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2022年2月 1日 (火)

ガロア理論補遺(今日は誕生日)

※2022年1月21日(金)開始→2022年2月1日(火)

※(余談):投稿を迷ってるうちに,2月に入ってしまいました

今日:2/1は私の72回目の誕生日です。1950年生まれの年男

なのですが,古希も超えた死に損ないジジイには「めでたくもアリ,

めでたくもナシ,誕生日も冥途の旅の一里塚。」です。

昔は,行きつけの飲み屋のカラオケ伴奏で,毎年恒例のように,

「Happy  Birthdaty to Me」を唄ってアピールしたものでした。

常連だったんだから,誰か覚えていろよな。ホントに。。。

(※今朝はネットバンクをチェックしたら,何か10万円が一括入金

されてました。住民税非課税家庭への給付金でしょうね?

意外と早いね。ラッキー。誕生日プレゼントかな???)

さて,大抵の病気はグッスリと良い睡眠を散れば治るという

のが昔からの持論で,風邪でもひくと最安のユンケルと睡眠薬

2日以内には回復してました。その他には度な「百薬の長」

でもあればなおイイいかも?と思っています。

私,30歳代の終わり頃からの慢性糖尿病が原因で,心不全であり

腎臓も透析はしてないが悪化中なので,不眠は体に負担が大きく

逆に睡眠はとてもいい薬です。なぜか?年末くらいから食欲も

なく,不眠続きで体力が低下して寝たキリに近くなっています。

かろうじて首から上だけ元気です。入院が多くてもう足の筋肉が

立ってるだじぇで辛いのでね。23歳から57歳まで長年のウツ病

で向精神薬には慣れているせいか,少々の精神安定剤は単なる睡眠

剤よりの不眠にもこよく効くので,訪問医に処方してもらって昼も

夜も飲んでいると,少しは楽になってきました。ただ,相変わらず1

分間に4リットルの酸素優吸入をしいます。食が細いのに体重が

減らないのは,きっと心臓が弱って肺に水が溜まっているようです。

利尿剤も飲んでますが,糖尿病なのに糞尿じゃなく出が悪いです。

イヤ,先は長くないですね。コロナには無関係ですが。

(余談終わり※)

※以下,本題です。ガロア理論の復習のシリーズの補足として,

記事:(1)~(9)の意味などを代数方程式解法の歴史とも関連

づけて,自己確認も兼ねて考察し要約してみました。

※古代ギリシャのユークリッド以来,,幾何学全盛の時代にも

,ディオファントスや,アルキメデス,ピタゴラスなど,必ずしも

図形とは関わらない,数字の数学を研究する学者もいました。

しかし,近代西洋代数学が発展したのは,xやyという文字を

変数として,例えばx-6x2+3x+5のように.数式を表現する

方法を発明したフランスの有名な哲学者デカルト(Descartes)の

功績が非常に大きかったのでは?と思います。和算など漢数字に

よる難解と見える東洋数学の表現に比べ,数式を記号表現に簡素化

したのは,非常に明快であり,大きな意味があったと思います。

さて,まず,2次代数方程式,いわゅる2次方程式の根を求める公式

については,昔,高校で習いました。

すなわち,基本式はf(x)=ax2+nx+c=0(a≠0)ですが,

これをa{x+b/(2a)}2-b2/(4a)+c=0と変形すると,

{x+b/(2a)}2=(b2-4ac)/(4a2)となりますから,

ルートの中が正か負か?を判別する判別式をD=b2―4acと

おけば,この方程式の2根はx=(―b±√D)/(2a) です。

次に,3次方程式frすが.これは16世紀にイタリアの学者

Tatyagliai(タルタリア)が発見したモノを,Cardano(カルダノ)

が無断で盗んだとか?金を払って買ったとか?で,今日では

「Cardano(カルダノ)の公式」と呼ばれています。

まず,基本式はf(x)=ax3+bx2+cx+d=0(a≠0)です。

これは,a{x+b/(3a)}3-{b2/(3a)}x+cx-b3/(27a2)

+d=0。と変形できます。

それ故,y=x+b/(3a)とおき,x=y-b/(3a)を代入すれば,

ay3+{c-b2/(3a)}y+{d+2b3/(27a2)}=0∔となります。

これを,y3+Ay+B=0と書けば,2次項が消え簡単になります。

ただし,A=-(b2-3ac)/(3a2),B=(27a2d+2b3)/(27a3)

です。さらに,y=u+vとおくと,(u+v)3+A(u+v)+B=0.

