307. 幾何学(トポロジー・他)

2018年10月27日 (土)

記事リバイバル③(一筆書き(トポロジー)入門)

※再掲載 第3弾!!2008年7/18の過去記事です。

今日は,また,頭の体操です。

 昔,ケーニヒベルクの橋(Königsberg bridge=seven bridge)という数学の問題がありました。

 「大きな河が流れていて,その中に中州のような島が一つあり,そこから少し下流で2本の河に枝分かれして,その間は陸地になっている。

 その島には両岸から2つずつと,枝分かれした2本の河の間の陸地から1つの合計5つの橋がかかっており,分かれた2本の河にもそれぞれ陸地と岸との間に1つずつ橋があって,合計7つの橋がかかっている。

 この7つの橋をちょうど一回ずつわたる道筋があるのかどうだろうか?」という問題でした。(下図)

           

 これはスイスのオイラー(Euler)によってはじめて解かれた問題で,これがトポロジー(位相幾何学)という幾何学の始まりであるとされています。

 まあ,「平たく言えばある図形について一筆書きができるかどうか?」という問題です。

 一般に連結した図形,つまりどこかで必ず線でつながっていてところどころ交差した頂点になっているような図形についてのこうした問題はオイラーによって既に結論が出されています。

 こうした図形のどの頂点にも必ず,それにつながる線が何本かあるわけですが,対象としている図形が一筆書きできるものなら,着目した頂点が出発点でも終点でもない場合,それに"つながっている線=連結線"の数は必ず偶数になります。

 こうした連結線が偶数の頂点を偶頂点と呼びます。

 なぜなら,一筆書きの途中の頂点では必ず,入ってくる線と出ていく線があって,それぞれ1回ずつしか通れない線ですから,それらは同じ本数だけなければならないため,その頂点につながる連結線の合計本数は偶数になるしかないわけです。

 しかし,出発点と終点では,それらがもしも同じ頂点でないなら,必ず入ってくる線か出て行く線かのどちらかが他方より1本多いわけですから,その頂点につながっている連結線の合計本数は奇数になります。

 これは連結線が奇数の頂点="奇頂点"です。

 そこで,出発点とか終点であるような頂点(奇頂点)は2つあるか? またはそれらが一致する場合,つまり1つだけあるか?のどちらかです。

 もしも,1つだけしかない場合は,その頂点でも入ってくる線と出て行く線の数は同数ですから,つながっている連結線の本数は偶数となり,このときは連結線の本数が奇数の頂点の数は まったくないことになります。

 というわけで,一筆書きができるかどうかは,"図に「連結線の本数が奇数である頂点=奇頂点」の個数がゼロであるか,2であるかのいずれかである。"ということになります。

 今得たのは,この条件が一筆書きができるための必要条件であることの証明ですが,これが十分条件であることもほぼ自明です。

 これでケーニヒスベルクの橋の場合は,奇頂点が4つ,偶頂点がゼロなので一筆書きできないということがわかりました。

 これはオイラーがはじめて証明したことです。(下右図はケーニヒスベルクの橋を模式図にしたものです。)

                         

 これから,オイラー数の公式などに始まるトポロジーという幾何学が生まれ,フランスのポアンカレ(Poincare')などによって発展させられてゆきました。

 解決したとかいうニュースもあったと思うのですが,そうなのかどうかはっきりしないポアンカレ予想(Poincare' conjecture)という問題などが有名なトポロジーの問題として残っています。

 ポアンカレ予想とは「単連結な3次元閉多様体は3次元球面に同相である。」というものです。

 多様体というのは通常のわれわれのユークリッド世界の点,曲線,曲面,立体とかいうものを一般次元でかつ非ユークリッドなものに拡張したものの総称です。もちろん,われわれの目に見える形あるものも多様体の一種です。

 同相あるいは同位相というのは,一方から他方へとある連続写像でお互いに完全に1対1で重なって移すことが可能である,という意味で,合同という概念とは異なり,形や大きさにはこだわらないという特殊な幾何学的概念です。

 単連結なとは,言ってみれば穴が開いていないという意味ですね。また閉多様体であるとはいわゆる閉曲面のように閉じているという意味です。

 われわれの世界の球面は3次元空間の中に埋め込まれた2次元球面であり,3次元球面というのは4次元以上の「空間=多様体」の中に抽象概念として仮想したものです。

 われわれの単連結な2次元閉曲面が普通の2次元球面と同相なのは一見して明らかなことなので,3次元だと何故むずかしいのかは数学の専門家ではないのでよくわかりません。

参考文献:瀬山士郎 著「トポロジー(柔らかい幾何学)」(日本評論社)

PS:「ポアンカレ予想」はロシアの数学者グレゴリー・ペレルマン(Grigory.Y.Perelman)氏によって2003年に提出されていた証明論文が2006年7月に査読を通過した,ということで解決されました。

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2009年2月26日 (木)

分子と点群(2)

 対称性変換群の表現論の続きです。

 (D,U)を群のユニタリな行列表現とすると,シューアの補題(Schur's lemmma)によれば,∀R^∈に対するD(R)と可換な線型変換Tがスカラーであること,つまり∀R^∈に対する表現行列D(R)と可換な行列Tが単位行列の定数倍に限られるということが,Dが既約表現であるための必要十分条件であるというところまで書きました。

ユニタリな行列表現(D,U)は完全可約であって,表現空間U,および∀R^∈に対する表現行列D(R)は既約表現の直和に分解されます。これをU=Σα(α),D(R)=Σα(α)(R)と書きます。ここではΣαは直和を意味する記号とします。

 これから,次の定理が導かれます。

[定理1]:群のユニタリな既約表現(D(α),U(α))の表現行列D(α)(R)は次の直交関係:ΣR∈G(α)ij(R)*(β)kl(R)=(g/dααβδikδjlを満たす。

 

 ここで群は有限群であると仮定しており,gはその位数||です。また,dαは既約表現(D(α),U(α))の次元です。つまりD(α)(R)はdαの正方行列です。

(証明)Bをdαβ列の任意の行列とし,同じdαβの行列TをT≡ΣR∈G(α)(R-1)BD(β)(R)によって定義します。

 

 このとき,R1^∈についてD(α)(R1)T=ΣR∈G(α)(R1-1)BD(β)(R)=ΣR∈G(α)(R-1)BD(β)(RR1)=TD(β)(R1)となります。

 つまり,D(α)(R1)T=TD(β)(R1)です。

 

 この等式はR1^∈を特定して得られたわけではなく,したがって任意のR1^∈に対して成立するので,シューアの補題により,α≠βの場合,すなわち(α)とD(β)が同値でない(異値の)既約表現の場合には,T≡0 です。

 そして,T=ΣR∈G(α)(R-1)BD(β)(R)=0 において,Bは任意なので成分表示Tjl=Σm,nΣR∈G(α)jm(R-1)Bmn(β)nl(R)=0 において,特にBmn=δmiδnkとしてこれを代入すればΣR∈G(α)ji(R-1)D(β)kl(R)=0 を得ます。

 

 行列D(α)(R)はユニタリなので,D(α)ji(R-1)=D(α)ji(R)=D(α)ij(R)*ですが,これはΣR∈G(α)ij(R)*(β)kl(R)=0 を意味します。 

 一方,αβの場合には,同じくシューアの補題によりT=ΣR∈G(α)(R-1)BD(α)(R)=λIです。

  

 成分表示Tjl=Σm,nΣR∈G(α)jm(R-1)Bmn(α)nl(R)=λδjlにおいて,特にBmn=δmiδnkを代入すれば,ΣR∈G(α)ij(R)*(α)kl(R)=λδjlを得ます。

 ここで,j=lとして両辺をj=1,2,..,αについて加え合わせるとΣj=1ΣR∈G(α)ji(R-1)D(α)kj(R)ΣR∈G(α)ki(RR-1)=λdαとなります。

 

 よって,λdα=gδik,:λ=(g/dαikなので,ΣR∈G(α)ij(R)*(α)kl(R)=(g/dαikδjlです。(証明終わり)

(註)実際には,(R)=Σα(α)(R)なる直和分割において,各々のD(α)(R)が,全て互いに異値であるというわけではなく,α≠βの場合でも(α)(R)とD(β)(R)が同値な場合もあります。

そして,D(R)=Σα(α)(R)なる既約表現への直和分解においてD(α)と同値な表現の個数がmαなら,このmα(α)重複度と呼ぶことにします。

 

これにより表現の直和分割を改めてD(R)=Σαα(α)(R)と書けば,上の定理1の結論である直交性ΣR∈G(α)ij(R)*(β)kl(R)=(g/dααβδikδjlは,ΣR∈G(α)ij(R)*(β)kl(R)={g/(mαα)}δαβδikδjlに変更されます。

 さて,上の定理は群が回転群のうち角運動量lが定まった部分群のような有限群の場合の定理ですが,そうではなくが回転群の全体であるような連続群で,それ故無限群の場合には次のように変わります。

[定理2]:(D,U),(D',U')を連続群のそれぞれm次,n次のユニタリ行列による既約表現とする。このとき,DとD'が同値なら∫ij(R)*D'kl(R)dR=(1/m)δikδjl,一方DとD'が異値なら∫ij(R)*D'kl(R)dR=0 が成立する。

(略証):Bをm行n列の任意の行列とし,同じm行n列の行列TをT≡∫(R-1)BD'(R)dRによって定義します。

 

 以下,上の連続関数fに対する積分の左不変性(R1-1R)dR=(R)dRを用いると,任意のR1^∈に対して,D(R1)T=TD'(R1)なる等式が成立するという結果が得られるので,シューアの補題,および∫dR=1から,[定理1]の証明とほぼ同じ手順で[定理2]の結論が得られます。(証明終わり)

 ただし,上記の定理の命題の意味を明確にするためには,上の任意の連続関数fに対し,"任意のR1^∈に対して∫(R1-1R)dR=(R)dRが成立する"という積分の左不変性を持ち,dR=1なる規格化条件を満たす左不変測度と呼ばれる上の測度dRを定義する必要があります。

 そして,こうした測度が定義できるためには位相群の位相空間としての空間体積が有限であることが必要です。

位相空間の空間体積とは何か?というような抽象的な話に入るのはなるべく避けて,連続群の例として3次元の合同変換群を挙げます。

 

この空間の座標パラメーターとして極座標(r,θ,φ);r2≡x2+y222,x=rsinθcosφ,y=rsinθcosφ,z=rcosθを採用することができます。

3次元空間全体の体積は無限大なので平行移動群を含めた全体の合同変換群の体積は∞ なのですが,回転群だけならrを除いた(θ,φ)だけで事足りるので,これだけなら,体積は∫sinθdθdφ=4π程度です。(0≦θ<2π,0≦φ<π)

一方,例えばが3次元ポアンカレ群の部分群である3次元ローレンツ群O(2.1)であれば,極座標(r,θ,φ)はr2≡c22-x2-y2,x=rsinhθcosφ,y=rsinhθcosφ,ct=rcoshθです。

 

形は似ていますが,平行移動群のパラメータrを除いたローレンツ群の体積は∫sinhθdθdφ=∞ になります。

これは,パラメータ空間として,0≦φ<πは同じですが,θについては回転群では 0≦θ<2πなのに対し,ローレンツ群では双曲線関数の定義域なので-∞≦θ<∞であるからです。

 

パラメータ空間の体積が有限な連続群をコンパクト群,そうでない群を非コンパクト群といいます。

物理学ではミンコフスキー(Minkowski)空間を解析接続してユークリッド空間とした方が計算しやすいので,時間変数を"複素数に拡張=解析接続"して複素平面上の虚軸をπ/2だけウィック(Wick)回転する方法があります。

  

また,統計物理学では,絶対温度Tの逆数β≡1/(kBT)を量子力学での虚時間:itと同一視する手法が用いられます。

  

しかし,実際には回転群がコンパクト群であるのに対して,ローレンツ群は非コンパクト群であることに対応してミンコフスキー空間はコンパクト空間でないので,これらの手法の妥当性はみかけほど自明なことではなく,数学的な正しさにとってかなり微妙な手続きです。

さて,がコンパクト群の場合は全体積が有限なので,全体積で割ることによりdRをdR=1を満たすような体積要素とし,任意の連続関数fに対してS(f)≡(R)dRで定義した積分S(f)が次の4つの基本的性質を満たすようなものが各fごとに唯1つ存在します。

 

積分S(f)を群の上の不変積分といい,dを左不変ハール測度といいます。

 

そして,S(f)が満たすべき基本的性質とは,

 

(ⅰ)Sは線型:∀a,b∈Cと任意の連続関数f,gに対してS(af+bg)=aS(f)+bS(g)である。

 

(ⅱ)∀^∈に対しf(R)≧0 ならS(f)≧0 である。

 

特に,^∈に対しf(R)≧0 であるが恒等的にf(R)≡0 でないなら,S(f)>0 である。

 

(ⅲ)Sは左不変,つまり1^∈に対してLR1(R)≡f(1-1)とすれば,S(LR1)=S(f)である。

 

(ⅳ)S(1)=1 である。

  

4つです。

,RR1(R)≡f(R1)と定義しS~(f)をS~(f)≡S(R1)によって定義すれば,Sの左不変性からS~(LR1f)≡S(R1R1)=S(R1)=S~(f)が成立するので,S~も左不変です。

 

証明はしていませんが,左不変な不変積分は一意的であることがわかっているので,S~=Sです。

 

結局,(R1)dR(R)dRが成立します。よって,左不変積分は右不変でもあります。

この不変測度による不変積分を用いて一般のコンパクト群上の関数φ,ψについての"内積=ユニタリ内積"を<φ|ψ>=∫φ(R)*ψ(R)dRで定義します。

次に,重要な概念である群の表現の指標を定義します。

[定義1]:群の表現(D,U)に対して,χD(R)≡Tr{D(R)}(∀^∈)で定義される上の関数χDをこの表現の指標という。

 

 すなわち,χD(R)=Tr{D(R)}=Σk=1mD(R)kkである。(ここでTrはトレース(対角和)を意味する。mは表現Dの次数である)

 明らかに,χD(I)=m(表現の次元)です。

 

 そして,トレースの性質:Tr(A+B)=Tr(A)+Tr(B),Tr(AB)=Tr(BA)(Tr(ABA-1)=Tr(B))によって,∀1^,R2^∈についてχD(R212-1)=χD(R1),また,2つの表現(D,U),(D',U')に対し,これらが同値なら,detT≠0 なるTが存在して∀^∈についてD'(R)=TD(R)T-1と書けるのでχD=χD'です。

 

 また,2つの表現(D(1),U(1)),(D(2),U(2))に対しD=D(1)+D(2)(直和)ならχD=χD1+χD2が成立します。

[定理3]:(D,U),(D',U')をコンパクト群の2つの既約表現とするとき,DとD'同値なら<χDD'>=1,異値なら<χDD'>=0 である。

(証明)コンパクト群の表現(D,U)では,積分が左右不変なので,1,2∈Uの内積<1|2>を<1|2>=12から,<1|2>≡∫{D(R)1}{D(R)2}dRに定義し直すと,∀1^∈について<D(R1)1|D(R1)2>=<1|2>が成立するため,D(R1)=D(R1)-1が成立するユニタリ表現と考えることができます。

そして,先の定理2の命題:"(D,U),(D',U')をのそれぞれm次,n次のユニタリ行列による既約表現とするとき,DとD'が同値なら∫ij(R)*D'kl(R)dR=(1/m)δikδjl,一方DとD'が異値なら∫ij(R)*kl(R)dR=0 が成立する。"から定理の結論が成立することは明らかです。(証明終わり)

