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2022年1月20日 (木)

ガロア理論の復習(9)終わり)

※2022年1月16日(日)開始→2022年1月20日(木)

※(余談) 東京大学付近で刺傷事件があったそうです。

不幸な事件ですね。本当のことは本人しか,わからない

ことでしょうから憶測,邪推ですが,人生は受験勉強だけ

じゃない。とよく言われます。

かく云う私も,第2志望とスベリ止めばかりの人生です。

医者になりたい?東大に入りたい?親がすすめる?本当に

自分の意志,希望ですか? 人に限らず生き物は,それぞれ

からの遺伝子のせいで,能力に個体差があるのは仕方ない

ことです。さらに育った環境にも左右されます

大抵は努力すれば,時間かかってもよいなら集中すれば,

ある程度希望はかなうかもしれません。でも若いときは2度

と戻りませんから,今しかないと悲観するのもアリでしょう。

でも健康に生きてれば,捨てたもんじゃないです。寝たきり

の71歳で,酸素吸入中のいつお迎えが来てもオカしくない

老齢の私には,健康で若いだけでもうやましい。

人生をアキラめずに,,ゆっくりと落ち着いて考えて,もう少し

ガンバってみよう。どこかのにいちゃん。

 

さて,,もはや弱毒だが感染力だけは強いオミクロン株.必要以上

に怖がって鼻水くらいでも隔離や入院で,施設も人員もパンク

しそうです。そもそも重い病気で苦しみ死ぬのはまずいと誰しも

思うだろうけど.とにかく感染が増えるのはマズイから阻止しよう

という前提を疑えば,今が大変かどうか?は押してしるべしです。

何をやっても,結局,ウイルスの方が人知より上手だから,感染を

阻止しる努力は,無理,で無駄.だろうが,政治的にアリバイ工作だけ

は必要だというわけせすね。感染すると自分だけじゃなく家族を

含む他人に病気を移すからダメなんだと常識的なふとが述べて

います。1億人以上の日本人全員,イヤ75億の地球人全員が2~3

日ずつ風邪になったとしたら,そんなに人類の危機なんですか?

私のように風邪でも死亡率3割といわれていう病人には。どんな

病気でも,ワクチンの副作用でも命が危険ですがネ。

外国を見れば,もうスグ,ピークから集団免疫で自然に終息しそう

です。ずっと,飲酒を悪物扱いして,また飲食店イジメの連続です。

,流行が下火になってから,テキトーな対策をする。そして,選挙,。

うまくできてるもんだネ。

評論家の三浦瑠璃氏,私嫌いな人なんですが、smanewsの

コロナの券件だけは賛同しています。(余談終わり※)

 

※さて,ガロア理論本題の続きです。

第9章 不可能の証明(代数方程式の根の公式)

[定義9-1]:(アーベル拡大体の定義)

ガロア群が可換群であるようなガロア拡大体を

「アーベル拡大体」という。

[定理9-1];Fを体(複素数体Cの部分体)とする。

ζを1の原始n乗根とし,K=F(ζ)とすると,Kは

Fのアーベル拡大体である。

(証明)Kは原始n乗根ζを含むので,xn-1の根を全て

含みます。何故なら,ζの位数はnでζn­=1であり,定義

により,K=F(ζ)は1,ζ,ζ2..ζn-1が張るF上のn次元

ベクトル空間です。ζn=1より,ζを根とする,KのF上の

既約多項式:p(x)は,p(x)=xn-1+xn-2+..+1です。

故に,xn-1=(x-1)p(x)の根は.全てKに含まれます。

(xn-1)のn個の根は全て相異なりKは(xn-1)の分解体

であるため,KはF上のガロア拡大体です。

σを,KのF上のガロア群:Gの元の自己同型写像とすると,

(σζ)n=σ(ζn)=σ(1)=1ですから(σζ)もまた1の

n乗根です。ζは原始n乗根なのでσζ=ζk(σ)となるk(σ)

が存在します。ここで,τをσとは別のGの自己同型とすると.

