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2022年1月17日 (月)

ガロア理論の復習(8)

※2021年12月13日(月)開始→2022年1月16日(日)

遅ればせながら,明けおめ,ことよろ。。

来月の2月1日には,生きていれば72歳になる予定です・

※(余談) 12月13日月曜夕方から,何故か血中酸素濃度

が90以下まで下がり,酸素吸入のお世話になっています。

飲食物,薬はお金さえあれば何とかなるけれど酸素不足

は自分の力じゃどうしようもないです。酸素業者のお世話

になっています。4.0リットル/分の吸入で何とかなってます。

最近.流行のオミクロンでは酸素吸入(中等症)も肺炎も少ない

なので,私のはコロナじゃないだろうし.弱毒化した

ウィルス感染に,政府,自治体,マスコミ,御用学者は過剰

防衛と思えるピントハズレな対策が続いていると見えます

ね。有害でない大腸菌のようなもものの感染ならいくら

体内に増加しても大丈夫ですね

さて酸素吸入器が取れないまま,年が明けてしまいました。

新年の挨拶も余裕なく,よく呼吸困難になりますが発熱も

肺炎もなくブログもたまに書くと疲れます。少しずつ

起きて書いても,すぐ疲れてキリがなく,この話題は何とか

終わりそうなのですが長いので分割します。(余談終わり※)

※ガロア理論の本題の続きです。

第8章 有限体について

※1のn乗根について

[補助定理1]:可換群Gにおいて,a,b∈Gの位数がm,n

のとき,m,nの最小公倍数をkとすると,Gの中には位数

がkの元:c∈Gが存在する。

(証明)(m,n)=1なら,k=mnであり,c=abと

すれば,このcが求める位数がkのGの元です。

何故なら,ck=ak=1は明らかでありlがcの位数

であるとすると,lはcl=1となる最小の正整数です。

もしも,l<kならk=lq+r(0≦r<l)で,c=1.

lq=1ですから,cr=1によりr=0が必要です。よって

k=lqであり,lはk=mnの約数です。

ll=1よりal=b-lですが,(b-l)n­=(1/bn)l=1

なので,aln=1です。mがa=1となる最小の正整数

であったので,m/(ln)であり.m/l,またはm/nです

が,これらは(m,n)=1に矛盾します。故に,c=abの

位数は,l=k=mnです。

一般の場合,m,nを素因数分解してm=p1e12e2・・・

ses,かつ,n=p1f12ef2・・・psfsとします。

このとき,位数が,piei,pifi(i=1,2,..s)の元が存在します。

何故なら,m=pqと因数分解できるとき,a=1ですから

(a)p=1となり,(a)は位数がpの元となるからです。

a=pqと同様,b=pqの場合も同様です。

そこで,gi=(ei,fi)としてdi=pigi(i=1,2,..s)と

おけば,k=d12..dsは,m,nの最小公倍数です。

そして,位数がdi=pigi(i=1,2,..s)の元が存在します。

iを位数がdiの元として,c=a12・・asとすれば,

cがkを位数とするGの元です。(証明終わり)

[補助定理2]:有限可換群Gにおいて,元の位数の最大値を

kとすると,任意の元の位数はkの約数である。

(証明)群Gの元の位数の最大値をkとします。

a∈Gの位数mがkの約数でないなら,kとmの最小公倍数は

kより大きく,[補助定理1]より,これを位数とする元が存在

しますが,これはkがGの元の位数の最大値であるという仮定

に反します。故にmはkの約数です。(証明終わり)

[定理8-1](可換)体Fの乗法群F×の有限部分群Sは巡回群

である。

(証明)|S|=nとし,Sの任意元の位数の最大値をrとすると,

∀x∈Sは,xr-1=0を満たします。

しかし,この方程式はFの中でr個より多くの解を持つこと

ができないので,n≦rです。

一方,rはnの約数なのでr≦nですから,結局r=nです。

つまり,Sは位数がnの巡回群です。(証明終わり)