先に,定理1の証明のすぐ後で,

 

"群が位数;g=||の有限群の場合に,"D(R)=Σα(α)(R)なる既約表現への直和分解においてD(α)と同値な表現の個数がmαなら,これを(α)重複度と呼ぶことにします。

 

これにより表現の直和分割をD(R)=Σαα(α)(R)と書けば,上の定理1の結論である直交性:ΣR∈G(α)ij(R)*(β)kl(R)=(g/dααβδikδjlはΣR∈G(α)ij(R)*(β)kl(R)={g/(mαα)}δαβδikδjl に変更されます。"

 

と書きました。

がg=||=∞ の連続群で,それもコンパクト群の場合にはD(R)=Σα(α)(R)なる既約表現への直和分解においてD(α)の次元をdα,重複度をαとするとき,上の定理1の結論は定理2のそれに変更され,直交性:ΣR∈G(α)ij(R)*(β)kl(R)={g/(mαα)}δαβδikδjl,"D(α)とD(β)が同値なら∫(α)ij(R)*(β)kl(R)dR=(1/dαikδjl,異値なら∫(α)ij(R)*(β)kl(R)dR=0 である"となります。

このとき,指標χD(R)=Tr{D(R)}はχD(R)=Σααr{D(α)(R)}よりχD=ΣααχD(α)ですが,定理3によって<χD(α)D>=αを得ます。

 

さらには<χDD>=Σαα2となります。このことから次の重要な定理が得られます。

[定理4]:(1)(D,U)をコンパクト群の表現とするとき,これが既約表現であるための必要十分条件は<χDD>=1なることである。(2)(D,U),(D',U')をコンパクト群の2つの表現とするときDとD'同値:D~D'であるためにはχD=χD'なることが必要十分である。

(証明)(1)は自明ですから(2)のみを証明します。

 

 まず,χD=χD'なら,任意の既約表現(α)に対して<χD(α)D’>=<χD(α)D>ですから,χD=ΣααχD(α);<χD(α)D>=αを意味する表現D=Σαα(α)とD'が同値であることは自明です。必要性は既に示されています。(証明終わり)

 さて,例として対象とする群が2次元の特殊ユニタリ群:SU(2)である場合を考えてみます。

 

 すなわち,=SU(2)≡{g∈GL(2)|g=g-1,detg=1}とします。ただし,GL(2)は正則な2次の正方行列から成る群です。ここでは行列要素が複素数のGL(2,)を仮定しています。

対角成分がa,a-1(a∈,a≠0)の2次の対角行列をhaと書き,≡{ha∈GL(2)|a∈,|a|=1}とします。

 

は明らかに=SU(2)の部分群です。しかもこれは可換群(アーベル群)であり,1-パラメータ群(a=exp(iα))ですから,U(1)(絶対値が1の複素数の乗法群)と同型です。

 

SU(2)の任意の元gの固有値をa,a-1(a∈,|a|=1)とするとgはあるk∈SU(2)によってha=kgk-1,haと対角化できます。あるいは,g=kha-1,haとすることができます。

  

一般にU(1)の幾つかの直積と同型な群をトーラス群といいます。

 

がトーラス群かつの部分群,すなわちトーラス部分群であってこれを真に含むのトーラス部分群が存在しないなら,の極大トーラス部分群といいます。

 

今のがSU(2)の場合には上で定義した2次の対角行列から成る部分群はSU(2)の極大トーラス部分群となっています。

  

[定理5]:=SU(2)とする。(1)の任意の元gは極大トーラス群の元と共役である。(2)g,h∈に対してf(hgh-1)=f(g)を満たす関数(類関数という):fは極大トーラス部分群の上の値で決まる。すなわち類関数f1,f2が∀h∈に対してf1(h)=f2(h)を満たすならばの上でf1=f2である。

 

 これの証明は自明なので省略します。

 

 =SU(2)の表現(D,U)が与えられたとき,指標χDは明らかに1つの類関数ですから,極大トーラス部分群の上の値だけで決まります。

 

 今日はここまでにします。

参考文献:山内恭彦,杉浦光夫著「連続群論入門」(培風館),犬井鉄郎,田辺行人,小野寺嘉孝 著「応用群論」(裳華房),島 和久 著「連続群とその表現」(岩波書店)

 

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2009年2月21日 (土)

分子と点群(1)

連続群とその表現というのは,素粒子物理学をはじめ,物理学では多くの分野において重要な論題です。

 

今回は通常の素朴な非相対論的量子力学をベースにして巨視的物性を左右する微視的単位である分子構造を規定する対称性群としての点群の表現に関連したものを考えます。

 

1粒子の定常状態の波動関数ψは空間位置の3次元空間におけるスカラー関数ψ()で与えられます。

 

そして,座標系の空間回転の操作R:→Rの下で,この波動関数ψはψ()→R^ψ()と変換されるとします。

 

つまり,座標系の回転R:→Rに対応する関数空間での回転を示すある演算子R^が存在して,その作用をψ→R^ψとするわけです。

このとき,ψが3次元空間におけるスカラーであるということは,空間回転の下で同じ空間位置での波動関数の値は不変であること,つまりR^ψ(R)=ψ()なることを意味します。これは,R^ψ()=ψ(R-1)と同等ですね。

しかし,量子論ではR^ψ(R)=ψ()でなくても,一般にγを実数としてR^ψ(R)=exp(iγ)ψ()でありさえすれば十分です。

 

状態を示す状態関数としてのψは,実は位相を無視した射線(ray)という同値類の代表元でしかないというのが波動関数ψの本質的意味です。

  

(厳密な意味では,必ずしもR^ψ(R)=exp(iγ)ψ()ではなくて,R^ψ(R)=exp(iγ)ψ*()のような反ユニタリ(anti-unitary)な変換でもかまいませんが。。。)

 しかし,波動関数がスカラーであるという意味を位相因子を無視してR^ψ(R)=ψ()であると定義しても,一般性を失なうことはないので以下ではそのように解釈することにします。

 以下では,波動関数ψ()が確率振幅を表わす複素数量であるという意味で<ψ|ψ>≡∫d3ψ*()ψ()=1と規格化されている場合に,ψ()→R^ψ()がこの規格化条件を破らない物理的に意味がある変換R^のみを考察の対象とします。

 

 つまり,<ψ|ψ>=∫d3ψ*()ψ()=1においてψ()の代わりにR^ψ()=ψ(R-1)を代入しても,依然としてこの式が成立すると仮定します。すなわち,<R^ψ|R^ψ>=∫d3ψ*(R-1)ψ(R-1)=1とします。

 

 この条件式は,<R^^ψ|ψ>=det(R)∫d3ψ*()ψ()=1を意味します。

 

 R:→RのRが空間回転を表わす場合,Rは実行列なのでtRであり,また直交行列tRR=tR=1ですから,RR=1を満たします。よって,det(RR)=1なので,<R^^ψ|ψ>=)∫d3ψ*()ψ()=<ψ|ψ>です。

 

 これは,R^^=1,or R^=R^-1,つまりR^がユニタリ(unitary)であることを意味します。 

ψ→R^ψなる操作によって変換されたR^ψが依然として同じ系の波動関数であるという意味は,任意の観測可能な物理量T^(エルミート演算子:T^=T^)の期待値<T>=<ψ|T^|ψ>が,この操作の下で保存されることを意味します。

 

特にT^=1のときには,ψ→R^ψなる変換で確率<ψ|ψ>が保存されるべきであるという要求となります。これはR^^=1,つまりR^がユニタリであれば確かに満たされます。

T^が1ではなくて一般の任意の演算子の場合には,波動関数ψ→R^ψの変換に伴なって,T^→R^T^R^=R^T^R^-1なるユニタリ変換がなされるなら期待値<T>=<ψ|T^|ψ>は不変に保たれます。

 

そこで,以下ではψ→R^ψと同時に物理量を表わす全ての演算子T^がT^→R^T^R^-1なる変換を受けるとします。

このことから→Rなる変換は,を量子力学の位置演算子と見たときにはR^R^-1=R意味します。

 

そして,R^が座標系の回転を表わす場合は空間のベクトル量は全て同じ回転変換を受けるため,運動量を示す^=-ic∇なる演算子^R^-1=Rを満たすはずです。

 

ただし,hc≡h/(2π);hはプランク定数です。

さて,定常状態のシュレーディンガー(Schrödinger)の波動方程式:^ψ()=[-{hc2/(2m)}∇2+V()]ψ()=Eψ()におけるハミルトニアン^≡^2/(2m)+V()=-{hc2/(2m)}∇2+V()も量子力学の1つの演算子ですから,ψ→R^ψなる変換に伴なって^→R^^R^=R^^R^-1なる変換を受けます。

特に,R^R^-1=Rであり,これのエルミート共役を取ると,R^^-1-1ですが,なので,これは^R^-1-1を意味します。

 

この最後の等式の両辺に^R^-1=Rを右から掛けると,R^2^-12が得られます。あるいは^∇2^-1=∇2です。

また,R^V()R^-1=V(R^R^-1)=V(R)ですが,もしもポテンシャルV()がクーロンポテンシャルのようにr=||のみに依存するような球対称な中心力場V()=V(r)であれば,Rr=rですからR^V()R^-1=V()となります。

そこで,球対称な中心力場の場合には,結局R^^R^-1^,またはR^^=^R^が成立します。

 今までは系の対称性変換という概念の導入のため,R:→R,ψ()→R^ψ()なる操作R,R^を座標系の空間回転に特殊化して考えましたが,以下では演算操作R,R^は必ずしも座標系の空間回転である必要はなくて,R^ψ(R)=ψ(),またはR^ψ()=ψ(R-1)を満たす任意の変換であるとします。

しかし,特にR^が座標系の空間回転操作を表わす場合,こうした回転操作全体の集合をとすると,これは回転群という変換群をなすことが知られています。

 

逆に,を必ずしも回転群とは限らない一般の変換群とした場合,系のハミルトニアン^が∀R^∈に対してR^^R^-1^,またはR^^=^R^を満たすとき,系は変換群の下で不変である,または系は変換群で規定される対称性を持つといいます。

ψがシュレーディンガー方程式^ψ=Eψの1つの解ならψはエネルギー固有値Eに属する^の固有関数ですが,^∈に対しR^^=^Rなら,^R^ψ=ER^ψも成り立つので,R^ψもまたψと同じエネルギー固有値Eに属する^の固有関数です。

そこで,Eに属する全ての独立な固有関数をφnとし,これらは正規直交化されているとします

 

すなわち,n=Eφn,<φmn>=δm n(m,n=1,2,..,d)とします。φnはd重に縮退していると仮定しています(d=1なら縮退していませんが,1重に縮退していると広義に解釈します。)

R^^R^-1^のとき,∀R^∈に対してR^φnは全て^のEに属する固有関数なので,φ12,..,φdの1次結合で表現されます。

 

つまり,R^φn=Σm=1dφmmn(R)ですね。そして展開係数Dmn(R)はφn正規直交性<φmn>=δmnにより,Dmn(R)=<φm|R^|φn>と表わされることがわかります。

さて,が位相群であるとします。

 

つまり,は群でありかつ位相空間であって,対応(g,h)→gh(g,h∈)で与えられる群演算,およびg→g-1なる写像が共に連続であるとします。

 

Uを体K(または)の上のある線型空間(ベクトル空間)とするとき,∀g∈にUの上の線型変換D^(g)を対応させる準同型写像D^:g→D^(g)を群のU上の表現といいます。

 

Uはこの表現D^の表現空間と呼ばれます。表現D^において,その表現空間Uを明示したいときには,表現D^を(D^,U)と書きます。

 

表現空間Uの次元を群の表現の次元ということもあります。Uの次元が有限値nのときには,この表現をn次元表現といいます。

ここで,写像D^:g→D^(g)が準同型写像であるとは,∀g,h∈に対してD^(gh)=D^(g)D^(h)が成立することを意味します。

 

特にeをの単位元,IUをU上の恒等変換とすると,D^(e)=IUが常に成立します。

群の元R^とD(R)の対応関係は,一般には1対1とは限らず,通常はn対1のような対応(準同型対応)ですが,特に1対1となる場合(同型対応)には,その表現を忠実な表現といいます。

の表現(D^,U)において,その表現空間Uの次元が有限である有限次元表現のとき,Uの任意の元にその適当な基底による1次結合の係数のベクトルを対応させると,U上の任意の線型変換T^はそれと完全に1対1に対応する行列Tと同一視できることがわかっています。

 

以下では,線型空間Uそのものではなく,それの基底による成分を並べた数ベクトルをUの元と同一視した数ベクトル空間もまた同じ記号Uで記述します。

 

この数ベクトル空間としてのUを表現空間とし,元の表現D^(g)を行列D(g)と同一視した(D^,U)に同型な表現(D,U)を行列表現といい,個々の表現を表わす行列D(g)を表現行列といいます。

今の場合,n=Eφn (n=1,2,..,d)を満たすφnを基底とするd次元ベクトル空間をUとすれば,∀R^∈に対してR^φn=Σm=1dφmmn(R)です。

 

そこで,^ψ=Eψを満たす任意のψ∈Uがψ=Σn=1dnφnと表わされるときには,^ψ=Σn=1dnnΣm=1dφmn=1dmn(R)cn}となります。

それ故,状態ψ=Σn=1dnφn∈Uの各々を基底12,..,φdによる展開係数のベクトル:{cm}=(c1,c2,..,cd)と同一視すれば,R^ψ=Σm=1dφmn=1dmn(R)cn}により,R^ψ∈Uはベクトル:{Σn=1dmn(R)cn}=(Σn=1d1n(R)cnn=1d2n(R)cn,..,Σn=1ddn(R)cn)と同一視されます。

そこで,(m,n)成分がDmn(R)の行列をD(R)とし,ψ=Σn=1dnφnの展開係数{cm}=(c1,c2,..,cd)をt(c1,c2,..,cd)なるd次元の列ベクトルと考えれば,ψ→R^ψと→D(R)が等価であることがわかります。

ここで,(φ12,..,φd)を行ベクトルと考えてφ≡(φ12,..,φd)とすれば,ψ=Σn=1dnφnをψ=φcと表現できます。

 

R^ψ=Σm=1dφmn=1dmn(R)cn}もまた,R^ψ=φD(R)と書けます。

ところで,群が量子力学系のユニタリ変換から成る変換群を表わす場合,例えばR1^,R2^∈が座標系の回転を表わすような場合には,群の積の演算は波動関数ψにR1^,R2^をこの順に続けて作用させること,つまりψ→R1^ψ→R2^(R1^)ψを意味します。

 

そこで,この場合の群演算は(R1^,R2^)→R2^R1^となり,上の位相群の表現の定義の中で仮定した演算:(g,h)→gh(g,h∈)とは演算の順序が逆になっています。

しかし,こうした演算の順序の違いは定義を少し読み変えれば済む問題です。積の順序の違いなどは本質的なことではありません。

実際,R1n=Σm=1dφmmn(R1),R2n=Σm=1dφmmn(R2)より,R2^R1n=R2^[Σm=1dφmmn(R1)]=Σl=1dφkm=1dkm(R2)Dmn(R1)]ですから,これは行列としてはD(R21)=D(R2)D(R1)なることを意味します。

 

そこで,これまで通りD:R→D(R)が群の1つの行列表現を与えるとしても問題ないことがわかります。

 

次にの2つの表現(D^,U),(D'^,V)があるとします。

 

もしも,1対1の線型写像T^:V→Uが存在して∀R^∈に対しT^D'^(R)=D^(R)T^が成立するときには,D^とD'^は同値な表現である,といいます。一方,同値でない表現は異値であるといいます。