,つまり,u3+v3+(3uv+A)(u+v)+B=0 となります。

そこで,uv=-A/3とおけば,u3+v3=-B, かつ,

33=-A3/27となりますから,u3,v3は,tの2次方程式

2+Bt-A3//27=0 の未知変数tの2根になります。

そこで,D=B2+4A3/27とおけば,u3=(-B+√D)/2,

かつ,v3=(-B-√D)/2と書くことができます。

u={(-B+√D)/2}1/3,v={(-B-√D)/2}1/3とおき,

1の3乗根を1,ω,ω2と書けば,0 ω2+ω+1が成立して,

yの3次方程式の3根は,y=u+v.u+ωv,u+ω2v です。

(※y=u+v.ωu+ω2v,ω2u+ωvという等価な表現も

ありますがね。)

4次方程式の解法は,18世紀にイタリアのFerrari(フェラーリ)

により,発見されました。(彼はカルダノの弟子?らしい。)

基本式はf(x)=ax4+bx3+cx2+dx+e=0(a≠0)

です。これもy=x++b/(4a)として,x=y-b/(4a)を代入

すれば,3次項が消え,y4+Ay2+By+C=0と少し簡単に

なります。この両辺に,(2λy2+λ2)を加えると,(y2+λ)2

=(2λ-A)y2-By+(λ2-C)=0となることを利用します。

もしも,この右辺も(Ey+F)2のような完全平方式なら,

(y2+λ)2=(Ey+F)2となるので,y2+λ=±Ey±Fと

なって+,-の2つのyの2次方程式を解けばyが得られます。

そして,x=y-b/(4a)から,xの根を得ることができます。

とことが,(2λ-A)y2-By+(λ2-C)=(Ey+F)2

なるためには,(2λ-A)=E2,かつ,左辺の判別式:Dがゼロに

なることが必要十分です。

すなわち,D=B2-4(2λ-A)(λ2-C)=0であるべきですが

これは.λ3-4Aλ2-(B2-4AC)=0なる3次方程式です。

これを解いて,λの根が得られれば,それを先の2次方程式の係数

に代入して,その方程式を解くことにより,元の4次方程式の解が

得られます。

この解を元の基本方程式の係数:a,b,c,d,eの式に書き下す

のは,とても煩雑で面倒な作業ですから.ここではワザワザやり

ませんが,時間さえかければ可能です。

一方,方程式の係数の具体的数値が既知である場合なら.

上記の解を求める手順を追うアルゴリズムを,その通りに

プログラム化すれば,容易に解の数値を得ることができます。

とにかく,4次方程式を解く問題は3次方程式,2次方程式

を解く問題に帰着されました。数値計算の実用などには問題

なしです。

しかし,5次以上の代数方程式については,結局,根を求める

一般的解法,公式は見出せないことが,わかってぃます。

ここでは,試みは失敗に終わったけれど,魅力的なフランスの

Lagrange(ラグランジュ)の方法を見てみます。

この項は,私,眼が悪くなって手持ちの本も読めない状況ので,

主に画面を拡大して,ホームページの「ラグランジュの試み」

参照させて頂きました。

さて,解くべきn次代数方程式f(x)=0については,それを

解くための方法の存在はともかく「複素数体Cの中に必ず根を

持つ。」というGaussの「代数学の基本定理」があります。

その1根をαとすれば,f(x)=(x-α)f1(x)と因数分解され,

さらに(n-1)次方程式f1(x)=0も根を持つため,n次方程式

f(x)=0は,Cの中にn個の根:α12,..,αnを持つことになり,

結局,多項式f(x)は,f(x)=a(x-α1)(x-α2)・・・(x-αn)

