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2020年11月

2020年11月11日 (水)

くりこみ理論第2部(1)

今日は11月11日です。

長い記事を一気にアップします。

「くりこみ理論(次元正則化)」シリーズは,2020年

8月に記事:(1)~(16)をアップして終了しました。

それらは,参考テキスト「ゲージ場の量子論Ⅱ」

(九後汰一論著)の「第7章くりこみ」を.私が49歳

の1999年3/20から1999年5/7に,詳読したときの

行間埋め覚え書きの履歴のノートの内容でした。

20年以上前のノートの反芻は,老化した70歳の自分

の頭脳には,温故知新で新鮮な刺激となっています。

続いて「第8章くりこみ群と演算子積展開」から,

くりこみ理論の補遺として記事をアップします。

参照ノートの開始日は,前章の終了日と同じ1999年

の5/7でした。

(※余談):この1999年の頃は「1999-7の月に

ハルマゲドンで人類は滅びる。」という五島勉氏著の

ベストセラー「ノストラダムスの大予言」がはやって

いて,7月にはこの世の終わりがくるのか?とかを,半分

本気で心配していましたね。

幽霊やUFO,超能力など現時点では,まだ,ちゃんと

した存在証明も不存在証明もできていない,と思っている

超常現象など,自分では見たりしたとかの経験もない物事

については,頭から否定するわけでもなく.とにかく昔も

今も半信半疑状態です。

自分は現代の自然科学のレベルはまだ低いと思って

いて,これに全面的信頼を持つほど単純ではないですから,

何の文明的なモノも避難場所もない荒野のようなところ

に,一人で闇夜に放り出されたとしたら,文明世界しか

知らない自分は,魑魅魍魎が出てくるかも?と本能的な

恐怖におののくことでしょうね。

増え続ける人類は,「あらゆる生物種は自らの増加が

食料不足をもたらして減少する。」という食物連鎖

の輪廻の「神の摂理」から離れて,人類には共食い

という戦争もなくなり医学の進歩により疫病を予防

しても,結局,新しいウィルスという天敵が現われ自殺

やLGBTなどの少子化文化でも追い付かず,環境破壊

などによる災害,そして科学文明が反逆するという滅び

の道が現在のハルマゲドンとして避けられないのでは

ないか?と思います。(余談終わり※)

※以下は,本文です。

第8章の「繰り込み群と演算子積展開」という新しい

項目に入るに当たり,テーマの説明と機付けとして

この間「物理学の哲学」というシリーズ記事を

書きました。ここからは,新しく第2部とします。

  • 8-1:(複合演算子のくりこみと演算子積展開)

場の理論の種々の現象論的応用において,しばしば,

場の局所的演算子(一般には複合演算子)A(x),B(y)

の積:A(x)B(y)が2点xとyを同一点(x=y)

(または光円錐:(x-y)2=0)の近傍に近づけたとき,

どのように挙動するか?を知る必要が生じます。

Wilsonは,この問題に対して,直観的に,ある種の

局所演算子の完全系:{Oi(x)}が存在して;

一般に,A(x)B(x)

=limx→yii(x―y)Oi((x+y)/2)],(1)

(Ciはc-数関数)と展開できることを主張し,

その意味と応用について議論しました。

Wilson自身は上記の展開式(1)を,必ずしも摂動論

の枠内に限らず成立する,演算子間の等式として提唱

したもので,今日,(1)はWilsonの「演算子積展開」

(operator-product expansion),略してOPEと

呼ばれています。

演算子A,B,Oiの次元をd,d,diとすると

z=x-yの関数としての展開係数Ciは,Ci(z)

~(1/z)(dA+dB-di)のように挙動すると考えられる

ので,短距離のz=(x-y)~ 0の同一点の極限では

展開(1)の無限個の項のうち,次元diが低い初めの方

の数項だけを分析すれば十分なはずです。

そして,摂動論の枠内で初めて(1)の展開を厳密に

証明したのはZimmermannでした。

本節では,彼に従って,摂動論において(1)の展開式

を導きます。以下では,簡単のため,もっぱらλφ4

理論で話をしますが,他の場合でも本質的には同様

です。

まず,複合演算子の厳密な定義からです。

展開式(1)の右辺にある演算子Oiは,一般に

φ(x),φ(x)∂μφ(x)などのような場の

同一時空点の積であって,局所演算子積,

(lobal operation product),または,単に複合

演算子(composite operator)と呼ばれるものです。

しかし,こうした局所積は場の理論では特異性を

持っているので,そのままではWell-defimed(無矛盾)

ではなく,(1)の展開,つまりOPEを証明するには,

まず,そうした局所積を正確に定義するところから

始める必要があります。

複合演算子:Oを直接,演算子として定義する代わり

に,Zimmermannに従って,正規積(normal product)と

呼ばれる演算子:[O]d(またはN(O))を機能的に定義

します。

すなわち,[O]を含む全てのGreen関数を定義

することによって,逆に,演算子:[O]を定義します。

Oはφ,∂μφ∂μφ,φ(∂μφ∂νφ)などの

ように,一般の場φと,その微分から構成される

単項式であり,O=O(φ)を含むGreen関数は,

(n)(x1,x2..xn)

=<TO(φ)φ(x1)φ(x2)..φ(xn)>

=∫Dφ{O(φ)φ(x1)φ(x2)..φ(xn)

