114 . 場理論・QED

2017年5月21日 (日)

摂動論のアノマリー(3)

摂動論のアノマリーの続きです。
 

さて,前回記事では,次のように書いて終わりました。
 

再計測(rescaling),本当に自己エネルギー部分と頂点部分

を有限にするということの証明は,数学的帰納法に基づいて

成されます。
 

eの(n-2)次のあらゆるグラフを.この手法で有限にする

と仮定し,それから,オーダー:nの再計測グラフの収束性を

示すわけです。

 
次回は,上記証明の簡単なスケッチから入る予定です。

と書きました。

 ここからは今回です。

簡単に頂点部分と電子の自己エネルギー部分のケースにおける証明 

をスケッチします。
 

というのは,ここに含まれる論理は,単純で,かつ,後でアノマリー

論じる際に,我々にとって有意義な概念を有しているからです。
 

光子の自己エネルギー部分:Πや伝播関数DF'についての証明は,

重複発散の問題によって,複雑になるため,省略します。

 まず,頂点部分の繰り込み可能性を証明をするため,
それが満足

すべき積分方程式の存在を示すことから始めます。
 

この方程式を表現するため,まず,電子-陽電子核(Kernel:積分核) 

(p',,)αβ,γδを定義します。
 

これは,次図の形のあらゆるdiagramを表現しています。
 

ただし,図から外線の足となる伝播関数は除去され,また,

非連結diagrams,次図の2つのケースのdiagramsは排除

されます。
 

Kの最低次の寄与は,次の形式です。 

(0)(p',,)αβ,γδ (i02/2)(γμ)αβ(γμ)γδ ..(20)
 

これは次図のdiagramに由来します。
:

この核:Kによって,次図のdiagram表現に従って, 

頂点部分の1つの積分方程式を書くことができます。


 

すなわち, 

Γμ(,’)δγ(γμ) δγ+∫d4(2π)-4 

{r[iF'(p+q)Γμ(p+q,'+q)iF'(p'+q)]}βα 

×K(p',,)αβ,γδ   ...21

です。
 

これを,引数,積分変数や添字を,はずした行列積という

省略形で書けば,

Γ=γ -∫ΓSF'F'.. 22) です。
 

今の繰り込み可能性の証明には,この表現の方が,簡単,かつ

便利なので,以下,特に明記の必要がない限り,これを使います。
 

再スケールした核:~,~=Z22...(23)で定義すると,

(22)は,Γ~μ=Z1γμ-∫Γ~μF'~F'~~...(24)

となります。
 

理論が,eの(n―2)次まで有限である。と仮定したとき,

(15)で定義した.繰り込み定数による再スケールが,n次の

Γ~をも有限にすることを示したい。と考えます。
 

(20)のKの最低次が,

(0)(p',,)αβ,γδ (i02/2)(γμ)αβ(γμ)γδ

であることから.~の最低次は,

(0) → K~ (0),02→e2のように繰り込まれた形に

書けるため,~はe2のオーダーで始まるので,(24):

Γ~μ=Z1γμ-∫Γ~μF'~F'~~.の右辺も. 

Γ~,F'~,F'~,~(n-2)次の寄与を代入すること 

により,左辺にΓ~のn次までの.寄与を得ます。

すなわち, 

Γ~(n)μ=Z1(n)γμ-∫Γ~(n-2)μF'~(n-2)F'~(n-2)~(n-2)...(25) 

です。
 

(3-1):(24)は摂動級数に展開すると 

Γ~(0)μ+Γ~(2)μ+Γ~(4)μ.. +Γ~(n-2)μ+Γ~(n)μ.. 

(1(0)+Z1(2)+Z1(4).. +Z1(n-2)+Z1(n)..)γμ 

-∫[(Γ~(0)μ+Γ~(2)μ+Γ~(4)μ.. +Γ~(n-2)μ+Γ~(n)μ..)

F'~SF'~ 

×(~(0)+K~(2)+K~(4).. +K~(n-2)+K(~n)..)]

であり,..
 

F'~=SF'~(0)+SF'~(2)+SF'~(4).. +SF'~(n-2)+SF'~(n)

..

ですから,両辺をeの同じオーダーで正しく等置すると, 

Γ~(n)μ=Z1(n)γμ-∫Γ~(n-2)F'~(0)F'~(0)~(0) 

-∫Γ~(n-4)F'~(2)F'~(0)~(0) 

-∫Γ~(n-4)F'~(0)F'(2)~(0) 

-∫Γ~(n-4)F'~(0)F'~(0)~(2) 

-∫Γ~(0)F'~(n-2)F'~(0)~(0) ;;

ですから,

 
実は
(25)式にはなりませんが,  

1(n)を除けば,今の正しく評価した式の右辺はeの(n-2)

までの有限と仮定したの有限和で表現されます。
 

ただし,Γ~とZ1のみ, 

Γ~=Γ~(0)μ+Γ~(2)μ+Γ~(4)μ.. +Γ~(n-2)μ+Γ~(n)μ.. 

1=Z1(0)+Z1(2)+Z1(4).. +Z1(n-2)+Z1(n).. 

という定義であり,
 

F'~(n-2),~(n^2),(n-2)次の単独項ではなく,

(n-2)までの項の総和という,別の定義であれば, 

(25)式は成立する。ので,

ここではそう解釈します。

 
(3-1終わり※)

 

すると,(15)(16)の再スケールの定義から, 

 Γ~(n)μ(,)|=m0 ..(26)です。
 

それ故, 

1(n)γμ=∫Γ~(n-2)μF'~(n-2)F'~(n-2)~(n-2)|’=..(27) 

です。

 こうして,有限な既知量の和の積分として,1(n)
 

決まります。
 

この(27)式の右辺は,何の仮定もなく, 

「右辺の積分値が電子の質量殻上でγμの定数倍である。」 

という命題を含むというのは,注目に値することです。
 

(27)式の右辺は,無次元量mのLorentzテソル関数であり,

それ故, , 'が共にmで置き換えられる問題における唯一

Lorentzテソルであるγμに比例すると考えられます。
 

(27)(25):

Γ~(n)μ=Z1(n)γμ-∫Γ~(n-2)μF'~(n-2)F'~(n-2)~(n-2)

に代入すると, 

Γ~(n)μ=∫Γ~(n-2)μF'~(n-2)F'~(n-2)~(n-2)|’=.. 

-∫Γ~(n-2)μF’~(n-2)F’~(n-2)~(n-2)., .(28) です。
 

ここまでくると,帰納法の仮定を用いて, 

(24);Γ~μ=Z1γμ-∫Γ~μ'~SF'~K~...に含まれる

全ての部分グラフに関わる積分が有限であること,を示す

のは容易なことです。
 

そこで,唯一の発散は,全ての内線を通る4元運動量が大きくなる 

とき.全ての積分に関連する対数発散です。
 

しかし,この全体としての発散は(28)のように単純な差を取れば, 

有限となるため, 結局,Γ~μ(n)は収束することがわかります。

したがって,頂点部分Γ~μは多重的に繰り込み可能であること, 

が確証されました。
 

我々の論旨において,着目すべき重要事は,全て(22)の積分方程式 

から話を進めたことです。
 

そして,これは,とにかく,頂点部分が,ベクトルカレントを意味する 

γμの形である,という特殊性には依存していないことです。

 

それ故,QEDにおける擬ベクトル(Axial-Vector)および,擬スカラー 

(Pseud-Scalar)による頂点でも22):Γμ=γμ -∫ΓμF'F'. 

と同様な積分方程式が満たされると考えられます。
 

すなわち,Γμ5=γμγ5-∫Γμ5F'F', 

Γ5=γ 5-∫Γ5F'F'.. 29) です。
 

そして,前と同様に,帰納的論議によって,こうした頂点でも

上の式に現われるものについて,次のように繰り込まれた関数

(チルダ関数)を定義して与えることにより,掛け算的繰り込み

が可能であることが,示せます。
 

すなわち,Γμ5(,')=Z-1Γ~μ5(,'), 

Γ5(,')=Z-1Γ~ 5(,') ..(30)  

,チルダ関数を定義します。
 

さて,次には,電子の伝播関数;F'(p)に向かいます。
 

このとき,重複発散の問題が存在しますが,

こうした問題は,伝播関数と頂点部分の間に,Ward-Takahashi

の恒等式として知られている重要な関係を用いて,うまく回避

することができます。
 

Ward-Takahashiの恒等式に,ついては,既に証明抜きで使用

しましたが,これは,

(p-p')μΓμ(,’)=SF'-1(p)-SF'-1(p')

で与えられる関係式です。
 

これを証明するために(6): 

F'(p)Γμ(,')F'(p') 

=-∫d4xd4exp(ipx)exp(i')

0|[ψ()μ(0)ψ~()]|0

から始めます。

の両辺に,(p-p')μを掛けると,, 

 まず,(p-p')μF'(p)Γμ(,')F'(p') 

=-,(p-p')μ∫d4xd4exp(ipx)exp(i') 

0|{ψ()μ(0)ψ~()}|0 

=-(p-p')μ∫d4xd4exp{i('-p))exp(i') 

0|{ψ(0)μ()ψ~()}|0> 

です。
 

(3-2): x→―x,y→y-(y-x)と積分変数を置換 

するとき,∫d4xd4yは変わらず,
 

 exp(ipx)exp(i')0|{ψ()μ(0)ψ~()}|0 

exp(ipx)exp{i'(y―x)} 

0|{ψ(-x)μ(0)ψ~(y―x)}|0> ですが,

 
T積については,
平行移動のユニタリ変換:

ψ(-x)=U(-)ψ(0)-1(-x), 

および,ψ~(y-x)=U(-x)ψ~()-1(-) により, 

0|{ψ(-x)μ(0)ψ~(y-x)}|0 

=<0|{ψ(0)μ()ψ~()}|0>です。

 そして,
 exp(ipx)exp{i'(y―x)} 

exp{i('-p))exp(i')です。

 (3-2終わり※)
 

さらに,

最右辺=∫d4xd4exp{i('-p)}exp(i') 

i(/∂xμ)0|{ψ(0)μ()ψ~()}|0 

i∫d4xd4exp{i('-p)}exp(i')0| 

×([ψ(0)μμ()ψ~()]

+δ(0){[0()ψ(0)]ψ~()}

+δ(0―y0){ψ(0)[0(),ψ~()]})|0

となります。
 

(3-3):何故なら,(/∂xμ)を∂μと書くと, 

微分可能な任意のxの関数:()に対し, 

μ[exp{i('-p)}()] 

i('-p)μexp{i('-p)}() 

exp{i('-p)}{μ()}] です。

 

一方,4次元Gaussのの積分定理によって,

4(μ)=∫FdS(Sは4次元体積Vの3次元

表面境界)です。ただし,()exp{i('-p)}()

とします。
 

Vが全時空を示すなら,その境界である3次元閉曲面S

は無限遠に存在して,そこでは全ての場の量は急減衰して

ゼロになるため,4(μ)0ですから,
 

最初に書いた連鎖微分の式により,部分積分から事実上, 

('-p)μexp{i(-p)}() 

iexp{i('-p)}×{μ()} が成立します。

 

また,T積の定義から,{ψ(0)μ()ψ~()}

=T{ψ(0)ψ~()μ()} 

=θ(-y0)θ(0-x0)ψ(0)ψ~()μ() 

-θ(0-x0)θ(0)ψ~()μ()ψ(0) 

+θ(-x0)θ(0-y0)ψ(0)μ()ψ~() 

+θ(0)θ(-y0)μ()ψ(0)ψ~() 

-θ(0-y0)θ(0)ψ(0)μ()ψ~() 

-θ(0)θ(-x0)ψ~()ψ(0)μ()

です。
 

故に,(/∂xμ){ψ(0) ψ~()μ() } 

=T{ψ(0) ψ~()μμ()} 

-θ(-y0)δ(0-y0)ψ(0)ψ~()0() 

+δ(0-y0)θ(0)ψ~()0()ψ(0) 

+θ(0-y0)δ(0)ψ~()0()ψ(0) 

-δ(0)θ(0-y0)ψ(0)0()ψ~() 

+θ(-x0)δ(0-y0)ψ(0)0()ψ~() 

-δ(0) θ(-y0)0()ψ(0)ψ~() 

+θ(-x0)δ(0-y0)ψ(0)μ()ψ~() 

-δ(0-y0)θ(0)μ()ψ~()ψ(0) 

+θ(0)δ(0)ψ~()ψ(0)μ()
 

つまり, 

(/∂xμ){ψ(0) ψ~()μ() } 

=T{ψ(0) ψ~()μμ()} 

+δ(0){θ(-y0)[0(),ψ(0)]ψ~()

-θ(0)ψ~() [0(),ψ(0)]} 

+δ(0-y0){θ(-y0)ψ(0)[0(),ψ~()] 

-θ(0)[0(),ψ~()]ψ(0)}
 

=T{ψ(0)μμ()ψ~() }

+δ(0){[0(),ψ(0)]ψ~()} 

+δ(0-y0) {ψ(0)[0(),ψ~()]}

を得ます。
 

(3-3終わり※)
 

最右辺の第1項は,カレントの保存:(3):μμ0,

用いるとゼロであり,残る2つの項を正準反交換関係

を用いて評価すると

(p-p')μF'(p)Γμ(,')F'(p') 

=SF'(p')-SF'(p)..(32) 

です。

 

この,両辺に,左からSF'-1(p),右からSF'-1(p')を掛けると 

(p-p')μΓμ(,'’)=SF'-1(p)-SF'-1(p') ..(33) 

を得ます。これがWard-Takahashiの恒等式です。
 

(3-4):[AB,]=ABC-CAB=A{,}{.}Bより 

まず,δ(0)が掛かっているためx00の同時刻で. 