上の2つの表現が(D,U),(D',V)で表わされる行列表現の場合なら,ある正則な行列T(detT≠0)が存在して,∀R^∈に対しTD'(R)=D(R)T,またはD'(R)=T-1(R)Tが成立するときDとD'は同値な表現となります。

 

そして,(D,U)と(D',V)が同値な表現の場合,明らかに空間UとVの次元は同じです。

φ12,..,φdを基底とするベクトル空間をUとするとき,表現空間Uにおける変換群表現がR^φn=Σm=1dφmmn(R)で与えられる場合,φ'n≡Σm=1dφmmnとすると^φ'n=Σm,k=1dφkkm(R)Tmn=Σm,k,j=1dφ'j-1jkkm(R)Tmn,すなわち,R^φ'n=Σm=1dφ'm{T-1(R)T}mnと書けます。

 

D'(R)≡T-1(R)Tと定義して,上のR^φ'n=Σm=1dφ'm{T-1(R)T}mnR^φ'n=Σm=1dφ'mD'(R)mnに置き換えれば,表現を同値な表現に読み変えるのは,単に同じ表現空間Uにおける基底の変換φ12,..,φd → φ'1,φ'2,..,φ'd過ぎないことがわかります。

これをベクトル表示で考えます。

 

表現(D,U)はψ=φcのときR^ψがR^ψ=φD(R)になることを意味しますが,φ'=φTとすればφφ'T-1ですから,これを代入するとψ=φcφ'T-1,かつR^ψ=φD(R)φ'T-1(R)φ'T-1(R)T(T-1)となります。

したがって,'≡ T-1とおけば,これはψ=φcφ''のときにR^ψがR^ψ=φ'T-1(R)T'=φ'D'(R)'と表現されることと同等です。

 

この新しい表現:(D',U)を,ψ=φcのときR^ψ=φD(R)になるという表現(D,U)と比較すると,変換(D,U)→(D',U)は単にφφ'なる基底の変換を意味することがわかります。

 

結局,同値な表現と定義される2つの表現は,表現空間の上の写像として同型であるという意味ですね。

さて,の2つの表現(D1,V)と(D2,W)があるとき,VとWの直和空間:U=V+Wの上の表現:D≡D1+D2を,;∀∈V,∀∈Vと∀R^∈に対し,D(R)={D1(R)+D2(R)}()≡D1(R)+D2(R)なる線型写像で定義して,この(D,U)を表現(D1,V)と(D2,W)の直和表現と呼ぶことにします。

そして,(D1,V)と(D2,W)が行列表現のとき,∀R^∈に対し2つの行列D1(R)とD2(R)を対角線に並べて,それ以外の部分行列を全てゼロと置いた行列を作ります。

 

これを,D1(R)とD2(R)の直和行列と呼ぶことにすれば,これは直和表現D≡D1+D2の行列D(R)になることがわかります。

 

そこで,この直和行列をD1(R)+D2(R)と書きます。

(D,U)を群の1つの表現とするとき,Uの部分空間Vが存在して∀R^∈についてD(R)V⊂Vが成立するとき,VをUのD-不変な部分空間,または単にUの不変部分空間と言います。

の表現(D,U)がU自身と{0}以外にUのD-不変な部分空間を持たないとき,この表現(D,U)を既約表現といいます。既約でない表現を可約表現といいます。

また,群の表現(D,U)が可約のとき,特に完全可約であるとは,表現空間Uが不変部分空間U1,U2,..,Um (D(R)Ui⊂Ui for ∀R^∈(i=1,2,..,m))の直和U=U1+U2+..+Um分解できて,i(R)Ui≡D(R)Ui(∀R^∈)によって引き起こされるD(R)のUiへの縮小写像Di(R)による表現(Di,Ui)(i=1,2,..,m)が全て群の既約表現になることをいいます。

特に,行列表現(D,U)の表現行列が全てユニタリ行列のとき,つまりD(R)=D(R)-1のときには,この表現をユニタリ表現といいます。

 

波動関数ψ=Σn=1dnφnφcの作るベクトル空間Uの上の対称性変換を考察するとき,この変換の変換群をとすると,量子力学においては元々の任意の元R^そのものがユニタリ:R^R^=R^^=1であることが要求されます。

したがって,表現の準同型の性質からD(R)D(R)=D(R)D(R)=1よりD(R)=D(R)-1ですが,陽な行列成分がDmn(R)=<φm|R^n>=<φn|R^|φm*=Dnm(R)*を満たすので,D(R)=D(R),故にD(R)=D(R)-1です。

 

そこで対象とする物理的な変換群の表現は,全てユニタリ表現です。

(D,U)が群のユニタリ表現の場合,これが既約も含めて常に完全可約な表現であることを示すことができます。

  

以下では,これを証明しますが,そのために1,2∈Uを列ベクトルとして,Uの任意の2つの元のユニタリ内積を<1|2>≡12で定義しておきます。

 

(Uが先述のEの固有状態波動関数全体から成る空間の場合,ψ1φu12φu2∈Uなら,波動関数の内積は<ψ12>=Σm,n=1d1m*2nφm|φn12で与えられます。

 

したがって,線型空間Uを波動関数ψ=φuの係数ベクトル全体から成る数ベクトル空間と同一視すると,波動関数ψ12の内積が<ψ12>であることと1,2の内積が1|2>≡12であることは全く同じ意味を持ちます。)

(証明)(D,U)をユニタリ表現とします。これが既約ならもちろん完全可約です。しかし,既約でない(=可約)ならUでも{0}でもない自明でないD-不変な部分空間V⊂Uが存在します。

 

 このとき,Vの直交補空間をV{∈U|<|V>=0}で定義すると,このVもD-不変です。

 何故なら,∀∈V,∈Vと∀R^∈に対してD(R-1)∈Vですから,表現のユニタリ性D(R)=D(R)-1=D(R-1)によって,<D(R)|>=<|D(R)*=<|D(R)>=<|D(R-1)>=0 から,D(R)∈Vなることもわかるからです。

UがVとVの直和:U=V+Vであることは直交補空間の定義によって明白ですから,結局UはD-不変な部分空間の直和に書けることがわかりました。そこで,V,Vが共に既約なら完全可約性の証明はここで終わりです。

 

しかし,V,Vの一方,または両方が既約でないなら,これらをさらにD-不変な部分空間の直和に分解する操作を繰り返せば(D,U)は有限次元なので,結局既約な不変部分空間の直和に分解されるはずです。(証明終わり)

さらに,(D,U)が群の表現の場合に,その既約性を判定する基本定理であるシューアの補題(Schur's lemma)を述べて証明しておきます。

(シューアの補題):(D,V),(D',W)を群の2つの既約表現とするとき,線型写像T:V→Wが∀R∈に対しD'(R)T=TD(R)を満たすならTは同型写像か,またはT=0である。

(証明)L≡KerT={∈V|T0}とすると,∈LならTD(R)v=D'(R)T0 なので,D(R)∈LですからLはD-不変です。

 

 ところが(D,V)は既約表現なので,これはL=VかL={0}のいずれかであることを意味します。

 

 L=Vなら,これはT=0 を意味します。

 

 したがってT≠0 なら,L={0}ですが,これはTが1対1写像であることを意味します。

 

 なぜなら,1,2∈Vに対してT1=T2ならT(12)=0 なので12∈L={0},より12となるからです。

 

 一方,D'(R)Tv=TD(R)ですから,TVはD'-不変ですが,(D',W)が既約表現なので,TV=WかTV={0}のいずれかです。

 

 しかし,T≠0 ならTV={0}では有り得ないのでTV=Wです。すなわち,上への写像です。

 

 以上からTはVからWへの同型写像か,またはT=0 のいずれかであることが示されました。(証明終わり)

 

 行列表現では,1つの線型写像Tは1つの行列を意味しますが有限次元空間ではTが同型写像であることとKerT={0},またはdetT≠0 なることは全て同値です。

 

 そして,detT≠0 なる線型写像T:V→Wが存在して∀R∈についてD'(R)T=TD(R)となることは,表現(D,V)と(D',W)が同値な表現であることを意味しますから,上記シューアの補題は次のようにも表現できます。

 

 "(D,V),(D',W)を群の2つの既約表現とするとき,VからWへの線型写像Tがあって∀R∈についてD'(R)T=TD(R)を満たす場合,(1)DとD'が同値なら,このようなTは同型写像か,またはT=0である。(2)DとD'が異値ならこのようなTはゼロしか有り得ない。"

 

ですね。

 

 さらに,(D,U)が群の複素既約表現の場合,シューアの補題は次のようになります。

 

(シューアの補題2):(D,U)が群の複素既約表現のとき,∀R∈に対するD(R)と可換な線型変換Tはスカラー変換のみである。

 

 すなわち,∀R∈に対してD(R)T=TD(R)なら,ある複素数λ∈が存在して,T=λIである。(Iは単位行列,または恒等写像)

 

(証明)λ∈をTの1つの固有値とします。すなわち,固有値方程式det(T-λI)=0 の1つの根であるとします。S≡T-λIと置けばD(R)T=TD(R)はD(R)S=SD(R)を意味します。

 

 そこで先のシューアの補題から行列Sはゼロであるか,またはdetS≠0なる正則な行列であるかのいずれかですが,固有値方程式det(T-λI)=0 はdetS=0 そのものですからS=T-λIはゼロです。つまりT=λIです。(証明終わり)

 

 この定理から,"可換群(アーベル群)の複素既約表現は全て1次元表現である。"という系が得られます。

 

 なぜなら,(D,U)が可換群の複素既約表現のときは,∀R1,R2に対してD(R1)D(R2)=D(R2)D(R1)ですから,シューアの補題によりD(R)=λ(R)I;λ(R)∈と書けます。

 

 それ故,既約な表現空間Uは1次元でなければならないからです。

 

(D(R)=λ(R)IのIが2次元以上の単位行列なら,それは可約なことは明らかです。つまり,λ(R)Iは1次元の対角行列(単なる数)の直和行列です。)

 

 さて,シューアの補題2によりD(R)と可換な線型変換Tはスカラー変換のみであることは(D,U)が群の既約表現であるための必要条件であることがわかりましたが,特に(D,U)がユニタリ表現のような完全可約な表現の場合には,これは十分条件でもあります。

 

 すなわち,(D,U)が完全可約の場合には,Uはその既約なD-不変部分空間によって,U=U1+U2+..+Umなる形に表わすことができます。

 

 つまり,Uの任意の元12+..+m,(ii,(i=1,2,..,m))と直和表現できます。

 

 そこで,この場合には∈Uが=λ11+λ22+..+λmmに写される線型変換Tを作ることが可能ですが,これは明らかに∀R∈に対するD(R)と可換です。

 

 しかし,完全可約ならλ12,...λmは任意に選ぶことができるので,m≧2,λ1≠λ2と選択すればTはスカラー変換ではありません。

 

 以上から,結局∀R∈に対するD(R)と可換な線型変換Tがスカラー変換に限られるなら,(D,U)は既約表現でなければならないことが示されました。

 

 つまり,(D,U)が完全可約表現,例えばユニタリ表現のときには,D(R)(∀R∈)と可換な線型変換Tがスカラー変換に限られることが表現が既約表現であるための必要十分条件であることがわかります。

 

 今日はここまでにします。

 

参考文献:山内恭彦,杉浦光夫 著「連続群論入門」(培風館),犬井鉄郎,田辺行人,小野寺嘉孝 著「応用群論」(裳華房),島 和久 著「連続群とその表現」(岩波書店)

 

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2009年2月17日 (火)

相対論の幾何学(第Ⅲ部-4:coffee-break)

相対論の幾何学シリーズの第Ⅲ部リーマン幾何学の続きです。ちょっとここで一休みしてコーヒー・ブレイクです。

リーマン幾何学というよりも,本来の主題である全体としての物理学としての見通しとして相対論のイメージを取り戻したいと思います。

 

相対論の幾何学シリーズの第Ⅰ部で曲面上の曲線の曲率から直観幾何学的な考察で得られたガウス曲率や平均曲率という比較的素朴な曲面の曲率概念と,第Ⅲ部で得られた計量のある可微分多様体の上のアファイン接続に基づく曲率テンソルの定義を比較してみます。

そのため,第Ⅰ部の復習を兼ねて2008年7月から11月までの「相対論の幾何学(第Ⅰ部)」のシリーズ記事のうちの空間曲面の幾何学関連の記事から適宜抜粋参照して要約します。

まず,3次元空間内の曲面を,平面内の領域Dを定義域とする実数パラメータu,vのベクトル値関数(u,v)=(x(u,v),y(u,v),z(u,v)),(u,v)∈Dとして定義します。

 

ただし,x,y,zはu,vで3回連続偏微分可能(C3-級)であり,2行3列のヤコービ行列:t(∂/∂u,∂/∂v)の階数は2とします。

(u,v)で,v=bを固定してuだけを変化させる1パラメータのベクトル値関数(u,b)は,u=aで点(a,b)を通る曲面上の1つの曲線を表わします。そして,この曲線上の点(a,b)における接ベクトルはu(a,b)≡(∂/∂u)(a,b)で与えられます。

 

同様にu=aを固定した場合の曲線(a,v)上の点(a,b)における接ベクトルはv(a,b)≡(∂/∂v)(a,b)で与えられます。

仮定により,行列:t(∂/∂u,∂/∂v)(a,b)の階数は2なので,u(a,b) ≡(∂/∂u)(a,b)v(a,b)≡(∂/∂v)(a,b)1次独立なベクトルです。

 曲面(u,v)の各点でuvの線形結合ξu+ηvの形で表わされるベクトルを総称して,その点における曲面の接ベクトルといい,接ベクトル全体で張られる平面を接平面といいます。

そして,uvの外積:u×vによって,(u×v)/|u×v|を定義すると,これは曲面(u,v)の法単位ベクトルになります。

法ベクトルの直交性を内積で表現する式:(u,)=0, (v,)=0 をさらにu,vで偏微分すると,(uu,)+(u,u)=0, (uv,)+(u,v)=0 ,(vu,)+(v,u)=0 ,(vv,)+(v,v)=0 が得られます。

 

そして,3つのu,vの関数L,M,NをL≡(uu,)=-(u,u),M≡(uv,)=(vu,)=-(u,v)=(v,u),N≡(vv,)=-(v,v)で定義します。

こうして曲面上の各点で定義した各々の3つのベクトルの組:u,v,は明らかに1次独立ですから,3次元空間の任意のベクトルは全てこれらを基底とする線形結合で表わすことができます。

例えば,パラメータu,vによる2階偏導関数ベクトル:uu,uv,vu,vvは,uu=Γuuud+Γvuuv+L,uv=Γuuvu

Γvuvv+M,vu=Γuvuu+Γvvuv+M,vv=Γuvvu+Γvvvv+Nと表わすことができます。

 

これをガウスの公式といいます。係数のうちのΓをクリストッフェルの記号(Christoffel's symbol)といいます。

この各点で,基底u,v,の代わりに,例えば1u/|u|,2{v(v,1)1}/|v(v,1)1|,31×2で定義される1,2,3を基底にとれば,1,2が接平面の基底をなし互いに直交する3つの単位ベクトルの系,つまり(i,j)≡tij=δijを満たす正規直交系1,2,3が得られます。

 

こうした正規直交系の基底1,2,3を正規直交標構と呼びます。

接平面の異なる2組の基底{u,v},{1,2}は,ある線型結合u=a111+a122,v=a211+a222によって関連付けられます。これは(i,j)成分がajiの2×2行列A(detA≠0)を用いた,(u,v)=(1,2)Aなる表現とも解釈できます。