×expi{∫d4}.(2)で定義されます。

ただし,Lagrangian密度は相殺項なしの有限な

=(1/2)(∂μφ∂μφ-μ2φ2)-(λ/4)φ4 .(3)

であり,これはBPHZの枠内で有効Lagrangian

と呼ばれるものです。

このとき,先の乗法的くりこみの場合の相殺項に

相当するものはに陽に加えないで,BPHZの

Taylor演算:(-tγ)で機能的に行なうものです。

(※Tayllor演算:(-tγ)で自動的に満足される,

「p=0での(中間的)くりこみ条件」以外の

くりこみ条件を設定したいときには,(3)式のに,

さらに有限係数の(hcのベキ級数を係数とする)

相殺項を加えたものを,改めて有効lagrangian

とする,わけです。)

もう1つ,第4章「経路積分と摂動論」で述べた

ように,定義(2)で用いているT積(時間順序積)は

*積の意味です。本節で用いるT積は全てT*積

を意味することに注意しておきます。(※つまり,

T積への左からの演算は,Tを飛び越えて内部への

直接演算を意味するわけです。)。

以下,Green関数:G(n)を議論する代わりに,その

1粒子既約な(1PI)グラフのみの寄与で,かつ,n点

1..xの各脚から出る伝播関数iΔを取り去って

得られるn点頂点関数:Γ(n)を議論します。

すなわち,<TO(φ)φ(x1)..φ(xn)>1PI

=[Πi=1n{∫d4i(xi-yi)}]Γ(n)(y1..yn).(4)

と書けるとします。

Γ(n)を論じるには,まず,再び,第5章§5-6で

したように,φ,Oの外場J,Kを導入して,頂点関数

の生成汎関数をexpiW[J,K]

=∫Dφ[expi{∫d4+J・φ+K・O(φ)}] (5)

で定義し:W[J,K]を,外場Jについてのみ,Legendre

変換して,Γ[φ,K]=W[J,K]-J・φを,定義

します。するとn頂点関数は,ΓO(x)(n)(x1,.xn)

=δ(n+1)Γ[φ,K]

/{δK(x)δφ(x1)..δφ(x)}|φ=K=0.(6)

としても,得られる量です。

※(注1-1):つまり,生成汎関数の定義から,

expiW[J,K]­=Σ{(1/n!)Γ(n)(x1..xn)

φ(x1)..φ(xn)}です。

そして,δ(expiW[J,K])/δK

=(δW[J,K]/δK)expiW[J,K]ですから

δW/δK=NΣ{(1/n!)Γ(n)(x1..xn)

×φ(x1)..φ(xn)}(Nは規格化定数)と

なりますが,(δΓ[φ,K]/δK)φ

=(δW[J.K]/δK)φ,かつ,

(δΓ[φ,K]/δφ)=-Jですから,

δΓ[φ,K]/δK=NΣ{(1/n!)

Γ(n)(x1..xn)φ(x1)..φ(xn)}です。

それ故,N~1として(6)式の,

ΓO(x)(n)(x1,.xn)=δ(n+1)Γ[φ,K]

/{δK(x)δφ(x1)..δφ(x)}|φ=K=0.

と,(δΓ/δK)の展開係数:Γ(n)(x1.xn)

は同じものであるとわかります。

(注1-1終わり※)

Γ(n)を,Oが挿入された頂点関数

(O-inserted vertex function)と呼びます。

Oの正規積:[O]の頂点関数Γ[O]d(n)は,

Γ(n)に効くグラフGの各々に対して,その

Feynmanの被積分関数I(n))を,それに

R演算を施した,R[O]d(n))

=ΣU∈(G)γ∈U(-tγ)}I(n))(7)

で置き換えて得られる量として定義します。

ただし,このグラフGのくりこみ部分γとしては,

Oの頂点を囲むものも含みます。その場合,演算子

[O]dは,実際の次元(※例えば,O=(∂μφ∂μφ)

なら次元は4)には関係なく,次元dを持つ演算子

と見なします。すなわち,[O]d頂点には,指標:

(d-4)を付与するか,または,見かけの発散次数

の公式§7-3の(7)に従って,[O]d頂点を含む部分

グラフγは見かけの発散次数:ω(γ)

=4-nγ+(d-4)=d-nγ≧0.(8)(nγはγの

外線数)(8)のとき,くりこみ部分と見なし,tγ

ω(γ)のTaylor演算子とします。

このようにして得られるΓ[O]d(n)は,dがOの

本当の次元d以上であれば,有限な無矛盾なもの

となります。

何故なら,Gの生成汎関数を(5)のexpiW[J,K]

=∫Dφ[expi{∫d4+J・φ+K・O(φ)}]

のように書けば,{+KO(φ)}全体を系の有効

Lagranguanと見なすことができて,その場合,

O頂点を含むグラフも普通のグラフであって,普通

のBPHZくりこみで有限になるからです。

(※収束定理を参照)