[0()ψα(0)][ψβ()ψβ(),ψα(0)] 

=ψβ(){ψβ(),ψα(0)}{ψβ() ψα(0)}ψβ() 

=-δ3()ψα(0) です。

 

また,δ(00-y0)が掛かっているため,0=y0の同時刻で, 

[0(),ψ~α()] [ψβ()ψβ(),ψ~α()] 

=ψβ(){ψβ(),ψγ()}γ0γα

{ψβ() ψγ()}γ0γαψβ() 

=δ3(-y)ψ~α()  です。
 

したがって,(p-p')μF'(p)Γμ(,')F'(p') 

i∫d4xd4exp{i('-p)}exp(i')0| 

×([ψ(0)μμ()ψ~()]+δ(0){[0()ψ(0)]ψ~()} 

+δ(0―y0){ψ(0)[0(),ψ~()]})|0> 
 

i∫d4xd4[exp{i('-p)}exp(i') 

δ4()0|{ψ(0)ψ~()}|0 

+δ4(x-y)0|{ψ(0)ψ~()}|0] 

i∫d4exp(i')0|{ψ(0)ψ~()}|0 

i∫d4exp(ipy)0|{ψ(0)ψ~()}|0 

=SF'(p')-SF’() です。

(3-4終わり※)
 

Ward-Takahashiの恒等式(33: 

(p-p')μΓμ(,’)=SF'-1(p)-SF'-1(p') 

において,'=mとすると,F'-1(p')'-m=0 です。
 

それ故,

'-1(p)(p-p')μΓμ(,')|=m .(34) 

ですが,これによって,電子伝播関数SF'(p),頂点部分

Γμ(,')が決まれば,完全に決まることがわかります。
 

そして,頂点部分については,

Γ~μ(,')=Z1Γμ(,')から,Γ~μとZ1(n-2)

まで有限という帰納法の仮定から,それらはオーダーnまでも

有限になることを示して,繰り込み可能性を既に証明しました。
 

そこで,1-1F'(p)=Z2-1F'(p)=SF'~(p)も同じく, 

(n-2)次まで有限という仮定から,オーダーnまで有限で

あることが直ちに示されます。
 

ちなみに,(34)式は,さらに,=mの近傍で, 

2-1(p-m)~ SF'-1(p)|=m 

(p-p')μΓμ(,')|p=m ~Z1-1(p-m)..(35) 

なることを意味し,これからZ1=Z2が導かれますが, 

このことは,既に証明抜きで述べていたことで,それ以後は,

これを使用していました。
 

QEDの繰り込みを論じる際には,Ward-Takahashiの恒等式は 

有益で重要な役割を果たす,ことがわかります。

 

カレントの保存条件:(3):μμ0,および,(16)

繰り込み条件において, Ward-Takahashiの恒等式を導出

するに当たって,序文で言及した危険なタイプの操作を

一応無事に行ないました。
 

しかし,こうした操作は,正当化され, Ward-Takahashi

恒等式と頂点のカレント保存の他の帰結は,摂動論の

あらゆる次数で正しいことがわかります。
 

これは,言い換えると,頂点に関わるカレントが保存する

通常のQEDでは,幸い,Ward-Takahashiの恒等式のアノマリー

を生じないということです。
 

これで一応,やっと20年がかりで関わった第1章が終わり,

本題の「2.The VVA Triangle Anomaly」に入るわけです。
 

私のノートは,19951/5()に第1章を完了した後,2

20昔のノート「に戻る前に,19955月末までかかって

中西㐮 著(培風館)「場の量子論」から,

今は中西-Lautrap理論と呼ばれている「電磁場の共変的量子化」

に進み,最後には,Ward-Takahashiの恒等式,任意のゲ-ジで

成立することを示すところまで記述していました。

 

「電磁場の共変的量子化」については,本ブログの

過去記事で記述していたと記憶しているので,私自身

ちょっと調べてみます。


 (※PS:ありました。8年前で忘れてました。

 まずは,2009年6/5の過去記事:

電磁がの共変的量子(1)(中西ーLautrap理論」から回顧です。)
 

今日は,ここで終わります。

(参照文献):Lectures on Elementary Particles 

 and Quantum Field Theory 

(1970 Brandeis University SummerInstitute  

in Theoretical Physics) Volume

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2017年5月16日 (火)

摂動論のアノマリー(2)

摂動論のアノマリーの続きです。
 

前に述べたように,ここからは,20年後の1995(45) 

追加ノートからです。 

(※しかし,開始頁の日付が199511()なので.実は 

まだ44歳でした。)
 

さて,前回記事では,次のように書いて終わりました。
 

「伝播関数と頂点部分を定義して図式化した理由は,あらゆるQED 

の紫外発散がこうした量の中に,存在しているからです。」
 

ここからが今回の,続き原稿です。
 

このことを見るため,1つのグラフの表面的な発散の次数が, 

D=4k-2b―f...(10) で与えられることに着目します。
 

ここに, 

b=光子の内線の個数, 

f=電子の内線の個数, 

k=内線運動量積分の個数  

です。
 

(2-1):光子内線1個ごとに,-2(2)次因子:

電子内線1個ごとに,(-m0)-1(1)次因子です。

また,ループ1個ごとに∫d4,,これは4次因子すが,

元運動量の保存から,qもpもループ積分変数lの

1次項を含むので,被積分関数としては,qの1次が

(2),pの1次が(1)次で,積分すると,+4次が

相殺されます。
 

よって,積分変数lの数がkなら,積分変数全体での

次数は,D=4k-2b―f です。(2-1終わり※)
 

さらに, 

n=頂点の個数, 

B=Boson外線の個数, 

F=Fermion外線の個数 ..(10.) 

とします。
 

すると,位相幾何学的関係から, 

F+2f=2,B+2b=n..(10.)

です。
 

(2-2):QEDではfermionの内線,外線の終点は,必ず,光子頂点 

であり,FermionやBosonの外線には終点しかありませんが,内線 

には,グラフの中に終点と同じ数の始点があります。
 

そこで,まず頂点の光子線(Boson)を無視すると,n個の頂点には, 

2n本の線がつながっいていて,その延べ2n個の他方の端点は, 

(F+f)個の終点,および,f個の始点のどれかに一致します。 

故に,F+2f=2nです。
 

一方, Fermion(電子線)を無視すると,n個の頂点には,

n本の光子線(Boson)がつながっいていて,もう1方の端点

(B+b)の終点,および,b個の 始点のどれかに一致

します。それ故,B+2b=nです。 

 (2-2終わり※)

 

これらの関係を用いれば, 

Dを上述の外線の個数で書き換えることができます。
 

D=43/2-B..11)です。
 

(2-3):QEDでは,ループの個数は,k=f+b-n+1

です。つまり,光子線とか電子線の区別なく,外線のついて

いない閉じた図形では,ループの個数は線の個数から頂点

の個数を引いて1加えたものに等しいです。

 この
関係,物理学はなく,図形の位相幾何学的な関係

であり,幾何学としては自明のことです。
 

そして,D=4k-2b―fに,k=f+b-n+1を代入

してkを消去すると,D=4k-2b―f=3f+2b-4n+4

です。
 

これに,f=n-F/2,2b=n-B を代入すると, 

D=43/2-Bが得られます。 (2-3終わり※)
 

そして,個々のFeynmanグラフの収束条件は,グラフ自身.および, 

そのグラフ内に含まれる,あらゆる部分グラフに対して,それぞれ 

の発散次数:Dを求めたとき,全てについてD<0となることです。
 

(11)から発散の危険性のあるD≧0のグラフは,
 

()電子のproperな自己エネルギー部分:Σ()(D=1), 

(),properな頂点:Γμ(,’)(D=0), 

()光子のproperな自己エネルギー部分:Π()(D=2), 

() 3つの光子のpoperな頂点(D=1):
 

そして,()properな光子光子散乱振幅(D=0)です。

 

このうち,()3つの光子頂点グラフは消えます。 

これは,光子の奇数頂点は荷電共役変換の下で奇(odd)である

からです。(Furryの定理

(2-4): 荷電共役(Charge cojugation)^に対する光子Aμ 

の変換性は,^μ()^-1=―Aμ()ですから,
 

0|r[μ()ν()λ()]|0 

=<0|r[^μ()ν()λ()^-1]|0 

=-<0|r[μ()ν()λ()]|0>=0 です。
 

(2-4終わり※)
 

また,光子のproperな自己エネルギ-については,D=2ですが 

(8.) Πμν()=-(2μν-qμν)Π(2)における

ように,(2μν-qμν)因子が形成され.これに運動量の

2つのベキが使用されます。
 

それ故,,光子の自己エネルギーの発散次数:Dは,

実質的には,Π(2)の次数として,有効発散次数;eff0

となります。

  
同様に,光子-光子散乱の内線運動量が4つの外線光子の

各々に対して,電磁場の強さ:μν()(μν-qνμ)

を形成するために用いられ,,このグラフの有効発散奇数は

eff=-4となり,実際には高次に収束します。

  
これで,QEDのグラフで発散があれば,それは常に自己エネルギー

と頂点部分に関わることを証明したことになります。

  
そこで,次には,任意のグラフの発散を研究し,それを除去する

手法を述べる段階にきました。

 
1つの任意グラフが与えられたとします。
 

その,あらゆる自己エネルギーや頂点部分を1点に縮めること

によって得られる新しいグラフを,そのSkeltonグラフと定義

します。

  これをなすに当たって,0=m-δmとします。

ここに,mは物理的質量(衣を着た質量)であり,δmは電子の

自己エネルギーの一部として扱います。

 よって,Skeltonに現われる電子の伝播関数は全て
(-m)-1

の形とします。

 こうして,縮めた点を全て単なる1として無視すると,

明らかに,Skeltonグラフに対応する計算値は常に有限です。
 

したがって,もしも自己エネルギー部分と頂点部分を有限に

する方法を案出できたなら,縮めた点を無視する代わりに,
 

Skeltpn上の有限な自己エネルギー部分と頂点部分への

適切な挿入を行うことにより,元のグラフに対応する計算値

という意味で有限項を得ることができる。」

 
と考えられます。
 

そうして,3つ以上の足を持つSkeltonに対する,挿入は.常に

重複しないやり方で為すことができて,その手法は単純です。
 

しかし,足が2つのSkelton(電子-光子自己エネルギーグラフ自身) 

においては,必然的に,次の図のような重複した頂点の挿入を含む

状況 が出現します。

 これは,繰り込み可能性の証明をする上では,困難を与えるものです。

 

自己エネルギー部分,および,頂点部分を有限にするための手法は 

以下の通りです。
 

まず,第1に,δm=m-,0を,次のように選びます。
 

すなわち,=mなら,δm-Σ()0..(12)

と選択して,F'(p),が物理的質量mに等しいとき,

そこに極を持つことを保証します。
 

そこで,→ mなら,F'(p) → Z2/(-m)..(13) 

です。 ここで,2.電子波動関数の繰り込み定数です。
 

同様に,質量殻の近傍での光子の伝播関数の挙動を調べること

によって,光子の波動関数の繰り込み定数Z3を定義します。

 すなわち,
 

2  0 なら,D'μν() → -Z3μν/2(縦波光子項)

....(14) です。
 

そして,質量殻の上にある電子線を持つ頂点の運動量遷移:

q=p'-pがゼロの極限を調べることで,頂点の繰り込み定数:

1を定義します。
 

すなわち,Γμ(,)==Z1-1γμ..(15) とします。
 

くりこみの処法は,自己エネルギーを持つ伝播関数や頂点関数. 

および,裸の電荷e0,繰り込まれた関数:F~() F~μν() 

Γμ~(,p'),および,繰り込まれた(物理的)電荷:eで再定義

できるように,再スケールすることから成ります。
 

すなわち,

F'(p)=Z2 F'~(p),  

F'μν()=Z3F'~μν(), 

Γμ(,p')=Z1 -1Γμ~(,p') 

0=Z1/231/2       ...(16)
 

これによって,チルダ()をつけた関数を定義し,

これらを,「繰り込まれた関数」と呼びます。
 

注目すべき事は,上式(16),物理的電荷:eと質量:mによって 

チルダ関数を表示するために用いられるとき,4元運動量p,p' 

の任意の値に対し,これらチルダ関数を有限値に導くことです。
 

したがって,全ての無限大は繰り込み定数Z1,2,3の中に 

「繰り込まれて」除去される。という形になります。
 

さらに,カレント保存の結果としてZ1=Z2  ..(17) 

を得ます。
 

※(注2-5):何故なら,カレントの保存は,Ward-Takahashi恒等式: 

(p-p')μΓμ(,p')=SF'-1(p)-SF'-1(p')を意味し,

これに,素朴で自明な恒等式: 

 (p-p')μγμ=SF-1()-SF-1(p')を並列して,電子の 

質量殻上:=mで,比較すれば,Z1=Z2を得ます。


(注2-5終わり※)

 

(16)の自己エネルギーや頂点部分の外線の足を除去したもの

,Skeltonグラフに代入したとき,

Feynmanルールの項目(ⅰ)によれば,外線における自己エネルギー

omitされ,Skelton繰り込まれた自己エネルギ-と頂点の挿入

を作ることで,それぞれ,自己エネルギ-, 頂点の繰り込み定数の

挿入数乗の,Skeltonの積因子倍の計算値を得ます。
 

その因子は,明らかに, 

(1/231/2)-n23=Z2f-n3-n/2..(18)  

です。

 ただし,n,f,bは,それぞれ,1つのグラフ(blob)に
ついて,

(10.b)で与えた,頂点の個数,Fermion(電子)内線の個数,

Boson(光子)内線の個数です。
 

ここで,前に与えた 位相幾何学的関係;(10.):

F+2f=2, および,B+2b=nを用いれば,上記因子は, 

2f-n3-n/2=Z2-F/23-B/2. ..(19) と書けます。
 

これは,正確に外線波動関数因子:√Z2.,および,√Z2のベキ乗

で与えられる積因子と相殺します。( Feynmanルールの項目()参照)
 

こうして,(16)の再スケールによって,我々のFeynmanルールは,

常に有限な,繰り込まれた散乱行列要素:に誘導されること

がわかります。

 
再計測(rescaling),本当に自己エネルギーと頂点部分を有限

にするということの証明は,数学的帰納法に基づいて成されます。 

eの(n-2)次のあらゆるグラフを.この手法で有限にする。と

仮定し,それから,オーダー:nの再計測グラフの収束性を示す

わけです。
 

切りもいいし,今日は,ここで終わります。 

次回は,まず,上記証明の簡単なスケッチから入る予定です。
 

(参照文献):「Lectures on Elementary Particles

and Quantum Field Theory」 

(1970 Brandeis University SummerInstitute

in Theoretical Physics) Volume

PS:TVによると,「相棒」の水谷豊さんが映画監督をして,

「40年来の夢がかなった。」と述べておられました。

 凡人の私など
の40年来の夢は,かなうことなく終わりそうです。

まあ,夢は,「夢の途中」にある方がシアワセだ。。などと,

思うこともありますネ。。。

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2017年5月12日 (金)

摂動論のアノマリー(Perturbation Theory Anomaly)(1)

科学記事の新しいテーマというか,実は,1975(25)頃の

懐かしい素粒子論研究室の学生時代のノートからです。
 

1976年の卒業(=修了)時に,拙い間に合わせの論文とは別に,

ヒョッとしたら自分の終生の専門課題になるカモと思って

いたモノ:

Lectures on Elementary Particles and Quantum Field Theory

(1970 Brandeis University SummerInstitute

 in Theoretical  Physics) 

素粒子論夏の学校の講義録:通称:Brandeis Lectures Vpl.1

StephanL.Adlerによる講義:

(標題)Perturbation Theory Anomaly(摂動論のアノマリー)

当時,何故か,個人的に興味を覚えて指導教官抜きで勉強

したものを記事としてアップします。
 

以前から,これは是非ブログにアップしたい。と思ってはいた

ものの,掲載すべき,複雑なFeynmanダイアグラムの図が多く,

私の原稿書きのスキルでは敷居が高い。と考えて敬遠して

いました。

 しかし,
まあ,ヒマなことだし何とかじっくりとトライして

 みます。温故知新です。。。

 
赤外発散論文の詳解記事と同じく,翻訳+解説というう

構図です。

 心臓,足,目と体は不自由で,いうこときかないのですが,

脳というか頭だけはますます元気で海馬も健康らしく

ウン十年前に勉強したコトなども,スラスラ思い出し,

経験のせいか当時より理解は深いようです。

申し訳けないのですが,何の役にも立たないクソジジイ

なのに,身体介護など他人の世話にもなり,精神的な

ストレス的にはフリーなので,できることだけ,好きなコト

をしています。
 

(標題)Perturbation Theory Anomaly(摂動論のアノマリー) 

1.Introduction and Revies of Perturbation Theory 

(序文と摂動論のレビュー)
 

この講義の目的は,「繰り込まれた摂動論」の最近の発展を研究

することです。

 「繰り込まれた摂動論(Renormalized Perturbation Teory)
 

という課題は,今では古いものですが,うまく発展してきて

います。
 

大部分のLagrangian場理論模型に対して,繰り込みの

手続き,全てのオーダーでの繰り込み可能性の証明は,

既に与えられています。
 

 ここで論じる予定の新しい方面は,カレント代数

(current algebra)において最近の仕事の焦点となってきた

ものであり,それは大いに,"Wardの恒等式"とカレントを含む

Bjorken極限を用いています。
 

その両方共,通常Lagrangian場理論において生じるタイプの

T積(時間順序積)に関する叙述です。 

こうした叙述のいくつかは,幾分ナイーブな高次発展量の

形式的扱い(書く換え)によって得られるため,こうした書き換え

が実際に正しいものかどうか? を問うのは,当然のことです。
 

 現在のところ.場の理論における計算に,何らかの一般的方法

が存在しないので,特殊なLagrangian場理論模型においてさえ,

この問いに答える一般的方法はありません。

 
しかし,「繰り込まれた摂動論」の枠組内で,この問いを検討

することは可能であるし,啓発的です。

  
この「繰り込まれた摂動論」には既に明確な計算法が存在し

具体的な答が得られることがわかっています。

こうした足跡は,ここ数年間に何人かの論文著者(研究者)

よって追跡されましたが,これについて,以下に詳細に記述

します。
 
 

そして,結論の示すところは,「摂動論では多くのケースで,通常

の単純な取扱いは破れている(破綻している),あるいは,修正を

必要とするか?または,アノマリー(Anomalies:量子異常項)

生じる。」 ということです。
 

こうしたアノマリーとその性質は,いくつかのカレント代数の

計算において重要な示唆を与えるだけでなく,それ自身興味深い

数理物理学の問題です。
 

§1.1.Review of Quantum Electrodynamics

 and Renomalization Theory

(量子電磁力学と繰り込み理論のレビュー)
 

我々は摂動論のアノマリーの研究を,

QED(Quantum Electrodynamics:量子電磁力学),なじみ深い

ケースで,通常の繰り込み理論の概観を与えることから始めます。
 

QEDは我々に興味深い多くのアノマリーを与えてくれます。 

そして「ベクトルグルオンの準力学

(Quasi- Mechanics of vector gluons)を持つクォーク模型や

σ-模型 のような,他の物理的に興味深いケースへの一般化は,

一般原理よりも,むしろ.詳細についての問題を含む,こと

発見しています。
 

さて,QEDLagrangian密度, 

()=ψ~()(iγ∇―m0)ψ()(1//4μν()μν() 

-e0μ()...(1) で与えられます。
 

ここで,ψ()は電子の場(spinor field:スピノル場)であり, 

μ()は光子の場(vector field):ベクトル場)です。
 

μν()=∂νμ-∂μν,電磁場の強

(電場E,および,磁場B)を示す2階テンソルです。
 

ただし,γ∇=γννであり,-e0,0はそれぞれ,電子の

裸の電荷,裸の質量です。(※ m00,00 です。 )
 

このLagrangianから,作用原理()変分原理)に基づく

Euler-Lagrange方程式として,次の場の運動方程式が

得られます。
 

(iγ∇―m0)ψ()=e0γμμ()ψ(). 

νμν()=e0μ()   ...(2)  

ただし,μ()=ψ~()γμψ() 

です。
 

μ()について,μμを計算し,この"同一時空点"における

2つの場の演算子積に対し,通常の微分の連鎖公式を適用しても

何ら微妙な困難などは生じない。と仮定すると, 

μμ=∂μψ~γμψ+ψ~γμμψ 

=ψ~(i0i0γμμ) ψ+ψ~(i0i0γμμ)ψ 

0 ..(3)  

を得ます。
 

これは通常のカレント保存の方程式(連続の方程式)です。
 

最後に,スピノル場の正準反交換関係(同時刻),次式です。 

{ψα(,),ψβ(,)}=δαβδ()..(4) 

α,βはスピノル[成分の添字です。
 

もしも,Feynmanゲージを用いるなら,光子場の正準交換関係は, 

[μ(,),∂Aν(,)/∂t]iμνδ()..(5) 

です。
 

(1)(5)QEDの基本方程式です。
 

こうした方程式を取り扱う通常の手法は.もちろん,運動量空間

を考えて0のべキで摂動級数に展開することです。
 

これから.よく知られた計算のFeynmanルールが導かれます。 

これを次に要約します。
 

()運動量pを持った電子の内線にi/(-m0iε),

各頂点(vertex)に因子(i0γμ)を対応させる。

(=γp=γμμ etc.です。) 

運動量qの各光子線の内線には(1μν)/(2iε)

を対応させる。
 

() Fermionループに対しては,因子(1)を付加し,

ループの運動量変数lにわたって内線積分として∫d4/(2π)4

が存在する。
 

()各光子の外線に因子:εμ√Z3を対応付ける。 

ここにεμは光子の偏光偏極4元ベクトルであり,3は光子

波動関数の繰り込み定数である。 

各電子外線にはグラフに入ってくるものに,√Z2(,)を,

それから出てゆくものに,√Z2~(,)を対応させる。
 

陽電子の外線にはuの代わりにvを用いるだけの違いである。
 

2は電子波動関数の繰り込み定数である。
 

被連結泡グラフの挿入や,外線の電子線や光子線への

自己エネルギーの挿入は除く。
 

こうしたルールを用いて,任意のプロセスに対し,摂動の任意

次数のFeynman振幅:をつくることができます。
 

よく知られているように,繰り込み(Renormalization)によって

除去すべき発散に遭遇します。

 この手続きを今から簡明にスケッチします。 

電子の伝播関数(propagator);F'(),光子伝播関数:

F'μν(), 頂点部分:Γμ(,')を次のように定義します。 

iF'(p)

=∫d4exp(ipx)0|[ψ()ψ~(0)]|0..(6) 

iF'μν()

=∫d4exp(iqx)0|[μ()ν(0)]|0;;(6) 

F'(p)Γμ(,')F'(p') 

=-∫d4xd4exp(ipx)exp(-i')

0|[ψ()μ(0)ψ~()]|0>...(6)

です。
 

これらは次のようなFeynman-diagramの表現を持ちます。
 

最後の頂点部分はproperなグラフである,としています。

 
まり,単一のラインを切断することでは,2つの互いに素な

部分グラフに分割することはできない,という意味です。

 次図は,それぞれ,電子と光子の自己エネルギー部分です。

(※ ,blob(陰影部)のみで両端の線は含みません。)

電子の伝播関数,光子の伝播関数は,diagram的には,

properな電子の自己エネルギー部分:-iΣ(p),proper

光子の自己エネルギー部分:ie02Πωγ(q)によって表現

されます。

電子伝播関数については,

 

あるいは,式で書けば,

iF' iFiF(iΣ)(iF)

iF (iΣ)(iF)(iΣ)(iF)..

です。
 

こうした総和によって,右辺を初項が iF()i/(-m0)

,公比が,{iΣ()}iF()=Σ()F()

=Σ()/(-m0)の「収束する」等比級数と見ることにより, 

無限等比級数の和として,

F'(p)1/{-m0-Σ()}..(7)

が得られます。
 

同様に光子伝播関数に対しては

式で書けば,

iF'μνiFμνiFμν(i02Πλσ)(iFσν)} 

iFμλ(i02Πλσ)(iFσω)(i02Πωγ)(iFγν).

です、
 

さらにDFμνを陽に書くと,  

iF'μν()

(iμν/2)(i02/2){iΠμν()}(i/2) 

(i02/2){iΠμλ()}(i/2){{iΠλν()}(i/2)

.. 

となります。
 

そこで,実際には寄与しない,スカラー光子や縦光子を無視すると, 

F'μν()(-gμν/2){(02/2)Πμλ()F'λν(),

または,

F'μν()(-gμν/2)(02/2)Πμλ()F'λν()

と書けます。
 

これから,{2μλ-e02Πμλ()}Fλν()=-gμν

です。
 

ここで,次の図のようなグラフ方程式が成立すると考えると, 

i02Πμν() 

(i02)(i)∫d4(2π)-4 

r[γμiF'()(k-p)νΓν(,k+q)iF'(k+q)] 

です。
 

これから,νΠμν() 

i∫d4(2π)-4 

r[γμiF'()[k-(k+q)]νΓν(,k+q)iF'(k+q)]
 

ここでW-T恒等式(Ward-Takahashi Identity): 

(k-p)νΓν(,)=SF'(k)-1-SF'(p)-1を用いると,
 

νΠμν() 

=-i∫d4(2π)-4 

r[γμνF'(k){F'(k)-1-SF'(k+q)-1}F'(k+q)] 

=-i∫d4(2π)-4r[γμF'(k+q)-SF'(k)]

です。
 

それ故,もしも-i∫d4(2π)-4r[γμF'()]が発散

せず有限値に留まるなら,積分変数kを,k → (k+q)とシフト

して変数置換しても,その値は同じはずですが,実際には紫外発散

します。

運動量空間の原点のシフトが結果を変えないように,繰り込み

処法の適切な切断による正則化がなされた,という仮定すると,

νΠμν()0 なる式に到達します。
 

添字μとνの交換対称性から,μΠμν()0も明らかです。
 

したがって,{2μλ-e02Πμλ()}Fλν()=-gμν

から,F'νμν() 

=-gμνF’()(縦光子部分=qμ,νに比例する項)

..(8)という形を仮定することができて,
 

Πμν()(-q2μν+qμν)Π(2) (8)
 

そして結局,DF'(q)1/[2{1+e0Π(2)}] (9)

が得られます。
 

伝播関数と頂点部分を定義した理由は,QEDのあらゆる

紫外発散量,こうした量の中に存在しているからです。
 

(1-1)Π(2),qのみに依存する2階のLorentz共変

テンソルですから,Πμν()gμνΠ2(2)+qμνΠ2(2)

という一般形を持つはずです。
 

そこで,μΠμν()0から,qについて,恒等的に, 

ν{Π(2)+q2Π(2)}0が成立することがわかります。
 

それ故, Π(2)=-q2Π2(2)ですから, Π2(2) 

単にΠ(2)と各ことにすれば,(8)式; 

Πμν()(-q2μν+qμν)Π(2) 

が得られます。
 

そこで,{2μλ-e02Πμλ()}F'λν()=-gμν 

,{2μλ(-q2μλ+qμλ)02Π(2)}F'λν()

=-gμν となります。
 

つまり,2{1+e0Π(2)} 'μν() 

=-gμν+qμλ0Π(2)F'λν()ですから, 

一般に q2{1+e0Π(2)}0として 

F'μν()=-gμν/[2{1+e0Π(2)}] 

+qμλ0Π(2)/[2{1+e0Π(2)}]F'λν()

です。
 

μλF'λν()=-qμλ/[2{1+e0Π(2)}] 

+qμλσ0Π(2)F'σν()/[2{1+e0Π(2)}]より, 

[1-e0Π(2)/{1+e0Π(2)}]×qμλF'λν() 

=-qμν/[2{1+e0Π(2)}] 

μλF'λν()=-qμν/[2{1+e0Π(2)}] 
 

以上から,  

F'μν()=―gμν/[2{1+e0Π(2)} 

-qμν02/[(2)2{1+e0Π(2)}] という一般形式

を得ました。  (1-1.終わり※)
 

 .私の1975年~1976年当時のノートは,ここで中途半端に終わり,

次に,いきなり第2章の,2.The VVA Traiangle Anomaly」へと

飛んでいます。

 
まあ,学生時代とは,そうしたもので,理解が不十分でも,1

は既に明らかになっているコトの確認に過ぎないし,それよりも

早く当時最先端の本題に入って,新しい発見への研究に取り掛か

らないと,いつまでも序文当たりに拘泥してマゴマゴしていては,

時代に乗り遅れる。というワケです。
 

しかし,私はわからないことを放置して取り敢えず先に進む

ということが平気な,"器用なこと"ができるタイプじゃなく,

 
結局,プロの研究者
にはなれず,普通の会社に就職して後,

世間も私自身もバブルが終わり,プータローになってから,

また,趣味で勉強を続けようとしたため,20年後の1995

頃から,この間を埋めるノートを作り,これに挟んでその頃

やっと読了したのでした。

 
私は,普通ではない変態的性格で,言わば執念のようなモノ

でしょうか?40年後の今も,また,蒸し返しています。
 

というわけで,ここで一旦終わり次回は,1995年(45歳)の

ノートの内容に続きます。
 

(参照文献):Lectures on Elementary Particles and

Quantum Field Theory (1970 Brandeis University Summer

Institute in Theoretical Physics) Volume

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2017年5月 9日 (火)

赤外発散の論文(1961)の詳解(8)

   赤外発散論文詳解の続きです。
 

()非赤外実光子項の詳細 

(Detailed non-infrares real photon terms)

の続きです。

 
散乱の微分断面積を与える(2.22): 

dσ/dε=exp{lim k02α(B+B~)}(dσ^/dε) 