ただし,最後の表現式(u,v)=(1,2)Aにおいては,(u,v),(1,2)という記号は,これが他のほとんどの場所で表現する内積記号(i,j)≡tijetc.ではなく,単に空間ベクトルを並べて書いただけの行列の意味です。右辺の(1,2)Aも単に行列としての積です。

ここで,uv平面上の曲線(u,v)=(u(s),v(s))に対応する曲面(u,v)上の曲線(s)=(u(s),v(s))を考えると,dsに対するこの曲線上の点の微小変位dは,du=(du/ds)ds,dv=(dv/ds)dsを用いた表現ではudu+vdvとなります。

 

これはまた,u=a111+a122,v=a211+a222によって,=(111+a122)du+(211+a222)dv=(11du+a21dv)1(12du+a22dv)2と書けます。

 

そこで1≡a11du+a21dv2≡a12du+a22dvと定義すれば,θ11+θ22となって1,2の線型結合の形で表わせます。

そして,曲面(u,v)上で多様体の計量ds2に相当する量は,曲面(u,v)の第1基本形式I≡(d,d)=tで定義されます。θ11+θ22を代入すると I=θ1θ1+θ2θ2とも書けます。

 

また,udu+vdvなる表現からは,I≡E(dudu)+2F(dudv)+G(dvdv)となります。ここに,E≡(u,u)=tuu,F≡(u,v)=tuv,G≡(v,v)=tvvです。

つぎに,曲面の曲率概念を定義します。

曲面(u,v)上の曲線(s)=(u(s),v(s))に対して,'(s)=d/dsは(s)の接ベクトルなので,点(s)において曲面(u,v)に接しています。

 

しかし,ベクトル"(s)=d2/ds2は一般に曲面(u,v)の"接平面上のベクトル=接ベクトル"ではありません。"(s)の絶対値κ(s)≡|"(s)|は曲線の曲率と定義されます。

"(s)を点(s)での曲面の接ベクトル成分:gと法ベクトル成分:nの和に分解します。すなわち,"(s)=gnと書きます。

 

そして,gを曲線(s)の測地的曲率ベクトル,nを法曲率ベクトルと呼びます。

これらの曲率の成分ベクトルのうちで,曲面(u,v)の接平面に垂直な曲率成分であるnについて考察します。

 

nは法ベクトルなので,単位法ベクトル:(u×v)/|u×v|によって,n=κnと表現されます。値κnを法曲率と呼びます。

これはなおκn(n,)=("-g,)=(",)=-(',')=-(d/ds,d/ds)=-(u(du/ds)+v(dv/ds),u(du/ds)+v(dv/ds))≡L(du/ds)(du/ds)+2M(du/ds)(dv/ds)+N(dv/ds)(dv/ds)と変形できます。

曲面(u,v)上の1点0(u0,v0)における任意の単位接ベクトルをとすれば,=ξu(u0,v0)+ηv(u0,v0),かつ||=1と書けます。

 

記号Πを,Π()≡Lξ2+2Mξη+Nη2によって定義すると,上に定義した法曲率:κn(s)はκn(s)=Π('(s))と表現されます。

||2=Eξ2+2Fξη+Gη2=1であって,が点0を中心とする接平面上の単位円の周上にあるという条件の下で,接ベクトルの法線成分Π()=Lξ2+2Mξη+Nη2が如何なるときに最大値,最小値を取るか?という問題を考えます。

この問題は,結局λ()≡(Lξ2+2Mξη+Nη2)/(Eξ2+2Fξη+Gη2)なる量λが無条件((ξ,η)≠(0,0))で,最大値,最小値を取る問題と同等なことがわかります。

そして,λ()≡(Lξ2+2Mξη+Nη2)/(Eξ2+2Fξη+Gη2)なる式は,Lξ2+2Mξη+Nη2-λ()(Eξ2+2Fξη+Gη2)=0,つまりΠ()-λ()||2=0 なる等式と同値です。

 

一方,λ()が無条件で最大値,最小値を取るための必要条件は∂λ/∂ξ=0,∂λ/∂η=0 で与えられます。

そこで,Π()-λ()||2=0 の両辺をξ,ηで微分し,それぞれ∂λ/∂ξ,∂λ/∂ηをゼロとおけば,(L-λE)ξ+(M-λF)η=0,(M-λF)ξ+(N-λG)η=0 なる式を得ます。これは,Lξ+Mη=λ(Eξ+Fη),Mξ+Nη=λ(Fξ+Gη)とも書けます。

これをξ,ηを未知数とする連立1次方程式と考えると,方程式が(ξ,η)≠(0,0)の自明でない解を持つためには,係数の作る行列の行列式がゼロになることが必要十分です。すなわち,(EG-F22(EN+GL-2FM)λ+LN-M20 が成立する必要があります。

このλの2次方程式の2つの根をλ=κ12とすると,根と係数の関係からκ1κ2(LN-M2)/(EG-F2),(κ1+κ2)/2=(EN+GL-2FM)/{2(EG-F2)}となります。

 

そして,K≡κ1κ2,H≡(κ1+κ2)/2 と定義してKをガウスの曲率,Hを平均曲率と呼びます。

さて,正規直交標構iの微分iも3次元空間のベクトルなので,これらはdi=Σj=13ωijj,または(i,j)成分がωjiの3×3行列Ωによってd(1,2,3)=(d1,d2,d3)=(1,2,3)Ωと表わせます。

 

ただし,di(∂i/∂u)du+(∂i/∂v)dv=Σj=13ωijjで,dはu,vの1次の無限小ですからi=Σj=13ωijj係数ωijは全てdu,dvの線型結合で与えられるはずです。

そして,(i,j)=δijより,(di,j)+(i,dj)=0 です。これとi=Σj=1ωijjによってωij+ωji0 (i,j=1,2,3)が得られます。つまり,Ωは交代行列であり対角成分は全てゼロです。

ところで1=a11du+a21dv2=a12du+a22dv,すなわち,t12)=At(du,dv)ですが,detA≠0 よりAの逆行列A-1が存在しますから,この式の両辺に右からA-1を掛ければ,t(du,dv)=A-1t12)を得ます。

そして,上で述べたようにωijは全てdu,dvの線型結合で与えられるはずですから,ωijはθ12の線型結合で書けます。

 

例えばd3の係数ω13とω23であれば,ω13=b11θ1+b12θ223=b21θ1+b22θ2,または(i,j)成分がbijの2×2行列Bで t1323)=Bt12)と書けます。

3udu+vdvの両辺とuの内積を取れば(d3,u)=(u,u)du+(v,u)dv=(ω311+ω322,a111+a122)=ω1311+ω2312が成立します。

 

同様に,(d3,) =(u,v)du+(v,v)dv=ω1321+ω2322も成り立ちます。

 

そこで,行列S≡t(u,v)(u,v)を作ると,これらの関係式はSt(du,dv)=tt1323)と書けます。

これに,t1323)=Bt12)を代入すると,t(du,dv)=tt1323)=tABt12)=ttBAt(du,dv)ですから,変数du,dvの独立性によって,S=tABAであることがわかります。

それ故,S=tABA,つまりtS=ttBAですからSの対称性:tS=SとdetA≠0 から,Bの対称性tB=Bが得られます。

  

対称行列の性質から実行列Bの2つの固有値は共に実数であることがわかります。

これらのBの固有値が先に定義した曲線(u,v)の主曲率κ12に一致します。これは次のようにしてわかります。

まず,S=tABAによりB=t(-1)SA-1=AA-1t(-1)SA-1=A(tAA)-1SA-1なので,Iを単位行列とする固有値方程式det(B-λI)=0 において,B-λI=A{(tAA)-1-λI}-1と書けます。そこで,方程式:det(B-λI)=0 はdet{(tAA)-1-λI}=0 等価な方程式です。

ところが,行列で表わした等式:(u,v)=(1,2)Aからt(u,v)(u,v)=tt(1,2)(1,2)Aであり,しかも正規直交性:tij=δijによりt(1,2)(1,2)=Iですから,tAA=t(u,v)(u,v)が成立します。

また,E=tuu,F=tuv,G=tvvですからtAA=t(u,v)(u,v)は1行目が(E,F)=(tuu,tuv),2行目が(F,G)=(tuv,tvv)の対称行列です。

 

それ故,tAAの逆行列(tAA)-1は1行目が(EG-F2)-1(G,-F),2行目が(EG-F2)-1(-F,E)の行列になります。

したがって,行列(EG-F2){(tAA)-1S-λI}は1行目が((GL-FM)(EG-F2)λ,GM-FN),2行目が(-FL+EM,(-FM+EN)-(EG-F2)λ)の行列です。

以上から,行列Bの固有値λを求める方程式:det(B-λI)=0 に同等な方程式:det[(tAA)-1S-λ]=0 が,(EG-F2)2λ2(EG-F2)(EN+GL-2FM)λ+(GL-FM)(-FM+EN)-(GM-FN)(-FL+EM)=0 なる形であることがわかります。

 

左辺の最後の2項から成る定数項は(EG-F2)(LN-M2)と因数分解されますから,結局,EG-F20 の場合には,(EG-F22(EN+GL-2FM)λ+LN-M20 なる方程式と同値になります。

 

これは正に,先に記述した主曲率κ12を2つの解とするλの2次方程式に一致しています。

 

以上で,行列Bの2つの実数固有値が主曲率κ12になることが示されました。

そこで,ガウスの曲率はK=κ1κ2(LN-M2)/(EG-F2)=detB=b1122-b1221,平均曲率はH=(κ1κ2)/2=(EN+GL-2FM)/{2(EG-F2)}=(1/2)traceB=(1/2)(b11+b22)となることがわかります。

さらに,dθ11+θ22(1,2)t12),3(1,2)t3132)=-(1,2)t1223)=-(1,2)Bt12)より,κがBの固有値でB=κを満たすならd3=-κ(1,2),つまり3=-κとなります。

 

そこで,正規直交標構を用いた表現では行列Bの2つの固有値が主曲率κになるということの意味も明白ですね。

さて,これらのことを2変数の場合の外微分形式,または単に微分形式による表現によって記述すると大体次のように要約されます。

曲面(u,v)上でd=(dx,dy,dz)を微分1形式としてd=θ11+θ22と書けば,ポアンカレ(Poincare)の補題によって,これの外微分はゼロです。

 

つまり,d(d)=((dx),(dy),(dz) )0 ですから,0=dθ11-θ1∧d1θ22-θ2∧d2=dθ11-θ1j=13ω1jj)+θ22-θ2j=13ω2jj),すなわち(dθ1-Σi=12θi∧ωi1)1(dθ2-Σi=12θi∧ωi2)2i=12θi∧ωi3)30 となります。

 

ここで1,2,3は1次独立なので,dθj=Σi=12θi∧ωij(j=1.2),Σi=12θi∧ωi30 なる表式が得られます。

 

このうち,dθj=Σi=12θi∧ωij(j=1.2)は第1構造式と呼ばれます。そしてω1jの作る行列Ωは交代行列なので,これはdθ1=θ2∧ω21,dθ2=θ1∧ω12を意味します。

 

一方,ω13=b11θ1+b12θ223=b21θ1+b22θ2,すなわちωi3=Σi=12ijθjなる展開式を仮定してΣi=12θi∧ωi30 に代入すればΣi,j=12ijθi∧θj0 を得ます。

 

これは,(b12-b21)θ1∧θ20 ,つまりb12=b21を意味しますから,行列B={bij}が対称行列なることが再確認されました。

次にd(di)=0 なる等式にdi=Σj=13ωijjを代入します。

iは 0次微分形式,ωijは1次微分形式なので,これからΣj=13(dωijj-ωij∧dj)=Σk=13(dωik-Σj=13ωijωjk)k=0 が得られます。それ故,dωik=Σj=13ωijωjkなる式成立します。

 

特に,k=1,2,つまり接平面成分を考え,i=1,2の場合にはωi3=Σj=12ijθj (i=1,2)を考慮することでdωik=Σj=13ωijωjk=Σj=12ωijωjk+ωi3ω3k=Σj=12ωijωjk+ωk3ωi3=Σj=12ωijωjk+Σh,j=12khijθj∧θjを得ます。

すなわち,dωik=Σj=12ωijωjk(1/2){Σh,j=12(khijkjihj∧θj} (i,k=1,2)なる表現式が得られます。

 

ところが前述したように,ωik(i,k=1,2)で作られる行列Ωは交代行列なので唯一の独立成分として例えばω21だけ考えれば十分です。

 

この,ω21については,dω21=Σj=12ω2jωj1(1/2){Σh,j=12(1h2j1j2hj∧θj}=(112212211∧θ2(detB)θ1∧θ2となります。

既に,ガウスの曲率K≡κ1κ2が,K=detB=11221221で与えられることがわかっているので,dω21=Kθ1∧θ2と書けることがわかります。これは第2構造式と呼ばれるものです。

 

いずれにしろ,ガウスの曲率がK=κ1κ2(LN-M2)/(EG-F2)=detB=b1122-b1221で与えられることは,定式化によらず同じですが,Kが一般の多様体上の曲率テンソルRと如何なる関係にあるのだろうか?という本記事の主題である疑問について論じるためには,もっと別の切り口の考察にも頼る必要があります

そのために,直接一般相対論での曲がった4次元時空の上の粒子の運動を,2次元の曲面上に束縛された粒子の運動と同一視して比較することを考え,平面座標を示すパラメータ(u,v)を(u1,u2)と表記して曲面(u,v)を(u1,u2)と書き直すことから議論を始めます。

まず,接平面の基底をなす接ベクトルu(∂/∂u),v(∂/∂v)を,i(∂/∂ui)(i=1,2)と書きます。

 

一般の接平面上のベクトルを示す線型結合:ξu+ηvも,パラメータξ,ηをξi(i=1,2)と添字表現にすることで,ξi,i≡ξ1,1+ξ2,2,またはξi(∂/∂ui)≡ξ1(∂/∂u1)+ξ2(∂/∂u2)と書き直します。

E≡(u,u)=u2,F≡(u,v)=(v,u),G≡(v,v)=v2なるいわゆる計量の表記も,通常の表記gij(,i,,j)=(∂/∂ui,∂/∂uj)(i,j=1,2)に変更します。

 

すると,接ベクトルξi,i=ξi(∂/∂ui)の長さの平方(Eξ2+2Fξη+Gη2)は,gijξiξjと書けます。

 

相対論の記法に慣れているなら,空間計量の表現としてds2=gijdξidξjと表わす方が馴染み深いですね。

さらに,ガウスの公式uu=Γuuu+Γvuuv+L,uv=Γuuvu+Γvuvv+M,vu=Γuvuu+Γvvuv+M,vv=Γuvvu+Γvvvv+Nは,,ij=∂2/∂ui∂uj=Γkij(∂/∂uk)+hIjなる表現に変わります。

ここでuu(uu,u)/(u,u),Γvuv(uv,v)/(v,v),..etc.を,Γkij(∂2/∂ui∂uj,∂/∂ul)/(∂/∂uk,∂/∂ul )=gkl-1(∂gli/∂uj)=(gkl-1/2)(∂gli/∂uj+∂glj/∂ui)なる表現に変えています。

一般相対論でのレビ・チビタ接続(Levi-Civita接続)の係数としてのクリストッフェル記号は,Γσμν={σ,μν}=(gσρ/2)(gρν,μ+gρμ,ν-gμν,ρ);(gμν)≡(gμν)-1で与えられます。

 

これは,一般座標{xμ}と局所ローレンツ系の座標{Xμ}による表現ではΓσμν=(∂xσ/∂Xρ)(∂2σ/∂xμ∂xν)です。

 