(a≠0)と表わすことができます。

方程式に,解,または根があること=解が存在するということと,

それを求める解法が存在するということは,全くの別問題です。

さて,以下,Lagrange(ラグランジュ)の手法を解説します。

まず1のn乗根を,ζ12,..ζnとします。

そして,順列(1,2,.n)の置換を,σとすると,これは1対1,かつ,

上への写像であり,σ:(1,2,..n)→(σ(1),σ(2),..σ(n))と

表現されます。σ全体の集合は,対称群(置換群)と呼ばれる有限群

をなし,これをSnと表記すれるのが慣例です。

∀σ∈Snに対し,Πσという(α12,.,αn)を置換する写像:

Πσ:(α12,..,αn)→(ασ(1)σ(2),.ασ(n))を定義して,σに

Πσを対応させる写像を考えると,これも全単射であり,この写像

Πσの集合:G={Πσ:σ∈Sも,合成写像を群の積演算として群を

なします。このGは,前述のように,対称群Snと全く同型です。

ここで,uσ=ασ(1)ζ1+ασ(2)ζ2+..+ασ(n)ζnとおきます。

Gの元:Πσの個数は,Snの位数,つまり順列の総数:n!に等しい

ので,Πσの個数,従ってuσの個数もn!個です。

そこで,Snの元σに番号をつけて,σ12,..σk...σn!とし,

先のuσkをukと定義し直すことにします。ただし,σ1は恒等置換

e.または1であるとします。

ところが,uσのn乗:uσnを取るとuσ=ασ(1)ζ1+..+ασ(n)ζn

に,1のn乗根ζk(k=1,2,..,n)を掛けた(ζkσ)も(ζkσ)n

=uσnを満たすので,あるτ∈Snに対して(ζjσ)=nτであり

σn=uτnとなる,σとn個のτの対対応があります。

よって,これらの相異なるnσnの個数は,(n-1)個の順列

の個数と同じ(n-1)!です。

したがって,n次方程式の根を求める方法が。(n-1)次方程式

の根を求める方法に帰着することが,期待されます。

実際,2次方程式f(x)=ax2+bx+c=0(a≠0)では2根

をα,βとすると,1の平方根はζ1=1,ζ2=-1ですから,

1=α+(-1)β,u2=(-1)α+βとして,u12=(α-β)2=u22

です。対称式には.根と係数の関係があってα+β=-b/a,αβ

=c/aですから(α-β)2=(α+β)2-4αβ=(b/a)2-4c/a

=(b2-4ac)/a2なので,D=b2-4acとおけば,α-β=±√D/a

です。これとα+β=-b/aから,α=(-b*√D)/(2a),かつ,

β=(-s-√D)/(2a)が得られました。

3次方程式:f(x)=ax3+bx2+cx+d=0(a≠0)では,

3根をα,β,γ,1の2乗根をζ1=1,ζ2=ω,ζ3=ω2とします。

このとき,ω2+ω+1=0です。

そして,(α,β,γ)の偶置換からu1=α+βω+γω2,

2=γ+αω+βω2=ωu1,u3=β+γω+αω2=ωu2,

奇置換からv1=β+αω+γω2,v2=γ+βω+αω2

=ωv1,v3=α+γω+βω2=ωv2の6=3!個が得られます

しかし,u13=u23=u33,v13=v23=v33=なので3!=6個

のうち,相異なるのは,2!=2個だけになります。

ただしu13=v13の場合もあるようです。

便宜上,u=u1,=α+βω+γω2,v=v1=β+αω+γω2

とおきます。u3+v3=(u+v)3-3uv(u+v)ですが,

まず,u+v=(α+β)(ω+1)+2γω2です。

さらに,方程式が,yを変数とする簡易型のy3+Ay+B=0

であるとします。すると,α+β+γ=0ですからα+β=-γ

より,u+v=3γω2を得ます。

また,uv=(α+βω+γω2)(β+αω+γω2)