におけるBとB~の赤外項について論じてきました。
 

(dσ^/dε),散乱の微分断面積の,非赤外部分で 

(2.21):dσ^/dε={1/(2π)}-dyexp(iyε+D) 

 ×[β~0+Σm=1(1/!)∫Πm=1n3m exp(iykm)

 βn~(1,..n)/m] です。
 

これらの式において,前回は,実光子数:n0のdσ0^/dε 

の項を論じましたが,

ここからは,n=1の項:dσ1^/dεの記述に向かいます。

これは,dσ1^/dε=∫1<ε31{β1~(1)/1} 

{1/(2π)}-dyexp(i(ε-k1)+D) ..(2.51) 

です。

  β1~は実光子放出からの項を含む断面積因子です。

  
(2.15):ρ~n(1,..,n)=~(1)..~(n)β~0
   
+Σi=1n~(1)..~(i-1)~(i+1)β~1(i) 

+Σi=1n~(i)β~n-1( 1,..,i-1,i+1,..n)
  +
β~n(1,..,n),


   
よび,
  
~(i)は,図3の().()に対応して,
赤外寄与を

 全て含み,β~jは赤外発散の寄与を含みません。


 

(※ ただし,ρ,(i),βjは行列要素の因子

でしたが,ρ~,~(i),β~は行列要素の絶対値の

2乗に比例する断面積の因子であることに注意!! ※)

と書きましたが,その後で述べたように,β1~(1)

ではE'は,(E-ε)よりも.むしろ,(E-k1)に等しく

設定されます。
 

このとき,次のような量:1を定義すると便利です。 

すなわち,1(1) =k1∫dΩβ1~(1)..(2.52)です。
 

この因子:1(1),10で有限です。
 

さて,再掲載(2.51):

dσ1^/dε=∫1<ε31{β1~(1)/1} 

{1/(2π}-dyexp(i(ε-k1)+D)
 

における,yにわたる積分は,(2.46)から(2.50)まで

と同じ手順で取り扱うことができます。ただし,(2.48)

の後で記述した適切な変数置換を除く手順です。

  今回は.r=-iyεの代わりに,
r=-i(ε―k1)

と置きます。

  
すると,(2.42)(αA,ε)

{1/(2π)}-dy[exp(iyε+D)]. 

の代わりに次式を得ます。
 

{1/(2π)}-dyexp{i(ε-k1)+D} 

{ε/(ε-k1)}αA(αA,ε)..(2.53) 

です。

 (8-1):以下.上式の証明です。 

(証明)(2.53)の左辺の積分においても, 

まず,(2.42)の計算と同じく, 

(2.43):D=αA∫0εdk[{exp(iyk)1}/.] 

で与えられるDを,

(2.46):^=D+αA∫εdk{exp(iyk)/} 

に置き換えて計算します。

双方とも,DをD^に置換しても同じです。
 

そして, (2.48:^=αA{-C-ln(εy)iπ/2}です。
 

{1/(2π)}-dyexp{i(ε-k1)+D^} 

{1/(2π)}exp{-αA(C+iπ/2)} 

×∫-dy[exp{i(ε-k1)}/(εy)αA]です。
 

r=-i(ε―k1)と置くと.(ε―k1)y=irで, 

(i)αA{(ε-k1)}αA(εy)αA{(ε-k1)/ε)αA 

であり,dy=idr/(ε―k1)ですから, 

-dy[exp{i(ε-k1)}/(εy)αA] 

(i)αA{ε/(ε-k1)/ε}(1^αA) 

i-idr{exp(-r)/αA}
 

したがって,

{1/(2π)}-dyexp{i(ε-k1)+D^} 

{1/(2πε)}{1/(i) (1-αA)}exp{-αA(C+iπ/21)} 

{ε/(ε-k1)}(1-αA)i-idr{exp(-r)/αA} 

です。
 

一方,(2.49)式は. 

I={1/(2πε)}{1/(i)(1-αA)}exp {-αA(C+iπ/2)} 

×∫i-idr{exp(-r)/αA}.ですが.これを改めて, 

(αA,ε)と記述することにすれば, 

{1/(2π)}-dyexp{i(ε-k1)+D^} 

{ε/(ε-k1)}(1-αA) (αA,ε) です。 (証明終わり)

(8-1終わり※)

 
それ故,(2.51).D → D^とした式,dσ1^/dε
 
=∫1<ε31{β1~(1)/1}

×{1/(2π)}-dyexp(i(ε-k1)+D^),

,(2..52)式]G1(1) =k1∫dΩβ1~(1),


 
および,
 (2.44):(αA,ε)(αA/ε)[αA]

によって,

  
dσ1^/dε
(αA/ε)[αA]

 0εdk11(1){ε/(ε-k1)}(1-αA)(2.54)

が得られます。

  
そして,上の積分が収束することを保証する条件:

(αA)0 を示すことができます。

  
(2.53):{1/(2π)}-dyexp{i(ε-k1)+D}

{ε/(ε-k1)}αA(αA,ε) により,
 
(2.54)における電子のエネルギー損失:εは.

エネルギー:(ε―k1),"(dk/)光子"の一束と,

1(1)因子に寄与するエネルギーがk1の"dk光子"

の一束に,分けられているように見えます。

 
“(dk/)光子"による因子は.(ε-k1)(αA-1)ですが, 

このため,これを因子に持つ被積分関数は,1がεに 

近づくとき,強く減衰します。

  
このことから,1(1),1(ε)のまわりに,

展開する近似が有効ではないか?と誘導されます。

これを実行した結果,(2.54): dσ1^/dε 

(αA/ε)[αA]0εdk11(1){ε/(ε-k1)}(1-αA) 

 が,次の近似式: 

 dσ1^/dε=F[αA] 

×[1(ε)(αAε)/(αA+1)(dG1/dε)1=ε..] 

.(2.55)になります。
 

(8-2):以下,上式の証明です。 

(証明) 1Taylor展開を行うと, 

1(1)=G1(ε)(1-ε)(dG1/dε)1=ε 

(1/2)(1-ε)2(21/dε2)1=ε…,

です。


 
そして,0εdk1{ε/(ε-k1)}(1-αA)

[-ε(1-αA)(ε-k1)αA/(αA)] 0ε 

=ε/(αA)であり,0εdk1[{ε/(ε-k1)}(1-αA)(1-ε)] 

[-ε(1-αA)(ε-k1)(αA+1)/(αA+1) ]0ε

=ε2/(αA+1) です。
 

これから(2.55)が従います。 (証明終わり) 

(8-2終わり※)
 

(2.55)を再掲載すると,dσ1^/dε=F[αA] 

×[1(ε)(αAε)/(αA+1)(dG1/dε)1=ε..] 

ですが,
 

1,1(1) =k1∫dΩβ1~(1)なので,

1(ε)自身,既にαの1次のオーダーです。
 

(※ G1はαの1次の因子を含み、実際上のケースでは,

また,F~1です。何故なら,β1~(1)は実光子1個の

放出に関わる因子であり,赤外光子の寄与:αB~

分離した残りの非赤外光子項を意味する,と定義されて

いる量なので,αB~と同じくαの1次の項です。※)
 

(2.55),残りのG1因子の微分展開項は,1内の

単一の"dk光子"に加えて赤外光子の効果をも

含みます。
 

この§2の残りでは,ε≦(/2)のケースに限定します。
 

この場合,上記の微分項は,(αε2/)のオーダーなので 

無視できます。

 他方,ε>(/2)のケースは§3()で論じる
異なる扱い

を要求します。
 

(8-3):何故εを(/2)で分けるなのか?は. 

正直よくわかりません。
 

電子のCoulomb場での制動輻射(Bremsstrahlung)では, 

電子の散乱立体角をΩfとして,摂動の2次の微分断面積 

.dσ/dΩf(dσ/dΩf)elastic

×(2α/π)π(max/min)
 

×(4/3)β2sin2(θ/2)+O[β2] (非相対論的:.) 

または,×ln(q2/2)1+O[2/2] (超相対論的:.)

で与えられます。

ただし,2(f-pi)2~ -42sin2(θ/2)であり. 

(dσ/dΩf)elastic,単純なCouloomb散乱の断面積で 

これは,(2α2){1-β2sin2(θ/2)}/{42β2sin4(θ/2)}

です。
 

この過程のdσ/dΩf,dΩf 2πd(cosθ)で積分 

すると,∫dk/kによる因子:ln(max/min)を除去しても 

明らかに,α2以上のオーダーであり 

 dG1(ε)/dk1

 ∫dΩβ1~(1)+ε∫cΩ(dβ1~/dk1), 

 で,この右辺の第2項はεの高次なので効かず

.1,2,明らかにα2/Eのオーダーです。

 (p2β 2 ~E2より)  (8-3終わり※)
 

 dσm^/dε(m>1)のような,より高次の項も

 同様にして解析できます。
 

 後に§3()で示されることですが,こうした項は

 次のような オーダーです。

 すなわち,dσm^/dε ~ αm-1(ε/) m-1(dσ1^/dε)

 (2.56)です。

 
しかし,dσm^/dεにおける他の因子についての知識

ないので,Σm(dσm^/dε)の収束性を確かめること

できません。

m=1より高次はαごとに減じ,高次の計算はひどく

困難です。そこで摂動論の通常の意図として,収束性に

関する我々の完全な無知にも関わらず,m>1の項は

ここでは無視します。


 そうすれば,(2.22),(2.41),(2.44),(2.55)は赤外因子

を含む微分断面積を与えてくれます。
 

そして,ε<(/2)に対して断面積は簡単化されて

次のようになります。 

dσ/dε=F[αA]exp{2α(B+B~)}

{(αA/ε)β0~+G1(ε)}.(2.57) です。
 

{ }の中の量は,(dk/)の寄与と,残りのG1に分離された

制動輻射に対する通常の表現です。

こうして,エネルギー損失:ε≦(/2)の電子散乱に対する

微分だ面積,本質的にエネルギーεの1光子を放出する

断面積に,多重軟光子の寄与を示す指数関数因子を掛けた

ものになります。

 ()エネルギー分解能:ΔEの電子散乱 

(Electron Scattering with Energy Resolution ΔE)
 

エネルギー:E'=E-εのポテンシャル散乱電子

の検出は,常にいくつかの実験誤差を伴うに違い

ありません。

  1つの重要なケースでは,0≦ε≦ΔEで,ΔEが

検出器のエネルギー分解能であるような散乱です。
 

この場合の散乱断面積は,

σ=∫0ΔE(dσ/dε)dε..(2.58) です。
 

これは,ΔE≦(/2),高エネルギー散乱に対する陽な形

を与えてくれます。
 

(2.57);dσ/dε=F[αA]exp{2α(B+B~)}

{(αA/ε)β0~+G1(ε)} 

,(2.31); 2αA(B+B~)=-(αA/2)ln(EE'/ε2) 

{α/(2π)}ln(2pp'/2)によって,
 

σ=∫0ΔEdε[[αA] 

×exp[(αA/2)ln(EE'/ε2){α/(2π)}ln(2pp'/2)] 

×{(αA/ε)β0~+G1(ε)}..(2.59)

を得ます。
 

この式の指数関数とAはE'=E-ε,によってεに依存します。 

また,前に指摘したように,p'は,β0~の中ではεの関数では 

ありません。
 

,我々は,ε依存性が陽に示される3つの場所を除き,(2.59) 

の被積分関数において,あらゆるE'をEに置き換えます。
 

こうすることで導入される誤差はαε/Eのオーダーです。
 

こうした後に,この積分を実行すると次式が得られます。 

σ=∫0ΔEdε[[αA]exp[{α/(2π)}ln(2pp'/2)]] 

×{(αA/ε)β0~exp[-αAln(/ΔE) 

+∫0ΔEdεG1(ε) exp[-αAln(/ε)}..(2.60)
 

この(2.60)の右辺の{ }の中の第1項は,弾性散乱の断面積

;β0~(※§2()で論じた有限な輻射補正を含む),軟光子

を表現する因子との積です。そして,ΔE≦(/2)なら

右辺の{ }の中の第2項のG1項は第1項より,因子:

~α(ΔE/)ln(/)だけ小さいことがわかります。
 

いくつかの型の項がG1(ε)に含まれています。 

()磁気モーメント相互作用)(※(2.37)の後の議論を参照), 

これは光子が外線から放出されるときです。

()内線の光子の放出, 

()内線中のkの寄与 

です。
 

磁気モーメントの寄与()は制動輻射の微分断面積中

のk/Eに比較できるオーダーの項ですから,弾性散乱

のβ0~項と比較して~α(ΔE/)ln(/)です。

これらの見積もりはe+e→e+eのようなプロセスによって 

評価し直す必要があります。そこでは1つのe粒子は実験室中

で静止していて,E=mです。
 

()()の結合効果は本論文の付録から粗く見積もること

ができて.多くても寄与はα(ΔE/)ln(/)に比較できる

オーダーです。
 

散乱がほとんど弾性散乱に近いケースには,1(ε)をG1(0)

に置き換えることができます。それ故評価は容易です。

(※文献(16)参照)
 

反跳ポテンシャルからの"dk/k光子”の放出は,前の扱い

.更なる補正を与えますが,反跳効果は,大抵の場合無視

できます。(※文献(17)参照)
 

それは,電子とポテンシャル源の間の大きな質量差のためです。 

しかしながら,高エネルギーの電子-陽子散乱などでは反跳は

重要になります。こうした反跳効果は§3()で論じる予定

です。
 

電子のポテンシャル散乱の議論を閉じるに当たって,(2.60)

の総断面積σへ寄与する種々の項の数値的評価が役に立つ

でしょう。
 

E ~ 100 MeV,ΔE ~ 5 MeV,そしてpp'~ EE'なら,

F[αA]は0.99,結合指数関数は0.73,(2.40)へのβ~への

有限仮想光子補正は,およそ,7%だけの増加です。
 

そして,1は無視できます。

 指数関数減衰効果;0.73は展開
の中のα2項の寄与:(~ +0.03)

を含むことに注意してください。

我々は,軟光子の指数関数にHY含まれない他のα2寄与

,因子:(ΔE/)2だけ小さいと信じています。
 

以上でやっと論文の§2が終わりました。途中で付録A

にも脱線しましたが。。
 

ノートの終了日付は20034/4()となっています。
 

これで,本文の全55ページ中の23ページの翻訳と解説

終わりました。(Pending中の箇所が残っていること

忘れてはいませんが。。)