もちろん,このときにはO頂点を囲む部分グラフ

の見かけの発散では,Oの本当の次元dを勘定し,

γもそれに見合ったものですから,上のように

して得られる量は,d=dとした正規積:[O]dO

の場合の頂点関数Γ[O]dO(n)です。

d>dの[O]dの場合は,必要以上の引き算を

しますが,ともかく有限ではあります。

そして,d>dの場合の[O]を引き過ぎ

演算子(oversubtracted operator)」と呼び,

d=dの正しい次元を付与した正規積を,

通常の正規積と呼びます。

引き過ぎ演算子:[O]d(d>d)は,実は次元

がd以下の.通常の正規積演算子:[O^]dの線形

和で表わすことができます。

これを.[φ2]dを例に取って説明します。

この場合,示すべきは,α,β,γを定数として,

2]4=[φ2]2+α[φ4]4+β[∂μφ∂μφ]4

+γ[φ□φ]4.(9)の式です。

一般に,[O]dと同じ形の[O]dOは,係数1で

現われ,それに混じる他の演算子は,全てOと

同じLorentz変換性.および,内部対称性を

持ちます。

頂点関数:Γ[O]d(n)は,Γ(n)に効くグラフ

のFeynman積分の被積分間数をR演算を

用いて,R[O]d(n))

=ΣU∈(G)γ∈U(-tγ)}I(n))(7)

に置き換えて得られる量であると,先に定義

しました。

そこで,Γ[φ2]4(n)については,φ2頂点を,

次元4と見なしたTaylor演算子をt(4)γ

記すと,その寄与はR[φ2]4(n))

=ΣU∈(G)γ∈U(-t(4)γ)}Iφ2(n))

(10)の積分で与えられます。

φ2頂点を含むγに対して,t(4)γはφ2

正しい次元2を付与する通常のtγ=t(2)γ

より,2次だけ余計に取り出すので,t(4)γ

=t(2)γ+t^γ.(11)と書けます。

ところで,一般に順序付けられた積:

Πi=1(xi+yi)=(xn+yn)(xn-1+yn-1)

..(x1+y1)に対して,その展開の各単項式

の中に含まれるylのうち,最小添字を持つ

ものに着目して,項をまとめると,

Πi=1(xi+yi)=Πi=1ni+yni=1n-1i)

+(xn+yn)yn-1i=1n-2i)

+(xn+yn)(xn-1+yn-1)yn-2i=1n-3)+..

+{Πi=2n(xi+yi)}y1.(12)の形の等式

を得ます。

それ故,(10)の表式:R[φ2]4(n))

=ΣU∈(G)γ∈U(-t(4)γ)}Iφ2(n)

の中のグラフGの森:Uのそれぞれの中で,

φ2を含むくりこみ部分γ1,..γは小さい

ものから.大きいものへと,右から順に並んで

いるとし,対応するΠi=1n(-t(4)γi)

=Πi=1n(-t(2))γi-t^γi)に,(12)の形の等式

を適用すれば(10)におけるTaylor演算子の積

のあらゆる可能な森Uにわたる和が次のように

書き直せます。

すなわち,ΣU∈(G)Πγ∈U(-t(4)γ)

=ΣU∈(G)Πγ∈U(-t(2)γ)

+Στ∈TU1∈(G/τ)Πγ∈U1(-t(4)γ)(-t^γ)

U2∈(τ)Πγ∈U2(-t(2)γ)}].(13)です。

ただし,Tは,フラフGのφ2頂点を含む,

くり込み部分:τの全ての集合,(G/τ)は

τを1点に縮約したグラフ:(G/τ)のあらゆる

森:U1の集合,(τ)は,あらゆるτ森:U2

集合です。

公式(12)から,元々,U2がτの正規な森(τ

自身を含まない森)に限られる式も得られるの

ですが,満杯の森の場合には,必ず含まれるt(2)τ

はτの外線運動量のω(τ)=(2-nτ)次元以下

の多項式を与えるため,(4-nτ)次項を取り出す

(-t^τ)演算子の後ろでは,効きません,

つまり,t^τ(2)τ=0なので,このゼロ寄与も

加えたあらゆるτ森にわたる和としてもいい

のです。

さて,再掲(13):ΣU∈(G)Πγ∈U(-t(4)γ)

=ΣU∈(G)Πγ∈U(-t(2)γ)

+Στ∈TU1∈(G/τ)Πγ∈U1(-t(4)γ)(-t^γ)

U2∈(τ)Πγ∈U2(-t(2)γ)}].の右辺の演算を

φ2を含むグラフGのFeynman被積分関数:

φ2(n))に,左から演算します。

このとき,(13)の右辺第2項を演算する場合

には,I=IG/τ・Iτの積の形に書けること

を用います。

さらに,[φ2]4頂点を含むくりこみ部分τは,

公式(8)より:ω(τ)=4-nτ≧0.

(nτはτの外線数)に従ってω(τ)で,4-nτ≧0

のときが,くりこみ部分ですが,これは,τの外線数:

τが2,または4の場合のみです。

その場合,t^τ=t(4)τ-t(2)τは,nτ=2のときは,

τの外線運動量に関してt(4)τは(4-nτ)=2次

まで,t(2)τは(2-nτ)=0次までのTaylor演算子

ですから2次の部分のみを,nτ­=4のときは,

(2)γ=0なので0次の部分のみを,それぞれ,引き算

する演算であること注意します。

(※ 何故なら,1次の部分はLorentz不変性ゆえ,

出てきません。つまり,外線nτ=2なら2つのφ

に対し1次で効くのは∂μφとφから成る運動量

表示でpμに比例する部分ですから,それにかかる,

Taylor演算のp2=0での定数係数Aμを考えると,

これは4元ベクトルで,かつ,定数ということなので

不可能です。※)

こうして(13)の両辺をIに演算して次の(14)

が得られます。

すなわち,(10)の表式:R[φ2]4(n))