τζ=ζk(τ)であり,(στ)(ζ)=σ(ζk(τ))=(σζ)k(τ)

=ζk(σ)k(τ)=ζk(τ)k(σ)=(τσ)(ζ)です。(στ).(τσ)は,

共にGの自己同型写像であり.K=F(ζ)なので,∀α∈Kに

対して,(στ)(α)=(τσ)(α)が成立します。

つまり,Kの上で,恒等的にστ=τσ(可換)です。

したがって,KのF上のガロア群Gが可換群となるため,

Kはアーベル拡大体です。(証明終わり)

[注意1]:特に,素数pについては,1の原始p乗根をζと

すると,1≦k≦(o-1)のときに.kはpと互いに素なので

ζkは全て1の原始p乗根です。

p-1=(x-1)(xp-1+xp-2+..+1)であり.この第2の

因数のxp-1+xp-2+..+1は体Q上の既約多項式です。

これがζの既約多項式なので,Q(ζ)は,Qの(p-1)次

拡大体です。素数pでなく,一般の自然数nでは,1の原始

n乗根ζの既約多項式は,Euler関数をΦ(n)として,φ(n)

次多項式であり,{Q(ζ)/Q}=φ(n)です。

この一般の既約多項式:xn-1+xn-2+..+1を,

「円周等分多項式」といい,Q(ζ)を「円分体」といいます。

[注意2]:円分体の部分体を「円体」といいます。

円体は有理数体:Qのアーベル拡大体です。

(クロネッカー・フェーバーの定理)

[定理9-2]:nを自然数とする。体Fは1のn乗根を全て含む

とする。a∈Fとし,xn=aの1根αをFに添加した体をK

とする。α=n√aと表わすと,K=F(α)=F(n√a)である。

このとき,KはFのアーベル拡大体である。

(証明)(xn-a)の分解体をEとします。(xn-a)は明らかに

分離的です。すなわち,(xn-a)の2根をα,α~とすると

α≠α~です。このとき,αn=a,かつα~n=aより,(α~/α)n

=1であり,ω=(α^/α)は1のn乗根の1つです。

仮定により,ω∈Fで,α~=ωαよりα~∈F(α)です。

よって.K=F(α)が(xn-a)の分解体Eであり,KはF

のガロア拡大体です。

KのF上のガロア群をGとするとき.σ∈Gなら(xn-a)

の根αに対して,(σα)n=σ(αn)=σa=aですから,

(σα)も,αと同様(xn-a)の根です。。

そこで,ζを1の原始n乗根とすると,ζ∈Fであり,

(σα)=ζm(σ)α(0≦m(σ)≦(n-1))と書けます。

τ∈Gについては(τα)=ζm(τ)αです。

これから,前定理の証明と同様に,στ=τσ(可換)を

得ます。故にGは可換群で,K=F(α)はアーベル拡大体

です。(証明終わり)

[系]:ζ∈F,a∈Fのとき,F(n√a)/Fのガロア群は

巡回群である。

証明)α=n√aとおくとαn=aです。

Fのガロア群をGとし,σ∈Gとすると(σα)n=aなので,

σα=ζm(σ)αなる整数でm(α)はnを法として一意的に

定まるので,σ→m(σ)という写像を考えると,これはG

から,{Z/(n)}の上への1対1写像で,Gは{Z/(n)}に

同型です。したがって,Gは位数がnの巡回群です。

(証明終わり)

[定義9-1](巡回拡大体)

ガロア群が巡回群であるガロア拡大体を「巡回拡大体」

という。

※ベキ根による可解性について

[定義9-2]:(ベキ根による拡大体)

体Fの拡大体:KがFのガロア拡大体であり.体の列:

F=F0⊂F1⊂F2⊂..⊂Fr=Kが存在して次の条件が

成立するとき,Kを「ベキ根による拡大体」という。

  • 1=F0(ζ)である。ただし,ζは1の原始n乗根で

ある。(2)∀i(1≦i≦(r-1))に対して,Fi+1=Fii)