そこで,座標系の次元としてが3次元,{ui}が2次元で,第3の次元による拘束力によって"曲面=2次元多様体"の上に束縛されていて3次元目を無視するという見方をします。

 

これは,相対論そのものとは少し異なりますが,空間曲面の位置ベクトルを一般座標{xμ},パラメータ{ui}を局所ローレンツ系{Xμ}と同一視すると,{Γkij}(i,j,k=1,2)が4次元時空でのクリストッフェル接続の係数{Γσμν}と全く同じ意味を持つとしてよいとわかります。 

さて,こうした認識の下で,行列:P≡(u,v)を定義しこれをu,vで1,2回微分する演算を考えてみます。

 

まず,∂uP=(uu,uv)=(Γuuu+Γvuuv+Luuvu+Γvuvv+M),∂vP=(vu,vv)=(Γvuu+Γvvuv+Muvvu+Γvvvv+N)です。

 

これに,左からtP=t(u,v)を掛けると,法ベクトルとの直交性から,t(∂u)は1行目が(EΓuu+FΓvuu, EΓuuv+FΓvuv),2行目が(FΓuu+GΓvuu,FΓuuv+GΓvuv)の行列,また,t(∂v)は1行目が(EΓvu+FΓvvu,EΓuvv+Γvvv),2行目が(FΓvu+GΓvvu,FΓuvv+GΓvvv)の行列になります。

これも添字表記で,P≡(∂/∂u1,∂/∂u2)とすると,gij(∂/∂ui)(∂/∂uj),∂2/∂ui∂uj=Γkij(∂/∂uk)+hijなので,∂iP=(∂2/∂ui∂u1,∂2/∂ui∂u2)=(Γki1(∂/∂uk)+hi1ki2(∂/∂uk)+hi2)という表式になります。

 

そして,これに左からtP=t(∂/∂u1,∂/∂u2)を掛けると,t(∂i)は1行目が(g1kΓki1,g1kΓki2),2行目が(g2kΓki1,g2kΓki2)の行列になります。

そこで,(k,l)成分がΓkilの行列をΓiと書くことにすれば,iP=PΓi(hi1,hi2)となります。そこで,t(∂i)=gΓiです。

したがって,i(gΓj)-∂j(gΓi)=∂i{t(∂j)}-∂j{t(∂i)}=t(∂i)(∂j)-t(∂j)(∂i)を得ます。

 

ここで,∂iP=PΓi(hi1,hi2),g=tPPであり,gは対称行列:tg=gですから,t(∂i)(∂j)-t(∂j)(∂i)=(tΓigΓjtΓjgΓi)(i1j2-hi2j1)2となります。

 

2は1行目が(0,1),2行目が(-1,0)の2×2交代行列です。

 

したがって,結局∂i(gΓj)-∂j(gΓi)=(tΓigΓjtΓjgΓi)(i1j2-hi2j1)2なる表現の等式が得られます。

一方,同じくg=tPP,tg=gより,これを微分すると∂ig=t(i)P+t(∂i)=tΓig+gΓiですから,これによってさらにi(gΓj)-∂j(gΓi)(tΓig+gΓij+g∂iΓj(tΓjg+gΓji-g∂jΓi=g(iΓj-∂jΓi+ΓiΓj-ΓjΓi)+(tΓigΓjtΓjgΓi)なる等式を得ます。

そこで,4つの2次行列ij(i,j=1,2)を,ij≡∂iΓj-∂jΓi+ΓiΓj-ΓjΓiと定義すれば,上の式はi(gΓj)-∂j(gΓi)=gij(tΓigΓjtΓjgΓi)と簡単になります。

 

この等式の右辺を,すぐ前に求めた等式∂i(gΓj)-∂j(gΓi)=(tΓigΓjtΓjgΓi)(i1j2-hi2j1)2の右辺に等置すれば,ij(i1j2-hi2j1)2なる式が得られます。

 

すなわち,g11=g22=0,g12=-g21=(h1122-h1221)2=(deth)2なる具体的表式が得られます。

 

一方,ガウスの曲率KはK=κ1κ2=detB=b1122-b1221(LN-M2)/(EG-F2)と表現されますから,E=g11,=g12=g21,G=g22によってEG-F2=detgです。

 

L=h11,=h12=h21,N=h22によって,LN-M2=dethなる置換を行えば.これら相対論的表記ではK=deth/detgに帰着することがわかります。

 

こうして,結局,g12=-g21=(detg)K2,1122=0 なる最終的な関係式を得ることができました。

 

そして行列gijの(m,k)成分は(gij)ml=gmkkijlです。

 

これの右辺のテンソル成分を示すRkijlは,ij≡∂iΓj-∂jΓi+ΓiΓj-ΓjΓiによって,3次元空間への埋め込みと考えられる曲面を2次元多様体と同一視したときのリーマン・クリストッフェルの曲率テンソル成分に一致します。

 

以上から,多様体のリーマンの曲率テンソル{Rσλμν}は,確かに2次元曲面の素朴な曲がり具合を示すガウスの曲率Kの自然で直線的な拡張であることが示されました。

これで今日のコーヒー・ブレイクは終わりにします。

参考文献:小林昭七 著「曲線と曲面の微分幾何」(裳華房),中原幹夫 著「理論物理学のための幾何学とトポロジー」(ピアソン・エデュケーション),杉田勝美,岡本良夫,関根松夫 共著「理論物理のための微分幾何学」(森北出版),大森英樹 著「力学的な微分幾何」(数学セミナー増刊[8](1980))(日本評論社)

 

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2009年2月13日 (金)

相対論の幾何学(第Ⅲ部-3)(リーマン幾何学(3))

相対論の幾何学シリーズ第Ⅲ部リーマン幾何学の続きです。

まず,前回の記事の最後の部分で与えたアファイン接続(affine connection;アフィン接続)の定義を再掲するところから始めます。

※(再掲開始)

[定義Ⅲ.3]アファイン接続∇とは,(^,^)に∇X^を対応させる1つの写像∇:(M)×(M)→(M)であって次の条件を満たすものをいう。ここで(M)は多様体M上のベクトル場の全体を指す。

 

 満たすべき条件とは,∀^,^,^∈(M),およびM上の任意関数fに対して,∇X(^+^)=∇X^+∇X^,∇(X+Y)^=∇X^+∇Y^,∇fX^=f∇X^,∇X(f^)=^[f]^+f∇X^が成立することである。

 M上で座標x=φ(p)を持つチャート(U,φ)を選びm3個の接続係数と呼ばれる変数Γ≡{Γλνμ}を∇νμ≡∇μλΓλνμで定義します。ただし,{μ}={∂/∂xμ}はTp(M)の座標基底です。

 こうしてアファイン接続∇の基底ベクトル{μ}への作用∇νμ≡∇μが定義されれば,∇の任意のベクトルへの作用が計算可能です。

 

 例えば^=Vμμ,^=Wμμ∈Tp(M)に対して,∇^=Vμ(Wνν)=Vμ{μ[Wν]+Wνν}=Vμ(∂Wλ/∂xμ+WνΓλμν)λとなります。

 

 右辺における因子は先に直感的に得られた共変微分に形が一致していますね。

 そこで,∇μλ≡∂Wλ/∂xμ+WνΓλμνとおけば,アファイン接続∇は2つのベクトル^=Vμμ,^=Wμμ∈Tp(M)を新しいベクトル∇^=Vμ(∂Wν/∂xμ+WνΓλμν)λに移し,これのλ番目の成分がVμμλで与えられることになります。

 

 ∇^はV^=[^,^]とは異なって^の微分を含みませんから,この意味で共変微分は関数の方向微分のテンソルへの一般化になっています。(再掲終わり)※

さて,上のアファイン接続∇の定義は,ベクトル場に対するもので,これは直感的ではないベクトル場への方向微分の拡張という形での共変微分を与えるものです。

 

しかし,まだスカラー,つまり多様体M上の任意関数fを含めた一般のテンソルに対する接続∇,または共変微分の明確な定義を与えるという課題が残されています。

まず,M上の任意関数fに対しては,∇f≡^[f]として方向微分∇^をfの共変微分と定義します。

こうすると,先の定義にある∀^,^∈(M)に対する規則:∇X(f^)=^[f]^+f∇X^は∇X(f^)=(∇f)^+f∇X^となって通常の微分が満たすのと同じライプニッツ則に一致します。

そこで,任意のテンソル場T1,T2の積に対しても,ライプニッツ則が成立することを要求します。すなわち,∇X(T12)=(∇1)2+T1(∇2)の成立を要求します。

 

テンソル場の共変微分(接続)がこの条件を満たすという取り決めによって共変微分は一意的に決まります。

特に,この等式は両辺のテンソルの成分表示において,幾つかの上下の添字を縮約しても成立するはずです。

 

そこで,1-形式ω∈Ω1(M);ω≡ωμdxμとベクトル場^∈(M);^≡Yμμの内積:<ω,^>=スカラーについても,∇X(<ω,^>)=<∇ω,^>+<ω,∇^>となります。

定義によって∇X(<ω,^>)=^[<ω,^>]=Xμμ<ω,^>=Xμμλλ)です。

 

また,∇^=Xμ(∂μλ+Γλμνν)λ=Xμ(∂μλ+Γλμνν)∂λよって,<ω,∇^>=ωλμ(∂μλ+Γλμνν)ですから,<∇ω,^>=∇X(<ω,^>)-<ω,∇^>=Xμ(Yλμωλ-Γλμννωλ)=Yνμ(∂μων-Γλμνωλ)が得られます。

したがって,∇ω≡Xμ(∂μων-Γλμνωλ)={Xμ(∂μων-Γλμνωλ)}dxνとなります。これが1-形式ωの共変微分です。

 

特に,^=α=δμαμとおけば,∇μω=(∂μων-γλμνωλ)dxν,すなわち(∇μω)ν=∂μων-Γλμνωλを得ます。

 

さらに,ω=dxα=δμαdxμとおけば∇μdxν=-Γνμλdxλが得られます。

これらは容易に一般化されて,∇μλ1..λpν1..νq=∂μλ1..λpν1..νq+Γλ1μσσλ2..λpν1..νq+..+Γλpμσλ1..λp-1σν1..νq-Γσμν1λ2..λpσν2..νq-..-Γσμνqλ1..λp-1σν1..νq-1σとなります。

 

そして,この表現がtλ1..λpν1..νqなる成分を持つ(p,q)型テンソルの共変微分をユニークに定めることがわかります。

次に,アファイン接続の接続係数Γλμνが,多様体上の座標,つまりチャートの選択によって,どのように変換されるかを考えます。

接続係数Γλμνを与えるチャート(U,φ);x=φ(p)に対してU∩V≠φを満たす別のチャート(V,ψ);y=ψ(p)があるとき,それぞれの座標に対するベクトル場の座標基底を,{μ}≡{∂/∂xμ},{α}≡{∂/∂yα}と書くことにします。

 

そして,y座標に対応する接続係数をΓ~γαβとします。

 

x座標に対応する接続係数Γλμνが∇μν=∇νλΓλμνで定義される量ですから,接続係数Γ~γαβは∇βγΓ~γαβで定義されます。

そして,共変微分の演算子∇そのものが共変ベクトルなので,∇(∂xμ/∂yα)∇です。

 

そこで,これにα=∂/∂yα=(∂xμ/∂yα)(∂/∂xμ)=(∂xμ/∂yα)μを代入すると,∇β=∇{(∂xμ/∂yβ)μ}=(∂2μ/∂yα∂yβ)μ+(∂xμ/∂yβ)(∂xλ/∂yα)∇μ=[(∂2ρ/∂yα∂yβ)+(∂xλ/∂yα)(∂xμ/∂yβρλμ]ρとなります。

一方,γΓ~γαβ=(∂xρ/∂yγ)Γ~γαβρですから,結局(∂xρ/∂yγ)Γ~γαβ=(∂2ρ/∂yα∂yβ)+(∂xλ/∂yα)(∂xμ/∂yβρλμなる式を得ます。

 

故に,接続係数はΓ~γαβ=(∂xλ/∂yα)(∂xμ/∂yβ)(∂yγ/∂xρρλμ+(∂2μ/∂yα∂yβ)(∂yγ/∂xμ)と変換される必要があります。

これまでは,接続Γを任意の量としてきましたが多様体に計量(metric)が与えられると,可能な接続の形として適当な制限を与えることができます。

 

そこで,計量gμνが共変的に一定,すなわち,2つのベクトル^,^∈(M)が任意の曲線に沿って平行移動されたとき,それらの内積が平行移動の下で一定であることを要求します。

微分多様体M上の各点p∈Mで定義された(0,2)型テンソルgp:Tp(M)→;∀^,^∈Tp(M)⊂(M)に対してgp(^,^)=gμνμνを与えるgp,またはgμνを計量と呼んで,<^,^>≡gp(^,^)=gμνμν^,^の内積と解釈します。

 

そして,平行移動の下で<^,^>が一定なことをgμνが共変的に一定と呼び,逆に平行移動の条件として要求するわけです。

 

μνが共変的に一定であるという要求から,^,^∈Tp(M)が任意の曲線に沿って平行移動されるとき,^を点p∈Mでのその曲線の接ベクトルとすると,0=∇{gp(^,^)}=Vμ[(∇μp)(^,^)+gp(∇μ^,^)+gp(^,∇μ^)]となります。

 

そして平行移動の定義によって,∇^=Vμμ^=0,かつ ∇^=Vμμ^=0 なので,Vμ(∇μp)(^,^)=Vσμν(∇σg)μν=0 が成立します。

^,^が任意ベクトルなので,(∇σg)μν=0 ,つまり∂λμν-Γσλνσν-Γσλμμσ=0 です。

 

これを満たすアファイン接続∇は,計量と両立するといいます。あるいは,これを満たすアファイン接続∇を単に計量接続と呼びます。

λμν-Γσλνμσ-Γσλμσν0 の(λ,μ,ν)の巡回置換は,∂μνλ-Γσμλνσ-Γσμνσλ=0,∂νλμ-Γσνμλσ-Γσνλσμ=0 です。

 

これらから,-∂μνλ+∂μνλ+∂νλμ+Tσλμσν+Tσλνσμ-2Γσ(μν)σλ=0 を得ます。ここにTσλμ≡2Γσ{λμ}≡Γσλμ-Γσμλσ(μν)≡(Γσμν+Γσνμ)/2です。

σλμを成分とするテンソルを捩率テンソルと呼びます。σλμは下添字について反対称,つまりσλμ=-Tσμλです。

最後の等式:-∂μνλ+∂μνλ+∂νλμ+Tσλμσν+Tσλνσμ-2Γσ(μν)σλ=0 をΓσ(μν)について解けば,Γσ(μν){σ,μν}+(Tνσμσ+Tμσν)/2 を得ます。

 

ここに,{σ,μν}は{σ,μν}≡(1/2)gσλ(∂μνλ+∂νλμ-∂μνλ)で定義される量で,これをクリストッフェルの記号(Christoffel's symbol)と呼びれます。

そこで,結局Γσμν=Γσ(μν)+Γσ{μν}={σ,μν}+(Tνσμσ+Tμσν+Tσμν)/2が得られます。

  

最右辺の第2項:Kσμν≡(Tνσμσ+Tμσν+Tσμν)/2 を歪率と呼びます。

特に多様体Mの上で捩率テンソル{Tσλμ}がゼロ:Γσλμ=Γσμλが成立する場合には,Kσμν≡0 でΓσμν={σ,μν}となります。このときの計量接続∇をレビ・チビタ接続(Levi-Civita接続)といいます。