=ΣU∈(G)γ∈U(-t(4)γ)}Iφ2(n))

において,(13)のΣU∈(G)Πγ∈U(-t(4)γ)

=ΣU∈(G)Πγ∈U(-t(2)γ)

+Στ∈TU1∈(G/τ)Πγ∈U1(-t(4)γ)(-t^γ)

U2∈(τ)Πγ∈U2(-t(2)γ)}].を代入すれば,:

[φ2]4(n))=R[φ2]2(n))

-Στ∈T4G/τ[φ4]4(n))Rτ[φ2]2(4))|p=0

-Στ∈T2[RG/τ[∂μφ∂νφ]4(n))

{(i2/2)(∂2/∂p1μ∂p2ν)Rτ[φ2]2(4))|p=0}

+RG/τ[∂μ∂νφ・Φ]4(n))

×{(i2/2)(∂2/∂p1μ∂p1ν)Rτ[φ2]2(4)))|p=0]

+RG/τ[φ(∂μ∂νφ)]4(n))

×{(i2/2)(∂2/∂p2μ∂p2ν)Rτ[φ2]2(4)))|p=0]]

(14)を得ます。

ただし,T2,T4は,それぞれ外線数nτが2,4の

φ2項を含むくりこみ部分でp1,p2はτ∈T2の2本

の外線運動量であり(..)|p­=0はτの外線運動量が

全てゼロであることを意味します。

(※∂μφ∂νφの相互作用頂点からは,(G/τ)の

グラフとして,(-ip1μ)(-ip2ν)の因子を含むと

考えられます。)

ここでRτ(..)|p=0etc.は,外線運動量pに依らない

定数係数です。それ故,(14)をloop積分し,あらゆる

G,および,τについて和を取れば,

Γ2]4(n)=Γ[φ2]2(n)+αΓ[φ4]4(n)

+βΓ[∂μφ∂μφ]4(n)+γΓ[φ□φ]4(n)。(15)

となります。

ただし,Lorentz不変性により

(∂2/∂p1μ∂p2ν)Rτ[φ2]2(4))|p=0}∝gμν

となること,および,[φ□φ]4=[(□φ)φ]4

であることを用いました。

そして,定係数α,β,γは

α=Σ∀Gτ[φ2]2(4))|p=0}.(6).,etc.

で与えられます。

こうして,(15)が任意のn点頂点関数について

成立するので,結局,求める,引き過ぎ演算子[φ2]4

が通常の正規積の線形和で書ける,という式(9):

2]4=[φ2]2+α[φ4]4+β[∂μφ∂μφ]4

+γ[φ□φ]4.(α,β,γは定数)が証明された

わけです。

※(注1-2):そもそも,局所演算子積や複合演算子

を考える必要が何故あるのか?の動機付けを述べて

おきます。

私が現役の院生の頃,素粒子論では,カレント代数

という分野がありました。いまもあるのかは

知りません。

Fermionカレントはスピノルの双1次形式,

つまりスピノル場の演算子の局所積で与えられ

ますが,これを一般の物理屋は同一点の積の

特異性を深く考えずに考察していました。

例えばカイラル軸性カレントは

(x)=ψ~(ⅹ)γ5γμψ(x)

であり複合演算子(局所演算[子積]です。

特異性を意識してεだけ離した

Bilocal currentでは,

(x,ε)

=ψ~(ⅹ-ε/2)γ5γμψ(x+ε/2)