=(α2+β2)ω+αβ(ω2+1)+(α+β)γω2+(α+β)γω3

+γ2ω4=(α2+β2+γ2)ω+(αβ+αγ+βγ)(ω2+1)

=(αβ+αγ+βγ)(ω2-2ω+1)=-3Aωを得ます。

結局,u+v=3γω2,かつ,uv=-3Aωです。また,

γは,y3+Ay+B=0の1根ですからγ3+Aγ+B=0

より,γ3=-Aγ-Bです。

それ故,(u+v)3=27γ3=-27(Aγ+B)であり,

3+v3==-27(Aγ+B)+27Aγ=-27Bを得ました。

他方,u33=-27A3です。

故に,u3,v3は,tの2次方程式:t2+27Bt-27A3=0

の2根t=(-27B±√D)/2,ただし,D=272(B2+4A3/27)

です。こうして,u3,v3=(27/2){―B±(B2+4A3/27u)1/2

が得られました。後はCardanoの公式での導出と同じです。

4次方程式:f(x)=ax4+bx3+cx2+dx+e=0

(a≠0),あるいは,簡略化したy4+Ay2+By+C=0でも

4根をα,β,γ,δとし,1の4乗根:1,-1,i,-iを

用いた積和でuk(k=1,2,..24)をつくり,uk4が3!=6個に

なって,3次方程式と2次方程式に帰着するというFerrariに

類似した方法で根の公式が得られるのですが,この面倒な作業

は省略します。昔の学者は根気よくやって成功したらしいです。

ところが,これを5次方程式で実行すると失敗します。

これらの方法では,係数が根の対称式であり,これが対称群Sn

の元に対しては不変という変換性に着目したのが重要です。

結局,S2,S3,S4と,S5の違いが決定的なことでした。

5だけは,他のS2,S3,S4と異なり,正規部分群(交換子群)

を取っていっても,可換群(アーベリ群に帰着せず,途中でこれ

以上小さくできない。という困難に遭遇します。

Qの元:有理数を係数とするn次多項式は分母の公倍数を

掛ければ整数係数になります。(※有理係数の方程式と整数

係数の方程式とは同値です。)

有理係数のモニック多項式をf(x)=xn+a1n-1+..+an,

と書き,f(x)=0のn根をα12,..αnであるとします。

とりあえず,f(x)は,既約多項式とすれば重根は存在せず,

f(x)は,Qでは因数分解できず,既約であるのにも関わらず,,

f(x)=(x-α1)(x-α2)・・・(x-αn)と完全な因数分解

が可能な,Qの拡大体E=Q(α12,..,αn)が存在します。

この体Eをf(x)の分解体といいます。

方程式f(x)=0が「ベキ根で解けるとは.全てのn根の

α12,..,αnが,1の幾つかのベキ乗根ζと,幾つかの有理

係数:a1,a2,..,anのベキ乗根の四則演算式,つまり,有理式

で表わされることを意味すると考えられます。

ところで,f(x)の有理係数:a1,a2,..,anは,それぞれ,

1=-(α1+α2,+..,+αn),a2=α1α2,+..,+αn-1αn,・

・・・・・・,an=(-1)n1α2・・αn-1αn)と,全て根の

対称式で与えられるので.α12,..αnの,群Gの任意の元

の置換写像:Πσに対して常に不変のままです。

このn次対称群Snに同型な群Gは,E=Q(α12,..,αn)

内の自己同型写像の群で,QはGの不変体と見なせます。

(※GはQからEへのガロア拡大に対応するガロア群です。)

