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2020年12月30日 (水)

くりこみ理論(第2部)(2)

「くりこみ理論(第2部)」の続きで

第8章の§8-1「くりこみ群と演算子積

展開」の続きです。

※(余談):いろいろとバタバタしている

うちに,ブログの原稿書きもさぼっていて,投稿は久しぶりです。とうとう明日は

2020年の大晦日で,急に寒くなりました

が,何とか生きたまま,年を越せそうです。

(余談終わり)

※以下,本文です。

さて,運動方程式とWT恒等式の項目

に入ります。

当面の目的はあくまで演算子積(複合

演算子)に対する「Wilsonの演算子積展開」の成立を証明することにあり,少し寄り道

とはなりますが,この証明にとっても重要なので,BPHZの枠内で運動方程式の使い方と,WT恒等式についてのコメントです。

粒子場:φ(x)から成る系のBPHZの

意味での有効Lagrangian:

与えられたとき,系の従う運動方程式

(Euler-Lagrange eq.)は,

/∂φ-∂μ{∂/∂(∂μφ)}

=δS/δφ=0  (21) です。

何故なら,は,作用原理を満たすべき

作用SをS=∫d4によって

定めるLagranfian密度を意味する

からです。

しかしながら,これは,必ずしも

演算子等式の成立を意味しない。と

考えられるので,Green関数中に因子

(δS/δφ)」が現われたからと

いって,Green関数を直ちにゼロとする

ことはできないことがわかります。

(※これは,Green関数中のT積

(時間順序積)は,実はT*積を意味する

ので,階段関数θ(t)の微分などが

消えずに単純な等式の成立を邪魔る

からです。)

そこで,BPHZの手続きで有限に

されGreen関数を,真空期待値:

<0|T[…]|0>>>のような形に

記すことにすれば,

上記のEuler-lagrangeの運動方程式

よりも,むしろ,次式の成立を主張する

方が,系の運動を記述する方程式として

ふさわしい。ということを示したい

と考えます。

すなわち,Green関数に対する

方程式:<0|T([φ(z){δS/δφ(z)]dφ(x1),,φ(xn)|0>

=iΣr=1n4(z-xr)

<0|T(φ(x1)..^φ(xr).φ(xn)|0> (22)が成立するとするわけです。

ただし,^φ(xr)は,全体の積から,

φ(xr)のみを除くことを意味する記号

です。

この(22)式は,次元dが,複合演算子:

[φ(z){δS/δφ(z)}]の正しい次元:

4以上の場合なら,常に,そして最初の

因子φ(z)を両辺で,その微分:∂μ1.

μkφ(z)に置き換えても(dをその

正しい次元以上にする限り)成立します。

この式は,演算子型式で正準交換関係

を用いて得られる式と,ほぼ同じですが,

T積が実はT積であることや,因子:

[φδS/δφ]が,機能的に導入された

正規積であることなど,あくまでBPHZ

の枠内での等式となることに着目します。

※(注2-1):以下,(22)をFeynmanグラフ

的に証明します。

ただし,今は,たび重なるココログフリーのリニューアルや,OS()Windows)の

バージュンの変化でブログ記事の上で

用いていた,図を書くスキルなどを失っているため,文章のみの,頭の中に仮想的に

描いた図での説明しか,できませんが。。

さて,まず,φ(δS/δφ)

=φ[-(□+μ2)φ-(λ/3!)φ3]の

うち,V={-φ(□+μ2)φ}として,V

のみを挿入した裸のGreen関数:GV(n)

に効くFeynmanグラフを運動量表示で

考察します。

グラフのV頂点(Vを含む頂点)

のKlein-Gordon演算子の掛かった場:

[-φ(□+μ2)φ]が出る線は,一般に

直接,外線p1,p2,.pのどれかに

つながるか?または,λφ4相互作用の

頂点につながるか?のどちらかです。

-(□+μ2)φから出る線は全く相互

作用が無いグラフと,(この場合λφ4

無い)相互作用をしているグラフに

つながるか?のいずれかしかありません。)

ところが,-(□+μ2)φの演算子:

-(□+μ2)は,運動量表示ではp2-μ2)