×{∫x-ε/2x+ε/2μ(y)dyμ}です。

そこで,当時,私が専門に研究していた

のはQEDにおける三角アノマリー

(Adler-Jackew anomaly)というテーマ

でした,この不思議な現象を解析すれば,

紫外発散を除去するくりこみという操作

の理論的メカニズムが明快に理解できる

のでは?と期待したからです。

しかし,このテーマは当時,素粒子論の

端緒を齧った程度の身で,一人でやるには

壮大過ぎて,結局,卒業(終了)には間に合わず,

仕方なく1974年(24歳)のとき発見された

(J/ψ)新粒子(後にcharmクォークを含む

重中間子と同定)に関連してカラー一重項

の粒子-反粒子対(中間子)と3体クォーク

(重粒子)のみが観測されて,例えばカラー

多重項や4体以上のexotic 粒子が観測され

ない理由について考察した「三重三元

クォーク模型の束縛ポテンシャル」という

卒業論文しか書けませんでした。

一方,量子アノマリーは,私のその後の普通

の社会人に就職した後もアマチュアとして

細々と考察していたのを嘲笑うかのように

世界的には解明され,例えば、本参考書の

第9章「アノマリー」であるようにゲージ

不変な次元正則化を行なうときγ5を含む

軸性カレントの存在がネックとなって出現

する余分な項である,とか,経路積分で変数

置換する際,γ5の存在のためにヤコービ行列

に現われる異常項である,という意味で解決

されました。まあ,自分が解決できなくても

理解できればいいというスタンスですから

それで満足ですが,実験観測データを説明

できる偉大な対症療法である「くりこみ理論」

を原因両方に変えたい,という構想と

アノマリーに大した関係がないという意味

で,40第の頃,がっかりしたのでした。

VVA三角アノマーに興味持ったのは,電荷を

持たない中性中間子であるπ0の電磁崩壊

π0→γ+γの崩壊に興味を持ったからでした。

電荷を持たないので摂動の1次では光子

(電磁場)と相互作用はできないので

π0→e+e→2γのように弱い相互作用

のV-Aカレントを経る2次の過程のはずです。

電子eのようなレプトンカレントの必要はなく

p-p~(陽子反陽子対) π0→p+p~→2γ

でもいいのです。当時は自分にクォークを想定

する習慣ないので実荷電粒子の陽子を挟みました

がnクオークでも1/3の電荷があるので,可能です。

そして,e~(1-γ5μeのようなV-Aカレント

の頂点:(1-γ5μがeとeに分かれて

それから,それぞれγνσの電磁頂点

から光子が出ていくというfeynmanグラフ

の三角グラフを考えます。そもそも純粋は

QFDだけではこういうのはありません。

しかもFurryの定理によりVVVグラフの寄与

はゼロなのでVVAだけ残ります。

ここまで書きましたが,ここからの話は,結局,

途中で追加したシリーズ記事「物理学の哲学」

の重複になるもで割愛します。(注1-2終わり※)

※次に(複合演算子の乗法的くりこみ解釈)

という項に入ります。

演算子挿入がない通常の場合のBPHZくりこみ

が裸のLagrangianを組み変えて相殺項を用意する

乗法的くりこみと解釈できることは,既に記述した

通りですが,今の演算子挿入で定義される複合演算子

の場合も乗法的くりこみで理解できます。

BPHZ流にくり込こんだΓ[O]d(n)のFeynman積分の

被積分関数の定義式(7):R[O]d(n))

=ΣU∈(G)γ∈U(-tγ)}I(n))において,

Taylor演算子:(-tγ)は,γが[O]d頂点を囲まない

場合は,通常のLagrangianからの相殺項の寄与を引く

のと同等でしたが,γが[O]d頂点を囲む場合は,新しい

相殺項を引くことに相当します。

この相殺項の演算子O^はTaylor演算子tγの次数

がω(γ)=(d-nγ)ですから,高々ω(γ)階微分

を持った場:φについてnγ次の局所演算子:

O^=(∂)(φ(x))nγ (17)

,(k=0,1,2,..ω(γ)=(d-nγ)の形を持って

います。このO^は,次元がk+nγ≦dです。

特に正しい次元:d=dを付与された正規積:

[O]dOのみを考えることにして,それをくりこんだ

複合演算子:Orenと呼ぶことにします。

そうすれば,BPHZくりこみは,結局,ある次元;di

演算子Oirenを,その次元以下の裸の演算子の完全系:

{O0j}を用いて,次のように,Oiren=Σdj≦diij0j,

ij=δij+hcij(1)+hc2ij(2)+..(18)として,

乗法的くりこみを行なったのと等価であることが

わかります。

つまり,左辺の展開のhcij(n)0j(n≧1)の

寄与がBPJZのTaylor演算(-tγ)に,対応した乗法

くりこみの相殺項として働きます。

ただ,この場合,乗法的くりこみ因子:Zijは,単に

定数ではなく,行列(要素)となっていることが,従前の

乗法的くりこみと少し異なります。

BPJZ処方でくりこまれたOiren=[Oi]diの場合は,

外線運動量がゼロの点での「(中間的)くりこみ条件」

を満たしています。

例えば,O=φ4の場合,O点に入る運動量をqとして,

Γ[φ4]4(4)(=0,P=0)=4!,Γ[φ4]4(2)(=0,P=0)

=0.piμ∂Γ[φ4]4(2)(=0,P=0)=0.

pjμ∂pjνΓ[φ4]4(2)(=0,P=0)=0

(18)なる条件です。

ただし,P=(1,2,3,4)です。

もちろん,このタイプ以外のくりこみ条件で

くりこまれた複合演算子{O^jren}も定義できて

{Ojren}とは,(18)と同じ下三角行列による有限

くりこみの関係でつながります。

すなわち,O^iren=Σdj≦di ijjren.(20)です。

途中ですが,今日はこれで長い記事を終わります、

(参考文献):九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅱ」

(培風館)

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2020年11月 3日 (火)

物理学の哲学(15)(終)(アノマリー)

「物理学の哲学(14)」からの続きです。

(※余談):今日は11/3(火)祝日です。時差があります

から,まだでしょうがアメリカでは重要な大統領選挙

の投票日ですね

実は先月の10/28(水)に,このシリーズ記事の(14)を

アップした直後,続いて分割した残りの記事を(15)

としてアップしようとしたところ,コピペの操作を間違え

,つい全部消えてしまいました。落ち込んでいるときに,

丁度,訪問医が来て,何事か?と心配されましたが,落ち

込みの理由を聞いて大したことない,と慰められました。

こうしたことは前にもあって,アップの前にバックアップ

を取る習慣になってましたが,これでこの記事シリーズ

が終わりになるので,ちょっとあせったようです。

まあ,仕方がないので消えた部分は,記憶に頼って書き直す

しかなく,再掲記事部分以外は少し変わったはずですが

今日11月3日までかかりました。今度は忘れずに先に

バックアップを取ります。

消えたモノも業者に頼れば復活するはずですが,貧乏人

私にそんな余分なお金はないのでね。(余談終わり※)