有理G数体Qに,まず,ζを,そして係数aj(j=1,2,..n)の

ベキ根:√aj=(aj)1/を1つずつ添加して単純拡大をつくる

のを繰り返して,F1⊂F2⊂F3…と拡大体をつくっていくとき,

これをベキ根による拡大といいます。

これが,有限回の拡大で分解体E=Q(α12,..,αn))を

含んでしまえば,n根:α12,..,αnは,ζたちや(aj)1/たち

の幾つかの四則演算式=有理式(根の公式)で表わされるので

,これを「f(x)=0がベキ根で解ける」と解釈したのがアーベル

やガロアの代数方程式についての着想であったろうと想像します。

そして,QからEへの拡大の.いわゆるガロア群は対称群Sn

同型な自己同型群Gですが,E/Qの各中間体Bのそれぞれに,

Gの正規部分群が1対1に対応するという基本定理があります。

Q=F0⊂F1⊂F2⊂..⊂Frで,最後にF⊃Eなら,ベキ根で

解けるというわけですが.これに群の縮小正規列G=G0⊃G1

⊃G2⊃..⊃Grが対応して,最後にGr={e}となる場合,これ

が,拡大体ではFr=Eに対応するので,群Gを「可解群」と呼ぶ

のでした。

k+1=G~k(=D(Gk):Gkの交換子群)という選択が常に可能

ですから,この縮小正規列は必ず存在しますが,このとき剰余群

(Gk/Gk+1)が体Fkを不変体とするFk+1への拡大のガロア群

であり,これらは全て可換群(アーベル群)なる必要があります。

群の縮小正規列が有限のr個でGr={e}まで収縮して終わる

なら,対応する拡大体がFr=Eとなり,ベキ根による解が可能

なので,Gを可解群と呼ぶわけです。

ところで可換群の交換子群は,{e}ですから,途中Gr-1が可換群

となるなら,元のGは可解群です。

ここらあたりの詳細はシリーズ記事(6)にあります。証明抜き

で定理を羅列しておきます。

※(再掲載);まず,[定理6-4]から,(基本定理)です。

EをFのガロア拡大体とし,その自己同型群をG,つまり,

自己同型写像全体のつくる群をGとする。

E/Fの中間体:Bに対してBを不変にするGの元の全体

のつくる部分群をUとすると,Uの不変体はBである。

そして,BにUを対応させる対応は,E/Fの中間体と,Gの

部分群との間の1対1対応である。

[基本定理の系]::中間体BからEへのF上の同型写像は,

群Gの部分群Uによる剰余類から誘導されるものだけである。

また,BはFのガロア拡大体である。

(※[基本定理]における対応は,Gの部分群に,その不変体を

対応させるものです。Gには,体F,Uには,体B,単位群{e}

には,体Eが対応します。)

※EはBのガロア拡大体ですが,BはFのガロア拡大体とは

限りません。以下では,UがGの正規部分群で(σUσ-1)=U

であることが,UがFを不変体とするBのガロア群であるため

の必要十分条件であることがわかります。

[定理6-5]:体Eは体Fのガロア拡大体あり,Gはガロア群

であるとする。そして,中間体Bに対応するGの部分群を

Uとする。∀σ∈Gに対して(σB)もE/Fの中間体であり,

対応するGの分群は(σUσ-1)である。

さらに,体Bが体Fのガロア拡大体であるための必要十分

条件は,UがGの正規部分群となることである。

このとき,そのガロア群は.(G/U)に同型である。

(再掲載終了※)

※さて,対称群S2,S3,S4は可解群でありn≧5の対称群Sn

は可解群ではないことを示します。

(証明)まず,S2は恒等置換eと互換:(1,2)のみが元で,

元の積は常に可換なので可換群ですから,その交換子群

は,S~2={e}でこれは正規部分群なのでS2⊃{e}が

正規列となり.明らかにS2は可解群です。

次に,交代群Anは,Snの指数2の正規部分群であり,

交換子群S~nに等しいのですが,n=3の交代群A3は,

それ自身可換群です。何故なら,S3の位数は6,A3

位数は3ですじから,その元は恒等置換:e={1,2,3}と

σ={2,3,1},および,σ-1=={3,1,2}だけですから明らかに

可換群で,これも正規列:S3⊃A3⊃{e}を得るので可解群

です。また,n=4のS4についての置換:σ={i,j,kl}

∈S4は,物理学で用いるLevi-Civita(レヴィーチヴィタ)