と書ける。ただし,αiはxni-ai=0のような方程式の根

である。ここで,ai∈F,ni|nである。

そして上の体の列を,「ベキ根による拡大列」という。

※Fには,1の原始n乗根が含まれているので,Fiには1

の原始ni乗根が含まれています。よって,Fi+1はFi

アーベル拡大体です。

そこで,K/Fのガロア群をGとし,Fiに対応する部分群

をGiとすると,G=G0⊃G1⊃G2⊃..⊃Gr=1のような

部分群の列が得られます。

i+1がFiのガロア拡大体であるための条件は,Gi+1

iの正規部分群であって(Gi/Gi+1)はFi+1/Fiのガロア群

に同型です。Fi+1はFiのアーベル拡大体ですからガロア群

(Gi/Gi+1)は)可換群です。よってGは可解群です。

[定義9-3]:f(x)をFの1次以上の多項式とする。

f(x)が「ベキ根で解ける」とは,f(x)の分解体EがFの

ベキ根による拡大体に含まれることをいう。

[定理9-2]:F上の1次以上の多項式f(x)がベキ根で解ける

ならば,f(x)の分解体:EのF上のガロア群は可解群である。

(証明)EがF上の多項式:f(x)の分解体であるとします。

f(x)=(x-α1)・・・x-αn)(分離的);αi∈Eであって,

E=F(α1,..,αn)であるとします。

[定義9-3]から 体Fの拡大体:EがFのガロア拡大体であり,

体の列:F=F0⊂F1⊂F2⊂..⊂Fr=Kが存在して,次の条件

が成立するとき,Eを「ベキ根による拡大体」といいます。

そして,[定義8-7]から,f(x)をFの1次以上の多項式とする

とき,f(x)が「ベキ根で解ける」とは,f(x)の分解体EがF

のベキ根による拡大体に含まれること,をいいます。

そして,E/Fのガロア群をGとして,GG=G0とおき,体Fの

E=Frまでの拡大中間体体列の,Fiに対応する部分群をGi

すると,G=G0⊃G1⊃G2⊃..⊃Gr=1のような部分群の縮小

する列が得られますが,Fi+1がFiのガロア拡大体であるための

条件は,Gi+1がGiの正規部分群であって,(Gi/Gi+1)がFi+1/Fi

のガロア群に同型である可換群であるときで,このGを「可解群」

と呼ぶことは既に定義として述べました。

したがって,f(x)がべき根で解けるなら分解体Eに対する

ガロア群Gは可解群です。(証明終わり)

[定理9-3]:Fの多項式f(x)の分解体Eは,Fのガロア拡大体

であり,Gをそのガロア群とするとき,E/Fの中間体Kに対応

するGの部分群をNとすると,KはFのガロア拡大体なので,

NはGの正規部分群であり,K/Fのガロア群は.(G/N)に同型

です。そうして,(G/N)も,可解群です。

(証明)このシリーズ「ガロア理論の復習(6)」の[定理6-5]に,

よれば,「体Eが体Fのガロア拡大体でGはガロア群であると

し,E/Fの中間体Bに対応するGの部分群をUとするとき.

∀σ∈Gに対して(σB)もE/Fの中間体であり,対応するG

の部分群は(σUσ-1)である。さらに,体Bが体Fのガロア

拡大体であるための必要十分条件はUがGの正規部分となる

ことである。このとき,B/Fのガロア群は(G/U)に同型で

ある。」とあります。このことは,既に証明済みです。

G→(G/N)の自然な準同型:g→gNを考えると,

(G/N)も可解群です。つまり,Fの拡大列に対応するGの

縮小列:G=G0⊃G1⊃G2⊃..⊃Gr=1に対応して,(G/N)

=(G0/N)⊃(G1/N)⊃(G2/N)⊃..⊃(G//N)=Nが

対応します。,これをG~i=(Gi/N),(G/N)