さらに,付録と参考文献の19ページがあり,付録はまだ

一部の紹介が終わっただけです。

しかし、いつまで経っても完遂する予定です。
 

実は,一昨日から何故かぼやけていた視界がはっきりしてきて,

自己の過去ノ-トを読むことができたので,原稿がはかどった

のですが,毎日一時的なもので,時間が経過すると,また瞳孔

を開く眼薬を打った時のように,相変わらず視界がぼやけます。

(※どうも貧血が進んでいることが見えなくなる原因らしいです。

その上に低血糖があるときは,さらに網膜の酸欠で見えなくなる

ようです。しかし,ということは網膜の視神経が完全に犯されて

いるわけではないと思うので,視力を回復できるかもしれません。)
 

今日はここまでです。まだまだ続ける予定です。

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2017年4月25日 (火)

赤外発散の論文(1961)の詳解(7)

 

赤外発散論文詳解の続きです。
 

(※いきなり余談ですが,またまた,いろいろと体調の変化や

金欠病などが続いて,こうした理論計算などに勤しむための

モチベーションが起きたり消えたりで長期間かかりました。
 

大学や研究所などを年齢と共に引退した人が,趣味的に 

細々と活動を継続している。。というワケでもなく。。
 

何の過去もない,どこかの馬の骨が,残りわずかな余生を, 

こんなことして過ごしててイイのか?。等々.。。

まあ,何をやっても,もはや叱責されるでもなく,ホメられる

でもない,自己責任?。。時は無常に過ぎてゆきます。。

年齢も67歳で体も不自由となったため,かつてのスポーツの

ような能動的なことはやりたくてもできず,

最大の趣味であった読書さえも,高血糖の眼底出血などの

網膜症ではなく低血糖の連続の副作用?で視力は低下して

ないらしいのにで見えなくなって,字の判別もままならない

ので,最近,弱視用の拡大読書器なるモノをヤフオクで安値

落札しましたが,今のところ使いこなせない状態です。

このブログにしても,今や自分で新しいことを発見する糧と

いうより,他人の書いた論文や書物を理解することにやっき

なっている受動的趣味と化しています。

,

しかし,わからなくて誰かに相談したくても,そういう相手

はめったにおらず,たとえ誰か親切な人がいて説明を受け

たりネットなどで適切な解答を見つけたとしても,

   完全に頼り切った
他力本願の人まかせで,自分は聞いてる

だけで理解する努力も無しでは,わかったような気がする

だけで結局,自力で自己の内部で解決するまでは本当の解決

にはならない。ということを昔からの経験で知っています。

   その
意味では,受動的趣味ではあっても自分で理解しよう

とする能動的な努力抜きでは,この趣味も長続きせず,成立

しませんね。※)
 

ともあれ,以下,本題です。。。
 

前回最後に書いた約束通り,今回は仮想光子でなく実光子

の寄与の項目に入ります。
 

()非赤外実光子項の詳細 

(Detailed non-infrares real photon terms)

 
ここまで,散乱のv微分断面積を与える(2.22): 

dσ/dε=exp{lim k02α(B+B~)}(dσ^/dε) 

におけるBとB~の赤外項について論じてきました。
 

ただし,(dσ^/dε),散乱の微分断面積の

非赤外部分で(2.21)

dσ^/dε={1/(2π)}-dyexp(iyε+D) 

 ×[β~0+Σm=1(1/!)∫Πm=1n3m exp(iykm)

β~m(1,..n)/m] 

なる形で与えられます。 

(↑※「赤外発散の論文(1961)の詳解(4)」を参照)
 

そして,前項目()では赤外項のうち仮想光子による赤外項Bと 

関連して,上の(2.21)式のβ~m,陰に含まれている非赤外部分

の仮想光子による補正について述べました。
 

そこで,今度は(2.21)式に陽に現われている赤外項B~と関連

した非赤外項の実光子補正について記述します。
 

光子数nによる実光子補正の展開は,k→0で∫dk/

より赤外特異性を生じる実光子というよりも,むしろ,非赤外

スペクトル「を持つ実光子数による展開です。
 

それ故,n番目のオーダーは,非赤外実光子からαのn乗の寄与

を含み,赤外の(dk/)光子と非赤外仮想光子による任意個数

のαを伴ないます。

 
電子によるエネルギーの損失を生じさせるためには,少なくとも

1つの光子が放出されなければなりません。

 
n=0の項は1光子による(dk/)寄与を含みます。 

(※この場合は実光子の放出数がゼロですからエネルギー

損失はゼロでkの1光子寄与はk=0(dk/)の赤外寄与

けでしょう。※)
 

そして,n=1の項は1光子から,dk,kdk etcの寄与を

含むはずです。

 
それ故,n=0の項,n=1の項は両方が共にαの1次のベキ

から始まります。.

 
まず,(2.21)

dσ^/dε={1/(2π)}-dyexp(iyε+D) 

 ×[β~0+Σm=1(1/!)∫Πm=1n3m exp(iykm)

 β~m(1,..n)/m] 

のn=0 の項の考察から始めます。
 

この場合の赤外寄与を除く散乱断面積:σ^を時にσ0^

と書けば,dσ0^/dε=β~0..(2.41) 

ただし,I={1/(2π)}-dyexp(iyε+D).

(2.42)です。
 

もしも,あらゆる輻射補正を無視するなら,β~0は丁度,

弾性散乱の断面積です。

  
前に,(2.15)式の後で指摘したように,β~0,エネルギー殻

の上,すなわち,E'=Eで評価計算されます。
 

(2.19),(2.20),(2.24),(2.32)のために,Dは次の様に書けます。 

D=αA∫0εdk[{exp(iyk)1}/.](2.43)
 

(7-1): まず,上記の(2.19),(2.20),(2.24)の詳細を見る

ため,「赤外発散の論文(1961)の詳解(4)」の一部を再掲載

します。 (以下,再掲載です。)
 

赤外光子を力学的に独立させるため,次のように書くことに

します。
 

k≦ε3~ exp(iyk)/(2+λ2)1/2 

2αB~+D..(2.18)
 

ここに, 

2αB~2αB~(,’(ε))

=∫k≦ε3~/(2+λ2)1/2..(2.19) 

D=D(,’(ε),)

=∫k≦ε3~{exp(iyk)-1}/.(2.20) 

です。
 

:2αB~,yに依存しないので,exp(2αB~)-y積分:

dyの外に因子として出せます。
 

一方,Dの方はyに依存しますが,kによる積分∫d3

被積分関数:~{exp(iyk)-1}/kはk→0の極限で良い

挙動をします。
 

この定義では,exp(2αB~),条件Σk=εを破りますが,

exp(),この条件を保持すると考えられるので,エネルギー

保存は維持されます。
 

(2.18),(2.17)の微分断面積を表わす式: 

dσ/dε

limλ→0 exp(2αB){1/(2π)}-dyexp(iyε) 

×exp[k≦].ε3~(,p';)exp(iyk)/(2+λ2)1/2] 

[β~0+Σm=1(1/!)∫Πm=1n3m exp(iykm)

β~m(1,..n)/m]  

に代入すると.
 

dσ/dε=limλ→0 exp(2αB) 

{1/(2π)}-dyexp(iyε+2αB~+D) 

×[β~0+Σm=1(1/!)∫Πm=1n3m exp(iykm)

β~m(1,..n)/m]  

です。
 

ここで,dσ/dεの非赤外部分:dσ^/dεを,次式で

定義します。 

dσ^/dε={1/(2π)}-dyexp(iyε+D) 

[β~0+Σm=1(1/!)∫Πm=1n3m exp(iykm)

β~m(1,..n)/m] (2.21)

です。
 

すると,(2.17)

dσ/dε=exp[2α(B+B~)](dσ^/dε)..(2.22) 

と書けます。
 

(※ 以上,「赤外発散の論文(1961)の詳解(4)」

の再掲載終わり。※)

また,「赤外発散の論文(1961)の詳解(5)」から, 

~{1/(8π2)}∫d3/(2+λ2)1/2  

×{μ/(kp’)-pμ/(kp)}2..(2.24) 

です。
 

2α(B+B~)

=-(αA/2)ln(EE'/ε2){α/(2π)}ln(2pp'/2)(2.31)

により,上の係数αAは次式で定義されます。
 

αA=-{2α/(4π2)}∫dΩ{p'μ/(p'k)-pμ/(pk)} 

2α/π{ ln(2pp'/2)1}.(2.32) 

です。
 

以上から.まず,(2.19)式は,λ → 0では,k=||, 

2αB~=∫k≦ε3~/(2+λ2)1/2 

=∫0εdk・k∫dΩS~ 

です。
 

そこで,(2.24)

~{1/(8π2)}∫d3/(2+λ2)1/2 

×{p'μ/(kp')-pμ/(kp)}2 

なる式と,

 (2.32)
 

αA=-{2α/(4π2)}∫dΩ{p'μ/(p'k)-pμ/(pk)} 

との比較から,
 

2αB~{-α/(4π2)} 

0εdk・k∫dΩ{p'μ/(kp')-pμ/(kp)}2 

=∫0εdk(αA/)  

と書けます。
 

これが,0εdk・k∫dΩS~に等しいので, 

αA=k2∫dΩS~ である。

と結論されます。
 

 一方,(2.20)で与えたDは,, 

D=∫k≦ε3~{exp(iyk)-1}/ 

=∫0εdk・k∫dΩS~{exp(iyk)-1} 

ですから,
 

結局,(2.43)式:D=αA∫0εdk[{exp(iyk)1}/.] 

が確かに成立zすることが示されました。    


 (7-1終わり※)
 

(2.42)で定義した I={1/(2π)}-dyexp(iyε+D) 

,Tablated function(表記関数)と呼ばれる関数Fによって

評価できて,

I=(αA/ε)[αA]..(2.44) 

です。
 

ただし,[]exp(-Cz)/Γ(1+z)です。
 
 

ここで,CはEuler定数,ΓはEulerのガンマ関数です。
 

( Euler定数:Cは,次の無限数列の極限値で定義されます。 

11/21/3..1/n-ln()→ C asn→∞ です。※)
 

よって,[αA]exp(-αAC)/Γ(1+αA)であり, 

[αA]1-π2(αA)2/12.. (2.45) です。
 

上記の(2.44),(2.45)式は,根拠も示さず唐突に提出

しましたが,これらの式を実際に導出するには,次のような

手順を踏む必要があります。
 

まず,,第1段階では,(2.43):

D=αA∫0εdk[{exp(iyk)1}/.] 

で与えられるDを,

^=D+αA∫εdk{exp(iyk)/}..(2.46) 

に置き換えます。
 

(2.42):I={1/(2π)}-dyexp(iyε+D) の右辺

の中でDを^に置換しても,Iには何の影響も与えない

からです。
 

何故なら,Kを,任意の正の定数とすると, 

{1/(2π)}-dyexp{i(ε-K)}0..(2.47) 

であるからです。
 

これは複素平面で,下の直径を実軸で閉じた上半円周経路を

回る積分を考えることによって,わかります。
 

(7-2): (2.47)を証明します。 

この式の左辺は,超関数の意味で,謂わゆるデルタ関数:

δ(ε-K)ですから,ε≠Kならゼロであり,これを認める

なら証明は不要です。
 

そうした自明なことを,今さら,複素平面で下の直径を実軸

で閉じた上半円周の積分路上の評価をすることで確かめる

までもないですが,

 
一応,この方法を説明すると, 

被積分関数は,全複素平面上で正則であり,ε≠Kなら実軸上

以外の積分の寄与は半径∞の極限ではゼロです。 

 {7-2終わり※)
 

そして,ε≦k≦∞では,|exp(iyk)/|1/ε 

εdk[exp(iyk)/] 

=∫0dk[{cos(yk)isin(yk)}/]

-∫0εdk[exp(iyk)/] 

~∫0dk[{cos(yk)/(2+ε2)1/2](iπ/2)sgn()

iyε+[ln()]0ε  

であり,
 

0dk[{cos(yk)/(2+ε2)1/2]=K0(yε) 

~ -C-ln|εy/2| です。
 

故に,D^におけるsin/xとcos/xの積分の評価から

次式が得られます。

^=αA{-C-ln(εy)iπ/2.(2.48)です。
 

(7-3); 上記の(2.48)を証明します。 

D^=αA[0dk{exp(iyk)/}-∫0εdk/] 

=αA[(iπ/2)sgn()+∫εdk{cos(yk)/} 

-∫0εdk{1cos(yk)}/}}です。
 

ところが,関数Ci() 

i()≡∫dt(cos/)で定義すれば数学公式集 

によって,-Ci()=∫dt(cos/) 

=-C-lnx+∫0dt{(1cos)/} です。 

(CはEuler数です。)
 

そこで,t=ykとすれば,dt=ydkより,  

/ydk{cos(yk)/} 

=-C-lnx+∫0/dk[{1cos(yk)}/] です。
 

さらに,x=yεを代入して  

εdk{cos(yk)/} 

=-C-ln(εy)+∫0εdk[{1cos(yk)}/] 

が得られます。
 

そこで,y>0なら, 

^=αA[(iπ/2)+∫εdk{cos(yk)/} 

-∫0εdk{1cos(yk)}/}}より 

^=αA[-C-ln(εy)(iπ/2)} です。
 

他方y<0ならD^=αA[-C-ln(ε||)(iπ/2)}
 

よってD^=αA[-C-ln(ε||)(iπ/2)sgn()} 

です。(証明終わり)  (7-3終わり※)
 

(2.42):I={1/(2π)}-dyexp(iyε+D)

で,DをD^=αA{-C-ln(εy)iπ/2に置き換え, 

そして,積分変数をyからr=-iyεに置換すると,
 

dy=dr/(iε)であり, 

 exp(iyε+D^)exp [-r-αA{C+ln(i)iπ/2}] 

exp{-αA(C+iπ/2)}×exp(-r}/(i)αA 

なので,
 

I={1/(2πε)}{1/(i)(1-αA)}exp {-αA(C+iπ/2)} 

×∫i-idr{exp(-r)/ αA}..(2.49)  

となります。
 

これを,まず,0(αA)1に対して評価計算します。 

これは通常の物理的なケースです。
 

そして,結果を,(αA)0の全物理的領域に解析的に延長

(解析接続)します。
 

rを複素数として全複素r平面を想定すると, 

i-idr{exp(-r)/ αA}の積分路は,虚軸上の+i

から-iへと続く虚軸直線です。
 

これに,i∞から始まって,i∞で終わる半径∞の反時計

回りの右半円周を加えます。
 

そして,i∞から-i∞へと続く直線の方は,i∞から

原点Oまで進み,そこで一旦,右に直角に曲がり,実軸上

(0,)まで進んで,∞で折り返してOに戻り,それから,

下へと直角に曲がって-i∞へと至るように実軸上に

切断(cut)を入れる閉じた経路とします。


 