のテンソル:εijklの非ゼロ成分が,+1のときは偶置換で,

σ∈A4です。他方,εijklが(-1)のとき.σは奇置換です。

しかも,σ∈A4のとき.(1,2)σは奇置換であり,

σ,τ∈A4でσ≠τなら,(1,2)σ≠(1,2)τとなりA4

元の偶置換と1対1に対応します。

それ故,S4/A4={A4,(1,2)A4}です。この商群は.

単位元A4の他には,元が1個なので可換群です。

そもそも,指数が2なら.商群の位数は2で,常に可換群

です。そして,部分群VをV={e,(i,j)(k,l)}(ただし,

i,j,k,lは1~4の異なる数)とおくと,|V|=1+42/2=4

です。Vの元である互換の積の積は,異なる4つの互換の積:

(i1.j1)(k1,l1)×(i2,j2)(k2,l2)ですが,これは互換の

順序に依存しないので可換です。

そして,|A4|=12より,|A4/V|=3で(A4/V)

={V,(1,2,3)V.(2,3,4)V}と書けますが,そもそも位数が

3の部分群は,既述したように単位元と,それ以外の1元と

その逆元だけが全ての元なので,明らかに可換群です。

以上から,対称群S2,S3,S4は可解群でありn≧5

の対称群Snは可解群ではありません。

((↑※これらはガロア理論の復習(2)から抜粋しました。)

以上でn≦4のn次代数方程式はベキ根で解けて,n≧5

のn次代数方程式はベキ根では解けないことが証明された

ことになります。  要するにある正規部分群から先は,

どうあがいても堂々巡りで,対応する体に係数のベキ根を

添加しても.こ,れ以上は拡大できない壁があって分解体E

まで到達できない。というのが,5次以上の代数方程式

を低次の方程式に帰着できない限界なのでした。(終わり)

※※ガロア理論は,代数方程式の可解性がきっかけで展開された

理論ですが,それ以外にも,大きな応用や体系的理論があるようです。

 例えば,1969年,一浪して私が19歳で大学に入った頃久賀道郎著

(日本評論社)「ガロアの夢」という本を興味本位で購入しました。

しかし高校の受験数学しか知らなかった自分には「猫に小判」で

長い間眺めているだけでした。

随分後の2007年心臓手術を受けた頃,斎藤利弥 著

「線形微分方程式とフックス関数I(ポアンカレを読む)」

(河合文化教育研究所)という書物に遭遇し,フックス(Fuchs)関数

フックス群,確定特異点を持つフックス型線型乗微分方程式など

についても本ブログで書きました。

※最後に付録で作図不能問題に言及して終わります。

[定義1]:作図が定規とコンパスによって得られるとは,

次のような処置の有限回の繰り返しによって得られることを

いう。(1)それまでに得られた点の中から2点を取り,それら

を結ぶ直線をつくる。(2)それまでに得られた点の中から2点

を取り,その1点を中心とし,他の1点を通る円をつくる。

(3)それまでに得られた2直線,直線と円,2円の交点をつくる。

※平面上に,直交座標軸とx軸上の単位点Eを定めておき,次に

与えられた幾何図形を表わす線分が,1端を原点Oとして正の

x軸上に取られているとする。それらの線分の端点の座標を,

1,a2,..anとする。その上で,F=Q(a1,a2,..an)とする。

座標が体Fの元であるような点は,全て作図可能です。

[定理1]:座標が体Fの元であるような点から(1)~(3)の

ような作図を進めて到達できる点の座標は,Fの2p次拡大体

の元である。(※2ρとは,単に2のベキ乗を意味します。)