接続Γ={Γσμν}はテンソルではないので,多様体の曲がり具合を測る物指しとしての本質的な幾何学的意味を持ち得ません。

  

そこで本質的意味を持つものとして,捩率テンソルT:(M)(M)→(M)とリーマン曲率テンソル(Riemannian curvature)R:(M)(M)(M)→(M)というものを定義します。

TはT(^,^)≡∇^-∇^-[^,^],RはR(^,^,^)≡∇^-∇^-∇[X,Y]^で定義されます。

 

Rは^に対する作用と見て,R(^,^,^)の代わりにR(^,^)^と書くことがあります。

  

これらは,明らかに^,^)について反対称でT(^,^)=-T(^,^),R(^,^)^=-R(^,^)^を満たします。

^=Xμμ,^=Yμμと成分で書けばT(^,^)=XμνT(μ,ν)∈(M)ですから,Tは(1,2)型テンソルでT(^,^)=Tσμνμνσ,またはTσμν=(dxσ,T(μ,ν))によって成分Tσμνが与えられます。

[μ,ν]=[∂μ,∂ν]=0 なので,Tσμν=(dxσ,T(μ,ν))=(dxσ,∇μν-∇νμ)=(dxσλμνλ-Γλνμλ)=Γσλμ-Γσμλです。

 

そこで,これは確かに先に成分で定義した捩率テンソルTσλμ≡2Γσ{λμ}≡Γσλμ-Γσμλの表現と一致します。

一方,R(f^,g^,h^)=f∇{g∇(h^)}-g∇{f∇(h^)}-f^[g]∇(h^)+g^[f]∇(h^)-fg∇[X,Y](h^)=fg[∇(h^)-∇(h^)-∇[X,Y](h^)]=fghR(^,^,^)なので,Rは多重線形です。

 

それ故,R(^,^,^)=XλμνR(λ,μ,ν)と書けることから,Rもテンソルであることがわかります。

Rは(1,3)型テンソルで,(dxσ,R(λ,μ,ν))=(dxσ,∇λμν-∇μλν)=(dxσ,∇λρμνρ)-∇μρλνρ))=(dxσ,(∂λΓρμνρ+ΓρμνΓηλρη)-(∂μΓρλνρ+ΓρλνΓημρη))です。

曲率Rの成分の添字を,何故この順序に取るのが慣例なのかはわかりませんが,Rσνλμ=(dxσ,R(λ,μ,ν))とおいて,Rσνλμ=∂λΓσμν-∂μΓσλν+ΓρμνΓσλρ-ΓρλνΓσμρ,またはRσλμν=(dxσ,R(μ,ν)λ)=∂μΓσνλ-∂νΓσμλ+ΓρνλΓσμρ-ΓρμλΓσνρを得ます。

テンソルの反対称性T(^,^)=-T(^,^),R(^,^)^=-R(^,^)^から,成分の添字についての反対称性Tσλμ≡=-Tσμλ,Rσλμν=-Rσλνμも明らかです。

ここで,R,Tをそれぞれ曲率テンソル,捩率テンソルと呼ぶことの物理的意味を考えてみます。

  

p∈Mを始点とする無限小の平行四辺形pqrsを取ります。そしてεμμ}を無限小として,p,q,r,sの座標をそれぞれ{xμ},{xμ+εμ},{xμ+εμ+δμ},{xμ+δμ}とします。

p∈Mにおけるあるベクトル^∈Tp(M)を経路C≡pqrに沿って平行移動します。

 

まず,VCμ(q)=Vμ-VλΓμνλ(p)ενです。

 

さらにVCμ(r)=VCμ(q)-VCλ(q)Γμνλ(q)δν=Vμ-VλΓμνλ(p)εν-{Vλ-VρΓλσρ(p)εσμνλ(q)δν=Vμ-VλΓμνλ(p)εν-VλΓμνλ(p)δν-Vρ{∂λΓμνρ(p)-Γσλρ(p)Γμνσ(p)}ελδνとなります。

一方,同じベクトル^∈Tp(M)を経路C'≡psrに沿って平行移動すると,VC'μ(r)=Vμ-VλΓμνλ(p)εν-VλΓμνλ(p)δν-Vρ{∂νΓμλρ(p)-Γσνρ(p)Γμλσ(p)}ελδνです。

 

したがって,VC'μ(r)-VCμ(r)=Vρ{∂λΓμνρ(p)-∂νΓμλρ(p)+Γσνρ(p)Γμλσ(p)-Γσλρ(p)Γμνσ(p)}ελδν=Vρμρλνελδνで書けます。

 

要約すれば,VC'σ-VCσ=Vρσρλνελδνです。そしてελδνは微小平行四辺形の面積を表わす無限小テンソルです。

ところで,電磁場μに対してFμνを電場,磁場を与える場の強さとして,Aμの線積分にストークスの定理を適用すればC-C'μ=∫(∇×Aμ)d=∫FμνdSμνと書けます。ここでdSλνは経路C-C'が囲む無限小面積です。

 

そこで,この等式においてdSλνは先の無限小平行四辺形pqrsの面積ελδνとdSλν~ελδνなる対応があると考えられます。

 

また,場の強さFμνは,電磁場と同じYang-Mills理論のゲージ場,あるいは非可換ゲージ理論のゲージ場Aμに対するときには曲率テンソルと同定されます。

 

そこで,VC'σ-VCσ~ -∫C-C'μ,Vρσρλν~ -Fλνという対応が成立すると考えられます。

 

この対応では,Vρσρλνが丁度非可換ゲージでの"場の強さ=曲率テンソル"に相当します。

 

実際に詳しい成分としての添字対応は次のようになります。

 

すなわち,局所対称な変換群Gがあるとき,その生成子を{Ta}(a,b,c=1,2,..N)とすれば,Gに対応する非可換ゲージ場の4元ポテンシャルはAμ≡∑a=1Naμaで,共変微分はDμ≡∂μ+igAμで定義されます。

 

このとき,"場の強さ=曲率テンソル"は一般にFμν≡∂μν-∂νμ-(i/g)[Dμ,Dν]=∂μν-∂νμ+ig[Aμ,Aν]で与えられます。

 

さらに,Fμν≡∑a=1Naμνaであり,Faμν≡∂μaν-∂νaμ-gfabcbμcνです。

 

そこで,VC'σ-VCσ~ -∫C-C'aμ,Vρσρλν~ -Faλνと書けば,添字σと添字aが対応していると考えられます。

 

添字を省略した大まかな対応としては,∂V~A,VR~F~∂Aですが,弱い重力場の近似では,∂Γがニュートンの万有引力に相当します。

 

これが,電場や磁場とF~∂Γのように対応するとすれば,F~∂Aより電磁場のようなゲージ場Aに対応するのは,クリストッフェル記号で与えられるような接続係数Γの場です。すなわち,Γ~Aですね。

 

そこで重力場をゲージ場として定式化できるとすれば,ゲージ場Aに相当するのは計量gではなくて,接続係数Γの方ですね。

 

そして,∂V~AですからΓ~Aは∂V~Γを意味しますが,これはVが重力場の計量gを表わす場合:V=g,Γ~ ∂V=∂gに相当しています。そこで対応:VR~ F~ ∂Aも,正しくはgR~ F~ ∂A,またはgR~ ∂Γなる対応ですね。

 

2006年5/11の記事「波動関数の位相と電磁場」2007年8/24,8/25の記事「磁気単極子(モノポール)」,「磁気単極子(モノポール)(補遺))」も参照してください。

今日はここで終わります。

参考文献:中原幹夫 著「理論物理学のための幾何学とトポロジー」(ピアソン・エデュケーション)

 

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2009年1月22日 (木)

相対論の幾何学(第Ⅲ部-2)(リーマン幾何学(2))

前に2008年12/10に書いてからずいぶん間が開きましたが相対論の幾何学シリーズの第Ⅲ部-1:リーマン幾何学(1)の続きです。

 

今日は平行移動,接続,そして共変微分など一般相対性理論の定式化と関連した事項を中心に話を進めていきます。

 

まず,いつものようにMをm次元の微分可能多様体とします。

 

M上のベクトル場^≡Vμ(∂/∂xμ)はM上の関数fに対し^:f→ ^[f]=Vμ(∂f/∂xμ)なる写像として作用し,方向微分と呼ばれる演算子です。

 

しかし,これのアナロジーとなるべき,一般の(p,q)型テンソルの方向微分なるものは存在しません。また,前に述べたリー微分U^=[^,^]も^の微分に依存するため,いわゆる方向微分に対応するような概念ではありません。

 そもそも,素朴な微積分学で学ぶm次元空間Mでの方向微分という概念とは何かということを考えることから始めましょう。

 

 記憶に頼ると,Mの上で微分可能な関数f:M→があって,これをM上の点の位置座標を意味するm次元の数ベクトル=(x1,x2,..,xm)の関数としてf=f()と書くとき,座標で表わされる点Pから座標+dで表わされる点QまでPQ=dだけの変位に対するf()からf(+d)=f()+dfまでのfの変化dfに対して定義され,ベクトル解析でいう勾配∇f=gradfという量が方向微分係数を意味するものだったような。。。

 

 まあ,ここでは方向微分という言葉の厳密な定義を問題にしているのではなく,共変微分という概念を発見的に導入するための伏線に過ぎませんから,ちょっとイイカゲンです。

 

 まあ,昔から掲示板などで論じている際に,物理用語と同じように数学用語を駆使していて,特に数学屋さんからよく重箱的なツッコミが入りましたね。

 

 これは,大体は本で調べるのを面倒がって記憶に頼って数学書で一度か二度接した聞きかじった程度の用語の定義や概念を一旦自分の頭で理解して記憶したと思っていることなどをテキトーに使う傾向があるためです。

 

 私の場合,昔から,数学という意味では大切な厳密さやディテールを犠牲にした不完全な発言であることがわかっていて,割と軽々しく意見を主張するものですから,発言を正反対の意味に取られたりしたことも多々ありましたし,実際,私自身の勘違いもよくありましたが,そこは掲示板の短かい文章で行なう議論の限界でしょうね。

 

 その点,いまどきの科学ブログでは,かなりディテールまで突っ込んで書くことが可能なので少しはましですね。。

 

 ああ,また余談を長々とやってしまった。

 さて,勾配∇fという量は,PQ=dなる変位に対して,dfをベクトル∇fとdのスカラー積として,df=∇fdと表現できることを意味し,dがいわゆる反変ベクトルであるなら,∇fはそれに双対な共変ベクトルを意味しますね。

 

 ∇fは,またfの変化率が最大となる向きを表わしますから,物理学ではfの勾配を∇f=gradfと表記する代わりに,記号的にdf/dと略記してfのによる全微分係数と同一視します。

 

 直感的には,2次元平面上に山があって,その高さ方向をz軸として,xy平面の座標における山の高さをz=f(x,y)として,これが山の斜面の曲面を表わす方程式を与えるというような描像がわかりやすいのではないか,と思いました。

 

 すなわち,xy平面上の点の微小変位(x,y)→(x+Δx,y+Δy)に対し,山の高さzはz=f(x,y)→z+Δz=f(x+Δx,y+Δy)=f(x,y)+(∂f/∂x)Δx+(∂f/∂y)Δyと変動します。

 

 そこで,平面上の変位をベクトル表記でΔ=(Δx,Δy)と書き,勾配と呼ばれるベクトルを∇f≡(∂f/∂x,∂f/∂y)で定義すれば,変位に対応するfの増分ΔzはΔz=(∂f/∂x)Δx+(∂f/∂y)Δy=∇fΔとスカラー積で表現されます。

 

 したがって,変位Δに対して山の高さの変化率,すなわち,傾きはΔz/|Δ|=|∇f|cosθとなります。

 

 ここで,θは勾配ベクトル∇f≡(∂f/∂x,∂f/∂y)と変位ベクトルΔ=(Δx,Δy)のなす角です。そして,もしも変位Δの向きが勾配∇fの向きと丁度一致すればΔz/|Δ|=|∇f|となります。

 

 このことは,その点(x,y)では勾配∇fの向きへの変位に対する傾きが最大であり,例えば平面上のその点に対応する山の面上の点で水を流すと,水の流れる主流方向は-∇fの方向になることを意味します。

 

 つまり方向微分,あるいは方向微分係数が∇f,またはその成分を意味するものであるというのが正しいなら,それはその点での様々な方向への微小変位に対する変化率,あるいは最大変化率を代表するものであると直感されます。

 

 しかし一方,多様体と表題されるような数学の本で,Mが多様体の場合の方向微分は大体,次のような描像から導入されます。

すなわち,多様体M上で座標として=(x1,x2..,xm)を有する点P∈Mを通る任意の滑らかな曲線)を(t)=(cμ(t))(ただしcμ(0)=xμ)とし合成関数としてf((t))をtの関数と見ます。

 

このとき"tに対するfの傾き=微分係数"を求めると,df/dt=(dcμ/dt)(∂f/∂xμ)=(d/dt)∇fとなります。

これは,t=0 のときVμ≡(dcμ/dt)t=0として演算子^を^≡Vμ(∂/∂xμ)と定義すれば(df/dt)t=0^[f]と書けますから,先に与えた一般のベクトル場^の演算子表記が(d/dt)t=0∇なる演算子に一致します。

 

つまり,単に勾配∇というベクトル演算子ではなく,曲線(t)に沿ったある向きdx=への勾配∇に変動係数dまたは(d/dt)をも含めたスカラー演算子 (d/dt)∇を方向微分と同定するわけです。

逆に,任意のベクトル^=Vμ(∂/∂xμ)に対し,dcμ/dt=Vμを満たす曲線(t)=(cμ(t))が常に存在します。

  

そこで,多様体の立場で^=Vμ(∂/∂xμ)を方向微分と呼ぶのは妥当な呼称と思われます。

 

そして初期条件cμ(0)=xμを満たすdcμ/dt=Vμの解曲線を求めるのは,いわゆる力学系問題ですね。

 さて,幾何学というよりも解析学の問題として,m次元ユークリッド空間Mにおける関数f:M→に対する方向微分係数∇fの概念を,Mからn次元ユークリッド空間Nへの写像:M→N;(),=(x1,x2..,xm)∈M,=(y1,y2..,yn)=(f1(),f2(),.,fn())∈Nに対する概念に拡張することを考えます。

=d(df1,df2..,dfn)=(∇f1,∇f2.,..,∇fn)ですから,(∂/∂)を(i,j)成分が∂fi/∂xj(i=1,2,..n,j=1,2,..m)のn行m列のヤコービ行列とし,d=(dx1,dx2..,dxm)をm成分の列ベクトルdt(dx1,dx2..,dxm)とすれば,d=(∂/∂)dと書けるので,係数行列(∂/∂)を全微分係数(と同一視します。

 

先に方向微分と考えた関数fの勾配∇f=df/dは,n×mヤコービ行列(∂/∂)のn=1,N=R (m=1)の特別な場合である,と考えれば自然ですね。

 

このときにも,(t)に対して((t))をtで微分すると,d/dt=(∂/∂)(d/dt)ですから,Vμ≡dcμ/dt,かつ^=Vμ(∂/∂xμ)と置いてd/dt=(∂/∂)(d/dt)を考えるとdfν/dt=(∂fν/∂xμ)(dcμ/dt)=Vμ(∂fν/∂xμ)=^[fν],または記号的にd/dt=^[]と表現できます。

 さて,一般の多様体M上のベクトル場^=Vμ(∂/∂xμ)において,基底をμ≡∂/∂xμとすれば,^=Vμμと表記できます。

 