※さて,以下は本題です。

アノマリーは,運動方程式からのアプロ-チに

よっても得られることがわかりました。これは軸性

ベクトルカレントに現われる特異な演算子積を注意

深く扱えばいえることです。

※(注):j(x,ε)は,外場との相互作用があるので

真空期待値はゼロではなく,<0|j(x,ε)ελ|0>

=<0|ψ~(x+ε/2)γμγ5ψ(x-ε/2)ελ|0>

×exp{-∫x-ε/2x+ε/2dξ(ξ)}ですが,これの

εの2次以上のオーダーを無視します。

<0|ψ~(x+ε/2)γμγ5ψ(x-ε/2)|0>

=(γμγ5)αβ

<0|ψ~α(x+ε/2)ψβ(x-ε/2)|0>

=-(γμγ5)αβ

<0|T[ψβ(x-ε/2)ψ~α(x+ε/2)|0>

=-Tr{γμγ5iSF~(-ε)}です。

Fermionの伝播関数:S~(x-y)を外場:μ(x)

で展開すると,自由Fermion伝播関数:SF(x-y)

がベキで出現します。

まず,φ(x)を,Klein-Gordon方程式

(□+02)φ(x)=0を満たす自由複素スカラー場

とすると,その自由Feynman伝播関数:ΔF(x)は,

F(x)=<0|θ(x0)φ(x)φ(0)

+θ(-x0(0)φ(x)|0>

=θ(x0)∫d3(2π)-3(2ωk)-1exp(-ikx)

+θ(-x0)∫d3(2π)-3(2ωk)-1exp(ikx)

ただしωk=(2+m02)1/2で,与えられます。

そして,SF(x)は,このΔF(x)を用いて,

F(x)=(iγμμ+m0F(x)と表わすこと

もできます。(※自由Green関数として満足する

方程式は,(□+m02)ΔF(x)=-δ4(x)ですから,

これから,(iγμμ-m0)F(x)=δ4(x)です。)

ここで,iΔ(+)(x)=∫d3(2π)-3(2ωk)-1

exp(-ikx)と置くと,iΔ(+)(x)=(2π)-20dk

[{k2(2ωk)-1exp(-iωk0)}

×∫-11d(cosθ)exp(ikrcosθ)

=(2πi)-1(4πr)-10dk[kexp(-iωk0)

×{exp(ikr)-exp(-ikr)}/ωk]

(2πi)-1(4πr)-1-dk

[kexp{-i(ωk0+kr)}/ωk]

=-(4πr)-1(∂/∂r)(2π)-1-∞dk

[exp{-i(ωk0+kr)}/ωk]と書けます。

同様に,iΔ(-)(x)=∫d3(2π)-3(2ωk)-1

exp(ikx)]と置くと

(-)(x)=-(4πr)-1(∂/∂r)

[(2π)-1-∞dk[exp{i(ωk0+kr)}/ωk]

です。

ところで,f(x)=f(x0,r)

=(2π)-1-∞dk[exp{i(ωk0+kr)}/ωk] 

とすると,右辺=(2π)-1-∞dk

[exp{i(ωk0+kr)}/(k2+m02)1/2]であり,

k=m0sinhφと置けば,dk=m0coshφdφ

で,(k2+m02)1/2=m0coshφです。

k:-∞ → ∞は,φ:-∞ → ∞に対応するため,

f(x)=(2π)-1-dφ

[exp{im0(x0coshφ+rsinhφ)}となります。

ここで,さらに,λ=x2=(x0)2-r2と置きます。

すると,

(ⅰ)x0>0 かつ,x0>rのとき,

λ>0 なので,x0=λ1/2coshφ0,r=λ1/2sinhφ0

と置くことができて,f(x)=(2π)-1-∞dφ

[exp{im0λ1/2cosh(φ+φ0)}]

=π-10dφ exp(im0λ1/2coshφ)です。

故に. f(x)=(i/2)H0[m0λ1/2]

=(i/2){J0[m0λ1/2]+iN0[m0λ1/2]}

(※ J0は0次Bessel関数,N0は0次の

Neumann関数,H0は0次Hankel関数です。)

(ⅱ) x0>0 かつ,x0<rのとき,

λ<0 なので,x0=(-λ)1/2sinhφ0,

r=(-λ)1/2coshφ0と置くことができて,

f(x)=(2π)-1-∞dφ

[exp{im0(-λ)1/2sinh(φ+φ0)}です。

故に.f(x)=(1/π)K0[(m0(-λ)1/2]

=(i/2)H0[(m0(-λ)1/2]

=(i/2){J0([m0(-λ)1/2]+iN0[(m0(-λ)1/2]}

(※ K0は0次の第2種変形Bessel関数です。)

(ⅲ) x0<0 かつ,|x0|>rのとき,

f(x)=(-i/2)H0[m0λ1/2]

=(-i/2){J0[m0λ1/2]+iN0[m0λ1/2]}

(ⅳ) x0<0 かつ,|x0|<rのとき,

f(x)=(1/π)K0[(m0(-λ)1/2]  です。

つまり, λ=(x0)2-r2>0なら

f(x)=(-1/2)N0[m0λ1/2]

+(i/2)ε(x0)J0[m0λ1/2]で,λ<0なら,

f(x)=(1/π)K0[(m0(-λ)1/2]です。

(+)(x)=-(4πr)-1(∂f/∂r)

=(2π)-1(∂f/∂λ)

={i/(4π)}ε(x0)δ(λ)

+θ(λ){m0/(8πλ1/2)}{N1[m0λ1/2]

+iε(x0)J1[m0λ1/2]}

+θ(-λ){m0/(4π2(-λ)1/2)}{K1[m0λ1/2]}

同様に,iΔ(-)(x)={-i/(4π)}ε(+iε(x0)