この閉曲線をC1と呼ぶと,この内部には,

{exp(-r)/ αA}の特異点は全く存在せず,正則なので

Cauchyの定理により,

C1dr{exp(-r)/ αA}0 です。
 

r=ρexp(iθ)とおけば,ρ=R(一定)の円周上では, 

dr=iρexp(iθ)dθです。
 

θが-π/2から,π/2までを動くC1の一部の右半円周上

では,∫dr{exp(-r)/ αA} 

i-π/2π/2dθ

{exp(isinθ-iαAθ)(1-αA)exp(-Rcosθ) 

(ただし,R→∞) です。
 

今の仮定では,(1-αA)0ですが,-π/2≦θ≦π/2では

cosθ≧0なので,R→∞では,∫dθR(1-αA)exp(-Rcosθ)

はゼロとなって消えるため,この半円周の上での積分の寄与

はゼロです。
 

以上から, 

i-idr{exp(-r)/ αA}

+∫0dr{exp(-r)/ αA}+∫0dr{exp(-r)/ αA}

0 ですが,

 
実軸上の切断の幅を
想定して,(0,)の経路上の点を

r=t+iδ,逆経路上の点をr=t-iδとします。
 

ここで,t,δは実数でδ>0は無限小です。
 

結局,i-idr{exp(-r)/ αA} 

=∫0dt[exp(-t){(t-iδ)-αA(t+iδ)-αA}] 

なる表式が得られました。
 

そして,{(t-iδ)-αA(t+iδ)-αA} 

exp{-αAln(t-iδ)}exp{-αAln(t+iδ)} 

exp(-αAln) 

×[exp{iαAang(t-iδ)}exp{iαAang(t+iδ)}]  

ですが,
 

δ→+0の極限では,ang(t+iδ)がゼロでang(t-iδ)

2πであるような経路の分枝(branch)を採用することも

できます。
 

すると,{(t-iδ)-αA(t+iδ)-αA} 

exp(-αAln){exp(i2παA)1} 

(2i)-αAexp(iπαA)sin(παA) です。 


よって,∫i-idr{exp(-r)/ αA}
 

(2i)exp(iπαA)sin(παA)

0dt{-αAexp(-t)} 

(2i)exp(iπαA)sin(παA)Γ(1-αA) 

です。

さらに,ガンマ関数の公式:

Γ()Γ(1-z)=π/sin(πz)(2.50)から,

sin(παA)Γ(1-αA)=π/Γ(αA) 

=παA/Γ(1+αA) 

です。

 したがって,
 

I={1/(2πε)}i(1-αA)}exp {-αA(C+iπ/2)} 

×∫i-idr{exp(-r)/ αA}.. 

{i/(2πε)}exp (-αAC) 

×(2παAi) exp(iπαA)/Γ(1+αA)
 

すなわち, 

I=(αA/ε) exp (-αAC)/Γ(1+αA) 

(αA/ε)[αA]  

が得られました。
 

(※(注7-4):(αA)が小さいときに,(2.45)

[αA]1-π2(αA)2/12.. が成立することを

以下で確かめますが,この式の前で

 Tablated function
は,

[]exp(-Cz)/Γ(1+z)で定義されていました。 
 

そして,Werstrassにより, 1/Γ()は無限積展開されて 

1/Γ()=zexp(Cz)Πn=0{(1+z/) exp(-z/)} 

と表現されることがわかっています。
 

故に,[αA]exp(-CαA)/Γ(1+αA) 

=Πn=0{(1+αA/)exp(-αA/)} 

(1+αA)(1+αA/2)(1+αA/3)… 

×exp{-αA(11/21/3..)} であり,
 

exp{-αA(11/21/3..)}exp{-αA(Σ1/)} 

1-αA(Σ1/)(αA)2(Σ1/)2/2..  

です。,
 

結局,0<(αA)<1に対して,(αA)の低次では, 

[αA] 1(1/2)(αA)2Σ0(1/2). 

1(π2/12)(αA)2..  

と近似評価されます。
 

ここで,ゼータ関数:ζ()~Σn=0(1/s)における

公式:ζ(2)=π2/6を用いました。
 (7-4終わり※)
 

他方,(αA)>>1に対するF[αA]の挙動には何の実験的

面白味もありませんが,理論的には,高エネルギー極限での

量子電磁力学(QED)の挙動について,いくつかの意味を

持っています。
 

[αA]exp(-CαA)/Γ(1+αA),(αA)が大きい

極限,[αA] (αA)-(αA)/exp{-αAln(αA)}

なるオーダーを持つことを示しています。 

(Stirlingの公式:Γ(1+z)~z!(2π)1/2(z+1/2)exp(-z)

を参照※)
 

これは (αA)が大きいとき,理論に強い収束因子を供給します。
 

この収束因子の1つの物理的説明を探します。 

以下に見るように,その効果は与えられたエネルギー総量

εに対する軟光子間の競合という意味によって1つの解釈

できます。
 

前に,1つの(dk/)光子放出の確率は,(αA)dk/

のように,(αA)に比例すると述べたことを思い起こします。
 

そこで,(αA)>>1のとき, エネルギーがkの実軟光子の

平均個数1を超え,1光子の取り得る平均エネルギーは

εよりも,はるかに小さくなると考えられます。
 

上に考察した結果は,エネルギーεを運び去る光子たちに

対する微分断面積が,ε(αA-1)に比例することを示しています。
 

(7-5):何故なら,これまでの記事において, 

,2α(B+B~)

=-(αA/2)ln(EE'/ε2){α/(2π)}ln(2pp'/2)(2.31)


 ただし, E'=E-εであり,
 

αA=-{2α/(4π2)}∫dΩ{p'μ/(p'k)-pμ/(pk)} 

2α/π{ ln(2pp'/2)1}..(2.32) 

なる式を得ています。
 

これから,2α(B+B~) (αA)lnε なので, 

exp{2α(B+B~)} ∝ εαA  です。
 

一方,赤外寄与を含む真の微分断面積は, 

dσ/dε=exp{2α(B+B~)}(dσ^/dε)で与えられ,
 

dσ^/dε ∝ I={1/(2π)}-dyexp(iyε+D)

より,dσ^/dε ∝ (αA/ε)[αA] です。
 

:(αA)>>1のとき,[αA] (αA)-(αA) という

上記の結果から,(αA/ε)[αA](αA)(1-αA)ε-1 

なので,

σ/dε ∝ ε(αA-1)  と結論されるわけです。
 

(※断面積:σn(ε),n個の実光子が放出される過程での

全実光子のエネルギーが,0 ~εの範囲にある断面積(確率)

を表わし,微分断面積:dσn/dεは,確率:

dσn=σn(ε+dε)-σn(ε)(dσn/dε)dε 

を意味します。)  (7-5終わり※)
 

小さい(αA)に対しては軟光子によって運び去られる

エネルギーは小さく,大きい(αA)に対しては,それは大きい

傾向があります。
 

(7-6):実際, 2α(B+B~) (αA)ln(ε/)より,

dσ/dε,(ε/)αA(1/ε)に比例し,(ε/)<<1

ですから,E=一定の下で,

(αA) → 大なら(ε/)αA → 小 です。
 

しかし,dσ/dεがほぼ一定と考えると.

(αA) → 大なら(ε/)が大きくならなければなりません。


 つまり,E=一定で,ほぼ同一で
十分な散乱確率を得る実光子

の放出現象では,(αA) → 大ならε → 大,(αA) → 小なら

ε → 小,が必要条件です。 (7-6終わり※)
 

今さて,,あらゆる光子たちと競合している1つの軟光子

を考えます。
 

あるエネルギーkをとる,その1光子に対する微分断面積

は残りの光子によって運び去られる全エネルギーに関連して

(ε-k)(αA-1) ような因子を含みます。
 

これは,小さい(αA)に対しては,変動するkの集合を

有意に抑制することはないですが,大きい(αA)に対しては

ε/(αA―1)を超えるkの値に対し,断面積を強く減少

させる効果があります。
 

(ε-k)(αA-1)=ε(αA-1)(1-k/ε)(αA-1)  

=ε(αA-1)

{1(αA―1)(/ε)(1/2)(αA―1)( αA―2)(/ε) 2..} 

~ ε(αA-1)exp{(αA―1)(/ε)}  

です。
 

故に,(αA―1)(/ε)1,つまり,k>ε/(αA―1)なる

kに対しては,因子:(ε-k)(αA-1)は著しく減少します。)
 

こうした意味で光子の競合は,大きい(αA)では,光子が

独立に取り得るエネルギーの上限を, 事実上,εからε/(αA)

に置き換えます。
 

そこで,断面積におけるexp{-αAln(/ε)}は,

exp{-αAln(αA)}で修正され,これは近似的にF[αA]

です。
 

こうした超高エネルギーでの因子Fによる減衰は荷電粒子を

伴なう任意の過程で各項にexp-αAln(/ε)}が掛かる効果

です。

 
もちろん,我々が解析できないFに掛かる多くの他の因子

があります。それ故,理論の収束性について明確な結論には

到達できたと断言できるわけではないですが。。。

収束因子の一応の説明にはなっています。
 

ところで,仮想光子の補正を論じているとき,分離:

1=m1+αβM0,一意的ではない。。と指摘しました。
 

また,実光子の赤外因子:2αB~と非赤外因子β~mへの寄与

の分離もまた,ユニークではありません。
 

これは赤外光子のエネルギーの上限が任意であるからと

考えられます。
 

長くなり過ぎたので,今日はここで終わります。

次回はn=1の寄与に入ります。

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2017年3月21日 (火)

赤外発散の論文(1961)の詳解(6)

  赤外発散論文詳解の続きです。
 

去る2月4日のこのシリーズの(5)のアップ以来,付録Aに

脱線して本論については 余りにも間が空きすぎたので,

まず,これまでの結果を要約しておきます。
 

荷電粒子の衝突などの電磁相互作用に関わって吸収,または

放出される運動量k=h/λの光子が軟光子(soft photon)

の場合,

 
つまり,観測にはかからず,無視してよいとも考えられる

エネルギーがゼロの.k~ 0,orλ~∞の光子が無限個数ある

場合に生じる散乱振幅の計算上での発散の困難,kにおける

積分和:∫dk/lnk→ -∞(k→0)の対数発散の困難

を赤外発散(infrared Catastrophe)と呼びます。

 

これは,kだけでなく,荷電粒子の運動量pのエネルギーが

無限大,k~∞,or p~∞における積分和の散乱振幅の発散

を紫外発散(ultraviolet divergence)と呼ぶ呼称に対比

されるものです。
 

紫外発散の方は,Feynmann、朝永,Schwingerらによる壮大な

体系:「くり込みみ理論」(量子電磁力学の輻射補正)

renormi[alization Theory or

Radiativerrection of QuantumElectrodynamics)

によって,一応の解決を見ています。
 

一方,ここで問題としている赤外発散の方は,そうした壮大な 

くり込み理論に似た処理は必要なく,k~0 の仮想光子による

散乱振幅の微細構造定数:αによる摂動級数の最低次の寄与

の赤外因子をαB,k~0 の実光子によるそれをαB~とする

,摂動の全ての次数まで含めて,微分断面積:dσへの寄与

は,exp{2α(B+B~)}で与えられることがわかります。
 

そして,これら赤外い因子:,および,~はそれぞれ, 

B={i/(2π)3}∫d4/(2-λ2) 

×{(2μ-kμ)/(2k-k2)(2μ-kμ)/( 2pk-k2)}2 

.(2.23),および, 

~{1/(8π2)}∫d3/(2+λ2)1/2  

×{μ/(kp’)-pμ/(kp)}2..(2.24) 

で与えられることが示されました
 

これらの各々はk~0で赤外発散しますが,その和:

α(B+B~)では,無限大が相殺して有限になり,

2α(B+B~)=-(αA/2)ln(EE'2)

{α/(2π)}ln(2pp'/2)..(2.31),

αA=-{2α/(4π2)}∫dΩ{p'μ/(p'k)-pμ/(pk)} 

2α/π{ ln(2pp'/2)1}..(2.32)

となることを示しました。
 

前回の「赤外発散の論文(1961)の詳解(5)」では,上記

の式を明示した後,次に()非赤外仮想光子項の詳細

(Details of Noninfrared Virtual Photon Terms)

という項目に入るので,一旦終わります。


  と書いて終わりました。
 

しかし,仮想光子,実光子の赤外因子:,~の式(2.31),(2.32) 

の詳細な証明は本論文の付録A~Cに示されているため,その 

うちの付録Aの紹介に暫し,記事が脱線していたのでした。
 

過去ノートを参照しながらブログ記事原稿のために再読し

計算式を羅列して個々を考察し直して長期間のめり込んで

いると,自分でも.一体,今何の計算をしているのか?を

忘れてしまうことも多々あるので,自分のためにも.真面目

に読んでくれているだろう.僅かの読者の方々のためにも,

こうして,ときどきは経緯を反芻し,整理,要約することに

しています。
 

赤外発散の最低次の寄与のBとB~が無限大が相殺される

こと,現在では大抵の文献やテキストに掲載され.説明

されていますが,それが指数関数として全てのオーダー

まで相殺されることや,その結果,紫外発散における

「くり込み」と同じく無限大を除去し去った後にお釣り

として出現する輻射補正,今の場合は非赤外部分とも

呼ばれますが,これを詳細に評価した本論文のような本格的

に扱っている文献は少ないと思います。
 

さて,これで前回までの要約を終わって本論の続きに入ります。
 

()非赤外仮想光子項の詳細 

(Details of Noninfrared Virtual Photon Terms)
 

「赤外発散の論文(1961)の詳解(3)」で書いたように,運動量

で入射した荷電粒子が運動量p'で出ていく場合の一般の散乱 

プロセスの完全な散乱行列要素をM(,’)とすると,

これは次のように書けます。

(,p')=Σn=0n(,p')..(2.1) です。
 ここで,nはn個の仮想()光子を持つので,n次の赤外発散を 

持つと予想され.実際,これは赤外切断の対数のn次多項式となる 

ことが直感的に明らかです。

と書きました。
 

さらに,仮想光子についての行列要素Mnは次のような構造

を持つはずです。

 すなわち.
 0=m0 ..(2.2) 

1=m0αB+m1 ..(2.2) 

2=m0(αB)2/2!+m1αB+m2 ..(2.2) 

n=Σr=0n-r(αB)/! ..(2.2) 

です。
 

ただし,j(j≧1),赤外発散がない:0=m0に対して

α(αのj次)のオーダーの(nに独立な)関数であり,各因子

αBは1つの仮想光子当たりの赤外寄与を含む量です。
 

そして,(2.1) と(2.2)から直ちに,指数関数の中に赤外項

が現われる式:M=exp(αB)Σn=0n .(2.3

が導かれます。
 

(2.2)以下の式の成立を厳密に証明するため,先に, 

「n個の仮想光子を含む全てのダイアグラムに対応する

行列要素の寄与」という曖昧な表現で与えたMnの明確な定義

を与えます。
 

n(1/n!)..∫Πj=1n{4j/(2-λ2)}ρn(1,..,n)

(2.4)と定義します。ここで光子質量λを導入しました。
 

と書きました。
 

そして,Mが確かにこうした構造を持ち,Bが先に書いた式, 

(2.23):B={i/(2π)3}∫d4/(2-λ2) 

×{(2μ-kμ)/(2k-k2)(2μ-kμ)/( 2pk-k2)}2 

,
 
で与えられることなどを続く記事で示しました。

 さて.
(2.2):M1=m0αB+m1,および,(2.2): 

2=m0(αB)2/2!+m1αB+m2 から 

1=M1-αBM0..(2.35),および, 

2=M2-αBM0..(αB)2/2!(2.36).