 そして,ベクトル場^=Vμμのxνに関する微分係数

は,通常はμ成分として偏微分係数の形で∂Vμ/∂xν=limΔxν→0[{Vμ(..,xν+Δxν,..)-Vμ(..,xν,..)}/Δxν]を持つということで定義されます。

 

 しかし,この右辺の分子の第2項のVμは点≡(xμ)で定義される量であるのに対して,第1項のVμは点+Δ≡(..,xν+Δxν,..)で定義される量です。

ベクトル^()をから+Δまで座標を移動させたときに,平行移動したベクトル^のμ成分の差というからには点におけるμ軸と点+Δにおけるμ軸が同じ軸であるか,少なくとも同じ向きである場合でなければ平行移動という意味はないと思われます。

そこで,例えばベクトル^()の点におけるμ軸の成分Vμ()ではなく,点+Δにおけるμ軸成分を求める必要があります。その^()の点+Δにおけるμ軸成分をV~μ(+Δ)と書くことにします。

 

このとき,2つのμ軸成分の差V~μ(+Δ)-Vμ()はΔに比例するオーダーを持ちますから,この差をCμν(^)Δxνと書くことにします。すなわち,V~μ(+Δ)=Vμ()+Cμν(^)Δxνとします。

,および+Δで定義される任意のベクトル^(),^()があるとき,ベクトルの和の同じμ軸成分ですから常に(V+W)~μ(+Δ)=V~μ(+Δ)+W~μ(+Δ)なる線形性が成立すると考えられます。

 

これはCμν(^+^)=Cμν(^)+Cμν(^)を意味します。

つまり,Cμν(^)はベクトル^の定数項を持たない1次関数です。そこで比例係数行列の成分を^には無関係な-Γμνλなる記号で表わせば,Cμν(^)は結局Cμν(^)=-Γμνλλなる形に書けます。

 

そこで,V~μ(x+Δx)=Vμ(x)-ΓμνλλΔxνですね。

それ故,"(0,0)型テンソル=関数"fの方向微分に対応する(0,1)型テンソル^の方向微分として,limΔxν→0[{Vμ(x+Δx)-V~μ(x+Δx)}/Δxν]なる量を共変微分という名称で定義すると,これは∂Vμ/∂xν+Γμνλλと書けます。

 

そしてVμ(x)→V~μ(x+Δx)=Vμ(x)-ΓμνλλΔxνなる変換を平行移動と呼ぶことにします。

 ただし,今のところ係数Γμνλの選び方に何の制限も与えていないので,係数Γ={Γμνλ}の1つの選択ごとに平行移動,共変微分の規則が1つ決まることになります。

 しかし,多様体Mに計量(metric)が与えられている場合には,都合のよい係数Γ={Γμνλ}の選択が存在します。

 

 すなわち,Γλνμ=Γλμνなる対称性を満たし平行移動の前後でベクトルのノルムが不変であるという2条件を満たすという規則を持つレビ-チビタ接続(Levi-Civita接続)と呼ばれるものを採用します。

 以上のような直感的考察を踏まえて,まずアファイン接続(affine connection;アフィン接続)を定義します。

[定義Ⅲ.3] アファイン接続∇とは(^,^)に∇X^を対応させる1つの写像∇:(M)×(M)→(M)であって次の条件を満たすものを言う。ここで(M)は多様体M上のベクトル場の全体を指す。

 

 満たすべき条件とは∀^,^,^∈(M),およびM上の任意関数fに対して,∇X(^+^)=∇X^+∇X^,∇(X+Y)^=∇X^+∇Y^,∇fX^=f∇X^,∇X(f^)=[f]^+f∇X^が成立することである。

 M上で座標=φ(p)を持つチャート(U,φ)を選びm3個の接続係数と呼ばれる変数を∇νμ≡∇μλΓλνμで定義します。ただし,{μ}={∂/∂xμ}はTp(M)の座標基底です。

 こうしてアファイン接続∇の基底ベクトル{μ}への作用∇νμ≡∇μが定義されれば,∇の任意のベクトルへの作用が計算可能です。

  

 例えば^=Vμμ,^=Wμμ∈Tp(M)に対して∇V^=Vμ(Wνν)=Vμ{μ[Wν]+Wνν}=Vμ(∂Wλ/∂xμ+WνΓλμν)λとなります。

 

 右辺における因子は先に直感的に得られた共変微分と形が一致していますね。

 そこで,∇μλ≡∂Wλ/∂xμ+WνΓλμνとおけばアファイン接続∇は,2つのベクトル^=Vμμ,^=Wμμ∈Tp(M)を新しいベクトル∇V^=Vμ(∂Wν/∂xμ+WνΓλμν)λに移し,これのλ番目の成分がVμμλで与えられることになります。

 

 この∇V^はリー微分V^=[^,^]とは異なって^の微分を含みませんから,この意味で共変微分は関数の方向微分のテンソルへの一般化になっています。

 さて,次に多様体M上の任意の滑らかな曲線を(t)=(cμ(t))とし,この曲線上の点の座標xμ=cμ(t)は点p∈Mの座標が=φ(p)となるようなチャート(U,φ)によって与えられるとします。

 

 そして^≡Xμ(∂/∂xμ)は少なくとも(t)に沿う点の上で定義されたベクトル場とします。

 

 つまり,^|c(t)=Xμ((t))μ|c(t)とします。ここでμ≡∂/∂xμです。

 一方,(t)によって与えられる方向微分,あるいは接ベクトルを^=Vμ(∂/∂xμ)≡(dcμ/dt)μ|c(t),つまり^≡(d/dt)|c(t)とします。

 

 このとき^|c(t)が∀tに対して∇V^=0 なる条件を満たすなら^は曲線を(t)に沿って平行移動されると言います。

V^=0 を成分で書くと(dcμ/dt)(∂Xλ/∂xμ+XνΓλμν)|c(t)=0,つまりdXμ/dt+Γμνλ(dxν/dt)Xλ=0 となります。

 

特に,接ベクトル^≡(d/dt)|c(t)と自身が(t)に沿って平行移動される,すなわち∇V^=0 なら曲線(t)は測地線であると言われます。

 

V^=0 を成分で表わすには,∇V^=0 の成分表示dXμ/dt+Γμνλ(dxν/dt)Xλ=0 に,^=^の成分表示:Xμ=Vμ=dcμ/dt=dxμ/dtを代入すればよいことがわかります。

 

そこで,結局,座標成分で表わした測地線の方程式はd2μ/dt2+Γμνλ(dxν/dt)(dxλ/dt)=0 で与えられるという結果を得ます。

短かいですが今日はこれで終わります。

参考文献:中原幹夫 著「理論物理学のための幾何学とトポロジー」(ピアソン・エデュケーション)

 

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2008年12月10日 (水)

相対論の幾何学(第Ⅲ部-1)(リーマン幾何学(1)

相対論の幾何学シリーズは大体第Ⅱ部でやっと準備段階が完了したので,さっそく第Ⅲ部を開始し,リーマン幾何学に入ります。

いきなり計量(metric)と計量付きの多様体の定義から入ります。

[定義Ⅲ.1]Mを微分多様体とする。M上の各点pで定義された(0,2)型テンソル:gをpの関数としてgp=g|p:Tp(M)→と書くとき,これが次の公理を満たすなら,テンソルgをリーマン計量(Riemannian metric)と呼ぶ。

 

 リーマン計量を持つ多様体をリーマン多様体(Riemannian manifold)と呼ぶ。以下,公理です。

公理:(ⅰ)∀,∈Tp(M)に対してgp(,)=gp(,),(ⅱ)∀∈Tp(M)に対してgp(,)≧0 である。特にgp(,)=0 ⇔ =0 である。(gpは正定値で対称な双1次形式です。)

[定義Ⅲ.2] Mを微分多様体とする。各点p∈Mで定義された(0,2)型テンソル:gをpの関数としてgp=g|p:Tp(M)→と書くとき,これが次の公理を満たすならテンソルgを擬リーマン計量(semi-Riemannian metric)と呼ぶ。

 

 擬リーマン計量を持つ多様体を擬リーマン多様体(semi-Riemannian manifold)と呼ぶ。以下,公理です。

公理:(ⅰ)∀,∈Tp(M)に対してgp(,)=gp(,),(ⅱ)∈Tp(M)とする,もしも∀∈Tp(M)に対してgp(,)=0 なら=0 である。(gpは対称な双1次形式です。)

以下では,計量gが付与された微分多様体M,すなわちリーマン多様体や擬リーマン多様体Mを(M,g)と表記します。

 

また,多様体Mの次元をmとします。m=dimMです。

 さて,以前の記事では,接ベクトル∈Tp(M)と,その双対ベクトル(1-形式)ω∈Tp*(M)との内積を<,>:Tp*(M)×Tp(M)→なる写像として記号<ω,>で定義しました。

今定義したばかりの計量gが存在する多様体では,2つの接ベクトル,∈Tp(M)に対し,gp:Tp(M)×Tp(M)→なる写像(=(0,2)型テンソル)gp(,)を,この空間Tp(M)でのベクトルの内積と解釈します。

 →gp(,)で定義される写像gp(,):Tp(M)→はある1-形式ωU∈Tp*(M)(ωU≡gp(,))と同一視されます。

 

 逆に任意のω∈Tp*(M)に対して,<ω,>=gp(ω,)によってω∈Tp(M)が誘導されます。

 

 したがって,この→ωU,およびω→ωなる1対1の対応によって計量gpはTp(M)とTp*(M)の同型写像を引き起こします。

 Mの各点の近傍におけるチャート(U,φ)により,p∈Mに座標≡{xμ}=φ(p)を与えます。(0,2)型テンソルgpは線型空間T02p(M)の元ですがT02p(M)は基底{dxμ⊗dxν}μ,ν=1,2,..mで張られます。

 

 そこで,gpはgp=gμν(p)dxμ⊗dxνと展開されます。

 

 それ故,gpを(2,0)形式の基底(∂/∂xμ,∂/∂xν)に作用させると,gμν(p)=gp(∂/∂xμ,∂/∂xν)=gνμ(p)となります。

以下,混乱がない限り,gμν(p)のpを省略してgμνと書き,(gμν)を,(μ,ν)成分をgμνとするm次対称行列と考えます。

 

μνは(0,2)型テンソルgpの成分で,U=μ(∂/∂xμ),V=μ(∂/∂xμ)に対してgp(,)=gμνμνが成立します。

 一般に,行列(gμν)=(gμν(p))の行列式det(gμν)はゼロでないので,(gμν)=(gμν(p))は逆行列(gμν)-1=(gμν(p))-1を持ちます。

 

 これを,慣例に従って(gμν)=(gμν(p))と表記します。つまりgμννλ=gλννμ=δμλですね。

 

 以下では,det(gμν)をgと表わします。明らかにdet(gμν)=1/gです。

先に,gp(,):Tp(M)→はある1-形式ωU∈Tp*(M)と同じであると述べました。

 

そして,ベクトルをU=μ(∂/∂xμ),V=μ(∂/∂xμ),ωU=ωμdxμと成分表示で書けば,gμνは対称でgp(,)=gμνμν=<ωU,>=ωμμなので,ωμμνν,または逆にUμμνωνとなります。

 

この→ωU=gp(,)なる対応は,Tp(M)からTp*(M)への同型写像になっています。

p=gμνdxμ⊗dxνなる定義から,座標{xμ}の点p∈Mと座標+d≡{xμ+dxμ}の点p'∈Mとの無限小距離の2乗ds2を意味するもの,無限小変位ベクトルd^≡dxμ(∂/∂xμ)の長さの2乗を意味するものとして,ds2≡gp(d^,d^)=gμνdxμdxνと定義します。

 

厳密な意味では計量とは,テンソルgp=gμνdxμ⊗dxνのことですが,以下ではds2≡gp(d^,d^)=gμνdxμdxνも計量と呼ぶことにします。

さて,(gμν)は対称行列なので,その固有値は全て実数です。

 

そしてgpがリーマン計量なら計量行列(gμν)は正値なので,固有値は全て正ですが,擬リーマン計量なら,これはいわゆる不定計量なので固有値には負の値もあります。

そして一般のn次元の時空における計量行列を想定すると,適当な直交行列を用いてこの行列を対角化する,つまり基底ベクトルをうまく取るとき計量行列(gμν)は,その"固有値=対角成分"が全て1または-1の対角行列"にすることができます。これを標準形といいます。

 

そして,この対角成分のうち1の個数(正の固有値の数)pと-1の数(負の固有値の数)qの対:(p,q)を計量の符号数と呼びますが,これは座標変換をしても不変な量です。

 

これはシルヴェスターの慣性律(シルベスターの慣性律)(Sylvester's law of inertia)として知られています。

 

そして,この記事で参考にしているテキストでは,q=1,つまり負の固有値が1個だけで他は正の符号数が(p,1)の擬リーマン計量をローレンツ計量と呼ぶ,としています。

 

しかし,実は時空座標はその全体に符号(-1)を掛けたものを採用しても,理論としては同等なので符号数が(p,q)の時空と符号数が(q,p)の時空は,それを扱う理論全体の符号を取り違えることがないなら,全く同じ時空を表わすものと考えていいのです。

したがって,符号数が(p,1)の場合だけでなく,(1,q)の場合,つまり正の固有値が1個だけで他は負の擬リーマン計量もローレンツ計量と呼ぶことにします。

 

そして,特にこれら計量がローレンツ計量であるような擬リーマン多様体をローレンツ多様体(Lorentz manifold)と呼びます。

 

特に,時空次元がn=4の4次元時空の場合には,リーマン計量からはユークリッド計量:δ≡diag(1,1,1,1)が得られ,ローレンツ計量からはミンコフスキー計量Minkowski metric):η≡diag(-1,1,1,1),またはη≡diag(1,-1,-1,-1)が得られます。

ただし,私の本シリーズの記事ではミンコフスキー計量として一貫して後者のη=diag(-1,1,1,1)を採用します。

なお,シルヴェスターの慣性律関連については,過去2007年5/15のブログ記事「シルヴェスターの慣性律とローレンツ多様体」において詳述していますので,よろしかったら参照してください。

さて,(M,g)がローレンツ多様体である場合,Tp(M)の元は次のように3つのクラスに分類できます。

 

(ⅰ)gp(,)>0 :は時間的(time-like)である。(ⅱ)gp(,)=0 :は光錐的(light-like),あるいは零(null)である,(ⅲ)gp(,)<0 :は空間的(space-like)である。という分類ですね。

 ここで以前の2007年5/15のブログ記事「シルヴェスターの慣性律とローレンツ多様体」から少しだけ引用します。

(引用):時空座標がxμ(x0,x1,x2,x3)で与えられる点pの近傍での一般座標変換による局所的に平坦なミンコフスキー計量の座標をXμとし,これらの間の変換をdXμ=aμν(p)dxν,またはA(p)を成分が(aμν(p))の行列としてd=A(p)dと表わします。

 

 このとき,aμν(p)=(∂Xμ/∂xν)|であり,計量を示す2次形式の不変式は,ds2=gμν(p)dxμdxν=ημνdXμdXν=ηλσλμσνdxμdxνと書けます。

すなわち,μν(p)=ηλσλμσν=ηλσ(∂Xλ/∂xμ)(∂Xσ/∂xν)|が成立します。

 

行列形式では,G()t()ΗA()です。

 

ただし,行列G(),Hは成分が()≡[gμν(p)],Ημν)で与えられるとして定義しています。

 

(),A(p)などにおける引数pを省略してこれらをG,A etc.と書き,P≡(A)-1とおけば,G()t()ΗA()は,G=t-1Η-1,あるいはHtPGPとも書くことができます。

  