=G~0⊃G~1⊃G~2⊃..⊃G~r=Nと書くと,G~i+1はG~

iの正規部分群で(G~i/G~i+1)は可換群です。

何故ならgi∈Gi,gi+1∈Giとするとgi-1i+1i∈Gi+1

なので,(giN)-1(gi+1N)(giN)={(gi-1i+1i)N}

∈Gi+1Nであり,(Gi+1/N)は(Gi/N)の正規部分群です。

そして,Gi,G~i=(Gi/N)は可換群ですから,

∀σ,τ∈Giに対して,(σN)(τN)=(στ)N=(τσ)N

=(τN)(σN)です。故に,(σN)G~i+1=(σN){(Gi+1/N)}

ですが,結局,στ=τσであって可換なら,それらの同値類も

全て可換です。それ故,(G~i/G~l+1)も可換群です。

以上から,G~=(G/N)も可解群です。(証明終わり)

[注意3]:n個の変数x1,x2,..,xnの,有理数体Q上

の有理関数体:Q(x1,x2..,xn)をKとする。

Kにおいて,x1,x2..,xnの基本対称式は,次のように

書けます。(※対称式とは変数の如何なる置換によって

も不変な整式であり,それらは基本的な基本対称式と

いう対称式の関数で表わすことができます。)

1=x1+x2.+..+xn,

2=x12+x13+..+xn-1n,

・・・・・・・・・・・・・,

n=x12・・・xn-1nです。

F=Q(s1,s2..,sn)とすると.F内の多項式

f(x)=(x-x1)(x-x2)・・・・(x―xn)

=xn-s1n-1+s2n-2+..+(-1)nnの分解体

が,K=Q(x1,x2..,xn)です。

(※(x1,x2..,xnは全て相異なりf(x)は分離的

であるとしています。)

このとき,K/Fは,明らかにガロア拡大体です。

[定理9-4]:x1,x2..,xnを相異なる根とするQ上

の多項式:f(x)の分解体K=Q(x1,x2..,xn)の,

体:F=Q(s1,sx2..,sn)上のガロア群は,n次の

対称群Snに同型である。

(証明)順列:{1,2,..,n}の任意の置換をσとします。

これは{1,2,.,n}→{σ(i),σ()..σ(n)}なる写像

であり,i≠jなら,σ(i)≠σ(j)の全単射です。

K=Q(x1,x2,..,xn)の元はx1,x2,..xnの有理関数

ですが,これに対して写像Πσを次のように定義します。

すなわち,α∈Kがx1,x2,..xnの有理関数であって,

α(x1,x2,..,xn)なる関数で与えられるとき,これに

対して,Πσ(α)=α(xσ(1),xσ(2),..xσ(n))と定義します。

明らかに,Πσ(α)=α(xσ(1),xσ(2),..xσ(n))も,

(x1,x2,..xn)のQの元を係数とする有理関数であり,

Πσ(α)∈K=F(x1,x2,..xn)です。

次に,ΠσがKの自己同型写像であることを示します。

まず,∀α,β∈Kひ対して,(α±β)(x1,x2,..xn)

=α(x1,x2,..,xn)±β(x1,x2,..,xn)ですから,

Πσ(α±β)=(α±β)(xσ(1),xσ(2),..xσ(n))

=α(xσ(1),xσ(2),..xσ(n))±β(xσ(1),xσ(2),.,xσ(n))

=Πσ(α)±Πσ(β)です。

また,(αβ)(x1,x2,..xn)=α(x1,x2,..xn)

β(x1,x2,..,xn)より,Πσ(αβ)=Πσ(α)Πσ(β)の成立

も自明です。故に,Πσは,環準同型(加法,乗法で準同型)です。

しかも,σ,τ∈Snに対して,σ≠τならΠσ≠Πτ,であり

G={Πσ:σ∈Sn}では,∀Πσ∈Gに対して必ず,対応する

σ∈Snが存在するのでSnからGへの写像:σ→Πσは全単射

ですから,GとSnは同型:G~Snです。そして,このときKの

自己同型群Gの不変体は,F=Q(s1,s2,..,sn)であることが

わかります。

何故なら,まず対称式s1,s2,..,snは明らかに任意のGの元

Πσで不変です。そこで.体FはGで不変ですから,Gの不変体

をF~とすると,F~⊃Fです。

それ故,(K/F)≧(K/F~)=|G|=|Sn|=n!です。

ところが,KはFのn次多項式の分解体ですから,

(K/F)=n!です。

何故なら,x1,x2..,xnがf(x)のn個の根であるとき

n=F,Fi=F(xi+1,xi+2..,xn)=Fi+1(xi+1)とおけば,

F=Fn⊂Fn-1⊂...⊂F1⊂F0=Kです。

そこで,(Fi-1/Fi)≦iならば,(K/F)=(F0/F1)(F1/F2)