[定義8-1]:(1のn乗根)

nを正の整数とする。体Fの元αがαn=1を満たすとき,

αを「1のn乗根」という。

体Fの有限乗法部分群Sの位数がnのとき,Sの元は全て1

のn乗根である。巡回群Sの生成要素の数は,Eulerの関数

Φ(n)で与えられるが,これら生成元を「1の原始n乗根」

という。

※位数が,丁度nである,S=<ε>={1,ε,ε2,..,εn-1}の元

が存在して,εkが1の原始n乗根であるためには,(k,n)=1

なることが必要十分です。

何故なら,εn=1より,(εk)n=1ですが,もしも(εk)q=1なら,

n|(kq)であり,(k,n)=1の場合,n|qより,q≧nです。

そこで,nがqの最小正整数なので,これがεkの位数です。

逆に,(k,n)=d>1なら,k=k1d,n=n1dと書けて,

εk=(εk1)d=1より,(εk)n1=1でn1<nですから,位数は

nより,小さいことになるから矛盾です。

nが素数pのとき,φ(p)=p-1です。

何故なら,n=p(素数)なら,「Fermatの小定理」によって,

εp-1=1であり,kが(p-1)と互いに素であるSの元εkは,

k=0,1,2,p-2に対応する(p-1)個であるからです。

[定義8-2]:(有限体の定義)

体Fの元が有限個数のとき,Fを有限体という。

[定理8-2]:Fの乗法群としての単位元を1とする。このとき

Fを加法群として見たときの1の位数をpとするとpは素数

である。

(証明)p=qrと因数分解できてq>1,r>1とすると,q<p,

r<pです。ところが,p・1=(qr)・1=(q・1)(r・1)=0

なので(q・1)=0,または,(r・1)=0です。

これは,1の位数がpであるという仮定に矛盾します。

故にpは素数です。(証明終わり)

[定義8-3]:(標数の定義)

有限体Fの乗法の単位元1の位数である素数pを「体Fの標数」

という。

[定理8-4]n∈Zに,(n・1)∈Fを対応させるとZからFの中

への環準同型写像が得られ,標数がpなので,核はイデアル(p)

である。よって準同型定理から,Fは体Z/(p)に同型な部分体Fp

を持つ。このFpをFの「素体」という。

Fの元1+1を2,1+1+..+1(n個)をnと表わすことに

すると,p=0であり.Fp={0,1,2,..p-1}である。(証明略)

[系1]:標数がpの有限体Fでは∀a∈Fに対してpa=0である。

(証明)pa=a+a+..+a=1・a+1・a+..+1・a

=(1+1+..+1)・a=(p1)・a=0 (終わり)

[系2];Fを標数がpの有限体とする。∀a,b∈Fに対して

(1)(a+b)p=ap+bp.(2)ap=bp⇔a=b(証明略)

[定理8-5]有限体Fの標数をp,Fp上の次数をfとすると,

Fの大きさはq=pfである。さらに,Fの乗法群F×は,

位数:(q-1)=(pf-1)の巡回群である。

(証明)FはFp上f次元なので,Fの元ω12...ωf

存在して,∀α∈Fは,α=x1ω1+x2ω2+..+xfωf

(xi∈Fp)と一意的に表わされます。

そしてxiの取り方はp通りあるので,αの取り方,つまり,

Fの大きさはq=pfです。

×はFの中で有限可換群ですから[補助定理1]により巡回群

であり,位数は(q-1)=(pf-1)です。(証明終わり)

※有限体Fの元は0,1,ζ,ζ2,..ζq-2です。(ζq-1=1)

[例8-1]p=2のときFはF2の2次拡大体で,F×は位数が3

の巡回群です。F×=の元はx=ζ,ζ2,1であって,x3=1を

満足します。x3-1=(x-1)(x2+x+1)より,ζ,ζ2は,

2+x+1=0の根で,F={0,1,ζ,ζ2}です。(終わり)

※有限体の拡大体

[定理8-6]:有限体Eが部分体Fのn次の拡大のとき,Fの

大きさをqとすると,Eの大きさはqnである。Eの乗法群

×は位数が(qn-1)の巡回群である。

(証明)EのF上の基底をω12,..ωnとします。

すると,∀α∈Eは,α=x1ω1+x2ω2+..+xnωn

(xi∈F)と表わされます。|F|=qよりxiの取り方

はq通りあるため,Eの大きさ|E|はqnです。

×は体Eの中の有限群なので,巡回群であり,位数は

(qn―1)です。()証明終わり)