(すが αBM0へのMとmのこうした分離は.一意的では

ありません。
 

11個の仮想光子を含む全行列要素で,他方,mはαの 

1次関数の形の寄与であり,また.因子αBは1つの仮想光子 

当たりの赤外寄与を示す量であると定義されています。
 

それ故,1=M1-αBM0,1つの仮想光子のみが寄与する 

行列要素:1=∫d4j/(2-λ2)}ρn()のうち,赤外発散 

には寄与しない部分,つまり非赤外寄与の部分を意味するわけ 

です。
 

例えば,1のうちの赤外寄与部分である

αB={α/(2π)3}∫d4/(2-λ2) 

×{(2p'μ-kμ)/(2p'k-k2)

(2μ-kμ)/( 2pk-k2)}2 を見ると,(2pk)-1

におけるk2ような反跳項はk~0赤外発散には影響

しません。
 

しかしながら,k~∞ のとき,積分が自然に収束するよう

これは無視せずに赤外寄与の中に残しておきます。
 

一方,(2μ-kμ)中のkμのような反跳項はk~0での赤外

発散には明らかに寄与せず,k~∞の紫外発散にも大きな

意味を持たないので非赤外のm1の方に移動し分離することも

できます。(※この意味で分離はユニクではないのです。)

では,Bをゲージ不変にするために,(2.23)に保持されてきた
 

けれど,そのうちで,非赤外のm1への重要な寄与となるのは

どういうモノでしょうか?
 

一般のm1での扱いは,非常に複雑に見えるので,ここでは

特に外ポテンシャルの最低次についてのみ.陽な論議を

考えることにします。
 

ここまで,1電子に対する下の図2()のグラフを完全には

評価していなかったので,これを観てみます。


2()の"入射"部分は,次のように表現できます。
 

{(i+m)εi}p/(i2pki) 

{(2p-ki)εi(1/2)[i.εi]}p/(i2pki)

(2.37) です。
 

右辺の{ }の中の第1項は(2.32)のBで用いられている

"伝達"カレントであり,第2項はスピンゼロの荷電粒子なら

生じないはずの"磁気"効果です。
 

高エネルギーでの磁気項についての直線的な計算はm1への

次の寄与を生じます。
 

すなわち,{ihM0/(2π)}n(2pp'/2)+O[αM0]..(2.38)

です。別種の寄与は,外ポテンシャルの真空偏極によって

与えられます。
 

例えば,もしポテンシャルが1個の電子に作用するとすれば,

真空偏極はmに次の寄与を加えます。 

{αM0/(4π)}n(2pp'/2)+O[αM0]..(2.39) です。

 

(2.31)の赤外因子:2α(B+B~).プラス(2.38)(2.39))

の2倍が,電子のポテンシャル散乱へオーダーαのSchwinger

を与えます。

(※↑何故2倍かというと,∝M0と干渉するからです。

この干渉は既に:2α(B+B~)の方には考慮されています。)

(注:6-1):Schwingetr項というのは,電子の異常磁気

モーメントを意味します。

つまり普通のスピン1/2Dirac電子の磁気回転比gは

理論的にはg=2なのですが,電子のまわりの光子の雲

による量子効果である真空偏極の輻射補正を考慮して,

「くり込み理論」による計算を行うと,摂動の最低次

近似である,αの1次のオーダーでは,g=2(12α/π)

補正されます。
 

この補正項を発見者の名を冠して,Schwingetr項と

呼んでいます。 (6-1終わり※)
 

外ポテンシャルが2回以上電子に作用すれば,計算

さらにアレンジされますが,これは次のように

なされます。
 

つまり,(2.38)の磁気項が寄与の1つとして現われます。
 

そして,また,(2.39),核子による高エネルギー電子

の散乱の真空偏極によるtotalの寄与の良い近似に

っていることが予測されます。
 

これは,このプロセスでは運動量遷移の大部分が単一

の相互作用で生じるからです。

この1回の大きな運動量遷移は(2.39)に寄与,他方,

低運動量遷移を伴う多くの追加の相互作用真空偏極

は無視することができます。
 

1への残りの寄与は容易には評価できません。

付録Aの手法の詳細,さらなる寄与がαM0ln2(/)

ではなく,恐らくαM0ln(/)のオーダーであること

を示唆しています。
 

この結果はSuura(文献8)の一般的論旨と一致しており,

Newton(文献7)とChre'tinem(文献7)による2次の

Coulomb散乱への輻射補正の陽な計算結果と同じです。
 

様々なプロセスの,いくつかの最近の計算(文献

6,9,11)では,単一の対数因子さえ見られません。
 

要約すると直接の計算は単一のポテンシャル相互作用

対して次式を生じます。 

{5αM0/(6π)}}n(2pp'/2)+O[αM0].(2.40)

です。
.
 

もしも,ポテンシャルが2回以上作用するなら,恐らく,

追加の単一の対数項が得られると考えられます。
 

本節の結果は,γ+P→e+e+Pに対して計算された

輻射補正と直接に関連して比較されます。

始電子.終電子に関する広角度での制動輻射の生成と関わる

広角度散乱の]評価は,広角度の対生成に対応します。
 

そして,αln(/)ln(/ε)とαln(/)のオーダーの

補正,この散乱のケースの対生成に対して計算され

(文献11の式(29)参照),我々が見出した主要オーダーの補正

(2.31)(2.40)正確に一致します。

 
もしも,その対のうち唯一1つの電子が検出されるなら,他の電子

入射光子に平行に出現します。このケースには電子の伝播関数

,ほとんど実数になり,付加単一対数項は電子の角度にわたる

積分から生じます。(文献11の式(17)(23)参照)
 

さて,次は,仮想光子でなく実光子の寄与の項目 :

()非赤外実光子項の詳細 

(Detailed non-infrares real photon terms) 

に入り,これ以上続けると長すぎるるので,今回は

ここで一旦終わります。

 PS
:アップした原稿編集の途中ですが本日2017

321(),これからお茶の水の順天堂医院

の外来に向かいます。

帰宅は夕方と予想れるので,図の追加なども

その後です。 


  PS2::連休後なのに.思ったほど混んでなく
16時ころ

無事帰宅しました。相変わらず雨オトコでしたが。。。

 

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2017年3月 8日 (水)

赤外発散の論文(1961) 付録(A1の3)

  赤外発散の]論文の付録の詳解の残りです。

 前回までの記事と同じく10
年以上前のノートを読み返してみて
今は理解できない部分もあるので,とりあえずノートをほぼ丸写ししてアップしていますが解釈が,Pendingで私自身スッキリしない所あります。

 §付録A:行列要素からの赤外因子の抽出の続きです。

§A-1.:ケース():

※閉ル-プ(Closed loops)
 

実光子線,仮想光子線と関わる電荷のくり込みを除けば,閉じた 

荷電ループの存在は,これまでの結果を変えることはありません。
 

このことを見るために,4つ以上の外光子線がつながっている 

閉ループを考察します。

(※ ここで外光子線の外とは閉ループに対して外部という意味

です。※)
 

光子の1つの4元運動量が消えた(ゼロ)なら,このループに

関わる因子は消えます。
 

これは荷電粒子によるループを回る運動量pμに関して,

より低いオーダーの表現を偏微分することによって,ゼロ

運動量の光子に対する表現を常に得ることができるという

事実から従います。
 

それ故,完全微分の積分を得るため.その結果ゼロとなる

のです。
 

(3-1):(/∂pμ){1/(-m)}=-pμ/(-m)2 

=-(-m)-1γμ(-m)-1 です。
 

それ故,r[γ(-m)-1γ(1-m)-1γ(2-m)-1…] 

をpμで微分すると 

1つのki0が付加された,

(-Σii-m)-1γμ(-Σii-m)-1 

の高次のグラフを,各電子線の間に1つずつ挿入した表現

を得ます。
 

これのpμによる積分はループグラフの寄与を示すトレース

因子ですが,この積分結果は, 

r[γ(-m)-1γ(1-m)-1γ(2-m)-1…] 

となり,こtれはp=±∞の端点では消えるため寄与は 

ゼロです。(3-1終わり※)
 

こうして,軟光子が1つの閉荷電ループに連結するなら,

それは(電荷のくり込みを与える真空偏極を除いて)自動的

にオーダー()の寄与を与えるということがわかります。
 

 論旨の可能な複雑化

(Possible Complication In the Argument)
 

赤外因子化の一般的で,しかし単純かつ厳密な証明の構成

は未だ,なお完遂されてはいません。

  前の議論は赤外発散の重複がより明白
なことのいくつかが.

どのようにして削除できるかを示しているだけです。
 

論旨の主要な道筋を与えるに当たって,単純さのために

さらなる困難のいくつかの可能な源は片付けられました。


  これらのあらゆるものに
今から言及し,議論は,それらが

実際に主要な結果を覆すことはないという理由を与えます。
 

()これまで見たように,赤外発散現象は,その4元運動量が質量殻

の上,またはそれに非常に近いところにある電子線につながる光子

関わっています。

我々は単に電子線が外線,またはほとんど外線である可能性のみ

を考えてきました。
 

しかし電子線が内線であって2つの大きい大きい運動量遷移

のある可能性についてはどうでしょうか?

この点はQ~が大きいのに(22pQ~)が小さい条件の下で

,次の(-10)式: 

{(~-k)22(~-k)}-1 

×({γμ(2μ-kμ)/(22kp)}(~-m) 

2(~μ(2μ-kμ)(~)/(22kp)

(1/2)[,γμ]) ×(~-m)-1 

を考えることができます.
 

この場合,(-10)を無視する論拠はもはや成立しません。 

この困難は事実上Q~は積分変数であるという見解によって

処理されます。
 

~による積分に関しては,上の(-10)の第1因子は1つの極

でありk→0 のとき,何ら自明な困難を生じません。
 

()もしも,全運動量因子が小さいなら,kが大き過ぎる

とき,(-11式):

~p'{(2μ-kμ)/(22kp)(2p'μ+kμ)

/(22kp’)} ×Γ(,~i)p .

の後で簡単に用いた近似q~i→qiは正しくなくなります。
 

しかしながら,証明における破れを示しているよりも,

むしろ,これはkにおける赤外項が,それ自身で良い近似を

与えるのなら,kはどのくらい小さくなければならないか?

という1つの制限と解釈することもできます。
 

こうして,もしもk≦qなら(qは全運動量遷移),その光子を

"soft(軟らかい)"と呼んで良く,我々の特別な分離で定義

されるような赤外寄与が,他の寄与よりも支配的になると

断言できます。
 

一方,k≧qなら光子は,"hard(固い)"であり,非赤外の

寄与が支配的になると考えられます。
 

こうした所見は,本論文の序文で与えた直感的準古典的論拠

によって支持されます。
 

散乱域はq-1よりも小さいオーダーの領域に局所化すること

できないので,スぺクトルはk≧qに対して赤外形式から

はずれると予想されます。

 
こうした所見は,§5()で与えられた見かけの電荷くり込み

の議論を無効にするわけではないことを指摘するのは重要

です。
 

そうしたケースにおいては論じている仮想光子の両端は

単一の電子線上につながってています。そこではq^とq

の間に何の差異もなく,この特別の近似をする必要は

ありません。
 

() 閉ループの議論はpμに関する微分が被積分関数を特異

にする場合には困難を生じ得ます。そのときには部分ごとの

積分がゼロを与えるようには実行できません。
 

しかしながら,こうした閉ル-プの構造からそうした特異性

が生じるための何の既知の理由もありません。
 

さて,たった今上で述べたリストアップは,確かに全てを

尽くしているわけではないです。

  厳密な証明の詳細を提示するのは極度に複雑かもしれません

が,我々の議論でなされた近似が直感的にとてももっとも

らしいことを示すには,ほとんどが与えられていると

思われます。
 

※ここまでで,付録Aの翻訳と解説は終了です。
 

私のノートでは,20032/27にこの付録Aを読了と日付が

記述されています。

  丁度今から14年前(平成15)53歳で,心臓病が発症する
 

4年前です。慢性の糖尿病ではありましたが,普通に仕事を

していて酒もタバコもやり,後に障害者となって失業する

ことなどは,考えてもいなかったころです。
 

まだ,ブログも開始してなくて自己の1つの夢の実現(実存)

めざし,収入には関係なくてもワークという名の,自分の 

ライフワークを追求中でした。。
 (※誰かのためでも社会のため
でもなく,自分の利益や名誉

などのためでもなく,単なる自己満足の生きてきたアカシ

ためでしたが。。。※)

まだまだ,勉強して必要な知見をコツコツと吸収しようと

していました。このころは,体力はあったので,自己主張

PC日記=ブログなどに脱線することもなく,今と同じく

貧しいながらも,自力で稼いで一直線に頑張ってましたネ。

  今もやりたいことは同じですが大病を機会に看病して

くれた方々の大変さを理解し,その感謝の気持ちと同時

余生では,微力ながら同じような障碍者や他者への

もやるべきかな?と考えるようになりました

以後,介護ヘルパー2級を2009年末に取得,手話講習も2010年

に受けましたが,私の身体が悪化して,ついていけません。

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2017年2月28日 (火)

赤外発散の論文(1961) 付録(A1の2)

 2月4日に付録(11)をアップし,最後に(つづく)