1[m0λx0)δ(λ)

+θ(λ){m0/(8πλ1/2)}{N1[m0λ1/2]1/2]}

+θ(-λ){m0/(4π2(-λ)1/2)}{K1[m0λ1/2]}

です。

故に,iΔF(x)=<0|T{φ(x)φ(0)|0>

=θ(x0)iΔ(+)(x)+θ(-x0)iΔ(-)(x)

なので,F(x)

{i/(4π)}δ(λ)+θ(λ){m0/(8πλ1/2)}

{N1[m0λ1/2]+iε(x0)J1[m0λ1/2]}

+θ(-λ){m0/(4π2(-λ)1/2)}{K1[m0λ1/2]}

を得ます。

数学公式によれば,J1[z]=z/2-1/2)(z/2)3

+O(z5),N1[z]=-1/(4πz)

+{z/π-(1/π)(z/2)3}ln(z/2)

+(C/π){z-(z/2)3}+O(z5 lnz)+O(z5)

1[z]={z+(1/2)(z/2)3}ln(z/2)

+(C/2){z-(z/2)3}+1/(4z)+O(z5)

F(x)=={i/(4π)}δ(λ)-1/(4π2λ)

-{im02/(16π)}θ(λ)+{m02C/(8π2)

+{m02/(8π2)}ln(m0|λ|1/2/2)

+O(|λ|1/2ln|λ|)

F(x)=(iγμμ+m0F(x)

=2iγμμ[{1/(4π)}δ’(λ)

+1/(4π22)

-{m02/(16π)}δ(λ)-{im02/(16π2λ)}

+O(|λ|-1/2ln|λ|)]

+m

{1/(4π)}δ(λ)-1/(4π2iλ)

-{m02/(16π)}θ(λ)+{m02C/(8π2)

-{im02/(8π2)}ln(m0|λ|1/2/2)

+O(|λ|1/2ln|λ|)です。

以上から, SF(x)は,xμ→ 0 のとき,

μ(1/λ2)~ 1/x3のように挙動することが

わかりました。

普通に,光子の外場Aμ(x)とだけ相互作用する

iSF~(x)を,Aμ(x)とiSF(x)で摂動展開すると,

iSF~(x―ε/2,x+ε/2)=iSF’(―ε)

=iSF(―ε)

+(-ie0)∫d4y[iSF(x―ε/2―y)γα

iSF(y-x―ε/2)Aα(y)]

+(-ie0)2∫d4yd4z[iSF(x―ε/2―y)γα

iSF(y-z)γβF(z―ε/2)Aα(y)Aβ(z)]

+O(lnε)です。

上述のように,SF(x―ε/2,x+ε/2)

=S。(―ε)がεμ/{(-ε)2}2のように挙動する

ことから,kを積分の個数,Fermion伝播関数の個数

とする発散次数:Dの次数勘定定理はD=4k-3f

となり,D>0ならεμ→ 0 のとき収束し,D=0なら

lnε発散をし,D=-1,-2,-3..なら,ε-1-2-3..

と挙動するのが明らかです。

ただし, <0|ψ~(x+ε/2)γμγ5ψ(x-ε/2)|0>

=-Tr{γμγ5iSF~(-ε)}ですが,

左辺=<0|j(x,ε)|0>

=(1/2)<0|[ψ~(x+ε/2),γμγ5ψ(x-ε/2)]|0>

で,右辺の真空:|0>で挟んだ場の交換子は,最低次

では,正規積(normal-producy)となっていて寄与は

ゼロになり,それ故,摂動展開の第1項のSF(-ε),

すなわち,ε→0でのtadpoleは,<0|j(x,ε)|0>

に寄与しません。あるいは,実際に計算しても,

F(―ε)=∫d4p(2π)-4 exp(ipε)/(-m0)

ですが,Tr{γμγ5/(-m0)}=0より,

-Tr{γμγ5iSF(-ε)}=0で,明らかに

-Tr{γμγ5iSF~(-ε)}に寄与しません。

また, O(lnε)も<0|j(x,ε)ελ|0>

では,ε→0でελO(lnε)→ 0で消えます。

また,第3項=(-ie0)2∫d4yd4

[iSF(x―ε/2―y)γαiSF(y-z)

γβF(z―ε/2)Aα(y)Aβ(z)]ですが,

<0|j(x,ε)ελ|0>Fμλ(x)全体の

荷電共役不変性から,この項は寄与しません。

具体的にはj(x,ε)は荷電共役偶で外場:

μ(x)は荷電共役奇etc.ですが,詳細は省略

します。残るのは,第2項=(-ie0)∫d4

[iSF(x―ε/2―y)(y)iSF(y-x―ε/2)(y)]

=ie0 ∫d4pd4q(2π)-8 [exp(ipε)exp(iqx)

×{(/2-m0)-1(q)(/2-m0) -1}]

です。

それ故,<0|j(x,ε)ελ|0>

=-Tr{ελγμγ5iSF~(-ε)}

=(-ie0)Tr[ελγμγ5∫d4pd4q(2π)-8 exp(ipε)

exp(iqx)(/2-m0)-1(q)(/2-m0) -1]

+O(εlnε)

=e0Tr[γμγ5∫d4pd4q(2π)-8 exp(ipε)exp(iqx)

(∂/∂pλ){(/2-m0)-1(q)