[系]:有限体Eは,その部分体F上,E=F(ζ)のように,

Fにただ1つの元ζを添加して得られる。よって有限体の

場合も,有限次拡大体は単純拡大体である。

(証明)巡回群E×の生成元をζとすれば,q=|E|のとき

r=0,1,2,..q-2に対して,ζr∈F(ζ)なのでE×⊂F(ζ)

であり,0∈F(ζ)よりE⊂F(ζ)です。

一方,0.1.ζ,ζ2,..,ζq-1のつくる体はF(ζ)を含むので

E=F(ζ)です。(証明終わり)

[定理8-7]:有限体EがFのn次の拡大のとき,EはFの

ガロア拡大体(正規拡大体)である。

Fの大きさをqとするとき,σ:α→αq(α∈E)は,Eの

F上の自己同型写像であり,EのF上のガロア群Gは,

G={ε,σ,σ2,..,σn-1}(εは恒等写像)であり,σを生成元

とする巡回群である。

(証明)E(したがってF)の標数をpとすると,q=pnです

から,∀α,β∈Eに対して,(α±β)=αq±βqです。

何故なら,(α±β)p2={(α±β)p}p etc.です。

同様に,(αβ)q=αqβqです。

したがって,σ(α±β)=σα±σβ,σ(αβ)

=(σα)(σβ)であり,σは自己同型写像です。

また,a∈Eに対して.σa=a,つまり.aq=aとなる

のは,aがxq=x,つまりx(xq-1-1)=0を満たすことを

意味します。こうしたEの元:x=aの個数は高々q個です。

ところが,Fの元はq個あって,F×は位数(q-1)の巡回群

ですから,∀x∈F×はxq-1=1を満たし,x=0もxq=xを

満たすため,aq=aを満たす元a∈Eは.Fのq個の元に一致

します。したがって,巡回群:<σ>の不変体がFです。

さらに,σの位数をmとするとき,σm=εですから.E×

生成元をζとすると,σmζ=εζ=ζ,つまり,ζqm=ζ,or

ζqm-1=1ですが,EはFのn次拡大体なので,Eの大きさは

nでE×は位数が(qn-1)の巡回群ですから,ζの位数は

(qn-1)です。よって(qn-1)≦(qm-1)より,n≦mです。

一方,<σ>={ε,σ,σ2,..σm-1}の不変体がFなので,

m=|<σ>|=(E/F)ですから,結局,m=nです。

以上から,Eは位数がnの巡回群G=<σ>を,F上の

ガロア群とする,Fのガロア拡大体となります。(証明終わり)

[定理8-8]:与有限体Fと,与自然数nに対して,F上n次の

拡大体が存在する。

(証明)Fの大きさをqとするとき,F上の多項式(xqn―x)の

分解体をEとして(E/F)=nを示します。(E/F)≠nならE

の大きさがqnではないので,Eの大きさがqnなら(E/F)=n

です。ところが,αがxqn―x=0の根ならαqn=αなので,

qn―x=(xqn-αqn)―(x-α)

=(x-α)|(xqn-1+xqn-2α+..+xαqn-2+αqn-1)-1}ですが

x=αを最右辺の第2因数に代入,すると,qnαqn-1-1となり

qは標数pのベキですから,これは(-1)となりゼロでないです。

よって,(xqn-x)は重根を持たず,根の数はqnです。この根

の全体集合をE~とします。

α,β∈E~とするとαqn=α,βqn=βより(α±β)qn

=αqn±βqn=α±β,かつ,(αβ)qn=αβなので(α±β)⊂E~,

つ,αβ∈E~であり,さらに,α≠0のとき,(α-1)qn=(αqn)-1=α-1

より,α-1∈E~です。したがって,E~は体(Eの部分体)をなします。

ところで.Fの元aはaq=aを満たすので,(aq)q=aを満たし,

qn=aです。故に,F⊂E~⊂Eです。すなわち,E~はE/Fの

中間体です。一方,Eは,E~とFを含む最小の体ですから

E⊂E~です。以上からE~=EでEの大きさはqnです。

故に,(E/F)=nです。(証明終わり)

[系]:pを素数とする。任意の自然数fに対して大きさが

fの有限体が存在する。

(証明)体:Z/(p)のf次の拡大体をつくればいいです。

(※Z/(p)は標数pの有限体です・)(証明終わり)

途中ですが,長いのでもう少しですが,ここで中断して

残念ながら先送りします。(つづく)

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