乗の確率解釈のため,Hildert空間

のベクトルである,とされています。

つまり,状態のノルムの2乗(絶対値の2乗)は存在確率

(確率密度)を示すので,非負でなければなりません。

言いかえると,状態ベクトル全体の作る空間を

すると,|ψ>∈なら,|{ψ>|2=<ψ|ψ>≧0であり

等号は|ψ>=0のとき,そのときに限られます。

それ故,H^=E|E>なら,E<E|E>=E||E>|2

=<E|H^|E>=hcω<E|a^a^+1/2|E>

=hcω|a^|E>|2+(hω/2)|E>|2は非負であり

|E>≠0なので,常にE≧hω/2>0となります。

言い換えるとH^の固有値:Eは,負とは成ることが

できません。このH^の対角要素が非負である性質は

H^の正値性といわれます。

そこで,列:a^|E>=c|E-nhcω>(n=1.2..)

には,H^の固有値をそれ以上下げると負になって正値性

に反するようになる最小の固有値(E-nhω)≧0を

与える自然数nが存在することになります。

このエネルギー固有値が最小の固有状態=基底状態を,

慣例に従って,|0>と記述します。

この|0>が,最小の固有状態であるためにはa^|0>=0

を満たす必要があります。さもないと矛盾が生じるからです。

そこで,特に,H^|0>=(hcω/2)|0>です。

故に,H^a^|0>=(3hcω/2)a^|0>であり,

さらに,H^(a^)|0>=(n+1/2)hcω(a^)|0>

(n=1,2..)となります。

そこで,<n|n>=1と規格化した状態|n>を,

|n>=α(a^)n|0>で定義します。特に|,0>

は<0|0>=1を満たす,とします。

そして,係数αを求めるため,交換関係:

[a^.a^]=1を用います。まず,a^a^|0>=|0>

であり,a^(a^)2|0>=(a^a^)a^|0>=a^|0>

です。さらに,a^(a^]3|0>=(a^a^)(a^)2|0>

=(a^a^)(a^)2|0>+(a^)2|0>=2(a^)2|0>

となります。それ故,機能的に,a^(a^)|0>

=n(a^)n-1|0>です。

したがって,a^(a^)|0>=na^n-1(a^)n-1|0>

ですから,1=,<n|n>=|αn|2<0|a^(a^)|0>

=n|αn|2<0|a^n-1(a^)n-1|0>

=n|αn|2<n-1|n-1>/|αn-1|2 となります。

つまり,1=n|αn{2/|αn-1|2,あるいは,1/|αn{2

=n/|αn-1|2=n(n-1)/|αn-1|2

=n(n-1)..2・1/|α0|2=(n!)/|α0|2 です。

そして,<0|0>=1なので,|α0|2=1であり,結局,

n|2=1/n!が得られました。

係数αを実数に選ぶとα=(n!)-1/2であり

|n>=(n!)-1/2(a^)n|0>と書けることになります。

=(n+1/2)hcωと置くとH^|n>=E|n>

(n=0,1,2,,) ですが,これらが求めるH^の全ての

固有値と固有ベクトルです。解けました。

このモデルでは基底状態|0>の固有値E0はゼロでは

なく,hcω/2>0です。これが「零点エネルギー」です。

これは,単一の振動子では非常に小さい値ですが,

振動数の異なる全てのモードの振動子の集合では無限大

になると考えられます。

,前期量子論では,如何なる粒子も波動性を持っていて,

その振動数をν,角同数をω=2πνとすると,エネルギ-

はhν=hcωで与えられ,これを量子と呼んだことから

量子論が生まれるきっかけの1つとなったのでした。

そこで,nをエネルギー準位Eの指標ではなく状態

に存在する角振動数がω(エネルギーがhcω)の粒子(量子)

の個数を示すモノと考えると,演算子:a^は,そうした

量子を生み出す生成演算子,a^は消滅演算子と呼ぶこと

ができます。

すると,|0>には,エネルギー量子がないのにも関わらず,

cω/2というゼロでないエネルギー(零点エネルギー)を

持つという,最初の論理矛盾が現われます。

ここで,以前,論じかけた.第2量子化された電磁場の

表式:A^μ(x)=∫d3(2π)-3[aμ^()exp(-ikx)