・・・(Fn-1/Fn)≦n!です。

そのためには,Fi-1はFiにxiを添加して得られる拡大体

なので,体Fiに係数を持ち.次数が高々iのxiを根とする

(既約)多項式を見出せばよいことになります。

そこで,fi(x)=(x-x1)(x-x2)..(x-xi),..,

n(x)=f(x)とおけば,fi(x)はxのi次の多項式で最高次

の係数は1であり,他の係数は,F=Q(s1,s2..,sn )の元である

:1,s2..,snと,Fi=F(i+1,xi+2..,xn)の元:i+1,xi+2..,xn

のみの関数で与えられます。例えば,fi(x)のxの係数は,

-(x1+x2+..+xi)=-s1+(xi+1+xi+2+..+xn)です。

2の係数は,(x12+..xi-1i)ですが,これもFの元s2

i=F(i+1,xi+2..,xn)の元:i+1,xi+2..,xnで表わされる

はずです。しかも,明らかにfi(xi)=0です。

故に,確かに(Fi-1/Fi)≦iが成立します。

したがって,(K/F)=(K/F~)=n!となるため,F~=F

です。つまり,FがGの不変体で,K/Fのガロア群は対称群

nに同型です。(証明終わり)

 

[基本定理]:n≧5のn次多項式は,べき根で解けない。

(証明)F=Q(s1,s2..,sn)上の多項式f(x)がベキ根で解ける

ならf(x)の分解体E=F(x1,x2..,xn)のガロア群Gに同型な

対称群Snが可解群であることが必要です。

ところがSnはn≧5のときは可解群でないので5次以上の

代数方程式はベキ根では解けません。

※これの詳細証明については「ガロア理論の復習(2)」で群論

のトピックとして,特に代数方程式の可解性を意識することなく,

既に,可解群や対称群について詳細に論じることでて証明されて

います。そこで必要部分を再掲載して以下の証明に代えます。

(※再掲記事:抜粋開始):第2章 可解群

体の拡大列に自己同型群の縮小する正規列が対応し,それが

代数方程式の係数を置換する対称群に関わるというのは,,随分

と先のトピックであり,環や体の説明の後に記述するのが理論

構成の本来の順序であると思いますが,,一応,群についての全て

の話だけを,予めまとめて書いたらしい私の過去ノートに従う

ことにします。

[定義2-1]:(可解群の定義):群Gが与えられたとき,まずG0

0=Gとおいて,k=0,1,2,,に対し,Gk+1をGkの正規部分群

とする縮小する列として,G=G0⊃G1⊃..⊃G⊃Gk+1⊃...

をつくるとき,商群(Gk/Gk+1)が全て可換群(アーベル群)となる

正規列が,有限のm個でGm={e}となって終わるなら,自己同型群

Gを「可解群」という。

※交換子群を用いてGk+1=G~とすることもできます。

(ただし,交換子群:G~はD(G)とも書かれ,∀x,y∈Gに対し.