であり,丁度:伝播関数:-(□+μ2)-1

(これは運動量表示では,i/(p2-μ2))

を相殺して単なる数因子;iに変える

働きを持つことに注意すれば,結局

のところ,(22)式の<0|T([φ(z)

δS/δφ(z)]dφ(x1),,φ(xn)|0>

=iΣr=1n4(z-xr)

<0|T(φ(x1)..^φ(xr).. φ(xn)|0>,で,φ(δS/δφ)=φ[-(□+μ2

-(λ/3!)φ3])とした等式が成立する

ことがわかります。

すなわち,グラフ表現の等式の両辺で,

V頂点に次元dを付与したBPHZの

R演算を施します。

これは,グラフのV頂点に

[-φ(□+μ2)φ]を挿入したGreen

関数に対する等式を与えます。

第1項:つまりV頂点が相互作用無し

で直接n個の外線の1つにつながって

いて,残りとは無関係の場合には,V頂点

を囲むくりこみ部分は存在しないので,

通常のR演算を受けて,(22)の右辺の

総和式を得るわけです。

(※この第1項のV頂点因子は,単に,

(p2-μ2)×{i/(p2-μ2)}=i

と,(-iλ/3!)の積の数因子です。)

他方,残る第2項は,V頂点が

φ・i(―iλφ)/3!)=φ・λφ3/の

複合場となっていて,Vを含む部分は,

元の{-φ(□+μ2)φ]と同様,Vを

次元dであると見なしたTaylor引き算

を受けます。

それ故,R演算後の第2項は,次元d

の正規積:[φ・λφ3/3!]を挿入した

Green関数:<0|T[{φ・λφ3/3!}dφ(x1)..φ(xn)]|0>を与え,これを左辺に移項

して[―φ(□+μ2]φ-λφ3/3!]

挿入項にまとめられて,(22)の左辺を

与えるわけです。(証明終わり 

(注2-1終わり※)

BPHZの枠内では(22)の等式は大変有用なモノであり,例えばカレント保存則から従うWT恒等式もこの範疇に含まれて

います。  

最も簡単な例として,複素スカラー場φ

から成る系で有効Lagrangianが

=∂μφμφ-μ2φφ

-(λ/2)(φφ)2で与えられる場合を

考えます。

このときU(1)カレント;jμ(x)

=i{φ(x)∂μφ(x)-{∂μφ(x)}

φ(x)}=iφ(x)∂μφ(x)(23)

は,素朴な(1)の運動方程式を用いて,

保存することがわかります、

すなわち

μμ=i{φ*□φ-(□φ*)φ}

=-i{φ*(δS/δφ)-(δS/δφ)φ}.(24)ですから素朴な運動方程式:

δS/δφ=δS/δφ=0から,右辺は

ゼロとなります。素朴にはそうです、

等式:<0|T([φ(z)δS/δφ(z)]d

φ(x1),,φ(xn)|0>

=iΣr=1n4(z-xr)

<0|T(φ(x1)..^φ(xr)...φ(xn)|0>は,<0|T([φi(z)|δS/δφk(z)]]d

φi1(1i2(x2).φim(xm)|0>

=iΣr=1n4(z-xrkir

<0|T(φ(z)φi1(x1)..^φir(xr)

..φim(x)|0> (25)となることが

容易にわかります。

さらに、一般に正規積[O]に対して

μ[O]=[∂μO]d+1.(26)の等式が

成立します。

何故なら,グラフγのω次のTaylor

項演算子をtγω.,γの外線運動量因子

の1つをqμとするとき

ɤ(ω+1)μ=qμγωとなるからです。

そこで,(23)を正しい次元3を付与

した正規積[jμ]3として,それを挿入

したGreen関数の発散∂μを計算

すれば,(26),(25),(24)の等式を用いて

次式を得ます。すなわち,

zμ<0|T{[jμ(z)]3φ(x1)..φ(x)

φ(y1),.φ(yn)}|0>

=∂<0|T{[φ{δS/δφ}

-{δS/δφ(z)]4

φ(x1)..φ(x)

φ(y1)...φ(yn)}|0>

=-Σr=1nδ4(z-xr)