(/2-m0) -1}]+O(εlnε)です。

したがって,limε→ 0<0|j(x,ε)ελ|0>

=e0∫d4pd4q(2π)- 3exp(ipε)exp(iqx)

(∂/∂pλ)Tr[γμγ5(/2+m0)(q)

(/2+m0){(p+q/2)2-m02}-1

{(/2)2-m02}-1]

=4ie0εαβγδαμ∫d4q(2π)- 4exp(iqx)

δγ(q)∫d4p(2π)- 4(∂/∂pλ)

[pβ(p+q/2)2-m02}-1{(/2)2-m02}-1]

が得られます。

ところで,∫d4p{∂f(p)/∂pλ}は,

もしも,pμ=(p0,p1,p2,p3)を;p0=ip4として,

μ=(p1,p2,p3,p4)と書いてEuclid化し,4次元

のGauss積分定理を適用すると,積分領域

を半径Rの4次元球の内部として,

∫d4p{∂f(p)/∂pλ}

=(i2π22){pλ<f(p)>}|p|=Rを得ます。

ただし,|p|=Rは,Minkowski空間ではp2=-R2,

を意味し,<f(p)>は半径Rの球面上のf(p)の

平均値を意味します。

故に,∫d4p(2π)- 4

(∂/∂pλ)[pβ{(p+q/2)2-m02}-1

{(/2)2-m02}-1]

=limR→∞[(i2π22)Rλβ(-R2-m02)-2](2π)- 4

=igλβ/(32π2)を得ます。

(※ ここで,対称性からlimR→∞(Rμν/2)

=(1/4)gμνとなることを用いました。 )

一方,∫d4q(2π)- 4exp(iqx)qδγ(q)

=i∂δγ(x)です。

したがって,limε→0<0|j(x,ε)ελ|0>

=-ie0εμλγδ{∂δγ(x)}/(8π2)

=-ie0 εμλξηξη/(16π2)と書けます。

以上から, limε→0<0|∂μ(x,ε)|0>

=2im0 limε→0<0|j5(x,ε)|0>

+{e02/(16π2)}εμλξημλξη

=2im0 limε→0<0|j5(x,ε)|0>

+{α0/(4π)}εμλξημλξη

となり,先の∂μ<0|j(x,ε)|0>

=ie0<0|j5μ(x,ε)ελ|0>Fμλ(x)

+2im0<0|j5(x,ε)|0>+O(ε2).および,

ie0<0|j(x,ε)ελ|0>Fμλ(x)

={α0/(4π)}εμλξημλ(x) Fξτ(x)+O(ε)

が確かに証明されました。 (注終わり※)

40年前の1975~1976年当時のノートはここで

終わっています。本当はこれからが本題で当時も

ノートは,これで終わってはいても,結論まで理解して

いたはずです。が,長くなったし切りがいいので,

今日はここで終わります。次からは,第3章で

1995年のノートに移ります。(※再掲記事終了)

と書いて終わっています。

結局のところ,「物理学の哲学」シリーズの初期の

副題「止まると死ぬ。」というのは(5)でも述べた

ように,Heisenbergの不確定性原理:ΔpΔx~hの

ため,期待値として,位置を原点に固定:<Δx>=0で,

かつ,速度も<Δp>=0と,古典的には静止状態でも,

ゆらぎ(分散)は<(Δx)2>=0なら,<(Δp)2>=∞

となり,運動量(速度)は絶対的不確定という点粒子の

静止できないという宿命があるのが根源です。

そもそも,素粒子を大きさのない(構造を持たない)

点である,とすることに無理があるので,こうし無限大

を生じる原因がある,と考えられるのです。

軸性ベクトルカレントは,4次元発散にアノマリー

があるのが真であり,これが例えばπ0中間子の崩壊率

に正しい寄与を与えるのを見ても,j(x)のように,

1時空点xでの場の局所的双1次形式で与えられる

物理量は,実はj(x,ε)(ε>0)の非局所カレントの

形の方が現実の姿であって,ε=0の局所カレントでは

有り得ないのではないか?と考えるわけです。

ガリレイ,ニュートンに始まる自然科学では,物体を

大きさのない質点と近似し理想化したおかげで力学が

発展しました。また,水や空気を流体という連続体と

考えて定式化しましたが,実は後に原子論が出現して

わかったように,これらは莫大な分子という粒子の集まり

を近似したものでした。古典電磁気学も原子内の電子の

運動による効果などを連続的な場と概念を用いて定式化

しました。厳密には,連続体は近似であったのです。

この我々の宇宙:4次元時空も普通に連続的な多様体で

ある,と考えられてはいますが,格子点のように単純では

ないにしても,実は,ある臨界のε>0よりも小さい距離

には分割できない離散的時空の近似ではないか?

というのが結論です。

学生時代に,初めて接した紫外発散を除去するくりこみ

手法の本質には,このアノマリーのメカニズムが関与するの

では?と思って興味を持ったのは,こうした動機からでした。

素粒子は宇宙全体でも離散個数しかないはずなのに粒子

の場が連続的なものとして定式化されているのも問題です

が,こうした疑問に,未だにこだわってるのは三つ子の魂百

までですね。

さて70歳になった私のブログでの遺言(遺構)は第1弾

の「どこかの馬の骨の伝記」に続いて,この「物理学の哲学」

シリーズで,第2弾が終わりました。

あとは,第3弾のオリジナル理論で終わる予定です。

命の方が持つかな?

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