書いてから随分経ちました。これの続きのアップを休んで

いた理由,1つには215日に年金が入るまでは極度の金欠病

で普通に生活する気力が失せていたためです。

  
そして,その反動で,10月の引っ越し後の部屋の環境整備

3段階で,テレビドアホンなどを含む,足と心臓と眼が

不自由な身では,少し高価でも,是非と 必要な品の購入

etc.の方に,かまけていました。
 

 もう1つの理由は,何故か,さらに眼が見えにくくなり

自分で書いたノ-トの文字さえ判読できないことが多く,

糖尿病のせいで疲れやすいこともあって草稿書きもスグに

疲れて断続的になり,余命幾漠もないので可能な他の快楽

的趣味に逃避していたためです。
 

※何はともあれ,科学ブログを再開して以下は付録の

続きです。
 

§付録A:行列要素からの赤外因子の抽出 

(Extraction of the infrared factots from the matrix element) 

の続きです。
 

§A-1.: ケース():
 

 もしも,1つの光子の両端が,単一の電子線につながって

いるなら, 赤外発散だけでなく,紫外発散もある

と考えられます。
 

この紫外発散は質量のくり込みと,見掛けの電荷のくり込み

関わっています。
 

質量のくり込みは,相殺項による直接の相殺の通常の手法

で扱えます。
 

種々のグラフからの寄与は一まとめにされ,そこで見掛け

の電荷のくり込みは完全に相殺されます。
 

簡単のため,電子線は,初め,その外線の上には自己エネルギー

部分を持たない。と仮定します。

こう仮定して得られた結果が,初期に波動関数のくり込みも

存在する,より一般のケースについても正しいことは明らか

なことです。
 

まず,第一に付加光子が波動関数のくり込みには寄与しない

グラフ群を調べます。その手法は次の通りです。
 

光子線の一端を第1相互作用の線に固定し,固定点より前の点

にある他の端の挿入に対応する,あらゆる寄与にわたって総和

を取ります。



  このクラスのグラフは一般に図2の(),(),()に示されて

います。

  
もしも,固定点が終外線上にあるなら,このグラフの

クラスは,図2の(),()に図示されるものとなります。
 

よく知られているように,このセットに対する紫外発散は

Wardの恒等式の帰結として相殺されます。
 

(※文献:(32)参照,ただし固定点が終外線上にある場合

は除きます。この場合は波動関数のくり込みも要求します。)


※(注2-1):
Wardの恒等式については,2011年5/4の本ブログ過去記事

「量子電磁力学の輻射補正(7)(頂点補正-1)」から一部を再掲載

することで説明しておきます。


(※ 以下再掲記事です。)

 輻射補正の続きです。頂点補正に入ります。

§8.6 The Vertex Correction(頂点補正)

 

 

 上図8.4のうち,(c)の評価だけが残っています。


 これは光子が頂点γμを橋渡しすることによる補正
を示しています。

 このグラフは2次の頂点(vertex)部分といわれます。

 この頂点グラフの物理過程への寄与を計算するために,

 積分量;Λμ(p',p)≡(-ie)2ε0-1∫d4k(2π)-4

 {(-i)(k2-λ2+iε)-1γνi('--m+iε)-1

 γμi(-m+iε)-1γν} を定義します。

 
この計算式では,図8.4(c)において仮想光子によって生成される

電子の運動量をp'とし,陽電子の運動量を-pとしています。

 同様
に,同じ式は下図8.9に示すようなある外場ポテンシャルに

よる電子散乱による輻射補正をも表わしています。

 
このケースにはp'は同じく終状態の電子の運動量ですが,

は陽電子ではなく,始状態の電子の運動量です。

 というわけで,見かけ上異なる物理過程への補正を同じ関数Λμ(p',p)

 で記述します。(← ※向きは違いますが同じグラフなので,

 これは正当化されます。) 

 また,赤外発散にも遭遇するので,
非常に軟らかい光子(k ~ 0 )

の寄与を切断するため,再び光子に微小質量λを充当しておきます。

 
さて,始状態,終状態の自由粒子運動量に対して,q=p'-p=0

 のときのΛμ(p',p)を考慮することから無限大部分を分離します。

 
'=m,=mに対しては,

 u~(p)Λμ(p,p)u(p)=u~(p)(Z1-1-1)γμu(p)

 と書けます。

 ただし,Z1は質量の平方:m2=p22とそれを有限にするに必要

 な,切断に依存する定数です。

 しかし,u~(p)Λμ(p,p)u(p)=u~(p)(Z1-1-1)γμu(p)

 はより普遍的な式です。

 何故なら,他の唯一のパラメータである4元ベクトルpν 

 スピノルu~(p)とu(p)に挟まれたときは常にmγν 

 等しいからです。

 そして,この定数Z1は計算する必要はありません。

  それはμ(p,p)=(-ie)2ε0-1∫d4k(2π)-4 

 {(-i)(k2-λ2+iε)-1γνi(-m+iε)-1 

 γμi(-m+iε)-1γν}と,
 

 -iΣ(p)=(-ie)2ε0-1∫d4k(2π)-4 

 {(-i)(k2-λ2-iε)-1γνi(-m+iε)-1γν} 

 を比較すると,次式の成立が見出されるからです。

 すなわちμ(p,p)=-∂Σ(p)/∂pμです。
 

 (※この関係式はWardの恒等式(Ward's identity)

 と呼ばれます。)

  ここで重要な恒等式:

  (∂/∂pμ)(-m+iε)-1=(∂/∂pμ){1/(-m+iε)}

  =-{1/(p-m)}γμ{1/(p-m))}を用いました。
 
(※何故なら(∂/∂pμ){1/(γμμ-m)=-γμ/(γμμ-m)2

 であるからです。)

 この式は,自由伝播関数の運動量による微分が電子線グラフへの

 ゼロエネルギー光子の挿入に等価であることを主張しています。

 具体的には,まず,

 Λμ(p,p)=-∂Σ(p)/∂pμの右辺の微分は前節の表現:

 Σ(p)=δm-{Z2-1-1+C(p)}(-m) から,直接に

 計算できて,

 ∂Σ(p)/∂pμ=-{Z2-1-1+C(p)}γμ

 +{∂C(p)/∂pμ}(-m) となることがわかります。

 したがって,u~(p)Λμ(p,p)u(p)

 =-u~(p){∂Σ(p)/∂pμ}u(p)

 =u~(p)(Z2-1-1)γμu(p) が得られるわけです。

 これと,

 u~(p)Λμ(p,p)u(p)=u~(p)(Z1-1-1)γμu(p)

 を比較すると,e2のオーダーまでではZ1=Z2と結論

 されます。(※過去記事からの引用終わり)。

 

 結局.Wardの恒等式:Λμ(p,p)=-∂Σ(p)/∂pμ

 から,頂点(電荷)Λμ=Γμ-γμのくり込みは電子の

 自己エネルギー:Σ(p)のくり込みに連動します。

 
 (注2-1終わり※)

 

最後に固定点の異なる位置に対応する,あらゆるグラフの

寄与にわたり総和します。
 

固定点が外線上でなく内部点である場合の図2の()から

の寄与は,次の形の因子から成ります。
 

~p’Γ2(-m)-1γμ(-m)-1 

Γ1(p-k,i)(-m)-1γμp 

=u~p’Γ2(+Q-m)-1{(2)/(22kp)} 

(+Q--m)-1Γ1(p-k,i)p+K() ..(-16)
 

(2-2):まず,Qは運動量がkの光子線がつながって

いる電子線よりも前の全てのqiの総和です。

さて,(A-16)の証明です。前に,次の(-3):: 

~p'Γ(p-k,~i)(-k-m)-1γμp  

=u~p’Γ(p-k,~i)(-k-m)-1

{(2μ―kμ)/(22kp)}p 

-u~p’Γ(p-k,~i)(-k-m)-1{

(1/2)[,γμ]/(22kp)}p で見たように
 

(-k-m)-1γμp 

[{(2μ―kμ)(1/2)[,γμ]}]p/(22kp) 

ですが,これに左から,~p’Γ2(-m)-1γμ

掛け,さらに最後のupの前にΓ1を挿入すると,
 

~p’Γ2~p’Γ2(-m)-1γμ(-k-m)-1γμΓ1p 

 =u~p’Γ2(-m)-1

[{(2μ―kμ)/(22kp)}γμΓ1p  

-u~p’Γ2(-m)-1γμ{(1/2)[,γμ] /(22kp)}]

Γ1p を得ます。
 

この最後の右辺の第2項は,明らかにkによる積分で有限という 

意味のK()に属します。 (2-2終わり※)
 

ここで,Γ1,および,Γ2,それぞれ,固定点よりも前.および,

後の部分グラフから生じる寄与を示す因子の4×4行列です。
 

先の(-1):~p’Γ(,i)p ..で導入定義したΓは,

丁度k=0としたときの上の(-16)の積因子:

Γ2(-m)-1Γ1に相当します。 


(
※k=0,今の運動量がkの仮想光子が入って伝播し

出ていく頂点と内線の因子部分:γμ(-k-m)-1γμ

がない場合です。※)
 

行列;Γ1(,i)については, 

(-6):

μΛμ(,~i,)=Γ(p―k,~i)-Γ(,~i) 

におけるΓ(,~i)と同様な恒等式を満足し, 

それ故,ケース()と同じ手順に従います。
 

Γ1(p―k,i)-Γ1(,i)という差から生じる寄与は光子

の変動端がΓ1において最初と最後の相互作用の間に終わる

図2の()のグラフからの寄与に結合されます。
 

前のように,これは丁度,置き換え(-8) : 

γμ → γμ{(2μ-kμ)/(22kp)}=gμ に対応し

このときと同じ論旨によって,こうしたトータルの寄与はkに

ついて積分すれば,双方の項が有限なら紫外発散が含まれない

ことが容易に示されます。
 

これはΓ1の最終相互作用に対する頂点部分の紫外発散

(くり込み)関する部分のことです。
 

ここで問題としている残りの部分は 

~p’Γ2(-m)-1 

×[{(2)/(22kp)}{1(-m)-1} 

+γμ(-k-m)-1γμ2(m+2kp/)/(22kp)] 

×(-m)-1Γ1p  ..(-17)です。
 

右辺の[ ]の中の最初の主要項はΓ1,(-16) 

つまり,~p’Γ2(-m)-1γμ(-m)-1 

Γ1(p-k,i)(-m)-1γμp 

=u~p’Γ2(+Q-m)-1{(2)/(22kp)} 

(+Q--m)-1Γ1(p-k,i)p+K()  

において,
 

Γ1(p-k,i),これのk=0としたもの: 

Γ1(,i)

=Γ1(p-k,i){Γ1(,i)-Γ1(p-k,i)} 

=Γ1(p-k,i)+K()

に置き換えたものです。
 

(2-3):何故なら, 

{1(-m)-1(-m)-1

(-m)-1 なので,

[{(2)/(22kp)}{1(-m)-1} 

(-m)-1Γ1p  

[{(2)/(22kp)}(-m)-1Γ1p

です。  (2-3終わり※)
 

一方, 右辺の[ ]の中の第2項の寄与は, 

~p’Γ2(-m)-1×γμ(-k-m)-1γμ 

×(-m)-1Γ1pですが,

これは,光子が同一の電子線上に吸収され,かつ放出される

2 ()1グラフに対応しています。
 

また,3:

~p’Γ2(-m)-1×[2(m+2kp/)/(22kp)] 

×(-m)-1Γ1p 

,質量くり込みを与える被積分関数の因子です。
 

(※ 第3項が,この形で,何故に質量くり込み項なのか?

については当時のノートにも不明。。と書いてあったため,

かなり私的に愚考しましたが。。

。結局,しばし Pending・・・ です。

加古記事:

「量子電磁力学の輻射補正(5)(電子の自己質量-1)」から

自己質量のグラフは下図です。

 

これの寄与は,

-iΣ(p)=(-ie)2ε0-1∫d4k(2π)-4

 [(-i)/(k2-λ2+iε)]γν{i/(-m+iε)}γν]です。

※)

我々は,今こうした全表現はK()の形式に含まれると断じます。
 

最初の主要項のうちの第2の部分は,第2項と一緒に,

もしも左から,この表現にγμを掛けたときには, 

先の(-9):(-m)-1 (~-m)-1 

×[γμ{(2μ-kμ)/(22kp)}](~-m)-1 

と同じ構造を持っています。
 

これは,左からγμを掛けた(-10) 

{(~-k)22(~-k)}-1 

×({γμ(2μ-kμ)/(22kp)}(~-m) 

2(~μ(2μ-kμ)(~)/(22kp)(1/2)[,γμ]) 

×(~-m)-1 の形の寄与を有することを意味します。
 

その際の考察によれば,(-10)の最初の2項に対応する寄与は

()に属し,最後の項は質量のくり込みに寄与します。
 

かくして,(-17)[ ]の中は次のように書けます。 

2(-m)/(22kp)(2kp/)/(22kp) 

3/{22(p+Q)+Q2Qp}+K() です。 

(※ 何故なら,

ーγμ(1/2)[,γμ](1/2)(γμγμ-γμγμ) 

(1/2)(24)3です。※)
 

この新しい式の第1項は,明らかにK()に入ります。
 

また第2項と第3項も相殺するので,ネットの結果で,() 

形式を与えるに過ぎません。
 

この相殺を証明するには,第2項で(kp)/2

の代入と,3(){k(p+Q)}/(p+Q)2

とする代入とが作る対称性を用いるのが便利です。
 

(2-4): 何故なら,外線は質量殻の上にあるので

mと同一視してよく,そこで2kppk2kpなる

同一視から,置換:(kp)/2か正当化され,


 
第2項は,
(2kp/)/(22kp)

→-(2)(kp/2)/(22kp) となります。
 

他方, (){k(p+Q)}/(p+Q)2からは, 

第3項が,3/{22(p+Q)+Q2Qp} 

3(){(p+Q)}

/[(p+Q)2{22(p+Q)(p+Q)2-m}] 

となりますが,
 
  
Q~0では,p+Q→pなるスキップが正当化

され,(p+Q)2もm2に置換すると.

3(kp)/{2{22kp)} となります。
 

一方,-(2)(kp/2)/(22kp)では2mは,

2としていいので,先の第2項は,

3(kp/2)/(22kp)となり,上の第3項と 

相殺することがわかります。
 

つまり,Q~0ではトータルでの寄与がゼロでK()に入る 

わけです。
 

また,第項:(2(-m)/(22kp)=mの質量殻の

では消えます。  (2-4終わり※)
 

こうして,(-17)による赤外発散は消えます。
 

これは,もちろん,前節の終わりで言及した紫外発散を相殺する

ために,(