<0|T{φ(z)φ(x1)..φ(x)

φ(y1)...φ(yn)}|0>

+Σr=1nδ4(z-yr)

<0|T{φ(z)φ(x1)..φ(x)

φ(y1)..φ(yn)}|0>..(27)

です。

この式が,BPHZ定式化における

WT恒等式であり,形式上,演算子形式

で素朴に(紫外発散の問題を考慮しない)

正準交換関係を用いて求めたWT恒等式

を再現したものとなっています。

U(1)カレントの正規積[jμ]3

代わりに,次元4のエネルギー・運動量

テンソルのそれ[Tμν]4の場合も同様です

。また,,次元3以下のソフトな破れがある

カレントの場合も同様な等式で分析

できます、

  • さて,続いて演算子積展開に戻ります。

準備が整ったので先のWilsonの

OPEの公式(1):

A(x)B(x)

=limx→yii(x―y)

i((x+y)/2)],(Ciはc-数関数)を

,BPHZ定式化を用いて証明することを

始めます。

一般的な場合も本質的には同じなので,

ここでは最も簡単な場合:λφ4理論で,

AもBも場φ自身である場合のみを

考えます。

すなわち,Tφ(x+ξ)φ(x-ξ)

=Σii(ξ)[Oi(x)]di  (28)

(diはCiの正しい次元)の形の展開式

の成立を証明します。問題としている2

つの演算子の積:φ(x+ξ)φ(x-ξ)

を挿入した(くりこまれた)Green関数:

(n)φ(x+ξ)φ(x-ξ)は,今の場合,

単に,(n+2)点Green関数:(n+2)

です。

つまり,<0|T{[φ(x+ξ)φ(x-ξ)

φ(y1)..φ(y)}|0>=∫d4qd4

(2π)-8×Πj=1n4ik(2π)-4

exp(-iqx-ik・2ξ)

×exp-iΣj=1njj)(2π)4

δ4(q+Σj=1nj)

(n+2)(q/2+k,q/2-k,)..(29)

です。ここで,φ(x+ξ)および,

φ(x-ξ)の運動量をそれぞれ,

(q/2)+k,および,(q/2)-k(つまり,

重心運動量がq,相対運動量がkとなる

ように)置き,その他の運動量を

­=(p1..p)としました。

(29)で,ξ→0での挙動を今から

調べたいのですが,(29)は,ξ=0では

∫d4k(2π)-4がloop積分の形になり

新たな紫外発散が生じる。という構造

になっています。そこで,演算子積:

φ(x+ξ)φ(x-ξ)に対し,これは

離れた2点の場の積なのますが,先の

局所積の場合と同様,正規積:

[φ(x+ξ)φ(x^ξ)]というもの

を,次のように導入します。

まず,ΓをG(n+2)に効く任意のグラフ

とするとき,端点:x1=x+ξと,

x-ξを一致させて得られる

グラフΔをΔ=Γ~.(30)と記述します。

新たに生じた点x=x1=x2のφ2頂点

Vと呼びます、しかし,この操作は

(29)のG(n+2) →G~(n+2)のFeynman

グラフに効く被積分関数:]ΓはIΓ→,IΔ.(31)

としてほとんど何の変更もしてないことに

注意すべきです。

(29)の被積分関数をIΓと思うかIΔと思うかは

後から行なう∫d4k(2π)-4exp(-2ikξ)が単

なるFourier積分か,ξ=0とおいたloop積分に

なるか,の違いだけです。

そこで,次数がdの正規積:

[φ(z1)φ(x2)]を次のように定義

します。

すなわち,あるグラフΓの寄与として,

<0|T{{φ(x1)φ(x2)}φ~(p1).

.φ~(pn)}}0>Γ (x1=x+ξ,x2=x-ξ)

=∫d4qd4k(2π)-8

exp(-iqx-2ikξ)(2π)4

δ4(q+Σii)]∫Πj=124j

Δ(d)(q/2+k,q/2-k,,d)]..

(32)とします。

途中ですがここで今年は終わりです。

※(参考文献):九後汰一郎著

「ゲージ場の量子論Ⅱ」(培風館)

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