その交換子:(xyx-1-1)を含む最小の正規部分群のことです。)

それ故,どんな群Gでも正規列を作ることは可能ですが,それ

が有限個で{e},または{1}に収束するかどうか?は定かでは

ないです。{e}に収束しない群Gを「非可解群」という。

(※縮小正規列の途中でGが可換群(アーベル群)となるなら,

G~k={e}なので,Gk+1={e}と置けば,その時点で可解群

であることが判明します。)

[定義2-2]:(部分群の指数の定義)

群Gの部分群Hの指数とは,Hによる(左右)剰余類の個数の

ことです。これを|G:H|と表記します。

[定理2-1](ラグランジュ(Lagrange)の定理):

Gが有限群で,Hがその部分群であれば,指数:|G:H|

=|G|/|H|である。

(証明)前に記述したように,Hによる左剰余類の場合

なら,G=ΣaHのように,Gは互いに素な剰余類の

直和で表わせます。

そして,剰余類(aH)の元の個数は全てHの位数

|H|に等しいため,|G|=|G:H|・|H|です。

故に|G:H|=|G|/|H|を得ます。(証明終わり)

[定義2-3]:(対称群(置換群)の定義):

n個の整数の列{1,2..n}の順序を交換する写像,

σ:{1,2,..n}→{p1,p2,..pn}(順列)を,n次の置換

と呼び,Snを全てのn次の置換を元とする集合とすれば

これは置換の積について群をなし,これを対称群(置換群)

という。※ただし,置換の積とは,合成写像を意味します。

つまり,σ:{1,2..n}→{p1,p2,..pn}と,τ:{1,,2,.n}

→{q1,q2,..qn}なる元(写像):σ,τ∈Snの積は,写像

σ:i→pi=σ(i)と,写像τ:i→qi­=τ(i)を,この順に

適用して合成すると,合成写像:(τσ)(i)=τ(σ(i))

=τ(pi)となりますが,線形代数学では,これを

置換σと置換τの積:(στ)と定義するのが慣例です。

置換操作は可換ではないので,定義での操作順序

の規約は,参考書によっては演算の順序が逆のモノ

もあり,誤解すると混乱の種になるので注意が必要

です。

そして,実際,この積演算はSnの中で閉じており

整数列の順序を全く変化させない写像:e(i)=i,

つまり,e:{1,2..n}→{1,2,n}を恒等置換と呼べば

これが積演算の単位元となります。

そして,σの逆元σ-1は,これを逆写像:σ-1:p→i,

つまり,σ-1:{p1,p2,..pn}→{1,2..n}で与えれば,

(σσ-1)=(σ-1σ)=eとなるので,その存在は明らかです。

また,群であるために必要な積演算の結合則は,積演算

が合成写像ですから,結合則の成立も自明でSnは確かに

有限群をなすことがわかります。

[定義2-4]:(互換の定義):特にn個の列{1,2..n}のうち.

成分iだけを,j≠iなるjと交換して,それ以外の成分

は不変のままの置換を,(i,j)と書いて「互換」と呼び

ます。このとき,互換も1つの置換ですから,もちろん

∀(i,j)∈Snです。

※線形代数学によれば,任意の置換σ∈Snは有限個の

互換の積で表わすことができます。

そうして,その因子分解は,個々のσに対し一意には

決まらないのですが.1つの置換の因子分解の因子の総数

が奇数であるか,偶数であるか?は,一意的に決まります。

そこで,奇数個の互換の積で表わせる置換を奇置換と

いい,偶数個の互換の積で表わせる置換を偶置換といいます。

nの置換の総数,つまり,位数|Sn|は,順列の総数に

等しいので|Sn|=nn=n!ですが,奇置換に左からでも

右からでも互換を1つ掛けると偶置換になり,逆に,

偶置換に互換を1つ掛けると奇置換になるので1対1

の対応があり,結局,奇置換と偶置換の個数は同じです。

故に,それぞれ,(n!/2)個ずつ,あるはずです。

しかし,積演算の単位元である恒等置換eは,偶置換

ですから,それを含む偶置換の集合だけがSnの部分群

をなし,ます。これをn次の交代群と呼び,Anと表記

します。

[定理2-2]:交代群AnはSnの交換子群:S~nであり,

それ故,Snの正規部分群である。

(証明)σ,τ⊂∈Sのとき.交換子:στσ-1τ-1

つくると,σが奇置換ならσ-1も奇置換,σが偶置換

ならσ-1も偶置換で,τとτ-1についても同様です。

それ故,交換子:στσ-1τ-1は常に偶置換です。

故に交換子で生成される交換子群:S~nは交代群

nに一致しており,既述の定理によって正規部分群

です。(証明終わり)