こうしたPが常に存在することが,計量G()を持つ多様体が"ローレンツ多様体"になるための条件です。

これを時空における基底の変換と解釈し,{μ},および{0μ}をそれぞれ計量がgμν,およびημνとなる同じ時空点の局所座標の基底,すなわち,dxμμ=dXμ0μであるとします。

 

dXμ=aμν()dxνを代入すれば,dxμμνμ()dxμ0νによってμνμ(p)0ν,または(0,1,2,3)=(00,01,02,03)A(p)です。

 

また,pを省略しP≡A-1を用いると(00,01,02,03)=(0,1,2,3)Pです。(引用終わり)

さて,{00,01,03,04}を計量gμνがημνとなるるミンコフスキー標構の基底とします。

 

このとき,0±≡(00±01)/21/2として,この新基底{0+,0-,03,04}に対する計量gμνをηLCμνとします。

 

すると,dXμ0μ=dX000+dX101+dX202+dX303=dX+0++dX-0-+dX202+dX303なので,これからdX0=(dX++dX-)/21/2,dX1=(dX+-dX-)/21/2が得られます。

そこで,この変換に一般的公式μν=ηλσ(∂Xλ/∂xμ)(∂Xσ/∂xν)を適用すると,ηLC00η00(∂X0/∂X+)(∂X0/∂X+)+η01(∂X0/∂X+)(∂X1/∂X+)+η01(∂X1/∂X+)(∂X0/∂X+)+η11(∂X1/∂X+)(∂X1/∂X+)=1/2-1/2=0,ηLC01(∂X0/∂X+)(∂X0/∂X-)-(∂X1/∂X+)(∂X1/∂X-)=1/2+1/2=1=ηLC10となります。

 

同様にηLC110 となります。これ以外はηLCμνημνです。

 

計量がgμνηLCμνの形になるような標構{0+,0-,03,04}を光錐標構といいます。

さて,ここでまた以前の2008年11/3の記事「相対論の幾何学(第Ⅱ部-4:流れとリー微分)で述べた多様体におけるいくつかの概念の定義を再掲します。

(再掲) 一方,f*(^)[g]≡^[g・f]を満たす写像としてf:M→Nからの誘導写像f*:Tp(M)→Tf(p)(N)を定めた上述の論旨のアナロジーで,双対空間においても写像fから誘導される写像f*:Tf(p)*(N)→Tp*(M)を,<f*ω,^>=<ω,f*(^)>を満たす写像として自然に定義できます。

:M→Nに対して,f*がTp(M)からTf(p)(N)への写像であったのに反し,f*の方はTf(p)*(N)からTp*(M)への写像であって,これは対応する余接空間の間の写像の向きが元の多様体の間の写像の向きと逆なので,いわゆる引き戻しと呼ばれるものの一種です。

ここで,多様体M,Nの次元がm≦n,すなわちdimM≦dimNを満たす場合を想定します。

 

そして滑らかな写像f:M→Nによって誘導される微分写像f*:Tp(M)→Tf(p)(N)が単射のとき,つまりrank­f*=m=dimMなるとき,写像fをMからNへの"はめ込み(immersion)"と言います。

写像fが"はめ込み"であって,かつ像f(M)がMに微分同相であるとき,fを"埋め込み(embedding)"であると言い,f(M)をNの部分多様体と呼びます。(再掲終わり)

さて,(N,gN)を計量gNが与えられたn次元の微分多様体M⊂Nをm次元の部分多様体とします。

 

すなわち,f:M→NがMの部分多様体としての構造を誘導する"埋め込み"であるとします。このとき,引き戻しf*はMにおける自然な計量g≡f*を誘導します。この計量を誘導計量と言います。

定義をそのまま書き連ねてゆくと,まず写像f:M→Nに対する引き戻しf*は誘導写像f*:Tf(p)*(N)→Tp*(M)で,<f*ω,^>=<ω,f*(^)>を満たすものとして定義されます。

 

そこで,∀,V∈f(p)(N)に対し→g(,)で定義される写像(1-形式)ωU≡g(,):Tf(p)(N)→の引き戻しは,<f*ωU,^>=<ωU,f*(^)>,つまり<f*(,),^>=<N(,),f*(^)>を満たす写像です。

一方,f:M→Nと^p(M)に対して誘導写像f*はf*(^)[h]≡^[h・f]で定義されます。

 

ここで,hはN上の任意関数です。

 

つまり∀,V∈p(M)に対してf*(^),f*(^)f(p)(N)ですから,写像≡f*は<f*(f*(^),),f*(^)>=<(f*(^),f*(^)>=(f*(^),f*(^))を意味します。

 

結局,≡f*なる定義は,(^,^)=(f*(^),f*(^))なる等式を意味するというわけで,計量として自然な定義になっています。

ここで,最初の方で述べた(0,2)型テンソルgを基底{dxμ⊗dxν}で展開したときの係数gμν=gμν(p)が計量gpの成分である,という計量の成分の定義式:gp=gμν(p)dxμ⊗dxνを考えます。

点p∈Mの座標を,点f(p)∈Nの座標を=f()とし上の定義式gp=gμν(p)dxμ⊗dxνの代わりに,()=gMμν()dxμ⊗dxν,(f())()=Nμν()dyμ⊗dyνと書いてみます。

一方,f*の定義式f*(^)[h]≡^[h・f]に^=∂/∂xμを代入すると,f*(∂/∂xμ)[h]=[∂{h(y))/∂xμ]=(∂fλ/∂xμ)(∂h/∂yλ)ですから,結局f*(∂/∂xμ)=(∂fλ/∂xμ)(∂/∂yλ)です。

そこで,上で得た等式(^,^)=(f*(^),f*(^))に^=∂/∂xμ,^=∂/∂xνを代入すると,(∂/∂xμ,∂/∂xν)=(f*(∂/∂xμ),f*(∂/∂xν))=(∂fλ/∂xμ)(∂fσ/∂xν)g(∂/∂yλ,∂/∂yσ)を得ます。

 

したがって,の成分はgの成分からgMμν()=Nλσ(())(∂fλ/∂xμ)(∂fσ/∂xν)によって誘導されます。

今日はこれで終わります。

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2008年12月 5日 (金)

相対論の幾何学(第Ⅱ部-7)(リー群とリー代数)

相対論の幾何学シリーズ記事の多様体に作用するリー群とリー代数等について残りの必要な知見を要約します。

まず,既に述べたことの復習です。

(復習):^≡Xμ(∂/∂xμ)を微分多様体M上の滑らかなベクトル場とするとき,^の積分曲線(t)とはM上の曲線であって,その上の各点(t)∈Mでの接ベクトルが丁度^|xに一致するものです。

 

つまり,(t)が^の積分曲線であるとは曲線上の各点の近傍Uでチャート(U,φ)が与えられたとき,座標(位置ベクトル)(t)={xμ(t)}が,微分方程式dxμ/dt=Xμ((t))の解になることを意味します。

 

ただし,正確には点の座標xμ=xμ(t)とは,チャート(U,φ)による座標φ((t))の成分φμの意味です。

ベクトル場^≡Xμ(∂/∂xμ)が滑らかなベクトル場であることから,初期条件として点(0)=0を与えれば,この点を通る一意的なd/dt=の解が少なくとも局所的には存在することが,常微分方程式の解の存在と一意性の定理によって保証されます。

そこで初期条件(0)=0を満たすd/dt=の一意解をσ(t,0)とします。

  

すなわち,dσμ(t,0)/dt=Xμ(σ(t,0)),かつσμ(0,0)=x0μとします。

 

このσ(t,)∈M for (t,)∈×Mで表わされる写像σ:×M → Mを"Mの上の滑らかなベクトル場^によって生成される流れ"と呼びます。

[定義5]:リー群をGとし,a,g∈Gとする。Gの上での変換としてgのaによる右移動Ra,および左移動Laを,それぞれRag≡ga,およびLag≡agで定義する。

定義により,右左移動:Ra,Laは共に明らかにGからGへの微分同相写像です。

 

したがって,これらに対して接ベクトルの空間の上の誘導写:Ra*:Tg(G)→Tga(G),およびLa*:Tg(G)→Tag(G)が存在します。

 

そして,これら両方の移動は等価なので,以下では左移動のみを考えることにします。

 

以下,移動に関連する概念の定義をいくつか列記します。

[定義6]:^=Xμ(∂/∂xμ)をリー群G上のベクトル場とする。これが左移動に対してLa*^|g^|agを満たすとき,この^を左不変ベクトル場であるという。

[定義7]:Gの上の左不変ベクトル場全体の集合であって,リー括弧積[ , ]:×が定義されたものをリー代数(Lie algebra),またはリー環という。

  

 (復習終わり)

  

 さて,^≡Xμ(∂/∂xμ)を"リ-群G=微分多様体G"上の滑らかな左不変ベクトル場とすると,これはGにおける流れを生成します。これに関連して1つ定義を書きます。

[定義8]:Gにおける曲線φ:→Gがφ(t)φ(s)=φ(t+s)を満たすとき,φをGの1-パラメータ部分群)という。

これから,明らかにφ(0),かつφ-1(t)=φ(-t)であり,曲線φからGへの準同型写像です。Gが非アーベル群の場合でも,曲線φの群は常にアーベル部分群であることもわかります。

Gの1-パラメータ部分群φ:→Gが与えられたとき,dφμ(t)/dt=Xμを満たすベクトル場≡Xμ(∂/∂xμ)が存在します。これがGの上で左不変であることを示します。

すなわち,d/dt≡(dφμ/dt)(∂/∂xμ)が左不変であることを証明します。

 

(証明):定義によれば,ベクトル場d/dtが左不変である,というのは(La)*(d/dt)|g=(d/dt)||agが成立することを意味しますが,点gと点agが共に同じ流れ関数の曲線φ(t)上の点でなければ,d/dtなる演算に意味がないのでg=φ(s),a=φ(t)とすると,φは1-パラメータ部分群なのでag=φ(t)φ(s)=φ(t+s)です。

今,aもgもパラメータt,sだけで決まるので,(La)*(d/dt)|gを(Lt)*(d/dt)|sと書きます。

 

そして,f:M→Nに対する誘導写像f*:Tp(M)→Tf(p)(N)の定義式f*^[h]≡^[h・f]で,f,f*の代わりにLt:G→G,(Lt)*:Tφ(s)(G)→Tφ(t+s)(G)を代入し,hをN上の関数ではなくG上の任意関数とします。

 

すると,誘導写像の定義は,(Lt)*(dh(φ(t))/dt)|s=(d/dt)[h(Ltφ(s))]=(d/dt)(h(φ(t+s)))を意味します。

それ故,1-パラメータ部分群φの場合,誘導写像の定義がそのまま左不変の定義(Lt)*(d/dt)|s=(d/dt)|t+sに一致しますから,確かにd/dt=(dφμ/dt)(∂/∂xμ)は左不変です。

 

特に,g=φ(s)でs=0 つまりg=φ(0)=eとすれば左不変性は(Lt)*(d/dt)|0=(d/dt)|tと書けます。(証明終わり)

 

くどいようですが,^≡Xμ(∂/∂xμ)の係数がXμ≡dφμ(t)/dtで与えられる場合には,g=φ(t)のとき^|g=Xμ(∂/∂xμ)|g=(d/dt)|t=(dφμ/dt)(∂/∂xμ)|φ(t)と書けます。

 

そして,この式でt=0 としてgの代わりにe=φ(0)と書くと,^|e=(d/dt)|0=(dφμ/dt)(∂/∂xμ)|φ(0)となります。

 

そこで,上に示したd/dtの左不変性(Lt)*(d/dt)|0=(d/dt)|tは,ベクトル場^を用いた表記ではg*^|e^|gとなります。

 

以上から,流れφ(t)が与えられると,それに伴なう左不変ベクトル場^|gが常に存在することが示されました

逆に,左不変ベクトル場^があると,dσμ(t,g)/dt=Xμ|g,かつσ(0,g)=gを満たす流れσ(t,g):→Gが存在します。

 

そこでφ(t)≡σ(t,e)と定義すると,曲線φ(t)はGの1-パラメータ部分群になることがわかります。

すなわち,定義によりdσμ(t,σ(s,e))/dt=Xμ(σ(t,σ(s,e))),つまりdσμ(t,φ(s))/dt=Xμ(σ(t,φ(s)))です。また特にσ(0,φ(s))=φ(s)です。

 

一方,σ~(t,φ(s))をσ~(t,φ(s))≡φ(t)φ(s)で定義すれば,φ(t)≡σ~(t,e)ですからdσ~μ(t,φ(s))/dt=Xμ(σ~(t,φ(s))),かつσ~(0,φ(s))=φ(s)です。

以上から,常微分方程式の解の一意性定理によって,σσ~は一致します。つまりσ(t,σ(s,e))=σ~(t,φ(s))=φ(t)φ(s)となりますが,σ(t,g)は流れですからσ(t,σ(s,e))=σ(t+s,e)=φ(t+s)を満足します。

 

そこで,結局φ(t+s)=φ(t)φ(s)が得られます。

こうして,Gの1-パラメータ部分群と左不変ベクトル場の間には1対1の対応があることがわかりました。

[定義9]:Gを1つのリー群とし^∈Te(G)とする。このとき指数写像:exp:Te(G)→Gを,exp(^)≡φV(1)で定義する。ここでφV(t)は左不変ベクトル場V|g≡Lg*^に対応するGの1-パラメータ部分群である。

 

(V|e^∈Te(G)であり,VV|g≡Lg*^で定義されて,これを^によって生成される左不変ベクトル場といいます。)

ここで,任意のベクトル場^∈Te(G)に対して一意的に決まる左不変ベクトル場V^の概念について,前記事で述べた内容を再掲します。

(再掲):任意のベクトル場^∈Te(G)とg∈Gに対して,ベクトル場V^をV^|g≡Lg*^で定義します。

 

 V^|g,g∈GはG全体で決まります。

 

 そして,これはV^|ag=Lag*^=(La*g*)^=La*V^|gを満たしますから,V^それ自身左不変です。

 

 逆にGの上の任意の左不変ベクトル場^があるとき,Te(G)の元として^≡^|eを与えるとV^|g=La*^|gとなりますから,V^≡^が成立します。

Gの上の左不変ベクトル場全体の集合をと書けば,写像^→V^はT(G)からへの同型写像であることがわかります。

 

左不変ベクトル場全体はT(G)に同型なベクトル空間です。そして,特にdim=dimGです。

 

V^を^によって生成される左不変ベクトル場といいます。

ベクトル^=Vμ(∂/∂xμ)|e∈Te(G)は,リー群Gが行列群GL(n,)の場合には,^=Vij(∂/∂xij)|eとなり,^で生成される左不変ベクトル場V^はV^|g=La*^|g=Σijklmij[∂({xkl(g)xlm(e)}/∂xij(e)}{∂/∂xkm(g)}=Σijkki(g)Vij(e)(∂/∂xkj)|gと表わされます。

 

(Vijは行列^の(i,j)要素ですが,これをn2次元ベクトル^の成分Vμ(μ=1,2,..n2)と同一視しました。)

 

ここで,上の最後に陽に書いたベクトル場V^|g=La*^|gの係数をgの座標を示す行列と^の行列との積の行列要素として,Σkki(g)Vij(e)=(gV)kjと書くことにすれば,上記表現はV^|g=Σij(gV)ij(∂/∂xij)|gとなります。(再掲終わり)

 

さて,重要な定理を1つ与えて証明します。

[定理]:Gを1つのリー群とし^∈Te(G)とする。このときexp(t^)=φV(t)が成り立つ。

(証明)a∈をゼロでない定数と