(証明)座標がFの元である2点P1,P2を通る直線の方程式を

つくる。また,そのような点C,Pを取り,Cを中心とするPを

通る円の方程式をつくる。それを,それぞれax+by+c=0,

2+y2+dx+ey+f=0とすると,これらの方程式の係数

は体Fの元です。そして,これらの図形の交点は次の性質を

持ちます。ア)2直線の交点の座標は,やはり,体Fの元です。

(※2直線の方程式の係数(Fの元)の四則演算(有利式)で

表わされるので体Fの元です。)

イ)直線と円の交点の座標は.体Fの元か,または,F上2次の

拡大体の元です。(※高々2次方程式の根です。)

円と円の交点ぼ座標は円と直線の交点に帰着できます。

(※円と円の2交点を結ぶ直線,あるいは2円から(x2+y2)

の項を消去した直線と1円の交点に帰着)

すなわち,(1)~(3)のような作図を有限回行なって到達

できる点の座標は体Fの高々2次拡大体の有限回連続なので

2のベキ乗,つまり,2p次拡大体の元です。(証明終わり)

[例題1]:(角の3等;分の不可能性)

任意の角:αが与えられた場合,a=cosαが与えられたのと

同値です。α=3βならβを作図でつくるのはb­=cosβを作図

するのと同値です。三角関数の3倍角の公式によれば,cosα

=cos(3β)=4cos3β-3cosβです。

つまり,b=cosβは3次方程式4x3-3x-a=0の根です。

例えば,α=π/3ならb=cosβ=cos(π/9)ですが,このとき,

a=cos(π/3)=1/2より,bは,4x3-3x-1/2=0 または,

8x3-6x+1=0の根です。これはF上,つまりQ上では因数分解

不可能な既約多項式ですから,bを根とする上記多項式の分解体

がF(b)=Q(b)を含む場合,これは,F=Qの3次の拡大体です。

そこで,bはQの,2のベキ乗の拡大体に含まれないので作図は

不可能です。(終わり)

[例題2]:(立体倍積問題)

 長さ1の線分から体積が2の立方体の1辺を作図することは

できない。(証明)この立方体の1辺の長さはx3―2=0の根

3√2でありこれをQに添加した体Q(√2)は.Q上3次拡大体

です。よって作図不可能です。(終わり),

[例題3]:(正p多角形の作図)

(解)pを素数とします。長さ1の線分から正p角形の1辺の長さ

を作図することが必要です。複素z平面の適当な原点Oを中心

とする,中心Oからの長さ1の正p角形のp個の頂点は,角度2π

をp等分する点,すなわち,z=exp(2kπi/p)(k=0、1,2,..

(p^1)で与えられ,その実部がx座標で虚部がy座標です。

これらの頂点z=x+yiは,xのp次方程;xp-1=0の根

x=zです。つまり,ζを1のp乗根とするとz=ζです。

特に,z=ζが1の原始p乗根であるとします。

頂点の座標は,Qの拡大体;Q(ζ,i)の元です。

この体はQ(cos(2π/p),sin(2π/p),i)とも書けます。

cos(2π/p),sin(2π/p)が作図できるためにはQ(ζ,i),

従って,作図できるには,Q(ζ)がQ上2のベキ乗次の

拡大体に含まれる必要があります。

ところが.ζの既約多項式は.xp-1+xp-2+..+x+1の

(p-1)次の円周等分多項式ですから,Q(ζ)はQ上(p-1)次

拡大体です。したがって,p-1=2ρ or p==2ρ+1となる場合,

つまり,Mersene(メルセンヌ)数:(2ρ-1)に2を加えた数に

等しい場合のみです。

結局,p==2ρ+1であることが,正p角形を定規とコンパス

で作図可能なための条件です。それ以外のpでは正p角形の

作図は不可能です。p=3,5,17,47,6537,..のときのみに

作図可能です。(終わり) 

ではまたいずれ。。。生きていれば。

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303. 代数学・数論」カテゴリの記事

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