[定理2-3]:対称群S2,S3,S4は可解群でありn≧5

の対称群Snは可解群ではない。(非可解群である。)

(証明)S2は恒等置換:eと互換:(1,2)のみが元で,

積は常に可換なので可換群ですから,その交換子群

は,S~2={e}でこれは正規部分群なのでS2⊃{e}

が正規列となり.明らかに可解群です。

次に,交代群Anは,Snの指数が2の正規部分群

ですが,n=3のA3は,それ自身可換群です。

何故なら,S3の位数は6,A3の位数は3で,その

元は恒等置換:e={1,2,3}とσ={2,3,1},および,

σ-1=={3,1,2}だけですから明らかに可換群であり,

正規列:S3⊃A3⊃{e}を得るので可解です。

n=4のS4についてはσ={i,j,kl}∈S4

は,物理で用いるLevi-Civitaテンソルの非ゼロ

成分のεijklが+1のとき偶置換で,σ∈A4です、,

他方,εijklが(-1)のとき.σは奇置換です。

しかも,σ∈A4のとき.(1,2)σは奇置換であり

σ,τ∈A4でσ≠τなら,(1,2)σ≠(1,2)τとなり

1対1に対応します。

それ故,S4/A4={A4,(1,2)A4}です。この商群

は単位元A4の他には元が1個なので可換群です。

そもそも指数が2なら.商群の位数は2で,常に可換群

です。そしてVをV={e,(i,j)(k,l)}(ただし,

i,j,k,lは1~4の異なる数)とおくと,|V|

=1+42/2=4です。Vの元である互換の積の積

は,異なる4つの互換の積:(i1.j1)(k1,l1)

×(i2,j2)(k2,l2)ですが,これは互換の順序に

依らないので可換です。

そして,|A4|=12より,|A4/V|=3で(A4/V)

={V,(1,2,3)V.(2,3,4)V}と書けますが,そもそも

位数が3の部分群は,単位元と,それ以外の1つの元

とその逆元だけが全ての元なので,明らかに可換群です。

以上から,S4⊃A4⊃V⊃{e}という正規列が得られ,,

4が可解群であることが示されました。

次に,n≧5のSnを考えます。Snの部分群で長さ

が3の巡回置換を全て含むものをGとします。

このときNがGの正規部分群ならNもまた,

長さ3の巡回置換を全て含むことを示します。

n≧5なので,i,j,k,r,sを1からnまでの

うちの相異なる5文字とします。

そして,σ=(i,j,s),τ=(k,r,s)とすると

仮定により,σ,τ∈Gです。このとき,その交換子

は,στσ-1τ-1=(i,j,s)(k,r,s)(s,j,i)

×(s,r,k)=(r,j,s)となります。

何故なら,(i,j,s)(s,k,r)=(i,j,k,r,s)

で,(j.i,s)(r,k,s)=(j,i,r,k.s)です

から,積はi→i,j→s,k→k,r→j,s→r

となるため,(r,j,s)と書けて,これは長さ3の

巡回置換です。交換子群は.最小の正規部分群です

から,NがGの正規部分群なら(r,j,s)∈Nですが

r,i,sは任意なのでNも全ての長さ3の巡回置換

を含むことがわかりました。

それ故.もしもSnが可解群であるなら,

n⊃S(1)⊃..⊃S(r)={e}となる正規列がある

はずですが,そうすると最後の正規部分群:|e}も

長さ3の巡回置換を全て含むべきなので,これは矛盾

です。したがって,n≧5のSnは非可解群です。

(証明終わり)(※再掲載記事終了)

以上でn≦4のn次代数方程式はベキ根で解けて,

n≧5のn次代数方程式はベキ根では解けないことが

証明されました。

※一応,1994年の私のノートから初期の目的は終わりました。

このシリーズは終わりです。しかし,書き残したことで続く

かもしれません。

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