+aμ^^()exp(ikx)] に戻って考えます。

この展開係数の演算子は,[aμ^(),ν+(^)]

=gμνδ3(k-~)なる交換関係を満たします

 そこで,これらの空間成分ai^(),aj^(k)

(i,j=1,2.3)は,丁度,1次元調和振動子の場合と同様,

運動量hckを持つ光量子(光子)の生成演算子,消滅演算子

を形成していることがわかります。

この意味で,前に量子化された電磁場が1次元調和

振動子の(連続)無拳固の集まりに相当する,と述べた

のでした。

そこで,波数がの光子の個数をn=0,1.2,..

として,|nk,,μ>=(nk!)-1/2(aμ^)nk|0>により,

|0,k,μ>,|1,k,μ>,,,|nk,k,μ>.を構成し,

これらのあらゆるkによる超直積を作れば原理的には,

全てのk,μを持つ光子の個数表示の状態を張れます。

特に如何なるモードの光子も存在しない状態は基底状態

で,これを真空と呼びます。

しかし,電磁場の場合は,質量がゼロベクトル場でaμ^

の第ゼロ成分は,[a0^(),a0^(^)]=-δ3(~)

を満たすためa0^()|0>のノルムが非負でなくなり

それ故,特別な物理状態の選択や解釈を導入しないと

場理論が矛盾して成立しなくなります。

この問題を取りあえず回避するため,光子の場を考える

代わりに,単一成分のスカラー場:φ^(x)を考えます。

すなわちφ^(x)=∫d3(2π)-3[a^()exp(-ikx)

+a^^()exp(ikx)] を考えます。

μ^(x)は共変ゲージ:∂μμ=0で,□Aμ=の解でした

が,φ^はKlein-Gordon方程式:(□+μ2)φ^=0の解

ですから,exp(±ikx)のkxは,kx=k0t-kx

0=ω=(k2+μ2)1/2です。

そして,[a^(),a^(k~)]=δ3(~)です。

この質量がμのスカラー粒子の場では,計量が正定置で

なくなる,という不定計量の問題は生じません。

そこで,運動量hcのスカラー粒子の個数をn=0,

1,2,..として,|nk,>=(nk!)-1/2(aμ^)nk|0>に

より,|0,k>,|1,k>...|n,k>を構成し,これら

のあらゆるkによる状態の超直積を作って全ての

スカラー粒子の状態を張る部分空間とすることに

します。

すると「零点エネルギー」のために,粒子の存在

しない真空:|0>でも,無限大のエネルギー固有状態

にあることになってしまいます。

そこで,そもそも真空のエネルギーはゼロである,と

する規約,つまり,この零点エネルギーを切り捨て無視

する規約を採用します。後でこれは無理がある規約で

あることもわかりますが真空のエネルギ-がゼロである

としないと「対称性の破れ」とか,別の問題が生じます。

というのはゼロは座標系を回転しても不変なスカラー量

の中でも特別な不変量だからです。無限大もゼロと同じくらい不変,かつ,対称ですが,そもそも数でさえありません。

ところで,1次元調和新振動子では,そのエネルギーは,

H=p2/(2m)+(1/2)mω22/2あり,量子論ではHが

演算子で,その固有値:hω(a^s^+1/2)がエネルギー

を意味しました

同様に,自由スカラー場φのLagrangian は,

L=∫^d3,=(1.2)∂μφ∂μφ-(1.2)μφ2

であり、共役運動量は,π=∂/∂(∂0φ)=∂0φ

=φで与えられます。それ故,H=∫3,で

=πφ-=(1/2)(∇φ)+(1/2)μ2φ2ですが,

これも実はH^=∫d3[hcω{a^()a^(k)+1/2}

と,前の振動子の,H^=hcω(a^a^++1//2)と形と

して同じものに変形されます。

またまた長くなったので終了します。(つづく

 

 

 

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